医療保険の必要性は本当にあるの?不要論と必要論を比較してご紹介

医療保険を考えていると、その必要性について様々な議論が交わされているのを見かけるかと思います。

そういうのを見かけると、医療保険に加入しないほうが良いのかと考えてしまいます。でも、やっぱり加入しないと不安に思えます。

そんな医療保険の必要性は、実のところ人それぞれになります。

今回は、不要とされる根拠によくなる公的制度医療保険の構造的欠陥と、それでも、やはり医療保険は必要だといえる人の条件をそれぞれご紹介します。

これら2つを同時に把握することで、自分が本当に医療保険が必要かどうかが判断できるようになります。また、自分にあった保険探しの参考にもなるでしょう。

目次

1. そもそも医療保険とは?

  • 1.1医療保険の加入目的
  • 1.2医療保険の保障とは
  • 1.3定期保険と終身保険

2. 注意が必要な入院費用の考え方

  • 2.1 1日あたりの平均入院費用の落とし穴
  • 2.2入院費用の見積もりは月当たりで考える
  • 2.3平均的な入院日数について

3. 医療保険が不要に思える公的制度

  • 3.1重要な高額療養費制度
  • 3.2収入を保障する傷病手当金
  • 3.3健康保険組合なら付加給付もある

4. 医療保険自体の構造的問題

  • 4.1入院日数が減り元が取れない
  • 4.2 1入院あたりの支払い限度日数がある
  • 4.3そもそも給付に条件がある

5. 医療保険が必要だと考えられる理由

  • 5.1差額ベッド代など治療費以外にもかかる費用がある
  • 5.2実は食事代が値上がっている
  • 5.3入院したことで発生する費用もある
  • 5.4入院日数無制限という対策もある

6. つまり、こんな人には医療保険が必要

  • 6.1貯蓄があまり無い人
  • 6.2入院したら色んな出費がかさんでしまう人
  • 6.3入院頻度が多くなるのに備えたい人

7.まとめ

1.そもそも医療保険とは?

医療保険の必要性を考える前に、まずそもそも医療保険とは何かについて整理しておきます。また、ここで紹介する基礎知識を、この記事では医療保険の前提にしていきます。

 

1.1医療保険の加入目的

医療保険には、大きく分けて2つの種類、公的医療保険と民間の医療保険があります。公的医療保険とは、協会けんぽや組合健保、国民健康保険などを指し、国民皆保険といって、いずれかに必ず加入していることになります。

そして、民間の医療保険は、この公的医療保険ではまかないきれない病気やケガの治療を目的とした入院費などの費用を保障することを目的に設計されています。また、給付の条件もそれに準じる形になっています。

 

ただし、入院費などの費用と一言で言っても人によってばらつきがあります。例えば治療費や入院基本料のみを保険で補うことを考える人もいますし、差額ベット代などより充実した治療環境のための費用まで考えている人もいます。

そのため、医療保険でどれくらい賄うか考えているかで求める保障の前提条件が変わりますので、医療保険の必要性を論じている人の話を参考にするときは、その前提条件がどうなっているのかを注目してください。

また、医療保険には、そのように様々なニーズがありますので、保険会社も保障の内容に特徴をつけたり、様々な特約をつけられるようにしています。ただ、それらは全て基本的に病気やケガに対する保障となっています。

したがって、保険を考える際は、その保険でどれくらいの負担が保障でカバーされるのかを考えてみるようにしましょう。

1.2医療保険の保障とは

医療保険の保障の柱となっているものは、入院日数によって支払われる入院給付金と手術を受けたときに給付される手術給付金の2つがあります。

また、手術給付金には、入院給付金の何倍かというかたちで支給されます。その倍率には、保障されるどんな手術でも一定型のものと、手術の種類によって変わる変倍型の2つがあります。

この一定型か変倍型かで保険料が変わってきますし、保障対象となる手術も保険会社によって変わることがありますので、保険に加入する際はよく確認するようにしてください。

さらに、保障内容を充実させるために、各保険会社が考える特約があります。そして、この「主契約+特約」によって医療保険の保障は成り立っています。

 

1.3定期保険と終身保険

医療保険には、保障が一生涯続く終身保険と、10年間など限定した期間を保障する定期保険があります。これら2つの内どちらにするかも保険選びでは重要になります。

終身保険と定期保険では、終身保険のほうが最初の保険料が割高になりますが、定期保険は契約を更新するごとに年齢が上がっていきますので、最終的には定期保険の保険料のほうが高くなります。

そのため、定期保険は保障の内容を見直しやすいというメリットがあげられますが、一生涯の保険を考えるなら終身保険のほうが良いといえるでしょう。

また、定期保険は限定的な期間を保障するものなので、貯蓄のない若いうちの間だけ加入しておくというやり方に適しています。

 

2.注意が必要な入院費用の考え方

医療保険を考えるのであれば、やはり入院費用がいくらになるかを把握しておくことが重要になります。しかし、この入院費用に関する統計には非常に厄介なものがあります。

そこで、ここでは入院費用を考える際に注意すべき点も含めて、入院費用に関してご紹介します。

 

2.1 1日あたりの平均入院費用の落とし穴

1日あたりの平均入院費用は2万1,000円というのは、保険会社や保険を紹介するサイトなど様々なところで見かけます。ちなみに、この費用には差額ベット代や交通費など入院にかかった費用すべてが含まれています。

しかし、この1日あたりの平均入院費用は、あまり入院費用の実態を上手く表せていません。むしろ、誤解のもとになっている場合もあります。

例えば、A、B、Cの3人それぞれの1日あたりの入院費用が以下のようだったとします。

A:4万円、B:3,000円、C:2万円

この場合、3人の1日あたりの平均入院費用は以下のようになります。

(4万円+3,000円+2万円)÷3=2万1,000円

この場合は3人でしたが、実際はもっと多くの人の、それぞれの1日あたりの入院費用を調べて同様に計算されます。

しかし、これがあまり入院費用の実態を表せていないというのは、以下の様な場合があるからです。

  • A:総入院費用8万円 入院日数2日
  • B:総入院費用15万円 入院日数50日
  • C:総入院費用12万円 入院日数6日

この場合でも、それぞれの1日あたりの入院費用は同額になります。

つまり、1日あたりの入院費用には、入院日数は短いけれども入院費用がそれなりにかかったものが含まれているのです。そのため、全体の平均額が押し上げられているのです。

そのため、先程の例のように総入院費用を比べてみるとチグハグなことが起ったりします。ですので、1日あたりの平均費用に日数をかけて総入院費用はいくらになるかの見積もりはしないでください。

しかし、この1日あたりの平均入院費用は、全く無意味な数字ではありません。この数字が意味するのはつまり、入院日数自体は全体として短縮傾向にあるけど入院費用自体は下がっていないことを表しています。

 

2.2入院費用の見積もりは月当たりで考える

入院費用がいくら掛かるのかを見積もるには、月当たりで考えるのが1番実態に即して考えることができます。これは、高額療養費制度で月毎の上限額を決められているからです。また、この制度については後ほど解説します。

この高額療養費制度によって、治療費と入院基本料の月当たりの枠が決まっていて、一般的な収入の場合は8万円から9万円の間になります。あとは、その他の費用がどれくらいになるかを見積もれば良いです。

その他の費用とは、食事代や差額ベット代、交通費や衣料費などの雑費です。また、これらは人それぞれになります。その際、入院時の自己負担費用や特に平均入院日数が見積もりに役立ちます。

また、平成28年度の生活保障に関する調査で入院時の自己負担費用は平均費用は22.1万円になっています。

「生活保障に関する調査」|公益財団法人 生命保険文化センター

 

2.3平均的な入院日数について

平均入院日数は以下のようになっています。

主な傷病 総数 男性 女性 0~14歳 15~34歳 35~64歳 65歳
以上
75歳
以上
全体 31.9 29.8 33.9 8.4 12.0 24.4 41.7 47.6
結核 58.7 61.4 54.5 32.8 40.7 65.2 58.4 58.6
ウィルス肝炎 16.3 13.6 19.2 5.1 12.5 12.5 21.4 38.2
胃の悪性新生物 19.3 17.8 23.2 5.5 12.1 13.9 21.0 25.7
結腸及び直腸の悪性新生物 18.0 17.1 19.2 8.0 10.8 13.5 20.0 24.5
肝及び肝内胆管の悪性新生物 18.8 18.9 18.8 47.8 12.1 15.8 19.3 21.6
気管、気管支及び肺の悪性新生物 20.9 19.0 25.2 10.1 9.8 16.7 22.3 26.9
糖尿病 35.5 27.5 45.4 13.0 14.1 20.0 47.4 65.2
血管性及び詳細不明の認知症 376.5 290.4 439.7 231.0 267.5 380.7 383.1
統合失調症等 546.1 630.5 473.8 91.4 93.3 334.1 1,295.8 1,470.9
気分(感情)障害 113.4 113.6 113.3 41.1 45.7 93.7 157.0 161.3
アルツハイマー病 266.3 210.5 300.8 217.8 267.4 257.6
高血圧性疾患 60.5 29.4 80.5 8.9 11.0 13.8 68.4 83.3
心疾患 20.3 13.8 30.1 30.5 10.2 9.0 23.7 30.5
脳血管疾患 89.5 70.0 112.3 20.7 44.6 46.9 100.7 116.0
肝疾患 25.8 23.7 28.5 9.3 10.7 17.1 33.2 40.7
骨折 37.9 28.9 43.4 5.3 14.4 21.9 47.7 51.9

注:
1.2014年9月1日~30日に退院した者を対象としたもの。
2.総数には、年齢不詳を含む。
3.統合失調症には、統合失調症型障害と妄想性障害を含む。
4.心疾患は高血圧性のものを除く。
5.気分(感情)障害には、躁うつ病を含む。

出典:入院した場合、入院日数は何日くらい?|公益財団法人 生命保険文化センター

入院日数は、表のようになっていて、全体的に入院日数は減少傾向にあります。これは特にがんに関して現れています。理由としては、医療技術が発展と、国の医療費抑制政策の2つが挙げられます。

ただし、内科などの体の中のことに関しては、手術方法が向上したとかではどうにもならないので、減少傾向が緩やかになっています。

また、この平均入院日数は医療保険の保障の1つである入院給付金に密接に関わってくるので重要です。

 

3.医療保険が不要に思える公的制度

日本の公的医療保険にある制度は、誰もが安心して医療を受けられるようにするものですから、保険の適用は本当に必要な分だけに限られてきます。

しかしながら、たしかに細かいところまでは保障されないかもしれませんが、かなり充実した保障内容となっています。そのため、果たして民間の医療保険が補う必要があるのかとまで言われます。

そんな公的医療保険の制度に関して、ここでご紹介します。

 

3.1重要な高額療養費制度

高額療養費制度によって、健康保険が適用される月当たりの負担は以下の表のとおりになっています。

<69歳以下の方の上限額>

適用区分 ひと月の上限額(世帯ごと) 多数回該当の場合
年収約1,160万円~

健保:標報83万円以上

国保:旧ただし書き所得901万円超

252,600円+(医療費-842,000)×1%

140,100円
 年収約770~約1,160万円

健保:標報53万~79万円

国保:旧ただし書き所得600万~901万円

167,400円+(医療費-558,000)×1%

93,000円
年収約370~約770万円

健保:標報28万~50万円

国保:旧ただし書き所得210万~600万円

80,100円+(医療費-267,000)×1% 44,400円
~年収約370万円

健保:標報26万円以下

国保:旧ただし書き所得210万円以下

57,600円 44,400円
住民税非課税者 35,400円 24,600円

出典:高額療養費制度を利用される皆さまへ |厚生労働省

高額療養費制度でよく登場する、月当たり8万円から9万円の負担になるとは、つまり一般的な収入の人は、おおよそ区分ウに該当するためにそう言われます。

また多数回該当とは、過去12ヶ月以内に3回以上、この制度の上限額を超えて対象となった場合に、4回目からはさらにその欄の金額に上限額が減る仕組みです。そのため、長い期間入院することになったとしても、負担額を抑えられます。

また、この高額療養費制度の対象となる入院費用は、治療費入院基本料となっています。それ以外の食事代や差額ベット代であったり、見舞いに来る人の交通費や衣料費などのその他の出費はすべて自己負担となっています。

このように、高額療養費制度によって莫大な入院費用が課せられることはありません。したがって、特に短期入院なら貯蓄で負担に耐えることが出来るとされるのです。

 

3.2収入を保障する傷病手当金

出典:病気やケガで会社を休んだとき | 健康保険ガイド | 全国健康保険協会

会社員の方などには、働けなくなったときに給付される傷病手当金があり、1日あたりの金額は図のように計算されます。ただし、自営業の方が入っている国民健康保険にはこの制度がありません。

入院をした時など働けなくなった時には、働いていたら貰えていたはずの給与が貰えなくなります。これを逸失収入といい、傷病手当金ではこれに備えることが出来ます。

そして、この給付では給与のおよそ2/3を受け取ることが出来ます。これとある程度の貯蓄があれば、保険なしでも入院費用に関しては対応できるでしょう。

ただし、働けなくなったらずっと給付されるわけではなく、1年6ヵ月の期間が設けられています。

 

3.3健康保険組合なら付加給付もある

大手企業などの会社員が加入する健康保険組合には、付加給付という上乗せされる分がある場合があります。これによって、高額療養費制度や傷病手当がより充実した保障になります。

保障内容は各組合保険によって異なるのですが、例えば高額療養費制度に付加給付が付く場合、月の上限額が2万5,000円まで抑えられることがあります。

そのため、このような付加給付がある場合は、医療保険が不要となる可能性が高くなります。ですので、一度自分が加入している保険者を確認しましょう。

 

4.医療保険自体の構造的問題

医療保険が不要とされるもう1つの理由は、払った保険料に対し、受けられる保障が少ないという点があげられます。つまり、元が取れなさ過ぎるのです。この問題についてご紹介していきます。

 

4.1入院日数が減り元が取れない

まず、元となる保険料についていくらになるか考えてみます。例えば、30歳で保険に加入し、80歳まで支払ったとします。このとき、月の保険料が、3,000円と5,000円とすると以下のようになります。

  • 3,000円:3,000円×12ヵ月×50年=180万円
  • 5,000円:5,000円×12ヵ月×50万円=300万円

また、この額を基本として以下では解説していきます。

 

最近の入院日数は減少傾向にあり、例えばがんだと入院日数が大体20日ほどになっています。これで貰える入院給付金の総額は、1日5,000円と1万円の給付金の場合以下のようになります。

  • 5,000円:5,000円×20日=10万円
  • 1万円:1万円×20日=20万円

このように、手術給付金がさらに給付されるとしても1回きりの入院では、到底元を取ることが出来ません。

また、平均入院日数がおよそ60日ある高血圧性疾患の場合でも、入院給付金の総額は、5,000円の場合だと30万円、1万円の場合だと60万円になり、元が取れません。

そのため、医療保険では1回きりの入院ではまず元が取れないと考えてください。これは入院日数が短くなればなるほど顕著になっていきます。特にがん保険ではこの傾向を受けて診断を受けたら給付が受けとれる診断給付金に注目されます。

つまり、入院しないと給付を受けられない医療保険は、入院日数が減っていく医療の実態に即していないのです。また、そんなに長い入院を繰り返すかも疑問です。

 

4.2 1入院あたりの支払い限度日数がある

先程幾つかの病気の平均入院日数に触れましたが、もっと長いもの病気については考えていませんでした。これは、そもそも医療保険がこれほどまでに長い入院日数を保障することはないためです。

なぜなら、1入院日数あたりの支払い限度日数というものがあり、1回の入院で保障される日数、つまり入院給付金が支給される日数には限りがあるのです。これには、60日、120日、180日などの期間があります。

 

また、特に選ばれやすいのは、60日になります。この日数だと極端に長い入院日数以外だと保障の範囲内におさまっています。

しかし、1入院に関する決まりによって、保障が受けられないことがあります。これは退院してから180日以内の同じ病気や関連する病気の場合同じ1入院の日数として数えられるというものです。

例えば、60日の支払限度日数だと、30日入院した後に退院し、3ヵ月後に再び同じ病気で入院しなくてはならなくなった場合だと、受けられる保障の日数が30日だけになってしまうのです。

そのため、60日程度だと繰り返しの入院に対応することが難しくなってしまうのです。かといって120日に伸ばすと保険料が高くなってしまいます。

つまり、何回か繰り返して給付を受けないと元が取れないのに、繰り返すと保障を受けにくくなってしまうという問題を医療保険は抱えているのです。

 

4.3そもそも給付に条件がある

医療保険は、治療を目的とした費用を保障する保険ですので、美容整形などには給付されません。また、他にも保険会社によって給付される病気やケガなどが決められています。

例えば、天災や人災で負った負傷や、泥酔して負傷した場合などは保障されないことがあります。その他にも、保険会社ごとに保障しない病気などが決められていることがあります。

そのため、どんな病気などが保障の対象外になっているかの確認は重要になります。

 

5. 医療保険が必要だと考えられる理由

ここまで紹介した、医療保険が不要と考えられる理由を簡単にまとめると、公的医療保険が充実しているので多額の入院費用が発生しないことと、医療保険は構造的に元がほとんど取れない保険になっていることになります。

そこでここでは、その理由に反論する医療保険が必要だと考えられる理由をご紹介します。

 

5.1差額ベッド代など治療費以外にもかかる費用がある

まず差額ベッド代についての1日あたりの平均費用は以下のようになっています。

1人部屋 7,828円
2人部屋 3,108円
3人部屋 2,863円
4人部屋 2,414円

出典:中央社会保険医療協議会総会審議会資料(第337回) |主な選定療養に係る報告状況 |厚生労働省

この差額ベット代は、患者自身が望んでその部屋に入る場合にかかる費用となっています。しかし、大部屋に空き部屋がないという理由で差額ベット代を払って、特別室に入ることを求められる場合などがあったりします。

そのような場合、同意したしないで病院ともめることが報告されています。また実際の所、病院側に差額ベッド代が必要な部屋に入るように求められて、患者が拒否するのは難しいとされます。

これは、規則的な理由ではなく、病院側と揉めたくないという理由で患者側が引き下がってしまうことが多いためです。

したがって、差額ベッド代を必要とする部屋に入るつもりはなくともその費用だけは備えておいた方が良いです。これは、払わなくて済みそうかどうかを判断して、臨機応変に対応できるようにしておくためです。

このように、入院費用には想定していない費用払うつもりはなかったけど必要になってしまう費用などが発生することがあります。そんなときに保険の給付があると、ある程度心に余裕を持つことが出来ます。

 

5.2実は食事代が値上がっている

入院時にかかる食事代は以下のように値上げされることが決まっています。

~平成28年3月 平成28年4月~ 平成30年4月~
一般の方 1食につき260円 1食につき360円 1食につき460円

出典:入院時食事療養費 | 健康保険ガイド | 全国健康保険協会

例えば、1食につき460円になると、1日あたりの食事代は1,380円になります。もし仮に20日入院したとすると、2万7,600円となり、入院日数が伸びれば伸びるほど侮れない金額になっていきます。

そのため、貯蓄で備える場合はこれもしっかり計算に入れておく必要があるのですが、保険を使って備えるのも悪くない選択肢と考えられます。

 

5.3入院したことで発生する費用もある

入院すした時にかかる費用は、入院に直接関わる費用だけでなく、働けなくなることによって発生する間接的な費用もあります。例えば、自営業の方は傷病手当金もないので収入がなくなってしまう恐れがあります。

他にも、子供を何処かに預けるための費用だったり、食事を作るなどの家事が苦手な家族だけになった場合は食事代などの費用が発生することが考えられます。

このような費用に対して、医療保険は所得を補う性質も兼ね備えていますので備えることが出来ます。ただし、医療保険は原則として医療費に対する保障を目的としています。

そのため、所得を補うというのならば、所得補償保険の方を考えた方が良いかもしれません。

 

5.4入院日数無制限という対策もある

ここまでは、入院すると高額療養費制度では補いきれない費用も多々あるという観点で勧めてきました。

しかしながら、そもそも医療保険がいざ必要になったときに、払った保険料に対して受けとれる給付が少ないと元も子もありません。そうなると、やはり貯蓄した方がいいという結論になります。

そこで、繰り返しの入退院長期の入院に備えられる保険にしようというのが、入院日数無制限になります。短期の入院で元を取るのはやはり難しいですが、長期の入院の場合などでは、元を取りやすくなります。

また、そもそも短期の入院の場合は、保険など無くとも貯蓄だけで乗り切れる可能性が高いです。

それで、この入院日数無制限ですが、これは特定の病気に限り給付される限度日数を無制限にするというものです。最近の保険ではこの保障がよく見られるようになってきました。

この保障があると、入院給付金が支給される日数が延びますので、保険を考える際にはこの保障を内容があるかどうか注目してみてください。

 

6.つまり、こんな人には医療保険が必要

ここまでの考えをまとめると、確かに入院費用は様々な費用がかかる、けれども医療保険に払い込んだ保険料に対し受けとれる額はやはり少ない、結局その分を貯蓄に回した方が良い可能性が高いということになります。

こう考えると、やはり医療保険は不要なのかというと、必ずしもそうとは言い切れません。ここでは、それでも医療保険が必要と考えられる人をご紹介します。

 

6.1貯蓄があまり無い人

貯蓄がない人には、以下の2つの場合が考えられます。

  • 現在貯蓄がなく、将来的に必要な分を確保出来るか分からない人
  • 貯蓄があるにはあるが、それを維持できるか分からない人

まず1つめの場合は、若い間は安い定期保険に入っておいて、その上で将来的な貯蓄をしておくという方法が考えられます。この方法だと貯蓄がないときの病気やケガのリスクに備えつつ、老後の貯蓄がしやすいです。

次に、貯蓄を維持できるか分からない人ですが、この場合は医療保険に保険料を払うことで、いざというときに一定額を確保しておくことができます。この分だけは維持されるということで、安心感を買えるといえるでしょう。

このように、入院になどに対する貯蓄を確保しづらい場合は、保険で備えておくほうが良いです。

 

6.2入院したら色んな出費がかさんでしまう人

自営業者の方や、主婦の方でも子供を預けないといけなくなってしまう人などがこれに該当します。このように入院によって発生する出費が不透明で多くなりそうな場合は、保険で補うのも一手です。

ただし、保険料は出来る限り安くしそのために保障はできる限りシンプルにしておくことが肝心です。これは、医療保険を考えるどのような場合でも当てはまることになります。

なぜなら、やはり医療保険の元は取りづらいからです。これは、保険料が高くなればなるほど顕著になり、特約などを沢山つけるよりかは、その分貯蓄に回したほうが良いといえるためです。

 

6.3入院頻度が多くなるのに備えたい人

貯蓄で入費の負担に備えるのに不安が残るのは、貯蓄は使ってしまうと減るので、繰り返し入院するような事態になればやはり厳しい負担になるという点です。

また、繰り返すことはなくとも、入院して減った分は再び貯めなければいけません。その間の入院などの負担にどう備えるのかというと、やはり保険が考えられます。

このように、可能性は低くとも、人生で何回入院することになるか分からないと考える方は、保険で備えると良いでしょう。

 

7.まとめ

医療保険の必要性とはつまるところ、人それぞれということになります。貯蓄がいくらあるか、どんなことをリスクとして考えるのかは人によって違うためです。

ただし、医療保険を必要だと判断するにしても、闇雲に過信して加入することはせず、いくら保険料を払うことになり受けられる保障はいくらになるかを想定することが重要になります。

ここを確認しないと、それが本当に必要な保険なのか分からず、結局無駄な保険に入る可能性があります。

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