中小企業にとって小規模企業共済はメリットがあるの?ズバリ解説!

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現在は中小企業の経営者としてバリバリ働き、利益を上げようと日々仕事にまい進している方々も多いことでしょう。

しかし、そんな精力的に頑張る経営者の皆さんもいずれ引退する時はやってきます。そんな時のためにしっかりと今から備えておきたいものです。

中小企業の経営者・役員の方が老後の生活資金を準備する手段として、「小規模企業共済」があります。

この小規模企業共済は、中小企業の経営者・役員の方が個人で加入し、コツコツと積立をする共済です。

ある程度の長期間しっかり掛金をご自分が支払い続けているならば、着実に支払った額以上のお金が受け取れることも可能です。

また、加入せず掛金の額を単に貯蓄にする場合と比べ、手持ちのお金が高率で増やせるケースがあります。

ただし、小規模企業共済はいろいろなケースによって、予想外のデメリットが発生することも考えられます。

そこで今回は、小規模企業共済の特徴、加入手続き、その注意点について説明します。この記事を読めば、小規模企業共済の基本的知識と、実際に共済を活用する際に、有効な参考資料になることでしょう。

目次

1.小規模企業共済について

  • 1-1.そもそも共済とは何?
  • 1-2.小規模企業共済とは
  • 1-3.中小企業基盤整備機構とは

2.小規模企業共済に加入するためには

  • 2-1.加入条件
  • 2-2.必要書類について
  • 2-3.加入申し込みの流れ

3.小規模企業共済の掛金

  • 3-1.小規模企業共済の掛金月額
  • 3-2.掛金の納付方法
  • 3-3.納付が厳しいそんな時

4.小規模企業共済の共済金

  • 4-1.共済金とは
  • 4-2.共済金の受け取り方法
  • 4-3.共済契約者が亡くなった!

5.共済契約者貸付制度について

  • 5-1.共済契約者貸付制度とは
  • 5-2.共済契約者貸付制度の種類
  • 5-3.貸付内容

6.小規模企業共済の注意点について

  • 6-1.小規模企業共済のココに注意!
  • 6-2.小規模企業共済と全額損金定期保険
  • 6-3.小規模企業共済と逓増定期保険

7.まとめ

1.小規模企業共済について

我が社は規模の小さい会社だが、経営も安定しており大口の取引先もある。

しかし、経営者である私もいずれは、然るべき職員へ会社の後を託すことになる。

経営者である私や役員が、役職を退いてからの資金の備えを今から準備するべきだろうか?

そんな時に頼りになる共済が「小規模企業共済」です。こちらでは、小規模企業共済とは何か?それを扱う公的な機構について説明します。

1-1.そもそも共済とは何?

共済とは組合員が互いにお金を出し合って事業を行うことを意味します。この組合員とは、互いにお金を出し合う事業に賛同した方を指します

この共済事業を行う組織はいろいろタイプがあります。例えば、都道府県民共済(県民共済)、全国労働者共済生活協同組合(国民共済)、生活協同組合(CO-OP)のように、一般市民が集まり生活レベルの向上を目的に各種事業をおこなう「生命協同組合」に属する共済があります。

また、同じ職業の方々同士の仲間作りやきずなの強化を目的とする、全国共済農業協同組合連合会(JA)や、全国共済水産業協同組合連合(JF)と呼ばれる団体もあります。

今回紹介する小規模企業共済は、小規模企業共済法という特別法で設置が法定された共済です。国家の事業として、小規模企業者の福祉の増進や、小規模企業の振興に寄与することを目的としています。

共済事業の運営母体は会社ではなく、小規模企業共済の場合は中小企業基盤整備機構のような独立行政法人、JAのような連合会と呼ばれる団体、その他では地方自治体、労働組合等が組合員のために運営するという仕組みになっています。

1-2.小規模企業共済とは

小規模企業共済は、独立行政法人「中小企業基盤整備機構」が運営する共済制度です。この共済制度は、個人事業主や会社の経営者が「個人」で加入することになります。

この共済は経営者個人が、ご自分の収入の中からコツコツと積み立てをします。掛金は、月1,000円~7万円まで、500円単位で設定することができます。

また、納付した掛金の範囲内であれば、担保や保証人が不要で事業資金等の貸付制度を利用できます。

1-3.中小企業基盤整備機構とは

独立行政法人「中小企業基盤整備機構」は平成16年7月に、

  • 中小企業総合事業団(信用保険部門を除く)
  • 地域振興整備公団(地方都市開発整備等業務を除く)
  • 産業基盤整備基金(省エネ・支援法関係業務を除く)

上記3つの特殊法人を統合し設立されました。略称で「中小機構」と呼ばれています。

国民生活と社会経済の安定という見地から、独立した法人組織でありながら国家の事業を実施することを目的としています。

具体的な事業内容は、次の通りです。

  • 中小企業およびベンチャー企業等の事業者へのアドバイス・研修
  • 中小企業者向けの高度化融資
  • 小規模企業共済や中小企業倒産防止共済の運営
  • 中小企業等の事業活動の活性化を図るための基盤整備

中小機構のデータは下表のとおりです。

正式名称 独立行政法人中小企業基盤整備機構
資本金 1兆1029億2128万8640円(平成30年3月6日現在)
人数 役員13人、職員743人(平成30年3月6日現在)
設立年月日 平成16年7月1日
所管 経済産業省
拠点 地域本部・事務所(北海道本部、東北本部、関東本部、中部本部、北陸本部、近畿本部、中国本部、四国本部、九州本部、沖縄事務所、南九州事務所)

2.小規模企業共済に加入するためには

小規模企業共済は、信頼できる公的な法人が運営しており、老後の資金や貸付の場合にも有効な制度だ。

小規模企業共済に加入する資格や申込手続きはどうするのだろう?

こちらでは、小規模企業共済に加入できる資格、申込手続きに必要な書類等を説明します。

2-1.加入条件

小規模企業共済に加入できる方は、次のいずれかの条件に該当する必要があります。

[1.]加入資格のある方

①常時使用する従業員数が20人以下の個人事業主または会社役員

建設業、製造業、運輸業、不動産業、農業、サービス業(宿泊業・娯楽業)等の営む場合が該当します。

②常時使用する従業員数が5人以下の個人事業主または会社役員

商業(卸売業・小売業)、サービス業(宿泊業・娯楽業除く)を営む場合が該当します。

③事業に従事する組合員の数が20人以下の企業組合の役員、常時使用する従業員数が20人以下の協業組合の役員

④常時使用する従業員数が20人以下であり、農業の経営を主として行う農事組合法人の役員

⑤常時使用する従業員数が5人以下の弁護士法人、税理士法人等の士業法人の社員

⑥前述した①、②に該当する個人事業主が営む事業の経営に携わる共同経営者(個人事業主1人または2人まで)

なお、次の方々には加入資格はありません。

[2.]加入資格のない方

①配偶者等の事業専従者

こちらの方でも、共同経営者の要件を満たしていれば共同経営者として加入できます。

②直接営利を目的としない法人の役員等

協同組合、医療法人、学校法人、宗教法人、社会福祉法人、社団法人、財団法人、NPO法人等が該当します。

③アパート経営等の事業を兼業している給与所得者

給与所得者として法人または個人事業主と常時雇用関係にある方は、加入資格が認められません。

④学業を本業とする全日制高校生等

⑤商業登記簿に役員登記されていない方

たとえ会社の相談役や顧問として、その他実質的な経営者といえる場合でも認められません。

⑥生命保険外務員等

⑦独立行政法人勤労者退職金共済機構が運営する共済の被共済者である場合

中小企業退職金共済制度、建設業退職金共済制度、清酒製造業退職金共済制度、林業退職金共済制度の被共済者が該当します。

2-2.必要書類について

申し込みの際に必要な書類は、個人事業主・会社等役員・共同経営者によってそれぞれ異なります。

○共通の書類

契約申込書(預金口座振替申出書):用紙は中小機構へFAXまたは中小機構ホームページ資料請求フォームにて取得します。

○個人事業主の添付書類

所得税の確定申告書の控え:個人事業主であること証明します。事業を始めたばかりで確定申告書がない場合、開業届の控えを添付しましょう。

○会社等役員の添付書類

商業登記簿謄本等:役員登記されていることを確認します。

○共同経営者の添付書類

  • 所得税の確定申告書の控え:携わっている事業が小規模事業であることを証明します。事業を始めたばかりで確定申告書がない場合、開業届の控えを添付しましょう。
  • 個人事業主と締結した共同経営契約書の写し:事業経営において重要な意思決定していることを証明します。なお、共同経営契約書の他、金銭消費貸借契約書または出資契約書の写し等で、事業に必要な資金を負担または出資していること等を証明しても構いません。
  • 報酬の支払い事実が確認できる書類:事業執行に対しての報酬を受けていることを証明します。社会保険の標準報酬月額通知、青色申告決算書、白色申告決算書および賃金台帳等を添付します。

2-3.加入申し込みの流れ

加入申し込みの流れは次の通りです。比較的簡単な手続きで小規模企業共済へ加入することができます。

  1. 申込書の取得・作成、必要書類の収集:前述した書類を用意します。
  2. 窓口申し込み:用意した書類を、中小機構と業務委託契約を結んでいる団体(商工会、商工会議所、中小企業団体中央会、事業協同組合等)または、金融機関(銀行、信託銀行、信用金庫、信用組合等)の窓口へ提出します。窓口によっては、追加の書類等が要求される場合があります。
  3. 契約成立:共済契約は申込日が契約成立日となります。
  4. 中小機構からの送付:契約成立後40日ほど経つと、小規模企業共済手帳・小規模企業共済制度加入者のしおり・約款が届きます。
  5. 掛金納付:加入後は口座振替で掛金の納付となります。なお、加入申し込み時は現金納付も可能です。

3.小規模企業共済の掛金

小規模企業共済は、手続きも簡単で忙しい仕事の合間でも共済の加入の申し込みができそうだ。

では、小規模企業共済の掛金について詳しく知りたい・・・。

こちらでは、本共済の掛け金月額と、その納付方法について説明します。

3-1.小規模企業共済の掛金月額

掛金は、月1,000円~7万円まで、500円単位で自由に設定が可能です。毎月の掛金は、預金口座振替で納付することになります。

この掛金の口座振替は、加入を申し込んだ月の翌々月から開始されます。

また、前納・後納も可能で、前納の場合は一定の割合で前納減額金が受け取れます。ただし、後納の場合は納付期限を過ぎて掛金を支払うことになりますので、後納割増金が必要になります。

掛金は税法上、小規模企業共済等掛金控除として、その全額を課税対象となる所得から控除することできます。

この節税額については下表を参考にしてください。

○共済加入前の税額

課税される所得金額(※) 200万円 400万円 600万円 800万円 1,000万円
所得税 104,600円 380,300円 788,700円 1,229,200円 1,801,000円
住民税 205,000円 405,000円 605,000円 805,000円 1,005,000円

共済加入後の節税額

課税される所得金額 200万円 400万円 600万円 800万円 1,000万円
掛金月額1万円 20,700円 36,500円 36,500円 40,100円 52,400円
掛金月額3万円 56,900円 109,500円 109,500円 120,500円 157,300円
掛金月額5万円 93,200円 182,500円 182,500円 200,900円 262,200円
掛金月額7万円 129,400円 241,300円 255,600円 281,200円 367,000円

(※)課税される所得金額:「年間総所得金額-(基礎控除+扶養控除+社会保険料控除等)」後の金額で課税対象となる金額を指します。

3-2.掛金の納付方法

納付方法は、毎月払い、半年払い、年払いと分かれ、加入申し込み時の現金納付の有無で請求内容も変わります。

①加入申し込み時に現金納付をしなかった場合

支払方法 請求内容
毎月払い 加入を申し込んだ月の翌々月に、申し込んだ月~翌々月までの計3ヶ月分の掛金が請求されます。その後は、1ヶ月毎の請求となります。
半年払い 加入を申し込んだ月の翌々月に、申し込んだ月~6ヶ月分の掛金が請求されます。その後は、半年毎に6ヶ月分ずつの請求となります。
毎月払い 加入を申し込んだ月の翌々月に、申し込んだ月~12ヶ月分の掛金が請求されます。その後は、1年毎に12ヶ月分ずつの請求となります。

②加入申し込み時に現金納付をした場合

支払方法 請求内容
毎月払い 加入を申し込んだ月の翌々月に、申し込んだ翌月~翌々月までの計2ヶ月分の掛金が請求されます。その後は、1ヶ月毎の請求となります。
半年払い 加入を申し込んだ月の翌々月に、申し込んだ月から7ヶ月目に6ヶ月分の掛金が請求されます。その後は、半年毎に6ヶ月分ずつの請求となります。
毎月払い 加入を申し込んだ月の翌々月に、申し込んだ月から13ヶ月目に12ヶ月分の掛金が請求されます。その後は、1年毎に12ヶ月分ずつの請求となります。

3-3.納付が厳しいそんな時

掛金月額は、月1,000円~7万円まで、500円単位で増額・減額が可能です。加入者の経済状態によって無理のない掛金で積み立てましょう。

また、「掛止め」という方法もあります。この方法で掛金の納付を6ヶ月または12ヶ月停止できます。ただし、この方法を利用するためには条件があります。

  • 所得がなく掛金の納付が非常に厳しいとき
  • 災害に遭ったり、入院したりしているため掛金の納付が非常に厳しいとき

この条件の他、次の点も留意する必要があります。

  • 掛止め期間は、共済金等を計算する場合、共済契約期間に該当しません。
  • 掛止め期間は、共済金等の退職所得控除額を計算する場合、やはり共済契約期間に該当しません。
  • 掛止め期間中の掛金は、掛止め期間を経過しても納付は認められません。

4.小規模企業共済の共済金

掛金の納付ついてよくわかった。加入者の経済状態によって、掛金を減額・増額できるのはありがたい。

それでは共済金についても詳細を知りたい・・・。もしも私が在任中に亡くなった場合、いったい共済金はどうなってしまうのだろう?

こちらでは、共済金とはそもそも何か、その受け取り方法と、万が一の事態が起きた場合の対応について説明します。

4-1.共済金とは

共済契約者が一定の事由に該当した場合に中小機構より受け取れるお金です。各ケースによって受け取れる共済金の種類が異なります。下表を参考にしてください。

共済金等 個人事業主 法人役員 共同経営者
共済金A ・個人事業を廃業した場合

・共済契約者が亡くなった

・法人が解散した ・個人事業主の廃業に伴い、共同経営者を退任した

・病気や怪我のため共同経営者を退任した

・共済契約者が亡くなった

共済金B ・老齢給付(※) ・病気、怪我、または65歳以上で役員を退任した場合

・共済契約者が亡くなった

・老齢給付(※)

・老齢給付(※)
準共済金 ・個人事業を法人成りした結果、加入資格がなくなったため、解約をした ・法人の解散、病気、怪我以外の理由、または65歳未満で役員を退任 ・個人事業を法人成りした結果、加入資格がなくなったため、解約
解約手当金 ・任意解約

・機構解約(掛金を12か月以上滞納)

・個人事業を法人成りした結果、加入資格はなくならなかったが、解約をした

・任意解約

・機構解約(掛金を12か月以上滞納)

・任意解約

・機構解約(掛金を12か月以上滞納)

・共同経営者の任意退任による解約

・個人事業を法人成りした結果、加入資格はなくならなかったが、解約

(※)老齢給付:こちらの給付は、共済加入者が65歳以上で180か月以上掛金を払い込んだ方が対象です。

4-2.共済金の受け取り方法

共済金等の受け取り方法は、①一括受取り、②分割受取り、③一括受取りと分割受取りの併用があります。各条件について説明します。

○受取方法

①一括受取り

共済金A、共済金B、準共済金、解約手当金いずれの場合も可能な受取方法です。

②分割受取り

この受け取り方法を利用するためには、共済金Aおよび共済金B(いずれも共済契約者の死亡による請求を除く。)で、次の条件をいずれも満たしていることが必要です。

  • 共済金の額が300万円以上
  • 共済事由が生じた時に60歳以上

③一括受取りと分割受取りの併用

この受け取り方法を利用するためには、共済金Aおよび共済金B(いずれも共済契約者の死亡による請求を除く。)で、次の条件を全て満たしていることが必要です。

  • 共済金の額が330万円以上
  • 分割で受け取る共済金の額が300万円以上、かつ、一括で受け取る共済金の額が30万円以上
  • 共済事由が生じた時に60歳以上

共済金の受取額

こちらでは事例をあげて、受け取れる共済金A、共済金B、準共済金の額を説明します。下表を参考にしてください

(例)毎月の掛金1万円で加入

掛金納付年数 掛金合計額 共済金A 共済金B 準共済金
5年 600,000円 621,400円 614,600円 600,000円
10年 1,200,000円 1,290,600円 1,260,800円 1,200,000円
15年 1,800,000円 2,011,000円 1,940,400円 1,800,000円
20年 2,400,000円 2,786,400円 2,658,800円 2,419,500円

なお、解約手当金は掛金納付月数に応じ、掛金合計額80~120%相当額が受け取れます。ただし、掛金納付月数が20年未満だと、掛金合計額を下回ってしまいます。

請求方法

共済金等請求書等を提出する必要があります。請求書用紙は中小機構へ自動送信サービス、FAXまたは中小機構ホームページ資料請求フォームにて取得します。

4-3.共済契約者が亡くなった!

共済契約者が亡くなった場合も共済金は受け取れます。ただし、受給権者の範囲と順位は、民法上の相続とは異なります。下表を参考にしてください。

順位 親族
第1順位 配偶者(事実婚の人も含まれます。)
第2~第7順位 共済契約者の死亡当時、主にその収入により生計を維持していた人が該当します。
第2順位
第3順位 父母
第4順位
第5順位 祖父母
第6順位 兄弟姉妹
第7順位 その他の親族
第8~第14順位 共済契約者の死亡当時、主にその収入により生計を維持していなかった人が該当します。
第8順位
第9順位 父母
第10順位
第11順位 祖父母
第12順位 兄弟姉妹
第13順位 ひ孫
第14順位 甥姪

配偶者は内縁の人でも必ず第1順位となります。そして、共済契約者の子であっても、共済契約者の死亡当時、主にその収入により生計を維持していなかった場合、第7順位のその他の親族よりも、後順位になってしまうことに注意する必要があります。

5.共済契約者貸付制度について

共済金の受け取り方法をはじめ、共済契約者が亡くなった場合の共済金の受け取り順位には、民法上の相続とは違う独特な設定があることがわかった。

それでは、貸付制度についても詳細を知りたい・・・。

こちらでは、共済契約者貸付制度の特徴と種類、貸付条件について説明します。

5-1.共済契約者貸付制度とは

この制度は、いろいろなケースで必要となる事業資金等に対して、掛金の納付期間に応じた貸付限度額の範囲内で、お金を借りることができます。

ケース毎に貸付額、貸付内容、利率等が定められており、共済契約者はどんな目的で貸付制度を利用したいかを確認してから、中小機構へ申込ましょう。借入窓口は、登録した代理店または商工組合中央金の本店・支店です。

なお、お金を借りる際は、担保も保証人も不要ですが、返済を遅延すると延滞利子が年14.6%となります。

5-2.共済契約者貸付制度の種類

こちらでは7種類の貸付制度を説明します。

  • 一般貸付制度:もしものときに、迅速に事業資金を借入れが可能です。
  • 緊急経営安定貸付け:資金繰りが困難なときに、経営の安定を図る目的で事業資金を低金利で借入れ可能です。
  • 傷病災害時貸付け:疾病・負傷による入院・災害等の被害を受けた際、経営を安定させるための借入れです。
  • 福祉対応貸付け:共済契約者や同居する親族の福祉向上に必要な住宅改造資金・福祉機器購入等の資金を借入れできます。
  • 創業転業時・新規事業展開等貸付け:新規開業・転業・事業多角化のために必要な資金を借入れできます。
  • 事業承継貸付け:事業承継に要する資金を借入れできます。
  • 廃業準備貸付け:個人事業の廃止・会社の解散を円滑に行うための資金を借入れできます。

5-3.貸付内容

それぞれの貸付内容は次の通りです。

○一般貸付制度

項目 内容
借入れ限度額 掛金納付月数により掛金の7~9割で、10万円~2,000万円以内(5万円単位)で借入れ可能。
借入期間 ・100万円以下→6か月、12か月

・105万円~300万円→6か月、12か月、24か月

・305万円~500万円 → 6か月、12か月、24か月、36か月

・505万円以上→6か月、12か月、24か月、36か月、60か月

返済方法 ・6か月または12か月→期限一括償還

・24か月、36か月、60か月の場合→6か月ごとの元金均等割賦償還

利率 年1.5%
利子の支払方法 ・期限一括償還→借入時に一括前払い

・割賦償還 →借入時および返済時に6か月分前払い

申込受付期間 特になし

○緊急経営安定貸付け、福祉対応貸付け、創業転業時・新規事業展開等貸付け、事業承継貸付け

項目 内容
借入れ限度額 掛金納付月数により掛金の7~9割で、50万円~1,000万円以内(5万円単位)で借入れ可能。
借入期間

・500万円以下→36か月

・505万円→60か月

 

返済方法 6か月ごとの元金均等割賦償還
利率 年0.9%
利子の支払方法 貸付時・償還時に6か月分前払い
申込受付期間 ・緊急経営安定貸付け→売上高が減少した最近3か月間または6か月間として算定された最終月の翌月~3か月以内

・福祉対応貸付け→改築等・購入予定日前6か月~

・創業転業時・新規事業展開等貸付け→(創業転業時)事由発生日~1年以内または事由発生予告日前6か月~、(新規事業展開等)事業多角化または新規事業開始等予定日前6か月~

・事業承継貸付け→事業承継日から1年以内または事業承継予定日の1年前~

○傷病災害時貸付け

項目 内容
借入れ限度額

・掛金納付月数により掛金の7~9割で、原則として50万円~1,000万円以内(5万円単位)で借入れ可能。

・(流動負債 – 当座資金)+ 1/2(給与 + 賃金 + その他経費)で、計算を行って得た額が1,000万円を超える場合、この計算式を行って得た額で借入れ可

借入期間

・500万円以下→36か月

・505万円→60か月

返済方法 6か月ごとの元金均等割賦償還
利率 年0.9%
利子の支払方法 貸付時・償還時に6か月分前払い
申込受付期間 傷病→入院した日から6か月以内
災害→災害が発生した日から6か月以内

○廃業準備貸付け

項目 内容
借入れ限度額 掛金納付月数により掛金の7~9割で、50万円~1,000万円以内(5万円単位)で借入れ可能。
借入期間 12か月
返済方法 期限一括償還
利率 年0.9%
利子の支払方法 借入時一括前払い
申込受付期間 廃業予定日の1年前~

6.小規模企業共済の注意点について

小規模企業共済は、まさかの時にも貸付が利用できて大変頼りになるが、注意点のようなものはあるのだろうか?

もしもあれば、くわしく詳細を知りたい・・・。

こちらでは、小規模企業共済のデメリットと、法人保険の有効性も取り上げます。

6-1.小規模企業共済のココに注意!

小規模企業共済は掛金も非常に少額から設定でき、まさかの時の貸し付けも充実していますが、この共済制度はあくまで経営者・役員個人のための共済です。

税法上の取扱いとしては共済契約者本人の収入の中から払い込むため、事業上の損金または必要経費には算入できません。これについては、中小機構ホームページ「小規模企業共済 掛金について 税務上の取扱い」を確認してください。

そのため、会社の節税を重視したい場合には、法人保険の加入を検討することをおすすめします。

次項では、全額損金定期保険および逓増定期保険を取り上げます。

6-2.小規模企業共済と全額損金定期保険

全額損金定期保険とは、払い込んだ保険料の全額を損金にすることができる商品です。

つまり、支払った保険料の全てを経費として扱うことができるので、法人税の節税へ非常に役に立ちます。

節税に大きな効果を発揮する全額損金定期保険は、ご自分の会社の資金繰りが安定していない場合に頼りになる保険と言えます。

また、この保険を解約すれば、その解約返戻金は役員等の退職金や会社の設備投資、会社のイベントの資金にもなります。

起業から間もない会社であるなら、小規模企業共済の他、全額損金定期保険への加入も検討し、節税と従業員の福利厚生を手厚くすることも会社経営には有効です。

6-3.小規模企業共済と逓増定期保険

逓増定期保険は、契約締結から一定期間経過後、保険期間満了までに保険金額が契約当初の金額よりも、最大5倍まで増加することが特徴の保険です。

会社の規模が拡大すれば、いずれ小規模企業共済の加入条件から外れてしまうこともあるでしょう。

その際には、この保険へ入り直すことで、会社の規模に見合った保険金額を準備できることにつながります。また、解約返戻率が契約後の早い段階で高率になることも魅力と言えます。

この保険も、支払った保険料の一部を損金に算入することが認められています。被保険者の年齢・保険期間に応じて1/2、1/3、1/4の3タイプが設定されています。

7.まとめ

小規模企業共済は中小企業の経営者・役員には、非常に頼りになる制度ですが、会社の規模の拡大によって、この制度の適用が難しくなることも考えられます。

加入する場合も解約する場合も、ご自分の会社の経営状態・規模を総合的に評価して対応を決定していきましょう。

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