使い途いろいろ!終身保険の解約返戻金をおトクにゲットしよう!

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このため、生命保険会社では、後半の保険金支払いに備えて、保険期間前半の保険料収入の一部を積み立てておき、後半ではそれを取り崩して保険全体での収支を等しくなるよう計算しています。

このことを、収支相当の原則と言います。

このとき、積立てられていくお金(純保険料)が責任準備金となります。

満期保険金のある保険商品では、満期保険金の支払いに備えるための積立ても必要となるため、責任準備金の金額も大きいものとなります。

責任準備金は、将来の保険金などの支払いに備えるための原資であると同時に、保険契約の解約の際に受け取る解約返戻金の原資ともなります。

3.2解約返戻金はどうやって決められている?

生命保険会社では、標準責任準備制度によって、年度末ごとに積み立てるべき責任準備金の標準レベルが規定されています。

標準責任準備金とは、責任準備金のうち貯蓄保険料(これを保険料積立金といいます)について、積立方式や予定死亡率・予定利率を法令によって定められたものとなっています。

標準責任準備金の予定死亡率・予定利率については、それぞれ標準死亡率・標準利率と呼びます。

また、保険契約ごとの責任準備金相当額のことも、「保険料積立金」と言うことがあります。

この場合の「保険料積立金」とは、生命保険会社が「受領した保険料の総額のうち、当該保険契約に係かかる保険給付に充てるべきものとして、保険料または保険給付の額を定めるための予定死亡率、予定利率その他の計算の基礎を用いて算出される金額に相当する部分」(保険法63条、同92条)と保険法によって定められたものということになります。

また、保険料積立金とは、「被保険者のために積み立てたる金額」や「契約者価額」と同じ意味のものとしている場合もあります。

これに対して、責任準備金(保険業法116条)は、生命保険会社が、毎決算期において、保険契約に基づいて将来における保険金支払い(債務の履行)に備えるため、法律によって積み立てを義務づけられている負債性のある引当金ということになります。

どちらも「保険料積立金」と言われることがありますが、必ずしもイコールではないことがあります。

また、責任準備金の積立方法には、平準純保険料方式とチルメル方式の2通りの方式があります。

平準純保険料方式では、生命保険会社の運営に係る事業費などを、保険料払込期間にわたって毎回一定額(平準)とし、責任準備金を計算します。

一方、チルメル方式では、平準化は行わず、保険契約の初年度に次年度以降より大きい割合の事業費を計上し、次年度以降、順次、割合を下げていく方式となります。

一般的に、生命保険会社の事業費は、実際的には営業職員や代理店への報酬、保険証券の作成費用、医師への診査手数料などの経費の支払いのため、契約初年度には多額なものとなります。

チルメル方式は、このことを考慮して、初年度に事業費を厚くして、次年度以降は、一定の期間(チルメル期間といい、5年、10年などの期間があります)で償却するものとして、責任準備金を計算します。

「平準純保険料方式」と「チルメル方式」を比べた場合、予定死亡率及び予定利率などの計算基礎率が同じであれば、チルメル期間中は、「平準純保険料方式」のほうが「チルメル方式」よりも責任準備金は多くなりますが、最終的には責任準備金の額は一致します。

チルメル方式は、合理的な積立方式ですが、平準純保険料式は、より健全性を追求したものであると言うことができます。

解約返戻金では、保険契約の解消の際に、この保険料積立金(=責任準備金の一部)から一定額(解約控除金)を差引くことが行われています。

解約返戻金は、一般的に、次のような計算式で算出されます。

解約返戻金=保険料積立金-解約控除金

3.3解約控除って?

一般的に、終身保険などの貯蓄性のある保険商品の契約を解消する際には、ご加入後一定期間以内の解約の場合であれば、積み立てられている保険料から一定の金額を控除したものを解約返戻金として受け取ることになります。

この控除される部分を「解約控除」と呼びます。

解約控除が設定されている理由には、諸説あり、中には、解約に対するペナルティであると説明されていることもありますが、もっとも有力なものとしては、契約締結時に生命保険会社にかかる経費(生命保険を販売する人・代理店などに支払う募集手数料など)を回収するためのものであるとして捉えられています。

一般的に、生命保険とは『相互扶助の精神』に基づき、「お互いがお互いを助け合う」ということを主旨としているため、ある一定の保険集団を維持していくためには、新規での保険契約への加入者が欠かせざるものとなります。

このため、生命保険会社は募集手数料などの経費を前もって支出しておき、保険契約が締結されると、その後、ご契約者(被保険者)から払い込まれる保険料で、事後的に回収するという方法がとられていますが、新規保険契約にかかる募集手数料などの経費は多額なこともあり、場合によっては、生命保険会社の保険料収入の数か月分に達することもあると言われています。

もしも、保険料の払込期間中や、あるいは、募集手数料などの経費の回収中に、保険契約の解約が発生した場合、保険料による事後回収が不可能となります。

このため「解約控除」が発生することになります。

ただし、解約返戻金から差し引かれる解約控除金は、契約を解消した際に、ずっと控除されるものではなく、控除される期間として一定の期間が決められています。

一般的には、解約控除金が発生する期間は、10年とされています。

また、解約控除や、解約返戻金については、現在、保険法には規定がなく、実務的には、監督官庁(金融庁)の監督指針に基づくものとなっています。

監督指針以外にも、監督官庁である金融庁から、定期的にモニタリングの実施がなされています。

4.終身保険の解約返戻金の受け取り方

このように、解約控除金や解約返戻金について、現在、明確な法的な根拠がなく、また、法律での整備もなされていない状態ですが、生命保険会社は、保険契約を締結する際には、必ず、解約返戻金を表示したものを、契約者(被保険者)に提示しなればならないと、監督官庁(金融庁)からの指針で決められています。

このため、私たち消費者は、払込保険料の累計額に対して、あらかじめ取り決められている解約時の解約返戻金の金額を前もって知ることができます。

実際的には、解約返戻金として受け取るときには、払込保険料の累計額に返戻率を乗算した金額のものを受け取ることになります。

4.1終身保険の解約返戻金は保険料払込期間に注意!

終身保険では、生命保険での保障を受ける期間は「終身(一生涯)」ですが、保険料の払い込み方法には、保険期間と同様に一生涯にわたって払い込む「終身払い」と、60歳・65歳といった一定の年齢まで払い込む、あるいは10年・15年といった一定の期間で保険料を払い込む「有期払い(短期払い)」があります。

終身保険の解約返戻金を受け取る場合、とくに、保険料の払い込みを始めて1~2年のあいだや、保険料の払込期間中に解約すると、払込保険料の累計額を大幅に下まわることがあります。

【終身保険の解約返戻金例】
40歳男性 死亡保険金額:1000万円 65歳保険料払込期間満了 月払保険料:29,510円

年齢 (経過年数) 払込保険料累計額
(万円)
解約返戻金
(万円)
解約返戻率
(%)
41     36     15  43.5
42     71     46  65.1
43  107     77  72.6
44  142  108  76.5
45  178  140  79.1
46  213  171  80.9
47  248  204  82.3
48  284  236  83.5
 49  9  319  269  84.5
 50  10  355  302  85.5
 55  15  532  465  87.7
 60  20  709  638  90.2
 65  25  886  825  93.3
 70  30  886  858  97.0
 75  35  886  889  100.5
 80  40  886  918  103.7

4.2定期付終身保険の解約返戻金

定期付終身保険とは、終身保険に定期保険を上乗せすることで、定期保険の保険期間内の保障をより手厚くすることを可能にした終身保険です。

特定の期間にだけ、保障金額を高額にしたい場合などに適している終身保険ですが、解約返戻金については、定期保険部分には、ほぼ発生しないか、あってもごくわずかなものとなります。

つまり、保険金額が1000万円の定期付き終身保険で、終身保険部分が500万円であった場合、解約返戻金が発生するのは、500万円の終身保険部分についてのみということになります。

4.3一時払い終身保険の解約返戻金

一時払い終身保険とは、契約時に死亡保障金(200万円や500万、1000万円など)とほぼ同額の保険料を一度に払い込むタイプの終身保険です。

通常、終身保険の解約返戻金や返戻率は、保険料を払い込む期間と払込満了からの据え置き期間によって決まっています。

また、生命保険会社ごとに解約返戻金の返戻率は異なったものとなりますが、一般的には、保険料の払い込み期間が短く、払込満了時からの据え置き期間が長いほうが、解約返戻金の金額が大きく、返戻率(戻り率)も高率なものとなります。

このことから、ある程度のまとまった金額があれば、銀行に定期貯金として預けるよりも利率がよいとして、契約時に一括して保険料を払い込み、その後、10年~15年据え置き、解約返戻率が高くなった時期を見計らって解約返戻金を受け取ることを目的に、一時払い終身保険が利用されることがあります。

この場合、早期の解約(契約後4年以内など)に注意すれば、定額型終身保険の場合でしたら、確実に、契約時の払込保険料よりも多くの解約返戻金を受け取ることができます。

また、運用利回りがあまり期待できない場合であっても、ご契約者(被保険者)の方に万が一のことがあった場合、銀行の預貯金口座のように相続時に手間がかかることもなく、すみやかにまとまった金額の死亡保険金を残されたご家族の方が受け取ることができるというニーズで利用されることもあります。

5.終身保険の解約返戻金、いくら受け取れる?


一般的に、終身保険の解約返戻金は、同じ性別の人が同じ年齢で、同じ保険金額の終身保険にご加入の場合でしたら、保険料の払込期間が短いほど大きな金額ものを受け取ることができます。

保険料の払込方法にはいくつか方法があり、ご契約時の保険料総額を保険料払込期間で割ったものが、月払いを選択した場合は毎月の保険料の金額、年払いを選択した場合は、毎年の保険料の金額ということになります。

月払いよりは、半年払い、半年払いよりは、年払いを選択したほうが、取りまとめて払い込むので、一度に払い込む保険料の金額は多くなります。

しかし、一度に払い込む保険料が多いということは、保険料の払込期間が短くなるため、保険料の積み立て部分が早期に増えていくことになります。

また、解約の時期が同じであった場合、解約返戻金の返戻率は、保険料払込期間の短い方が高くなります。

通常、終身保険の解約返戻金の返戻率は、保険料払込期間の終了後の一定の期間が経過した後、ほぼ100%を超えて、毎年増加していく保険商品が多くみられます。

つまり、終身保険の解約返戻金を最大限有効に活用する場合には、解約返戻金を受け取る時期をあらかじめ明確に見定めて、その時期に応じた保険料払込期間を決めることが一つのポイントとなってきます。

6.終身保険の解約返戻金と税金の関係


終身保険の解約返戻金を受け取った場合、一時所得として所得税と住民税の課税対象となります。

ただし、課税対象となるのは、受け取った解約返戻金の金額から、すでに払い込んだ保険料累計額を差し引き、さらに特別控除額50万円を差し引いたものに0.5を掛けたものが、20万円以上※である場合にかぎられます(※ただし、給与所得が2000万円以内の場合)。

●一時所得の計算式

(払込保険料累計額―受取った解約返戻金の金額-特別控除額50万円)×0.5

つまり、解約返戻金の金額そのものが、すべて課税対象にはならないということです。

課税対象にならないので、申告の必要もありません。

ただし、計算した結果が20万円以下の場合であっても、医療費控除等で所得税の還付を受ける場合でしたら、申告する必要があります。

解約返戻金の申告は、所得税の場合であれば、ご契約者の方の住民票のある市町村の税務署、住民税の場合であれば、各市町村の役所窓口で所定の用紙にて申告する形となります。

申告時期については、通常、通年で受け付けていますので、民間企業にお勤めの方や年金生活者の方であれば、とくに時期にこだわる必要はありませんが、なるべく解約返戻金を受け取った年度内(受け取ったその年)のうちがのぞましいでしょう。

7.終身保険の解約返戻金のメリット


終身保険の解約返戻金は、終身保険の保険契約を解消したときに、受け取ることのできるものです。

契約を解消すると、死亡保障はなくなりますが、それまでに払い込んだ保険料払込の累計額よりも多くの返戻金を受け取れる場合があります。

受け取ることのできる解約返戻金の金額は、一般的な終身保険の場合であれば、契約時にあらかじめ取り決められたものとなります。

また、保険料の払込期間を短くすることや、保険料払込満了時からの据え置き期間を長くすれば、受け取り時の解約返戻金の金額は多くなります。

解約返戻金については、銀行の預貯金の利息受取時に課税される課税率(所得税15%住民税5%復興特別所得税2.1%)が、適用されることはほぼありません。

つまり、節税しながら、銀行の定期貯金に預けたときと同様にリスクが少なく、さらに、定期貯金の利率よりも良い利率で、資産を運用できるというメリットがあります。

8.終身保険の解約返戻金のデメリット


終身保険の解約返戻金とは、あたかも銀行に定期貯金として預け入れるようなイメージですが、定期貯金と大きく違う点は、『早期に解約すると解約返戻金の金額が払込保険料の総額を大きく割り込む』という点です。

一般的に、銀行の定期貯金の場合であれば、毎月一定額を積み立てていくと、いつ解約したとしても、積み立てた金額が大きく変わることはありません。

一定期間(10年以上など)預け入れることを条件に適用されている利率は変更されますが、積み立てた金額そのものが変わることはありません。

終身保険の解約返戻金の場合、積立定期貯金をしているつもりで、毎月一定額の保険料を払い込んでいても、解約する時期によっては、受け取り時の金額が、払込保険料の総額を大きく下回る可能性があります。

仮に、終身保険の解約返戻金を銀行の定期貯金として捉えるなら、10年以内の解約では絶対に元本割れ(預け入れたお金=元金が減る)する定期貯金ということになります。

終身保険によらず、保険契約の解約についての理由はさまざまです。

おもな理由としては、次のようなものがあります。

●解約・失効の理由(生命保険文化センター 2012調べ)(%)

H15年  H18年 H21年 H24年
掛け金を支払う余裕がなくなったから 38.4 37.0 37.6 32.5
掛金が更新により高くなってしまったから 6.9 7.1 12.0 13.3
生命保険はインフレに対応できないと考えて 4.1 1.1 1.5 0.8
まとまったお金が必要となって 16.6 14.0 13.9 10.6
期間が長すぎるのでいやになった 4.8 3.6 4.7 3.6
義理で入ったものなので 14.2 14.2 13.7 11.4
高額な保障が必要なくなったから 6.0 7.3 5.6 7.4
少額すぎて生命保険として役に立たないので 2.6 2.7 1.9 3.0
他の生命保険に切り替えたので 30.3 29.5 25.3 34.1
イメージした商品内容と異なるため 2.7 2.7 2.8 2.4
他に有利な貯蓄手段があったので 1.3 2.4 1.7 1.2
加入後のアフターサービスが不満だったので 5.4 4.4 4.1 4.4
離婚や子どもの独立など家族の構成が変わったから 2.5 2.6 2.6 1.6
経営内容が不安だったので 1.5 2.2 2.0
その他 13.6 6.7 9.7 7.4
『生命保険に関する全国実態調査』

終身保険での解約返戻金については、保険料の払込期間中に、このような理由で解約することがないように、注意する必要があります。

9.まとめ

以上、終身保険の解約返戻金について見ていきましたが、いかがでしたでしょうか?

万が一のときをカバーしながら、払い込んだ保険料もムダにならない終身保険の解約返戻金は、やはり、魅力的ですよね!

先々のご家庭の家計にとっても心強い味方でもありますが、ライフプランを見誤ると、「高い勉強料だった・・・」ということにもなりかねません。

そんな事態にならないように、くれぐれも注意したいですよね!

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