保険はクーリングオフが可能?申請の条件と注意点について解説!

保険の営業マンに生命保険等への加入を勧誘されて、ご自分もその気になって承諾してしまった・・・・。そんな経験のある方々もいらっしゃることでしょう。

しかし、しばらく経ってから、「もう少しいろいろな保険を検討してから加入を判断したい。」と思い直すことはあるはずです。

そんなときに、いったん申込んだ後、一定の期間内であれば申込みを撤回できる制度があります。

それが、「クーリングオフ」制度です。クーリングオフができる条件に合致したならば、ご自分のもとへ支払ったお金は戻ってきます。

当然、生命保険等でもクーリングオフの対象となります。ただし、いかなる場合でも加入者がクーリングオフできるわけではなく、いろいろな制限もあります。

そこで今回は、生命保険等のクーリングオフについて説明します。この記事を読めば、クーリングオフの効果や、その行える期間、手続き方法、生命保険等をクーリングオフする際の注意点について、おわかりになることでしょう。

目次

1.クーリングオフについて

  • 1-1.クーリングオフとは
  • 1-2.クーリングオフ制度が成立した背景
  • 1-3.クーリングオフは保険等にも適用される?

2.クーリングオフを行う前に確認すること

  • 2-1.生命保険等は申し込めばすぐに契約が成立するわけではない
  • 2-2.生命保険等が成立する流れ
  • 2-3.生命保険等でクーリングオフをしなくても取り消しできる場合

3.クーリングオフの方法について

  • 3-1.クーリングオフの流れ
  • 3-2.クーリングオフの期限はどう判断する?
  • 3-3.クーリングオフの手続き方法

4.保険をクーリングオフする場合の注意点その1

  • 4-1.国民健康保険はそもそもクーリングオフできない
  • 4-2.生命保険・医療保険等でクーリングオフできない場合
  • 4-3.生命保険・医療保険等でクーリングオフできずに困ったら

5.保険をクーリングオフする場合の注意点その2

  • 5-1.自賠責保険はそもそもクーリングオフできない
  • 5-2.損害保険でクーリングオフできない場合
  • 5-3.自動車保険や火災保険のクーリングオフは慎重に

6.クーリングオフの際の疑問点と対応

  • 6-1.保険会社が独自のクーリングオフ制度を定めている
  • 6-2.クーリングオフしたがやはり再契約したい
  • 6-3.クーリングオフをしても返金されない

7.まとめ

1.クーリングオフについて

営業マンの巧みな話術にその気になって保険の申し込みをしたけれど、冷静に考えてみたら、やはり加入申し込みは時期尚早だと後悔している。

保険にはクーリングオフが適用されないかな?

まずはクーリングオフ制度の内容をおさらいしたい。

こちらでは、クーリングオフとは何か?この制度が成立した背景等を説明します。

1-1.クーリングオフとは

クーリングオフとは、簡単に言えば契約を申し込んだ人(個人)に考え直す期間を与え、一定の期間内であればその申し込んだ人が、業者と締結した契約を一方的に解除できるという制度です。

つまり、契約を申し込んだ人は理由を述べる必要もなく申し込みの撤回、または契約の取り消しができます。

ただし、このような権限が全ての契約で認められているわけではありません。例えば、ご自分がスーパー・コンビニ等に出向いて品物を買ったり、雑誌・TV・インターネットの広告を見て通信販売に申し込んで買ったりした場合などは、原則としてクーリングオフは認められません。

クーリングオフという制度は、消費者を保護する必要がある場合、その消費者に行使することが認められた申し込みの撤回、または契約の取り消しの方法なのです。

1-2.クーリングオフ制度が成立した背景

私人間の契約等の基本法である民法では、原則として一度締結された契約を一方的に解除することはできません。しかしながら、この原則を貫徹するといろいろ問題が起きてしまうことにもなります。

例えば、訪問販売のような消費者にとって不意打ちともいえる販売方法ならば、消費者は契約の意思が固まらないまま申し込みをしてしまうことや、詐欺・脅迫のような勧誘で契約をしてしまう場合もあります。

また、主に次のような取引を勧誘された場合には、契約内容を充分に理解していないまま締結してしまうリスクがあります。

  • 連鎖販売取引:いわゆる「マルチ商法」と呼ばれるもので、会員が新規会員を誘い、その新規会員が更に他の会員を勧誘して、連鎖させるように階層組織を形成・拡大する販売形態です。
  • 預託取引:いわゆる「ペーパー商法」、「オーナー商法」等と呼ばれる商法です。業者がまず個人(消費者)へ特定商品等(貴金属・宝石・ゴルフ会員権等)を販売し、その商品を引き渡さずに3ヶ月以上の期間にわたり、個人から例えば貴金属や宝石等の預託を受けた形で、貴金属等を運用し、得られた利益はその個人へ供与する取引です。

上記のような取引契約は、個人(消費者)と業者との間でその情報・交渉力に大きな格差があります。

そのため、個人(消費者)が業者と対等の知識を持って、納得した上で契約したと言い難いことは明白です。

この様な契約面での不平等を是正し、個人(消費者)を守るために、クーリングオフ制度が各法律に規定されることになったのです。

1-3.クーリングオフは保険等にも適用される?

クーリングオフは、当然保険契約にも適用されます。なぜなら、保険の場合も個人と業者との間でその情報・交渉力に大きな差があり、個人は契約内容を充分に理解しないまま締結してしまうリスクが高いからです。

保険業法第309条では、保険会社等若しくは外国保険会社等に対し保険契約の申込みをした者または保険契約者は、書面によって保険契約の申込みの撤回または解除ができると規定されています。

保険業法の条文には、クーリングオフという名称はどこにも載っていません。しかし、書面によって保険契約の申込みの撤回または解除ができる、と明記されている点でクーリングオフは可能であることがわかります。

ただし、保険業法にクーリングオフができることを法定されているからといって、いかなるケースでも可能というわけではありません。

クーリングオフを行う場合には、守らなければいけない条件や、手続きの方法、期間があります。

また、保険の場合にはクーリングオフをしなくても、口頭だけで取り消しできる場合もあります。

次項では、保険のクーリングオフを検討する前に確認すべき事柄と、クーリングオフをしなくても取り消しできるケースを取り上げます。

 

2.クーリングオフを行う前に確認すること

クーリングオフは、契約・申し込みをした個人(消費者)にとってありがたい制度だが、その制限や条件もあるということか・・・・。

では、生命保険等でクーリングオフをしなくても取り消せる場合とは、どんなケースなのだろう?

こちらでは、生命保険等の契約の特徴と、クーリングオフをしなくても取り消しできる場合について解説します。

2-1.生命保険等は申し込めばすぐに契約が成立するわけではない

生命保険をはじめ医療保険、がん保険等は加入希望者と保険会社双方の合意で保険契約が成立します。

一度、生命保険や医療保険等に申し込んだ方々なら、おわかりであると思いますが、保険契約はご自分が申し込んだ瞬間に成立するものではありません。

申し込んだ後に、保険会社は加入希望者が提出した申込書等、特に告知書を慎重に審査することになります。

この審査の過程で、持病や傷病歴等が判明するような場合には、加入を拒否されたり、条件付き(保障内容等に制限を加える)で加入を認められたりすることがあります。

保険会社はそれなりの日数をかけて、前述した加入の可否を検討するための審査期間を設けることになります。

つまり、その審査期間中は契約も成立していないことになります。

2-2.生命保険等が成立する流れ

生命保険等の契約が成立する過程は基本的に次の通りです。

  1. 保険契約の申込書・告知書等の作成
  2. 必要書類の提出
  3. 第1回保険料払込
  4. 保険会社が審査後、承諾の有無を判断
  5. 契約成立または契約不成立

特に「4.」の審査期間は数日から数週間かかる場合があります。この審査期間を経て、保険会社が加入を認める承諾をした時に契約成立となります。その後に、加入者の自宅へ保険証券等が送付されることになるわけです。

他に、保険会社が指定した医師による健康診断が要求されたり、追加の書類等を請求されたりすることもあるので、保険加入には申込書類の作成から契約成立または契約不成立までに、3週間近くかかることがあります。

2-3.生命保険等でクーリングオフをしなくても取り消しできる場合

生命保険等の場合、後述しますがクーリングオフできないケースを除いて、加入審査を行っている期間中までは「契約の成立前」とみなされ、担当の営業マンや保険会社に電話または口頭で取り消しできる場合があります。

この期間に申込を取り消したい場合には、まずは担当した営業マンや保険会社のカスタマーセンターに連絡して、取り消しができるかどうかを確認しましょう。

クーリングオフを行う場合には、書面の作成や保険会社へ書類の郵送を行うので手間がかかります。申し込みからそんなに日数が経っていない場合で、取り消しを希望するならば、電話連絡で取り消しできると手間も無く安心です。

 

3.クーリングオフの方法について

クーリングオフをしなくても、電話や口頭で取り消しできる場合があることはわかった。

しかし、取り消しの意思を表明する前に、生命保険の契約が成立してしまった場合には、やはりクーリングオフを行う必要がある。

その場合に行うクーリングオフの方法について是非知りたい・・・・。

こちらでは、クーリングオフの流れと期限の判断、手続き方法を説明します。

3-1.クーリングオフの流れ

クーリングオフは次のような流れで行うことになります。

  1. クーリングオフができるケースであるかを確認:保険でクーリングオフができない場合については後述します。
  2. クーリングオフができる期限内であるかを確認
  3. 申請書面の作成:必要事項を記載します。
  4. クーリングオフはハガキまたは封書で送付

契約が成立してしまった場合には、速やかに上記のような手順でクーリングオフができるかどうかの確認、申請書面の作成、書面の郵送を行います。

以下では、クーリングオフが可能な期限と手続き方法について解説します。

3-2.クーリングオフの期限はどう判断する?

クーリングオフは、業者から契約書面を受け取った日から、その日を含めて8日以内に行う必要があります。

わかりやすく事例を上げて説明します。

○ケース1:申込をした日と契約書面を受け取った日が同日

(事例)

  • 申込をした日:2018年7月4日
  • 契約書面を受け取った日:2018年7月4日
日付 7/4 7/5 7/6 7/7 7/8 7/9 7/10 7/11
期限

1日目

クーリングオフ

可能

2日目 3日目 4日目 5日目 6日目 7日目

8日目

クーリングオフ

期限

○ケース2:申込をした日と契約書面を受け取った日が違う場合

(事例)

  • 申込をした日:2018年7月4日
  • 契約書面を受け取った日:2018年7月6日
日付 7/4 7/5 7/6 7/7 7/8 7/9 7/10 7/11 7/12 7/13
期限 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 6日目 7日目 8日目

なお、保険会社によっては独自の期限を定めている場合もあります。ただし、クーリングオフ制度で設定されている8日以内の期限を短縮することはできず、大概は個人(契約者)に有利な日数(例えば、前述したいずれか遅い日から10日以内 等)が設定され、期限を伸長していることがほとんどです。

3-3.クーリングオフの手続き方法

クーリングオフを申請する場合、申し込み等の際に取得したクーリングオフ書面があれば、そちらに記載して契約した保険代理店等ではなく、保険会社へ郵送することになります。

①クーリングオフの記載事項

クーリングオフ書面の書き方は自由ですが、保険会社のクーリングオフ書面であっても次のような記載事項があります。

  • クーリングオフをする旨の意思表示
  • 契約者の氏名・住所・電話番号
  • 契約の申し込みをした日
  • 保険契約した保険の種類
  • 申込番号(わかれば保険証券番号)
  • 保険料領収証番号
  • 取扱営業店名
  • 取扱代理店・担当者名

②クーリングオフ書面の記載例

(事例)

  • 申込をした日:平成30年7月4日
  • 契約した保険:生命保険

(記載例)

○○○○生命保険株式(または相互)会社御中

私○○○○は下記の保険契約をクーリングオフします。

契約者名 ○○○○ (印)

住所 東京都○○区○○-○○

電話番号 03-○○○○-○○○○

契約申込日 平成30年7月4日

保険種類 生命保険

申込番号(または保険証券番号) ○○○○○○○○

領収書番号 ○○○○○

取扱営業店 △△△△△

取扱代理店 □□□□□

③手続き申請の際の注意点

以前、申込書に押印した場合には、クーリングオフ書面にも同じ印鑑で押印します。また、必要事項を記載した書面は、郵送する前にコピーをとっておきましょう。

郵送は必ず保険会社宛としましょう。郵送方法はハガキか内容証明郵便で行います。

ハガキで行う場合は、必要事項を記載した上で、「特定記録郵便」または「簡易書留」で送付します。

また、保険会社でクーリングオフの方法や郵送方法を指定していればその指示に従いましょう。

クーリングオフを期限内に行ったかどうかは、郵便局の「消印」が何日になっているかで判断されます。

つまり、保険契約をクーリングオフする場合は、クーリングオフ書面の発送によってその効力が生じることになります。

そのため、クーリングオフ書面は封書で内容証明郵便として送ることが確実といえます。

内容証明郵便は、ご自分が保険会社に、何月何日に、どんな内容で送付したかを郵便局が公的に証明してくれるサービスです。ただし、内容自体の正しさを郵便局側が保証してくれるわけではありません。

こちらも手間がかかるうえに、料金は1,000円前後となりますが、後日、保険会社とのトラブルを避けるために、より確実な証拠として残すことが可能となります。

 

4.保険をクーリングオフする場合の注意点その1

クーリングオフを行う場合にも、いろいろな条件や注意点があるのはわかった。

では、そもそも保険でクーリングオフできない場合や、クーリングオフできずに困ったら、どんな対応をとればよいのか教えてほしい・・・・。

こちらでは、保険の中でクーリングオフなできないケース、クーリングオフできない場合の対処法について説明します。

4-1.国民健康保険はそもそもクーリングオフできない

保険には、大きく分けて「強制保険」と「任意保険」とがあります。強制保険は、原則として必ず各人が加入しなければならない保険であり、これには公的保険である「国民健康保険」が該当します。

国民健康保険は、事業所に勤務する従業員等や生活保護受給者を除いて、全員が加入しなければならない保険です。

そのため、毎月保険料を納めるのが嫌だからといってクーリングオフはできません。

一方、任意保険には保険会社や共済の、「生命保険(共済)」、「医療保険(共済)」等が該当します。

これらの保険(共済)は、加入するかどうかは本人の自由であり、加入しなくてもペナルティがありません。

クーリングオフも基本的に可能です。任意保険に該当する生命保険等は下表を参考にしてください。

クーリングオフの可否 保険名
クーリングオフできない 公的医療保険(健康保険・国民健康保険等)
原則としてクーリングオフできる 生命保険・医療保険・がん保険・介護保険・養老保険・疾病保険・個人年金保険等

ただし、任意保険であっても加入条件や申し込み方法によっては、クーリングオフの適用外とされるケースもあります。

以下では、任意保険であってもクーリングオフできない場合と、クーリングオフできない場合の対処法を解説します。

4-2.生命保険・医療保険等でクーリングオフできない場合

任意保険でクーリングオフができないケースは次の通りです(保険業法第309条第1項1号~6号他参照)。

  • 個人が自ら指定した場所で契約手続きをした場合
  • 個人が契約をする意思を明確にし、保険会社または代理店に予約訪問して契約した場合
  • 契約をするために、医師の診査を受けた場合
  • 債務履行の担保を目的とした契約である場合
  • 特約の中途解約をする場合のように契約内容の変更をする場合
  • 事業または営業のために契約の申し込んだ場合
  • 契約した保険の保障期間が1年以下である場合
  • 個人ではなく法人や社団による契約の場合
  • インターネット・郵送等の通信販売で申し込んだ場合

クーリングオフの目的は、保険契約であっても「個人の保護」が目的です。そのため、個人が加入する気になって、積極的に自分の意思で、指定した場所で契約手続きをしたり、保険会社または代理店に予約訪問して契約したりした場合や、契約の撤回をせずに医師の診査が完了した場合、クーリングオフはできません。

また、インターネット・郵送等の通信販売で申し込んだ場合も、原則としてクーリングオフはできません。ただし、このようなケースでも契約が撤回・取り消しが可能かどうかは各保険会社で対応に差があります。個人の契約撤回・取り消しの申し出に応じるかどうかは、保険会社次第です。

なお、クーリングオフ制度は、あくまで「個人の保護」が目的であるため、法人や社団による契約は対象外となります。

4-3.生命保険・医療保険等でクーリングオフできずに困った

保険契約のクーリングオフができないからと言って、ご自分にとってマイナスなことばかりではありません。

①契約内容に納得しなければ即解約

加入した保険は、契約した保障内容が約束されますし、保険の解約すらできなくなると言うわけでもありません。

生命保険等はいつでも解約は可能であり、即時解約を行えば初回に支払った保険料のみが戻らないだけです。

解約すれば契約した保障も、支払義務も消滅しますが、解約したことによる違約金等のペナルティが発生することはありません。

解約する場合は、保険会社のカスタマーセンター等で手続きを行います。保険会社側からは再考を促すようなお願いもあるでしょうが、ご自分が解約の意志をしっかりと表明すれば、それ以上の引き留めはできません。

②解約返戻金が発生する場合はその金額を確認する

契約した保険の中には、「解約返戻金制度」が設定されている場合もあります。

これは解約の際の違約金と言うわけではなく、解約すればご自分に戻ってくるお金のことです。

解約の時期にもよりますが、既に支払った保険料より、戻るお金の方が多い場合もあります。

ただし、加入した日からあまり日数が経っていない場合には、返戻率(支払った保険料と戻るお金の割合)も非常に低く、かなり短期間での解約ならば、あまり気にせず解約しても構いません。

一方、それなりに契約して長期間が経つと、支払った保険料も大きな金額になっていることでしょう。

この場合には、契約の際に保険会社から取得した解約返戻金の「推移表」を確認し、ご自分が解約しても大損をしない時期に解約して返戻金を取得することが賢明です。

 

5.保険をクーリングオフする場合の注意点その2

生命保険等の注意点は概ね理解できた。それでは損害保険をクーリングオフする場合はどうだろう?

損害保険でクーリングオフできない場合について詳細を知りたい・・・。

こちらでは、損害保険でクーリングオフできないケース等について解説します。

5-1.自賠責保険はそもそもクーリングオフできない

損害保険でも強制保険は存在します。それが、自動車損害賠償責任保険で、よく自賠責保険と呼称されています。

この自動車損害賠償責任保険は、自動車・原動機付自転車を使用する場合、自動車損害賠償保障法により、その全ての所有者に加入が義務づけられた損害保険です。

こちらの場合も、国民健康保険のような公的医療保険と同様に、保険料がかかるからといってクーリングオフをすることはできません。

一方、当然のことながら損害保険にも任意保険は存在し、以下の表の任意保険は基本的にクーリングオフの対象となります。

クーリングオフの可否 保険名
クーリングオフできない 自動車損害賠償責任保険(自賠責保険)
原則としてクーリングオフできる 地震保険・火災保険・自動車保険・損害保険・賠償責任保険等

ただし、これら任意保険であっても加入条件や申し込み方法によっては、クーリングオフの適用外とされるケースもあります。

5-2.損害保険でクーリングオフできない場合

任意保険でクーリングオフができないケースは次の通りです(保険業法第309条第1項1号~6号他参照)。

  • 個人が自ら指定した場所で契約手続きをした場合
  • 個人が契約をする意思を明確にし、保険会社または代理店に予約訪問して契約した場合
  • 口座振替により保険料を払い込んだ契約の場合
  • 質権が設定されている契約の場合
  • 保険の継続(更改)契約の場合
  • 契約した保険の保障期間が1年以下である場合
  • 個人ではなく法人や社団による契約の場合

こちらも生命保険等と同様に「個人の保護」を目的としているため、個人が申し込みを希望し積極的に契約を行おうとした場合や、個人ではなく法人や社団による契約の場合は、保護の対象外となります。

5-3.自動車保険や火災保険のクーリングオフは慎重に

任意保険は基本的にクーリングオフが可能です。しかし、クーリングオフがたとえ可能である場合にも、本当に実行して良いかどうか冷静に判断しましょう。

なぜなら、自動車事故に関してご自分が加害者になった場合、非常に高額な損害賠償金が発生してしまうことになるからです。

たしかに自賠責保険に加入している以上、保険金の限度額は、被害者1人につき死亡3,000万円まで、被害者が後遺障害になった場合は段階に応じて、75万円~最大3,000万円(介護が必要な重度後遺障害は4,000万円)まで保険金が支払われます。

しかし、現状では被害者の死亡・重度後遺障害の場合、加害者に1億円以上の損害賠償金が請求されることもあります。

これでは、自賠責保険に加入していても足りないことが明らかと言えます。そのため、マイカーを使わない、保険料が高すぎるという特段の事情が無ければ任意保険には加入しておくべきです。

また、地震保険や火災保険等の災害に備えた任意保険の場合も、最近、日本全国で発生している地震や洪水等に備えるため、ご自分の居住環境等を考慮して判断することが必要です。

よほど補償内容が過剰または不足している、補償に見合わないような高い保険料でない限り、クーリングオフは慎重になるべきでしょう。

クーリングオフできる場合であっても、加入を継続することが賢明であるケースは存在します。

 

6.クーリングオフの際の疑問点と対応

なるほど、仮にクーリングオフを行うことができても、自分の環境や補償の内容を冷静に判断して、保険を解約しない選択肢もあるということか・・・。

それでは、クーリングオフについてのいろいろな疑問点について、わかりやすく解説してもらいたい。

こちらでは、クーリングオフを実施した際の疑問点や、対応策を解説します。

6-1.保険会社が独自のクーリングオフ制度を定めている

保険会社としては、法定されたクーリングオフ制度を踏襲するばかりではなく、独自のクーリングオフ制度を設けている場合があります。

個人(契約者)はクーリングオフをする際に、その保険会社独自の方法で行う必要があります。

個人(契約者)からみれば、法定された内容よりも保険会社側に有利に設定しているのではないか、と懸念するかもしれません。

しかし、法定されたクーリングオフ制度よりも厳しい制約を課すことは認められず、逆に個人(契約者)に配慮した内容のものが多いです。

例えば、クーリングオフできる期限を伸長し、30日以内に申請すれば良い場合や、インターネットをはじめとした通販型の保険契約もクーリングオフできるという場合もあります。

6-2.クーリングオフしたがやはり再契約したい

個人(契約者)がクーリングオフをした場合に、例えば保険会社のブラックリストに名前を記載されてしまい、その後の保険契約が難しくなると心配する人もおられるかもしれません。

しかし、いったんクーリングオフした保険契約を再契約したい場合でも、特に審査が厳しくなるというような、個人(契約者)を不利に扱うようなことは認められず、違約金等のペナルティも当然発生しません。

6-3.クーリングオフをしても返金されない

稀な例とは言えますが、適正にクーリングオフをしたにも関わらず、保険会社側が納付した初回分の保険料を返金しないというケースも考えられます。

不当に返金しないことが明らかならば、最終的に裁判での決着になります。

しかし、保険会社側はクーリングオフのための事務処理を行っている最中かもしれません。

カスタマーセンターに問い合わせても、なかなか返金がされない時は、まず「配達証明付内容証明郵便」で請求をしてみましょう。

こちらも郵便局で手続きを行い保険会社宛に送付することになります。

 

7.まとめ

クーリングオフ制度を利用する場合は、ご自分の契約した内容がクーリングオフできるものなのか、期限内に送付できるか、撤回・取り消ししなければならないほど契約が不当・不必要なものなのかをよく検討しましょう。

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