小規模共済で“退職金”の準備!?フリーランスや個人事業主は要必見!

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る
『保険相談したいけど、結局どこがおすすめ?』

店舗よりも自宅やカフェで相談できる方が移動が楽な上に、保険は一度きりで決められないこともあるはず。
そこで強くおすすめしたいのが、訪問型の無料保険相談サービスである、『保険見直しラボ 』です。

所属する全てのFP(ファイナンシャルプランナー)が30社全ての保険を扱うことのできる日本最大級の保険代理店です。
保険業界の経験者を採用しており、平均業界年数は11.8年と、他社よりも精鋭のベテラン揃いです。

保険相談は結局のところFPが信頼できるかに左右されるため、保険のことは、まず最初に「保険見直しラボ」で無料相談をしてみるのがよいでしょう。

「保険見直しラボ 」を見る

主婦(夫)や高齢者などの労働力拡大や、長時間労働の改善など、働き方が見直されている昨今。時間を自由に組むことができ、また人間関係のストレスに悩まされることもない自由な働き方を求めて、フリーランスになる方が増えてきています。

企業に勤めていれば、病気をして働けなくなった時のリスクや、死亡のリスク、そして老後の年金リスクなどは会社が備えてくれています。しかし、自営業者や経営者はもちろん、フリーランスで働く人であれば、そのすべてのリスクに自分で備えなければなりません。

なかでも、心配なのが老後のリスクですよね?もちろん自営業者や経営者、フリーランスには退職金が無いにも関わらず、国の年金政策も期待できないのが現状です。では、その老後の生活費として必要不可欠な退職金は、どのように備えれば良いのでしょうか?

実は、賢い人は「小規模企業共済(小規模共済)」で備えているのです!

ここでは、そんな小規模企業共済(小規模共済)とはどのようなものなのか、メリット・デメリットについても、詳しく紹介します。小規模企業共済は、引退という将来のリスクを回避するために大切なもの!退職金への備えとして、小規模企業共済を知ることによって、今後より一層社会で活躍していくためのヒントとなるはずです。

目次

1.退職金について考える

1.1 フリーランスの増加

1.2.日本の年金制度

1.3.退職金の相場

1.4.退職金には税金がかかる

2.小規模企業共済とは

2.1.制度の概要

2.2.掛金

2.3.共済金(解約手当金)について

2.4.貸付制度

3.小規模企業共済への加入

3.1.現状

3.2.加入の条件

3.3.加入手続き

3.4.加入窓口

4.小規模企業共済4つのメリット

4.1.退職金の準備のメリット

4.2.掛金で節税対策のメリット

4.3.受け取り金の節税対策のメリット

4.4.貸付制度のメリット

5.小規模企業共済3つのデメリット

5.1.元本割れのリスク

5.2.減額のリスク

5.3.事業保障のリスク

6.小規模企業共済シュミレーション

6.1.加入のシュミレーション

6.2.シュミレーション結果

6.3.利回りの計算

7.退職金準備の方法

7.1.逓増定期保険

7.2.長期平準定期保険

7.3.生活障害定期保険

8.まとめ

1.退職金について考える

あなたは、自分が退職金をいくら貰えるのかについて考えたことはありますか?

退職金は、引退後の生活費の助けとなる大切な資金です。国の年金制度はあるものの、いざ受給年齢に達した時に満足に年金が貰えるのか、という点には疑問が残ります。

自営業者、経営者、フリーランスとして働く方。その中で、引退後の生活資金まで考え、現役のうちから備えられている方はどれだけいるのでしょうか?企業に勤めていれば備えられている退職金ですが、そうでなければ自分で備えておく必要があるのです。

1.1.フリーランスの増加

日本における、自営業者(個人事業主)の割合は12%程度と、世界的に見て低い数字なのですが、近年この自営業には含まれない「フリーランス」の割合が急増しています。

フリーランスとは

特定の企業に属せず、自ら企業と契約を取り交わし活動することです。このうち、会社を設立し法人化している方は、「個人事業主」とも呼ばれます。フリーランスという働き方は、アメリカなどでは既にメジャーで、アメリカのフリーランス実態調査では労働人口の34%と、3人に1人がフリーランスとして活躍しているという結果も出ています。

また日本でも、大手クラウドソーシング会社「ランサーズ」が2015年に発表したデータによると、フリーランスとして働く人は1228万人。これは、なんと前年比+17%となり、アメリカでの前年比は+2%であったため、日本での急激な増加が分かります。

1.2.日本の年金制度

「国民年金」とは、20歳~60歳の全ての人が加入する、公的年金制度のことです。基本的に、日本に住む人は国民年金への加入が義務付けられており、20歳~60歳までは国民年金保険料を払い続けることになっています。会社勤めならば、保険料は会社と折半することとなり、給与から天引きで支払われています。

なお、国民年金の受け取りには、

  • 老齢基礎年金:65歳から死ぬまでもらえる終身年金
  • 障害基礎年金:病気やケガで障害が残った時に支払われる年金
  • 遺族基礎年金:年金加入者が死亡した時、遺族(配偶者・子)に支払われる年金

の3種類があります。なかでも「老齢基礎年金」は、引退後の生活費となる重要な年金です。また、日本の公的年金制度は、加入者によって加入できる年金の種類が異なっています。

  • 第1号被保険者:20歳以上60歳未満の自営業者、農林漁業者、学生。フリーランスや個人事業主。
  • 第2号被保険者:民間会社の会社員や、公務員など。経営者もここに含まれる。
  • 第3号被保険者:第2号被保険者に扶養されている20歳以上60歳未満の配偶者。

基礎年金はどの被保険者であっても、同じ国民年金に加入する仕組みになっています。しかし、第1号被保険者の場合、第2号被保険者の厚生年金に当たる部分が無いため、将来貰える年金が少ないことになります。この基礎年金に上乗せする部分は、任意で加入することで補う仕組みになっているのです。

現在、公的年金制度は、社会全体で高齢者を支える「世代間扶養」という仕組みをとっています。つまり、現役世代の保険料で高齢者の年金受給世代を支えているのですが、この財政方式は少子高齢化などの人口構造の変化に影響されやすく、このまま少子高齢化が進めば、年金保険料と年金受給額のバランスが崩れ年金制度が破綻することも考えられるのです。

1.3.退職金の相場

年金制度は、終身にわたって保障してくてるとても価値のある年金なのですが、人口構造の変化や国民年金保険料の未納などによって、上手く機能しなくなる可能性もあります。もちろん、老後の生活費をまかなえるだけの貯金があれば心配はいりません。そこで、会社勤めの場合は、退職金として企業が老後の生活費を保障しているのです。

退職金の相場

退職金は、その会社での在籍期間によって決まります。厚生労働省の調べによると、大学卒の定年退職(勤続20年以上、かつ45歳以上)の平均支給額は1941万円です。※なお、この額には「40歳で転職して、60歳で定年退職になった人」の退職金額も含まれており、「新卒で38年間勤務した人」のみの場合はもう少し高くなります

なお、国家公務員が60歳で定年退職した場合の平均支給額は、2016年(平成28年)度退職者データによると2286万円という結果でした。

1.4.退職金には税金がかかる

退職金には、「退職一時金」と「退職年金」の2種類がありますが、どちらで受け取るかは勤めている会社によって異なります。年金形式の場合は、雑所得として税金がかかります。一時金の場合は、受け取った額に対して所得税を払う必要がありますが、所得税の控除を受けられます。

勤続年数  退職所得控除 
 20年以下

勤続年数×40万円

※80万円に満たないときは、80万円

20年超  (勤続年数-20年)×70万円+800万円

第1号被保険者である、フリーランス・個人事業主は、国民年金制度も第2号被保険者に比べ少ないにも関わらず、この退職金もないことになります。また、第2号被保険者となる経営者にも、退職金はありません。そのため、老後の生活費は自分で積み立てるなどして準備しなければなりません。

 

2.小規模企業共済とは

フリーランス・個人事業主、小規模企業の経営者などが、退職金として老後の生活費に備えるのにとても有効なのが「小規模企業共済」です。まずは、小規模企業共済という制度について詳しく紹介します。

2.1.制度の概要

中小機構が運営する「小規模企業共済制度」は、小規模企業の経営者や役員、個人事業主などのための積み立てによる退職金制度です。掛金は全額を所得控除できるという節税効果があります。将来に備えつつ、事業資金の借り入れもできるなど様々なメリットを受けられる、お得で安心な小規模企業の経営者のための退職金制度です。

2.2.掛金

掛金月額は、1,000円~70,000円まで、500円単位で自由に設定でき、加入後も増額・減額ができます。また、掛金を前納することで、一定割合の前納減額金を受け取ることもできます。

確定申告の際は、その掛金の全額を課税対象所得から控除できるため、高い節税効果があるのです。なお、掛金は、共済契約者自身の収入の中から払い込まなければならないため、事業上の損金または必要経費には算入できません

2.3.共済金(解約手当金)について

「小規模企業共済」のような共済制度とは、相互扶助(助け合い)の保障の仕組みです。契約者は、共済掛金を支払うことで協同の財産を準備し、不測の事態が起こった時の資金とすることで、契約者やその家族の生活の安定を保障することができます。その支払われるお金のことを「共済金」と言います。

2.3.1共済金の種類

共済金を受け取るタイミングは、大きく3つ。事業の廃業時、退職時、事業の全部を第三者に譲渡した時となります。また、契約者の立場や請求事由によって、受け取れる共済金の種類が異なります。

フリーランス・個人事業主の場合

法人(株式会社など)の役員の場合

共同企業経営者の場合

2.3.2.共済金の額

掛金の納付月数や、共済事由ごとに、受け取れる基本共済金(固定額)は規定されています。なお、毎年度の運用収入などに応じて算出し、付加共済金がある場合は加算されます。掛金納付月数が240か月(20年)未満で解約をした場合は、共済金が掛金合計額を下回ります。

掛金月1万円で加入の共済額

  • 納付年数5年(掛金合計額600,000円):共済金A/600,000円、共済金B/614,600円、準共済金/600,000円
  • 納付年数20年(掛金合計額2,400,000円):共済金A/2,786,400円、共済金B/2,658,800円、準共済金/2,419,500円

なお、加入のシュミレーションは、後ほど詳しく紹介します。

2.3.3受け取り方法

「一括受取り」、「分割受取り」、「一括受取りと分割受取りの併用」の3種類があり、一括以外を希望する場合は次の要件を全てを満たす必要があります。

  • 共済金Aまたは共済金Bであること。(準共済金、解約金は一括受け取りのみ)
  • 請求事由が共済契約者の死亡でないこと。
  • 請求事由が発生した日に60歳以上であること。
  • 共済金の額が分割受け取りで300万円以上、併用で330万円以上(一括受け取り30万円以上、分割受け取り300万円以上)であること。

2.3.4.税法上の取り扱い

受取方法 税法上の扱い
共済金または準共済金を一括で受け取る場合 退職所得扱い
共済金を分割で受け取る場合 公的年金等の雑所得扱い
共済金を一括・分割併用で受け取る場合 (一括)退職所得扱い
(分割)公的年金等の雑所得扱い
遺族が共済金を受け取る場合(死亡退職金) (相続税法上)みなし相続財産

65歳以上の方が任意解約をする

または65歳以上の共同経営者が任意退任をする場合

退職所得扱い

65歳未満の方が任意解約をする

または65歳未満の共同経営者が任意退任をする場合

一時所得扱い

12か月以上の掛金の未払いによる解約(機構解約)で

解約手当金を受け取る場合

一時所得扱い

参考:中小機構 小規模企業共済 共済金(解約手当金)についてより

2.4.貸付制度

掛金の範囲内(掛金納付月数により掛金の7~9割)で、10万円以上2,000万円以内(5万円単位)で借り入れることができます。様々な場面での事業資金を、年1.5%と低金利で借り入れることができ、緊急時に経営資金として利用できるのです。

借入期間は金額に応じて異なり、

  • 100万円以下 : 6か月、12か月
  • 105万円~300万円 : 6か月、12か月、24か月
  • 305万円~500万円 : 6か月、12か月、24か月、36か月
  • 505万円以上 : 6か月、12か月、24か月、36か月、60か月 より選択することが出来ます。

なお、返済方法は借入期間は下記の通りです。

  • 6か月または12か月の場合 : 期限一括償還
  • 24か月、36か月、60か月の場合 : 6か月ごとの元金均等割賦償還。「元金均等割賦償還」とは、元金部分は返済回数による均等額を、利息部分はその元金残高による利率で算出し、その合計額を返済する方法です。返済が進み元金が減るにつれて支払う利子も少なくなります。

 

3.小規模企業共済への加入

小規模企業共済の概要を紹介しましたが、実際に加入するにはどのようにすれば良いのでしょうか?

3.1.現状

現在の加入人数は約132.7万人、資産運用残高は約9兆465億円です。ちなみに、第1号被保険者の2階建て部分となる国民年金基金への加入人数が、全体で約39.9万人(平成28年度) なので、小規模企業共済はとても大きな共済制度なのです。

加入者数は年々増加傾向にあり、フリーランスや個人事業主の増加が影響していると考えられます。共済金受給額の平均は1,082万円、共済金受給者の平均在籍年数は約19年です。

3.2.加入の条件

小規模企業共済制度には、以下のいずれかに該当する場合に加入できます。

  1. 建設業、製造業、運輸業、サービス業(宿泊業・娯楽業に限る)、不動産業、農業などを営む場合は、常時使用する従業員の数が20人以下の個人事業主または会社等の役員
  2. 商業(卸売業・小売業)、サービス業(宿泊業・娯楽業を除く)を営む場合は、常時使用する従業員の数が5人以下の個人事業主または会社等の役員
  3. 事業に従事する組合員の数が20人以下の企業組合の役員、常時使用する従業員の数が20人以下の協業組合の役員
  4. 常時使用する従業員の数が20人以下であって、農業の経営を主として行っている農事組合法人の役員
  5. 常時使用する従業員の数が5人以下の弁護士法人、税理士法人等の士業法人の社員
  6. 上記、ⅰ.とⅱ.に該当する個人事業主が営む事業の経営に携わる共同経営者(個人事業主1人につき2人まで)

3.3.加入手続き

加入する方の立場や、加入手続きを行う窓口によって手順が異なりますが、

必要書類の入手  書類への記入  窓口提出の簡単な手続きで加入できます。40日程度の審査を経て、中小機構より書類が届いたら完了です。

3.4.加入窓口

中小機構と業務委託契約を締結している委託機関(委託団体)または金融機関の本支店(代理店)が窓口となります。なお、ゆうちょ銀行、農業協同組合の一部、労働金庫、新生銀行、あおぞら銀行、外資系銀行、インターネット専業銀行など、取扱いしていないところもあるので注意が必要です。

委託団体

  • 商工会
  • 商工会議所
  • 中小企業団体中央会
  • 事業協同組合
  • 青色申告会
  • 損保ジャパン日本興亜株式会社
  • アクサ生命保険株式会社

代理店

  • 商工会
  • 商工会議所
  • 中小企業団体中央会
  • 事業協同組合
  • 青色申告会
  • 損保ジャパン日本興亜株式会社
  • アクサ生命保険株式会社

4.小規模企業共済4つのメリット

4.1.退職金の準備のメリット

事業の廃業や退職時に、それまで積み立てた金額を「退職金」として受け取ることが可能です。20年(240ヶ月)以上積み立てていれば、掛金以上の給付が見込めるため、とてもメリットがあります。

4.2.掛金で節税対策のメリット

掛金は、全額所得控除の対象となるため節税対策として大きなメリットがあります。掛金の最高額、月70,000円を掛けていた場合は、年間840,000円を所得から控除することが出来るのです。

4.3.受け取り金の節税対策のメリット

「一括受け取り」の場合は退職所扱い、「分割受け取り」の場合は雑所得(公的年金と同じ)扱いとなち、どちらの受け取り方法においても所得控除が受けられます。

支払い時と受け取り時の、ダブルで節税効果が期待できます!

4.4.貸付制度のメリット

掛金の範囲内で、もしもの時に、新たに借り入れ無担保・無保証人にて事業資金の貸し付けが受けられます。利率は年1.5%と低金利で、期間内に返済できないような事態が生じた場合は、新たな借入れに必要な約定利子を支払うことで、借り換えができるなどのメリットもあります。

  • 一般貸付制度:もしものときに、迅速に事業資金を借り入れできる便利な制度です
  • 緊急経営者貸付:経済環境の変化等に起因した一時的な売上の減少で、資金繰りが困難なときの資金
  • 傷病災害時貸付:疾病または負傷により一定期間入院をしたとき、または災害救助法の適用された災害等または一般災害(火災、落雷、台風、暴風雨等)により被害を受けたときの資金
  • 福祉対応貸付:共済契約者または同居する親族の福祉向上のために必要な住宅改造資金、福祉機器購入等の資金
  • 創業転業時・新規事業展開等貸付け:新規開業・転業後に共済契約を再び締結する意思を有する者に対して、新規開業・転業を行う際の事業資金
  • 事業承継貸付け:事業承継(事業用資産または株式等の取得)に要する資金
  • 廃業準備貸付け:個人事業の廃止または会社の解散を円滑に行うため、設備の処分費用、事業債務の清算等、廃業の準備に要する資金

5.小規模企業共済3つのデメリット

契約者にとって、小規模企業共済とはメリットだらけのようですが、もちろんデメリットもあります。加入を検討する場合は、必ず確認してください。

5.1.元本割れのリスク

加入期間が20年以下未満で解約した場合は、元本割れしてしまいます。解約時に支払われる「解約手当金」は、納付月数に応じて掛金の80%~120%に相当する額となります。100%以上の解約手当金が見込めるボーダーラインは、240ヶ月(20年)です。

なお、解約だと元本割れしますが、廃業等の場合は20年以内でも掛金の100%が戻ってくる仕組みとなっています。そのため、下記の場合は元本割れせずに共済金を受け取ることが出来るのです。

  • 個人事業を廃業した場合
  • 事業を譲渡した場合
  • 老齢給付(65歳以上で180ヶ月以上掛金を払い込んだ方)
  • 契約者の方が亡くなられた場合
  • 個人事業を法人成りして、その法人の役員にならなかった場合

5.2.減額のリスク

加入後の掛金の減額は可能なのですが、お勧めできません。なぜかというと、減額した分は全く運用されないまま放置されることになるからです。しかも、その分を「解約手当金」として取り返そうとしても、加入後240ヶ月目にならないうちは、掛金総額より少ない解約手当金にしかなりません。

つまり、掛金を減額し、その減額分について解約手当金を受け取っても、そのまま積み立てておいても、どちらも損することになるのです。

5.3.事業保障のリスク

経営者・役員の退職金を準備する手段としては、小規模企業共済の他にも「法人保険」を活用する方法もあります。

このように生命保険であれば、退職金の積み立てはもちろんのこと死亡保障も備わっているため、契約者に万が一のことがあった場合は、会社の資金に充てられます。しかし、小規模企業共済は、経営者個人の引退後の生活資金などを積み立てることに特化した制度であるため、事業保障の役割は期待できません。

 

6.小規模企業共済シュミレーション

では、実際に「いくら共済金が貰えるのか?」「どのくらい得するのか?」を計算してみましょう。小規模企業共済の加入シュミレーションは、中小機構のホームぺージで行うことが出来ます。

※中小機構 小規模企業共済加入シュミレーションhttp://www.smrj.go.jp/kyosai/skyosai/entry/simulation/index.html

6.1.加入のシュミレーション

下記の場合を例に、シュミレーションしてみます。

  • 35歳、会社経営者
  • 2018年6月加入
  • 2048年6月脱退(予定):65歳の老齢金給付に合わせて30年加入設定
  • 掛金10,0000円
  • 課税所得金額:3,000,000円

※課税所得金額とは、総所得金額から基礎控除、扶養控除、社会保険料控除などを控除したあとの額で、課税対象となる金額のこと。確定申告書では、第一表の26欄「課税される所得金額」となります。分からなければ空欄でも問題ありません。

▼まず、脱退年月(予定)、掛金月額を自由に設定します。課税所得金額も分かれば入力します。※課税所得金額を入力しないと、節税効果のシュミレーションができません。

6.2.シュミレーション結果

▼計算実行をすると、共済金額と節税額の試算結果が出てきます。※実質返戻率は、貰える金額÷(支払う掛金の総額-納税額)で計算されます。

支払う掛金の総額3,600,000円(10,000円×12ヶ月×30年間)に対して、

  • 共済金A(事業廃止等):4,348,000円、実質返戻率151%
  • 共済金B(老齢給付等):4,211,800円、実質返戻率147%

つまり、30年後の2048年に事業を廃止した場合は、3,600,000円負担して4,348,000円返ってくるということです。なお、共済金額が300万円以上の場合は、共済金を「分割」で受け取ることも出来ます。

  • 共済金A(事業廃止等):10年分割76,090円/2ヶ月、15年分割52,176円/2ヶ月
  • 共済金B(老齢給付等):10年分割73,707円/2ヶ月、15年分割50,542円/2ヶ月

6.3.利回りの計算

加入シュミレーションで、実際に受け取ることの出来る金額は計算しましたが、この返戻率が高いのか低いのかを判断するために、利回りを計算してみましょう。

▼想定利回り1%で積立

楽天証券の積立かんたんシュミレーターにて計算してみます。

毎月10,000円、30年間で360万円の積み立てとなり、利回り1%で運用すると最終積立金額は4,196,282円となります。掛金は、小規模企業共済とは違い節税にはならないため、実質返戻率は116%となります。

▼想定利回り3%で積立

同じ金額で、利回り3%で運用すると最終積立金額は5,827,369円となります。実質返戻率は161%となります。

7.退職金準備の方法

ここまで、退職金準備の手段として有効な「小規模企業共済」について、詳しく紹介してきました。ここでは、小規模企業共済以外でも、退職金の準備として活用されている「法人保険」について紹介します。

「法人保険」とは、契約者を会社(法人)、経営者や役員を被保険者として加入する保険のことです。これにより、保障だけでなく節税対策などの効果もあり、商品や活用法によって様々な効果があります。それぞれの商品について、概要や加入目的をまとめました。

7.1.逓増定期保険

「逓増(ていぞう)定期保険」とは、死亡保険金額が加入時から保険期間満了までに当初の5倍程度まで増えていく定期保険を言います。満期保険金がない掛け捨ての保険ではありますが、解約返戻金率が早い段階で高率になることが「逓増定期保険」の特徴です。この特徴を活かし、会社役員退職金の準備として活用されています。

▼ポイント

  • 死亡保障が高額で、保険料も高額です。
  • 保険料の1/2を損金として算入できます。※年齢や保険期間によって、損金として算入できる割合は変わります。会社の1/2を損金に算入することで、解約返戻金の受け取りの時まで課税のタイミングを繰り延べることができます。
  • 契約後5年~10年の早い期間で、解約返戻金が100%に近い返戻率となります。※掛金を損金算入できることを考えると、実質返戻率はもっと高くなります。

▼加入の目的

  • 5年~10年以内に退職金や設備投資などのまとまった資金が必要、損益のタイミングを調整しながら資金を効率的に積み立てたい。
  • 事業継承の対策をしたい。
  • 利益が大きく安定していて、キャッシュフローが潤沢で、5年~10年にわたり保険料を支払い続けられる。

という場合にはメリットのある法人保険です。

7.2.長期平準定期保険

「長期平準定期保険」とは、保険期間がとても長く、その間の死亡保険金額が変わらない(平準)の定期保険です。退職金の準備としてはもちろんのこと、解約返戻金のピークとなる期間が長いことから、いざという時の緊急予備資金を兼ねて備えることができます。

▼ポイント

  • 死亡保障が高額で一定していますが、保険料も高額です。
  • 保険料の1/2を損金に算入できます。※解約返戻金の受け取りの時まで課税のタイミングを繰り延べることができます。
  • 契約後20年~30年の遅い時期に、解約返戻金の90%~100%に近い返戻率となります。※掛金を損金算入できることを考えると、実質返戻率はもっと高くなります。

▼加入の目的

  • 30代か40代で、20年~30年にわたり、損益のタイミングを調整しながら資金を効率的に積み立てたい。
  • 事業継承の対策をしたい。
  • 退職金準備・事業継承対策と並行して、緊急時の予備資金をプールしておきたい。
  • 利益とキャッシュフローが概ね安定していて、長年にわたり保険料を支払い続けられる。

という場合にはメリットのある法人保険です。

7.3.生活障害定期保険

「生活障害保障定期保険」とは、契約期間の定めがある生命保険です。一般的な生命保険よりも保障の範囲が広く、死亡だけではなく、生活障害状態に陥ってしまった場合にも保険金が支払われます。生活障害状態は、保険会社によって違いはありますが、介護が必要な状態、三大疾病(ガン・心筋梗塞の・脳卒中)などになった場合を言います。

▼ポイント

  • 保障範囲が広い分、保険料も高額です。
  • 保険料の全額を損金に算入できます。
  • 解約返戻金のピークでも、60%~80%の返戻率となります。※年齢が若いうちに加入すれば、解約返戻率が高くなります。掛金を損金算入できることを考えると、実質返戻率は100%を超えることもあります。

▼加入の目的

  • なるべく若い経営者、役員を被保険者をとすることができ、解約返戻金で退職金準備をしたい。
  • キャッシュフローが潤沢で、多くの年度で保険料の額以上の経常利益が上げられる見通しがある。

という場合にはメリットのある法人保険です。

8.まとめ

小規模企業共済は、簡単に引き出すことが出来ないので退職金の準備に向いています。また、共済金を貰うと「退職所得控除」の仕組みを利用できるため、早く始めた方が控除を長年受けられることになるのです。退職金準備には、似たような商品や法人保険など様々な手段があります。しかし、小規模企業共済のように、個人事業を廃止したり、会社を解散した場合に受け取ることが出来るため、メリットはとても大きいのです。

個人事業主、経営者として活躍するために、事業の利益や安定を求めることはもちろんですが、将来的な見通しも考えリスクを想定し、それにあった手段で備えなければなりません。その代表となるのが、退職金で備えられている老後の生活費です。老後の生活資金を十分に備えられている人こそ、現役で働きながらも、不安なく大いに活躍出来ているのかもしれません。

『保険相談したいけど、結局どこがおすすめ?』

店舗よりも自宅やカフェで相談できる方が移動が楽な上に、保険は一度きりで決められないこともあるはず。
そこで強くおすすめしたいのが、訪問型の無料保険相談サービスである、『保険見直しラボ 』です。

所属する全てのFP(ファイナンシャルプランナー)が30社全ての保険を扱うことのできる日本最大級の保険代理店です。
保険業界の経験者を採用しており、平均業界年数は11.8年と、他社よりも精鋭のベテラン揃いです。

保険相談は結局のところFPが信頼できるかに左右されるため、保険のことは、まず最初に「保険見直しラボ」で無料相談をしてみるのがよいでしょう。

「保険見直しラボ 」を見る

b

人気記事ランキング

がん保険?これだけ読めば大丈夫!

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る