公的年金の控除と年金制度を活用した節税対策をご紹介!

国民の義務でもある納税ですが、出来れば支払う額を少なくしたいと言うのが本音ではないでしょうか?

公的年金の保険料を支払っている現役世代や、公的年金を受給している世代からすると、節税を常に考えていると思います。

公的年金や個人年金険料の控除制度を使う事で、上手く節税する事で税金を少なくする方法があるのです。

今回の記事では、その節税方法を実際に行っている私が、細かく解りやすく解説しますので、記事を読んであなたも上手く節税をしてみてください。

目次

1.公的年金にも税金がかかります

  • 1.1 そもそも公的年金とは?
  • 1.2 公的年金にかかる税金は何?
  • 1.3 公的年金の課税方法について
  • 1.4 公的年金受給の際に気を付けるべきこと

2.公的年金控除とは?

  • 2.1 公的年金控除の対象年齢は?
  • 2.2 公的年金の課税対象額と控除額の計算はこうする!
  • 2.3 公的年金控除の注意点

3.公的年金控除の申告方法

  • 3.1 確定申告によって行う!
  • 3.2 確定申告の記載方法はこちら!
  • 3.3 確定申告と扶養親族等申告書

4.国民年金を活用した税金控除方法

  • 4.1 国民年金を節税に活用する!
  • 4.2 社会保険料控除を受けよう!
  • 4.3 2年前納制度はお得!

5.年金保険を活用した税金控除方法

  • 5.1 個人年金保険料を節税に活用する!
  • 5.2 個人年金保険料控除の要件とは?
  • 5.3 個人年金保険料控除を受ける方法

6.年金保険について詳しく説明します!

  • 6.1 そもそも個人年金保険とは?
  • 6.2 個人年金保険のメリット・デメリット
  • 6.3 生命保険各社の年金保険の特徴

7.まとめ

1.公的年金にも税金がかかります

20歳になってからコツコツ払い続けて来た年金、そろそろ受給される年齢に近づいて、ようやく納める方から受け取る方になれると思って一安心というところではないでしょうか?

その時にふと思うのが受け取る年金にも税金がかかってしまうのか?ということです。

実は公的年金にも税金がかかります。しかし、こちらの記事を読めば、年金を受け取る年齢になり税金の問題が出てきても、それに対応できる準備は整えられます。

まずは公的年金とは何なのかをおさらいし、かかる税金を明らかにし、年金受給の際に気を付けるべきことをご説明します。

1.1 そもそも公的年金とは?

公的年金とは、国が管理し運営する年金制度のことです。この年金制度には国民年金、厚生年金、共済年金の3種類があります。

①国民年金

日本国内に住所がある20歳以上60歳未満の全ての人が加入する年金です。

国民年金には自営業、農家を営む方、学生、無職の方が対象となる「第1号被保険者」、会社員のように厚生年金保険の適用を受けている事業所に勤務する方が対象となる「第2号被保険者」、第2号被保険者の配偶者で年間収入が130万円未満の、20歳以上60歳未満の方が対象である「第3号被保険者」に分かれます。それぞれの納付方法は異なることになります。

②厚生年金

会社員をはじめとした「第2号被保険者」に該当する方が対象です。厚生年金保険に加入しているので、国民年金(基礎年金)に加えて、上乗せ年金である厚生年金を受け取ることができます。

③共済年金

国家公務員、地方公務員および私立学校教員等として常時勤務する組合員が対象です。国民年金(基礎年金)に加えて、上乗せ年金である共済年金を受け取ることができます。

1.2 公的年金にかかる税金は何?

公的年金等から源泉徴収される形で税金が納付されることになります。その税金が「所得税」「復興特別所得税」です。

所得税とは、個人が1月1日から12月31日までの1年間に得た、所得に対して課される税金のことです。一方、復興特別所得税とは、東日本大震災からの復興を目的とする施策を行うために必要な財源を確保するための税金を言います。平成25年1月1日から平成49年12月31日までに生じる所得には、この復興特別所得税が所得税と共に徴収されます。

1.3 公的年金の課税方法について

公的年金等を受け取ることができる場合、原則として収入金額から受け取る年金に応じて定められている一定の控除額を差し引いた額に、5.105%を乗じた金額が源泉徴収されることになります。

この課税方法の対象になるのが次のような年金です。

  • 国民年金法や厚生年金保険法、共済組合法等の規定による年金
  • 過去の勤務によって会社等から支払われる年金
  • 外国の法令に基づく保険または共済に関する制度で、日本の国民年金法や厚生年金保険法、共済組合法等の規定による社会保険または共済制度に類するもの

1.4 公的年金受給の際に気を付けるべきこと

年金は、年金を受け取れる年齢になった時に日本年金機構から自動的に支給されるわけではありません。年金を受け取るためには、まず、ご自身が年金を受け取るための手続きを行わなければいけません。

ご自身が支給開始年齢に達する3ヶ月前に「年金請求書(事前送付用)」と請求手続きをするための案内が、日本年金機構から送付されます。万が一、送付された年金請求書を失くしても、お近くの年金事務所や、年金相談センターの窓口で取得することができます。

請求書の受け付けは支給開始年齢になってからです。その年齢に達したら速やかに必要書類を準備し、お近くの年金事務所や、年金相談センターの窓口へ提出します。

主に必要な書類は以下の通りです。

①年金請求書(国民年金・厚生年金保険老齢給付)

②戸籍謄本(抄本)、住民票等

※戸籍謄本(抄本)、住民票等は受給権発生日以降に交付されたもので、かつ年金請求書等の提出日から遡って6ヶ月以内に交付されたもの準備します。

③本人名義の受取先金融機関の預金通帳等

④印鑑(認印可)

※ご自身の厚生年金の加入期間や家族構成等によっては追加の書類が必要になる場合があります。くわしくは「日本年金機構ホームページ」をご覧ください。

2.公的年金控除とは?

いよいよ年金を受け取る年齢になり、「年金請求書等も年金事務所に提出した、あとは自分の通帳に振込まれるお金を待てばいい。」と思われている方も多いと思います。

しかし、国民年金や厚生年金のような公的年金を一定額以上受け取ると、雑所得として課税の対象なってしまします。

「そんな、自分がコツコツ納めて来たものなのに!」と不満に思われるかもしれませんが、公的年金には税制上の優遇措置があります。

それが「公的年金控除」です。こちらでは控除受ける対象年齢、計算方法、注意点についてご説明します。

2.1 公的年金控除の対象年齢は?

公的年金控除を受け取る方は、65歳未満と65歳以上に分かれます。この年齢の区分や、公的年金等の収入金額によって控除額は変動します。

例えば、65歳未満の方で支給される公的年金等の収入金額が、年の1月1日から12月31日までで70万円以内に収まる場合には所得金額はゼロとされ、課税されません。

一方、65歳以上の方で支給される公的年金等の収入金額が、年の1月1日から12月31日までで120万円以内に収まる場合には所得金額はゼロとされ、こちらも課税されません。

65歳未満では70万円を超えた部分から、65歳以上では120万円を超えた部分から課税対象となります。超えた部分があっても定められた控除額に収まっていれば、やはり課税はされません。

しかし、公的年金の控除額を超えた年金を受け取っている場合には、その超えた年金の部分に課税されます。

2.2 公的年金の課税対象額と控除額の計算はこうする!

まず、公的年金の課税対象額を説明します。

①65歳未満で年金を受け取られる方の場合

公的年金等の収入金額の合計額

・700,000円以下→0(非課税)

・700,001円~1,299,999円まで(割合100%)→700,000円控除

・1,300,000円~4,099,999円まで(割合75%)→375,000円控除

・4,100,000円~7,699,999円まで(割合85%)→785,000円控除

・7,700,000円以上(割合95%)→1,555,000円控除

②65歳以上で年金を受け取られる方の場合

公的年金等の収入金額の合計額

・1,200,000円以下→0(非課税)

・1,200,001円~3,299,999円まで(割合100%)→1,200,000円控除

・3,300,000円~4,099,999円まで(割合75%)→375,000円控除

・4,100,000円~7,699,999円まで(割合85%)→785,000円控除

・7,700,000円以上(割合95%)→1,555,000円控除

つぎに、計算方法は以下の通りです。

公的年金等の収入金額の合計額×割合-控除額=公的年金等に係る雑所得の金額

例として65歳未満の方が、公的年金等の収入金額の合計額が140万円での場合における公的年金等に係る雑所得の金額を計算してみます。

1,400,000円×75%-375,000円=675,000円

2.3 公的年金控除の注意点

この公的年金控除も、行政が自動的に控除してくれるものではありません。公的年金等の収入金額が、年の1月1日から12月31日までで控除額を超えていた場合は、雑所得となります。そのため、この雑所得を申告して精算する必要があります。

これに加え、一定額以上の老齢年金額を受け取った場合、各種控除を受ける時は日本年金機構から送付されてくる申告書に記載し提出することも必要です。ご自身の公的年金等の収入金額がどれくらいになるのかを必ず計算し、事後に行う申告等に備えておきましょう。

3.公的年金控除の申告方法

公的年金控除も自動的に、ご自身の年金から控除されるわけでは無く、ご自身の行動によって控除を申告することが必要になります。

「面倒だ!」と思って何もしないと、控除どころか源泉徴収額まで大きく変わってしまいます。ご自身の公的年金等の収入金額およびその他の収入金額を把握し、申告に備えることが大切です。

公的年金控除を受けたい場合は、「確定申告」による税額の精算と、ある一定額以上の老齢年金額を受け取られた方が提出する「扶養親族等申告書」があります。こちらでは、それぞれの記載や提出方法等について説明します。

3.1 確定申告によって行う!

公的年金等に係る雑所得の金額より、定められた控除額を差し引いても残額ある方は確定申告をしなければいけません。

確定申告とは、1月1日から12月31日までの所得から納める税金を計算し、翌年の2月中旬から3月中旬までの期間に、税務署へ作成した申告書等を提出することを言います。

公的年金等に係る確定申告にはその申告が不要な場合もあります。それは、平成23年分以降、その年中の公的年金等の収入金額が400万円以下であり、かつ、その他の所得金額が20万円以下である場合です。

ただし、これにも例外があり、医療費控除による所得税の還付を受ける場合や、住民税の申告が必要な場合、外国の法令に基づく保険または共済に関する制度を利用して年金受給をする場合には、確定申告が必要になることがあります。

ご自身の状況を踏まえ、申告が必要か不要か判断に困る場合は確定申告前に年金事務所等へご相談願います。

3.2 確定申告の記載方法はこちら!

確定申告書Aには、「第一表」および「第二表」がありますが、「第二表」の記載から説明していきます。こちらは、毎年1月に日本年金機構より送付される「公的年金等の源泉徴収票」を確認しながら記入していきます。

確定申告書A「第二表」に以下のように記入します。

○「所得の内訳」欄

源泉徴収票に表示されている支払金額と源泉徴収税額の金額を転記していきます。最後に「38 所得税及び復興特別所得税の源泉徴収税額の合計額」に記入します。

○「住民税に関する事項」欄

「自分で納付」に○をします。

○「所得から差し引かれる金額に関する事項」欄

「⑥社会保険料控除」には、国民健康保険をはじめとした社会保険料等の名称・金額を記入します。

「⑧生命保険料控除」には、生命保険料等を支払って入れば、支払保険料額を記入します。

「⑫~⑭配偶者(特別)控除・扶養控除」には、適用を受ける項目にチェックを入れ、配偶者氏名・生年月日を記入します。

次に、確定申告書A「第一表」は以下のように記入します。

○「収入金額等」欄

「公的年金等㋑」に源泉徴収票に表示されている支払金額を記入します。

○「所得金額」欄

「雑②」と「合計⑤」に所得金額を記入します。

○「所得から差し引かれる金額」欄

確定申告書A「第二表」に記載した社会保険料控除等の金額を該当する項目に転記していきます。最後に「合計⑳」に合計金額を記入します。

○「税金の計算」欄

所得に課税される税額を、該当する項目へ記入していきます。所得税の税率については、国税局が公表している「所得税速算表」を参照し記入していきます。詳しくは「国税局ホームページ」をご覧ください。

○「その他」欄

雑所得・一時所得の源泉徴収税額を合計した金額を記入します。

※公的年金等の他に、収入等がある場合には記載する箇所もそれだけ増えます。しっかりと公的年金等以外の収入に関してご自身で把握しておく必要があります。

3.3 確定申告と扶養親族等申告書

所得税の課税対象となる方は、各種控除を受けるため、日本年金機構により送付されてくる扶養親族等申告書に記載し、提出する必要があります。

送付の対象になるのは、65歳未満の場合は108万円以上、65歳以上の場合は158万円以上の老齢年金を受け取られた方です。

なお、平成29年度分は、平成28年8月下旬から順次、対象者へ送付されています。

扶養親族等申告書の見本と記入方法は「日本年金機構ホームページ」で公表されています。参考にしてください。

この申告書を提出した場合には、もはや確定申告をする必要は無いように思えますが、以下の条件に当てはまる方は確定申告をしなければいけません。

  • 申告した扶養親族等申告書の内容に変更が生じた場合です。これには年の途中で扶養親族等の人数が減少した等の変更が該当します。
  • 年金以外に収入(給与等)がある場合です。
  • 公的年金を2ヶ所以上から受け取っている場合です。

4.国民年金を活用した税金控除方法

国民年金をコツコツ納めていけば、その内、「自分が支給開始年齢に達して年金をもらえる側になることはわかっている。でもコツコツ納めているのだから、そんな自分が今報われるような制度は何かないものか?」と、思われる方がいらっしゃるでしょう。

ございます。そのコツコツ納めている国民年金は確定申告で節税に活用できるのです。

こちらでは、国民年金が所得控除の一つである「社会保険料控除」に該当することを説明します。

4.1 国民年金を節税に活用する!

前述した確定申告書のに「社会保険料控除欄」という項目があることはご存じのことでしょう。社会保険料控除も所得金額から差し引かれる金額に該当し、確定申告することで節税となります。

社会保険料控除に該当するのは国民年金に限られず、厚生年金、国民健康保険料、介護保険等もあります。確定申告の際には、国民年金以外の分もしっかり確認しておきましょう。

この国民年金の控除額も、行政が自動的に控除してくれるわけでは無く、やはり自分の行動で控除につながることになります。この申告を忘れてしまうと、そもそも支払わなくても良い税金まで払う必要が出てきます。さらに確定申告の際には、控除の証拠となる証明書や領収書の添付も必要です。

4.2 社会保険料控除を受けよう!

確定申告に国民年金を納付している金額を記入することは当然ですが、その確定申告書には控除の証拠となる社会保険料(国民年金保険料)控除証明書または国民年金保険料納付書で支払った領収書の添付が必要です。

国民年金の場合、11月から2月までに社会保険料(国民年金保険料)控除証明書が対象者に送付されます。この控除証明書については、見本等が「日本年金機構ホームページ」に掲載されています。参考にしてください。

なお、国民年金は第1号被験者である自営業、農家を営む方、学生、無職の方が対象です。会社員の方は第2号被験者となり厚生年金に該当します。そのため、会社の年末調整で所得税等に相当する源泉徴収の税金が精算されるため、確定申告は必要ありません

4.3 2年前納制度はお得!

国民年金では、前納制度を設けており、特に口座振替による2年前納の割引額は15,640円(平成29年度)となっています。この他、口座振替の場合には6ヶ月前納で1,120円、1年前納で4,150円が平成29年度に割引されます。

なお、現金やクレジットカードでも2年前納は可能で、割引額は14,440円(平成29年度)となります。この他、6ヶ月前納で800円、1年前納で3,510円が平成29年度に割引されます。

2年前納制度は、控除の方法についても、支払った年に全額を控除するか、または分割して1年ずつ控除するかを選択することができます。支払った年に全額を控除する方が節税効果は高いと言えます。

2年前納の手続きは、申込期限が毎年2月末となっており、口座振替の場合、「国民年金保険料口座振替納付(変更)申出書兼国民年金保険料口座振替依頼書」に必要事項を記載し、預貯金口座のある金融機関の窓口、または年金事務所へ持参し提出するか郵送します。現金やクレジットカードの場合もそれぞれの申込書の様式がありますので、詳細は「日本年金機構ホームページ」をご覧ください。

5.年金保険を活用した税金控除方法

自分の老後のために、自主的に加入した個人年金保険ではあるけど、必ず入らなければならないものではないにしても、加入したからには何か税制の面で優遇されることは無いんだろうか?

実は、一定の条件の下で個人年金保険に加入し毎月の保険料を支払っている場合、確定申告の「生命保険料控除」の対象になります。

こちらでは個人年金保険料の控除はどの位になるのか、条件は何があるのか等を説明します。

5.1 個人年金保険料を節税に活用する!

年間の保険料をたくさん支払った方は、その分税金の控除が認められると言う仕組みになっています。控除の対象は、所得税と住民税です。

①所得税の場合

年間支払保険料総額

・20,000円以下→支払保険料全額控除

・20,001円~40,000円まで→支払保険料×1/2+10,000円控除

・40,001円~80,000円まで→支払保険料×1/4+20,000円控除

・80,001円以上→一律40,000円控除

②住民税の場合

年間支払保険料総額

・12,000円以下→支払保険料全額控除

・12,001円~32,000円まで→支払保険料×1/2+6,000円控除

・32,001円~56,000円まで→支払保険料×1/4+14,000円控除

・56,001円以上→一律28,000円控除

※個人年金保険の他に、生命保険や介護医療保険に加入していれば控除の対象になります。所得税の場合には、この3つの保険を合わせると最大12万円の控除を受けることができます。一方、住民税の場合は3つの保険を合わせて上限が7万円までとされています。

5.2 個人年金保険料控除の要件とは?

個人年金保険に加入しているからと言って、全ての個人年金保険が控除の対象とされているわけではありません。控除の対象になるのは「個人年金保険料税制適格特約」を付けていることが要件です。

この個人年金保険料税制適格特約を個人年金保険に付けるためには条件があり、主なものは以下の通りです。

  1. 年金の受取人が契約者または配偶者であることが必要です。
  2. 年金の受取人が被保険者と同じであることが必要です。
  3. 保険料の支払い期間が10年以上であることが必要です。

※この他、加入した個人年金のタイプによって追加の条件が付される場合があります。

既にご自身が個人年金保険に加入しているなら、個人年金保険料税制適格特約がついているかどうかを、当該保険のしおりや説明書等で確認してみましょう。

5.3 個人年金保険料控除を受ける方法

会社員と自営業者等では提出する方法が異なります。会社員の場合は年末調整によって行い、自営業者等は確定申告で行います。

①会社員

次の書類に記載して会社より12月初旬くらいまでに回収されます。

・給与所得者の保険料控除申告書 兼 給与所得者の配偶者特別控除申告書

※およそ11月末に会社から渡される申告書です。

・生命保険料控除証明書

※10月ころ保険会社から送付されます。

②自営業者等

次の書類に記載して、税務署へ2月中旬から3月中旬くらいまでに提出します。なお、会社員の場合でも、書類を会社へ提出しなかったため、年末調整に保険料控除が反映できなかったときには、確定申告で手続きを行いましょう。

・確定申告書

・源泉徴収票(会社員の場合)

※12月末から1月くらいに勤務先の会社から渡されます。

・生命保険料控除証明書

※10月ころ保険会社から送付されます。

6.年金保険について詳しく説明します!

「5.年金保険を活用した税金控除方法」で説明した個人年金保険、まだ未加入の方の中には、「利用してみたい!」と考えられた方もいらっしゃると思います。

こちらでは、そもそも個人年金保険とは何か?そのメリット・デメリット等をご説明します。

6.1 そもそも個人年金保険とは?

個人年金保険は、一定の年齢から年金を受け取ることができる保険会社の保険商品です。こちらは、公的年金では無く民間会社が運営するものです。老後の資金の積立のみならず、教育資金・住宅資金の積立等に利用される場合もあります。

年金の受け取り方は、主に「確定年金」と呼ばれる、5年、10年、15年と言うように一定期間に確実に受け取れるものと、「保証期間付き終身年金」と呼ばれる、一生涯受け取れる終身年金に、5年、10年等の分は確実に受け取ることができる保証期間の付いたものがあります。

個人年金保険の種類は、主に3種類に分けることができます。

①円建て個人年金保険

毎月の保険料を日本円で支払い、年金も日本円で受け取る個人年金保険です。手堅く円建てで老後の資金対策を行いたい方にお勧めです。

②変額個人年金保険

保険料の中で積立に回る分が、株や債券を含んだ「特別勘定」で運用されます。運用の実績で将来受け取れる年金額が増減することになります。国内・国外の経済状況に大きく影響され、運用状況が悪化すると元本割れの危険があります。

③外貨建て個人年金保険

主に米ドルを中心とした外貨で運用される個人年金保険です。海外の高利率で運用されます。ただし、円高になると為替の変動で年金額がご自身の想定よりも減るおそれがあります。

6.2 個人年金保険のメリット・デメリット

こちらでは、個人年金保険のメリット、デメリットを説明します。

①個人年金保険のメリット

・老後の資金を確実に貯蓄できます。

毎月の支払保険料として加入者の口座より強制的に引き落とされて積み立てられ、他の目的にも使用することが困難であるため、うっかり散在する等のような貯金が苦手な方でも、確実に貯められる方法と言えます。

・個人年金保険料控除が受けられます。

これは、前述した「5.年金保険を活用した税金控除方法」で説明した通りです。毎月の保険料を支払うことで、所得税・住民税の節税につながります。個人年金保険料税制適格特約を付けた加入が控除の条件となります。

②個人年金保険のデメリット

・中途解約すると解約返戻金が戻らない可能性があります。

解約返戻金とは、保険を解約した際に戻ってくるお金のことです。解約をしたら、以前に支払った保険料が全額戻るわけでは無く、解約の時期等によっては、解約返戻金が戻らないおそれもあります。解約の際には、慎重に解約返戻金の額を確認して決定しましょう。

・国内外の経済状態等による運用悪化のリスクがあります。

国内外の景気や自然災害等によって、加入した保険会社の運用が上手くいかず、支払った保険料よりも年金として受け取る分が下回ると言う危険性が想定されます。

6.3 生命保険各社の年金保険の特徴

生命保険各社では、様々な個人年金保険を商品として販売し、商品ごとの強みもそれぞれ違います。こちらでは、その生命保険各社の個人年金保険商品の一例を挙げ説明していきます。保険商品を選ぶ際の参考にしてください。

①住友生命保険:「たのしみワンダフル」

この商品は、保険料払込期間が85歳までで、年金受取開始年齢が25歳~85歳(契約により変動)、月額保険料が1.5万円(たのしみランク適用)、年金受取期間は5年、10年、15年の確定年金です。

月額保険料が15,000円以上になると返戻率が上がる「たのしみランク」というシステムがあります。

②マニュライフ生命:「こだわりの個人年金(外貨建)」

この商品は、保険料払込期間が選択でき75歳満了まで、年金受取開始年齢が75歳(契約により変動)まで、保険料が10,000円から400,000円まで、年金受取期間は終身(保証期間10年)及び5年、10年の確定年金です。

インフレに対応している外貨建ての個人年金保険です。外貨建てのため高い金利で運用でき、保険金の払込停止や再開、減額も行えます。

③明治安田生命:「年金かけはし」

この商品は、保険料払込期間が選択でき60歳~75歳満了まで、年金受取開始年齢が60~75歳(契約により変動)、保険料が6,000円~、年金受取期間は5年、10年の確定年金です。

返戻率が高く、保険料払込期間満了後の据置期間を1年~5年にすることで更に返戻率を上げることができます。

7.まとめ

この記事では公的年金が支給される場合、源泉徴収される形で税金が納付されるが公的年金控除で節税ができること、それには年金を受け取るご自身が申告をしなければならないことを説明しました。

また、国民年金を納付中の方には社会保険料控除による節税が可能で2年前納制度がお得であること、個人年金保険でも生命保険料控除という形で節税ができることを説明しました。

既に年金を受け取られた方も、年金を納付中の方も、ご自身の現在の職業、年齢、同居の世帯員の状況を踏まえ、より適切な節税対策を検討していきましょう。

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