入院費用の相場は?入院時に安く抑える高額療養貸付制度の活用方法

何の前触れもなく病気やケガはいきなりやってきます。

病気やケガによって入院してしまったとき、何の準備もしていなければどうして良いのかわからずにパニックになってしまうでしょう。

そんな時に知っておかなければいけないのが入院した時にどれくらいのお金がかかるのか、そして入院費用を抑える方法はどのような方法なのかということです。

入院するときは身体だけではなくて不安になったり収入がなくなってしまい、精神的にも辛いものです。

なのでそのためにも「入院費用の相場はどのくらいかかるのか?」、入院費良いの自己負担を少しでも抑えれる方法を紹介していきます。

目次

1.入院費用の内訳

1.1 入院費用はいくらかかる?

1.2 入院費用は治療費だけではない

1.3 入院すると細々とした出費がかかる

2.公的医療保険でどこまで保障される?

2.1 入院費用の多くは公的医療保険が適用される

2.2 公的医療保険が適用されない費用は?

2.3 入院せるということは収入がないということ

3.入院したときにすぐにお金が支払えない時の対処法

3.1 高額療養費制度を利用する

3.2 高額療養費貸付制度を利用する

3.3 病院に相談してみる

3.4 傷病手当金制度を利用する

4.高額療養費制度の活用方法

4.1 高額療養費によって治療費の払戻しがうけられる

4.2 病院によっては窓口で精算してもらえる

4.3 高額療養費は家族で合算できる

5.傷病手当金制度の活用方法

5.1 傷病手当金制度とは

5.2 傷病手当金を受け取れる条件とは

5.3 支給額と支給期間は?

5.4 傷病手当金の調整

6.入院費用は分割払いも可能?

6.1 入院費用をクレジットカードで支払うメリット

6.2 ポイントがたまる

6.3 手元に現金が無くても適切な診療が受けられる

6.4 大金を持ち歩く必要がなくなる

6.5 入院費用の支払いを先延ばしにできる

7.入院費用を高額療養費制度で申請する場合の注意

7.1 事後手続きの場合は3か月必要

7.2 事後手続きの場合は限度額適用認定証が必要

7.3 月をまたぐ場合は合算できない

8.まとめ

1.入院費用の内訳

入院するとどのくらいお金がかかるかご存知ですか?

病気やケガで入院すると、医療費や差額ベッド代や食事代金、その他の雑費など様々な費用が掛かってきます。

では入院費用の内訳を実際に見てみましょう。

1.1 入院費用はいくらかかる?

さて、ここからは皆さんが最も知りたいであろう「入院すると、いくらくらい必要になるのか?」ということを見ていくことにしましょう。

すでにお話したように、入院時にかかる費用にはいろいろなものがあり、「だいたいこれくらい」という金額を提示することは簡単ではありません。

どのような症状で、どのような治療を行うかによって、治療の内容と治療期間が大きく変動するからです。

そこで、症状や治療の内容、入院期間の長短はとりあえず無視し、入院経験のある方が最終的にいくらくらいのお金を使ったのかという、シンプルな切り口で考えてみましょう。

最も多いのは「10,000円~15,000円未満」で、全体の約4分の1を占めています。

次が「20,000円~30,000円未満」で、14.1%です。

また「20,000円以上」でくくってみると33%と、全体の約3分の1となり、かなり高額なケースも多いことが分かります。

とは言え、どのような治療を行うかによって費用は大きく変化しますし、入院日数の長短によっても、1日あたりの必要費用は変わってきます。

全体の平均値が19,835円であることを考えれば、「入院すると、1日あたり20,000円前後の費用が必要になる」と言っても良いでしょう。

1.2 入院費用は治療費だけではない

「入院費用」といっても、実際の金額にはかなりバラつきがあります。

入院期間の長短でかなり大きく変わってきますし、そもそもどんな病気で、どのような治療が必要なのかということが分からなければ、費用を見積もることすらできません。

しかし「○○○の治療で入院すると、だいたい○週間くらいで○○万円くらい」というような、おおよその目処は欲しいところです。

そこで、公益財団法人生命保険文化センターが公開しているデータをもとに、平均的な金額を推定していくことにします。

あくまでおおよその平均値ですので、個々のケースによっては必要な費用は変わりますから、目安として考えてください。

さて、怪我や病気の治療を受けるにしても、通院の場合、その費用の内訳は「治療費+薬代」です。

病院が遠くにあるならば交通費がかかることもあるでしょうが、かかってもせいぜいその程度でしょう。

ですが入院となると、それだけでは終わりません。

まずは具体的な金額を出す前に、「どのような費用が必要なのか」を考えてみることにしましょう。

1.3 入院すると細々とした出費がかかる

なんらかの怪我や病気で入院した場合に、どのような費用が必要になるのでしょうか。

まずは治療費です。

これは薬代も含まれます。

投薬や注射、点滴、そのほか医師の指示によって行われるさまざまな処置のほか、各種の検査費用もここに含まれます。

また場合によっては手術やリハビリのための費用なども追加されます。

そして入院基本料です。

入院すると「1日いくら」で計上される基本料金です。

医師の診察、看護師の看護、室料や寝具代などをすべて含んだ費用です。

病棟の種類や看護師の人員配置の状態によって、費用に差が出ることがあります。

ホテルや旅館での「素泊まり料金」のようなもの、と考えると分かりやすいかもしれません。

次は食事代です。

毎日の食事代は入院基本料とは別計算です。

肝臓病や糖尿病など、病気によって食材を選別したり、また高齢の方には食べやすい状態に調理した「特別食」もあり、これらは通常の食事よりも少々割高になります。

食事代は「1食あたりいくら」という算定法で、特別食になると数十円レベルで加算されます。

そして差額ベッド代です。

通常、入院すると数人で共用する「大部屋」に入ることになりますが、2人部屋や個室などを希望すると「差額ベッド代」が発生します。

芸能人や政治家などは混乱を避けるため、あるいは機密保持や警備上の必要から個室を使うことがほとんどのようですが、そうした「特別室」を使うためには追加料金が必要になります

そしてその他の費用です。

実際に入院生活を始めると、これまでにお話したものとは別に、こまごまとした費用が必要になってきます。

着替えなどの衣類、退屈しのぎに読む書籍や雑誌。テレビが有料制ということもあります。

また病院食は味付けが薄いうえに量も少なめですから、「これでは足りない!」と、別に食費が必要になる方もおられるでしょう。

こうした細かい出費が、意外と馬鹿にならないものです。

 

2.公的医療保険でどこまで保障される?

では公的医療保険はどこまでが保障されるのでしょうか?

2.1 入院費用の多くは公的医療保険が適用される

これらの出費について、公的医療保険はどこまでカバーしてくれるのでしょうか?

まず治療費に関しては、そのほとんどに健康保険が適用されます。

これは外来で病院に行くのとまったく同じで、健康保険の自己負担分(多くの人は30%)だけを支払えばそれで良いことになります。

ただし高度な技術や特殊な機器を用いる「先進医療」を受ける場合には、その分の費用は健康保険ではカバーしてもらえないため、原則的には全額が自己負担となってしまいます。

先進医療は概して高額になりがちですので、この点には注意が必要でしょう。

入院基本料についても、健康保険の適用範囲内です。

ですから基本的には自己負担分に応じた支払いで済み、それ以上の費用はかかりません。

ただし、後述する「差額ベッド代」などは健康保険の適用範囲外(全額自己負担)となります。

食事については、1食あたりの食事代のうち、患者さんが自己負担するべき金額がきっちりと決められています。

それは安価ではありますが、入院生活が長引いてくるとそれなりの額になってしまうのは仕方のないところでしょう。

公的医療保険は「国民の健康増進に資する」という考えから生まれたものですので、その目的のために入院治療が必要なのであれば、当然のように適用対象となります。

そしてその額が大きくなり、経済的負担が増大するようであれば「高額療養制度」を活用することもできます。

つまり入院治療も通院治療も、必要な費用に関しては同じようにとらえることができるのです。

2.2 公的医療保険が適用されない費用は?

一方、公的医療保険が適用されない費用には、どのようなものがあるのでしょうか?

まず、前項でも触れた「差額ベッド代」です。

入院治療とは、患者さんを常に医学的に管理された状態において治療することです。

それには治療に適した環境が必須で、そのために静かで清潔、充分な広さを持った病室が使用されます。

とはいえ必要以上の広さを持つVIPルームのような個室は、それ自体が「治療に必須」というわけではありません。

そのため、このような個室は健康保険の適用外となります。

なお、差額ベッド代が必要になるのは、いわゆる「特別室」だけではありません。

「1部屋に4人以下で、かつ1人あたりの病室の面積が6.4平方メートル以上」になる場合、と規定されています。

この条件に合致すれば、追加の差額ベッド代が発生します。

その他、入院中に発生した個人的な出費については、すべて自己負担です。

暇つぶしのために買った雑誌や書籍の代金、有料テレビの視聴費、外出の際の交通費…これらの費用は当然ながら、すべてご自分で負担しなければなりません。

2.3 入院せるということは収入がないということ

入院が数日で済めばまだしも、それが数週間、数ヶ月となってくると、経済的な問題はさらに大きくなります。

それは「入院したために必要になる費用」とともに、「入院したために得られなかった収入」を考えなくてはならないからです。

怪我や病気による休業についての規定は、企業ごとに異なります。

ですから「入院による収入減」の程度は、人それぞれで大きく違ってきます。

短期間の入院であれば、有給なども組み合わせることでほとんどマイナスもなく終えられる、という方もいらっしゃるでしょう。

ですが、それが数週間に及ぶとなると、収入減はどうしても避けられません。

給与から日割りで差し引かれたり、一定割合で減額されたりということは、仕方のないことです。

自営業の方であれば、入院している間は一切仕事に出られない状態になってしまうわけですから、その損失はかなりのものでしょう。

医療費という名目でお金がかかり、しかも本来あるはずの収入がガクッと落ちる。

まさに「泣きっ面に蜂」ですが、入院するとそれが現実問題として目の前に迫ってくることになります。

こうした状態になったとき、どうするか。

民間の医療保険や貯金なども含めて、その手段を健康なうちに考え、準備をしておくことが必要なのかもしれません。

 

3.入院したときにすぐにお金が支払えない時の対処法

入院代の費用相場を調べてみると自己負担費用の平均は22.7万円でした。

そして入院した時にかかる1日の負担金額は21,000円です。

つまり、入院すると結構なお金がかかるということです。

ではお金がない時に入院した場合はどうすれば良いのでしょうか?

それぞれ方法をまとめていきます。

3.1 高額療養費制度を利用する

高額療養費制度とは、支払った医療費が一定の金額を超えた時に、超過した分の金額を国が負担し、払い戻しができる制度のことです。

この制度は公的な健康保険に加入している人が対象です。

この高額療養費制度一定の金額というのは年齢や所得、加入している保険によって変わります。

高額療養費制度を利用するには、必要な書類を用意して加入している保険窓口に直接提出するか、郵送で送る必要があります。

高額療養費支給申請書の入手方法などは、健康保険組合によって異なりますので事前に確認をしておきましょう。

また、この申請は医療機関の診察をしてから翌月の初日以降から2年以内に行う必要があります。

そして、実際にお金が払い戻しされるのは、医療機関を受診した月から3ヶ月以上先です。

すぐにお金が払い戻しされるわけではないので注意しましょう。

高額療養費制度が適用される範囲は次の2点です。

・健康保険適用の診療や入院で払った費用

・医療機関が発行した処方箋の薬代

差額ベッド代や先進医療でかかった治療代は含まれません。

3.2 高額療養費貸付制度を利用する

高額療養費制度を利用したけど、払い戻しされるのは医療機関を受診してから3か月以上先ですぐに医療費を用意したけど用意ができない・・・。

そんな時には高額療養費貸付制度を利用しましょう。

高額療養費貸付制度とは高額療養費制度で払い戻しされるお金の8割を無利息で借りられるという制度です。

国民健康保険に加入している場合は9割借りることができます。

こちらも、公的な健康保険に加入している人が対象です。

高額療養費制度と同じく、加入している保険の窓口に必要な書類を提出します。

必要書類も保険の種類によって異なるので事前に確認が必要です。

高額療養費貸付制度は申請後2~3週間でお金を受け取ることができます。

返済金額は、高額療養費制度と相殺され、残りの2割(国民健康保険は1割)が4ヶ月後に支払われます。

3.3 病院に相談してみる

ある腹痛で病院に運ばれた時の体験談を聞いたお話をします。

隣のベットでカーテン越しに看護師さんが患者さんに「○○さん、入院が必要です。入院費は一日2万円ですよ。」と話している声が聞こえました。

それに対し、患者さん(おじさん)が「2万円は高いよ。もっと安くならない?」と聞いたところ、「わかりました。確認してみますね。」と言って看護師さんはいったんその場を離れました。

そして看護師さんが戻ってくると「大部屋になりますけど入院費一日7千円で大丈夫ですよ。」

と値段交渉が成立していたのです。

私は「初めから7千円で入院できるという選択肢はなかったのかな?」とちょっと病院を疑ってしまいましたが、このようにお金が無いことを伝えると、時と場合によっては値段交渉が成立するケースがあるようです。

また差額ベッド代金という、健康保険適用外で+5,000円ほどかかる特別室での入院代金があります。

空き部屋がないために、やむをえずこの部屋を選択させられた場合は、差額ベット代5,000円をあらかじめ支払わないという意思表示をしていれば、支払わなくてよいというルールがあります。

ただし、差額ベッド代を支払わないという意思表示や同意書にサインをしなかった場合病院側に「別の病院に行ってください。」と言われてしまう可能性があるので、きちんと自分がお金に困っている、ということを相談しておきましょう。

このように、お金が無い、経済的に困っているという状況を病院に説明すると病院側で適切な対応をしてくれる場合があるのです。

3.4 傷病手当金制度を利用する

「ケガや病気で会社に行って働けなくなった、しかもすでに有給休暇も使ってしまった。」

こんな時に傷病手当金制度を利用すると、会社を休み始めて4日目から最長1年半まで手当金が支給されます。

支給される金額は一日につき、標準報酬日額の3分の2です。

標準報酬日額とは毎年4月から6月までの3か月間の給与を30で割った金額です。

この傷病手当金制度は国民健康保険を除く健康保険制度で適用されます。

申請方法や必要書類は各保健機関によって異なりますので、確認してみましょう。

傷病手当金制度の支給は早ければ申請から10日~2週間前後に行われる場合もありますが、一般的には1ヶ月~2ヶ月かかる場合もあるようです。

 

4.高額療養費制度の活用方法

病院の窓口で健康保険証を提示すると3割負担なるのは多くの人が知っていると思います。

ですが健康保険には他にも手厚い保障が受けられます。

それが高額療養制度です。

4.1 高額療養費によって治療費の払戻しがうけられる

例えば1ヶ月間に同一医療機関の支払った医療費総額(10割相当)が500,000円だったとします。(3割負担の人の場合実際に支払った金額は150,000円)

(500,000円-267,000円)×1%=2,330円+80,100円=82,430円

となります。

そこで高額医療費として支給される金額は

150,000円-82,430円=67,570円

です。

つまり67,570円還付が受けれるので実質治療費自己負担は82,430円になります。

本来、治療費が500,000円掛かるのが自己負担82,430円で済みます。

4.2 病院によっては窓口で精算してもらえる

あらかじめ高額療養費限度額適用認定証(以下、限度額認定証と略す)の申請を行い、交付された限度額認定証を医療機関に提示することによって、後ほど還付される高額療養費を見越した自己負担限度額のみの支払いで済むようになりました。

なお、70歳以上で低所得者でない者については限度額認定証の交付は必要なく、通常の診療と同様に70~74歳の者は高齢受給者証、75歳以上の者は後期高齢者医療保険者証を窓口で提示することで、自動的に自己負担額のみの支払いになります。

わからない場合は病院の人に確認しましょう。

4.3 高額療養費は家族で合算できる

世帯で複数の方が同じ月に病気やけがをして医療機関で受診した場合や、お一人が複数の医療機関で受診したり、一つの医療機関で入院と外来で受診した場合は、自己負担額は世帯で合算することができます。

その合算した額が自己負担限度額を超えた場合は、超えた額が払い戻されます。

ただし、70歳未満の方の合算できる自己負担額は、21,000円以上のものに限られます。

70歳以上の方は自己負担額をすべて合算できます。

合算対象のポイントを説明していきます。

70歳未満の方の場合は、受診者別に次の基準によりそれぞれ算出された自己負担額(1ヵ月)が21,000円以上のものを合算することができます。

自己負担額の基準はこちらになります。

医療機関ごとに計算します。

同じ医療機関であっても、医科入院、医科外来、歯科入院、歯科外来にわけて計算します。

医療機関から交付された処方せんにより調剤薬局で調剤を受けた場合は、薬局で支払った自己負担額を処方せんを交付した医療機関に含めて計算します。

 

5.傷病手当金制度の活用方法

病気やケガをした時に使えるもう一つの保障が傷病手当金制度です。

仕事と関係なく病気やケガで働くことが出来なくなった場合、給料の3分の2が支給されます。

ただし傷病手当金を受け取るためには申請の手続きが必要になってきます。

5.1 傷病手当金制度とは

仕事ができなくなったときに受けられる代表的な保障が傷病手当金です。

業務外の病気やケガで働けなくて仕事を休み、給料が支払われない場合や給料が下がった場合、その間の生活保障をしてくれる所得保障・休業補償の制度です。

5.2 傷病手当金を受け取れる条件とは

では傷病手当金を受取れる条件とはどのようになっているのでしょうか?

まず1つ目の条件としては、業務外の事由による病気やケガによる療養の休業であることです。

健康保険給付として受ける療養に限らず、自費で診療を受けた場合でも、仕事に就くことができないことについての証明があるときは支給対象となります。

また、自宅療養の期間についても支給対象となります。

ただし、業務上・通勤災害によるもの(労災保険の給付対象)や病気と見なされないもの(美容整形など)は支給対象外です。

2つ目の条件は仕事に就くことができないことです。

仕事に就けるか就けないかは、医師の意見をもとに、被保険者の携わっている業務の種別を考慮したりして本来の業務に耐えられるか否かを基準にしています。

3つ目の条件は連続3日間を含み、4日以上仕事に就けなかったことです。

3日間連続して休むことを「待機完成」といいます。

待機完成までの3日間に対しては傷病手当金は支給されません。

4つ目の条件は休業期間に給与の支払いがなかったことです。

給与の支払いがあっても傷病手当金の日額より少ないときはその差額分が支給されます。

5.3 支給額と支給期間は?

まずは支給額からみていきましょう。

支給額は1日につき、標準報酬日額×2/3を受け取ることができます(1円未満四捨五入)。

標準報酬日額は標準報酬月額×1/30で計算します(10円未満四捨五入)。

次は支給期間です。

傷病手当金は支給が始まった日から1年6ヶ月の期間で、支給を受ける条件を満たしている日に支給されます。

5.4 傷病手当金の調整

次の条件の方は傷病手当金の支給額の一部または全部が調整されます。

1つ目は給与の支払いがあったときです。

休んだ期間、給与の支払いがある場合は傷病手当金は支給されません。

休んだ期間について給与の支払いがあっても、その給与の日額が傷病手当金の日額より少ない場合には傷病手当金と給与の差額分が支給されます。

2つ目は障害厚生年金または障害手当金を受けているときです。

同一の傷病による厚生年金保険の障害厚生年金や、障害手当金を受けている場合は傷病手当金は支給されません。

障害厚生年金の額の360分の1が傷病手当金の日額より少ない場合には、傷病手当金の合計額が障害手当金の額に達するまでの間、傷病手当金は支給されません。

3つ目は老齢退職年金を受けているときです。

資格喪失後に傷病手当金の継続給付を受けている方が、老齢退職年金を受けている場合は傷病手当金は支給されません。

老齢退職年金の額の360分の1が傷病手当金の日額より少ない場合には、その差額分が支給されます。

4つ目は労災保険から休業補償給付を受けているときです。

業務外の理由による病気やケガで働けなくなった場合でも、別の原因で労災保険から休業補償給付を受けている期間は傷病手当金は支給されません。

休業補償給付の日額が傷病手当金の日額より少ない場合には、その差額分が支給されます。

5つ目は出産手当金を同時に受けるときです。

出産手当金の支給が優先されますので、傷病手当金は支給されません。

 

6.入院費用は分割払いも可能?

では医療費の支払いをクレジットカードでした場合には、一括支払いしか出来ないのか、それとも分割も可能なのかという問題があります。

クレジットカードで医療費の支払いが可能な医療機関全てで分割が可能という訳ではありません。

基本的には医療費は一括払いとなりますが、契約しているカードによって変動があるため、下調べが必要です。

例えば、急性心筋梗塞を起こして病院に搬送された場合、CTや造影の検査、バルーンカテーテル治療等で医療費はおよそ170~200万円程かかると言われています。

医療費3割負担の方であれば、窓口で支払う金額はおよそ52万円、高額療養費の手続きが終わっていた場合でもおよそ10万円を支払う計算になりますので、決して安い金額とは言えません。

当然治療をしなくては命にかかわることだけれども、お金の問題も付きまとう、これでは不安で治療に専念する事も出来ないかも知れません。

一括払いで良い方は問題ありませんが、分割払いをクレジットカードで行いたい時は、後から支払い方法を選べるクレジットカード、またはリボ払い専用のクレジットカードの所有、利用をしておきましょう。

6.1 入院費用をクレジットカードで支払うメリット

入院費用をクレジットカードで支払うメリットは、主にポイントが受け取れること、手元に現金がなくても医療が受けられること、支払いを先延ばしにできるといったメリットがあります。

特に、クレジットカードの支払いは、支払い金額に応じてポイントが付与されますので、現金で支払うよりもクレジットカードで支払うほうが、かなりお得です。

6.2 ポイントがたまる

医療費をクレジットカードで支払う最大のメリットは、支払った金額に応じてポイントが受け取れることです。

クレジットカードのポイント還元率は、クレジットカードごとにそれぞれ異なりますが、仮にポイント還元率が1.0%のクレジットカードなら、1万円の医療費の支払いで100円分のポイントを受け取ることができます。

定期的に病院に通われている方や薬を処方されている方は、病院代や薬代をクレジットカードで支払うだけで、年間かなりのポイントを獲得することができます。

また、入院や手術などの高額な治療費がかかった場合も、クレジットカードで支払うほうがお得です。

その他、健康診断や人間ドック、歯の矯正や美容整形、先進医療など、医療保険の適用外や自由診療を受けられる場合も、かなり高額な医療費となりますので、現金ではなくクレジットカードで支払うほうがお得になります。

6.3 手元に現金が無くても適切な診療が受けられる

クレジットカードは、現金の代わりとして使うことができるサービスということもあり、手元に現金がなくても病院で診察を受けることができます。

例えば深夜や早朝、土日・祝日は、銀行や信用金庫などの各金融機関が休業日となりますので、現金を引き出すことができなくなります。

仮にATMから現金を引き出せたとしても時間外の取引となりますので、所定の手数料(時間外手数料)がかかります。

しかし、クレジットカードがあれば、深夜や早朝、休日でも特に問題なく、医療費を支払うことができるようになります。

また、クレジットカードの支払いには特に手数料はかかりませんので、24時間いつでも手数料無料で支払いをすることが可能です。

6.4 大金を持ち歩く必要がなくなる

入院や手術などの際に、医療費を現金で支払うとなれば、かなりの大金を持ち歩くことになりますので、非常に危険です。

特に現金は、盗まれたり落としたりしても全て自己責任ですから、大金を持ち歩くのは非常にリスクが高いのです。

クレジットカードは、仮に紛失や盗難があっても保険が適用されますので、リスクなく大きな金額の支払いができるのです。

6.5 入院費用の支払いを先延ばしにできる

クレジットカードは後払い方式の決済方法となりますので、クレジットカードで支払った代金は、1ヶ月後~2ヶ月後に銀行口座からの引き落としで支払うこととなります。

逆に現金での支払いは、その場で全額を現金で支払いますので、支払った現金はそのままなくなります。

そのため、クレジットカードで医療費を支払うことで、現金での支払いを1ヶ月~2ヶ月ほど先延ばしにすることができるようになります。

また、クレジットカードの支払い方法は、一括払いの他にリボ払いや分割払い、ボーナス払いを利用することができますので、支払い方法を変更することで、さらに現金での支払いを先延ばしにすることができます。

ただし、クレジットカードのリボ払いや分割払いには所定の手数料がかかりますので、利用の仕方や返済方法によっては、逆に損をしてしまうこともあります。

 

7.入院費用を高額療養費制度で申請する場合の注意点

病院代が払えない場合、健康保険加入者の権利として、高額療養費制度の申請をすると思いますが、この制度の申請は複雑になっており、注意が必要です。

万が一、高額療養費制度の申請を誤ってしまうと、高額な病院代を支払わなければならない状態になるので、深刻な状況になりかねません。

7.1 事後手続きの場合は3か月必要

高額療養費制度で事後申請をする場合には、一度病院で病院代(健康保険の負担額を引いた金額)を支払う必要があります。

その後申請をする形になるのですが、基本的に申請後3ヶ月はお金が戻ってきません。

例えば病院代で50万円を払った場合、3ヶ月間は50万円なしで生活しなければならないということになります。

そのため、もし高額な病院代を一度払ってしまったら、3ヶ月間は生活にかかる様々な請求が払えない可能性が出てくるということです。

7.2 事後手続きの場合は限度額適用認定証が必要

事後手続きでは病院代が払えないという人のために、事前手続きも用意されています。

しかし、事前手続きの場合は限度額適用認定証の発行が必要です。

しっかりと高額療養費制度のことを知っている方であれば、限度額適用認定証の発行を滞りなくできると思いますが、この制度について知らない場合だと、事後手続きのみになり、結局病院代が払えないとなってしまう可能性があります。

7.3 月をまたぐ場合は合算できない

また、月をまたぐ場合は合算できないという点にも注意が必要です。

例えば、同じ1ヶ月治療にかかったとすると、4月30日から手術・入院した場合と、5月1日から手術・入院した場合では負担額に違いがでます。

前者は月をまたぐので、4月と5月別々に申請する形になります。

後者なら、5月分のみになるので、負担額は1ヶ月分になるといった形です。

病院代が払えないと悩む人にとっては、重要な違いになりますので、くれぐれも注意してください。

 

8.まとめ

入院費用の内訳や入院費用が支払えないときの高額な医療費を補う制度について解説していきました。

病院代といっても、症状や治療内容によっては高額な医療費を支払わなければいけません。

そんな時には、自身が利用できる保証や制度はないかを確認してください。

それでも病院代が払えない方は、記事中で紹介した対処法を検討し、高額な支払いに対処していきましょう。