類似業種比準価額の計算方法と非上場株式の評価方法を紹介

株式の相続対策について調べていると株式の財産価値の評価方法として「類似業種比準方式」というのがあります。

これは最初見た時は、沢山の数式や方法などが出てきて何のことか全くわからない事だったでしょう。

ですが類似業種比準方式は株式にかかる相続税が高くなり過ぎないようにするための評価方法です。

会社の場合資産が沢山あったとしても会社の業績やキャッシュフローの良し悪しはそれとはまったくの別問題です。

そして株式の評価額が高くなり過ぎないようにするために作られたのが類似業種比準方式です。

今回は類似業種比準方式がどのようなものなのかや非上場株式の評価方法を紹介していきます。

目次

1.自社株の株価対策の方法
1.1 自社株対策とは
1.2 純資産価額方式の対策方法
1.3 類似業種比準方式の対策とは
2.類似業種比準方式の評価方法
2.1 類似業種比準方式とは
2.2 評価要素は「株価」、「配当」、「利益」、「純資産」の4つ
2.3 類似業種比準方式で評価の評価方法
3. 類似業種比準方式の計算方式
3.1 類似業種の値(A・B・C・D)を参照する
3.2 自社の値(b・c・d)を求める
3.3 求めた値を算式に当てはめる
4. 類似業種比準価額等の「計算明細書」の記載方法
4.1 1株当たりの資本金等の額等の計算欄を記入する
4.2 比準要素等の金額の計算欄を記入する
4.3 類似業種価額の計算欄を記入する
5. 類似業種比準方式の計算方法の改正
5.1 取引相場のない株式の評価に関する現行の取り扱い
5.2 類似業種比準方式の見直しは?
5.3 改正の株価への影響
6.非上場株式を譲渡する手続き方法
6.1 株主から会社に株式譲渡承認の請求
6.2 臨時株主総会で株式譲渡を承認、株式譲渡人に承認した皆を通知
6.3 株式譲渡契約書で契約締結・対価の支払い
6.4 株主名簿の書換
7.非上場株式を贈与する手続き方法
7.1 非上場株式贈与契約書の作成
7.2 非上場株式贈与の実行、株主名簿の書換
7.3 贈与税の申告
8.非上場株式を相続する手続き方法
8.1 相続株式の調査
8.2 非上場株式の評価額計算と遺産分割協議書の作成
8.3 非上場株式発行会社で株式名簿の書換
9.まとめ

1.自社株の株価対策の方法


自社株は高額な評価額になり売却できません。

自社株対策を怠ると自社株に対して多額の相続税がかかってきてしまうからです。

オーナー社長が死亡すると、自社株が相続財産になります。

自社株は取引相場のない株式として評価され、資産のある会社や業績のいい会社の株式は、高額な評価額になります。

そこに相続税がかかります。

しかし、他人に売却はできません。

1.1 自社株対策とは

つまり、自社株は、多額の相続税がかかるにもかかわらず、換金性が乏しい財産と言えます。

オーナー社長の中には、個人名義の財産は自宅のみで、ほかの財産のほとんどは会社名義のような場合も多いでしょう。

このような場合に自社株対策をしていないと、多額の相続税が課せられても納税資金がないという状態になってしまい会社の経営にも影響が出てきます。

オーナー社長が所有する自社株は「純資産価額方式」、「類似業種比準価額方式」で評価されるので、自社株がどの評価方式で評価されるか確認が必要です。

1.2 純資産価額方式の対策方法

会社の純資産額を少なくすることで評価額を下げます。

純資産価額方式は、会社の持つ純資産を基にして株価を評価します。

ですから、純資産価額が多くなるほど評価額が高くなります。

つまり、評価額を下げるには、不動産に投資したり、退職金を支給したりして純資産額を少なくすればいいのです。

具体的には次のような方法をとることになります。

1つ目は土地に投資します。

土地に投資することにより、時価より安い評価額にし、貸家建付地の評価を利用して純資産を少なくします。

2つ目は建物等に投資します。

建物やゴルフ会員権などの時価よりも評価額が低くなる資産に投資することも効果的です。

貸家であればさらに評価減できます。

3つ目は役員退職金の支給をします。

役員に退職金を支給することで純資産を少なくします。

たとえば、純資産が10億円の会社が1億円の役員退職金を支給すれば純資産が9億円になります。

1.3 類似業種比準方式の対策とは

配当金額、利益金額、純資産価額を下げます。

類似業種比準価額は、その会社の事業内容と類似する上場会社の株価を基として、その会社の一株当たりの配当金額・利益金額・純資産価額などを基に計算します。

類似業種の上場会社の株価は、国税庁で公表されたものをそのまま使うのでどうする事も出来ませんが、評価する会社のものは対策が可能です。

役員退職金の支給で純資産価額を低くしたり、収益部門の分社化などの対策で、評価する会社の配当金額、利益金額、純資産価額を評価額を下げることができます。

ですから、評価額が安いときに贈与や譲渡するのも節税対策として有効になります。

具体的には、配当金額、利益金額、純資産価額が低いとき(=業績が悪いとき)や上場株式が低迷しているときです。

ですから、景気後退時は評価額が安くなる可能性が高いので、自社株対策をする時期としてはいい時期になります。

また、なぜ上場株式の低迷が関係あるかというと、上場会社の株価も類似業種比準価額を計算する上でのファクターの一つだからです。

上場会社の株価が低いときは評価会社の株価も低く評価されることになります。

 

2.類似業種比準方式の評価方法

では類似業種比準方式の評価方法とはどのようなものなのでしょうか?

2.1 類似業種比準方式とは

類似業種比準方式とは、評価対象の株式と事業内容が類似している上場会社(以下「類似業種」とします。)の株式の価額を参考にして、評価対象の非上場会社(以下「評価会社」とします。)の1株あたりの評価額を決定する評価方法です。

ただし、業種や規模が似ているからといって単純に類似する上場株式と同じ評価額とすることは適当ではありません。

非上場株式の評価額は、一般に上場株式よりも低いものと考えるため、相続した非上場株式の状況が上場している時価5,000円の企業と似ているので、同じく時価を5,000円と判断します。

相続税の申告をすることは過大申告として税金を余計に納付することとなってしまいます。

相続税の税額を抑えるためにも、非上場株式の評価は慎重かつ正確に行う必要があります。

正確な価額を求めるためには、上場株式の時価を参考にしつつ、さまざまの要素を考慮して一定の調整を行うこととなります。

この調整を行う算式が複雑であるため、一般に非上場株式の評価は難しいと言われています。

実際の相続税の申告では一つ一つの評価要素を求めながら計算を行っていくことになりますので、次から個別の評価要素をご説明します。

2.2 評価要素は「株価」、「配当」、「利益」、「純資産」の4つ

非上場株式の評価を行う上で必要となる要素は、「株価」、「配当」、「利益」、「純資産」の4つです。

このうちで評価会社に類似する上場会社に関する要素は「株価」です。

評価会社と評価会社に類似する上場会社の双方に関する要素は「配当」、「利益」、「純資産」となります。

イメージとしては評価会社に類似する上場会社の相続開始時の「株価」に評価会社に類似する上場会社と評価会社の状況を「配当」、「利益」、「純資産」の3つの要素で加味することで、評価会社の株式の適正な時価を求めようとするものです。

さらにこの株式の時価に評価会社の規模に応じた一定の調整率(規模に応じて70%、60%、又は50%)を乗じることで類似業種比準方式による評価額を求めます。

そして評価算式はこのようになります。

評価会社に類似する上場会社の株価×配当、利益及び純資産を考慮した割合(比率割合)×調整率

2.3 類似業種比準方式で評価の評価方法

類似業種比準方式は亡くなった人が株式を多く保有して会社の経営を支配していた場合に使います。

非上場会社の中でも規模の大きい会社の株価は、類似業種比準方式で計算した類似業種比準価額だけで評価します。

どちらの場合も1株当たりの純資産化学で評価することもできますが、類似業種比準価額で評価する方が株価が低くなります。

一般的な事業会社であれば、会社の規模による評価方法はこのようになります。

会社区分と株価の評価方式

会社区分 評価方式
大会社 類似業種比準化学または1株当たりの純資産価額
中会社(大) 類似業種比準価額×0.90+1株当たりの純資産価額×0.10または1株当たりの純資産価額
中会社(中) 類似業種比準価額×0.75+1株当たりの純資産価額×0.25または1株当たりの純資産価額
中会社(小) 類似業種比準価額×0.60+1株当たりの純資産価額×0.40または1株当たりの純資産価額
小会社 類似業種比準価額×0.50+1株当たりの純資産価額×0.50または1株当たりの純資産価額

となります。

会社区分は業種ごとに売上高や従業員数を基準に決められています。

ただし、従業員数が100人以上の会社は業種や売上高にかかわらず「大会社」となります。

特殊なケースとして過去2年にわたって会社の1株当たりの配当、純資産、利益のうちの2つが0またはマイナスの場合は会社区分に関わらず次のどちらかの方法で株価を計算していきます。

・1株当たりの純資産価額(相続税評価額で計算した金額)

・類似業種比準価額×0.25+1株当たりの純資産価額×0.75

また会社が次のような状況にある場合は1株当たり純資産価額で株価を計算し、類似業種比準方式は使いません。

・開業前、休業中、開業後3年未満、清算中などの状況にある場合

・資産のうち一定割合以上が土地または株式である場合

・配当、純資産、利益がすべて0またはマイナスの場合

となるので気を付けましょう。

 

3. 類似業種比準方式の計算方式

では類似業種比準方式では業種ごとに標準的な会社(類似業種)を見立てて、その会社の価値をもとに類似業種比準価額を計算していきます。

1株当たりの類似業種比準価額は次の算式で求められます。

利益の額を重視するため、利益の額は3倍として求めていきます。

A:類似業種の株価

B:類似業種の1株当たりの配当金

C:類似業種の1株当たりの利益

D:類似業種の1株当たりの純資産(帳簿価額で計算したもの)

b:自社の1株当たりの配当金

c:自社の1株当たりの利益

d:自社の1株当たりの純資産(帳簿価額で計算したもの)

3.1 類似業種の値(A・B・C・D)を参照する

類似業種の値(上の算式のA、B、C、Dの値)は国税庁ホームページに記載されているものを使用します。

国税庁ホームページの「財産評価関係 個別通達目次」で相続があった年の「類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等について」を確認しましょう。

そこに業種ごとに金額が記載されているので自社の業種に近い業種の値を使用します。

「A:類似業種の株価」は国税庁ホームページに掲載されている値のうち、亡くなった日の月以前の3か月間で最も低いものまたは前年平均株価を使用します。

3.2 自社の値(b・c・d)を求める

「b:自社の1株当たりの配当金」の求め方は自社の1株当たりの配当金は直近2年間の配当金の年平均の値を株式数で割って求めています。

配当金は毎期継続して行う普通の配当を対象にしており、特別配当や記念配当など一時的なものや資本剰余金からの配当は除きます。

株式数は実際に株式を何株発行しているかに関わらず(資本金÷50円)の値を使います。

類似業種の値が1株当たりの資本金を50円として計算されていることと整合を取るためです。

「c:自社の1株当たりの利益」の求め方は自社の1株ああt理の利益は、自社の年間の利益を株式数(資本金÷50円の値)で割って求めます。

利益は次の算式で計算して、直前期の値または直近2年間の平均値を使用します。

固定資産売却益や保険差益など経常的でないものは除きます。

利益=法人税を計算するときの課税所得+益金に参入しなかった受取配当金+損金に算入した繰越欠損金の算式で求めた利益がマイナスになる場合は、自社の1株当たりの利益は0とします。

「d:自社の1株当たりの純資産」の求め方は直前期末時点の資本金と法人税を計算するときの利益積立金額の合計を株式数(資本金÷50円の値)で割って求めます。

この金額がマイナスになる場合は自社の1株当たりの純資産は0とします。

3.3 求めた値を算式に当てはめる

ここまでで求めたA、B、C、D、b、c、dの値を先ほどお伝えした算式にあてはめて自社の1株当たりの類似業種比準価額を求めます。

算式のEには会社の規模に応じて調整率で値は大会社が0.7、中会社が0.6、小会社が0.5となります。

ここまでの計算で株式数は(資本金÷50円)の値を使用したために最後に(1株当たりの資本金等の額÷50円)をかけて、自社の1株当たりの類似業種比準価額が本来の値になるように調整します。

 

4. 類似業種比準価額等の「計算明細書」の記載方法

類似業種比準方式ではいくつもの数値を求めて算式にあてはめる必要があります。

会社の規模によっては類似業種比準価額と、純資産価額を組み合わせて計算する必要もあります。

こうしたルールを理解して株価を計算することは難しいために国税庁では、「取引相場のない株式(出資)の評価明細書」を用意しています。

必要事項を順番に記載していくことで非上場株式の株価が計算できるようになっています。

「取引相場のない株式(出資)の評価明細書」には9種類の表がありますが、「類似業種比準方式」の評価で記載が必要は表をまとめました。

取引相場のない株式(出資)の評価明細書の内容

表の種類 記載の要・不要
第1表の1 評価上の株主の判定及び会社規模の判定の明細書
第1表の2 評価上の株主の判定及び会社規模の判定の明細書(続) 不要
第2表 特定の評価会社の判定の明細書
第3表 一般の評価会社の株式及び株式に関する権利の価額の計算明細書
第4表 類似業種比準価額等の計算明細書
第5表 1株当たりの純資産価額(相続税評価額)の計算明細書
第6表 特定の評価会社の株式及び株式に関する権利の価額の計算明細書 不要
第7表 株式の保有特定会社の株式の価額の計算明細書 不要
第8表 株式保有特定の株式の価額の計算明細書(続) 不要

となります。

これは第2表では会社が「特定の評価会社」に該当するかを判定します。

また特定の評価会社とは開業前、休業中、開業後3年未満、清算中など特殊な状況にある会社をさします。

会社がこのような状況にないことが明らかであれば記載する必要はありません。

4.1 1株当たりの資本金等の額等の計算欄を記入する

先ほど紹介した算式の数字、アルファベットは「第4表 類似業種比準価額等の計算明細書」の欄の丸囲みの番号やアルファベットに対応しています。

そして1株当たりの資本金等の額等の計算欄には次の数値を記入します。

(1)直前末期の資本金等の額

(2)直前末期の発行済株式数

(3)直前末期の自己株式数

(4)1株当たりの資本金等の額((1)÷((2)-(3))の値)

(5)1株当たりの資本金等の額を50円とした場合の発行済株式数((1)÷50円の値)

類似業種比準価額の計算の家庭では実際に株式を何株発行しているかに関わらず(5)で計算する(資本金÷50円)の値を株式数として使用します。

4.2 比準要素等の金額の計算欄を記入する

比準要素等の金額の計算欄では貸家の比準要素である「1株当たりの配当金額」、「1株当たりの利益金額」、「1株当たりの純資産価額」を計算します。

「1株(50円)当たりの年配等金額」(B)は直近2年間の経常的な配当金の年平均の値(9)を株式数(5)で割って求めます。

経常的な配当金(8)は年間の配当金額(6)から特別配当や記念配当など日経常的な配当金額(7)を差し引いて求めます。

そして1株(50円)当たりの年利金額は直前期の利益または直近2年間の利益の平均の値を株式数(5)で割って求めます。

利益の金額(16)は法人税の課税所得金額(11)に、受取配当等の益金不算入額(13)と損金算入した繰越欠損金の控除額(15)を加えて固定資産売却益など日経常的な利益(12)と受取配当に係わる所得税(14)を差し引いて求めます。

「1株(50円)当たりの年利金額」(C)がマイナスになる場合は0とします。

「1株(50円)当たりの純資産価額」は直前期末時点の資本金(17)と法人税を計算するときの利益積立金額(18)の合計の値(19)を株式数(5)で割って求めます。

「1株(50円)当たりの純資産価額」(D)がマイナスになる場合は0とします。

4.3  類似業種価額の計算欄を記入する

比準要素等の金額の計算欄で求めた会社の比準要素と、類似業種の比準要素を類似業種う比準価額を求める数式に当てはめます。

類似業種の比準要素は、国税庁ホームページの類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等で確認することが出来ます。

類似業種は100種類上に分類されていますが、会社の事業が複数の業種にまたがる場合には、売上高の割合が50%を超える業種から類似業種を決めます。

50%を超える業種がない場合は、一定の基準に従って類似業種を決めます。

場合によっては類似業種を2つ決めて類似業種比準価額を計算し、低い方の値を採用することがあります。

 

5. 類似業種比準方式の計算方法の改正

では類似業種比準奉仕雨季の計算方法の改正はどういった内容が改正となったのでしょうか?

5.1 取引相場のない株式の評価に関する現行の取り扱い

取引相場のない株式は、金融商品取引所において上場されている株式のように取引価格が明らかとなっているものではありません。

又、会社の規模も上場会社に匹敵するような規模の会社から、個人企業と変わらない規模の会社まで様々です。

このような状況の下、会社の規模等に関係なく同じ方法で会社の株価を計算することは望ましくないことから、それぞれの会社の規模等に応じて次のような方法で行うこととされています。

1.上場会社に匹敵する様な規模の会社(大会社)の株式は類似業種比準方式により評価

2.個人企業と規模が変わらない会社(小会社)の株式は純資産価額方式により評価

3.上記2つの中間にある会社(中会社)の株式は類似業種比準方式と純資産価額方式の併用方式により評価

5.2 類似業種比準方式の見直しは?

類似業種比準方式とは、事業内容が似た上場企業(類似業種)の株価を基に評価の対象となる会社の1株当たりの配当金額、利益金額、純資産価額の3つの要素を比較して、株価を計算する方法です。

今回の改正ではつぎの改正が予定されています。

1つ目は類似業種の株価について、現行の4つの株価に課税時期以前2年間の平均株価が追加されます。

2つ目は上記3つの要素について、連結決算を反映させたものとする

3つ目は上記3つの要素の比重について、現行の1:3:1から1:1:1へ見直しがされます。

5.3 改正の株価への影響

今回の改正により、利益金額の比重が5分の3から3分の1へと変更されて会社の利益が株価に与える影響が小さくなり大きな損失を計上しても従来ほど株価が下落しない可能性があります。

逆に、配当金額と純資産価額の比重は5分の1から3分の1へと大きくなるため配当金額や社歴が長く内部留保の多い会社は株価が上昇する可能性があります。

この改正は、平成29年1月1日以降の相続等により取得した株式について適用される予定です。

 

6.非上場株式を譲渡する手続き方法

非上場企業の株式は譲渡制限株式の場合がほとんどとなっています。

譲渡制限株式とは、株式を譲渡するために会社の承認が必要となる株式です。

譲渡制限株式を譲渡する際の手続きは以下のようになります。

譲渡手続き1.株主から会社に株式譲渡承認の請求

譲渡手続き2.臨時株主総会で株式譲渡を承認・株式譲渡人に承認した旨を通知

譲渡手続き3.株式譲渡契約書で契約締結・対価の支払い

譲渡手続き4.株主名簿の書換

譲渡制限株式ではないのなら、株式譲渡承認の請求は必要ありません。

順番に確認しておきましょう。

6.1 株主から会社に株式譲渡承認の請求

会社の定款などで持株が譲渡制限株式と規定されているのかを確認し、譲渡制限がある場合は株式譲渡承認の請求を行います。

株主譲渡承認請求書を作成して会社へ提出することで請求が可能です。

株主譲渡承認請求書には、譲渡する株式の種類や数、譲渡先などを記載します。

取締役は、株主から譲渡承認の請求を受けると臨時株主総会の開催を決定し、それぞれの株主へ招集通知を発しなければなりません。

招集通知は原則として、臨時株主総会の日の1週間前までに発します。

6.2 臨時株主総会で株式譲渡を承認、株式譲渡人に承認した皆を通知

臨時株主総会では、株式譲渡の決議が行われます。

会社は株式譲渡承認請求を受けたなら、2週間以内に株主総会で承認するか否か決議を行い、株主に通知する必要があるのです。

2週間経っても通知をしなければ、請求が承諾されたものとみなされてしまいます。

承認には議決権の過半数を持つ株主の出席と出席株主の議決権の過半数の賛成が必要です。

承認が決定したら、会社は決定内容を株主に通知します。

また、取締役会設置会社の場合であれば、株主総会ではなく取締役会が決議を行わなければなりません。

6.3 株式譲渡契約書で契約締結・対価の支払い

株式譲渡が承認されたら、株主と譲受人が株式譲渡契約を締結し、対価を支払います。

一般的には有償での譲渡となり、株式譲渡契約書を作成し、株主と譲受人の記名・押印をしなければなりません。

6.4 株主名簿の書換

株式の譲受人と株主が共同で会社に対して、株主名簿書換請求を行います。

株主名簿に記載されている株主を売り手から買い手に変更するように会社に請求する手続きが必要です。

会社は、株主名簿書換の請求を受けたら、株主名簿を書換えなければなりません。

株式譲受人である買い手の新しい株主は、株主名簿記載事項証明書の交付を受けることができます。

株主名簿記載事項証明書によって、会社の株主名簿に自分の氏名などが記載されているのかを知ることが可能です。

 

7.非上場株式を贈与する手続き方法

非上場株式を贈与する際の手続きについてご紹介します。

贈与手続き1.非上場株式贈与契約書の作成

贈与手続き2.非上場株式贈与の実行・株主名簿の書換

贈与手続き3.贈与税の申告

順番に見ていきましょう。

7.1 非上場株式贈与契約書の作成

非上場株式の贈与は、贈与する人と贈与される人でお互いに合意が成立すれば、口頭のみでも可能です。

しかしあとから贈与について言い争いにしないためにも、贈与契約書を作成しましょう。

非上場株式の数や贈与の条件など、贈与契約の内容を明確に残しておくべきです。

7.2 非上場株式贈与の実行、株主名簿の書換

贈与契約書に基いて、実際に非上場株式の贈与を実行します。

贈与を行ったら、贈与した人と贈与された人が共同で会社に対して、株主名簿書換請求をしなければなりません。

株主名簿に記載されている株主を変更するように会社に請求する手続きが必要です。

会社は、株主名簿書換の請求を受けたら、株主名簿を書き換えます。

新しい株主は、株主名簿記載事項証明書の交付を受けることが可能です。

株主名簿記載事項証明書によって、会社の株主名簿に自分の氏名などが記載されているのかを知ることができます。

7.3 贈与税の申告

贈与税は、贈与額が110万円を超える場合に課税対象となります。

贈与税額は以下の計算式で求めることが可能です。

(贈与された非上場株式の評価額-110万円)× 税率-控除額=贈与税額

贈与税を確定申告することで贈与を立証できる場合もあるので、しっかり申告しておきましょう。

 

8.非上場株式を相続する手続き方法

非上場株式を相続する際の手続きについてご紹介します。

相続手続き1.相続株式の調査

相続手続き2.非上場株式の評価額計算と遺産分割協議書の作成

相続手続き3.非上場株式発行会社で株式名簿の書換

相続手続き4.株式の被相続人(亡くなった人)の準確定申告と相続人の相続税申告

順番に見ていきましょう。

8.1 相続株式の調査

相続される非上場株式がどこにどれくらい存在しているのかを調査します。

非上場株式は、株券を発行している会社に直接問い合わせて調査しなければなりません。

なぜなら、証券会社や信託銀行が管理をするものではないためです。

非上場株式を相続しようと考えている場合は、残された人のために株式の情報を伝えておくとスムーズになります。

8.2 非上場株式の評価額計算と遺産分割協議書の作成

調査して存在がわかった株式を相続するために、遺産分割協議書を作成します。

株式は遺産分割を行わなければ、それぞれの相続人がどのように所有することになるか明確に決まりません。

遺産分割協議を行わないままでは、次の手続きに移ることができないのです。

遺産分割協議の手順としては、①相続人の確定、②相続財産の確定、③遺産分割協議書の作成というようになります。

遺産分割協議書とは、遺産分割協議で話し合って決めた内容を文書にしたものです。

それぞれの相続人が何をどのくらい相続するのか明記して、署名捺印を行います。

非上場株式の場合はこの段階で、評価額を計算しなければなりません。

遺産分割協議は原則としてやり直しは不可能なので注意してください。

8.3 非上場株式発行会社で株式名簿の書換

非上場株式の相続人が決まったら、株券を発行している会社に相続人を伝えて、株式名簿の書換を行います。

株式名簿を書き換えるために必要な書類は、株券発行会社によって異なります。

例えば、以下のような書類が必要です。

・株券(株券がある場合)

・遺産分割協議書

・相続人全員の印鑑登録証明書

・亡くなった人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本または戸籍全部事項証明

・相続人全員の戸籍謄本または戸籍全部事項証明

・これら以外にも必要となる場合があるので、会社側に確認をしましょう。

譲渡制限付株式の場合は、売却して売渡し金を取得

非上場株式会社では、譲渡制限付株式を発行していることもあります。

譲渡制限付株式の場合は、会社から株式の売渡請求をされるかもしれません。

その場合、相続人は株式を相続するのではなく、売渡金を手に入れることになります。

相続で会社側が想定していない人が株主になって経営に参加することを防止するために、売渡請求が行えるようになっているのです。

最後に、亡くなった人の準確定申告と、相続人の相続税申告を行わなければなりません。

 

9.まとめ

いかがでしたでしょうか?

亡くなった人が非上場会社のオーナーであった時に必要な株価の計算方法の一つである類似業種比準方式について説明してきました。

類似業種比準価額を求めるための算式はとても複雑で、算式に当てはめる比準要素の計算では会社規模の判定や会社の資産額の計算など、高度な判断も必要となってきます。

なので、非上場会社の株価の計算は難しいために、早めに税理士に相談するなど対処をしておきましょう。