受け取り方で変わる!?収入保障保険の税金を徹底解説します!

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収入保障保険は、一家の大黒柱にもし万が一のことがあった場合、「先々の生活が心配。一度にまとまった金額を受け取るのではなく、毎月、少しでもいいから決まった収入がほしい」と思っておられる方には、ぴったりな選択です。

とくに、専業主婦の方や、お子さんがまだまだ小さく、すぐには働くことのできない方など、収入が途絶えてしまうことがあらかじめ予測されている場合であれば、よりいっそう不安ですよね。

ただ、「今後の生活の支えに」と思って収入保障保険ご加入されていても、万が一の時に、受け取る保険金にかかる税金については、あまりご存知ないのではないでしょうか?

どの生命保険でもそうですが、収入保障保険で保険金を受け取る場合にも、税金がかかります。

案外、見落とされがちな収入保障保険での税金について、この際、すっきりさせてみませんか?

せっかく「安心のために備える」収入保障保険です。

いざというときになっても、慌てないですむように、今から税金についてみていきましょう!

目次

1.収入保障保険をおさらいしてみよう!
1.1収入保障保険の仕組み
1.2受け取り方で保険金の金額が違う!?

2.収入保障保険の保険金を受け取る場合
2.1一括で受け取る
2.2年金形式で受け取る

3受け取り方で保険金が違う理由!

4.収入保障保険は保険金を受け取る人で税金の種類が変わる?
4.1相続税
4.2所得税
4.3贈与税
4.4保険契約者・被保険者・受取人の関係!

5.収入保障保険と税金の関係
5.1一時所得と雑所得って?
5.2一時所得
5.3雑所得

6.収入保障保険の保険金を受け取る場合、【非課税枠】に注目!
6.1一括で受け取ることを選択した場合
6.2年金として受け取ることを選択した場合
6.3年金受給権ってナニ?

7.収入保障保険を年金形式にした場合、税金はどうなる?
7.1年金として受け取る場合の所得税の計算方法
7.2 2年目の課税部分の計算式

8.二重課税の問題って?

9.まとめ

1.収入保障保険をおさらいしてみよう!

収入保障保険とは、ご加入時に取り決めた保険金の金額を、毎月、受け取ることができる保険商品です。

ご契約者(被保険者)の方に万が一のことがあった場合、残されたご家族の方は、毎月、決まった金額のものを、一定の期間にわたって、ずっと受け取ることができます。

一般的な生命保険では、万が一のときに受け取る保険金の金額は、1,000万円や3,000万円など、大きな金額のものを一括して受け取ることになりますが、収入保障保険では、毎月、10万円や15万円など決まった金額のものを、たとえば、お子さんが成長するまでのあいだ、毎月、受け取ることが可能です。

もしもの時に、一度に大きな金額の保険金を受け取っても、その後の運用に困ってしまうという方や、いざ必要になったときに手元にいくらも残っていないのではないかと心配な方には、ぴったりの保険商品と言えます。

1.1収入保障保険の仕組み

収入保障保険は、受け取ることのできる保険金の金額がしだいに減っていく逓減(ていげん)型の定期保険のひとつとなります。

定期保険のひとつですから、定期保険と同様に、必要な期間だけ、割安な保険料で、大きな金額の死亡保障を準備することができます。

また、保険料は掛け捨てとなり、満期時に受け取ることのできる満期保険金や、解約時に受け取ることのできる解約払い戻し金はありませんが、収入保障保険では、毎年、保険金の金額が減っていきますので、通常の定期保険と比べても、ぐっと割安な保険料で、万が一のときに備えることが可能となります。

●イメージ図

1.2受け取り方で保険金の金額が違う!?

収入保障保険では、万が一のとき、死亡保険金を一括で受け取るのではなく、毎月少しづつ分割して、長期間にわたって一定の金額を受け取ることになります。

ですから、あとに残されたご家族の方は、安定した生活設計をのぞむことができます。

また、一般的には、ご家庭のライフサイクルや家族構成の変化にともない、教育や生活に必要な費用は徐々に減っていきますので、必要な金額に合わせて、保険金の金額もだんだん下がっていく収入保障保険は、ライフスタイルに見合った、とても合理的な保険商品と言えます。

また、もし、まとまった金額が必要になった場合には、一括して保険金を受け取ることも可能です。

さらに、収入保障保険の保険金を毎月受け取っていても、まとまったお金が必要になった場合には、残りの保険金をまとめて一括で受け取ることも可能です。

ただし、一括で受け取った後、分割に戻すことはできませんので、注意する必要があります。

また、一括で受け取った場合は、毎月受け取る場合に比べて、受け取ることのできる保険金の総額が下がってしまいます。

たとえば、毎月10万円を受け取っていた保険金を「残り3年分をまとめて受け取りたい」場合など、10万円×36カ月=360万円となりますが、そのままの金額を受け取れる訳ではありませんので、その点でも、注意する必要があります。

2.収入保障保険の保険金を受け取る場合

通常、収入保障保険の保険金の受取方法は、毎月決まった金額を受け取る「年金形式」の他、「一括受取」、「一括受取と毎月受け取りの組み合わせ」の3つのパターンから選ぶことができます。

最近では、保険金の受け取り形式を、契約時に決めたものではなく、実際に受け取る時に選択できるタイプのものが主流となっています。

2.1一括で受け取る場合

収入保障保険での保険金の受取り方を、一括での受け取りとした場合、たとえば、30歳男性の方が、収入保障保険で保障を備える期間(保険期間)を65歳までとして、A生命保険会社にて、毎月10万円を年金として受け取るプランにご加入された場合

ご加入後1カ月目に万が一のことがあった場合には、残されたご家族の方は、約3,350万円の保険金額を受け取ることになります。

10年1ヶ月目であれば、約2,500万円となり、20年1ヶ月目では、約1,600万円となります。

このように、収入保障保険では、徐々に、受け取る金額が下がっていきます。

2.2年金形式で受け取る場合

収入保障保険での保険金の受取り方を、年金形式での受け取りとした場合、収入保障保険で保障を備える期間(保険期間)を65歳までとして、A生命保険会社にて、毎月10万円を年金として受け取るプランにご加入された場合

ご加入後1カ月目に万が一のことがあった場合、残されたご家族の方は、毎月10万円×12カ月×35年=4,200万円の保険金額を受け取ることになります。

10年1ヶ月目であれば、約3,000万円となり、20年1ヶ月目では、約1,800万円となります。

このように、収入保障保険では徐々に受け取る金額が下がっていきます。

3.受け取り方で保険金が違う理由!

収入保障保険では、一括して受け取る場合と、年金形式で受け取る場合では、受け取り時の総額に違いが生じています。

これは、各保険会社が、私たちから払い込まれた保険料を「年金原資」として運用しているためです。

つまり、払い込まれた保険料の一部を、保険会社が資金として運用することによって、得られたであろう利益の分が、一括受取を選択した場合でしたら、少なく支払われる形となります。

保険金の受け取り方を年金形式として選択した場合、私たちが自分で資金運用する代わりに、各保険会社が運用しているということになり、得られる利益分があらかじめ上乗せされて支払われる形となります。

受け取り形式による総額の違い

【例】30歳男性 月払い保険料 3,640円 65歳満了

ご加入後経過年数 年齢 年金受取時金額
(万円)
一括受取時金額
(万円)
払込保険料累計額
(円)
0年1カ月目 30 4,200 3,350 3,640
1年1カ月目 31 4,080 3,274 43,680
5年1カ月目 35 3,600 2,962 218,400
10年1カ月目 40 3,000 2,547 436,800
20年1カ月目 50 1,800 1629 873,600
30年1カ月目 60 600 580 1,310,400
34年1カ月目 64 240 236 1,354,080

4.収入保障保険は保険金を受け取る人で税金の種類が変わる?

収入保障保険によらず、生命保険などでの保険金を受け取る場合には、受け取る人が「誰か」によって、課税の種類が変わってきます。

ご契約者(保険料負担者)の方と被保険者(その保険商品で保障を受けられていた方)が違う場合などや、受取人となる方との関係性によって、「相続税」、「所得税」、「贈与税」のいずれかに分かれています。

4.1相続税

契約者(保険料負担者)の方と被保険者(その保険商品で保障を受けられていた方)が同一の場合、受取人の方が受取った死亡保険金は、税法上、相続または遺贈によって取得したものとみなされ、相続税の課税対象となります。

ただし、死亡保険金の受取人の方が被保険者の相続人である場合でしたら、【500万円×法定相続人数分】の金額は、生命保険金控除金額として差し引くことができ、非課税の対象となります。

4.2所得税

契約者(保険料負担者)の方と保険金受取人の方が同一の場合でしたら、受取人の方が受取った保険金は、一時所得として所得税の課税対象となります。

その場合の計算式は次のようになります。

【課税対象額】=(保険金+配当金-払込保険料累計額-50万円)×1/2

ただし、5年満期一時払養老保険については、差益※に対して20.315%(国税15%地方税5%復興特別所得税0.315%=平成49年まで)の源泉分離課税が適用されます。

※差益=満期保険金+配当金-一時払保険料

4.3贈与税

契約者(保険料負担者)の方、被保険者(その保険商品で保障を受けられていた方)、受取人の方がそれぞれ異なる場合、受取人の方が受取った保険金は贈与によって取得したものとみなされ、贈与税の課税対象となります。

その場合の計算式は、次のようになります。

【課税対象額】=受取り金額-110万円

4.4保険契約者・被保険者・受取人の関係!

保険金を受け取る場合、たとえば、契約者(保険料負担者)/夫・被保険者(その保険商品で保障を受けられていた方)/夫・受取人が妻や子供の場合でしたら、相続税の対象となります。

契約者(保険料負担者)/夫・被保険者(その保険商品で保障を受けられていた方)/妻・受取人が夫の場合でしたら、所得税の対象となります。

契約者(保険料負担者)/夫・被保険者(その保険商品で保障を受けられていた方)/妻・受取人が子どもの場合でしたら、贈与税の対象となります。

契約者 被保険者 受取人
妻または子ども 相続税
妻あるいは子ども 所得税
子ども 贈与税

一般的にいって、「所得税」とは、収入から、その収入を得るためにかかった経費(必要経費)を差し引いた金額(所得)に対して課税される税金のことを言います。

「相続税」とは、死亡した人の財産を、生きている人がもらった場合にかかる税金のことを言います。

これに対して、「贈与税」とは、生きているあいだに、自分の財産を、他の人にあげた場合に課税される税金のことを言います。

生命保険での死亡保険金を受け取った場合であれば、その保険金の原資となった保険料を負担していたのは、実際には「誰か」ということが、ポイントとなります。

つまり、【夫】が保険料を負担して、ご自身の生命保険に加入後、発生した死亡保険金を、妻や子供が受け取った場合であれば、実際に保険料を負担していたのは【夫】ですから、夫の死亡保険金は亡くなった人の「財産」であるとみなされ、相続税の課税対象となります。

また、【夫】が保険料を負担して、妻や子どもが生命保険に加入後、発生した死亡保険金を、【夫】が受け取った場合であれば、実際に保険料を負担していたのは【夫】ですから、発生した死亡保険金は「所得」であるとみなされ、所得税の課税対象となります。

【夫】が保険料を負担して、妻が生命保険に加入後、発生した死亡保険金を、子どもが受け取れば、実際に保険料を負担していたのは【夫】ですから、生きている人(【夫】)から生きている人(子ども)へ「無償で財産をあげた」ものとしてみなされ、贈与税の課税対象となります。

このように、生命保険で死亡保険金を受け取る際には、実際に保険料を負担していた人(=契約者)との関係で、課税方法が変わり、適用される税率も変わってきます。

5.収入保障保険と税金の関係

収入保障保険では、保険金を受け取る形式(年金として受け取るか、一括で受け取るか)や、契約者(保険料負担者)の方と被保険者(その保険商品で保障を受けられていた方)、保険金を受け取る人は誰か、ということで課税の種類が変わります。

たとえば、契約者(保険料負担者)/夫・被保険者(その保険商品で保障を受けられていた方)/夫・受取人が妻や子供の場合でしたら、相続税の対象となります。

契約者(保険料負担者)/夫・被保険者(その保険商品で保障を受けられていた方)/妻・受取人が夫の場合でしたら、所得税の対象となります。

契約者(保険料負担者)/夫・被保険者(その保険商品で保障を受けられていた方)/妻・受取人が子どもの場合でしたら、贈与税の対象となります。

その他にも、受け取り方の選択でも、課税の種類が変わります。

例えば、収入保障保険での保険金を年金形式ではなく、一括で受け取る場合は、一時所得として所得税の課税対象となります。

年金形式で受け取る場合には、雑所得として所得税の課税対象となります。

契約者
(保険料負担者)
被保険者 受取人 一括受取時 被保険者
死亡時
年金受取時
妻/子ども 相続税 相続税 所得税(雑所得)
所得税(一時所得)
子ども 贈与税 贈与税

5.1一時所得と雑所得って?

私たちが、なんらかの形で収入を得た場合、その収入を得るためにかかった経費(必要経費)を差し引いて残ったもののことを「所得」と言います。

私たちは、この「所得」の金額によって決められている割合(税率)を乗じた金額のものを、税金として、国に対して納めています。

私たちが国に対して納める税金のことを、国税と言います。

国税には、いくつかの種類がありますが、「所得」に対する税金のことを、「所得税」と言います。

さらに、「所得税」は、給与所得、事業所得、不動産所得、利子所得、退職所得など、10種類に分かれています。

また、「所得税」の種類によって、課税の形態も、分離課税方式、総合課税方式といった2つ方式に分かれています。

分離課税方式とは、特定の「所得」を他の「所得」を合計せずに、分離させて課税する方式となります。

総合課税方式とは、全ての「所得」を合計したうえで課税する方式となります。

「一時所得」および「雑所得」とは、10種類の「所得税」のうちの2つの種類となります。

「一時所得」は分離課税方式となり、「雑所得」は総合課税方式となります。

5.2一時所得って?

「一時所得」とは、「営利を目的とする継続的な行為から生じた所得以外の所得」のことを言います。

つまり、文字どおり、一時的に、偶然たまたま発生した「収入」に対する「所得」について課される税金ということになります。

生命保険の保険金(一時金)は、一時所得にあたります。

5.3雑所得って?

「雑所得」は、さらに「公的年金等の雑所得」と「公的年金等以外の雑所得」の2つに分かれています。

「公的年金等の雑所得」の公的年金とは、国民年金や厚生年金などの老齢年金、企業年金、恩給、遺族年金、遺族厚生年金、寡婦年金などのことを言います。

「公的年金等以外の雑所得」とは、他に安定して継続した収入のある方が、本業以外での副業で得た収入や、先物取引やFX取引きでの収入に対しての「所得」があげられます。

民間の保険契約による年金は、雑所得に該当します。

該当するもの 代表的なもの 課税方式
一時所得 一時的な収入 生命保険での満期保険金や死亡保険金 分離課税
雑所得 本業以外の副業での収入 先物取引やFX取引での利益、
公的年金以外の個人的な年金
総合課税

6.収入保障保険の保険金を受け取る場合、【非課税枠】に注目!

一般的に、収入保障保険にご加入を検討されている方や、すでにご加入されている方の場合でしたら、一家の稼ぎ手に万が一のことがあっても、あとに残されたご家族の方の生活が、なるべく経済的に安定したものになることを目的とされていることが多いことでしょう。

このため、契約者(実際に保険料を負担している方)と、被保険者(収入保障保険での保障を受けられる方)を【夫】とし、受け取り人を【妻】とする場合が、もっとも一般なパターンとなっています。

この場合、契約者(被保険者)である【夫】に万が一がおきた際に、【妻】が受け取る保険金は、相続税の課税対象となります。

具体的な例でみていきましょう。

【例】30歳男性の方が、収入保障保険で保障を受ける期間を65歳として、月払い保険料を3,640円にて、ご家族の方の毎月の受取額を10万円を受け取るプランにご加入されていた場合に、ご加入後10年目で保険金の受け取りが発生した場合

A保険会社での支払例は、次のようになります。

ご加入後経過年数 年齢 年金受取時金額
(万円)
一括受取時金額
(万円)
払込保険料累計額
(円)
10年1カ月目 40 3,000 2,547 436,800

6.1一括で受け取ることを選択した場合

この表にしたがって、相続税の課税の対象となる金額が2,547万円であった場合、この課税対象となる金額から、死亡保険金の受け取り時に差し引くことのできる金額(控除される金額)=500万円×【法定相続人の人数※】を引いた金額のものが、実際に相続税を計算する際のもとになる金額となります。

【例】

相続税の課税対象となる金額(2,547万円)-(500万円×【法定相続人の人数※】)=実際に課税対象となる金額

※法定相続人とは法律で定められている相続の権利のある方のことです。

権利があるということは、特別な手続きをする必要がなく、いわば、自動的に相続権を持つ方であるということになります。

自動的に相続する権利は、民法で規定されており、配偶者(法律上の夫または妻)、子(直系卑属)、父母(直系尊属)、兄弟姉妹(傍系血族)の4種類の立場の方と決められています。

通常、内縁関係にある配偶者の方や、親族であっても子の配偶者(いわゆる嫁とよばれる立場の方)や直接的に血縁関係にない配偶者の兄弟姉妹(叔父・叔母)には法定相続権は発生しません。

仮に、【例】30歳男性の方のご家族が、妻と子供2人であった場合、500万円×【法定相続人の人数=3人】=1,500万円を、課税対象額の2,547万円から差し引くことができます。

また、相続税には基礎控除というものが適用されますので、3,000万円+600万円×法定相続人数の金額が、非課税となります。

【例】30歳男性の方の場合でしたら、3,000万円+600万円×【法定相続人数(=3人)】=4,800万円までが、非課税の対象となります。

つまり、収入保障保険での保険金の受取り金額(=2,547万円)から、税金が控除される金額(=1,500万円)を差し引いた金額(2,547-1,500=1,047万円)が、相続税の基礎控除となる金額(4,800万円)を超えていませんので、収入保障保険での保険金受取については、税金を納める必要がないため、申告する義務も生じません。

【例】

相続税の基礎控除額4,800万円(=3,000万円+600万円×法定相続人3人)>実際に相続税の課税対象となる金額1,047万円(=受け取り時の保険金額2,547万円-保険金の控除額1,500万円(=500万円×法定相続人3人)

また、保険金の受取人が、子どもがいない【妻】(配偶者)のみの場合であっても、相続税の場合でしたら、配偶者控除の適用となりますので、1億6千円までが、非課税となります。

6.2年金として受け取ることを選択した場合

【例】30歳男性の方のご家族の方が、収入保障保険での保険金の受け取り方法を一括で受け取るのではなく、年金形式で受け取ることを選択した場合

一括で受け取る時と同じように相続税の課税対象となります。

妻と子供2人(法定相続人が3人)であった場合、相続税の課税対象となる金額の計算式は、次のようになります。

【例】

相続税の基礎控除額4,800万円(=3,000万円+600万円×法定相続人3人)>実際に相続税の課税対象となる金額1,047万円(=受け取り時の保険金額2,547万円-保険金の控除額1,500万円(=500万円×法定相続人3人)

このように、基礎控除の金額を超えていないかぎりは、相続税の課税対象とはならず、申告義務も生じません。

また、保険金の受取人が【妻】(配偶者)のみで、子どもがいない場合であっても、配偶者控除の適用となりますので、1億6千万円までが、非課税となります。

6.3年金受給権ってナニ?

収入保障保険での死亡保険金を、あとに残されたご家族の方が受け取る際、相続税法では、「年金を受け取る権利」を相続したと、判断されます。

この「年金を受け取る権利」のことを、「年金受給権」と言います。

「年金受給権」は、収入保障保険での年金として受け取り時以外にも、個人年金保険や確定拠出年金、老齢年金などの公的年金においても、年金受給資格者に対して発生するものとされています。

また、法律の上では、生命保険での死亡保険金は、相続税の対象とはならないことになっています。

一般的に考えて、生命保険での死亡保険金は、実際的かつ現実的に故人の方が持っていた財産ではありませんので、相続財産としての評価対象にはなりえないためです。

しかしながら、将来的には財産になったであろうという判断で、一般的に「みなし財産」(=財産である)と評価され、相続税の対象とされています。

つまり、収入保障保険では、契約者(実際に保険料を負担していた人)かつ被保険者(収入保障保険での保障を受けておられた方)が【夫】であった場合、年金受給権は【夫】に発生します。

年金受給権を持つ方が亡くなった場合、年金受給権は、法定相続人の相続する対象となります。

つまり、収入保障保険での保険金を受け取る際には、この年金受給権の評価額に対して、相続税が課税されることになります。

年金受給権の評価額は、時価(現在価値)で計算されます。

つまり、【例】30歳男性の方の場合でしたら、ご家族の方が年金形式で保険金を受け取る場合、年金受け取り総額は3,000万円(=年金月額10万円×12カ月×25年間)となり、一括で受け取る時(2,547万円)と比べると、より多い金額を受け取ることになりますが、相続税法では、「みなし財産」は時価での評価と規定されていますので、一括で受け取ることを選択した場合と同じ2,547万円についてが、相続税の課税の対象となり、計算式も一括で受け取る場合と、同様のものとなっています。

7.収入保障保険を年金形式にした場合、税金はどうなる?

収入保障保険での保険金の受け取り方を、一括として一時金として受け取るのではなく、年金形式での受け取りとした場合、相続税とは別に、実際の年金受け取り時に、雑所得として、所得税の課税対象となります。

年金形式を選択した場合の、毎年の雑所得の計算式は、次のようになります。

相続税を加味した課税部分※の年金額-(相続税を加味した課税部分の年金額×必要経費率)

※相続税を加味した課税部分とは、相続税の課税対象となった金額部分については課税されず、年金の受け取り総額から相続税の課税対象となった金額のものを差し引いた差額部分について、課税の対象になるということになります。

※必要経費率とは、収入保障保険の払込み済保険料累計額を、年金月額の受け取り総額で割ったものとなります。

上記の計算式で算出された金額が、25万円以上となる場合、その金額に対して10.21%の所得税(平成49年まで0.21%の復興特別所得税が加算されます)が、源泉徴収されて、保険会社によって国に納付されます。

ですから、受け取り時の年金額は、源泉徴収後の金額のものとなります。

7.1年金として受け取る場合の所得税の計算方法

収入保障保険での保険金を年金形式として受け取る場合、一括で一時金として受け取る場合よりも、より多い金額のものを受け取ることができます。

その理由としては、次のように考えられています。

収入保障保険での保険金は、一括で受け取ることもできますが、それを選択せずに、年金で受け取ることを選択した場合、一括で受け取ることができた金額のものを、いったん保険会社に預ける形となります。

この預けた金額のものを、年金を受け取る方になりかわって、保険会社が「年金原資」として、長期にわたって運用するため、運用益を得ることができ、その分の金額を上乗せされたものを受け取ることができるため、年金で受け取る方式を選択した場合、一括の場合より、より多くの金額を受け取ることができます。

つまり、年金受け取り時の金額と、一括での受け取り時の金額の差額とは、保険会社が預かっている保険金を運用することによって得ることのできた「利益」=収入ということになり、税制上も、そのように判断されます。

このため、年金として受け取る場合、雑所得としての課税対象となり、所得税の納付義務が生じることになります。

しかしながら、「利益」全体が課税対象としては、判断されず、「非課税部分」と「課税部分」に分かれて、雑所得としての所得税が算出されて、課税されます。

●年金形式で受け取った場合の所得税のイメージ図

実際に、課税される金額について、具体例を参考に、簡単にみていきましょう。

【例】30歳男性の方が、収入保障保険で保障を受ける期間を65歳として、月払い保険料を3,640円にて、ご家族の方の毎月の受取額を10万円を受け取るプランにご加入されていた場合に、ご加入後10年目で保険金の受け取りが発生した場合

A保険会社での支払例

ご加入後経過年数 年齢 年金受取時金額
(万円)
一括受取時金額
(万円)
払込保険料累計額
(円)
10年1カ月目 40 3,000 2,547 436,800

●初年度(年金受け取り開始年)⇒全額非課税(運用益ではないと判断されるため)

●2年目以降⇒課税部分が発生し、段階的に非課税部分より課税部分の単位マスが増えていく

7.2 2年目の課税部分の計算式

課税部分が発生する2年目の計算方法は、次のような手順にて、所得税として納付する金額が算定されます。

【例】30歳男性の方の場合

(1)相続税の評価割合:84.9%
84.9%=2,547万円(一括として受け取る場合の金額)/3,000万円(年金として受け取る場合の金額)

(2)課税部分の合計金額:240万円
240万円=3,000万円(年金として受け取る場合の金額)×8%(相続税評価額89%以上92%以下の場合の課税割合)

(3)1課税単位の金額:8千円
8千円=240万円(課税部分の合計金額)÷課税単位数300【(年金受取期間25年×(25年-1年)÷2】

(4)課税部分の年金収入:8千円
8千円=8千円×1年(実際に年金として受け取っていた期間)

(5)必要経費額:116.48円
116.48円=8,000円×(43万6,800円(払込保険料の累計額)÷3,000万円(年金として受け取る総額)

(6)雑所得の金額:7,883.52円
7,883.52円=8,000円(収入)-116.48円(必要経費)

つまり、年金受け取り開始2年目には、7,800円ほどが課税対象金額となります。

ただし、雑所得の場合、20万円以下の所得金額については、申告する義務はありません。

したがいまして、実際的には、課税されることはありません。

また、一番、課税部分の年金収入が多くなる25年目についても、年金収入額20万円(=8千円×(25年-1年))から、必要経費額を差し引くことができますので、20万円以下となるため、実質的には、課税されません。

つまり、この【例】30歳男性の方のご家族が、年金として受け取ることを選択した場合、雑所得については、申告の義務は生じず、ほぼ非課税として受け取ることができるため、120万円(月額10万円×12カ月)が、そのまま年金として、収入になると言えます。

また、以上のようなケースに該当される方が、ほとんどであると思われるため、収入保障保険での保険金を年金受け取りとした場合、所得税が課税されることは、ほぼない状態であると言えます。

8.二重課税の問題って?


収入保障保険では、年金として受給する保険金のうち、相続税の課税対象となった部分については、所得税の課税対象にならないとする最高裁判所の判決が、2010年(平成22年)7月6日に判下されました。

これを受けて、平成22年10月から、「相続等に係る生命保険契約等に基づく年金の税務上の取扱い」が通達され、変更されています。

変更前には、毎年、年金として受け取った金額の総額(年金収入額から払込い済保険料を差し引いたもの)の全額が雑所得として、所得税の課税対象とされていましたが、変更後は、年金として受け取った場合、所得税については「課税部分」と「非課税部分」に振り分けられることになっています。

このため、所得税の課税対象となるのは「課税部分」についてのみとなっています。

また、年金の受け取り開始1年目は全額非課税の対象とされており、2年目以降から、「課税部分」が徐々に増加していく簡易な方法で計算されるように、変更されています(7.1参照)。

9.まとめ


以上、収入保障保険で保険金を受け取ったときの税金についてみていきましたが、いかがでしたか?

よほどの資産家でないかぎり、収入保障保険では、どのような形(一括か年金かその組み合わせか)で受け取ろうとも、税金について心配することは、ほとんどないと言ってもいいのではないでしょうか?

税金のついて考えることも大切なことですが、やはり、一番のポイントは、どのていどの保障を、いつまで、どのようにして備えるかといった基本をおさえたうえで、ご自身のご家庭のライフサイクルやライフプランに合っているかどうかというところを、きちんと押さえておく!ということになりますよね。

生命保険を上手に活用して、万が一のときに、賢く備えるよう、心がけたいですね!

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