市場価格調整がわかれば債券と為替リスクをコントロールできる

記事監修者紹介
松葉 直隆
大学卒業後、損保ジャパン日本興亜代理店の保険会社にて5年以上勤務し、年間100組以上のコンサルティングを行う。
その後、2016年6月より保険ブリッジの記事監修を務める。

市場価格調整付生命保険を解約するとき、契約時より利率が上がったら解約返戻金が減り、下がったら増えます

どうして利率が上がったら増え、下がったら減るのではないでしょうか?

そんな疑問が生じる市場価格調整付生命保険には、市場金利の変動による債券価格リスクがあります。

その上これらの多くは「外貨建生命保険」で、保険料を払うときに円をドルに交換し、解約返戻金・満期金・保険金受け取るときはドルを円に交換しなければなりません。

それによって満期金・保険金が支払保険料より減ったり、増えたりする為替変動リスクがあります。

これから市場金利と債券と為替リスクを分かりやすく解説していきます。

この記事でわかること
  1. 市場価格調整付生命保険の保険料運用と市場金利の関係
  2. 市場価格調整付生命保険と保険料の資産構成・運用方法の関係
  3. 債券のカラクリ
  4. 外貨建生命保険の為替変動リスクについて
  5. 為替変動での損益計算方法
  6. 解約返戻金の所得の税務について
ざっくり言うと…
  • 一般的に債券の価値は、市場金利が高くなると下がり、市場金利が低くなると上がる性質がある。
  • 市場価格調整付生命保険は、債券運用で市場金利と連動する。
  • 市場価格調整付生命保険として有名なのは、メットライフ生命の『ドル建 利率変動型一時払終身保険』。
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「市場価格調整付生命保険」の保険料運用と市場金利の関係は?

『ドル建 利率変動型一時払終身保険』の「市場価格調整」とは?

メットライフ生命の『ドル建 利率変動型一時払終身保険』市場価格調整付の生命保険です。

MetLife 生命保険のメットライフ生命

平成28年9月版のパンフレットには「市場価格調整」とは、

解約返戻金の計算の際に、運用対象となっている資産(債券等)の価値を返戻金に反映される仕組。一般的に債券の価値は市場金利が高くなると下がり、市場金利が低くなると上がる性質があります

と書いてあり、パンフレットに下図のように「解約日の積立金額」より解約返戻金が増減している棒グラフと契約条件が載っています。

※債券の価値とは債券価格のこと

市場価格調整付生命保険は、債券運用で市場金利と連動する

パンフレットの「市場価格調整」の説明とイメージ図から、以下の3点が理解できます。

  • 「市場価格調整」付生命保険は「債券」で運用されている
  • 債券の運用価格が解約返戻金に連動する
  • 債券は市場金利が上がると債券価格が下がり、下がると債券価格が上がる

パンフレットには市場金利が上がった場合と、下がった場合の解約返戻金が載っています。

それが次の表です。

市場金利が上がって債券価格が下がり解約返戻金が減った

下の表のように一時払保険料10万ドルを払い10年後に解約したときに、「適用基準利率 2.5%」より「解約日の基準利率 3.0%」と上がっているのに解約返戻金は93,780ドルと減っています

(尚、この解約返戻金は後で説明する「解約控除」を除いている金額。)

適用基準利率はここでは、保険期間中の積立運用利率とします。

市場金利が下がって債券価格が上がり解約返戻金が増えた

下の表のように「適用基準利率 2.5%」より「解約日の基準利率 2.0%」と下がっているのに、解約返戻金は108,690ドルと増えています。

この実例のように市場金利が上がると債券で運用している保険料は減額し、市場金利が下がると増額するカラクリはどうやら債券と市場金利に連動しているからです。

そのカラクリを解けば、市場価格調整の内実がわかるかもしれません。

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保険料の資産構成、運用方法と「市場価格調整付生命保険」の関係は?

保険料の運用構成比の内訳は?

生命保険料が、なぜ市場金利と関係があるのでしょうか?

それは契約者が払った保険料を、生命保険会社がどのように運用しているかに気づけば理解できます。

下図を見てください。保険会社の生命保険料運用先の割合です。

一般社団法人生命保険協会の 「2016年版 生命保険会社のディスクロージャー~虎の巻」によると、2015年の保険料資産の運用構成比は、

  • 「有価証券」81.8%
  • 「貸付金」9.5%
  • その以外の「現金・預金、有形固定資産、金銭信託、コール・ローン、その他」の合計が8.7%

です。

有価証券81.8%のうち「国債・社債・地方債」つまり「債券」が約半分の51.1%占めています。

保険会社はこれらを運用して、保険金・満期金・解約返戻金の支払に備えています。

「国債・社債・地方債」などの「債券」の運用は、市場金利の変動で債券価格が上がったり下がったりします

市場金利が上がると債券価格が下落し、下がると債券価格が上昇するカラクリは?

これから簡単な事例で、債券価格変動のカラクリを説明します。

某生命保険会社は、契約者の保険料で金利3%の債券を100万円購入したとします。

保険会社は契約者が解約請求したので、解約返戻金の支払のためにこの債券を市場で売ろうとしました。

ところが市場金利が上昇して、金利4%の債券が発行されていました。

そうすると、金利3%100万円で購入した債券を買おうとする投資家はいないです。

100万円 札束 謝礼 現金|mny0055-001

金利4%債券が売りだされているから、投資家は3%債券を買うはずはありません。

解約返戻金を用意しなければならないのに債券購入者がいないでは、契約者に解約返戻金の支払をできません。

保険会社は、この債券を買ってもらうために債券価格を値下げせざるをえません

つまり金利が3%から4%に上がったら、下の図の通りに3%債券価格が下落してしまうのです。

このように市場金利が上がると債券価格が下落し、逆に市場金利が下がると債券価格が上昇するのが、債券価格変動のカラクリです。

生命保険の予定利率とそのリスクについて

保険会社は生命保険の保険料運用については、契約時に「予定利率」決めています。

予定利率は市場金利が上下しても、変更しません

「今年最安値を記録今年最安値を記録」のフリー写真素材を拡大

バブル期に予定利率が6%の生命保険は、現在の市場金利の低い時代でも6%と変わっていません。

市場金利が下がっているのに予定利率の高い生命保険を保有しているから、生命保険会社所有の6%の契約生命保険は逆ざやとなって運用資産が減少するリスクを負っています。

市場金利変動リスクを抑えるにはどうしたらよいか? 

そこに登場してきたのが、市場価格調整付の生命保険です。

市場価格調整付なら、解約時の市場金利が契約時より上がれば解約返戻金は減少します。

逆に、下がれば増加する仕組みになっています。

好景気 金回り|mny0094-001

市場金利に保険料運用を連動させることで保険会社は、市場金利による債券価格変動リスクを抑える一方、契約者にリスクを転化できるのです。

それが市場価格調整付生命保険で、市場金利の変動応じて解約返戻金が反映される仕組みなので、逆ザヤリスクを軽減できるのです。

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債券のカラクリがわかると返戻金の増減変動の原因がわかる

市場金利が上がると解約返戻金が減るカラクリは?

保険料を運用している債券のカラクリを知ると、解約するときに債券利率が上がると解約返戻金が減り、下がると増える理由がわかります。

例えば、

額面100万円・期限10年・表面利率4%の債券

を購入すると、10年間の利息収入は下の図のように毎年4万円の利息収入が10年間で40万円なります。

10年後には債券ですから、額面の100万円が戻ってきます(これを償還といいます)。

元本100万円に対し利息収入40万円ですから、下表の計算の通り年利回りは4%になります。

さて、期限10年の債券が5年経過した時点で、契約者が解約返戻金を請求したとします。

保険会社は4%の債券を売って、解約返戻金を用意しなければなりません。

ところが、そのときに売り出されていた債券は償還期間(満期)5年の利率10%でした。

利率の高い10%債券が売りだされているのですから、4%債券を買うとするう投資家はいません

しかしそれでは解約返戻金の原資をつくることはできません。
では、どうしたらよいでしょうか?

4%債券100万円の価格を下げて、売り出すほかありません。

では、いくらで売りだしたらよいでしょうか?

現在10%の債券が売り出されているのですから、それと同価値になるようにしなければなりません。

4%債券の満期(償還)までの残存期間は、5年です。
金利10%債券は、5年間で50万円の利息を受けとれます。

5年間の利回りは、

50万円÷100万円×100÷5年=10%

です。
4%債券の利回りを10%にすれば、投資家に買ってもらえます。

債券価格をいくら値下げするかは、下記の計算式によって求められます。

上記計算式の表面利率:売りだす債券の利率
→この場合は4%の債券。

現利回り:現在発行されている債券
→この場合は10%の債券、計算の際は表面利率の数値にします。この場合は4%と10%なので「4」と「10」にします。

計算結果は、80万円です。

100万円の債券価格を80万円にすれば、利率10%の5年債券と同じ価値になります

これで債券価格変動のカラクリがわかりましたね。

保険会社は市場金利が上がると債券価格を下げて売りだし、解約返戻金を捻出するのです。

その結果「市場価格調整付生命保険」なら解約返戻金を請求した契約者は、80万円の解約返戻金を受けとることになってしまいます。

市場価格調整付生命保険だと、市場金利が4%から10%に上がると解約返戻金は減ってしまうのです。これが債券と市場金利のカラクリなのです。

では債券価格を80万円にすると、表面利率4%の国債が10%の利回りになるかを検証してみましょう。

下の表を見てください。

毎年4万円の利息が5年間で20万円になります。
100万円の債券を80万円で購入したから、満期時に償還差益が20万円。

利息20万円+償還差益20万円=40万円の差益に対し、元本は80万円ですから

40万円÷80万円×100÷5年=10%の利回り

になります。

4%の債券を購入した投資家は、5年間にわたって4万円の利息を得られます。

それと80万円で債券を購入したのですから、5年後の満期には100万円を受けとれます。

100万円の債券を80万円で購入したから、償還差益が20万円です。

利息20万円と償還差益20万円の合計40万円が収益ですから、元金80万円で10%の利回りとなります。

市場金利が低くなると解約返戻金が増えるカラクリは?

では逆に、市場金利が下がると債券価格が上がるカラクリを検証してみましょう。

保険会社は、表面利率10%の償還期間10年(満期)の債券を運用しています。

5年経過した時点で解約返戻金の請求がありました。そのときに、表面利率4%の債券が売りだされていました。

債券価格はいくらになるでしょうか?

債券価格は125万円になります。

市場金利が10%から4%に下がったから、解約返戻金は増えたのです。

では、4%利率を検証してみましょう。下の表を見てください。

利息10万円が5年間で50万円。
償還差益は、100万円の債券を125万円で購入したので▲25万円。

利息収入は50万円から▲25万円が引かれて差益は25万円。

元本125万円に対する利回りは、4%になります。

以上でお分かりですね。

市場金利が上がれば債券価格は下がり、逆に市場金利が下がれば債券価格は上がるカラクリなんです。つまり、

市場価格調整とは…
  • 生命保険料が「債券」で運用されている
  • 債券の運用価格が解約返戻金に連動する
  • 債券は市場金利が上がると債券価格が下がり、市場金利が下がると債券価格が上がる。その結果、支払保険料より解約返戻金が増減する

これら3要素を契約者が生命保険会社と約束することを意味しているのです。

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「外貨建」生命保険の為替変動リスクとは?

「外貨建」「市場価格調整」付生命保険

メットライフ生命『ドル建 利率変動型一時払終身保険』のパンフレットには「市場価格調整」の解約返戻金変動リスク以外に為替相場の変動リスクについて、

為替相場の変動により、保険金等の受取時の円換算額が一時払保険料や保険金等の契約時の為替レートによる円換算額を下回ることがあり、損失が生じる恐れがあります

と書いてあります。

focus photography of person counting dollar banknotes

市場価格調整付生命保険の多くは、外貨建生命保険です。

外貨建生命保険だと支払保険料を「円」から「外貨」に交換して保険料を支払います。

逆に、

  • 解約返戻金
  • 保険金
  • 満期金

「外貨」から「円」に交換して受け取ることになります。

person showing brown leather wallet with banknotes

市場価格調整付&外貨建生命保険だと、市場金利と債券連動リスク以外に「為替相場リスク」を負うことになります。

以下、どんなリスクが生じるかを説明していきましょう。

「円」と「ドル」交換には為替相場リスクと為替手数料がかかる?

一時払い保険料が100,000ドルの終身保険に保険料を払い込むときに、銀行で「ドル」を求めなければなりません。

この場合に「円」を「ドル」に交換する際の交換比率によってリスクが生じます。いわゆる為替相場リスクです。

それと「円」を「ドル」に交換する場合に手数料がかかります。

stacked round gold-colored coins on white surface

これは「円」を「ドル」に交換する場合と「ドル」を「円」に交換する場合の両方に手数料がかかります。

いわゆる為替手数料というものです。

円安、円高のカラクリとは?

「円」で「ドル」を買うときに1ドルを購入するには、「円」はいくら必要になるか“為替相場”で決まります。

為替相場で1ドル=100円が、1ドル=80円になったとします。

100円が80円と少なくなったのに「円高」といい、逆に1ドル=110円になった場合、100円が110円と多くなったのに「円安」といいます。

「普通為替証書普通為替証書」のフリー写真素材を拡大

なぜなのか疑問をもちませんか?その回答は、

あなたは今10,000円で1ドル=100円の「ドル」を買うと、10,000円÷100円=100ドル買えます。

ところが為替相場で1ドル=80円と少なくなると、10,000円÷80円=125ドル買えます。

10,000円で100ドルより多く125ドル買えたのですから「円」の価値が上がった、つまり「円」は「ドル」に対し高くなったから「円高」になります。

1ドル=120円だと、10,000円÷125円=80ドルしか買えません。

つまり「円」は「ドル」に対し安くなったので「円安」です。これが為替相場円高、円安のカラクリです。

さて、あなたはメットライフ生命『ドル建 利率変動型一時払終身保険』に一時払保険料10万ドル払い込みました。

円高と円安どちらの方が、「円」払いを少なくできるでしょうか?

下の図をみてください。

円高の方が得なことがわかりますね。

ソニー生命のドル建て保険をチェック⇒

「円」を「ドル」に交換して一時払保険料を払うとなると

一時払保険料10万ドル払い込む場合に、銀行から「円」で「ドル」を購入しなければなりません。

上記のように1ドル=110円ならば10万ドルを銀行で購入するには、

110円×100,000ドル=11,000,000円

必要になります。
ところが、それだけでは済まないのです。

「円」で「ドル」を購入するには、銀行に交換手数料を払わなければならないのです。

man holding stamp

下図のように円をドルに交換するとなると、為替手数料が1ドルあたり1円、銀行に払うことになります。

逆にドルを円に交換する場合には、銀行が「1円」手数料を取るから、解約返戻金から1ドルあたり1円銀行に取られることになります。

従って、為替相場と交換手数料によって一時払保険料10万ドル払い込むとなると、以下のように1ドル=90円1ドル=110円では

一時払保険料 11,000,000-9,100,000円=190万円の差

がでます。いつ契約するかによって、保険料が変動するのです。

ソニー生命の外貨建て保険のご紹介

いま、保険を「米ドル建」で選ぶ人が増えています。

ソニー生命の保険へ新規で加入する方の2人に1人(※2018年10月現在)が米ドル建てを選択

米ドル建保険の主な特徴は以下のとおり。

【米ドル建保険の特徴】
  • 米ドルの高い金利で保険料を運用。
  • 月払保険料が日本円に比べて低くなり家計に安心。
  • さらに、死亡・高度障害保険金額も高くなります。
    ※解約返戻金については、払込保険料累積を下まわる可能性があります。

さらに、ソニー生命の米ドル建保険と円建保険を実際に並べて確認すると、以下の図のような結果に。

ソニー生命が取り扱っている米ドル建保険は以下の4種類。

【ソニー生命が扱う米ドル建保険】
  • 米ドル建終身保険
  • 米ドル建一時払終身保険
  • 米ドル建養老保険
  • 米ドル建生前給付終身保険

いま、たくさんの人から支持を得ている「米ドル建保険」というかたち。

気になる方は、是非下記リンクよりアクセス!

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ソニー生命の米ドル建保険

為替変動で得するか、損するかを損益計算で確認すると

ここからはあなたがメットライフ生命『ドル建 利率変動型一時払終身保険』の契約者になったという前提で、為替変動による損益を確認していきます。

あなたは一時払保険料10万ドルを「円」に交換して支払いました。

それから10年後に、解約することにしました。

swiss pen on table top

解約日に市場金利で変動する市場価格調整付だから解約返戻金がいくらになるかは、解約日の基準利率が契約時の適用基準利率2.5%より上がっているか、下がっているかによって変動します。

次に、解約返戻金を受けとるときに「ドル」を「円」に交換します。

その際に為替相場によって契約時に支払った「円」が、一時払保険料と比べて得か損かの損益計算をすることになります。

損益を計算するための解約返戻金の計算手順は、以下の通りです。

市場価格調整率を算出する

まず、解約返戻金を計算する計算式の全体を知っておきましょう。それが以下です。

上図を見てください。解約返戻金を算出するには、

①市場価格調整率を算出
②市場価格調整率で計算した金額を算出

します。

その時に、契約時から解約日まで適用基準利率で運用した結果の積立金額を、保険会社から教えてもらいます。

その解約日の積立金額に、①で算出した市場価格調整率を掛けて、②市場価格調整率で計算した金額を算出します。

③の「解約控除率で計算した金額」とは、

基準利率保証期間(この場合は30年)の途中で解約する場合に解約日までの経過年数によって解約控除率を掛けた金額を保険会社に支払うこと

です。

以上②と③の2つの金額を算出してから、解約返戻金を算出します。

解約返戻金は、

解約日の積立金額から②市場価格調整率で計算した金額と、③解約控除率で計算した金額を引いた金額

になります。それが下の図です。

 

では、①市場価格調整率を算出しましょう。計算式と結果は下記です。

①の「市場価格調整率の計算式の残存月数」とは、解約日をスタートにして基準利率保証期間(30年間)までの残存月数が120ヵ月以下の場合は残存月数。

残存月数が120ヵ月以上の場合は、残存月数÷2+60ヵ月にします。

契約生命保険の適用基準利率の保証期間は30年、10年経過しましたから残存年数は20年になります。

従って残存月数は120ヵ月以上になるので、

残存月数÷2+60ヵ月=(12ヵ月×20年)÷2+60ヵ月=180ヵ月

になります。

 市場価格調整率を計算する分母の「解約日の基準利率」は、解約日基準利率が適用基準利率2.5%より上がった場合の3%と、逆に下がった場合の2%の2通りを計算します。

その結果は以下です。

解約日の積立金額は?

②の市場価格調整率で計算した金額を算出するには、解約日の積立金額を確認します。

メットライフ生命『ドル建 利率変動型一時払終身保険』のパンフレットに適用基準利率2.5%(適用基準利率適用保証期間30年)で10年間一時払保険料を運用して、10年後に契約した月日に解約した場合の積立金額は以下の107,690ドルでした。

市場価格調整率で計算した金額を算出する

計算式はと計算結果は以下です。

2.5%➜3.0%と、2.5%➜2%の両方を計算すると以下の通りです。

解約控除率で計算した金額を算出する

解約控除率で計算した金額の計算式は以下です。解約控除率は10年経過して解約するので、下の表から4.0%になります。

解約返戻金を算出する

いよいよ解約返戻金を算出します。計算式は以下です。

メットライフ生命保険会社は、一時払保険料を米国国債や企業社債等の債券で運用しています。

債券は市場金利が上がると債券価格が下がり、市場金利が下がると債券価格が上がります。

結果は市場金利を反映して2.5%➜3.0%は、一時払保険料10万ドルより少なくなっています。

逆に2.5%➜2.0%は多くなっています。

受取解約返戻金を「円」に換算して損益計算する

この「ドル」の解約返戻金を「円」で受け取るとなると、1ドルあたりの円相場と交換手数料を計算して、一時払保険料と比較した損益計算をします。

それが以下の表です。

表の損益の基準利率2%の表組みの①を見て下さい。

為替レート90円で一時払保険料を払い、同じ為替レートで解約返戻金を円で受け取った差益は⑦170,240円の益になります。

例えば、基準利率2%の表組みの③の為替レート110円で一時払保険料を払い、⑦の1ドル90円で解約返戻金を受けとると解約返戻金のドルは一時払保険料10万ドルより増えていますが、為替レートによって

③11,100,000円-⑦9,270,240円=▲1,829,760円損失しています。

④を見てください、1ドル=90円で10万ドルの保険料9,100,000円を払います。

coin lot on glass jar

「ドル」ベースでは解約返戻金は10万ドル以下なのに、⑫だと解約返戻金は日本円で

⑫9,751,140円-④9,100,000円=651,140円と差益が出ます。

このように「外貨建」「市場価格調整」付生命保険は市場金利変動による債券リスクで解約返戻金が変動し、それに「ドル」を「円」に交換する際に為替リスクと交換手数料で「ドル」ベースでは差益がでていても「円」に交換したら為替相場で損が出てしまったと、市場金利、債券リスク、為替相場リスクが複雑に絡むのが外貨建市場価格調整付生命保険の実態なのです。

解約返戻金の所得の税務は

解約返戻金は一時所得

解約返戻金は一時所得になり、その所得の計算方法以下の計算式です。

この場合、総収入金額:は解約返戻金、その収入を得るために支出した金額:は一時払保険料になります。

「特別控除額(50万円)」の使い方

一時所得には、解約返戻金から一時払保険料を引いた残額から「特別控除額50万円」を引くことができます。

この控除額は、内部通算した後で引くようにします。

先の「損益計算書」の具体的な支払保険料と、受取解約返戻金例で説明しましょう。

あなたは外貨建市場価格調整付生命保険をAとBの2本を契約しました。その解約返戻金と支払保険料は以下の通りです。

この場合の「特別控除額(50万円)」の使い方は、A保険の2,253,440円の差益からB保険の▲348,860円を引いてから特別控除50万円引くようにしますから、1,404,580円が一時所得になります。

つまり、一時所得計算ではAとBと個別の保険ごとに特別控除額50万円を引くのではなく、一時所得全体で特別控除50万円があります。

従って一時所得内で「内部通算」した後に特別控除額50万円を引くようにします。

一時所得は損益通算をできない

では、次のような内部通算した結果損失が出てしまった場合はどうなるのでしょうか?

内部通算した結果、▲1,178,620円の損失が出てしまい、特別控除額50万円を引くと▲678,620円になりました。

このように一時時所得全体ではマイナスとなってもこのマイナスは他の所得との相殺はできないのです。

他の所得と差し引き処理することを「損益通算」といいますが、一時所得の損失は「損益通算」できないので、損失が生じても一時所得は0円ということになります。

まとめ

「市場価格調整付生命保険」は市場金利の上昇・下落によって債券価格が変動し、それが解約返戻金に反映します。

その上、「外貨建」なら為替相場の変動によって解約返戻金が多くなったり、少なくなったりします。

このような生命保険ですから「市場価格調整付」を契約する際には充分に商品内容を理解することと市場金利とそれに連動、影響を受ける債券価格、為替相場に注視して解約のタイミングを図るリスクコントロールが重要であることをいままでの説明でおわかりいただけたと思います。

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