入院にかかる費用「差額ベッド代」とは?5つの知識をご紹介

突然の入院。やはり焦ってしまいますよね。その上、「大部屋が空いていないので個室に移動していただけませんか」なんて言われた経験がある方も多いのではないかと思います。

ここで発生するのが、「差額ベッド代」です。個室という特別ルームであるからこそ、その分の料金はいただきますよ、という名目で、高額の料金を請求されてしまうことが多々あります。

しかし、あなたが支払った差額ベッド代は、実際には支払う必要のなかったものである可能性もあるのです。

入院には、お金がつきものです。何としてでも、先のことを考えて入院費用を押さえておきたいですよね。

この記事をご覧になれば、予想外の入院でも、安心して病との闘いに挑むことができます。

それでは、早速差額ベッド代について、学習をしていきましょう。

目次

はじめに

1.差額ベッド代とは何か

1.1差額ベッド代が発生するとき

1.2差額ベッド代が発生しないとき

1.3病院の勝手な都合で請求される!?

2.特別療養環境室になる条件とは?

3.差額ベッド代の費用

3.1差額ベッド代の一人当たり請求額

3.2稼働ベッドの割合は少ない

3.3差額ベッド代の費用は入院費のうちどれぐらい?

4.差額ベッド代に関する注意点

4.1差額ベッド代は医療費控除の対象にはならない

4.2差額ベッド代は支払い拒否をできる

4.3差額ベッド代の同意書を拒否することはできるだろうか

4.4差額ベッドに関するトラブル

4.5差額ベッド代について相談をしたいときは?

5.差額ベッド代に備えた医療保険加入の是非

5.1給付金額を多めに設定する

5.2給付金で入院費をどの程度賄えるだろうか

6.まとめ

はじめに

ご家族、ご親戚の方が突然入院された時、焦ってしまいますよね。入院された方の体調に関してはもちろんのこと、入院にかかるお金など、金銭面に関しても心配される方が多いのではないでしょうか。

今回は、入院にかかるお金の一つとして、「差額ベッド代」についてまとめました。差額ベッド代は、どのようにしてかかってくる費用なのかが曖昧な方が多いようで、実際に病院との間でも度々トラブルが発生しています。

差額ベッド代に関して理解を深めておけば、金銭面に関しての心配要素が減少します。そこで、まずは差額ベッド代とは何かということから説明していきましょう。

1. 差額ベッド代とは何か

差額ベッド代という言葉を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。正式には、差額ベッド代は「特別療養環境室料」といいます。これは、希望して個室に入院された場合、1~4人部屋に入室された場合にかかる費用で、全額自己負担となります。

しかし、しっかりと差額ベッド代についての理解を深めておかないと、病院に騙されるような形で料金を請求されてしまうこともあります。

そこで、どのような場合に差額ベッド代がかかってくるのかということを整理しておきましょう。

1−1. 差額ベッド代が発生するとき

差額ベッド代はどのような時に発生するのかということを整理しておきましょう。理解を深めておくことで、病院側に不当に請求された時に不当を申し立てられるようにできます。

差額ベッド代が請求される条件として、主に以下の2つの場合が当てはまります。

・患者自らが希望した場合

まず、患者自身が個室での入院生活を希望した場合、差額ベッド代が発生します。厚生労働省の規定で、差額ベッド代の請求条件として、「患者の自由な選択と同意」というものがあります。これは、仮に患者が希望しておらず、病院側の都合で個室に入院することになった場合、差額ベッド代の請求ができない、と定めたものです。

しかし、仮に病院側の都合で個室に入院することになってしまった場合であっても、これから書くことに注意していなければ、差額ベッド代を請求されてしまうので、注意しましょう。

・同意書にサインした場合

病院の都合で個室に入院することになってしまった場合、同意書にサインを求めれられることがあります。ここに注意が必要です。同意書の内容を確認する必要が大いにあります!

同意書の中には、差額ベッド代の請求に関しての同意書も含まれていることがあります。ここにサインをしてしまうと、知らず知らずのうちにサインをしてしまって、差額ベッド代の請求をされてしまう、といったことに陥ってしまうのです。

入院する時、病院から渡される書類は非常に多くなってしまいます。そこで、内容をよく確認せずにサインをしてしまうと、差額ベッド代のように予想外の出費がかさんでしまう、といったことが起こってしまうのです。

当たり前の事ではありますが、書類の内容をしっかりと確認することが非常に大切なのです。

1−2. 差額ベッド代が発生しないとき

それでは、差額ベッド代が発生しない時はどのような時でしょうか。

基本的には、同意書にサインをしていない時、と理解をしていれば大丈夫です。しかし、諦めてはいけません。もしも同意書にサインをしてしまっていても、差額ベッド代を取り戻すことができることがあります。

https://www.mhlw.go.jp/topics/2008/03/dl/tp0305-1ay_0001.pdf

上の書類は、厚生労働省がまとめた、差額ベッド代の請求に関する取りまとめが書かれた通知です。この通知を簡単にまとめると、以下の3つのいずれかに当てはまる場合は差額ベッド代が発生しないと書いてあります。

  • 同意書による同意の確認を行っていない場合(当該同意書が、室料の記載がない、患者側の署名がない等内容が不十分である場合も含む。)
  • 患者本人の「治療上の必要」により特別療養環境室へ入院させる場合
    ・救急患者、術後患者等であって、病状が重篤なため安静を必要とする者、又は常時監視を要し、適時適切な看護及び介助を必要とする者
    ・免疫力が低下し、感染症に罹患するおそれのある患者
    ・集中治療の実施、著しい身体的・精神的苦痛を緩和する必要のある終末期の患者
    ・後天性免疫不全症候群の病原体に感染している患者(患者が通常の個室よりも特別の設備の整った個人への入室を特に希望した場合を除く。)
    ・クロイツフェルト・ヤコブ病の患者(患者が通常の個室よりも特別の設備の整った個人への入室を特に希望した場合を除く。)
  • 病棟管理の必要性から特別療養環境室に入院させた場合であって、実質的に患者の選択によらない場合
    ・MRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)等に感染している患者であって、主治医等が他の入院患者の院内感染を防止するため、実質的に患者の選択によらず入院させたと認められる者

つまり、本質的に患者本人が希望していない場合には、差額ベッド代は発生しない仕組みとなっています。大切なことは、同意書にサインをしてしまった場合は、「患者は納得した」とみなされてしまい、差額ベッド代を正当に請求されてしまいます。

希望しない場合は、同意書にサインをしないということに注意しましょう。

1−3. 病院の勝手な都合で請求される!?

病院の勝手な都合で差額ベッド代を請求されてしまうこともあります。

例えば、個室しか入院部屋が空いていない場合などです。

この場合も、同意書にサインをしてしまうことで差額ベッド代が請求されてしまいます。しかし、実際には無料で個室を使わせてくれる病院も存在します。

筆者の祖父が入院を余儀なくされた時、個室しか入院部屋が空いていませんでした。しかし、病院側が気を使ってくれて、特別に無料で個室を使わせてくれました。

このような場合は稀なのかもしれませんが、しっかりと事前に病院側と「差額ベッド代の支払いを希望しない」旨の話し合いをもっていました。繰り返しますが、差額ベッド代の支払いを希望しない場合、大切なことは病院側との意思疎通です。差額ベッド代の支払いを希望しない旨を事前に共有しておきましょう。

 

2. 特別療養環境室になる条件とは?

差額ベッド代がかかる要件としては、特別療養環境室に入院することでしたね。それでは、特別療養環境室になる条件をまとめておきましょう。

特別療養環境室は、以下の4項目を全て満たす部屋が当てはまります。

  • 病室の病床数は4床以下であること。
  • 病室の面積は一人当たり6.4平方メートル以上であること。
  • 病床のプライバシーを確保するための設備があること。
  • 少なくとも「個人用の私物の収納設備」、「個人用の照明」、「小机等及び椅子」の設備があること。

とても細かいですよね…。

しかし、特別療養環境室に当てはまる場合、通常は事前に病院から説明を受けます。逆に、病院(診療所)は、差額ベッド室に入院を希望する患者さんに、差額ベッド室の設備、構造、料金などについて明確かつ懇切に説明し、患者さん側の同意を確認したうえで入院させなければならない、という規定があります。

しっかりと明確に説明を受けた場合には、差額ベッド代がかかってくるということを事前に理解しておきましょう。

 

3. 差額ベッド代の費用

ここまでは、差額ベッド代とは一体何か、どのような場合に差額ベッド代がかかってくるのかということについてまとめてきました。

しかし、実際にはいくらぐらい差額ベッド代がかかってくるのでしょうか。

ここからは、実際にかかる差額ベッド代について説明していきます。

3−1. 差額ベッド代の一人当たり請求額

一人当たり、差額ベッド代はいくらぐらいかかってくるのでしょうか。ここでは、平成27年7月1日現在のデータをまとめてみました。

差額ベッド代
(1日あたり平均)
病床数
1人室 7,828円 178,082
2人室 3,108円 47,807
3人室 2,863円 5,075
4人室 2,414円 36,232
全平均 6,155円 267,196

 

※厚生労働省 主な選定療養に係る報告状況をもとに作成

このデータは、あくまで参考程度にご覧になっていただければという気持ちで載せました。というのも、差額ベッド代は各病院で自由に決めることができ、様々な値段がつけられているためです。

また、部屋の人数だけでなく、部屋の設備、広さなども加味されます。

そのため、1人部屋だからこのくらい、といった値段の予想がつけにくくなっているのです。この値段のつけ方も、非常に曖昧というか、グレーゾーンです。

3−2. 差額ベッドの割合は少ない

確かに各病院で差額ベッド代の料金を自由に決定できます。しかし、規定により、各病院の差額ベッド数の割合は総病床数の50%(公立病院は30%)以内と決められています。

株式会社ケアレビューの調査によると、調査対象病院(全国約50万床)のうち、差額ベッド料が必要な病床は総病床数の18.2%(約9.1万床)にとどまり、全体の8割以上(約40.9万床)の病床では差額ベッド料が不要であるそうです。調査の内容に関しては、株式会社ケアレビューのホームページをご覧ください。

急性期病院の差額ベッド料に関する調査結果について

この事実から考察できることは、「差額ベッド代のかかる病床は少ない」ということです。また、先述したように患者の同意が得られないと、病院側も差額ベッド代を請求することができません。

むやみに差額ベッド代について心配する必要はそこまでないということになりますね!

3−3. 差額ベッド代の費用は入院費のどれぐらい?

入院に際してかかるお金は膨大です。差額ベッド代は、入院費のうちどれぐらいの割合を示すのでしょうか。

入院にかかる費用は、大まかに区分すると以下のようになっています。

  • 健康保険により支払われる医療費(7割)
  • 自己負担する医療費(3割)
  • 食事代(+α)
  • 差額ベッド代(+α)
  • 先進医療費(+α)

健康保険に加入している方であれば、自己負担分の入院費は全体の3割で済みます。また、医療費の他に自己負担する費用として、食事代、先進医療費に加え、差額ベッド代がかかってくるイメージです。

全額自己負担となる費用の中でも、入院する部屋によって大きく違いの出る費用がこの差額ベッド代なのです。

 

4. 差額ベッド代に関する注意点

ここまでは差額ベッド代について、概要と大まかな費用をまとめてきました。ここからは、差額ベッド代に関する5つの注意点をみていきましょう。

4−1. 差額ベッド代は医療費控除の対象にならない

差額ベッド代は、医療費控除の対象にはなりません。そもそも、差額ベッド代はあくまで「患者が希望した場合」に請求されるものです。

国税庁のホームページによると、医療費控除の対象になる入院費用として「個室に入院したときなどの差額ベット(HPのママ)の料金は、医師の診療、治療を受けるために通常必要な費用かどうかで判断します。本人や家族の都合だけで個室にしたときは医療費控除の対象になりません。」と書かれている(国税庁HP タックスアンサーNo.1126より)。

この記述を見ると、一見差額ベッド代も医療費控除の対象になるのかと惑わされてしまいます。しかし、実際には差額ベッド代は医療費控除の対象にはなりません

実際、厚生労働省や税務署などの間でも矛盾するような通知が出されてしまっている。しかし、私たち消費者にとって本当に大切なことは、差額ベッド代は医療費控除の対象にならないということです。理由はどうであれ、この事実を理解しておきましょう。

4−2. 差額ベッド代は支払い拒否をできる

差額ベッド代は、以下の場合に支払いを拒否できます。

  • 差額ベッド代の金額が記載された同意書に患者が署名をしていない場合
  • 治療上の都合で患者に差額ベッドを使わせた場合
  • 病棟管理の都合から患者に差額ベッドを使わせたときで、「実質的に患者の選択によらない場合」

先述したように、差額ベッド代について請求される場合、「患者が特別療養環境室の使用を希望した」という条件が必要となってきます。つまり、患者自身から進んで特別療養環境室の使用を希望しなかった場合、差額ベッド代の支払いを拒否することができます。

同意書に署名をする場合も、「大部屋を希望」などと消えないように書いておくことで、自分から進んで特別療養環境室の使用を希望したわけではないという証拠を残しておくことができます。

もしも病院側に署名を強要された場合に使える有効な手段ですので、覚えておきましょう。

4−3. 差額ベッド代の同意書を拒否することはできるだろうか

差額ベッド代の同意書提出を病院から催促されることも少なくありません。このような場合、同意書の提出を拒否することは出来るでしょうか?

結論から言うと、「出来るといえば出来る」ということになります。

治療は病院側に100%任せてしまうわけですから、病院側の意向に背いてしまうと治療でも優先順位が下がってしまうのではないか、などといった不安を抱かれている方も多いと思います。しかし、私たちも消費者である以上、選択の自由があります。

差額ベッド代の提出を病院側から強要された場合は、まずは病院側と話し合いをすることが非常に大切です。事前に病院側と共通認識を持っておくことで、金銭面でのトラブルを避けることができます。

4−4. 差額ベッド代に関するトラブル

先述したように、差額ベッド代に関しては、病院側と共通認識を持っておくことが非常に大切です。しかし、差額ベッド代に関するトラブルはあとを絶ちません。ここでは、差額ベッド代に関して実際にあったトラブルをご紹介します。

昨日より切迫早産で入院しています。入院当日と同時に娘がロタウイルスにかかりその報告が家族より来たと同時に私が入院している病院に伝えました。

すると初めは大部屋でしたが他の人への感染もあるので移動してください。といわれ個室へ移動しました。それと同時に差額ベッド代が発生する用紙を渡されましたが腑に落ちなくてまだ提出してません。

そして昨日の説明では今日、感染症のトップ?の方がくるからいつまで個室なのか明日お返事します。と言われましたが今日病院側から何も言われなかったので、その間に厚生局などに問い合わせをしたところ差額ベッド代は発生しない。と言われたで、その旨を含め個室隔離がいつまでなのかと私の方から聞くと師長さんが来て来週の月曜日に感染症のトップの人がくるからそれまでは個室でお願いします。ですが差額ベッド代は発生します。病院側の感染拡大の都合もありますが、インフルエンザにかかったと思ってください。タイミングが悪かったです。と言われました。

その言い方が物凄く納得できませんでしたが患者という立場もありますしそれ以上は言いませんでした。ですが差額ベッド代の用紙は印鑑がない。とのことでまだ提出してません。病院側の見解がどうしても納得できません。

この場合でもやはり差額ベッド発生しますか?(弁護士ドットコムの相談より抜粋)

この質問に関する弁護士の見解は以下の通りです。

厚生労働省通達【「療担規則及び薬担規則並びに療担基準に基づき厚生労働大臣が定める掲示事項等」及び「保険外併用療養費に係る厚生労働大臣が定める医薬品等」の実施上の留意事項について」平成18年3月13日付 保医発第13003号(最終改正:平成24年3月26日付 保医発第0326第5号)】により、次の場合には、差額ベッド代を請求してはならないとされています。

1. 病院側が同意書よる同意の確認を行っていない場合
2. 「治療上の必要」により特別療養環境室へ入院する場合
3. 病棟管理の必要性などから特別療養環境室に入院させた場合で、実質的に患者の選択によらない場合

本件も、上のいずれかに該当すると思いますので、差額ベッド代の支払を拒否できると思います。

「ロタウイルスに感染しているか分からない状態てわ5日も隔離されるのでしょうか?」

ロタウィルスに感染しているかどうかの検査がどの程度でできるのかは、病院の体制や忙しさによるとも思いますので、それらとの兼ね合いだろうと思います。(村上誠弁護士の回答)

このように、患者と病院との間で共通認識ができていなかったせいで、トラブルが起こってしまった例は枚挙にいとまがありません。

さんざん繰り返しますが、やはり大切なのは病院側と話し合いをして共通認識を持つことです。お金のことに関して話し合うのは勇気がいることだとは思いますが、差額ベッド代は莫大な費用となってしまう可能性があります。勇気を出して、金銭面での話し合いをしっかりとしておきましょう。

4−5. 差額ベッド代について相談したい相談をしたいときは?

差額ベッド代についての相談をしたいときは、以下のいずれかに相談をすると良いでしょう。

  • 地方社会保険事務所
  • 都道府県の国民健康保険課
  • 厚生局

もしも病院側が話を聞いてくれなかったりして、話し合いの場を持つことができない場合は、以下の手段を講じましょう。

まず、社会保険に加入している場合は、都道府県にそれぞれ設置されている、地方社会保険事務所に相談をしてみましょう。

一方で、会社などで勤務をしておらず、国民健康保険に加入している場合は、都道府県の国民健康保険課が相談先になります。

いずれも保険加入者のトラブルや悩みには親身になって対応してくれるので、病院の理不尽な対応に嫌気がさしてきたら、いずれかに相談をしてみることにしましょう。

それでも解決が難しいという場合は、関東、関西などそれぞれのエリアに一つは「厚生局」という、厚生労働省の地方支部支局ともいえる機関が設けられているので、その相談窓口に相談することを考えましょう。

差額ベッド代に関しては、トラブルが頻発しているだけに、厚生局の職員の方々も対応に慣れています。入院時に差額ベッド代で支払いトラブルがあった場合は、地方厚生局に相談をすれば、解決に関して力を貸してくれるでしょう。

5. 差額ベッド代に備えた医療保険加入の是非

差額ベッド代は、公的な健康保険ではまかなってくれません。しかし、民間の医療保険では、差額ベッド代を保障してくれるかるものもあります。

オススメの医療保険をご紹介したいところですが、保険業法によりそのような行為は禁止されています。また、個人の都合によっても最適な保険は異なってくるので、オススメの保険というのは一概には言えません。

しかし、差額ベッド代を頼る手段として、医療保険という選択肢を持っておくことが大切です。そこで、どのようにして医療保険を活用していくかということをみていきましょう。

5−1. 給付金額を多めにする

ここで重要になるのは、入院給付金になるのかということです。入院給付金とは、治療のために入院した場合に、入院した日数に応じて受け取ることができるお金のことをいいます。医療保険によって、支給される入院給付金の額は異なりますが、多くの医療保険が、1日あたりの入院給付金が5,000円あるいは10,000円のものから選択できるようになっています。

入院に際して特別療養環境室(差額ベッド代のかかる病室)を利用したいと考えている場合、自己負担の費用は大きくなります。その場合には、1日あたり10,000円の入院給付金がでるよう、保険を決めた方が良いと考えられます。一方、通常の病室を利用することを望む場合には、1日あたりの入院給付金が5,000円でも、十分対処が可能であるといえます。

このようにして、ご自身が入院する場合を考えて、医療保険を選んだいくべきだということが言えます。

5−2. 給付金だけでは賄いきれない?

入院給付金を活用することで、どの程度入院費賄うことができるでしょうか?

実際に例をあげて説明をしていきましょう。月収30万円の会社員が60日間入院した場合を考えてみましょう。

仮に60日間にかかる医療費を30万円、食費を10万円とします。先述の通り、差額ベッド代の平均は6,155円ですので、実際に病院に支払う金額は以下のようになります。

費目 金額
医療費 30万円
食費 10万円
差額ベッド代 36万9,300円
合計 76万9,300円

このようにみてみると、一日1万円の入院給付金でもとても賄いきれません。つまり、「何もないよりはマシ」ともいえる内容です。

医療保険加入の際には、入院給付金について十分検討をした上で、入院に対する保障をつけるか否かを判断することが大切です。しかし、給付金だけでは差額ベッド代を賄いきれないということは押さえておく必要があります。

最も大切なことは、入院費を抑えたいのであれば、特別療養環境室を利用する状況を作らないということです。保険という選択肢を持ちつつ、ご自身にあった判断をする必要があるのです。

6. まとめ

今回は、差額ベッド代について、その概要や実際の費用、注意点、賄うための医療保険の加入ということをみてきました。

今回の記事を通じて皆さんにお伝えしたかったことは、以下の通りです

  • 差額ベッド代は、患者自身が個室での治療を希望した場合のみ支払う必要がある
  • 病院から差額ベッド代を請求されても、拒否できる場合がある
  • 病院との話し合いを持つことが大切
  • 医療保険だけでは差額ベッド代を賄うことができない

差額ベッド代については、病院側が一方的に請求することができません。支払う際も、病院との共通認識を持って、納得した上で支払う必要があります。

まずは皆さんが差額ベッド代についての正確な知識をもち、正当な差額ベッド代の支払いを遂行し、患者さんが病との闘いに集中できる環境を作ってあげることが大切です。

この記事がその一助になれば幸いです。