安心できる健全経営保険会社を選ぶ3つのポイント

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生命保険に加入する際に、保険会社が潰れないかと心配になる方はどれほどいるでしょうか。

保険商品は、もちろん保険を選ぶ際に重要な要素ですが、保険会社の経営状態も保険を選ぶ重要な要素の一つですよね。

今回は、40社の保険会社の経営状態を分析し、経営状態を指す指数である、ソルベンシー・マージン比率が信用できるのか、また健全な経営状態はそのようにしてできるのかを検証しました。

この記事を読んで頂き、保険会社の経営状況を見極めて、より安心して保険選びが出来る様になればと思います。

目次

1.生命保険会社の健全経営内容とは?

1-1 あなたの保険会社を選ぶ基準は何ですか?

1-2 保険会社を選ぶ基準は「健全経営」

1-3 「健全経営」は、どんな基準で判定するのか?

1-4 損益計算書の「入り」と「出」を家計言葉になぞらえると・・・

1-5 AIGがAIG富士生命から撤退した理由に健全経営基準が見える

2.健全経営保険会社の販売形態と商品揃えは?

2-1  資産運用と営業職員が豊富な商品を販売する保険会社は健全経営

2-2 インターネット販売系保険会社は健全経営か?

2-3  販売先とユニークな商品開発をした保険会社は健全経営

3.強力な営業力の保険会社は健全経営

3-1 日本社生保で営業力が強い保険会社はどこか?

3-2 外国社生保で営業力が強い保険会社はどこか?

3-3 株式会社と相互会社、経営健全から見て何が違のか?

4.健全経営を損益数字率で判定すると

4-1 健全経営の損益数字率はこれだ

4-2 ソルベンシー・マージン比率は健全経営基準になるか

4-3 生命保険契約者保護機構は契約を守る最後の砦

5.まとめ

1.生命保険会社の健全経営内容とは?

1-1 あなたの保険会社を選ぶ基準は何ですか?

あるアンケートによると、担当者が「相談・問合せに迅速に対応」してくれて「幅広い商品揃い」から「保険料が安く」て「手続きが簡単」な商品を販売している保険会社を選ぶが回答でした。

どうですか、あなたもそうですか?

生命保険は自動車保険のように1年契約ではありません。

1年なら「保険料が安い」「手続きが簡単」な商品を選んで「それでよかった」と済みます。

それは、保険会社が破綻したり、担当者と合わなかったら翌年に別な保険会社や担当者を切り替えられますから。

生命保険は長期の商品だから、生命保険を選ぶ基準に短期商品とは違う重要な要素がトップになっています。

 

それは何でしょうか?

000 考える人

1-2 保険会社を選ぶ基準は「健全経営」

生命保険文化センターの生命保険を選ぶ基準によると第1位は「保険金や給付金が確実に支払われる会社」、第2位は「経営内容が健全である会社」です。

「保険金や給付金が確実に支払われる」保険会社は、「経営内容が健全である会社」と言う事です。

つまり、第1位と2位は同じことであり、生命保険を契約するときに「健全経営」な保険会社でなければならないと言う事になります。

1-3 「健全経営」は、どんな基準で判定するのか?

「入り」より「出」が少なく黒字が続くのが健全家計であるように、保険会社も同じことなのです。

保険会社の損益計算書の「入り」は「保険料等収入」。「出」は「保険金等支払」「責任準備金繰入額」「事業費」など。「儲け」は「基礎利益」「経常利益」「純利益」です。これらの数字の推移を追っていくと、この保険会社は「健全経営」なのかを判断できるようになります。

その見方をこれからお伝えします。

それを覚えればあなたは「経営内容が健全である」保険会社に安心して生命保険を契約できます。

1-4損益計算書の「入り」と「出」を家計言葉になぞらえると・・・

001 損益図

保険料等収入・・・契約者から払われた保険料と再保険の保険料(家計なら年間給与)

保険金等支払・・・保険金、返戻金、給付金、解約返戻金など(家計なら他人から預かっていたお金を返済した出費)

責任準備金繰入額・・・責任準備金に繰入れた金額(家計なら積立額を銀行に出費)

事業費・・・事業をするための経費(家計なら毎月の食料費、水道光熱費、通信費などの出費)

経常利益・・・保険料収入から保険金支払、責任準備金繰入額、事業費などを引いた利益(家計なら年間給与から出費を引いて黒字で残ったお金+預金の利息など)

純利益・・・経常利益から税金等を引いた本当の利益(家計なら年間給与から年間出費を引いて、所得税・住民税・社会保険料などの出費を引いて、最後に黒字で残ったお金)

基礎利益・・・保険営業で得られた利益(家計に該当するのはないので、会社の経理なら「営業利益」に相当します。つまり営業活動の利益です)。

保険の損益を理解してもらうために専門用語をおおざっぱな解釈で使いました。

1-5AIGがAIG富士生命から撤退した理由に健全経営基準が見える

2016年11月15日に以下の報道がありました。

「米保険大手のAIG(アメリカン・インターナショナル・グループ)は15日、日本国内の生命保険事業を手掛ける傘下のAIG富士生命保険をアジアの保険会社FWDグループに売却すると発表した」。

AIGグループはAIG富士生命に見切りをつけたのです。その理由を2011年~2015年の損益推移を下の表とグラフで見てみましょう。(単位:百万円)。以下数字単位は百万円です。

グラフの左の数字は「保険料等収入(黒線)」に対応します。右の赤字の数字は「基礎利益(紫線)」「経常利益(青線)」「純利益(濃青線)」に対応します。

保険料等収入は伸びているのに「儲け」の「基礎利益」「経常利益」「純利益」は5年間赤字続きなのは、なぜでしょうか?

002 富士生命 利益データ図

下の表とグラフを見ていただければ、その理由がわかります。

「保険料等収入」-(「保険金等支払」+「責任準備金繰入額」+「事業費」等)で生じた赤字に改善する見通しがないと判断したからです。

家計でいえば収入より出費が多い赤字が5年間続いたということです。

これでは家計を預かる奥さんは不安になって離婚を考えるでしょう。

(因みに、2015年決算のAIG富士生命のソルベンシー・マージン比率は1009.2%だから安全だとの経営判断は早計です。損益でも経営判断しましょう。)。

003 富士生命 出費データ図

外国社生保は損益にドライですから見切りをつけて撤退しました。

このように5年間の損益推移を見ることであなたも「経営内容が健全である」保険会社がわかります。

それでは40社の保険会社の経営内容をいろいろな切り口で分析し健全経営基準を見つけましょう。

2.健全経営保険会社の販売形態と商品揃えは?

2-1 資産運用と営業職員が豊富な商品を販売する保険会社は健全経営

保険会社の健全経営を判定する要素に「保険料等収入」と「純利益」があります。

家計なら給与ら支出を引いた黒字のことになりますが、この黒字が継続的なら健全経営です。

004 簡保と日本生命 売上一位と純益一位の表図

上表は生命保険会社40社のうち「保険料等収入」と「純利益」のベスト5です(これらの数値は2011年~2015年の年間平均です。以下ことわりのない限り同じ)。

ここでちょっと注目してください。「かんぽ」が「保険料等収入」がトップなのに「純利益」ではベスト5に入っていないのです。

「かんぽ」の「純利益」は日本生命の3分の1で、40社のうち32番目なのです。少し驚きの数字ではないでしょうか?

なぜ「純利益」が少ないのでしょうか? もうひとつの下表を見てください。

005 かんぽ、日本生命 保険金支払と準備金繰入額の図

「保険金等支払」ベスト5のトップは「かんぽ」なのです。

ところが「責任準備金繰入額」は5社のうち一番少ないのです。

「責任準備金繰入額」は将来の保険金支払や返戻金などにあてる資金です。

それが少なくて保険金支払が多いと、いずれ損益が厳しくなると推測できそうです。

「かんぽ」の損益を2011年~2015年と下の表とグラフで追ってみましょう。

006 簡保の保険料と保険金支払い

  • 運用資産が健全経営を保証する

やはり「かんぽ」は、「保険金等支払(緑線)」が「保険料等収入(黒線)」を上回っている事から、赤字になるはずだと思うでしょう。

さすが総資産額世界一の「かんぽ」は赤字にならないです。

それは、資産運用益がプラスして収入を補填しているからです。

これは、家計なら預金利息収入が赤字をカバーしているということであり、それが「純利益(黒字)」になるのです。

「かんぽ」は長い営業歴史で蓄積した運用資産が健全経営を保証しているのです。

「かんぽ」の分析から、長期間の営業歴で蓄積した運用資産が健全経営を実証しています。

(AIG富士生保は経営期間が短く余裕資金が少なく底をついていました。余裕資金あれば、AIGは撤退しなかたっかもしれませんね)。

  • 5社の健全経営を保証する他の基準はあるのか?

5社は、年間214,221人の営業職員が対面販売で営業活動しています。

それと「かんぽ」は全国津々浦々に24,089局の郵便局窓口で職員が保険を販売しています。

あらゆる人と企業を訪問する営業職員が豊富な商品を勧めている、この5社は、終身保険・定期保険・医療保険・がん保険・介護保険・個人年金・子供保険などなど個人向保険と、企業向きの団体定期保険・確定給付企業年金保険などなど、何でもありのデパート型で商品揃えをしています。

5社の分析から、多くの営業職員が豊富な品揃え商品を販売することが健全経営を実証しています。

2-2インターネット販売系保険会社は健全経営か?

以下の表はネット販売に手を染めていた保険会社です。

この中で、ネット販売のみで営業しているのはアクサダイレクトだけで、メットライフ生保を除いたネット系生保は収益が上がっていません。

今や、ネット販売は一手段になって、保険ショップ・通販・銀行窓口・保険販売専業代理店・関連会社保険代理店と拡大や複合的化して収益を求めています。

007 ネット会社の収益ベスト

メットライフ生命はどうして収益を上げることができたのでしょうか?

メットライフ生命は1972年認可、営業歴44年のでコンサルタント営業社員約4,300名、テレビ、新聞、インターネット通販、委託代理店約8,500店、保険ショップ、提携金融機関約116店と販売チャネルを拡大・複合的化しました。保険商品も個人向商品、企業向商品と勢揃いしていきました。

それが収益アップできた要因です。下の表とグラフはメットライフ生命で、その内容を見てみましょう。

008 メットライフ収益構造

2013年・2014年に「保険料等収入(黒線)」と「保険金等支払(緑線)」が同額に近づいています。

赤字転落の防波堤になったのが「かんぽ」と同じく「資産運用益(赤線)」で黒字になっています。営業歴44年の運用資産が健全経営を保証したのです。

  • ネット脱却後の健全経営は商品開発と販売チャネルの拡大・複合化

アクサダイレクト生命のネットだけ営業は販売商品が少なくなります。

終身保険・収入保障保険・医療保険・がん保険だけで、損益は苦戦中です。ネット系販売の中でユニークな生命保険会社があります。

それは、ライフネット生命で、品揃えは少ないですが、ユニークな商品を開発して収益アップを求めています。

公的保険の自己負担3割分に連動した「定期療養保険」と病気やケガで就業不能になって収入が途絶えたときに保障する「就業不能保険」です。

ポストネット後の健全経営はユニークな商品開発と販売チャネルの拡大・複合化にかかっているといえるかもしれません。

2-3 販売先とユニークな商品開発をした保険会社は健全経営

下の保険商品一覧名を販売している代理店はどこでしょうか?

団体信用生命保険、団体信用生命保険上皮内ガン・皮膚ガン保障特約、団体信用生命保険ガン先進医療特約、豪州ドル建て変額個人年金保険、米ドル建て変額個人年金保険、解約返戻金市場金利連動型個人年金保険、無配当外国為替連動型終身保険、低解約返戻金特定疾病保障終身保険、米ドル建て積立利率連動終身保険、豪州ドル建て積立利率連動終身保険、無配当収入保障保険、無解約返戻金型終身医療保険。

正解は銀行代理店であり、通称これを「窓販」と言います。

それでは、銀行は誰に、どのような商品を販売しているのでしょうか?

・住宅ローン債務者に、住宅ローン債務者が死亡したとき、上皮内ガン・皮膚ガンになったとき、ガンで先進医療をうけたときに保険金を払うユニークな団体信用生命保険を販売。

・高額所得者に、リタイア後の豊かな老後生活資金づくりに外貨建て変額個人年金、外貨建て終身保険、無配当収入保障保険を販売。

010 社長

TKC全国会や税理士協同組合の税理士・公認会計士代理店

・法人会や納税協会会員の中小企業経営者に、社長の生前・死亡退職金つくりに無配当定期保険、逓増定期保険、逓減定期保険を販売。

従業員の福利厚生に総合医療保障を販売。

互助会センター母体にした代理店

・互助会会員に葬儀費用に備える低価格定期保険or終身保険と会員の子供教育資金つくりにこども保険を販売。

顧客を持っている代理店にマッチングした商品を提供することで、健全経営できることを下のグラフで検証してみましょう。

011 カーディフ生命&マスミューチアル

012 大同生命&みどり生命

4社の折線グラフを見てください。

共通している傾向に「保険料等収入(黒線)」に平行して「責任準備金繰入額(紫線)」が並行or一定しています。

将来に払う保険金、解約返戻金等に備えた蓄積をしている証拠です。

「事業費(青色)」は一定額を保っています。

「保険料等収入」が右肩上がりし、「事業費」が一定ですから収益はアップします。健全経営の見本損益です。

・その保険会社はどこでしょうか?

上の2社は銀行窓販の保険会社で、左は住宅ローン団体信用生命保険を販売しているカーディフ生命です。

右は外貨建積立利率連動年金保険や終身保険を販売しているマスミューチアル生命です。

下の2社は税理士・公認会計士と互助会代理店で、左は社長の生前・死亡退職金つくりに無配当定期保険等を販売している大同生命。右は互助会会員に葬儀費用に備える低価格定期保険等を販売しているみどり生命です。

これら4社の分析から、ーケットを持った代理店が、マッチングした商品販売すれば健全経営になると実証しています。

3.強力な営業力の保険会社は健全経営

ここまでに、保険会社の健全経営度の判定基準は、「保険料等収入」と「純利益」が順調に増え、長い営業歴で蓄積した潤沢な運用資産があり、多くの営業職員が豊富な品揃え商品を販売し、マーケットを持った代理店が、マッチングした商品を販売できることで、それを損益で実証してきました。

これからは保険販売の営業力で日本社生保・外国社生保・子会社生保の健全経営を判定していきます。

営業力が強ければ、保険料収入、純利益が順調に増えます。

そうすれば、余裕資産が増えて資産運用ができ、思わぬ保険金支払が生じても乗り切れます。

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