学資保険の保険料は控除対象!?きちんと知って賢く節約しましょう!

お子さんの未来に向けて、学資保険の検討/加入をなさる方は非常に多く、数ある生命保険の中でも根強い人気があります。

金利低迷で銀行預金などでの学資金貯蓄法はBESTとは言えない昨今、より利率の高い生命保険商品に、その方法がシフトされる傾向にあるのです。

しかしながらその利率の高さ故に、学資保険も含めた貯蓄型生命保険の保険料は、高めの設定がなされています。

有意性が高く高利率である反面、月々の保険料支払いは、少なからず家計の負担とならざるを得ないのも、また事実なのです。

でも、ちょっとお待ちください。

実は学資保険の保険料が、生命保険料控除対象だとご存知ですか?

お子さんの将来の為の大切な準備金だからこそ、少しでも何がしかの控除があるのであれば、受けない手はありません。

そこで今回は、保険料控除の基礎知識から控除の受け方までを、徹底解明してまいりますので、ご一緒にお子さんの将来への礎を築いてまいりましょう。

1.学資保険とは

冒頭でも申し上げた通り、学資保険はお子さんの将来に向けたプレゼントでもあります。

しかしながら少子化が叫ばれてい久しい昨今、高校や大学では定員割れを引き起こす事態となっていながら、一方で学費は年々上がり続けています。

概算ではありますが、学費の目安として下記を年頭に置いた上で、学資保険の特徴や有用性を、まずはおさらいしてみましょう。

公立一本やりで大学まで進学した場合が、2,985万円
私立一本やりで大学まで進学した場合が、6,064万円

 

1.1特徴

学資保険とは、みなさんご存知の通り、子供の教育資金の確保を目的としている保険商品で、養老保険などと同様に、掛捨てではない貯蓄型に分類されます。

基本的には一般的な生命保険と同じく、月々決まった額の保険料を払い続ければ、契約時に定めたお子さんの年齢に合わせた給付金が、後々受け取れるようになっています。

 

 

そこでまずは、学資保険のメリット/デメリットを、押さえておきましょう。

メリット
・子供の入学や進学のタイミングに合わせた保険設計が可能

・進学などのタイミングで、祝い金を受け取れるように設定可能

・契約者死亡の場合、それ以降の保険料の払い込みが免除制度あり

デメリット
・貯蓄型なため、保険料が割高

・保険期間が長期にわたる為、保険料を払い続けられるだけの経済的体力が必須

先に申し上げた通り、銀行金利などと比較すると各段に利率が高く、貯蓄型であるがゆえに、月々の保険料の割高感は否めない商品となっています。

しかしながら、銀行でコツコツと積み立てるよりも利率が高いため、教育資金確保にはもってこいの商品となっています。

 

1.2仕組み

さて、学資保険はいくつかの種類に分かれますが、大別すると保障型学資保険と、貯蓄型学資保険が存在します。

まず保障型学資保険ですが、本来の貯蓄型部分に、お子さんの傷病による入院/通院保障や、死亡保障などが付加されています。

しかしながら、そのプラスαの部分に対して保険料が上乗せされるので、元本割れを起こしやすくなっています。

メリット
・契約者である親が死亡した場合、以降の保険料の払い込みが免除となり、満期保険金や祝い金は受け取れる

・商品により、契約者である親が死亡した場合、育英年金や死亡保険金が受け取れる商品あり

・商品により、被保険者である子供に死亡保障や医療保障などが付帯出来る

デメリット

・満期まで支払い続ける保険料総額が、受け取れる満期保険金や祝い金の総額を下回り、元本割れを引き起こす可能性あり

・自治体などが実施するこども医療補助や、高額医療費などの活用が可能なので、必須とは言い切れない

以上を踏まえた上での選択が求められる商品と、言うわけです。

一方の貯蓄型学資保険は、保障型のようにプラスα部分が無い分、保険料が割安になるばかりでなく、満期まで契約解除をしなければ、支払保険料総額よりも、受取満期保険金/祝い金の方が高くなります。

メリット

・契約者である親が死亡した場合、以降の保険料の払い込みが免除となる上、満期保険金や祝い金が受け取れる

・銀行などの金融商品よりも利率が高い

・金利固定商品であれば、元本保証

デメリット

・金利変動型の場合、元本割れの可能性も否定できない

 

どちらがより有用性が高いかと言うことは、それぞれのご家庭のプランニングによる為、一概に申し上げられませんが、自治体などが実施している、子供の疾病などに対する社会的保障制度(医療費補助制度)などが、ある程度充実しています。

万が一、高額な医療費が必要な疾病に罹患しても、健康保険で受けられる高額医療費などの活用も可能なので、無理に保障範囲を広げる必要性はないと言えるでしょう。

むしろプラスα部分の保険料上乗せ分を、一家の大黒柱の掛捨て型の死亡保険や貯蓄型の終身保険などへ投入することで、様々なシチュエーションに利用可能な、死亡保険金の増額が見込めます。

参考として、生命保険におけるそれぞれの仕組みや特徴を、ご覧ください。

定期保険 掛捨て型

10年20年といった形で保険期間が定まっていて、契約期間中の被保険者の死亡に対して、

死亡保険金が支払われる。

生存のまま満期を迎えると契約満了となり、満期金や中途解約による解約返戻金などの支給はないが

定額な掛け金で死亡時にまとまった保険金を受け取れるので、汎用性が高い。

終身保険 貯蓄型

一生涯が保険期間となり、規定の期間を超過すると解約返戻金が受け取れる。

死亡保険金も当然受け取ることができ、解約返戻金(規定期間超過が必須)/死亡保険共に払込済み保険料を

割り込むことなく、高金利に設定されている。

養老保険 貯蓄型

10年20年といった形で、保険期間が定まっていて、規定の期間を超過すると、解約返戻金が受け取れる。

また、保険期間満了時には満期金が受け取れ、生命保険の中で最も高金利に設定されている。

学資保険 貯蓄型

子供の入学や進学に応じて祝い金が受け取れ、まとまった教育資金とすべく、あらかじめ定めた満期時に満期保険金が受け取れるようになっている。

保険契約者である父親などが死亡した以降の保険料免除などが付帯されている。

収入保障保険 掛捨て型

契約者の死亡時より、契約時に設定した満期日まで、年金方式で保険金が受取可能。

生命保険は、ご覧いただきましたように、その守備が広いのが大きなメリットです。

長短使い分けで、家計における重要なポジションを担ってくれるのです。

さて、生命保険のアクティブ/ネガティブポイントをご理解いただいたところで、次章にて、非常に心強いある制度に着目したいと思います。

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2.控除とは

年末調整や確定申告でおなじみかと思いますが、実は狭い視点から漠然と「年末や年度末に実施している制度の一つ」として、控除を考えていらっしゃる方も、少なくはないでしょう。

控除とは、「金銭差し引く」と言う意味合いがあります。

皆さんが1/1~12/31まで得た収入は、課税対象となります。

しかしながら、収入や生きていく上で必要な経費というものは、家庭の数だけ千差万別です。

その違いを考慮して、それぞれが負担できる税額(担税力)を精査して、所得税から控除されるものが、一般的にいわれる「所得控除」となります。

この章では「控除のなんたるか」を、改めて確認しておきましょう。

 

2.1一般的な所得控除

一般的な所得控除には、以下の15種類が存在します。

1 医療費控除
2 配偶者控除
3 配偶者特別控除
4 扶養控除
5 勤労学生控除
6 寡婦控除
7 寡夫控除
8 社会保険料控除
9 生命保険料控除
10 損害保険料控除
11 障害者控除
12 雑損控除
13 基礎控除
14 小規模企業共済控除
15 寄付金控除

この15種類で得た所得は、控除対象の定義範疇であれば所得控除対象となり、年末調整や確定申告をすることによって、既に納付した税金の一部が還付されます。

水色でマークアップされたものに関しては、皆さんの身近な控除となりますが、「え!こんなにあるの?」と思われる方も、少なくはないでしょう。

実は、こんなにも多くの控除が存在していることを、頭の片隅に置いて置きましょう。

 

2.2その他の所得控除

先に述べた一般的な所得控除15種類以外にも、下記の4種類の控除が存在します。

1 住宅ローン控除
2 退職所得控除
3 公的年金控除
4 給与所得控除

自身の収入に対して受けられる可能性のある控除については、是非活用すべきものなのです。

 

3.保険料控除とは

さて、様々な控除を見ていただいたところで、今度は「保険料控除」を、見てまいりましょう。

保険料控除は、大きく下記の3種が存在します。

社会保険料控除
生命保険料控除
損害保険料控除

冒頭でもお伝えしたように、学資保険は生命保険に該当するので、生命保険料控除が受けられます。

そこで、それぞれの控除の内容を、見てまいりましょう。

 

3.1社会保険料控除

納税者本人、その本人と家計を一にする配偶者、その他の親族が社会保険料を支払ったときに控除されるのが、社会保険料控除です。

1年間に支払った社会保険料の全額が控除となり、その総額に制限がないのが特徴です。

対象となる保険料は、下記が挙げられます。

国民健康保険料
介護保険料
国民年金保険料
厚生年金保険料
船員保険料
国民年金基金の掛金
厚生年金基金の掛金
健康保険料
雇用保険料
共済組合の掛金
農業者年金の掛金
その他、国によって公的なものと認められた保険料や掛金

 

3.2生命保険料控除

納税者本人や親族を保険金受取人にした場合の、生命保険料が控除されるのが、生命保険料控除です。

被保険者の万が一に備えつつも控除対象となるので、上限額を上手に活用して、適正なライフプランニングも可能です。

つまり、節税対策としてとても有効な手段であるわけです。

その対象となる生命保険は、下記の3種類になります。

民間の生命保険
共済保険掛け金
郵便局の簡易保険

 

3.3損害保険料控除

生命保険料控除とよく似ているのが、損害保険料控除です。

納税者本人、その本人と家計を一にする配偶者、その他親族の保険金が支払われる損害保険料を支払っている際に、控除対象となります。

その控除対象は次のようになります。

住居に掛ける火災保険
住居に掛ける地震保険
家財に掛ける火災保険
家財に掛ける地震保険
一部の積み立て火災保険
一部の積立傷害保険

基本的には、地震保険料のみが損害保険料控除の対象であると思ってください。

火災保険料控除は、長期契約での積立火災保険の保険料が対象になります。

これは、税法が変わった事で、平成18年12月31日以前に締結された、保険期間が10年以上の契約に関しての「経過措置」とし、控除対象となっているのです。

この「経過措置」以外は、先ほども申し上げた通り、基本的には地震保険料だけが控除対象だ、思っておいてください

 

4.生命保険料控除とは

保険料控除にも様々な対象が存在することをご理解いただいたところで、「生命保険料控除」の情報を、この章ではブレイクダウンしてまいりましょう。

 

4.1生命保険料控除の種類

生命保険が控除対象となるのは、下記の3種類です。

一般生命保険料控除
介護医療保険料控除
個人年金保険料控除

皆さんご存知だと思いますが、生命保険料控除制度は改定が行われました。

改正前の旧制度はそのまま継続され、平成24年1月1日以降に契約を行った生命保険などは、新制度の下で対象となります。

それでは新制度と旧制度の違いを、ここでチェックしておきましょう。

新制度
(平成24年1月1日以後の契約)
旧制度
(平成23年12月31日以前の契約)
控除の種類
一般生命保険料控 一般生命保険料控除
個人年金保険料控除 個人年金保険料控除
介護医療保険料控除

制度改正により、介護医療保険料が新たに控除対象となりました。

高齢化が進む中で老老介護などが何かと心配されている昨今に対応すべく、新制度へと改訂されたわけです。

 

4.2控除対象外の保険

ここでご注意いただきたいのが、控除対象外となる生命保険の存在です。

財形保険
保険期間5年以下の貯蓄型保険
団体信用性目保険

「生命保険なら、なんでもいいのね!」と思うのは、早計です。

保険の加入や変更を検討していらっしゃる方は、上記が控除対象外になると言うことを、事前に知っておくことが大切になります。

 

5.生命保険料控除額の目安

「生命保険料が控除されるのは分かったけれど、一体いくらくらい戻ってくるの?」

という声が聞こえてまいりますので、この章では肝心かなめの控除額を、確認してまりましょう。

 

5.1生命保険控除額

まず知っておいて頂きたいのが、一般的な生命保険料控除対象になるには、下記のように保険受取人に制約があると言うことです。

保険受取人
契約者本人 配偶者 その他6親等以内の血族 3親等以内の婚属

多くの生命保険が、契約者ご本人やご家族が受取人とされているので、豆知識として押さえておいてください。

 

さて、ここからがいよいよ本題の、生命保険料控除額です。

前章でも申し上げた通り、生命保険料控除制度は改定が行われました。

正前の旧制度はそのまま継続され、平成24年1月1日以降に契約を行った生命保険などは、新制度の下で対象となります。

新制度 旧制度
  所得税 住民税 所得税 住民税
区分 年間払込

保険料額

控除される金額 年間払込

保険料額

控除される金額 区分 年間払込

保険料額

控除される金額 年間払込

保険料額

控除される金額
一般生命
保険料
20,000円以下 払込保険料全額 12,000円以下 払込保険料全額
一般生命
保険料
25,000円以下 払込保険料全額 15,000円以下 払込保険料全額
20,000円超
40,000円以下
(払込保険料×1/2)
+10,000円
12,000円超
32,000円以下
(払込保険料×1/2)
+6,000円
25,000円超
50,000円以下
(払込保険料×1/2)
+12,500円
15,000円超
40,000円以下
(払込保険料×1/2)
+7,500円
40,000円超
80,000円以下
(払込保険料×1/4)
+20,000円
32,000円超
56,000円以下
(払込保険料×1/4)
+14,000円
50,000円超
100,000円以下
(払込保険料×1/4)
+25,000円
40,000円超
70,000円以下
(払込保険料×1/4)
+17,500円
80,000円超 一律40,000円 56,000円超 一律28,000円 100,000円超 一律50,000円 70,000円超 一律35,000円

旧制度/旧制度を比較すると、引き下げになったのが、お分かりいただけるかと思います。

企業にお勤めの方は、勤務先の人事/総務などが控除の手続きを行ってくれていますが、ご自身で確定申告なさる自営業の方も含め、知識としてこの金額は押さえておきましょう。

 

5.2生命保険料控除限度額

「控除してもらえるなら、支払った保険料MAX分をしてもらおう!」

などとお考えになる方もいらっしゃるかと思いますが、残念ながら生命保険料控除には、下記の様な上限(限度額)が設定されています。

新旧制度での生命保険料控除の限度額

資金が潤沢で多くの保険に加入されていらっしゃる方には、不要な情報となり得ますが、一般的には家計をやりくりして、月々の保険料を捻出されていらっしゃる方も少なくはありません。

生命保険加入の際の一つの指標として、生命保険料の控除を受ける視点からの情報もおざなりになさらずにいて頂ければと、思います。

 

5.3生命保険料控除の手続き

当然のことながら、控除を受けるには申請が必要です。

なお、所得税で手続きをしていれば、住民税の手続きは不要となります。

申請書 添付書類 提出先 注意点
サラリーマン 給与所得者の保険料控除等申告書 生命保険料控除証明書 勤務先企業 年間給与総収入額が2,000万円超過の場合は、要確定申告
自営業 確定申告書 生命保険料控除証明書 税務署

 

6.学資保険にかかる税金とは

さて、前章にて月々の保険料を支払っている側からの情報を、確認していただきました。

・生命保険料が控除対象になること

・実際の控除対象額

・限度額

これらをご理解いただいたところで、今度は学資保険を受け取る側からの情報も、併せて確認しておきましょう。

 

6.1契約者との関係性

受け取った学資保険に対する課税の大きなポイントは、受取人などの契約形態(契約者/被保険者/受取人)に依存しています。

その関係性によって、下記のように課税対象となります。

契約形態 契約者 被保険者 受取人 税金の種類
契約者と受取人が同一人の場合 父親 父親 所得税
契約者が父親で受取人が子の場合 父親 贈与税
契約者が父親で受取人が母親の場合 父親 母親 贈与税
契約者、被保険者、受取人がそれぞれ異なる場合 祖父母 父親 贈与税

それぞれの税金に関する情報は、次章にて見てまいりましょう。

 

6.2所得税

所得税とは、読んで字のごとし、1/1~12/31までに得た収入に関して課税されるものです。

そこで、第1章でご覧いただいた、学資保険の基礎知識をまずは思い出して下さい。

その中で見ていただいた、学資保険の「祝い金」や「満期保険金」が一定額を超過した場合は、当然のことながら所得税の対象となります。

その対象となるのが、下記の契約形態です。

契約形態 契約者 被保険者 受取人 税金の種類
契約者と受取人が同一人の場合 父親 父親 所得税

 

簡単に申し上げると、学資保険受取に関する所得税は、下記の2種に大別されます。

ケース1 満期金や祝い金などを、一時金方式で受け取った場合の所得税(一時所得) 本章にて解説
ケース2 満期金や祝い金などを、年金方式で受け取った場合の所得税(雑所得) 次章にて解説

 

所得税の算出方法は、難解にはできておらず、非常にシンプルです。

当然のことながら、その他の収入も含め、祝い金や学資保険金の受取額が多ければ多いほど、その税率は高くなります。

所得税計算早見表

課税される所得金額 税率 控除額
195万円以下 5% 0円
195万円を超え 330万円以下 10% 97,500円
330万円を超え 695万円以下 20% 427,500円
695万円を超え 900万円以下 23% 636,000円
900万円を超え 1,800万円以下 33% 1,536,000円
1,800万円超 40% 2,796,500円

 

それでは、課税対象となる所得税の金額を、算出してみましょう。

ケース1:満期金や祝い金などを、一時金で受け取った場合の所得税(一時所得)対象額

 

満期で受け取った保険金総額 - 支払った保険料総額 - 特別控除 500,000円 × 1/2

 

この計算で算出した金額が、1円以上であれば要確定申告、それ以下であれば確定申告不要となります。

 

つまり、安い保険料で相当額の保険金を受け取らない限り、所得税の課税対象にはならないと言うことになります。

また学資保険を検討された方ならご存知かと思いますが、下記の追加情報もご覧ください。

 

・現在販売中の学資保険では、概ね満期保険金が600万円程度ののものからが、課税対象となる

・一般的には、300~400万円の満期保険金が受け取れる学資保険への加入者が圧倒的に多いので、学資保険ではほとんどの場合は税金がかからない

 

この情報は、学資保険導入を検討する際にも一つの指標となりますので、覚えておいて損はありません。

 

6.3雑所得

さて、次に雑所得とされる場合を、見てまいりましょう

ケース2:満期金や祝い金などを、年金方式で受け取った場合の所得税(雑所得)対象額

 

学資年金額 -(保険料総額 ÷ 年金受取回数) - 500,000円

この計算で算出した金額が、1円以上であれば要確定申告、それ以下であれば確定申告不要となりますが、会社員なのか、自営業者なのかで、下記のように確定申告の要不要は異なりますので、注意が必要です。

会社員の一時所得は40万円以下だと非課税

自営業者の一時所得は0円だと非課税

ここまでの算出方法のサンプルを下記としますので、ご自身の契約と照らし合わせてみてください。

時期
受取額
A
その時点で保険会社に払い込んでいた額
特別控除
C
一時所得A-B-C
年払保険料 ×年数
D
それまでに 受け取った祝金
E
差引
B
(D-E)
12歳 135万円
(祝金)
432万円 0円 432万円
一律
50万円
-347万円
⇒非課税
15歳 135万円
(祝金)
540万円 135万円 405万円 -320万円
⇒非課税
18歳 450万円
(満期金)
648万円 270万円 378万円 22万円
会社員⇒非課税
自営業者⇒課税

6.4贈与税

次は契約関係により、受取保険金が贈与税に該当する場合の、計算方法です。

契約形態 契約者 被保険者 受取人 税金の種類
契約者が父親で受取人が子の場合 父親 贈与税
契約者が父親で受取人が母親の場合 父親 母親 贈与税
契約者、被保険者、受取人がそれぞれ異なる場合 祖父母 父親 贈与税

贈与税は、下記計算式に当てはめて算出します。

贈与税の計算式

こちらも下記早見表で、簡単に確認できますので、先ほどの所得税同様に、自身の契約がどの区分に属するのか、きちんと把握しておきましょう。

贈与税計算法

基礎控除後の課税価格A 税率B 控除額C
200万円以下 10%
300万円以下 15% 10万円
400万円以下 20% 25万円
600万円以下 30% 65万円
1,000万円以下 40% 125万円
1,000万円超 50% 225万円

 

7.学資保険における保険料控除の受け方

学資保険が対象となっている、生命保険料控除は、待っているだけでは何も起こりません。

自身で勤め先の企業への年末調正による手続きや、確定申告を通じて執り行わなければなりませんので、ここからご説明申し上げる諸手続きを、必ず念頭に置いておきましょう。

 

7.1控除に必要な書類

保険契約に関しては、年末が近づくと、契約先の保険会社から保険料控除証明書がお手元に届くので、そちらを利用して申請を行いますので、忘れずに保管しておきましょう。

万が一紛失してしまっても、契約先の保険会社に連絡をすれば、再送してもらえますので、ご安心下さい。

なお、生命保険料控除の手続きは、一般保険/介護医療保険/個人年金保険、いずれも同じ手続きになります。

 

7.2企業勤務者の控除申請方法(年末調整)

企業勤務者や公務員の方は、月々の給与からすでに源泉徴収として、税金が控除されていますので、概ね勤務先の人事/総務などによる、年末調整がなされます。

なぜならば、この源泉徴収額が必ず正しいと言う訳ではないためで、税金の過払いや未納額不足に関する調整がなされるのです。

契約先の保険会社から送付される、保険料控除証明書を添えて、異動申告書の作成/提出など、社内規定に則って、申告を行いましょう。

 

しかしながら企業勤務者や公務員であっても、簡単に申し上げると下記の場合は、年末調整ではなく確定申告が必要となります。

・保険金や退職金などの受取も含め、年収2,000万円を超える方

・副業での所得合計が20万円を超える方

・医療費控除や住宅ローン減税(1年目)を行う方

・被災や盗難にあった方(諸条件あり)

・年の途中で退職をしたまま、無職の方

 

これらをより細密に表しているのが、下記にある確定申告対象の条件一覧になります。

1 給与所得がある方 年間所得が2,000万円を超える方
収入取得先が1ヵ所で、その全収入が源泉徴収の対象となる場合、各種の所得金額(給与所得/退職所得以外)の合計額が20万円を超える方
収入取得先が2ヵ所以上で、その全収入が源泉徴収対象となる場合、年末調整がされなかった収入と所得金額(給与所得/退職所得以外)の合計額が20万円を超える方
同族会社の役員とその親族で、同族会社から給与/貸付金利子/資産の賃貸料などを受け取っている方
災害減免法により所得税等の源泉徴収税額の徴収猶予や還付を受けた方
在日の外国公館に勤務する方や家事使用人の方などで、給与の支払を受ける際に、所得税等を源泉徴収されないこととなっている方
2 公的年金に関する雑所得のみの方

公的年金に関わる雑所得のみで、その額から所得控除を差し引いた残額がある場合

*確定申告が不要であっても、所得税などの還付を受けるには、要確定申告

*確定申告が不要であっても、住民税の申告が必要な場合あり

3 退職所得がある方

海外企業などから受け取った退職金など、源泉徴収されていない収入がある方

*退職金などの支払者に「退職所得の受給に関する申告書」が提出済みな場合は不要

4 1~3以外の方 各種所得合計から所得控除を差し引き、所得税率を乗じて計算した税額から、配当控除額を差し引いた残額がある方
5 年末調整を行っていない方 勤務先企業での年末調整を行っていない方
6 一定以上の雑所得がある方 原稿料/講演料/ネットオークション/アフィリエイト/外貨預金などで雑収入を得た場合
7 譲渡所得がある方 株式/不動産の売却などで譲渡所得があった場合

7.3自営業者の控除申請方法(確定申告)

自営業の方は、一律確定申告が必要となり、下記2種の申告方法があります。

青色申告
・複式簿記で経理管理をし、帳簿がある方

・3/15までに税務署への「所得税の青色申告承認申請書」を提出し、承認を受けている方

メリット
・利益から65万円控除あり

・家族への給与が経費となる(専従者給与)

・赤字の場合、該当年の損失と翌年以降の利益の相殺が可能

使用する書類
・確定申告書B 第1表

・確定申告書B 第2表

・所得税青色申告決算書(一般用)

白色申告
・青色申告以外の方

尚、確定申告に関しては下記国税庁ホームページに詳しく記載されています。

必要な書類のダウンロードや、記載方法、申告書の作成などに、ご活用下さい。

 

7.4確定申告不要なケース

確定申告に該当する方に対する、追加情報を最後にお伝えしておきましょう。

現在、確定申告をしないで源泉徴収で済ませると言う、確定申告不要制度があります。

これは年金受給者の確定申告による負担を、少しでも軽減しようと言う背景があり制定されました。

そんな確定申告不要制度を利用するための条件は、下記のようになっています。

公的年金など(老齢基礎年金/老齢厚生年金/企業年金/恩恵)の収入金額合計が400万円以下で、全てが源泉徴収の対象になっている
公的年金など以外の所得金額合計額(急所所得/一時所得/不動産所得/株式譲渡/公的年金以外の雑収入)が20万円以下の場合

ただし、年金受給者の方の中には、下記のような収入を得ているケースがあります。

年金+就業による収入 雑所得
株式投資による収入 譲渡所得/雑所得
家賃収入 不動産所得
個人年金 雑所得
個人年金一時受取 一時所得

これら公的年金以外の収入金額は、所得種類で分別されており、給与所得控除/特別控除/必要経費などを引いた金額や、その金額を1/2にした金額にて、それぞれの種別の所得金額とされるため、これらが20万円を超過してしまうと、確定申告不要制度は利用できなくなります。

また、先述にもあります株式などの配当を受けている方の一部も、この確定申告不要制度を利用でき、その条件は下記になります。

少額配当(1銘柄につき1回に受け取る金額が、「10万円×*1配当計算期間(最高12カ月)÷12」以下であること)
上場株式等に係る配当等(大口株主等を除く)
特定株式投資信託/公募証券投資信託の収益の分配
特定投資法人の投資口の配当等*2*3
上場会社等の発行済株式等の3%以上を保有する大口株主

*1「配当計算期間」とは、その配当等の直前の支払に係る基準日の翌日から、その配当等の支払に係る基準日までの期間

*2 1回に支払を受けるべき配当等の額ごとに選択可能

*3特定投資法人の投資口の配当等は、確定申告をする場合であっても配当控除は受けられません。

しかし一点ご注意いただきたいのが、確定申告不要制度を選択すると、配当控除や源泉徴収税額の控除を受けられないと言うことです。

実は確定申告で所得税が還付される可能性のある事項は、先述にもありましたように、下記のようにいくつか存在しています。

医療費控除 1年間の自己負担医療費額が10万円以上で還付

*年金受給者の場合、(所得金額+申告分離課税所得)×0.05よりも多ければ、

自己負担医療費額が10万円以下でも医療控除対象

社会保険料/生命保険料控除 控除分税金の還付
住宅ローン控除 各年末の住宅ローンの残高1%分(特定増改築は2%)
寄付金控除 国への寄附金、都道府県/市区町村への寄附金(ふるさと納税)、

公益社団法人/公益財団法人/認定NPO法人などへの寄附金、特定の政治献金

災害などの損失による雑損控除
人的控除(障害者/寡婦/寡夫/配偶者/扶養控除)に追加/変更が

ある場合

確定申告不要制度は、確定申告の煩雑な手続きが不要と言うのが最大のメリットですが、もらえるものがもらえなくなるのは、正直なところとても残念なことです。

闇雲に確定申告不要制度を利用する前に、面倒でも自身の状況をきちんと把握しておきましょう。

 

8.まとめ

いかがでしたでしょうか。

学資保険は、その利率の高さから非常に人気のある保険商品ですが、その分月々の保険料は割高感が否めません。

しかしながら、保険料はお伝えした条件下であれば、生命保険料控除として、還付の可能性があります。

折角のシステムですから、今回の記事を参考に、学資保険の選定から保険料控除まで、様々な角度から学資保険を見直していただき、その優位性を実感していただければと思います。

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