小規模企業共済のデメリットを把握して、退職金のベストな準備方法を考えよう!

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小規模な企業を経営されている方や個人事業主の方は、企業にお勤めの方と異なり、公的年金制度で得られる保障額が少ないのをご存知でしょうか。

経営に頭を悩ませ、顧客満足度を得るために日夜努力をし、従業員を思いやり、苦労を積み重ねて自身の城、社員、家族を守り抜く。

そんないばらの道を歩んできた先に、退職金のようなまとまったお金が手元に残らない状況は、やるせないばかりでなく、生活そのものへの不安が募ることでしょう。

そんな方々の為に創設されたのが小規模企業共済ですが、中々難解な契約内容であるがゆえ、「結構みんな入っているし」「税理士さんも勧めてたし」「安心の為なら」と、安易に掛金を支払っていたりしませんか?

今回は、本当に小規模企業共済が有益なのか、メリット/デメリットを様々な角度から検証し、備えるべき未来への道をご一緒に検討してまいりたいと思います。

目次

1.小規模企業共済とは
1.1沿革
1.2基本概念
1.3概要
1.4加入実績

2.小規模企業共済のメリット1
2.1掛金の選択肢
2.2納付方法の選択肢
2.3納付例
2.4増減の選択肢
2.5前納の選択肢
2.6節税対策

3.小規模企業共済のメリット2
3.1共済金の種類①
3.2共済金の種類②
3.3共済金の種類③
3.4共済金の受取金額
3.5共済金の受取方法
3.6共済金受取に伴う税区分
3.7契約者死亡時の受取人

4.小規模企業共済のメリット3
4.1貸付金制度の種類
4.2一般貸付
4.3傷病災害時貸付
4.4創業転業時/新規事業展開貸付
4.5廃業準備貸付
4.6緊急経営安定貸付
4.7福祉対応貸付
4.8事業継承貸付

5.加入に関する情報
5.1加入資格
5.2手続き
5.3試算

6.小規模企業共済デメリット
6.1元本割れ
6.2保障
6.3運用
6.4課税

7.貯蓄性の高い生命保険での備え
7.1終身保険の活用
7.2養老保険の活用
7.3個人年金の活用

8.まとめ

1.小規模企業共済とは

小規模企業共済とは、簡単に申し上げると、小規模企業の経営者や役員、個人事業主の方を対象とした退職金制度です。

それぞれが掛金を投じ、それに応じた退職金や貸付などを受けられるようになっています。

そこで、小規模企業共済のメリット/デメリットのお話に入る前に、まずは基本的な情報から押さえておきましょう。

 

1.1沿革

小規模企業共済が発足されたのは、昭和40年とそう昔の話ではありません。

冒頭でも申し上げたとおり、企業にお勤めの方と比較すると、小規模事業の方々の公的年金制度で得られる保障額が少ない為、廃業や退職後の生活の安定を図ったり、事業再建の足がかりとすることを目的として構築されたシステムになっています。

 

1.2基本概念

まず第一にフォローすべきと考えたのが、「小規模事業者/個人事業者に退職金を設ける」と言う概念です。

そこで今一度、公的年金制度をおさらいしておきましょう。

現在3種類の公的年金制度が存在しており、日本国内に住所を置くすべての人に対して、加入が義務付けられています。

制度 概略
国民年金 日本国内に住む20歳以上60歳未満のすべての人。
厚生年金 厚生年金保険の適用を受ける会社に勤務する全ての人。
共済年金 公務員・私立学校教職員など。

公的年金制度は、現役世代が納める保険料を、高齢者などの年金に充当するという、世代対世代の支え合いの考え方に基づいた、システムです。

年金制度を体系別に見ると、以下のようになります。

基本的に日本国内に居住する20~60歳の全ての方々が保険料を納め、後々年金を受け取ることになっており、下記の条件での受け取りが可能となっています。

それでは次に、世帯における大まかな年金受給額を、見てまいりましょう。

年金の世帯としての受給額
夫婦の場合
夫婦ともども会社勤め 約28万8千円
(男性18万円+女性10万8千円)
男性:会社勤め

女性:会社勤めでない

約23万円
(男性18万円+女性5万円)
男性:会社勤めでない

女性:会社勤め

約15万8千円
(男性5万円+女性10万8千円)
夫婦共々会社勤めでない 約10万円
(男性5万円+女性5万円)
独身の場合
男性:会社勤めしてきた人 約18万円
男性:会社勤めでない人 約5万円
女性:会社勤めしてきた人 約10万円8千円
女性:会社勤めでない人 約5万円

小規模事業者の場合、企業勤務者と比較して、各段に受給額が低いことが分かります。

この不安要素を解消すべく、小規模企業共済が生まれたと言っても過言ではありません。

次に掲げられているのが、小規模企業の発展の促進です。

企業の発展を後押しをすることで、一般的な企業勤務の方々との生活の落差を埋める事を、目的としていると言う訳です。

 

1.3概要

小規模事業共済制度は、国家機関である中小機構が運営を担っており、中小企業の健全経営や発展を後押しすることを、目的としています。

 

1.4加入実績

昭和40年創設と、その歴史はそう古くはない制度ですが、実際の加入状況などがどうなっているかも、チェックしておきましょう。

現在の在籍人数 約132.7万人
資産運用残高 約9兆465億円
平成28年度の受給状況
共済金受給額 約5,136億円
共済金受給額の平均 1,082万円
共済金受給者の平均在籍年数 約19年

加入状況(加入人数/在籍人数)

共済金受給状況(共済金の金額/人数)

運用資産の割合と運用利回り

加入者数/在籍者数ともに伸びを見せており、やはりに小規模事業者の方には人気があることが、見て取れます。

 

2.小規模企業共済のメリット1

さて第1章にて、小規模企業共済のあらましをご理解いただいたところで、「実際のメリットはどうなの?」と言う声に、応えてまいりましょう。

まずは、試算を投じる掛金に関するメリットから、見てまいりましょう。

 

2.1掛金の選択肢

1つ目のメリットとして挙げられるのが、掛金額の選択肢の豊富さです。

月額掛金は、1,000円~7万円内であれば、何と500円単位で選択することが出来ます。

企業運営を行っている事業主にとっては、キャッシュフローに頭を悩ませるのは必定です。

限られた資源の中で、将来の為とは言え、投じている月々の掛金が負担となってしまっては、意味をなしません。

しかしながら500円単位であれば、無理ない範疇で掛金を投じられるので、この点は非常に秀逸だと言えるでしょう。

 

2.2納付方法の選択肢

次に挙げられるのが、掛金の納付方法の選択肢で、月払い/半年払い/年払いの3種が用意されています。

尚、掛金は個人口座から、毎月18日に振り替えが行われるように規定されています。

 

2.3納付例

加入後の初回掛金は、口座振替と現金納付とが用意されていますが、イメージを掴みやすくするために、納付方法の選択別に例を見ておきましょう。

初回の掛金から口座振替の場合

 

 

 

初回の掛金を現金支払する場合

 

 

それぞれ納付のタイミングが異なるので、経理状況に応じた納付方法の選択が必要です。

 

2.4増減の選択肢

会社の経営は、よい時もあれば悪い時もあるのが常です。

そんな波に応じて掛金を増減できる点も、小規模企業共済のメリットで、やはりこちらも掛金の選択肢でご説明したのと同様に、1,000円~7万円の範疇で、500円単位で設定しなおしが可能となっています。

しかしながら、解約してしまっては元も子もないので、掛金の調整が必要な場合はぜひ活用すべきポイントとなります。

2.5前納の選択肢

第2.2章で、納付方法に選択肢があることをお話しましたが、実は前納をすることにより生まれるメリットがあります。

それが「前納減額金」で、これは掛金を前納した共済契約者が、掛金月額と前納した月数により算出された額を受け取るものです。

経営上問題がない範疇だと判断した際には、この前納を活用することで、新たなメリットが生まれると言う訳です。

2.6節税対策

ここで気になるのが、税金です。

実は投じた掛金は、税法においてその全額が「小規模事業共済等掛け金控除」として、課税対象の所得から控除できるようになっています。

この点も大いなる魅力となるわけですが、一点注意事項があります。

第2.2章で、「掛金は個人口座から、毎月18日に振り替えが行われるように規定」とご案内したように、掛金はあくまでも個人が自身の収入から納付したものなので、会社経理上、損金や必要経費としては認めらていませんので、別個のものとしての認識が必要です。

実際に得られる節税の具体的数値を、下記の掛金ごとの節税額早見表を使ってイメージしていただければと思います。

 

3.小規模企業共済のメリット2

さて、前章にて掛金に関するメリットをご覧いただきましたので、この章では肝心かなめの「受取=共済金」に関するメリットを、見てまいりましょう。

まずは、受け取れる共済金にはどのようなものがあるのかを、見ておきましょう。

共済金A

・個人事業を廃業した時

・個人事業の廃業に伴い共同経営者を退任した時

・法人(株式会社など)が解散した時

共済金B

・法人(株式会社など)の役員が65歳以上で退任した時

・法人(株式会社など)の役員が疾病/怪我を理由に退任した時

・65歳以上で掛金を15年以上納付していて、老齢給付を請求した時

準共済金

・法人(株式会社など)の役員を65歳未満で自己都合で退任した時

解約手当金

・任意解約や機構解約(掛金を12か月以上滞納した場合)、共同経営者の任意退任などで、共済契約を解約した時

まずはこの情報を念頭に、次章にて自身が受け取れる共済金のケースを見て頂きたいと思います。

 

3.1共済金の種類①

このケースは、受取人が個人事業主の場合です。

共済金等の種類 請求事由
共済金A 個人事業を廃業した場合(*1)(*2)
共済契約者が死亡した場合
共済金B 老齢給付(65歳以上で180か月以上掛金を払い込んだ方)
準共済金 個人事業を法人成りした結果、加入資格がなくなったため、解約をした場合(*3)
解約手当金 任意解約 機構解約(掛金を12か月以上滞納した場合) 個人事業を法人成りした結果、加入資格はなくならなかったが、解約をした場合(*3)

*1 複数の事業を営んでいる場合は、全事業を廃止したことが条件

*2 平成28年3月以前に、配偶者または子へ事業の全部を譲渡した時は、「準共済金」に該当

*3 平成22年12月以前に加入した個人事業主が、金銭出資により法人成りをしたときは、「共済金A」に該当

複雑に映るかもしれませんが、今一度下記を思い出してご覧頂ければと思います。

共済金A

・個人事業を廃業した時

・個人事業の廃業に伴い共同経営者を退任した時

・法人(株式会社など)が解散した時

共済金B

・法人(株式会社など)の役員が65歳以上で退任した時

・法人(株式会社など)の役員が疾病/怪我を理由に退任した時

・65歳以上で掛金を15年以上納付していて、老齢給付を請求した時

準共済金
・法人(株式会社など)の役員を65歳未満で自己都合で退任した時

解約手当金

・任意解約や機構解約(掛金を12か月以上滞納した場合)、共同経営者の任意退任などで、共済契約を解約した時

 

3.2共済金の種類②

このケースは、受取人が法人(株式会社など)の役員の場合です。

共済金等の種類 請求事由
共済金A 法人が解散した場合
共済金B 病気、怪我の理由により、または65歳以上で役員を退任した場合(*4)
共済契約者の方が亡くなられた場合 老齢給付(65歳以上で180か月以上掛金を払い込んだ方)
準共済金 法人の解散、病気、怪我以外の理由により、または65歳未満で役員を退任した場合
解約手当金 任意解約 機構解約(掛金を12か月以上滞納した場合)

*4平成28年3月以前に、病気または怪我以外の理由による退任をしたときは、「準共済金」に該当

 

3.3共済金の種類③

最後のケースは、受取人が共同経営者の場合です。

共済金等の種類 請求事由
共済金A 個人事業主の廃業に伴い、共同経営者を退任した場合(*5)(*6)
病気や怪我のため共同経営者を退任した場合 共済契約者の方が亡くなられた場合
共済金B 老齢給付(65歳以上で180か月以上掛金を払い込んだ方)
準共済金 個人事業を法人成りした結果、加入資格がなくなったため、解約をする場合
解約手当金 任意解約 機構解約(掛金を12か月以上滞納した場合)
共同経営者の任意退任による解約(*7)
個人事業を法人成りした結果、加入資格はなくならなかったが、解約をする場合

*5 事業主が複数の事業を営んでいる場合は、そのすべての事業を廃止したことが条件

*6 平成28年3月以前に、配偶者または子へ事業の全部を譲渡した時は、「準共済金」が該当

*7 転職/独立開業/のれん分けなどで共同経営者を退任した場合も、任意退任扱い

ただしここで、注意いただきたいことがございます。

掛金納付月数が6カ月未満→共済金A/B共に受取不可

掛金納付月数が12カ月未満→準共済金/解約手当金の受取不可

生命保険などで言うところの待期期間にあたる上記規定期間は、きちんと把握しておきましょう。

 

3.4共済金の受取金額

次は、最も気になる受け取れる共済金の額を、チェックしてまいりましょう。

共済金は、下記の2種類が用意されています。

基本共済金=掛金月額×掛金納付月数をベースに、共済事由ごとに小規模企業共済法施行令で規定される金額

付加共済金=毎年度の運用実績に応じ、経済産業大臣が毎年度定める率によって算出される金額

最終的に受け取る共済金は

基本共済金+付加共済金

と、なるわけです。

なお、気になる掛金の運用部分ですが、予定利率は1.0%と制定されています。

理論はご理解いただけたところなので、まずは基本共済金の算出例を併せて見ておきましょう。

加入 平成N年4月に掛金月額10,000円で加入(A)
増減
平成N+5年4月に掛金月額20,000円増額(B)
平成N+10年4月に掛金月額20,000円増額(C)
脱退 平成N+15年3月に個人事業の廃止をされた場合(共済金A)

 

区分 掛金月額 掛金納付
月数
掛金納付
合計額
掛金月額500円(1口)
あたりの額
基本共済金額
(A) 10,000円
(500円×20口)
180か月 1,800,000円 100,550円
(ア)
2,011,000円
(ア)×20口
(B) 20,000円
(500円×40口)
120か月 2,400,000円 64,530円
(イ)
2,581,200円
(イ)×40口
(C) 20,000円
(500円×40口)
60か月 1,200,000円 31,070円
(ウ)
1,242,800円
(ウ)×40口
合計 5,835,000円

ここで、簡単な基本共済金の受取例早見表を、見ておきましょう。

掛金納付年数 5年(掛金合計額:600,000円)
共済金A 621,400円
共済金B 614,600円
準共済金 600,000円
掛金納付年数 10年(掛金合計額:1,200,000円)
共済金A 1,290,600円
共済金B 1,260,800円
準共済金 1,200,000円
掛金納付年数 15年(掛金合計額:1,800,000円)
共済金A 2,011,000円
共済金B 1,940,400円
準共済金 1,800,000円
掛金納付年数 20年(掛金合計額:2,400,000円)
共済金A 2,786,400円
共済金B 2,658,800円
準共済金 2,419,500円

かなりのリターンを有している点は、秀逸です。

銀行金利0.00%とは、比較にすらならない魅力的なポイントです。

 

次は、付加共済金部分を見てまいりましょう。

先述にもあるように、運用実績に応じて基本共済金に上乗せをされる部分で、脱退時に一括で受け取れるようになっています。

ただし、解約手当金は対象外ですので、注意が必要です。

こちらもいたってシンプルな数式で、

基準月ごとの付加共済金額=基準月における仮定共済金額×基準月の年度の支給率

*基準月=掛金納付月数が36+12×n(n:整数)

*仮定共済金額=基準月で脱退することを仮定した基本共済金額

*支給率=経済産業大臣が制定

と、規定されています。

それでは、付加共済金の算出例を見てまいりましょう。

加入 平成N年9月に掛金月額10,000円(500円×20口)で加入
増額 なし
脱退 平成N+5年6月に個人事業の廃止をした場合(共済金A)
支給率 平成N+3年度が0.0003、平成N+4年度が0.0004、平成N+5年度が0.0005だった場合

 

掛金月額 掛金納付月数 掛金納付
合計額
掛金月額500円(1口)
あたりの額
基本共済金額
年度 掛金納付月数 仮定共済金額 支給率 脱退端数月 付加共済金額
平成N+3年度 36か月
(基準月)
18,370円
(ア)
0.0003
(エ)
なし 110.22円
(ア)×(エ)×20口
平成N+4年度 48か月
(基準月)
24,670円
(イ)
0.0004
(オ)
なし 197.36円
(イ)×(オ)×20口
平成N+5年度 58か月
(脱退端数月)
30,000円
(基本共済金額)
(ウ)
0.0005
(カ)
10か月
(58か月-
48か月)
250.00円
(ウ)×(カ)×20口
×10月/12月
合計 557.58円

※付加共済金の額の合計が基本共済金(600,000円=30,000円×20口)に加算

いずれにせよ、かなりのリターンが得られることは、何をおいても優先されるべき点なので、小規模企業共済はメリットが高いと言うことが言えるでしょう。

 

3.5共済金の受取方法

ここまでで、基本共済金+付加共済金による受取共済額合計が、試算できるようになりましたので、次はそれらの受取方法を見ておきましょう。

受取には、下記の3種類が用意されています。

①一括受取

②分割受け取り

③一括受取り+分割受け取り(併用型)

ただし②③は、受取に際して下記の条件をクリアしている必要があります。

・共済金A

・共済金B

・請求事由が共済契約者の死亡ではないこと

・請求事由が発生した日に60歳以上

・②分割受け取り≧300万円

・③≧330万円(一括≧30万円/分割受け取り≧300万円 )

呼称の独自性が強いので、混乱しがちですが、いたってシンプルですので、慌てなくても大丈夫です。

 

3.6共済金受取に伴う税区分

共済金/解約手当金は、受取年齢や受取回数によって、税区分が異なります。

下記は受取方法別に見た、税区分となります。

受取方法 税法上の扱い
共済金または準共済金を一括で受け取る場合 退職所得扱い
共済金を分割で受け取る場合 公的年金等の雑所得扱い
共済金を一括/分割併用で受け取る場合 (一括分)退職所得扱い
(分割分)公的年金等の雑所得扱い
遺族が共済金を受け取る場合(死亡退職金) (相続税法上)みなし相続財産
65歳以上の方が任意解約をするまたは65歳以上の共同経営者が任意退任をする場合 退職所得扱い
65歳未満の方が任意解約をするまたは65歳未満の共同経営者が任意退任をする場合 一時所得扱い
12か月以上の掛金の未払いによる解約(機構解約)で解約手当金を受け取る場合 一時所得扱い

端的に申し上げると、下記のメリットが発生すると言う訳です。

一括受取共済金=退職所得扱いで、税金が優遇

分割受取共済金=公的年金等の雑所得扱で、税金が優遇

 

3.7契約者死亡時の受取人

次は、共済契約者死亡によって、共済金を受け取れる方の範囲/順位を、見ておきましょう。

これは民法上の相続に関する原則とは異なり、小規模企業共済法に基づいています。

共済金は相続対象ではありませんが、みなし財産(生命保険の保険金/死亡退職など、死亡により発生するみなし部分の財産)とされているので、相続税の申告は必要となります。

なお、受け取る方が誰もいないと言う状況下では共済金の支給はなされませんので注意が必要です。

受給権順位 続柄 備考
第1順位者 配偶者 内縁関係者も含む(戸籍上の届出はしてないが、事実上婚姻と同様の事情にあった方)
第2順位者
共済契約者が亡くなった当時、主として共済契約者の収入によって生計を維持していた方
第3順位者 父母
第4順位者
第5順位者 祖父母
第6順位者 兄弟姉妹
第7順位者 そのほかの親族
第8順位者
共済契約者が亡くなった当時、主として共済契約者の収入によって生計を維持していなかった方
第9順位者 父母
第10順位者
第11順位者 祖父母
第12順位者 兄弟姉妹
第13順位者 曾孫
第14順位者 甥・姪

 

4.小規模企業共済のメリット3

ここからは全く別方向からのメリットとして、貸付制度を見てまいりましょう。

この制度は、投じた掛金に応じた貸付限度額の範疇で、事業資金を借りれることが出来るようになっております。

4.1貸付金制度の種類

貸付金制度は、バリエーションが豊富で、下記に大別されます。

一般貸付制度
傷病災害などの貸付
創業時/新規事業展開などの貸付
廃業準備貸付
緊急経営安定貸付
福祉対応貸付
事業継承貸付

それではそれぞれの特徴を、次章より順次見てまいりましょう。

 

4.2一般貸付

万が一の際に、事業資金を迅速に借り入れられるよう制定されているのが、一般貸付で下記のようになっています。

借入限度額

掛金納付月数により、掛金の7~9割で、10万円以上2,000万円以内(5万円単位)

借入期間

借入金額に応じて、下記から選択

借入金額 借入期間
100万円以下 6カ月/12カ月
105~300万円 6カ月/12カ月/24カ月
305~500万円 6カ月/12カ月/24カ月/36カ月
500万円以上 6カ月/12カ月/24カ月/36カ月/60カ月

返済方法

借入期間に応じて、下記に準ずる

借入期間 返済方法
6カ月/12カ月 無限一括償還
24カ月/36カ月/60カ月 6カ月ごとの元金均等割賦償還*

*返済金額のうち、元金だけが均等になる返済方法(返済が進み元金が減るにつれ、利子が少なくなる)

利率

年1.5%

利子の支払い方法

期限一括償還=借入時に一括前払い

割賦償還=借入時および返済時に6か月分前払い

延滞利子

年14.6%

返済が滞ってしまうと延滞利子がついてしまうので、計画的な制度活用が大前提となります。

 

4.3傷病災害時貸付

こちらは、疾病/けがによる入院や、被災時の経営安定化の為、事業資金を低金利で借り入れができるように制定されています。

借入限度額

掛金納付月数により掛金の7~9割で、50万円以上1,000万円以内(5万円単位)

尚、下記計算式で算出された金額が1,000万円を超過した場合は、この算出結果分まで借り入れが可能

(流動負債-当座資金)+1/2(給与+賃金+その他経費)

借入期間

借入金額に応じて、下記から選択

借入金額 借入期間
500万円以下 36カ月
505万円以上 60カ月

返済方法

6カ月ごとの元金均等割賦償還

*返済金額のうち、元金だけが均等になる返済方法(返済が進み元金が減るにつれ、利子が少なくなる)

利率

年0.9%

利子の支払い方法

貸付時/償還時に6か月分前払い

延滞利子

年14.6%

やはり疾病や災害などの不慮の事態に対応すべく作られた制度なので、利率は押さえられています。

 

4.4創業転業時/新規事業展開貸付

新規事業/転業/事業多角化に必要な資金を、低金利で提供する制度です。

借入限度額

掛金納付月数により掛金の7~9割で、50万円以上1,000万円以内(5万円単位)

借入期間

借入金額に応じて、下記から選択

借入金額 借入期間
500万円以下 36カ月
505万円以上 60カ月

返済方法

6カ月ごとの元金均等割賦償還

*返済金額のうち、元金だけが均等になる返済方法(返済が進み元金が減るにつれ、利子が少なくなる)

利率

年0.9%

利子の支払い方法

貸付時/償還時に6か月分前払い

延滞利子

年14.6%

事業の発展を後押しすべく制定された制度なので、一般貸付よりもに低い利率なっています。

 

4.5廃業準備貸付

個人事業の廃止/会社の解散をスムーズに行う為の資金を、低金利で借りられる制度です。

借入限度額

掛金納付月数により掛金の7~9割で、50万円以上1,000万円以内(5万円単位)

借入期間

12ヵ月

返済方法

無期限一括償還

利率

年0.9%

利子の支払い方法

借入時に一括前払い

延滞利子

年14.6%

この制度は廃業予定日の1年前から、利用できます。

設備の処分費用/事業債務の清算/廃業に要する賃金など、色々なところでお金が出て行ってしまうので、心強い味方になる制度です。

 

4.6緊急経営安定貸付

経済環境の変化などによって資金繰りが厳しくなった時、経営安定化を図る為に、低金利で事業資金を借り入れることが出来る制度です。

借入限度額

掛金納付月数により掛金の7~9割で、50万円以上1,000万円以内(5万円単位)

借入期間

借入金額に応じて、下記から選択

借入金額 借入期間
500万円以下 36カ月
505万円以上 60カ月

返済方法

6カ月ごとの元金均等割賦償還

*返済金額のうち、元金だけが均等になる返済方法(返済が進み元金が減るにつれ、利子が少なくなる)

利率

年0.9%

利子の支払い方法

貸付時/償還時に6か月分前払い

延滞利子

年14.6%

経済環境は目まぐるしく変化するもので、その変化が常に吉と出るとは限りませんので、まさに緊急時には渡りに船な制度です。

 

4.7福祉対応貸付

共済契約者/同居親族の闘病/介護環境向上のために必要とされる、住宅改造費/福祉機器購入費をあがなうべく、低金利で借り入れができる制度です。

借入限度額

掛金納付月数により掛金の7~9割で、50万円以上1,000万円以内(5万円単位)

借入期間

借入金額に応じて、下記から選択

借入金額 借入期間
500万円以下 36カ月
505万円以上 60カ月

返済方法

6カ月ごとの元金均等割賦償還

*返済金額のうち、元金だけが均等になる返済方法(返済が進み元金が減るにつれ、利子が少なくなる)

利率

年0.9%

利子の支払い方法

貸付時/償還時に6か月分前払い

延滞利子

年14.6%

契約者本人であれ家族であれ、闘病や介護は、心身共に負担が掛かるばかりでなく、経済的不安がのしかかります。

そんな時、低金利で借り入れができるこの制度は、家族の不安や経済的負担軽減に、大きく役立ってくれます。

 

4.8事業継承貸付

事業用資産/株式取得などの事業継承の際に必要となる資金を、低金利で借り入れができる制度です。

借入限度額

掛金納付月数により掛金の7~9割で、50万円以上1,000万円以内(5万円単位)

借入期間

借入金額に応じて、下記から選択

借入金額 借入期間
500万円以下 36カ月
505万円以上 60カ月

返済方法

6カ月ごとの元金均等割賦償還

*返済金額のうち、元金だけが均等になる返済方法(返済が進み元金が減るにつれ、利子が少なくなる)

利率

年0.9%

利子の支払い方法

貸付時/償還時に6か月分前払い

延滞利子

年14.6%

個人事業主や小規模企業において、世代交代などによる事業継承は何かと物入りなので、ぜひ有効活用したい制度です。

 

5.加入に関する情報

ここまでで、小規模企業共済のメリットの数々をご覧いただき、加入検討を視野に入れた方も少なからずいらっしゃることだと思います。

そこでこの章では、加入に関する情報をお届けしたいと思います。

 

5.1加入資格

まずは肝心かなめの加入資格から、見てまいりましょう。

建設業

製造業

運輸業

サービス業(宿泊業/娯楽業限定)

不動産業/不動産業

*常時雇用従業員数が20人以下の個人事業主または会社役員

商業(卸売業/小売業)

サービス業(宿泊業/娯楽業を除く)

*常時雇用従業員数が5人以下の個人事業主または会社役員

事業従事の組合員が20人以下の企業組合役員

常時雇用の従業音が20人以下の協業組合役員

常時雇用の従業員が20人以上で、主に農業を経営としている農事組合法人の役員

常時雇用の従業員が5人以下の弁護士法人

税理士法人などの士業法人の役員

①②に該当する個人事業主が営む事業経営に関わる、要同経営者

*個人事業主1人につき2人まで

 

それではここで、注意点も見ておきましょう。

*2つ以上の事業を展開している事業主/共同経営者は、メインとなる事業の業種で加入

*常時雇用の従業員に、家族従業員/共同経営者(2人まで)は含まれない

これらすべてをクリアできれば、晴れて加入できる運びとなります。

 

5.2手続き

加入条件をご理解をいただいたところで、この章では手続き方法を見てまいりましょう。

①必要書類の入手

個人事業主の場合

・確定申告書控え

法人(株式会社など)の役員の場合

・役員登記されていることが確認できる書類

・履歴事項全部証明書(商業/法人登記簿謄本)など交付後3か月以内の要原本

共同経営者の場合

・個人事業主の確定申告書の控え*事業を始めたばかりで確定申告書がない場合は、「開業届」の控え

・個人事業主と締結した共同経営契約書の写し*指定様式はなし(事業に必要な資金の負担/出資していることを確認できる金銭消費貸借契約書/出資契約書の写しでも代用可)

・報酬の支払い事実が確認できる書類*社会保険の標準報酬月額通知/青色申告決算書/白色申告決算書/賃金台帳/国民健康保険/介護保険料簡易申告書等のいずれか

共通する中小機構書類

・契約申込書

・預金口座振替申出書

②所定書類への記入

③加入手続き

中小機構が業務委託契約を結んでいる、下記団体/金融機関窓口へ申し込み

委託団体 商工会
商工会議所
中小企業団体中央会
事業協同組合
青色申告会
損保ジャパン日本興亜株式会社
アクサ生命保険株式会社
代理店 都市銀行
信託銀行
地方銀行
第二地方銀行
信用金庫
信用組合
商工組合中央金庫
農業協同組合(30都道府県)

*加入手続きを行う窓口によって手続きが異なる

*郵送による書類提出は不可

*初回の掛金を現金で支払う場合は、払込区分(1か月/半年/1年)に応じた金額を用意

*前納の場合は、その分の現金を用意

 代理店(金融機関)一覧 -加入-【平成30年5月17日現在】

 

5.3試算

将来的に受け取れる共済金や、加入後の節税効果を公式ホームページ上で算出できるよう、情報公開がなされていますので、ぜひ活用しましょう。

*平成28年4月1日現在の法令に基づいて試算

*加入後の節税額は、掛金を1年間払い込んだ前提で試算

*住民税均等割額は自治体によって異なるが、5,000円で試算

*所得税は、復興特別所得税を含めて計算

*共済金の試算額は、税引き前の金額

 

6.小規模企業共済デメリット

ここまでご覧いただいた中で、小規模事業共済に対する大いなるメリットを、感じられたことでしょう。

でも、少々お待ち下さい。

デメリットが存在しないと言うことなど、どのような制度であれ皆無です。

そこでこの章では、小規模企業共済のデメリットを、チェックしておきましょう。

 

6.1元本割れ

ここで今一度、第3.1章でお伝えした下記を、思い出して下さい。

解約手当金

・任意解約や機構解約、共同経営者の任意退任などで、共済契約を解約した時

この解約手当金は、掛金の納付月数に応じており、掛金合計額の80~120%相当額と規定されています。

そればかりでなく、12カ月未満の解約におけるこの手当はなんと0円です。

そこで下記の、「掛金払込月数が240カ月未満の場合の解約手当金割合一覧」をご覧ください。

払込か月数 返戻率
12か月未満 0%
12か月〜84か月 80.00%
84か月〜90か月 80.50%
90か月〜96か月 81.25%
96か月〜102か月 82.00%
102か月〜108か月 82.75%
108か月〜114か月 83.50%
114か月〜120か月 84.25%
120か月〜126か月 85.00%
126か月〜132か月 85.75%
132か月〜138か月 86.50%
138か月〜144か月 87.25%
144か月〜150か月 88.00%
150か月〜156か月 88.75%
156か月〜162か月 89.50%
162か月〜168か月 90.25%
168か月〜174か月 91.00%
174か月〜180か月 91.75%
180か月〜186か月 92.50%
186か月〜192か月 93.25%
192か月〜198か月 94.00%
198か月〜204か月 94.75%
204か月〜210か月 95.50%
210か月〜216か月 96.25%
216か月〜222か月 97.00%
222か月〜228か月 97.75%
228か月〜234か月 98.50%
234か月〜240か月 99.25%
240か月〜246か月 100.00%
246か月〜486か月 246か月以降6か月毎に0.25%アップ
486か月で110%
486か月〜720か月 720か月で120%。

つまりは、240カ月たたずに解約をしてしまうと、確実に元本割れを引き起こすことになります。

つまり経済的体力があることを前提に掛金を設定しなければ、損をすることになります。

ただし、ご安心下さい。

共済金A

・個人事業を廃業した時

・個人事業の廃業に伴い共同経営者を退任した時

・法人(株式会社など)が解散した時

共済金B

・法人(株式会社など)の役員が65歳以上で退任した時

・法人(株式会社など)の役員が疾病/怪我を理由に退任した時

・65歳以上で掛金を15年以上納付していて、老齢給付を請求した時

準共済金

・法人(株式会社など)の役員を65歳未満で自己都合で退任した時

これらに該当してる場合は、240カ月払い続けなくても、満額が返済されるようになっています。

ただし、下記期間前に解約してしまうと、返済金は0円です。

共済金A/B≦6カ月

準備共済金≦12カ月

 

6.2保障

保障と言うと思い起こされるのが、生命保険商品です。

小規模事業共済と同様に、保険料を毎月投じるスタイルは類似しており、共済金のように有事の際や死亡時にはまとまった保険金が受け取れます。

しかしながら両者の違いは、万が一に備えられる各種保障が付帯しているか否かです。

つまり小規模事業共済では、万が一を誰も保障してくれないと言うデメリットが発生するのです。

定期保険 掛捨て型

10年20年といった形で保険期間が定まっていて、契約期間中の被保険者の死亡に対して、

死亡保険金が支払われる。

生存のまま満期を迎えると契約満了となり、満期金や中途解約による解約返戻金などの支給はないが

定額な掛け金で死亡時にまとまった保険金を受け取れるので、汎用性が高い。

終身保険 貯蓄型

一生涯が保険期間となり、規定の期間を超過すると解約返戻金が受け取れる。

死亡保険金も当然受け取ることができ、解約返戻金(規定期間超過が必須)/死亡保険共に払込済み保険料を

割り込むことなく、高金利に設定されている。

養老保険 貯蓄型

10年20年といった形で、保険期間が定まっていて、規定の期間を超過すると、解約返戻金が受け取れる。

また、保険期間満了時には満期金が受け取れ、生命保険の中で最も高金利に設定されている。

特に掛捨て型ではない貯蓄型生命保険は、「保障+死亡保険金/解約返戻金/満期金/祝い金」と言った重厚なつくりになっているので、同じ金額を家計から捻出することを考えた場合、断然生命保険の方がメリット面では勝ります。

 

6.3運用

金融商品と同様に、皆さんが納めている小規模事業共済の掛金は、資産増を図る為に実に様々な運用がなされており、その運用実績に応じた利益部分が、加入者に還元されます。

それが、第3.4章でご紹介した、

付加共済金=毎年度の運用実績に応じ、経済産業大臣が毎年度定める率によって算出される金額

です。

現時点での利率は1.0%に設定されているため、軒並み0.0%を切っている銀行預金の利率よりも、はるかに優位な設定がなされています。

銀行名 区分 利息入金時期 金利
イオン銀行 普通預金(イオンカードセレクト) 2月・8月 0.12%
楽天銀行 普通預金(マネーブリッジご利用者) 3月・9月 0.10%
楽天銀行 普通預金(楽天カードのカード利用金額の引落があるお客さま) 3月・9月 0.04%
イオン銀行 普通預金 2月・8月 0.02%
オリックス銀行 eダイレクト預金 普通預金 毎月初め 0.02%
楽天銀行 普通預金 3月・9月 0.02%
野村信託銀行 普通預金 2月・8月 0.02%
ジャパンネット銀行 普通預金 100万円以上 毎月初め 0.02%
ジャパンネット銀行 普通預金 100万円未満 毎月初め 0.01%
住信SBIネット銀行 SBIハイブリッド預金 100万円未満 第3日曜日 0.01%
住信SBIネット銀行 SBIハイブリッド預金 100万円以上 第3日曜日 0.01%
大和ネクスト銀行 普通預金 2月・8月 0.01%
新生銀行 普通預金 新生プラチナ優遇後金利 1000万円以上 毎月 0.00%
新生銀行 普通預金 1000万円以上 毎月 0.00%

しかしながら小規模事業共済では、掛金を諸事情により減額してしまうと、その部分は運用されなくなってしまう為、付加共済金に反映されなくなります。

一時的に苦境に立たされ、掛金の減額をしなければならない状況を迎えることもあるでしょう。

よって、下記を念頭に置いての加入としましょう。

・可能な限り減額はしない

・減額した場合は、状況が好転し次第、もとに戻す

・減額せずに済む掛金設定から始め、余裕が生まれたら増額

 

6.4課税

第3.6章でご紹介した税区分を、今一度思い出して下さい。

受取方法 税法上の扱い
共済金または準共済金を一括で受け取る場合 退職所得扱い
共済金を分割で受け取る場合 公的年金等の雑所得扱い
共済金を一括/分割併用で受け取る場合 (一括分)退職所得扱い
(分割分)公的年金等の雑所得扱い
遺族が共済金を受け取る場合(死亡退職金) (相続税法上)みなし相続財産
65歳以上の方が任意解約をするまたは65歳以上の共同経営者が任意退任をする場合 退職所得扱い
65歳未満の方が任意解約をするまたは65歳未満の共同経営者が任意退任をする場合 一時所得扱い
12か月以上の掛金の未払いによる解約(機構解約)で解約手当金を受け取る場合 一時所得扱い

共済金は、退職所得や公的年金などの雑所得扱いにしておくと、税法上大きなメリットが得られます。

しかしながら、一時所得扱いにしてしまうと、節税効果が薄れてしまうので、上記表の赤字部分への該当は避けましょう。

 

7.貯蓄性の高い生命保険での備え

将来に向けた資産増を図る際に、小規模事業共済は色々なメリットがあることをご理解いただきましたが、その分のデメリットもご理解いただけたことだと思います。

そんな小規模事業共済のデメリットを解消し、なおかつメリット面での強化を図れるのが、第6.2章で少し触れました生命保険商品なのです。

そこでこの章では、将来の資産増を見越した生命保険の活用術を、基礎的情報を交えながらご覧いただきたいと思います。

7.1終身保険の活用

一生涯の保障を得つつも、資産増に結び付いてくれるのが終身保険で、「支払った保険料+保障+α」と言う図式が成り立つ秀逸な商品です。

分類 基本保障 該当保険 仕組み図 加入目的
死亡保険 契約時に定めた期間中に被保険者死亡の場合、

保険金が支払われる

定期保険 遺族の生活費/生活費

住宅ローン/葬儀

収入保障保険
終身保険 遺族の生活保障/資産形成

そんな終身保険にも、当然メリット/デメリットが存在します。

メリット

・一生涯の保障が得られる

・死亡や約款に定められた高度障害に陥った際は、保険金が受け取れる

・一定の保険料払込期間を超過すると、それまでの保険料払込総額を超える解約返戻金を受け取れる

デメリット

・保険料が割高なので、払込満了まで保険料を捻出し続ける経済的体力が必要

・規定期間前に解約してしまうと、元本割れを引き起こす

まず保険料の問題ですが、規定期間前の解約返礼率を下げた「低解約返戻型」を活用すれば、保険料は従来よりも抑えられます。

また、近年の生命保険商品はかなりの部分までカスタマイズが可能なので、中途解約を避けられるように契約内容をくみ上げることも可能です。

つまり、デメリットを凌駕するメリットが、終身保険にはあると言うことになります。

ご参考までに、プロのファイナンシャルプランナーおすすめの終身保険を、ご紹介しておきましょう。

人気ランキング
商品名
保険会社名
月額保険料目安
おススメPOINT
特徴
30歳男性 40歳男性 50歳男性
1 終身保険ライズ オリックス生命 21,740円 34,840円 75,280円 払込期間の選択肢が多く、ライフプランがしやすい
65歳以上で要介護Ⅳ以上になると、介護前払金の受取可
低解約返戻金型なので月々の保険料が割安
払込満了後の返戻率は高水準
三大疾病罹患により保険料免除特約あり
2 こだわり終身保険v2 マニュライフ生命 20,830円 36,100円 82,250円 非喫煙者割引あり
三大疾病に罹患した際の解約返礼率が高い
低解約返戻金型なので月々の保険料が割安
非喫煙者は保険料がさらに割安
特定疾病保険料払込免除特約を付加しておくと、罹患以降の保険料払込が免除となる
一時に残りの保険料が払い込まれた扱いになるので、解約返礼率が増えていく(この商品のみの最大の特徴)
3 バリアブルライフ変額保険 ソニー生命 21,510円 36,710円 83,550円 インフレエッジに対応可 特別勘定内での運用されるため、解約返戻金/死亡保険金の増減あり
積立重視/保守重視の2タイプあり
予定利率が高めで、円建て終身保険の中では最も割安な保険料
運用結果が悪くても死亡に対して最低保障がなされているので、それを割り込むことがない
保険料払込免除特約付加により、三大疾病や要介護状態になった以降の保険料払い込みは免除

7.2養老保険の活用

生命保険商品の中で、最も高い利率を誇る養老保険は、古今東西かねてより人気のある商品です。

しかしながら、マイナス金利導入による経済変化により、ハイリターンであるがゆえに、各生命保険会社が販売停止や保険料値上げを敢行した、いわくつき商品でもあります。

つまり、保険会社のデメリット=ユーザーのメリットと言う図式が成り立つので、利用しない手はありません。

分類 基本保障 該当保険 仕組み図 加入目的
生死混合保険 死亡保険と生存保険の両方の特性を持つ 養老保険 遺族の生活保障/資産形成/老後資金

そんな養老保険にも、当然メリット/デメリットが存在します。

メリット

・契約上定められた期間を超過すると、解約返戻金が受け取れる

・規定前の解約でなければ、それまで支払った保険料を割り込むことはなく、むしろプラスに転じる

・保険期間を無事に過ごせた場合、満期金が受け取れる

・生命保険商品の中で、最も高い利率を誇るので、確実な資産増がはかれる

デメリット

・定期保険と比較すると終身保険と同様に貯蓄型なので、保険料が割高

・規定期間前に解約をしてしまうと、元本割れを引き起こす

終身保険と同様のデメリットの為、契約内容の組み立て次第でこれらの問題を回避できます。

現在、養老保険はそのメリットの高さから、商品数がかなり限られていますので、下記を参考になさってください。

保険会社名 プラン名
ソニー生命の養老保険
5年ごと利差配当付養老保険/無配当養老保険
特殊養老保険(無配当)
米ドル建養老保険(無配当)
米ドル建特殊養老保険(無配当)
変額保険 有期型(無配当)
損保ジャパン日本興亜ひまわり生命保険の養老保険 無配当養老保険/5年ごと利差配当付養老保険
明治安田生命の養老保険 養老保険
ニッセイの養老保険 みらいのカタチ養老保険
かんぽの養老保険
新フリープラン
新フリープラン(短期払込型)
新フリープラン(2倍保障型)
新フリープラン(5倍保障型)
新フリープラン(10倍保障型)
新一病壮健プラン

 

7.3個人年金の活用

保険料を支払うことで貯蓄が行われ、それが年金や一時金として受け取れるのが、個人年金保険です。

2017年4月から導入された標準利率引き下げの影響を受け、保険料が上昇した商品も多く、返戻率が低下せざるを得ない状況を迎えた商品ですが、やはり老後資金確保を目的とした個人年金保険は、魅力満載な商品です。

分類 基本保障 該当保険 仕組み図 加入目的
生存保険 契約時に定めた期間まで被保険者が生存していた場合、保険金が支払われる 個人年金保険 資産形成

老後資金

教育資金

学資保険

そんな個人年金保険にも、当然メリット/デメリットが存在します。

メリット

・確定年金は5/10/15年と言った形で期間ごとに、年金が受け取れる

・終身年金は一生涯年金が受け取れる

・保証期間付き終身年金は、5/10年などと言った形で確実に年金を受け取れる

・年金受取期間前に契約者が死亡した場合は、それまで払い込んだ保険料相当の死亡給付金が受け取れる

・受取期間中の死亡の場合は、残年金額が遺族に支払われる

デメリット

・保険料が割高

終身保険/養老保険と同様のデメリットの為、契約内容の組み立て次第でこれらの問題は回避できます。

近年では、基準緩和型の台頭により、無告知で加入出来た入りと、その幅も広がっていますので、老後の生活資金にゆとりを持たせてくれる商品となっています。

人気ランキング
商品名
保険会社名
月額保険料目安
おススメPOINT
特徴
30歳男性 40歳男性 50歳男性
1 年金かけはし 明治安田生命 28,000円 39,000円 無告知での加入が可 保険料がUPしたが比較的返戻率が高い商品
措置期間(保険料払込満了から年金受け取り開始までの期間)を長めにするとさらに返戻率がUPする
契約年齢も22~55歳で設定可
受取は5/10年確定年金だけでなく、一時金としての受け取りも可
2 みらいのカタチ年金保険 日本生命 26,800円 38,292円 64,572円 三大疾病/医療保障/保険料払込免除特約が付加可能 商品改定や販売停止が続く中、奮闘している商品
5/10/15年確定年金のほか、受取時に10年保障期間付終身保険への転向が可
年金受け取り開始を最長5年延長可
死亡保障とのセット販売もあるが、単品でも加入可
3 &LIFE個人年金保険 三井住友海上あいおい生命 28,188円 59,328円 告知不要
確定年金/保証期間付終身保険から選択可
5/10/15年の確定年金と、10年間保証付終身年金から選択可
健康状態の告知や医師による審査不要
死亡時には保険料払込累計額が支払われるが、高度障害状態での保障はなし

 

8.まとめ

いかがでしたでしょうか。

小規模事業共済は、個人事業主の味方であることに変わりはありませんが、実は様々なメリットとデメリットを併せ持つことを、今回ご理解いただけたかと思います。

今を支える

将来を支える

人を支える

個人事業主は、自身の為、家族の為、仕事仲間とその家族の為、多くの備えを築いていかなければなりません。

ファイナンシャルプランは、決して一つではありません。

メリットを追うことだけにとらわれず、広い視野でご自身のオリジナルの備えを築いてみてはいかがでしょうか。

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