受け取り方で変わる!?収入保障保険の税金を徹底解説します!

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「一時所得」および「雑所得」とは、10種類の「所得税」のうちの2つの種類となります。

「一時所得」は分離課税方式となり、「雑所得」は総合課税方式となります。

5.2一時所得って?

「一時所得」とは、「営利を目的とする継続的な行為から生じた所得以外の所得」のことを言います。

つまり、文字どおり、一時的に、偶然たまたま発生した「収入」に対する「所得」について課される税金ということになります。

生命保険の保険金(一時金)は、一時所得にあたります。

5.3雑所得って?

「雑所得」は、さらに「公的年金等の雑所得」と「公的年金等以外の雑所得」の2つに分かれています。

「公的年金等の雑所得」の公的年金とは、国民年金や厚生年金などの老齢年金、企業年金、恩給、遺族年金、遺族厚生年金、寡婦年金などのことを言います。

「公的年金等以外の雑所得」とは、他に安定して継続した収入のある方が、本業以外での副業で得た収入や、先物取引やFX取引きでの収入に対しての「所得」があげられます。

民間の保険契約による年金は、雑所得に該当します。

該当するもの 代表的なもの 課税方式
一時所得 一時的な収入 生命保険での満期保険金や死亡保険金 分離課税
雑所得 本業以外の副業での収入 先物取引やFX取引での利益、
公的年金以外の個人的な年金
総合課税

6.収入保障保険の保険金を受け取る場合、【非課税枠】に注目!

一般的に、収入保障保険にご加入を検討されている方や、すでにご加入されている方の場合でしたら、一家の稼ぎ手に万が一のことがあっても、あとに残されたご家族の方の生活が、なるべく経済的に安定したものになることを目的とされていることが多いことでしょう。

このため、契約者(実際に保険料を負担している方)と、被保険者(収入保障保険での保障を受けられる方)を【夫】とし、受け取り人を【妻】とする場合が、もっとも一般なパターンとなっています。

この場合、契約者(被保険者)である【夫】に万が一がおきた際に、【妻】が受け取る保険金は、相続税の課税対象となります。

具体的な例でみていきましょう。

【例】30歳男性の方が、収入保障保険で保障を受ける期間を65歳として、月払い保険料を3,640円にて、ご家族の方の毎月の受取額を10万円を受け取るプランにご加入されていた場合に、ご加入後10年目で保険金の受け取りが発生した場合

A保険会社での支払例は、次のようになります。

ご加入後経過年数 年齢 年金受取時金額
(万円)
一括受取時金額
(万円)
払込保険料累計額
(円)
10年1カ月目 40 3,000 2,547 436,800

6.1一括で受け取ることを選択した場合

この表にしたがって、相続税の課税の対象となる金額が2,547万円であった場合、この課税対象となる金額から、死亡保険金の受け取り時に差し引くことのできる金額(控除される金額)=500万円×【法定相続人の人数※】を引いた金額のものが、実際に相続税を計算する際のもとになる金額となります。

【例】

相続税の課税対象となる金額(2,547万円)-(500万円×【法定相続人の人数※】)=実際に課税対象となる金額

※法定相続人とは法律で定められている相続の権利のある方のことです。

権利があるということは、特別な手続きをする必要がなく、いわば、自動的に相続権を持つ方であるということになります。

自動的に相続する権利は、民法で規定されており、配偶者(法律上の夫または妻)、子(直系卑属)、父母(直系尊属)、兄弟姉妹(傍系血族)の4種類の立場の方と決められています。

通常、内縁関係にある配偶者の方や、親族であっても子の配偶者(いわゆる嫁とよばれる立場の方)や直接的に血縁関係にない配偶者の兄弟姉妹(叔父・叔母)には法定相続権は発生しません。

仮に、【例】30歳男性の方のご家族が、妻と子供2人であった場合、500万円×【法定相続人の人数=3人】=1,500万円を、課税対象額の2,547万円から差し引くことができます。

また、相続税には基礎控除というものが適用されますので、3,000万円+600万円×法定相続人数の金額が、非課税となります。

【例】30歳男性の方の場合でしたら、3,000万円+600万円×【法定相続人数(=3人)】=4,800万円までが、非課税の対象となります。

つまり、収入保障保険での保険金の受取り金額(=2,547万円)から、税金が控除される金額(=1,500万円)を差し引いた金額(2,547-1,500=1,047万円)が、相続税の基礎控除となる金額(4,800万円)を超えていませんので、収入保障保険での保険金受取については、税金を納める必要がないため、申告する義務も生じません。

【例】

相続税の基礎控除額4,800万円(=3,000万円+600万円×法定相続人3人)>実際に相続税の課税対象となる金額1,047万円(=受け取り時の保険金額2,547万円-保険金の控除額1,500万円(=500万円×法定相続人3人)

また、保険金の受取人が、子どもがいない【妻】(配偶者)のみの場合であっても、相続税の場合でしたら、配偶者控除の適用となりますので、1億6千円までが、非課税となります。

6.2年金として受け取ることを選択した場合

【例】30歳男性の方のご家族の方が、収入保障保険での保険金の受け取り方法を一括で受け取るのではなく、年金形式で受け取ることを選択した場合

一括で受け取る時と同じように相続税の課税対象となります。

妻と子供2人(法定相続人が3人)であった場合、相続税の課税対象となる金額の計算式は、次のようになります。

【例】

相続税の基礎控除額4,800万円(=3,000万円+600万円×法定相続人3人)>実際に相続税の課税対象となる金額1,047万円(=受け取り時の保険金額2,547万円-保険金の控除額1,500万円(=500万円×法定相続人3人)

このように、基礎控除の金額を超えていないかぎりは、相続税の課税対象とはならず、申告義務も生じません。

また、保険金の受取人が【妻】(配偶者)のみで、子どもがいない場合であっても、配偶者控除の適用となりますので、1億6千万円までが、非課税となります。

6.3年金受給権ってナニ?

収入保障保険での死亡保険金を、あとに残されたご家族の方が受け取る際、相続税法では、「年金を受け取る権利」を相続したと、判断されます。

この「年金を受け取る権利」のことを、「年金受給権」と言います。

「年金受給権」は、収入保障保険での年金として受け取り時以外にも、個人年金保険や確定拠出年金、老齢年金などの公的年金においても、年金受給資格者に対して発生するものとされています。

また、法律の上では、生命保険での死亡保険金は、相続税の対象とはならないことになっています。

一般的に考えて、生命保険での死亡保険金は、実際的かつ現実的に故人の方が持っていた財産ではありませんので、相続財産としての評価対象にはなりえないためです。

しかしながら、将来的には財産になったであろうという判断で、一般的に「みなし財産」(=財産である)と評価され、相続税の対象とされています。

つまり、収入保障保険では、契約者(実際に保険料を負担していた人)かつ被保険者(収入保障保険での保障を受けておられた方)が【夫】であった場合、年金受給権は【夫】に発生します。

年金受給権を持つ方が亡くなった場合、年金受給権は、法定相続人の相続する対象となります。

つまり、収入保障保険での保険金を受け取る際には、この年金受給権の評価額に対して、相続税が課税されることになります。

年金受給権の評価額は、時価(現在価値)で計算されます。

つまり、【例】30歳男性の方の場合でしたら、ご家族の方が年金形式で保険金を受け取る場合、年金受け取り総額は3,000万円(=年金月額10万円×12カ月×25年間)となり、一括で受け取る時(2,547万円)と比べると、より多い金額を受け取ることになりますが、相続税法では、「みなし財産」は時価での評価と規定されていますので、一括で受け取ることを選択した場合と同じ2,547万円についてが、相続税の課税の対象となり、計算式も一括で受け取る場合と、同様のものとなっています。

7.収入保障保険を年金形式にした場合、税金はどうなる?

収入保障保険での保険金の受け取り方を、一括として一時金として受け取るのではなく、年金形式での受け取りとした場合、相続税とは別に、実際の年金受け取り時に、雑所得として、所得税の課税対象となります。

年金形式を選択した場合の、毎年の雑所得の計算式は、次のようになります。

相続税を加味した課税部分※の年金額-(相続税を加味した課税部分の年金額×必要経費率)

※相続税を加味した課税部分とは、相続税の課税対象となった金額部分については課税されず、年金の受け取り総額から相続税の課税対象となった金額のものを差し引いた差額部分について、課税の対象になるということになります。

※必要経費率とは、収入保障保険の払込み済保険料累計額を、年金月額の受け取り総額で割ったものとなります。

上記の計算式で算出された金額が、25万円以上となる場合、その金額に対して10.21%の所得税(平成49年まで0.21%の復興特別所得税が加算されます)が、源泉徴収されて、保険会社によって国に納付されます。

ですから、受け取り時の年金額は、源泉徴収後の金額のものとなります。

7.1年金として受け取る場合の所得税の計算方法

収入保障保険での保険金を年金形式として受け取る場合、一括で一時金として受け取る場合よりも、より多い金額のものを受け取ることができます。

その理由としては、次のように考えられています。

収入保障保険での保険金は、一括で受け取ることもできますが、それを選択せずに、年金で受け取ることを選択した場合、一括で受け取ることができた金額のものを、いったん保険会社に預ける形となります。

この預けた金額のものを、年金を受け取る方になりかわって、保険会社が「年金原資」として、長期にわたって運用するため、運用益を得ることができ、その分の金額を上乗せされたものを受け取ることができるため、年金で受け取る方式を選択した場合、一括の場合より、より多くの金額を受け取ることができます。

つまり、年金受け取り時の金額と、一括での受け取り時の金額の差額とは、保険会社が預かっている保険金を運用することによって得ることのできた「利益」=収入ということになり、税制上も、そのように判断されます。

このため、年金として受け取る場合、雑所得としての課税対象となり、所得税の納付義務が生じることになります。

しかしながら、「利益」全体が課税対象としては、判断されず、「非課税部分」と「課税部分」に分かれて、雑所得としての所得税が算出されて、課税されます。

●年金形式で受け取った場合の所得税のイメージ図

実際に、課税される金額について、具体例を参考に、簡単にみていきましょう。

【例】30歳男性の方が、収入保障保険で保障を受ける期間を65歳として、月払い保険料を3,640円にて、ご家族の方の毎月の受取額を10万円を受け取るプランにご加入されていた場合に、ご加入後10年目で保険金の受け取りが発生した場合

A保険会社での支払例

ご加入後経過年数 年齢 年金受取時金額
(万円)
一括受取時金額
(万円)
払込保険料累計額
(円)
10年1カ月目 40 3,000 2,547 436,800

●初年度(年金受け取り開始年)⇒全額非課税(運用益ではないと判断されるため)

●2年目以降⇒課税部分が発生し、段階的に非課税部分より課税部分の単位マスが増えていく

7.2 2年目の課税部分の計算式

課税部分が発生する2年目の計算方法は、次のような手順にて、所得税として納付する金額が算定されます。

【例】30歳男性の方の場合

(1)相続税の評価割合:84.9%
84.9%=2,547万円(一括として受け取る場合の金額)/3,000万円(年金として受け取る場合の金額)

(2)課税部分の合計金額:240万円
240万円=3,000万円(年金として受け取る場合の金額)×8%(相続税評価額89%以上92%以下の場合の課税割合)

(3)1課税単位の金額:8千円
8千円=240万円(課税部分の合計金額)÷課税単位数300【(年金受取期間25年×(25年-1年)÷2】

(4)課税部分の年金収入:8千円
8千円=8千円×1年(実際に年金として受け取っていた期間)

(5)必要経費額:116.48円
116.48円=8,000円×(43万6,800円(払込保険料の累計額)÷3,000万円(年金として受け取る総額)

(6)雑所得の金額:7,883.52円
7,883.52円=8,000円(収入)-116.48円(必要経費)

つまり、年金受け取り開始2年目には、7,800円ほどが課税対象金額となります。

ただし、雑所得の場合、20万円以下の所得金額については、申告する義務はありません。

したがいまして、実際的には、課税されることはありません。

また、一番、課税部分の年金収入が多くなる25年目についても、年金収入額20万円(=8千円×(25年-1年))から、必要経費額を差し引くことができますので、20万円以下となるため、実質的には、課税されません。

つまり、この【例】30歳男性の方のご家族が、年金として受け取ることを選択した場合、雑所得については、申告の義務は生じず、ほぼ非課税として受け取ることができるため、120万円(月額10万円×12カ月)が、そのまま年金として、収入になると言えます。

また、以上のようなケースに該当される方が、ほとんどであると思われるため、収入保障保険での保険金を年金受け取りとした場合、所得税が課税されることは、ほぼない状態であると言えます。

8.二重課税の問題って?


収入保障保険では、年金として受給する保険金のうち、相続税の課税対象となった部分については、所得税の課税対象にならないとする最高裁判所の判決が、2010年(平成22年)7月6日に判下されました。

これを受けて、平成22年10月から、「相続等に係る生命保険契約等に基づく年金の税務上の取扱い」が通達され、変更されています。

変更前には、毎年、年金として受け取った金額の総額(年金収入額から払込い済保険料を差し引いたもの)の全額が雑所得として、所得税の課税対象とされていましたが、変更後は、年金として受け取った場合、所得税については「課税部分」と「非課税部分」に振り分けられることになっています。

このため、所得税の課税対象となるのは「課税部分」についてのみとなっています。

また、年金の受け取り開始1年目は全額非課税の対象とされており、2年目以降から、「課税部分」が徐々に増加していく簡易な方法で計算されるように、変更されています(7.1参照)。

9.まとめ


以上、収入保障保険で保険金を受け取ったときの税金についてみていきましたが、いかがでしたか?

よほどの資産家でないかぎり、収入保障保険では、どのような形(一括か年金かその組み合わせか)で受け取ろうとも、税金について心配することは、ほとんどないと言ってもいいのではないでしょうか?

税金のついて考えることも大切なことですが、やはり、一番のポイントは、どのていどの保障を、いつまで、どのようにして備えるかといった基本をおさえたうえで、ご自身のご家庭のライフサイクルやライフプランに合っているかどうかというところを、きちんと押さえておく!ということになりますよね。

生命保険を上手に活用して、万が一のときに、賢く備えるよう、心がけたいですね!

B

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