傷病手当金とはどんな制度?申請方法はどうするの?詳細に解説します!

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サラリーマンのような事業所に勤務する従業員の方々は、業務上の負傷・疾病により休職された場合に手厚い補償が法定されています。

では、業務とは関係のない私生活で負傷・疾病してしまい、休職を余儀なくされてしまった場合はどうなるでしょうか?

この場合にも、医療機関等で治療を受け休職している間、賃金を取得できない従業員とその家族のために、手当金の支給が行われます。

それが「傷病手当金」です。傷病手当金は、自分の毎月の給与と同じくらいの金額を支給されるというわけではないですが、支給金額は保険者(各健康保険組合)によって決められており、休職している間も安心して治療に専念できます。

しかし、ご自分が負傷・疾病して入院・治療等を受ければ、自動的に手当金が支給されるわけではなく、受給するためにはしかるべき手続き申請を行う必要があります。

また、申請したとしてもケースによっては傷病手当金が受け取れなかったり、減額されたりする場合もあります。傷病手当金を受給したい方々にとっては、非常に心配な点もあることでしょう。

そこで今回は、傷病手当金の申請に関して説明します。この記事を読めば、傷病手当金の特徴および申請に関しての基本的知識と、申請の際のいろいろな注意点について理解を深めることができるでしょう。

目次

1.傷病手当金について

  • 1-1.公傷病休暇と私傷病休暇
  • 1-2.傷病手当金とは
  • 1-3.傷病手当金の支給条件

2.傷病手当金の支給について

  • 2-1.傷病手当金の支給期間はどの位?
  • 2-2.支給される傷病手当金の金額
  • 2-3.事例をあげて金額を計算

3.傷病手当金の申請方法その1

  • 3-1.傷病手当金の申請の流れ
  • 3-2.療養担当者の意見書と事業主の証明が必要
  • 3-3.必要書類(共通)

4.傷病手当金の申請方法その2

  • 4-1.外傷の場合の添付書類
  • 4-2.交通事故等第三者行為の場合の添付書類
  • 4-3.被保険者死亡の場合の添付書類
  • 4-4.その他の場合の添付書類

5.傷病手当金の支給調整について

  • 5-1.申請しても傷病手当金が減額されることもある
  • 5-2.給与や、年金(障害年金)等を受けているケース
  • 5-3.労災保険から休業補償給付を受けているケース
  • 5-4.出産手当金を同時に受けられるケース

6.傷病手当金の申請に関するいろいろな疑問・注意点

  • 6-1.自分の病名を勤務先に知られないように申請できないか?
  • 6-2.傷病の記録が医療機関等に残り、保険に加入できないことも
  • 6-3.傷病手当金受給中ならば失業保険の受給は認められない

7.まとめ

1.傷病手当金について

業務上にしても業務外にしても、休職中に有給であったり、手当金が支給されたりすれば、安心して治療ができる。

このような従業員のための制度と、その制度の一つである傷病手当金について説明を受けたい・・・。

こちらでは、傷病休暇および傷病手当金について説明します。

1-1.公傷病休暇と私傷病休暇

傷病休暇とは、会社等の事業所へお勤めの方々であれば、長期的な入院・治療が必要になった場合に利用できる特別な休暇のことです。

傷病休暇は有給であるため、回復にそれなりの時間がかかってしまう傷病を負った場合でも、安心して入院・治療に専念できます。

ただし、この制度は事業所ごとに任意で決められている制度のため、傷病休暇がない事業所にお勤めの方は、利用することができません。

傷病休暇には、公傷病休暇と私傷病休暇の2種類があります。

①公傷病休暇

業務上の災害等により、病気やケガをした場合に適用されます。医療機関での入院・治療に関して労働保険が適用されます。給付内容としては「療養補償給付」があります。

この療養補償給付は、従業員が受けた療養自体が給付となる「現物給付」と、従業員が負担した療養費の全額負担が給付される「療養費用給付」があります。

もっとも、業務上の災害等により、病気やケガをした場合には、事業所で傷病休暇の定めの有無に限らず、労働基準法で休業中の補償は法定されています。

②私傷病休暇

業務外で病気やケガをしたら健康保険が適用されます。医療機関で入院・治療を行った場合は、給付内容として現物(療養)給付等があります。

この私傷病により健康保険から支給される手当金が「傷病手当金」です。

1-2.傷病手当金とは

従業員が業務外で病気やケガにより労務不能となり、賃金の支払われないことで、従業員本人やその家族が生活に困窮することを防ぐことを目的に、受け取れるお金が「傷病手当金」です。

国民健康保険には傷病手当金の制度が無く、健康保険(全国健康保険協会または各健康保険組合が保険者)に加入している方々が受けられます。

傷病手当金をどれくらい受け取れるか、支給期間等は全国健康保険協会(協会けんぽ)および各健康保険組合で、それぞれ異なる場合があります。

そのため、健康保険加入者は、ご自分の加入している健康保険組合の規程等を確認する必要があります。

1-3.傷病手当金の支給条件

傷病手当金の支給条件は、健康保険の保険者が定めています。そのため、全国健康保険協会(協会けんぽ)および各健康保険組合の場合で支給条件は若干異なることがあります。

なお、全国健康保険協会(協会けんぽ)とは、社会保険加入義務の発生した民間の事業所が、健康保険組合を組織していない場合に加入する、厚生労働省所管の公法人のことです。

傷病手当金の支給条件について、この協会けんぽの規程を参考に説明します。

[1]業務外の事由による病気・ケガの療養のための休業である場合

健康保険給付として受けられる療養の他、健康保険加入者が自費で診療を受けた場合、仕事に就くことができないという証明があれば傷病手当金の支給対象となります。医療機関への入院・治療のみならず自宅療養の期間も支給対象です。

ただし、通勤途中で災害あった場合等は労災保険が適用され、傷病手当金の対象外となります。また、美容整形のような病気と見なされない施術による療養等も支給対象外です。

[2]仕事に就くことができない場合

就労不能かどうかは健康保険加入者本人が判断するのではなく、療養担当者(医師)の意見等をもとに、健康保険加入者の業務内容を考慮して判断されます。

[3]連続する3日間を含み4日以上仕事に就けなかった場合

健康保険加入者が、業務外の病気・ケガの療養のため仕事を休んだ日から連続して3日間(待期)の後、4日目以降の仕事に就けなかった日に対して支給されることになります。

この待期には、有給休暇、土日・祝日等の公休日も含まれるので、給与の支払いの有無は関係ありません。

また、就労時間中に業務外で発生した病気やケガにより仕事が就労不能となった場合、その日を待期初日として起算されることになります。

説明だけではわかりにくいと思うので、待機の3日間に該当するケース、該当しないケースに分けて解説します。下表を参考にしてください。

○待機の3日間に該当するケース1

ケース1 待機1日目 2日目 3日目 傷病手当金受給
会社 出勤 休→

○待機の3日間に該当するケース2

ケース1 待機1日目 2日目 待機1日目 2日目 3日目 傷病手当金受給
会社 出勤 休→

○待機の3日間に該当しないケース

該当しないケース 待機1日目 2日目 待機1日目 2日目 受給できない
会社 出勤 出勤 休→

[4]休業した期間について給与の支払いがない場合

傷病手当金は、業務外の病気やケガ・休業している期間中の、従業員本人と家族の生活保障を目的とした制度であるため、給与が支払われている間は、原則として支給対象外です。

ただし、給与の支払いがあった場合でも、傷病手当金の金額よりも少ないならば、その差額分が支給されます。

2.傷病手当金の支給について

傷病手当金の支給条件には少々わかりにくい部分もあるが、傷病手当金は本人やその家族の生活保障のために頼りになる制度だ。

では、傷病手当金の支給期間や、その支給金額について詳しく知りたい・・・・。

こちらでは、傷病手当金の支給期間・支給される金額について説明します。

2-1.傷病手当金の支給期間はどの位?

傷病手当金が支給される期間は、支給開始した日から最長1年6ヵ月となります。

気をつけなければいけない点は、傷病手当金が1年6ヵ月分支給されるということではないということです。

つまり、1年6ヵ月の間に仕事に復帰した期間があり、その後、再び同じ病気・ケガにより就労不能になった場合でも、その間の復帰期間は1年6ヵ月に算入されることになります。

傷病手当金が支給開始されてから1年6ヵ月を超えた場合、依然として就労ができない状況であっても支給されることはありません。

こちらも各ケースに分けて解説します。下表を参考にしてください。

○支給される期間ケース1:支給が開始された日からずっと休んだ場合

ケース1 待機 傷病手当金が支給される期間 1年6ヵ月 1年6ヵ月経過 不支給
会社 3日間 休→

○支給される期間ケース2:仕事に復帰後、再び同じ病気・ケガで就労不能になった場合

ケース2 待機

傷病手当金が支給される期間 

1年

1ヵ月 支給される期間 

5ヵ月

1年6ヵ月経過

不支給

会社 3日間 出勤 休→

また、傷病手当金が支給される期間で問題となるのは、退職等によって被保険者資格が喪失した後でも支給されるか否かです。

こちらは次の条件に該当すれば傷病手当金が引き続き受給できます。

  • 資格喪失の日の前日(退職日等)まで被保険者期間が継続して1年以上あること

それに加え、

  • 現在、傷病手当金を受けていること

または、

  • 前述した支給条件[1]・[2]・[3]全てに合致すること

こちらも各ケースに分けて解説します。下表を参考にしてください。

○支給される期間ケース1:支給が開始されて1年1ヵ月後に退職(被保険者資格喪失)した場合

ケース1 待機 傷病手当金が支給される期間 

1年1ヵ月

 支給される期間 

5ヵ月

会社 3日間 退職し、仕事に就くことが不可能な状態→

○支給される期間ケース2:支給が開始されて1年1ヵ月後に退職(被保険者資格喪失)し、仕事に就くことが可能になった後、再び仕事に就くことが不可能な状態になった場合

ケース2 待機 傷病手当金が支給される期間 

1年1ヵ月

 支給される期間 

2ヵ月

1ヵ月

1年6ヵ月を超えていなくても

残り2ヵ月は支給されない

会社 3日間 退職し、仕事に就くことが

不可能な状態

仕事に就くことが

可能な状態

仕事に就くことが

不可能な状態

ケース2のように退職し、いったん仕事に就くことが可能になった後、再び仕事に就くことが不可能な状態になった場合は、1年6ヵ月を超えていなくとも傷病手当金は支給されません。

2-2.支給される傷病手当金の金額

傷病手当金の支給額はご自分の給与の約 2/3 が原則的な額になります。ただし、毎月の給与は残業時間等によって変動するため、毎月同じ金額となっているわけではありません。

そのため、傷病手当金の計算では、「標準報酬月額(※)」という値を用いて次のように計算します。

(支給開始日以前の継続した12ヵ月間の各月の標準報酬月額を平均した額)÷30日×2/3

なお、支給開始日以前の期間が12ヵ月間に満たないならば、

  • 支給開始日の属する月以前の継続した各月の標準報酬月額の平均額
  • 28万円(当該年度の前年度9月30日における全被保険者の同月の標準報酬月額を平均した額)

を比較して少ない方の金額を用いて計算します。

※標準報酬月額:毎年7月に各従業員について、従業員の給与を基準として各健康保険組合が決定する額のことです。

2-3.事例をあげて金額を計算

こちらでは事例をあげて傷病手当金の金額を算出してみます。

(事例)

  • 会社員:36歳男性
  • 被保険者:東京
  • 保険者:全国健康保険協会(協会けんぽ)
  • 傷病名:うつ病(労務不能)
  • 傷病手当金支給開始日:平成30年2月1日

支給開始日が平成30年2月1日なので、「支給開始日前の過去12ヶ月」は、「平成29年3月~平成30年2月」となります。

この期間の標準報酬月額を確認することになりますが、この期間中に標準報酬月額の定時決定期間が含まれています。

そのため、まず①「平成29年3月~平成29年8月」、②「平成29年9月~平成30年2月」の標準報酬月額をそれぞれ確認します。

①「平成29年3月~平成29年8月」では、事例の36歳男性の平成28年9月~平成29年8月までの標準報酬月額を計算します。

4月給与:290,000円
5月給与:300,000円
6月給与:310,000円

この3ヵ月分の給与の平均額を算出します。

29万円+30万円+31万円=90万円

90万円÷3ヵ月=30万円

標準報酬等級(※)は22等級となるので、「平成29年3月~平成29年8月」の標準報酬月額は30万円となります。

(※)標準報酬等級等については、協会けんぽホームページ「都道府県毎の保険料額表」を参考にしています。

②「平成29年9月~平成30年2月」では、事例の36歳男性の平成29年9月~平成30年8月までの標準報酬月額を計算します。

4月給与:300,000円
5月給与:310,000円
6月給与:320,000円

この3ヵ月分の給与の平均額を算出します。

30万円+31万円+32万円=93万円

93万円÷3ヵ月=31万円

標準報酬等級は22等級となるので、「平成29年9月~平成30年2月」の標準報酬月額は30万円となります。

そして、「(支給開始日以前の継続した12ヵ月間の各月の標準報酬月額を平均した額)÷30日×2/3」の計算式にあてはめて、傷病手当金の支給額(日額)を算出します。

{(30万円×6ヶ月+30万円×6ヶ月)÷12ヶ月}÷30日×2/3=6,667円

傷病手当金の支給額(日額)は6,667円となります。

3.傷病手当金の申請方法その1

傷病手当金の支給額(日額)の計算についてはわかった。では、傷病手当金の申請はどのように行えばよいのだろう?

傷病手当金の申請について詳細を知りたい。

こちらでは、傷病手当金の申請の流れ、及び必要書類(共通)について説明します。

3-1.傷病手当金の申請の流れ

傷病手当金は事後申請となります。最大2年間(1日単位で時効が進行)まで遡って請求することができます。

こちらでは、申請の流れは概ね協会けんぽ及び各健康保管組合も同様ですが、念のため事前に勤務先の総務課等に、申請手順を確認しておきましょう。

申請の基本的な流れは次の通りです。

  1. 業務外での傷病の発生(発症)
  2. 医師による診断
  3. 勤務先へ報告
  4. 申請書類を用意する
  5. 医師より証明を作成してもらう
  6. 勤務先に証明を作成してもらう
  7. 申請書等を保険者へ郵送・持参または勤務先の担当部署が提出

3-2.療養担当者の意見書と事業主の証明が必要

業務外の傷病が発生(発症)した場合は、いきなり申請者本人が必要書類を準備し、提出するだけで傷病手当金が受け取れるわけではなく、療養担当者(医師)と事業主の証明が必要になります。

○療養担当者(医師)の意見書

業務外の傷病が発生(発症)した場合は、医師からの労務不能状態であることを判断してもらう必要があります。

そして、傷病手当金支給申請書用紙欄の中には医師の証明が必要な箇所もあります(療養担当者の意見書)。必ず記載してもらいましょう。

○事業主の証明

傷病手当金支給申請書用紙欄には、事業主の記載欄もあります。こちらには、従業員が労務に服することができなかった期間を含む賃金計算期間の勤務状況、そして賃金支払状況等を記載することになります。

3-3.必要書類(共通)

傷病手当金の支給申請に共通して必要な書類は次の通りです。協会けんぽの必要書類を参考にしています(参照:全国健康保険協会ホームページ「健康保険傷病手当金支給申請書」)。

  • 傷病手当金支給申請書
  • 療養担当者の意見書:傷病手当金支給申請書に記載しますが、記載内容が多い場合、添付書類として申請書「療養担当者記入用」ページをコピーして使用しましょう。
  • 事業主の意見:こちらも傷病手当金支給申請書に記載しますが、記載内容が多い場合、添付書類として申請書「事業主記入用」ページをコピーして使用しましょう。

なお、初回の支給申請時および変更が生じる度に提出が必要なのは次の通りです。

  • 年金証書のコピー
  • 年金額改定通知書のコピー
  • 休業補償給付支給決定通知書のコピー

申請者本人の加入している健康保険組合によっては、追加の書類を要求される場合があります。

4.傷病手当金の申請方法その2

どのようなケースであっても、提出しなければならない申請書類についてはわかった。

それでは、業務外で自分が事故等に巻き込まれたという場合、傷病手当金の支給申請をしたい時には、どのような書類が必要なのだろう?

こちらでは、各ケースで必要な添付書類を説明します。

4-1.外傷の場合の添付書類

病気ではなく申請者がケガをした場合には「負傷原因届」を添付する必要があります。こちらも協会けんぽの添付書類を参考に説明します。

負傷原因届用紙には、申請者本人の被保険者証の番号や、氏名・生年月日・住所・電話番号はもとより、申請者(被保険者)本人または被扶養者がケガをしたのかや、ケガの名称・ケガの日時・場所・ケガの原因等を詳細に記載する必要があります。

なお、負傷原因届用紙には事業主が記載する欄もあります。漏れなく記載して傷病手当金支給申請書等と共に提出しましょう。

4-2.交通事故等第三者行為の場合の添付書類

業務外での交通事故やケンカなど、第三者の行為によるケガの場合には「第三者行為による傷病届」を添付します。こちらも協会けんぽの添付書類を参考に説明します。

届出者(申請者)の氏名・住所等の他、被害者の情報および加害者の情報や、事故発生日時等を記載する必要があります。

交通事故でケガをした場合には自賠責保険および任意保険の保険会社の情報等を記載します。

交通事故以外で飼い犬等に咬まれた、ケンカをしてケガをしたというような場合なら、事故発生状況を詳細に記載する欄もあります。

特にケンカのような届出者(申請者)本人にとって恥ずかしい内容であっても、やはり詳しく当時の情報を記載することが必要です。

4-3.被保険者死亡の場合の添付書類

残念なケースと言えますが、被保険者が傷病手当金の受給中に亡くなってしまうこともあります。

その場合には遺族の方へ傷病手当金が支給されることになります。その際の申請は、遺族(相続人)が行うことになります。

添付書類は被保険者との続柄・相続人であることを確認できる「(除籍)戸籍謄本または戸籍抄本」を用意します。本籍地の市区町村役場にて、当該書類を取得しましょう。

ただし、被扶養者である配偶者(夫または妻)が相続人である場合、省略可能なこともあります。事前に被保険者の勤務先や健康保険組合に確認しましょう。

4-4.その他の場合の添付書類

被保険者のマイナンバーを記載した場合にも添付書類が必要です。なお、被保険者の保険証にある記号番号を記載した場合には添付書類は不要です。

本人確認書類については次の通りです。

○マイナンバーカード(個人番号カード)を持っている場合

  • マイナンバーカード(個人番号カード)の表面・裏面のコピーを添付

○マイナンバーカード(個人番号カード)を持っていない場合

  • 個人番号通知のコピー、住民票(マイナンバー記載有り)、住民票記載事項証明書(マイナンバー記載有り)のいずれか
  • 運転免許証またはパスポート等のコピー

5.傷病手当金の支給調整について

傷病手当金の申請手続きについては良くわかった。しかし、申請をすればどんなケースでも傷病手当金は満額もらえるのだろうか?

減額されるようなケースがあれば教えてもらいたい・・・。

こちらでは、申請しても傷病手当金が減額されたり、もらえなかったりするケースを取り上げます。

5-1.申請しても傷病手当金が減額されることもある

傷病手当金は申請手続きをすれば、必ず「2.傷病手当金の支給について」で説明した支給金額通りに受け取れるわけではありません。

申請者本人が給与を受けていたり、年金を受給していたり、労災保険を給付されていたりする等、他の制度でお金を受け取っているような場合には、傷病手当金の支給調整がなされます。

これは、仕事を休んでいる申請者と実際に勤務している従業者の方々とで、手当金を支給する際に不公平にならないことを考慮した措置であり、やむを得ない一面があります。

こちらも協会けんぽの支給調整を参考に説明していきます。

5-2.給与や、年金(障害年金)等を受けているケース

申請者本人が給与や年金を受けていた場合、障害手当金の支給調整が行われます。

○給与の支払の場合

休んだ期間に給与の支払いがある場合、傷病手当金の支給は行われないことになります。

ただし、休んだ期間に給与の支払いがあっても給与(日額)が、傷病手当金の日額より少ないならばその差額が支給されます。

○障害厚生年金または障害手当金を受給している場合

同一の傷病等が原因で、厚生年金保険の障害厚生年金または障害手当金を受けているときも傷病手当金は支給されません。

ただし、障害厚生年金の額(同一支給事由の障害基礎年金が支給される場合はその合算額)の1/360が傷病手当金(日額)より少ないならば、その差額分が支給されます。

また、障害手当金の場合、傷病手当金の額の合計額が障害手当金の額に達することになる日まで、傷病手当金は支給されません。つまり、併給は認められません。

○老齢退職年金を受給している場合

資格喪失後に傷病手当金の継続給付を受けている方で、老齢退職年金を受けている場合は傷病手当金は支給されないことになります。

ただし、老齢退職年金の額の1/360が傷病手当金(日額)より少ない場合、その差額分が支給されます。

5-3.労災保険から休業補償給付を受けているケース

休業補償給付とは、業務上または通勤時に負傷または疾病によって、休業しなければいけない状況になった時、休業中の所得を補償するための給付制度です。

業務外で病気やケガのため労務不能となった場合でも、別の原因により労災保険からこの休業補償給付を受けている場合もあります。

その際、休業補償給付を受けている期間中、傷病手当金は支給されません。ただし、休業補償給付(日額)が傷病手当金(日額)より少ない場合なら、その差額分が支給されます。

5-4.出産手当金を同時に受けられるケース

出産手当金とは、出産のため勤務先を休業し、事業主から給与が受けられない場合に支給される手当金制度です。

平成28年3月までは出産手当金の支給があると、その期間中、傷病手当金の支給が認められなかったわけですが、平成28年4月以降は傷病手当金の額が出産手当金の額より多い場合、その差額を受け取ることができます。

6.傷病手当金の申請に関するいろいろな疑問・注意点

自分の受給している年金や他の手当金があると、傷病手当金の支給調整が行われることはわかった。

では、その他に傷病手当金の申請の際、中止なければいけない点等があれば教えてほしい。

こちらでは、いろいろな疑問点や注意点について取り上げます。

6-1.自分の病名を勤務先に知られないように申請できないか?

勤務先に自分の病名が知れてしまうと、噂になって困るというケースもあることでしょう。

その場合には、次のような流れで申請をしてみるのも一つの方法です。

  1. 保険者から郵送またはインターネットで申請書類を取得
  2. 申請用紙に必要事項を記載し勤務先へ提出、勤務先から申請用紙に記載してもらう。
  3. 勤務先から、記載された申請書および添付書類と一緒に申請者の自宅に郵送してもらう
  4. 医師に傷病名を記載してもらう
  5. 申請者本人が申請書等を保険者へ提出

ただし、このような申請の流れでも、勤務先から傷病名を問われることや、医師の記載がなければ応じない旨の返答があれば、傷病名を明確にする必要はあります。

6-2.傷病の記録が医療機関等に残り、保険に加入できないことも

ご自分が、病気やけがをした後に死亡保障・医療保障の大切さに気付いて、生命保険や医療保険等に加入しようとした場合でも、傷病歴によっては加入を拒否されるおそれがあります。

生命保険や医療保険等に加入を希望する際は、申込書の他、告知書への記載が必要です。この告知書へ正直に傷病歴があることを回答しないと、告知義務違反として契約解除になることがあります。

つまり、保険会社側は、一定の時期に医療機関の他、健康保険組合も調査対象とすることを意味します。

6-3.傷病手当金受給中ならば失業保険の受給は認められない

前述した「2-1.傷病手当金の支給期間はどの位?」でも指摘した通り、休職中に傷病手当金を申請し、職場復帰ができないまま退職した場合でも、傷病手当金を受け取れることがあります。

ただし、傷病手当金を受給している間は、失業保険を受給することが認められません。

なぜなら、失業保険を受給する条件として、「労働の意思及び能力があるにもかかわらず、職業に就けない状態」が明記されています(雇用保険法第4条第2項)。

つまり、傷病手当金を支給されている人は、「(労働の)能力が」無いことが条件であり、失業保険を受給する条件と異なるからです。

傷病手当金を受給し終わっても、残念ながら仕事に就くことができないという場合、障害年金を申請することを検討しましょう。

7.まとめ

傷病手当金の申請は、なかなか手間のかかる一面もありますが、ご自分と家族の困窮を回避するため、是非申請を検討しましょう。

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