加入時にウソや黙っていて告知義務違反した医療保険!どうなる?

記事監修者紹介
松葉 直隆 大学卒業後、損保ジャパン日本興亜代理店の保険会社にて5年以上勤務し、年間100組以上のコンサルティングを行う。 その後、2016年6月より保険ブリッジの記事監修を務める。

告知義務違反をすると、保険を解除されることがあります。

そうならないためには、そんな注意をすればよいのでしょうか?

告知義務違反で被る不利益などをご紹介していきます。

この記事をざっくり言うと…
  • 告知義務違反をした場合、給付金が支払われなかったり、保険料が没収される。
  • 告知のし忘れに気がついたら、すぐに保険会社に連絡する。
  • 不告知教唆は証明がかなり難しい。
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 医療保険の告知義務違反とは 

告知書に嘘を記載した場合、告知義務違反に該当し、保険金がみらえないだけでなく刑事事件へと発展することもあります。

医療保険の告知義務とは

健康状態や過去の疫病歴を保険会社に告知する義務があると保険法第4条で規定されています。

(告知義務)

第四条 保険契約者又は被保険者になる者は、損害保険契約の締結に際し、損害保険契約によりてん補することとされる損害の発生の可能性(以下この章において「危険」という。)に関する重要な事項のうち保険者になる者が告知を求めたもの(第二十八条第一項及び第二十九条第一項において「告知事項」という。)について、事実の告知をしなければならない。

引用:保険法第4条    

保険会社は、告知内容をもとに契約の可否を判断します。

医療保険の告知書の内容

医療保険の告知書で被保険者が15歳以上の場合は、必ず被保険者自身が健康状態の事実を記入して保険会社に伝えることが必要です。

告知書記入の日付・名前・生年月日・性別欄

告知書を記入する日付を記入し、名前やフリガナ、生年月日、性別を記載します。

間違えてしまった場合は、二重線を引き真ん中に訂正印を押して上もしくは下の空白に書き直します。

注意事項

訂正印は申込書の被保険者印と同じものを使用します。

消しゴムや修正液、無理やり書き足すことなどは認められません。

「勤務先名」「業種」「仕事の具体的内容」欄

仕事の具体的な内容は、製造二課とか○○市役所企画係などと書きます。

学生の場合、学校名や学年まで記載を要求される場合があります。

年金で生活している場合は、年金生活者と書いて下さい。

「身長」「体重」欄

毎日測定していない場合、おおよその数値を記載します。

健康診断を受けていれば、その時の数値を記載します。

健康状態の告知項目は大きく分けて、

「最近(3か月以内)の健康状態について」

・「過去(5年以内)の病気やケガについて」

・「過去(2年以内)の健康診断結果について」

・「身体の障害について」

となっています。

他に該当者のみ告知が必要な項目として

「がんについて」

・「妊娠・出産について」

等があります。

質問の回答は、告知書の「はい」か「いいえ」にチェック(○)をします。

「はい」に該当する場合、告知書の別欄に詳細を記入する必要があります。

松葉 直隆

問われていることのみを記載するようにしましょう。

告知書は必ず被保険者本人が書くこと

告知書提出後さらに追加で告知を求められたり、健康診断等の結果表を求められることもある 

医療保険の契約については、保険会社から次のいずれかの回答が来ます。

○無条件で引き受け

○引き受け付加

○特別条件付き(特定の部位を不担保など)

この時、追加の告知が必要担ったり、健康診断などの結果の開示を求められることもあります。

告知書はとても重要なものです。

松葉 直隆

担当者と一緒に確認しながら記入すると良いでしょう。

医療保険の告知義務違反

これに該当するのは、記載が必要だった健康状態や入院歴などを告知せずに、加入してしまった場合です。

また、うっかり忘れていた場合もこれに該当します。

告知義務違反をするとどうなる

支払いを拒否されたり、保険料が没収されることがあります。

生命保険に加入すると、その人の契約内容などは生命保険会社協会に登録されます。

MEMO

保険金の支払いや給付金の支払いを求められると保険会社は、他社での支払い履歴などを調査し審査を行います。

虚偽の申告をすると、支払い拒否となる場合があるのです。

医療保険にはどうして告知義務があるのか

保険は相互扶助の精神でできています。

注意事項

つまり、リスクが高い人が加入すると、保険会社が倒産のリスクにさらされるのです。

そうならないために、告知をさせてリスクの高い加入希望者にはお断りをしたり、加入の条件がつくことがあるのです。

知らずに告知義務違反をしてしまった場合

傷病歴があったにも関わらず、告知し忘れていた場合がこれに該当します。

契約書などの書類の提出・入金・診査がすべて完了した時点で、生命保険の契約は成立します。

松葉 直隆

告知しなかった病気や怪我に関係する理由でない場合、給付金がもらえることもあります。

告知忘れに気がついたら、すぐに保険会社に連絡しましょう。

告知後すぐに気が付いて訂正したい場合

保険契約の成立前であれば、保険会社に連絡し追加告知を行えます。

その際、告知漏れをした項目のみ、告知しましょう。

告知違反による解除とは

保障開始から2年以内の場合、保険会社は契約を解除できます。

2年以上経過していたとしても、2年以内に給付金を支払う状況があれば、遡って契約を解除することができます。

不告知教唆とは

不告知教唆とは加入時に担当していた保険会社の社員が加入しようとしている者に本来告知しなければならないのに、告知事項を記載しないように指示した場合など、契約者に告知義務違反を促す行為を言います。

告知義務違反が発覚した時に不告知教唆によるものと判断されれば、保険会社側に責任がいきます。

やりとりを遡って客観的に証明するとなると、言った言わないの水掛け論になってしまうでしょう。

松葉 直隆

つまり、不告知教唆を証明するのは非常に難しいことなのです。

契約解除になる告知義務違反とは

故意もしくは重大な過失で事実を告知しなかったり、正しく告知しなかった場合に、契約解除となります。

保障開始日から2年以内の場合、保険会社は告知義務違反として保険契約を解除できます。

松葉 直隆

こうなると、保険金や給付金は受け取れる事由が発生しても受け取れません。

しかし、解除された時に保険契約者が自ら契約を解約したり、保険会社から契約を解除された場合などに、保険契約者に対して払い戻されるお金のことをいう解約返戻金があれば、それを受け取ることはできます。

また、契約の解除より厳しい取り消しがあって、知義務違反の内容が特に重大な場合は、保険金を請求しても受け取ることができず、詐欺として保険契約は取消しになります。取消しの場合は、まで払った保険料は返ってきません。

契約解除にならない告知義務違反とは

不告知教唆の場合、保険会社が一方的に解除できません。

次のようなケースでは契約解除が行われないことが多いようです。

・告知義務違反が重大な過失や故意によってなされたものか証明できなかったとき

・告知書の質問内容があいまいなど、告知義務の過程そのものに重大な問題があるとき

・契約または責任開始日から2年(保険会社によって期間が違います)を超えて有効に継続していたとき

・保険会社が、告知義務違反の事実を知って1ヵ月以内に解除の通知をしなかったとき

告知義務違反の調査はどのように行われるのか

保険会社の告知義務違反の調査は、健康状態については主として病院に対してヒアリング調査を行います。

保険金の請求をするときには、診断書の提出が求められていますので、病院で作成された診断書の内容について調査します。

個人情報保護の観点かた保険調査員はカルテを見ることができません。

しかし、保険会社の顧問弁護士はカルテを見ることもできるのです。

また、死亡した場合は遺族に対して聞き取り調査が行われます。

職業の確認は電話などで行います。

転職した場合、仕事が変わると保険料が変わるような契約でない限り、告知義務はありません。

MEMO

嘘発覚を恐れて調査に協力しない場合、請求拒否されてしまうため、しっかりと協力しましょう。

こういった調査で告知内容と一致しているか確認し、1ヶ月から2ヶ月ほどでその結果がわかります。

もし嘘をついていた場合でも、保険金の支払い理由と関係ない場合、そのまま支払われることがあります。

保険金の請求やあったとき、追加で加入する時に、重点をおいて調査をします。

新しい契約では告知は正しく行われていたとしても、以前の契約で行われていた告知内容が間違っていたならば告知義務違反になる恐れが生じます。

保険会社の告知書に対する審査

契約後に改めて、契約者の健康状態などを調べるということはありません。

入院や手術など給付金請求があった時

入院や手術など給付金の支払い事由が発生した場合、契約者より給付金の請求があった場合には、その病気やケガの程度によっては過去に遡って調査を行います。

同じ保険会社に追加で新規加入した時

同じ保険会社の保険商品に追加で新たに加入する保険商品の契約のときに、告知書内容が前回の告知内容と矛盾する内容だった場合、告知義務違反となる可能性もあります。

告知義務違反の調査方法と対象について

医療機関

保険会社は診断書を発行した医療機関に赴いて面談を実施し、被保険者の治療期間や過去の治療記録など請求された給付事由との矛盾点がないかなどの調査を行います。

健康保険・国民保険

個人情報保護のため、保険会社からの情報開示には応じませんが、本人が同意すれば開示に応じます。

給付金などを請求する際は、健康保険組合などへの個人情報の開示についての同意書が用意されていて、同意しない場合には給付金の支払いに応じないこととなっています。

しかし、調査対象は勤め先で加入している健康保険組合や国民健康保険も該当します。

健康診断

医療機関でのカルテの保存期間が決まっていますので、保存期間をすぎていたりカルテが紛失していて医療機関での治療記録が仮になかったとしても、保険会社の調査対象に健康保険が含まれていますので、対象者が過去に実施している健康診断の結果の照会も行うことができます。

もし、健康診断書の提出が医療保険の加入時には不要であった場合においても、給付金の請求の際の告知内容と、診断結果に矛盾が生じた場合には告知義務違反が分かってしまうことになります。

医療保険に加入するときに気をつけたい症状

風邪

注意事項

風邪は重大な病気の初期症状となることがあるため、保険会社は風邪を嫌います。

医療保険に加入したい場合、完治するまで待ちましょう。 

加入時の体調不良も告知義務の対象です。

風邪を引いていることを黙って加入すると万一その風邪が原因で医療保険の保障を受けることとなって、給付金の請求をすると保険会社の調査で分かってしまう可能性が高いです。

過労

過労は自殺に繋がりやすいため、保険会社が嫌っています。

生命保険に加入する時、過労気味と感じたら静養して疲れをとってから加入しましょう。

高血圧

本当は、高血圧なのに保険に加入したいがために、一過性のもので、普段は血圧高くないと言っても、保険会社は、一時的に血圧が高くなったと言っても原因がはっきりしていないのであれば、今後どんな変化をするか分からないと判断して加入を拒絶する可能性が高いです。

血圧が高くても、医師の指示を守って降圧剤などの服用により、被保険者の健康管理をしっかりしていれば、無条件で医療保険に入ることができますので、ウソをつくことはやめて下さい。

その他 

更年期障害や喘息、うつや過度の睡眠不足の症状がある人も加入時には注意して下さい。

保険会社では、これらの症状は自殺につながる恐れがあると考えていて保険の加入を拒否することが予想されます。

診療をうけて投薬された時点で、拒否されることが多くなっています。

また刺繍がある場合C型肝炎の発症が懸念事となり、医療保険の加入を拒否される可能性があります。

告知義務違反の時効について

時効期間2年について

保険法では保障開始日から2年以上経過した場合には例え告知義務違反があっても、保険会社は契約の解除ができないと規定しています。

ただし、この2年間の内に給付金の請求はしていないけど、実際には入院や手術をしていて、給付金の支払いが発生していた場合には解除可能となります。

松葉 直隆

その状況にもよりますが、告知義務違反の時効が2年間だとは言い切れません。

時効2年を過ぎた後の裁判によって告知義務違反が、認められている事例があります。

時効期間が無期限の場合

もし保障開始日より2年間が経過して解除することができない条件が整ったとしても、告知内容が「詐欺などの重大な告知義務違反」があった場合には2年間の枠にとらわれることなく契約解除の対象になります。

告知義務違反になると承知していながら告知した場合、保険会社は給付金の支払いに応じません。

判例

医療保険ではありませんが、基本的考え方は同じですので、死亡保険金の支払いで告知義務違反について争われた裁判例を紹介します。

告義務違反による契約解除

被保険者が契約からちょうど一年後に脳出血及びクモ膜下出血により死亡。保険会社は「高血圧により投薬を受けていたにもかかわらず、その事実を告知し   なかった」との告知義務違反を理由として保険契約を解除したところ、「被保険者は面接士および外務員に告知をしていた」として、遺族より保険金4,100万円の支払請求があった。

 

告知義務違反による契約解除

 被保険者は肝硬変であるとまでは告げられていなかったが、少なくとも慢性肝炎であることは医師より告げられていた。
慢性肝炎に罹患して治療を受けている事実を診査医に告げずに保険契約に加入し、その後二年以内に死亡。保険会社は告知義務違反として契約を解除したが、遺族より保険金4,000万円の支払請求があった。

 

告知義務違反による契約解除

被保険者は告知の2年弱前に人間ドックを受診し、医師から大動脈弓部拡大と診断され、精密検査の指示を受けていたが、保険加入にあたっては血圧の異常を指摘されたことのみを告知し、死亡保険金額2,800万円の生命保険に加入した。
被保険者は保険加入の一年半後に胸部大動脈瘤破裂で死亡したが、生命保険会社は、被保険者が大動脈弓部拡大との診断を告知しなかったことに重大な過失があったとして、契約を解除した。
一審は被保険者による告知義務違反があることを否定したため、これを不服とした生命保険会社が控訴した。

 

営業職員の不告知教唆と告知義務違反による契約解除

被保険者は定期健康診断で高血圧の精密検査を要する旨の指摘を受けていたが、友人である営業職員による積極的な働きかけ(告知をしないよう依頼)により、当該事項について告知をせずに生命保険契約(死亡保険金750万円+家族収入特約月20万円)に加入した。
契約成立後、それまで他社で加入していた死亡保険金6,000万円の保険を解約したが、契約から1年11ヵ月後に脳患部出血により死亡した。
生命保険会社は告知義務違反を理由に契約を解除したが、遺族より保険金6,000万円と家族収入特約(毎月20万円)の支払請求があった。

引用:「生命保険判例集」財団法人生命保険文化センター

まとめ

告知義務違反について詳しく解説してきました。

告知義務違反をすると、保険金や給付金を受け取れません。

さらにそれが判明すると、保険料払込免除の事由に該当しても払込免除を受けられません。

松葉 直隆

この記事を読んで、告知義務違反をしないように、しっかりと学んでいきましょう。
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