自宅の評価額が8割減!?小規模宅地の特例の活用法と厳格化の中身とは?

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ある日突然やってくる相続。

「うちにはお金がないから相続税なんて関係ない!」そう思っていたのに、想像以上に持ち家の評価額が高くてどれだけ高額な税金を納めることになるかと思いヒヤヒヤしてしまったなんてこともあるようです。

でも、「小規模宅地の特例」という制度によって、実は自宅の土地の評価額は最大で8割も減らすことができるんです!

そもそもこれからも住んでいきたい自宅に巨額の相続税が発生してしまっては相続で泣く泣く自宅を手放さなければならないという悲劇が起きてしまいます。「小規模宅地の特例」は、そんな悲劇が起こらないようにしてくれるための制度なんです。

この記事では、なかなか聞きなれない「小規模宅地の特例」の概要から平成30年の改正点、しっかり利用するために気をつけておきたいことなどを紹介していきます。

円満な相続に向けて「終活」を始めたばかりという方も、ぜひこの特例の内容をチェックしてみてくださいね!

目次

1.「小規模宅地の特例」って一体何!?

1−1.まずは概要からチェック!

1−2.対象となる土地と建物は?

2.別居家族でも使えるの?小規模宅地の特例を使える条件とは?

2−1.配偶者について

2−2.同居親族について

2−3.別居親族について

3.【平成30年改正ポイント】「家なき子特例」の厳格化とは?

4.早まった相続税対策で使えないケースも?

4−1.3年以内の贈与で後悔

4−2.相続時清算課税制度で後悔

5.小規模宅地の特例、どんな手続きが必要なの?

5−1.相続税の土地評価額の計算方法

5−2.税務署への届出書類

6.これだけは確認してから行動すべき!?

6−1.マイホームを購入してからではもう遅い!

6−2.すぐに売却してはダメ!

6−3.生前贈与の注意点

7.まとめ

 1.「小規模宅地の特例」って一体何!?

平成27年の相続税法改正により相続税の基礎控除額が4割も減ったということはご存知の方も多いかと思います。この改正によって多くの方が「相続税」を気にするようになり、テレビでも相続の話題が取り上げられることが多くなりました。

「終活」や「エンディングノート」を作成するなどして最も良い相続を目指す方が増えてきた背景にもこの平成27年の改正が大きく関係しているのではないでしょうか?

テレビや書店で相続関連の情報をよく目にするようになったことで「生前贈与で節税対策!」「生命保険で節税対策!」などという様々な節税方法に注目する方も増えてきました。

でもそんな中で見落とされがちなのが「小規模宅地の特例」です。

自宅の土地の評価額を最大8割も減らすことができる制度。この制度を考慮に入れて見積もらないと相続対策をする上で最も大切な「ご自身の資産を把握する」ということができないんです!

場合によっては、この制度を使えば相続税が発生しないにも関わらず不必要な相続対策をしてしまっているなんてこともあるかもしれませんね。

この章では、最適な相続について考える上での第一歩となる「小規模宅地の特例」について概要や対象をチェックしていきましょう!

1−1.まずは概要からチェック!

「小規模宅地の特例」とは先述したとおり、被相続人の自宅の土地の評価額を最大で8割も減らしてくれる制度です。

名称に「小規模」という言葉が入っていますが、面積330㎡までの居住用の土地が対象です。330㎡と言えば坪数で言うと100坪。100坪の土地の評価額を8割もディスカウントしてくれるってすごい制度ですよね。

100坪を超えた分については通常の評価額が適用されます。

実はこの制度のメリットを最大限に活用しようと、地方の100坪を超える広い土地を売却して都心の地価の高いところへ引っ越しをするなんていう相続対策の方法を取る方もいるようです。

確かに、同じ8割減なら土地の評価額が高ければ高いほどその旨味を引き出すことができますし、100坪を超えて対象とならない部分があるよりも土地丸々が8割減の対象となった方が節税効果は期待できますよね。

このようにある種、節税のテクニック的な使い方をされる場合もありますが、基本的にこの制度は、これまで住み慣れてきた住宅を相続するために莫大な相続税が発生するようでは残された家族の今後の生活が脅かされてしまうため、そういったことがないようにする配慮なのです。

現金資産はそれほど持っていないのに、評価額の高い土地に暮らしているがために相続税の課税対象となり、納税資金が準備できず泣く泣く自宅を売却・・・なんてことになれば残された家族は途方に暮れてしまいますよね。小規模宅地の特例は、このような事態を避けるための制度だということを覚えておいてくださいね!

また、場合によっては自宅が2つ以上あるという場合もありますよね。よく「限度面積以内であればどちらにも小規模宅地の特例が適用になるのか?」という質問がありますが、答えは「適用にならない!」です。被相続人が主として居住するのに使っていた1つの宅地のみが適用対象となります。

1−2.対象となる土地と建物は

ここまで、小規模宅地の特例について「住宅」の相続税評価額減となる制度だということを解説してきましたが、実は居住用住宅のほかにも小規模宅地の特例の対象となる不動産があるんです。居住用の要件も合わせてまとめてみます。

(国税庁HPより)

わかりやすく言うと、居住用の宅地以外には、被相続人が事業をしていた土地、およびアパートやマンション経営を始めとする賃貸業を営んでいた土地が対象ということになります。

それぞれ用途に応じて限度面積や減額される割合が異なってきます。

よくある質問には、「商売をしていた土地と居住用の宅地どちらも持っている場合はどうなるか?」や「アパート経営をしている土地と居住用の宅地があるが併用できるか?」などがあります。

簡単に言うと、居住用の宅地と商売をしている土地(特定事業用宅地)を併用する場合はそれぞれについて限度面積の合計に小規模宅地の特例が適用されます。なので最大730㎡までが評価減になります。

一方で、不動産貸付事業が絡んでくると居住用との完全な併用はできません。限定併用と言って、計算方法が複雑になってくるので専門家に相談するのが得策かもしれません。

表の要件で見ていくと、①や②の土地と⑥両方を持っている場合には合計で最大730㎡まで評価減をする併用ができますが、③④⑤の土地が絡んでくると限定併用となります。やり方によっては相続税が大きく変わってくることもあるので注意が必要です。

2.別居家族でも使えるの?小規模宅地の特例を使える条件とは?

小規模宅地の特例を「使える人」の範囲はなかなか複雑です。次の章で詳しく解説していきますが、平成30年から変更点も加わったことで更に分かりづらい制度になりつつあるんです。ここでは、配偶者、同居親族、別居親族の3パターンに分けて小規模宅地の特例を使える条件を見ていきます。

2−1.配偶者について

小規模宅地の特例の条件は複雑と説明しましたが、配偶者の場合はいたってシンプル!無条件でこの特例が適用になります。婚姻期間の制限なども特にありません。

配偶者への相続時には、他にも「相続税の配偶者控除」で1億6,000万円もしくは法定相続分までが非課税で相続できるなどの優遇があります。

被相続人と生活や人生を共にしてきた配偶者の今後の生活を保障していくという意味合いで様々な優遇がありますが、使い勝手が良いからという理由で何でもかんでも配偶者に相続をしてしまうと後々配偶者が亡くなり次に子どもへ相続するとなったときに膨大な相続税が発生することも考えられますので、注意も必要です。

2−2.同居親族について

同居親族が居住用宅地の相続または遺贈を受けたときには、次の条件を満たしている必要があります。

「相続開始の時から相続税の申告期限まで、引き続きその家屋に居住し、かつ、その宅地等を相続税の申告期限まで有している人」

同居をしており、なおかつ相続税の申告期限まで引き続きその住宅に住んでいれば問題なく満たしているであろう条件です。

しかし、例えば住民票だけ被相続人の家の住所で登録していたり、ほかにご自身で別の場所に家を借りているけれど週に何回かは実家に帰っているなどという場合には「同居」には該当せず、要件はより厳しくなるので注意が必要です。

小規模宅地の特例は住民票登録など形式上の「同居」ではなくあくまでも「実態」を調査した上で本当の同居なのかを確認された上で適用判断がされるので注意が必要です。

2−3.別居親族について

別居親族が居住用宅地の相続または遺贈を受けたときには次の条件を満たしている必要があります。

「相続開始の時において、被相続人が一時居住被相続人、非居住被相続人又は非居住外国人であり、かつ、取得者が一時居住者又は日本国籍及び日本国内に住所を有していない人ではないこと」

被相続人に配偶者がいないこと」

「被相続人に、相続開始の直前においてその被相続人の居住の用に供されていた家屋に居住していた親族でその被相続人の相続人(相続の放棄があった場合には、その放棄がなかったものとした場合の相続人)である人がいないこと」

「相続開始前3年以内に日本国内にあるその人又はその人の配偶者の所有する家屋(相続開始の直前において被相続人の居住の用に供されていた家屋を除きます。)に居住したことがないこと」

「その宅地等を相続税の申告期限まで有していること」

小規模宅地の特例の対象か否かを判断するときに最も複雑になってくる別居親族。

まず、被相続人に配偶者がいる場合には適用にはなりません。お父さんが亡くなったときに、お母さんが健在であればそもそも子や孫は小規模宅地の特例は使うことができないのです。

小規模宅地の特例は、よく「二次相続対策で使いたい」と考える方もいますが、親や祖父母と別居しているのであればその方法は使うことができません。

また、被相続人に配偶者がいなくても別の相続人と同居している場合には別居親族は小規模宅地の特例対象外となります。例えば、お母さんと長男が同居している場合などです。いくら次男が特例を使って自宅を相続したいと考えても長男と同居している以上適用にはならないのです。

また、持ち家を持っている場合も対象外です。

逆に言えば、被相続人に配偶者や同居している別の相続人となる人物がなく、持ち家がない別居親族はしっかりと相続税の申告期限までその住宅を保有し続けるのであれば小規模宅地の特例を受けることができるんです!

ポイントとなるのは家がないこと!そんなことからこの特例は通称「家なき子特例」などと呼ばれることもあります。

ただ、この別居家族に関する要件は今後厳しくなっていく方向に。

本来は、例えばもともと同居していた家族が転勤などで一時的に別居状態となり転勤先で賃貸アパートなどで暮しているタイミングで相続が発生した場合などの救済策としてできた特例であるにも関わらず、相続税を圧縮するために色々な裏技的ノウハウができてしまったんです。

次の章では、今後別居家族に関する要件がどのように変わっていくのかということを見ていきます。

3.【平成30年改正ポイント】「家なき子特例」の厳格化とは?

前章では、別居親族の小規模宅地の特例適用条件を見てきました。しかし、実は平成30年4月から持ち家を持たない別居家族「家なき子特例」の内容が改正されました。

改正点は赤字の部分です。以下の表をご覧ください。

改正前 改正後
①被相続人の配偶者、相続人である被相続人の同居家族がいないこと
②相続開始日前3年以内に、日本国内にある次の者所有の住宅に住んだことがないこと
イ.自己 イ.自己
ロ.自己の配偶者 ロ.自己の配偶者
ハ.自己の3親等内の親族
二.自己と特別の関係がある一定の法人
③被相続人が住んでいた住宅の敷地を相続税の申告期限まで保有し続けること
④相続開始時に住んでいる住宅について、過去に一度も所有したことがないこと

小規模宅地の特例は、誰もが使いたいと思う魅力的な制度です。なので、できれば要件に該当するように・・・と誰もが考えます。実は改正前の法令では、やり方次第では納税の「抜け道」があったんです。

例えば、自己所有の住宅があったとしても、相続開始の3年以上前に住宅を「子」の名義に変えてしまうこと。3年経過してしまえばその住宅に同じように住んでいたとしても小規模宅地の特例が利用できてしまいます。しかし、子は「自己の3親等以内の親族」となるので改正後は対象にはなりませんね。

同様に、自分自身が経営する会社が住宅を保有していることにしてしまうという方法も使えなくなります。

また、過去に自分自身が持っていた住宅を他人に売却して、今はその人から借りて住んでいるなどの場合も対象外になってきます。

今回の改正はいずれも「どうにかして小規模宅地の特例の対象になりたい!」という税逃れを無くすための改正とも言えそうです。納税者にとってはマイナスの変更点です。

相続税関連の税制は近年改正も多く、相続対策の抜け道を減らすような方向になってきていますので、今後も引き続き改正ポイントに注意しながら対策を進めることが大切です。

相続に関する本やインターネット上の情報は常に最新のものを確認し「こんな情報知らなかった!」なんてことがないようにしたいものですね。

ちなみに、この平成30年の「家なき子特例」の厳格化は、改正前の平成30年3月31日までに旧「家なき子」の条件を満たして平成32年3月31日までに相続で取得すれば小規模宅地の特例の対象となる経過措置があります。

4.早まった相続税対策で使えないケースも?

お金の専門家の話や相続対策関連の書籍で「相続対策は早いうちから始めるべき!」ということを聞いたり目にしたりすることが多いのではないでしょうか?

確かに、相続には様々な方法があり特に生前贈与をする場合や、相続対策に向けて不動産に手を加えるなど何らかの工夫をする場合には、膨大な時間を要することもあります。なので、「早いうちから始めるべき」ということには異論ありませんが、実際に早めの行動をして失敗してしまったというケースも。

ここでは、小規模宅地の特例にまつわる「早めの対策」による失敗例を見ていきます。

4−1.3年以内の贈与で後悔

相続税対策の一つとして広く行われている「生前贈与」

贈与税が年間110万円まで非課税となる基礎控除が設けられていることなどをご存知であれば、亡くなったときに相続税としてたくさん税金を支払うよりは非課税枠を有効に活用して生前贈与をしてコツコツ資産の圧縮をしているという方も多くいらっしゃることでしょう。

しかし、実はこの生前贈与、被相続人が亡くなり相続が開始する3年以内の贈与分については相続財産に含める必要があるんです。

場合によっては、土地や住宅などを生前贈与で家族に贈与するという場合もあるかもしれませんが、贈与後、3年以内に相続が発生してその土地を小規模宅地の特例で8割減にしたいと思っても一度贈与で持ち主が変わっている土地については小規模宅地の特例が適用になりません。

小規模宅地の特例が使えない上に、相続税の課税対象になってしまう・・・まさに早まった行動の結果、失敗してしまった例ですね。

この3年以内の加算のルールは、小規模宅地の特例以外でも案外相続対策の落とし穴になることが多いようです。相続税対策をするときには、このルールのことを念頭に入れておくのが得策ですね!

4−2.相続時清算課税制度で後悔

生前に子や孫に資産を贈与する方法の一つに「相続時精算課税制度」という方法があります。あまり聞きなれないかもしれないのでどんな制度なのか説明していきます。

まず、対象となるのは60歳以上の親や祖父母が20歳以上の子や孫に贈与をする場合です。

110万円の基礎控除が設けられている暦年贈与をしていく場合には、110万円を超えた分については贈与税が課税されますが、「相続時精算課税制度」を利用すると贈与時はなんと2,500万円まで非課税になるんです!

ただし、ポイントは「贈与時は!」ということです。贈与するときには非課税ですが、相続が発生したときに相続資産として課税対象に組み入れられます。

土地を相続時精算課税制度で生前に贈与した場合には、贈与時は2,500万円以内であれば非課税ですが、相続時に課税対象となります。

そして、ここまで説明するともう想像がついているかもしれませんが、小規模宅地の特例は使うことができません!相続税の課税対象にはなりますが、あくまでも「贈与によって得た土地」という扱いになってしまうんです。

ただし、あえて小規模宅地の特例の対象となる土地であっても相続時精算課税制度を使うという例も。例えば、「そもそも、相続税はかからないです!」という場合。相続税がかからない方であれば贈与税非課税で土地を贈与したいですよね?そんなときに相続時精算課税制度が利用されます。

または、「今後この土地の評価額が値上がりしそう!」と判断されたとき。何らかの理由でその土地の評価額が上がりそうなとき、相続時精算課税制度を使って生前贈与をしてしまえば、課税される価格は「贈与時」の時価が適用されます。稀なケースかもしれませんが、時価が低いうちに贈与をしておくという選択をする方も中にはいるようです。

ここまで、相続時精算課税制度を使って土地を贈与した場合には小規模宅地の特例が使えないことと、それでも相続時精算課税制度で土地を贈与する場合もあるということを見てきましたが、最後に相続時精算課税制度利用時の注意点をもう一点挙げておきます。

一度この制度を利用してしまうと、暦年贈与で110万円の基礎控除の恩恵を受けることができなくなってしまいます。

つまり、生前贈与というのは暦年贈与か相続時精算課税制度どちらかを選択するシステムになっているんです。

ちなみに、相続時精算課税制度を選択した場合は、2,500万円を超過した贈与分については贈与の都度「一律20%」の贈与税が発生することになります。4,000万円贈与する場合には、2,500万円までは非課税ですが、残りの1,500万円分は20%の課税。300万円を支払う計算になります。

この部分ももちろん相続時に精算されるのですが、「節税」という観点では相続時精算課税制度は暦年贈与ほど有効ではない場合がほとんどです。

5.小規模宅地の特例、どんな手続きが必要なの?

小規模宅地の特例が使えるということがわかったら、次はどれくらいの節税になるかということやどんな手続きが必要なのかということを簡単に見ていきましょう。

相続税の申告期限は相続を知った日から10ヶ月以内。家族が亡くなり、遺産分割協議を行ったり、必要書類を準備しているうちにこの10ヶ月というのは案外早くやってきてしまうものです。

どんなことが必要になってくるのか事前に確認しておきましょう。

5−1.相続税の土地評価額の計算方法

まずは、小規模宅地の特例でどれだけ節税できるかを把握するためにご自身でできる土地評価額の概算の出し方を紹介します。

土地の価格で「公示価格」「路線価」「固定資産税評価額」など様々な価格について聞いたことがあるのではないでしょうか?

相続税の評価額を算出するときに使うのは「路線価」です。

まず、用意していただくのが毎年4月に送られてくる固定資産税の納付書。その中に土地の地積が載っているのでそちらを確認してみてください。

そして、次に国税庁ホームページで「路線価」を見ます。都道府県、市町村と絞り込んでいくと相続予定の自宅の路線価図が表示されます。

一例ですが、「27F」や「34E」など数字+アルファベットの組み合わせが並んでいます。

アルファベットについては借地権割合を示しているので住宅用の土地の場合には飛ばしてしまってください。

肝心なのはこの数字。単位千円で、その土地1㎡あたりいくらかということを表しています。よって、「27F」の土地の場合は1㎡あたり27,000円ということになります。

そして土地評価額は「路線価1㎡あたりの金額×地積」で求めることができます。300㎡であれば810万円ということになりますね。

ただし、これはあくまでも「ざっくりとした」計算方法。道路に面していない・角地に面しているなど様々な基準によって評価額は補正されていきます。

詳細を出すのはテクニックが必要になってきます。評価額を必要以上に増やさないためにも、専門家に相談するのが良いでしょう。

5−2.税務署への届出書類

相続税が発生する場合や、相続税に関する特例を使う場合には相続の開始があったことを知った日から10ヶ月以内に相続税の申告と納税を行う必要があります。

まずは遺産分割協議を行い、被相続人が残した財産をどのように分けるかということを決めることになります。

しっかりと決まれば税務署へ相続税の申告を行います。小規模宅地の特例を活用する場合には、一般的な相続税の申告書類にプラスして以下の添付書類が必要になります。

・相続開始日以後に作成された、適用を受ける人の住民票の写し

・親族のうち所定の要件を満たす人が特例を受ける場合には、相続開始日以後に作成された「戸籍の附票の写し」「相続開始前3年以内に居住していた家屋が自己または自己の配偶者の所有する家屋以外の家屋である旨を証明する書類」

家屋が自己または自己の配偶者の所有する家屋以外であることを証明する書類には、借家の賃貸借契約書などがあります。

もし申告期限内に遺産分割協議が終わらなかった場合には「申告期限後3年以内の分割見込書」という書類を提出することで、期限を過ぎるまでに手続きが完了しなくても3年以内に遺産分割協議がまとまれば小規模宅地の特例を受けることも可能です。

また、申告をするのは被相続人の住所登録があった地域を管轄する税務署です。相続人代表の住まいを管轄する税務署ではないのでご注意ください。

6.これだけは確認してから行動すべき!?

小規模宅地の特例を上手に活用できれば、大きな節税効果があったにも関わらずうっかりミスによって小規模宅地の特例が使えなかったというケースもあるようです。

「知らなかった!」ではもう遅い、相続に備えてこれだけは確認してから行動した方が良いということを3つまとめました。

6−1.マイホームを購入してからではもう遅い!

いつかマイホームを持つのが夢という方も多いことでしょう。住宅展示場にふらっと立ち寄ったつもりが、いつの間にか本気になってしまいトントン拍子でマイホーム購入が進んだというケースもよくあるもの。

しかし、もし将来親や祖父母の相続によって何かしら資産を手にする可能性があるのであればマイホームの購入はよくよく考えてからにした方が良さそうです。

先ほども確認しましたが「家なき子特例」すなわち別居親族が小規模宅地の特例を受けるための要件には「自己または配偶者が家屋を持たない」というものがあります。

マイホームを購入して間もなく相続が発生し、この要件を満たすことができなかったがために高額な相続税が発生したという失敗談も珍しくありません。

「そもそも別居している家族がこんな税制優遇を受けられるなんて知らなかった!」と悔やんでも残念ながらもう遅いのです。

資産家の家族を持つ方は、マイホームを購入する前に一度相続税のシミュレーションをしてみましょう。

6−2.すぐに売却してはダメ!

次も「知らなかった!」では済まないことについてです。

小規模宅地の特例を適用するには、その相続した宅地を相続税の申告期限(相続開始から10ヶ月以内)まで保有している必要があります。

不動産売買で良い話があったとしても、それ以前に手放してしまうのは禁物です。

6−3.生前贈与の注意点

生前贈与に関するもので「住宅取得等資金贈与の非課税」という、住宅購入などに充てるための資金を子や孫に最大で1,200万円までを非課税で贈与できる制度があります。

こちらも相続税の課税対象となる資産を圧縮させる効果があり、相続税対策として取り入れている家庭もありますが、こちらの制度を使って子や孫がマイホームを手にしてしまうと、もちろん別居親族として小規模宅地の特例を使って被相続人の自宅の土地を相続することができません。

土地の評価額によっては、小規模宅地の特例を使った方が大幅な節税が可能になることもあります。

どちらの方がよりメリットがあるということを見極めてから利用することをおすすめします。

また、4章でも見てきましたが、この他にも相続開始前3年以内の生前贈与や、相続時精算課税制度の活用など、生前贈与には注意すべき点が多くあるので取り扱いにはご注意ください。

7.まとめ

「小規模宅地の特例」の制度内容や平成30年の改正点、活用する上で気をつけるべきことなどを見てきましたがいかがでしたか?

この制度を活用する前と後では、相続資産が大幅に変わってくることも珍しくありません。それにも関わらず、この制度の効果を見落としてしまい生前贈与や生命保険への加入など不要な相続対策をしている家庭もあるようです。

「息子がマイホーム購入を少し待ってくれたらしっかり節税できたのに!」などと後で悔やんでも残念ながら時間を戻すことはできません。

人生の中で大切な決断をしていく前にまずはこの小規模宅地の特例のことをよく知って、上手に活用していきましょう。

そして、相続税対策をしていく中でもう一つ大切なことは「時流に乗る」ということです。今回の「家なき子特例」の改正についても言えますが、相続税にまつわる法律は年々納税者にとって厳しいものへと変わってきています。今後もこの傾向は続いていくことでしょう。

改正点などをしっかりチェックして、ご自身のこれまでの対策で不十分なものがあれば見直すなど新しい基準に合わせてメンテナンスしていくことも必要です。

いつどんなタイミングでやってくるかわからない相続だからこそ、「一度やって終わり」ではなく見直すという視点を持ってみることも今後大切になってきそうです。

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