相続税?配偶者控除?これさえ知っていれば難しくない、相続のキホン

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『相続税』と聞くと、なんとなく難しそう、相続税を払うのは資産の多いお金持ちだけ、と思っていませんか?

しかし突然訪れるのが、自分や家族のもしもの時!

遺された遺族は、役所への届や、様々な手続き、葬儀のことなど・・・やらなければならない事は沢山あります。

それに加えて、最も時間がかかり、親族間でのトラブに発展することもあるうるのが遺産相続。

いざ亡くなってしまってから、お金を預けていた銀行はどこなのか、加入していた保険は何なのか、所有していた不動産や株のことについてを、一から調べ直すのは大変骨の折れる事です。

自分や家族が亡くなってしまう前に、遺産の相続割合はどうするのかなどを事前に考えておけば、対応できる。この記事では、相続のキホン知識から、事前に考えておくべきことについて紹介します。

相続財産や、家族構成は人それぞれ違うもの。

もしもの時、自分の家族の場合はどうするか、また、今まさに問題に直面している方の、遺産相続について考えるヒントになればと思います。

目次

1.もしもの時、遺産相続のこと

1.1.遺産相続

1.2.相続人について

1.3.法定相続分とは

1.4.遺産相続でのトラブル

2.相続財産とは

2.1.相続財産を調べる

2.2.相続財産の評価とは

2.3.いつまでに、誰に相談する?

3.相続税のキホンを知る

3.1.相続税のキホン

3.2.相続税を減らすためには?

3.3.相続税の申告

4.基礎控除と配偶者控除について

4.1.基礎控除とは

4.2.配偶者控除とは

4.3.配偶者控除の落とし穴!

4.4.配偶者控除を受ける条件

4.5.さまざまな控除制度

5.相続税の計算、節税対策

5.1.相続税の計算

5.2.生前贈与で節税する

5.3.生命保険で節税する

6.二次相続

6.1 .二次相続とは

6.2.二次相続の相続税を計算

6.3.二次相続の対策

7.最近の相続税改正まとめ

7.1.基礎控除の改定

7.2.税率の改正

7.3.税額控除の改正

7.4.小規模宅地特例の改定

8.まとめ

1.もしもの時、遺産相続のこと

遺産相続について、経験した方は少ないのではないでしょうか?

親はまだまだ元気だし、うちは資産家でもないから関係ないだろう、と思っていませんか?

確かに以前までは、そうだったかもしれません・・・しかし、平成27年(2015年)より相続の仕組みが変わったことで、関係のある人が増えているのです!

「え、どういうこと!?」と思ったあなた。ぜひ、『遺産相続』について考えていきましょう。

1.1.遺産相続

ある人が亡くなった場合、その亡くなった方の財産を遺族が引き継ぐことを、『遺産相続』と言います。

専門用語では、亡くなった人を『被相続人』、遺族を『相続人』と言います。

1.2.相続人について

相続人は民法で決まっていて、まず亡くなった人の配偶者が、第一に優先される相続人です。

なお、内縁関係は、含まれません。

それ以外は次の順序で、配偶者と一緒に相続することになります。

順位 相続人
1  子供 子供が既に死亡していれば、その子供(亡くなった人の孫)となる。
2  父母・祖父母

(直系尊属)

 両方とも健在であれば、亡くなった方により近い世代

1の人がいない時

3  兄弟姉妹 兄弟姉妹が既になくなっっている場合は、 その子供となる。

1、2の人がいない時

国税庁参考ホームページ:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/tebiki/2010/taxanswer/sozoku/4132.htm

配偶者がいなければ、表の順のとおりに相続人が決まります。また、相続を放棄した人は、いないものとして考えます。

1.3.法定相続分とは

配偶者と誰が相続するのか。それぞれケースで、相続の割合も決まっています。

  • 配偶者と 1.子供が相続する場合: 配偶者1/2、子供(2人以上のときは全員で)1/2
  • 配偶者と 2.父母・または祖父母(直系尊属)が相続する場合: 配偶者2/3、直系尊属(2人以上のときは全員で)1/3
  • 配偶者と 3.兄弟姉妹が相続する場合: 配偶者3/4、兄弟姉妹(2人以上のときは全員で)1/4

あれ、意外とシンプルだなと思いませんか?

しかし、この法定相続分には、“相続人の間で遺産分割の合意ができなかったときの遺産の取り分であり、必ずこの相続分で遺産の分割をしなければならないわけではありません。”という但し書きがあります!

つまり、「相続人となったら、まず自分たちで取り分を決めていい」ということ。それこそが遺産相続でトラブルとなるところなのです。

1.4.遺産相続でのトラブル

遺産相続でトラブルとなり、裁判にまで発展するケースは、なんと年間約12,188件

だからと言って、トラブルになりたくないからと、ほかの相続人の言いなりになってしまっては、遺産を1円も受け取れない・・・なんてことにもなりかねません。

遺産相続での、年間調停件数を財産別に見たとき、なんと1,000万円以下の場合でも、3割以上が揉めているです!

うちは、そんなに財産多くないし関係ないな、と思っていると、いざ遺産相続となった時、相続人の知識不足などによってトラブルに発展してしまうのです。

平成28年度司法統計:http://www.courts.go.jp/app/files/toukei/338/009338.pdf

対策としてあげられるのは、

  • 専門家への早めの相談
  • 基本的な知識を得ておくこと

そして、最大の対策は『財産目録』を作っておくこと。

自分にもしもの事が起こる前に、目録を作成しておけば、実際に遺産分割をする際に、相続人全員が財産を一覧で確認できるため、財産の独り占めや、財産を隠すといったトラブルを未然に防ぐことができます。

2.相続財産とは

では、財産目録を作るにあたって、財産となるものは何か?について見ていきましょう。

2.1.相続財産を調べる

相続財産には、プラスの財産と、マイナスの財産があります。

<プラスの財産>

  • 不動産: 土地、家、借地権 など
  • 動産: 自動車、テレビなどの家財、貴金属、美術品、骨とう品など
  • 現金や有価証券: 現金、預けているお金、保険金、株券など
  • その他: ゴルフ会員権など

<マイナスの財産>

  • 負債: 借金、住宅ローン、自動車ローンなど
  • 税金: 未払いの税金、固定資産税など
  • その他: 家賃、地代、未払いの医療費など

亡くなった人の財産を調べる場合、家の中にある重要書類を調べることはもちろんですが、郵便物やメールにも注意が必要です。

2.2.相続財産の評価とは

財産を把握したところで、次にに必要となるのは、その財産の価値を知ることです。

現金などは価値が分かりやすいのですが、土地、建物といった不動産の価値を決めることを、「評価する」といいます。では、その不動産は、どのように評価されるのでしょうか。

  • 土地の評価

国税庁で示す土地の値段(路線価)で評価され、路線価の表示のない地域は、固定資産税評価額によって決まります。これは、実際その土地を売買する価格と比べ、路線価は2~3割ほど安く、固定資産税評価額は3~4割ほど安くなります。

また、土地を第三者に貸している場合には、さらに2~3割ほど評価が落ちます。

  • 建物の評価

固定資産税評価額によって決まりますが、固定資産税評価額は、役場で閲覧することが可能です。こちらも、貸家の場合は評価が2~3割ほど落ちます。

  • マンションの評価

マンションは、登記簿謄本を確認すると、それぞれの持ち分が設定されています。土地と建物の評価方法により算出したマンション全体の評価額のうち、持ち分の割合がマンションの評価額として算出されます。また、同じように貸し部屋の場合は2~3割の評価減となります。

上記の通り、土地・建物の評価は実際の売買する価格よりも低くなっており、これは、遺産相続においては大きなメリットです!

それは、遺産相続をする際、財産に応じて「相続税」が決まるため、財産が多ければ多いほど、相続税も高くなるから。つまり、現金を所有しているより、不動産を所有していた方が財産として額が少なくなるため、相続税は少なくなります。

2.3.いつまでに、誰に相談する?

ここまで見てきた通り、財産を調べること、また財産目録を全て自分で作成することは、誰しも不慣れで大変な作業です。

早めに専門家に相談することが、遺産相続のトラブル対策にもなるのです。

遺産相続における専門家とは、弁護士・司法書士・行政書士・税理士のこと。

各々、細かい業務は異なりますが、相続財産の調査については全ての専門家が対応してくれます。

また、相続人となった人は被相続人が亡くなった日から3ヶ月以内に相続するかどうかを決めなければなりません。

死亡届の提出が済んで、遺産相続の手続きに入る際には早めに相談するようにしましょう。

3.相続税のキホンを知る

相続人として亡くなった人の財産を相続する際、必ず払わなければならないのが『相続税』です。

ここまで相続の基本を紹介してきましたが、やはり最も気になるのは、相続税をいくら払うのか?というところですよね。

3.1.相続税のキホン

相続税の税率は、受け取る金額によって異なり、下記表のように定められています。

法定相続分に応じた取得金額  相続税率  控除額
 1000万円以下  10%   –
 1000万円超〜3000万円以下  15%  50万円
 3000万円超〜5000万円以下  20%  200万円
 5000万円超〜1億円以下  30%  700万円
 1億円超〜2億円以下  40%  1700万円
 2億円超〜3億円以下  45%  2700万円
 3億円超〜6億円以下  50%  4200万円
 6億円超〜  55%  7200万円

平成27年(2015年)改正

3.2.相続税を減らすためには?

税率の表で計算すると、例えば受け取り額が1000万円であった場合、相続税は100万円となってしまうことになります。

*計算式:(1000万円×0.15)-50万円=100万円

 

相続税を減らすためには、まず控除制度を利用することです。控除制度とは、

  • 配偶者控除
  • 贈与税額控除
  • 未成年者控除
  • 障害者控除・・・など

控除制度については後で詳しく紹介しますが、先ほどの例で100万円の相続税の場合、相続人が配偶者のときは配偶者控の適用で相続税は0円!になるのです。

3.3.相続税の申告

相続税を計算したら、『相続税の申告』をする必要があります。この『相続税の申告』は、被相続人が亡くなった日から10か月以内に申告しなければなりません。

配偶者控除などを利用して、相続税が0円になった場合も申告は必要となるため、必須と思っておけば間違いありません。ただし、遺産分割のトラブルなどで期限に間に合わない場合は、とりあえず法定相続分の相続税を支払い、その後3年以内に更正の請求をすることができます。

4.基礎控除と配偶者控除について

相続税を計算する時に知っておかなければならないのが、この基礎控除や配偶者控除の控除制度です。これを見落とすと払わなくてもいい相続税を払ってしまうこともあるので、注意が必要です!

4.1.基礎控除とは

遺産相続をする際、法定相続人の人数によって財産を控除してくれる制度です。

3000万円+(600万円×法定相続人の人数)*平成27年(2015年)改正

例えば、相続人が配偶者と子ども1人の場合、4200万円の財産控除があるため、財産総額が4200万円以下であれば、相続税の支払いは必要ありません。

*計算式:3000万円+(600万円×2人)=4200万円

 

4.2.配偶者控除とは

配偶者は、亡くなった人と一緒に財産築いてきたことなどから、その財産にかかる相続税を優遇されるのが『配偶者控除』です。

配偶者控除は、受け取り額が1億6000万円以下または、法定相続分1/2以下であれば相続税を支払う必要はありません。

例えば、以下のような場合

  1. 財産総額が10億円、相続人が配偶者と子ども:法定相続割合で1/2の額、5億円を受け取る
  2. 財産総額が2億円、相続人は配偶者と子ども:相続人で協議の結果、法定相続割合を超えて配偶者が1億6000万円を受け取る

1、2どちらの場合でも、配偶者控除の範囲内であるため相続税は0円となります。

4.3.配偶者控除の落とし穴!

しかし、ここで注意したいのが先ほどの例2のような場合。法定割合を超えて、配偶者控除を利用できる最大額1億6000万円を相続したとします。

すると、当たり前ですがその配偶者の財産は1億6000万円増えることになります。すると今度は、その配偶者が相続をする側、つまり亡くなった時の事を考えてみましょう。

高齢の夫婦では、特に考える必要があるのですが、夫が亡くなった数年後に妻も亡くなってしまった時。その子どもは、父の財産を母を介して二度相続することになります。これを『二次相続』と言いますが、目先の節税のことばかり考えて決めてしまうと、二次相続の際、子どもが多額の相続税を払うことになるので、注意が必要です。

4.4.配偶者控除を受ける条件

では、配偶者控除を受ける条件とは何か。

  1. 婚姻関係にあること: 内縁関係は配偶者になりません。例え離婚調停中、別居中でも、離婚が成立していなければ配偶者として遺産相続できます。
  2. 相続税を申告すること:配偶者控除は、税務署に相続税の申告をすることで初めて控除を受けることができます。

4.5.さまざまな控除と非課税制度

遺産相続には、配偶者控除の他にも様々な控除制度があります。

  • 贈与税額控除:被相続人が亡くなる3年以内に財産を受け取り、それにかかる税金をすでに納めている場合は控除される。
  • 未成年者控除: 法定相続人が未成年の場合は、(20歳 ― 相続時の年齢)× 10万円が控除される。なお、産まれる前の胎児も相続人となります。なお、相続税額を超えた控除額は扶養義務者から控除する。
  • 障がい者控除: 法定相続人が障がい者の場合は、一般障害者(85歳-相続時の年齢)×10万円、特別障害者(85歳-相続時の年齢)×20万円が控除される。なお、相続税額を超えた控除額は扶養義務者から控除する。
  • 相次相続控除: 10年以内に続けて相続がある場合に控除の対象となる。一時相続での納税額と、経過年数を考慮して算出します。
  • 寄付金の控除: 特定の公益法人に寄付した場合は、相続税の対象外となる。
  • 特例(小規模宅地等の特例):小規模宅地として認めらる条件を全て満たす土地を相続する場合、土地の評価額を減額することができる。

遺産相続において、必ず起こるのがこの相続税の問題。相続税を軽減させるために、さまざまな仕組みはあるものの、知っていないと利用できないのが控除制度です。キホンを知って、専門家の力も借りながら、損をすることの無いようにしましょう。

5.相続税の計算、節税対策

控除制度について知ったところで、改めて相続税について具体的に計算してみましょう。

5.1.相続税の計算

夫が亡くなり、妻と子ども2人(兄弟)が相続人となるとき、法定相続割合で分割した場合の相続税を計算します。

土地 5000万円
 建物 2000万円
 現金・預金・有価証券 1500万円
死亡保険金 2000万円
総遺産額 1億500万円
 葬儀費用 △500万円
正味遺産額 1億円

*死亡保険金は、非課税分のみ計算。

<STEP1>課税価格の計算

まず、基礎控除3000万円+(600万円×法定相続人3人)=4800万 により正味遺産総額1億円のうち5200万円が課税価格となります。

ここで気を付けたいのは、葬儀費用は遺産総額から差し引いて計算していいということです。ただし、香典返しや初七日法要など葬儀費用として認められないものもありますので、注意が必要です。

<STEP2>相続税総額の計算

  • 妻:法定割合で分割すると、課税価格に対して1/2の2600万円なので、相続税率で計算すると相続税は340万円
  • 長男・次男:課税価格に対して1人当たり1/4の1300万円が分割割合なので、相続税は145万円

よって、340万円+(145万円×2人)=相続税総額は630万円となります。

<STEP3> 納付税額の計算

相続税額と遺産総額から実際に受け取った金額の割合で計算します。

  • 妻:相続税総額630万円×1/2(2600万円/5400万円)で315万円となりますが、配偶者控除が適用され納付税額は0円
  • 長男:630万円×1/4(1300万円/5400万円)で、納付税額は157.5万円
  • 次男:15歳の未成年であるため(20歳-15歳)×10万円=50万円が納付税額から控除され107.5万円

よって、この遺産相続の場合、この家庭の納付税額総額は265万円となります。

5.2.生前贈与で節税する

実際の納税額を計算しましたが、なんとか納税額を少なくする方法はないものか。家族が相続税で苦労することのないよう、生きている間にできる相続税対策の一つが『生前贈与』です。

将来の被相続人となる自分が、生きている間に遺産を相続人である家族に渡すことを贈与するといい、これに対しても『贈与税』を払う必要はありますが、贈与の課税方法はどのタイミングで課税されるかを選択することができます。

  • 暦年贈与年間で110万円までの贈与であれば、贈与税がかからず納税申告も必要ありません。

ただ、亡くなる3年前までの贈与は110万円以下だとしても財産に含まれるため、それにかかる相続税は払わなければなりません。しかし、逆に言えば3年以上前の贈与については財産に含まれないということ。財産総額から相続税を計算したときに、相続税がかかる見通しが高いのであれば、暦年贈与をすることで節税できることになります。

  • 相続時精算課税:合計2500万円までの贈与については贈与税がかからず、相続時に財産に含まれて相続税として税金がかかります。

ただ、相続時に財産として計算する際、その価値は、贈与した時の価格となります。株など、将来値上がりが予想されるものについては、相続時精算課税をすることで、将来の相続税を節税することになります。

生前贈与は、あくまで相続税がかかる見通しが高い場合の節税対策と考え、相続税がかからないのであれば必要ありません。

5.3.生命保険で節税する

生命保険金や死亡退職金は『みなし財産』と言い、契約時から受取人が決まっていて遺産分割をする必要のない財産のことです。しかし、この保険金も相続税の計算をする際は、財産に含まなければなりません。

ただし、このみなし財産は500万円×法定相続人の数が非課税となり、保険金から引いて計算することになっています。

現金を保険料として使って、家族への死亡保障に変えることでき、さらに法定相続人1人に対して500万円の非課税がある。相続税の節税を考えたとき、生命保険に加入することは大きな節税対策となります。

6.二次相続

4.3.配偶者控除の落とし穴!で紹介した二次相続について、5.の相続税の計算の例で考えてみましょう。

6.1 .二次相続とは

高齢の夫婦では、特に考える必要があるのですが、夫が亡くなった数年後に妻も亡くなってしまった時。その子どもは、父の財産を母を介して二度相続することになります。これを『二次相続』と言います。

6.2.二次相続の相続税を計算

配偶者控除の落とし穴である、配偶者控除1億6000万円まで相続して二次相続が発生した場合、一次相続、二次相続合わせた納付税総額はいくらになるのか計算してみましょう。

<例1> 一次相続で妻が1億6000万円を相続した場合

  • 一次相続
被相続人 相続人の相続額 納付税額

遺産総額 2億円

妻4/5:1億6000万円 4160万円だが、配偶者控除により0円
子ども1/10:2000万円 520万円
子ども1/10:2000万円 520万円

一次相続での納付税額は、1040万円となります。

  • 二次相続
被相続人 相続人の法定相続割合 納付税額

遺産総額 1億6000円

子ども1/2:8000万円 1700万円
子ども1/2:8000万円 1700万円

二次相続で、子ども2人が払う納付税額は3400万円となり、一次相続。二次相続でかかる納付税総額は4440万円となります。

 

<例2> 一次相続を法定相続割合で分割した場合

夫が亡くなり、妻と子ども2人が相続人となるとき、法定相続割合で分割した場合の相続税を計算します。

  • 一次相続
被相続人 相続人の法定相続割合 納付税額

遺産総額 2億円

妻1/2:1億円 1950万円だが、配偶者控除により0円
子ども1/4:5000万円 975万円
子ども1/4:5000万円 975万円

一次相続での納付税額は1950万円となります。

  • 二次相続
被相続人 相続人の法定相続割合 納付税額

遺産総額 1億円

子ども1/2:5000万円 975万円
子ども1/2:5000万円 975万円

二次相続で、子ども2人が払う納付税額は1950万円となり、一次相続。二次相続でかかる納付税総額は3900万円となります。

6.3.二次相続の対策

  • 一次相続の際、配偶者控除に頼りすぎない

一次相続で配偶者控除の限度まで利用して相続してしまうと、二次相続の相続人である子どもへの納付税負担が、かえって重くなってしまいます。先ほど計算した通り、納付税総額の差額540万円を節約するためには、二次相続のことも考えて、一次相続の続割合を決めなければなりません。

  • 相続登記は、二次相続の相続人に変えておく

相続財産に不動産がある場合は、『相続登記(不動産の名義変更)』を行わなければならないのですが、この相続登記にかかる費用は決して安い金額ではありません。

一次相続で妻に相続登記し、二次相続で今度は子どもへ名義変更をすることになると、手続きにかかる費用を二重で払うことになるため損をしてしまいます。これは、初めから二次相続の相続人にすることで対策できるのです。

  • 相次相続税控除を利用する

一次相続が発生して10年以内に、二次相続が発生することを、相次相続といいます。短い期間に、同じ財産に対して相続税が課されることになるため、この二重課税による税負担を軽減するのが『相次相続控除』です。

夫が亡くなった数年後に妻が亡くなった場合、相族人である子どもは短い期間で二度も相続が発生するため、このような場合には相次相続控除を利用しましょう。

7.最近の相続税改正まとめ

平成27年(2015年)に、相続税に関する法律が大きく改正されました。特に、基礎控除額の減額によって、今まで相続税を払う必要のなかった人にも関係してくるようになりました。このように、法律はどんどん変化していくもので、その都度しっかり内容を把握して、自分に関係あることか内容を精査する必要があります。

7.1.基礎控除の改定

 改正前

5000万円+(1000万円×法定相続人の数)

 改正後

3000万円+(600万円×法定相続人の数)

改正以前は、相続税がかかる遺産相続の割合は4%程度だったのですが、改正以降8%以上。つまり2倍近く上がっているというデータもあります。

7.2.税率の改正

高額の遺産相続について、税率が引き上げられています。

法定相続分に応じた取得金額  改正前  改正後
 1000万円以下  10%  10%
 1000万円超〜3000万円以下  15%  15%
 3000万円超〜5000万円以下  20%  20%
 5000万円超〜1億円以下  30%  30%
 1億円超〜2億円以下  40%  40%
 2億円超〜3億円以下  45%
 3億円超〜6億円以下  50%  50%
 6億円超〜  55%

7.3.税額控除の改正

  • 未成年者控除
 改正前

(20歳-相続時の年齢)×6万円

 改正後

(20歳-相続時の年齢)×10万円

  • 障害者控除
 改正前

(85歳-相続時の年齢)×6万円

特別障害者(85歳-相続時の年齢)×12万円

 改正後

(85歳-相続時の年齢)×10万円

特別障害者(85歳-相続時の年齢)×20万円

改正により、控除の幅が大幅に広がっています。どちらも、相続税額を超えた控除額は扶養義務者から控除されるため、該当する可能性が高くなりました。

7.4.小規模宅地特例の改定

 改正前

特定居住用宅地等240㎡ + 特定事業用等宅地等400㎡

合計で最大400㎡

 改正後

特定居住用宅地等330㎡ + 特定事業用等宅地等400㎡

合計で最大740㎡

小規模宅地特例とは、被相続人と同居、または別居でも生計を一つにしていた親族が、居住用・事業用に使用していた土地を相続するとき、という条件を満たす場合認められる特例です。これにより、土地の評価を50%~80%減額することができるのですが、この特例として認められる土地の面積が拡大されました。

8.まとめ

遺産相族について、自分にもしもの事があった場合を考えるヒントは得られたでしょうか?相続について、生きている間に準備できることはたくさんあるのです。

  • 相続のキホンを知ること

  • もしもの時の相続割合などを家族で話し合うこと

  • 自分の財産を知り、財産目録を作ること

  • 配偶者控除などの控除制度を知り、相続税を計算すること

  • 相続税を払えるだけの対策をして、相続すること

最近、『終活』という言葉があるように、余生の生き方や楽しみ方も、すべて自分で決め実行される方が多くなってきました。そしてそれは、亡くなった後の遺産相続についても同じです。遺された家族が、あなたが大切に築き上げてきた財産を円滑に相続するために、考え備えておくことは、未来の遺された家族のために大切なことなのです。

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