逆ハーフタックスは法人にとってお得なの?特徴と問題点を詳細解説!

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企業経営者の方々は、養老保険で退職金準備を考える、養老保険で福利厚生を充実させる、養老保険で節税対策を行う、といった話を聞いた事があるかもしれません。

この養老保険には、逆養老保険いわゆる「逆ハーフタックス」というプランもあることをご存じでしょうか?

このプランは節税に向いているといわれています。内容としては養老保険の死亡保険金の受取人を法人とし、満期保険金受取人を被保険者にするという形をとります。

この方法をとることにより、法人の側で全額損金計上でき、税負担が軽減されると言われています。

また、被保険者の側でも、満期保険金を受け取れば「退職所得」とされて所得税の負担が軽減されると言われています。

法人側にも被保険者側にも、双方お得な方法と言えますが、問題点も指摘されています。

そこで今回は、逆ハーフタックスの特徴とメリット・デメリットを取り上げ、わかりやすく説明していきます。

目次

1.養老保険について

  • 1-1.養老保険とは
  • 1-2.養老保険の色々なプランとハーフタックス
  • 1-3.逆ハーフタックスはハーフタックスの反対?

2.逆ハーフタックスについて

  • 2-1.逆ハーフタックスとは
  • 2-2.逆ハーフタックスの利用目的
  • 2-3.逆ハーフタックスの経理処理

3.逆ハーフタックスの活用について

  • 3-1.逆ハーフタックスの活用事例とは
  • 3-2.一時所得とは
  • 3-3.他に課税対象となるケースとは?

4.逆ハーフタックスの裁判について

  • 4-1.裁判概要
  • 4-2.納税者の主張と税務当局の主張
  • 4-3.最高裁の結論

5.逆ハーフタックスの問題点その1

  • 5-1.逆ハーフタックスの税法上扱い①
  • 5-2.逆ハーフタックスの税法上扱い②
  • 5-3.逆ハーフタックスの現状

6.逆ハーフタックスの問題点その2

  • 6-1.逆ハーフタックスのリスク①
  • 6-2.逆ハーフタックスのリスク②
  • 6-3.税法が改正されることもある?

7.まとめ

1.養老保険について

逆ハーフタックス(逆養老保険)、法人にとって節税効果が非常に高い保険商品と聞いたが、いろいろと物議を醸しているようだ。

まずは養老保険とは何か、ハーフタックスのプランを含めた養老保険のプランとは何かをおさらいしたい。

こちらでは養老保険とハーフタックスプランをはじめとした養老保険の各プランについて説明します。

1-1.養老保険とは

養老保険は一見すると長生きするための保険のように感じられますが、満期保険金と、死亡保険金が同額という保険商品です。

この満期保険金とは、一定の期間、加入契約者(被保険者)が生存している場合に受け取れる保険金です。逆に死亡保険金は、加入契約者(被保険者)が保険期間中に死亡した場合に遺族(受取人)が受け取れる保険金です。

この保険の活用は、貯蓄が目的であり加入契約者(被保険者)の老後の資金を確保するためでもありますが、もし被保険者が亡くなった場合、契約成立翌日から目標金額(満期保険金)を、自身が亡くなった時のために指定しておいた受取人へ、死亡保険金として下りる仕組みになっています。

加入契約者の老後のための資金と、死亡リスクを同時にカバーした保険商品といえます。

一方、養老保険は個人向けの商品の他、法人向けの保険商品も存在します。この法人向け保険商品も、役員・従業員のもしものために加入する保険で、福利厚生を目的としています。

しかし、その他に法人向けの保険は「節税効果」を目的として加入する場合があり、養老保険もまたその対象商品といえます。

つまり、法人が役員・従業員を被保険者として、その保険料を支払うことで、全額または一部を損金(個人経営の場合に例えれば「経費」のこと)として計上し、法人税の減税が期待されます。

当然のことながら法人としては、保険料を支払った分の全額が損金として扱われれば、法人税の大幅な軽減になるため、それを望む場合が多いです。

次項では、養老保険で節税できるプランについて説明します。

1-2.養老保険の色々なプランとハーフタックス

養老保険には色々なプランがあります。こちらでは、各プランについて説明します。

①ハーフタックスプラン

ハーフタックスとは、加入している養老保険を次のような場合に支払保険料1/2損金計上(つまり節税できる分)、残り1/2は資産計上して経理処理する仕組みのことです。

  • 契約者:法人
  • 被保険者:役員・従業員
  • 満期保険金受取人:法人
  • 死亡保険金受取人:役員・従業員の遺族

法人向けの養老保険は、このハーフタックスプランが主に活用されています。このプランは、被保険者(役員・従業員)が死亡した場合、その遺族は経済的に大変なので生活を保障する目的のために加入し、被保険者が何事も無ければ、被保険者の退職金に充てるという仕組みです。

支払った保険料の税法上の取り扱いは次のようになります。

  • 死亡保険金に対応1/2→福利厚生費として損金へ算入
  • 満期保険金に対応1/2→保険積立金として資産へ計上

各保険金の税法上の取り扱いは次のようになります。

  • 死亡保険金→受け取った役員・従業員の遺族に相続税が課されます。
  • 満期保険金→法人は「満期保険金-支払った保険料」を雑収入として益金に算入

このようにハーフタックスプランは、役員・従業員の福利厚生に利用しつつ、法人税の負担が軽減されるプランとなります。ただし、ハーフタックスプランには全従業員が加入するという条件があります。

死亡保険金を受け取る場合、遺族側にとっては前述のように相続税が課税されるものの、法定相続人1人に500万円の非課税限度枠があります。

法定相続人が1人だけだった場合ならばともかく、複数の法定相続人がいる場合なら実際に相続税がかからないケースの方が多いです。

一方、法人が満期保険金を受け取った場合は、前述の通り「満期保険金(解約返戻金)-支払った保険料(保険積立金)」を雑収入として益金に算入します。

②事業保障および福利厚生プラン

事業保障および福利厚生プランは、次のように必ず法人が満期保険金も死亡保険金も受け取ることになります。

  • 契約者:法人
  • 被保険者:役員・従業員
  • 満期保険金受取人:法人
  • 死亡保険金受取人:法人

そのため、支払う保険料は、法人自身が受け取る保険金のために積み立てるものなので、全額が資産計上となります。

その場合に法人が保険金を受け取ると、死亡保険金または満期保険金から、これまで支払った保険料総額を差し引いた金額を、「雑収入」として益金に算入することになります。

なお、満期保険金ならば、この保険金をそのまま役員・従業員の退職金にすると、同じ金額が損金に算入されます。

この場合に、役員・従業員が退職金を受け取ると「退職所得」として、役員・従業員に所得税が課税されることになります。

③純粋な福利厚生プラン

こちらは法人の節税や事業保障のというためではなく、保険の満期前に役員・従業員が亡くなった場合の遺族の生活保障と、満期で役員・従業員が退職した場合の老後の生活保障のために加入するプランです。

  • 契約者:法人
  • 被保険者:役員・従業員
  • 満期保険金受取人:役員・従業員
  • 死亡保険金受取人:役員・従業員の遺族

ただし、わざわざ法人契約という形をとらなくても、従業員の給料を保険料の分だけ上乗せして支払い、その分で各従業員に個人契約をして養老保険へ加入してもらえば、全く同じ効果が得られます。

そのため、法人契約でこの様なプランをとることはあまりありません。

1-3.逆ハーフタックスはハーフタックスの反対?

実は養老保険には、もうひとつプランがあります。それが今回のテーマである、「逆ハーフタックス」のプランです。

前述したハーフタックスプランは、役員・従業員の福利厚生に利用しつつ、法人税の負担が軽減されるプランですが、それが逆とはどういうことなのか?疑問に思われることでしょう。

逆ハーフタックスとは、役員・従業員の福利厚生目的ではなく、あくまで法人税の節税対策のために提案された方法といえます。

それならば、養老保険の本来の加入目的と言える、役員・従業員の老後や死亡のため保険金はどうなってしまうのか?

不安に思われる方々も多いことでしょう。保険金は逆ハーフタックスプランでも受け取ることはできますが、節税という意味ではいろいろと物議を醸した方法といえます。

次章の「逆ハーフタックスについて」でその内容を説明します。

2.逆ハーフタックスについて

法人向けの養老保険にはいろいろなプランがあるが、逆ハーフタックスについて興味がある。

逆ハーフタックスについての詳細を知りたい・・・・。

こちらでは、逆ハーフタックスとは何か?その利用目的等を説明します。

2-1.逆ハーフタックスとは

逆ハーフタックスとは、契約形態が次のように死亡保険金受取人が法人で、満期保険金受取人が被保険者個人になっていることです。下表を参考にしてください。

契約形態 ハーフタックス 逆ハーフタックス
契約者 法人 法人
被保険者 役員・従業員 役員・従業員
満期保険金受取人 法人 役員・従業員
死亡保険金受取人 役員・従業員遺族 法人

このように逆ハーフタックスで、前述したハーフタックスとは受取人を逆にすることに何か意味はあるのか?次では逆ハーフタックスの利用目的を説明します。

2-2.逆ハーフタックスの利用目的

逆ハーフタックスは、死亡保険金受取人が法人で、満期保険金受取人が被保険者個人になっているため、保険料の1/2は法人が受け取る死亡保険金の費用として損金に算入され、もう1/2は役員や従業員への給与として損金に算入することができると言われています。

つまり、どちらのケースでも損金に算入され、保険料の全額が損金になるという仕組みと言われています。

そのため、逆ハーフタックスの利用目的は、法人の節税のためにこのプランを活用することにあります。

確かに全額損金として扱われると、それなりに役員報酬が高額になっていて高い税率がかかる場合、大きな節税効果を期待することができるので頼りになるプランと言えます。

2-3.逆ハーフタックスの経理処理

逆ハーフタックスの場合、支払保険料の半分を損金算入し、残りの半分を①役員報酬または②役員貸付金にするかで、経理処理は違ってきます。

①役員報酬

従業員で言うならば給与のことです。いわゆる「法人税法上の役員」にあたる方々に対して会社から支払われるお金を指します。

この場合には、支払保険料の全額が損金算入されます。ただし、役員報酬を受取る方々に所得税・住民税が課税されます。

②役員貸付金

こちらの勘定科目は、その名の通り役員にお金を貸し付けた際に使用されるものです。

この場合は、支払保険料の1/2が損金算入となります。役員貸付金となっている以上、いずれ法人に役員は返済する必要があります。

3.逆ハーフタックスの活用について

逆ハーフタックスは非常に節税効果が期待できる仕組みのようだが、実際に活用されている事例はあるのだろうか?

是非、事例等の詳細を知りたいものだ・・・・・。

こちらでは、逆ハーフタックスの事例と、課される税金等について説明します。

3-1.逆ハーフタックスの活用事例とは

多く中小企業の経営者は自分の個人資金を法人に貸付をして資金繰りを行っています。このお金は経営者からの借入金ですが、返済の目途が立たない債務といえます。さらに経営者側からすれば、貸付債権としてご自分の相続発生時(つまり経営者が亡くなった場合)には、遺族への相続財産に含まれる形になります。

そのため、会社としても計画的に返済をしておく必要があります。そこで「逆ハーフタックスプラン」を利用することが考えられます。逆ハーフタックスを行っている会社には、支払保険料の1/2を経営者からの借入金返済に充てているケースがあります。

この返済の途中で、もし経営者が亡くなってしまった場合には、死亡保険金は法人が受け取ることになるので、その死亡保険金を元手にして経営者からの借入金を返済できるわけです。

ただし、逆ハーフタックスを利用する場合には、会社をその後も安定的に存続させるため、中小企業の経営者は豊富な個人資金を保有している必要があります。前述のように会社へ滞りなくお金の貸付ができるくらいに個人資金を持っていないと、資金繰りが悪くなりご自分の会社が倒産してしまう危険性もあります。

そうならないように、個人資産を形成する必要があるのですが、今度は役員報酬を引き上げてしまった場合、所得税負担が大きくなってしまうので、逆ハーフタックスプランを利用して効率的に個人へ資金の移転を行うことが求められます。

なお、満期時には法人で損金計上した支払保険料総額の1/2相当額が、「一時所得」として課税されます。この一時所得により、効率的に個人資産を形成することが可能になります。

一時所得については次項で説明します。

3-2.一時所得とは

一時所得とは、営利を目的とした継続的行為から生じる所得以外の所得を指します。

労務・役務の対価としての所得ではなく、また資産の譲渡による対価としての性質を有しない所得が一時所得とされます。

つまり、利子所得、配当所得、不動産所得、事業所得、給与所得、退職所得、山林所得、譲渡所得以外の所得で、まさしく「一時的に生じた」所得が該当します。

具体例をあげれば、いろいろなキャンペーン等の懸賞で獲得した賞金や、競馬・競艇等での払戻金、そして養老保険の満期保険金があります。

逆ハーフタックスでは、前述したように法人で損金計上した支払保険料総額の1/2相当額が、「一時所得」として課税され、被保険者(役員・従業員)へ資金が移転します。

計算式は次のようになります。

(受け取った養老保険満期保険金総額[総収入金額]―支払った保険料[支出金額]―50万円[特別控除])×1/2=税金

一時所得の場合には、支払った保険料および特別控除50万円を差し引くことができる他、更に差し引いた金額を1/2にできるので、効率的に節税を行い個人の資産を形成することが可能になります。

3-3.他に課税対象となるケースとは?

前述したのは、被保険者が一括でお金を受け取る場合です。被保険者が年金形式で受け取る場合ならば「雑所得」になります。

この雑所得とは、一時所得の他、前述した利子所得、配当所得等の8種類の所得いずれにも該当しない所得を指します。

例えば、国民年金・厚生年金のような公的年金、非営業用貸金の利子、著述家や作家以外の方が受ける原稿料・印税、講演料そして年金で受け取る満期保険金が該当します。

満期保険金を一括ではなく分割でもらっただけでも、所得の分類のみならず、税金の計算方法も一時所得の場合と大きく異なります。

計算式は次のようになります。

受け取った満期保険金[月額]―(受け取った満期保険金[月額]×支払った保険料総額[支出金額]÷受け取る満期保険金総額[総収入金額])=税金

4.逆ハーフタックスの裁判について

逆ハーフタックスは大きな節税効果が期待できるようだが、一方で裁判になってしまったことを聞いた。

どのような経緯でこのような事態になったのか詳しく知りたい・・・。

こちらでは裁判の概要および当事者の主張、裁判所の結論について解説します。

4-1.裁判概要

逆ハーフタックスに関する裁判は、養老保険契約に基づいて被保険者に支払われた満期保険金について、被保険者の一時所得となるのは前述した通りですが、その際、一時所得の計算上控除できる額として、給与所得として課税されていない法人負担分の支払保険料も含まれるか否かについて争われました。

なお、逆ハーフタックスに係る裁判には①福岡高裁平成21年7月29日判決と、②福岡高裁平成22年12月21日判決の2つの事案が該当し、①の判決には最高裁平成24年1月13日判決、②の判決には最高裁平成 24年1月16日判決として結審されています。

これらの裁判で争点となったのは、法人負担分の支払保険料(保険料総額の1/2)が、一時所得の金額の計算上控除できる「収入を得るために支出した金額」(所得税法第34条第2項)に該当するか否かでした。

逆ハーフタックスの枠組みにおいて、満期保険金を受け取った際の税務は、判決前まで明確にされておらず、納税者側と税務当局とで見解が相違することになりました。

次項では、納税者側と税務当局の主張を取り上げます。

4-2.納税者の主張と税務当局の主張

こちらでは、納税者側と税務当局双方の主張を取り上げます。

①納税者の主張

納税者側は、所得税法第34条第2項について、一時所得の金額の計算上、「その収入を得るために支出した金額」を控除できる旨を規定していて、その文言では、収入(満期保険金)を受け取った本人が負担したものしか控除できないといとは明記されていないことを主張しました。

また、所得税法施行令第183条第2項2号は、「生命保険契約等に係る保険料又は掛金の総額」は一時所得の計算上控除できる旨を規定しているので、その文言では、やはり本人負担部分しか控除できないという限定がないとして、法令の規定文言の解釈を行っています。

納税者側の主張を事例で表してみましょう。

  • 満期保険金5,000万円
  • 法人が支払った保険料(給与損金2,500万円処理済)
  • 法人が支払った保険料(保険料損金2,500万円処理済)

5,000万円(満期保険金)-5,000万円(法人の支払った保険料全額が認められるべき)=0

②税務当局(課税庁)の主張

税務当局側は、生命保険契約等に基づく一時金に係る一時所得金額の計算において控除される保険料等の金額の場合、収入(満期保険金)を受け取った本人が負担した保険料と、事業主が負担した保険料で使用人に対して給与課税された保険料等に限られると反論しました。

そのため、本人が負担していない保険料は控除できず、養老保険契約に係る法人の損金処理をした保険料は、本人(納税者)らの一時所得の計算上控除されない、と主張しました。

税務当局側の主張を事例で表してみましょう。

  • 満期保険金5,000万円
  • 法人が支払った保険料(①給与損金2,500万円処理済)
  • 法人が支払った保険料(②保険料損金2,500万円処理済)

5,000万円(満期保険金)-2,500万円(①給与損金2,500万円処理済→控除OK、②保険料損金2,500万円処理済→控除NG)=2,500万円

4-3.最高裁の結論

最高裁判所の判決では、税務当局側の主張が認められ、納税者側の主張は退けられました。

また、平成23年度の税制改正では、生命保険契約等に基づいた一時金(今回の場合は満期保険金)に係る一時所得等の金額の計算において次のように改めました。

控除できる事業主が負担した保険料等は、給与所得に係る収入金額へ算入された金額に限る(所得税法施行令183条等)とされました。

最高裁判所は、納税者に対して税務当局側の主張と、今回の税制改正に従うように判決を下しました。

しかし、逆ハーフタックスは依然として法人税基本通達のグレーゾーンを利用した方法であることに変わりはなく、逆ハーフタックスの保険料の扱いに明確な根拠を認めたわけでもありません。

今後は税法の改正により、逆ハーフタックスへ明確な法的制約が加えられるリスクも否定できません。

5.逆ハーフタックスの問題点その1

逆ハーフタックス、節税に有効と思える反面、取扱いには注意が必要なようだ。

では、税法上ではどのような扱いを受けるのか知りたい・・・・。

こちらでは税法上扱いと、生命保険会社で取り扱っている現状について説明します。

5-1.逆ハーフタックスの税法上扱い①

逆ハーフタックスの税法上での扱いは以下の表のようになると言われています。

逆ハーフタックス 内容
死亡保険金受取人 法人
満期保険金受取人 被保険者
支払い保険料の税法上の扱い 1/2:死亡保険金→保険料として損金算入

1/2:満期保険金→給与として損金算入

保険金の税法上の扱い 〇死亡保険金:法人へ

保険金-保険金積立金(支払った保険料)を雑収入として益金に算入

〇満期保険金→被保険者へ

所得税(一時所得または雑所得)を課税

前述してる通り、逆ハーフタックスは死亡保険金の受取人が法人で、満期保険金の受取人が被保険者になっているタイプといえます。

税法上扱いとしては、一応このような形になると言われています。ただし、被保険者の福利厚生の側面からみると、このような形となる合理性が見出しにくいという指摘もあります。

次項ではなぜ合理性が見出しにくいのか?という理由を説明します。

5-2.逆ハーフタックスの税法上扱い②

養老保険を被保険者が死亡した際に事業保障の目的で加入するなら、被保険者が働いている間、退職までに亡くなるようなことがなければお金を返してもらい、福利厚生の一環として被保険者の老後の資金に充てるという場合、次のような形をとるのが合理的と言われています。

つまり、「1-2.養老保険の色々なプランとハーフタックス」で前記した通り、満期保険金の受取人を法人にすることで、法人がそれを役員・従業員の退職金として支給するのが妥当といえます(事業保障および福利厚生プラン)。

一方、逆ハーフタックスのプランのように、死亡保険金は法人が受取、満期保険金は被保険者が受取人とすると、被保険者が働いている間、退職までに亡くなるようなことがなければお金を返してもらうという点からみて、合理的なつながりが見出しにくいと言えます。

そのため、保険が満期になる前に被保険者が亡くなった際の事業保障目的と、満期後に退職した際の被保険者の生活保障のつながりがないならば、それぞれ別々の保険に加入するべき、という指摘もあります。

5-3.逆ハーフタックスの現状

逆ハーフタックスは税務上に明確な規定がない上に、その合理性が疑問視され、このプランを活用するのは被保険者の福利厚生というより企業の租税回避手段(税金逃れ)という批判もあります。

そのため、2014年以降は法人保険に力を入れてきたソニー生命やアイエヌジー生命をはじめ、ほとんどの生命保険会社が逆ハーフタックスに関係する保険商品の販売を停止しています。

このような現状から、今後も逆ハーフタックスに関係する保険商品が大々的に販売されるということは考えにくいと言えます。

6.逆ハーフタックスの問題点その2

逆ハーフタックスは、今後どのようになっていくか不透明であるのは心配だ。

では、その他に逆ハーフタックスのリスク等があれば教えてほしい・・・・。

こちらでは、逆ハーフタックスのリスクについて取り上げていきます。

6-1.逆ハーフタックスのリスク①

養老保険の場合、満期到達前に解約すれば解約返戻金は法人へ戻される形になります。

そのため、支払ってきた保険料の半分を役員報酬または役員貸付金としているのに、解約返戻金が法人に戻されてしまうため、役員報酬にした場合に実際のところ役員報酬は得ていないにもかかわらず課税だけが行われた、役員貸付金にした場合には、実際には借りていないにもかかわらず、役員貸付金という借入だけが残った、というケースが想定されます。

もしも、このようなケースになった場合、法人に戻された資金をどんな名目で個人へ移すのかを検討する必要があります。

6-2.逆ハーフタックスのリスク②

キャッシュ(現金)不足に陥るリスクもあります。支払った保険料の1/2の額を役員報酬または給与として処理しますが、満期まで現金を受取れることはできません。

また、報酬額が増大したことにより所得税・住民税の負担が先んじて発生します。

そのため、キャッシュフローに余裕がない場合には、現金不足になってしまうことも考えられます。

逆ハーフタックスを利用する場合には、事前に十分な余剰があるかどうかを把握する必要があります。

6-3.税法が改正されることもある?

逆ハーフタックスは前述したように、税法のグレーゾーンになっている部分を利用した手法といえます。

実際には税法上の根拠がないので、今後、逆ハーフタックスのプランによる全額損金の扱いを明確に否認する新たな通達が、課税庁側から出されるリスクも少なくありません。

そのため、逆ハーフタックスを利用するにしても、今後の行政の動向や、税法改正に関する情報に細心の注意を払うことが必要になります。

7.まとめ

逆ハーフタックスは大きな節税効果が期待できる反面、税法上に根拠がなく、今後、法令等でその運用が制約されるリスクが想定されます。

企業は自らの利益を上げることが目標ではあるものの、それと同じように従業員の福利厚生の充実や、企業として納税の義務は徹底する必要があります。

節税重視も大切ですが、その方法に関して法令に則り、法改正に即した運用が求められています。

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