癌(がん)は遺伝が原因で発症する場合があるの?ずばり解説します!

癌(がん)は、日本人の死因の3割を占める非常に深刻な病気です。そのため、官民をあげてがん治療に関する研究が進められています。

がんになる原因は環境的な要因として食生活の乱れや喫煙、生活上のストレスの他、遺伝的な要因もあることが報告されています。

がんになりやすいという家系は確かに存在するのです。ご自分が現在健康で過去にがんはもちろん、大きな病気をしたことがなくても、親族にがんを発症したり、がんで亡くなったりした人がいれば、ご自分も検査してみることが大切です。

そこで今回は、癌(がん)の遺伝とその検査方法、そしてご自分もがんにかかりやすいと感じた場合の「備え」について解説します。

この記事を読めば、遺伝によるがんのリスクを遺伝子検査で調査することの大切さや、がんの発症を想定して備える対策について、よくおわかりになることでしょう。

1.癌(がん)について

癌(がん)は、私の父や叔父が発症し、医療機関でしかるべき治療を受けている。祖母はやはりがんが原因で亡くなった。

現在わたしは、病気やケガもせず体調も良好だが、将来自分ががんを発症しないか心配になってきた。

まず癌(がん)とは何か?がんの家系というのは存在するのかを知りたい・・・。

こちらでは、がんの特徴と、遺伝が要因としてがんが引き起こされるのかどうか、事前検査の意味を解説します。

1-1.癌(がん)とは

癌(がん)は、ご自分の身体の細胞が何らかの理由で変異し、次々と正常な細胞を破壊、増殖していく病気です。

がんは内臓、表皮、血液等にも発症し、女性特有のがんもあるなど、なかなか厄介な病気です。

日本人の死因の常に上位(3割近く)を占め、その深刻さが際立っているため、わが国では官民あげてその原因や治療法を研究、実践しています。

がんを発症する原因には環境的な要因があると指摘されています。食生活の乱れや喫煙、肥満、生活上のストレス等があげられています。

これらの場合なら、ご自分で日ごろから節制したり、ケアを心がけたりしていれば未然に発症を抑制することが可能と言えます。

しかしながら、がんを発症する原因には「遺伝的な要因」も存在するといわれています。

この場合、生活習慣の改善や節制だけでは、がんの発症を抑制することがなかなか難しいことも考えられます。

1-2.家族性腫瘍とは

現在、日本人2人に1人ががんに罹患するといわれています。生涯、何らかのがんに罹患するリスクは男性で60.0%、女性で44.9%に上るという報告があります(国立がん研究センターがん情報サービス「がんの統計2014年度版」を参照)。

あなたのご家族の中にも、がんを発症した人はおられるのではないでしょうか?

「自分の家系はがんの家系なのではないか?」と心配されている方々も多いはずです。

「家族性腫瘍」とは、ご家族に腫瘍(がん)が集積して生じる腫瘍性疾患といわれています。

この内、1つの病的な遺伝子変異が親から子へ伝わることで遺伝的にがんへ罹患しやすくなり、それが原因で発症する疾患を特に「遺伝性腫瘍症候群」と言います。

現在の医療の現場で、遺伝子検査およびがんへの対策の実践が可能なのは、家族性腫瘍の中でも特に遺伝性腫瘍症候群と言われています。

つまり、がん発症の原因として遺伝的な要因は確認されており、いわゆる「がんの家系」は存在することになります。

1-3.遺伝子検査を行う意味

がんの遺伝子検査とは、5年先の「がん予防」を見越した最先端の血液検査が行われます。

ご自分が現在、健康に支障がない状況であっても、がんを発症する親族が多いなら、医師と相談してこのような検査を受けてみるべきです。

画像検査・内視鏡検査等の従来型検査では発見できない、微細ながん細胞も見つけ出すことが可能です。

従来型がん検査は、がんが最低でも5mmくらいの大きさでなければ、がん細胞と認識できず異常と指摘されませんでした。

つまり、画像のみのがん発見には限界があるのです。この見逃されている「がん」の発見を実現するのが、最先端の検査「がん遺伝子検査」です。

この検査は血液中の遺伝子から、がんを発見できます。遺伝子解析を行うことにより、5mm以下の微細ながん細胞を分子レベルで見つけることが可能です。

この遺伝子検査は、早期のがんリスクの評価、早期治療、治療率の向上を図るため、非常に意味がある検査といえます。

〇遺伝子検査の種類

がん遺伝子検査は、正常細胞の段階で「がん化」に関与する遺伝子の状態を調査します。

画像診断ではなかなか発見が難しい微細ながんのリスク評価を行います。遺伝子検査は主に次の4種類があります。下表をご覧ください。

がん遺伝子検査 内容
FreeDNA 血中のDNA濃度を測定する検査方法です。この濃度が高いと、がんあるいは何らかの異常が発生している可能性もあります。
遺伝子発現解析 がんを増殖させる遺伝子の活性度合いを調査します。がんにかかわる47の遺伝子を解析し、がんリスク評価を行います。
突然変異・メチル化解析 がん抑制遺伝子の壊れ具合を調査します。がん化していない正常細胞に異常がみられると、がん細胞を抑制できなくなります。
がんリスク評価 FreeDNA濃度・遺伝子発現解析の結果、およびその他の患者データを用いて、がんリスクの数値化を行います。

〇遺伝子検査で他にわかること

遺伝子検査を行うことによって、ご自分の身体への抗がん剤等の治療効果を予測することができます。また、抗がん剤の副作用でどんな症状が現れるかも予測できます。

ただし、がんを発症し抗がん剤治療を行う場合、副作用があっても効果を期待できるならば、その抗がん剤は投与される可能性が高いです。

最近では患者への副作用を抑制する薬の注射・投与で、症状の改善が図られています。実際の治療では、このような薬の併用を踏まえた治療措置が行われることでしょう。

2.家族性腫瘍について・その1

やはり、がんの家系は存在するのか・・・、いささかショックだ。先に述べられていた家族性腫瘍や遺伝性腫瘍症候群について知っておきたい。

遺伝的な影響が強いがんにはどんなものがあるのだろう?詳しく知りたい・・・・。

こちらでは、大腸がんを例に、その症状や検査方法、治療法を解説します。

2-1.大腸がんとは何?

大腸がんとは消化管に関係するがんの一つで、結腸、直腸および肛門で構成される長さ約2mの大腸で発症するがんです。

このがんの死亡率は男性:44.4%、女性:35.9%です。死亡率は男女共に高い数値であり、その原因は症状が出にくいことにあります。

定期的な検診が必要ですが、腰痛がひどい・血便が出る等の症状が続く場合は医療機関での受診を行いましょう。

大腸がんは、主に食生活の乱れが原因で発生します。例えば、塩分の取り過ぎ、動物性たんぱくの過剰摂取、お酒の飲み過ぎや、高血糖が要因です。

しかし、遺伝的な要因も非常に関係してくるといわれています。次項ではその症状である「家族性大腸腺腫症(FAP)」について解説します。

2-2.家族性大腸腺腫症(FAP)とは

大腸がんを発症する遺伝性の疾患の1つに、大腸にポリープが大量に発生する家族性大腸腺腫症(通称FAP)があります。

こちらの疾患は、親から子どもへ50%の確率で遺伝すると言われています。

このFAPは、一般には100個以上のポリープが認められ、密生型ともなると大腸に5000個以上のポリープが発生します。

診断は大腸に100個以上のポリープが見つかることで行われますが、ポリープの数が100個に満たない場合でも、軽症型であるAFAPの可能性があります。

FAPのポリープは「腺腫」と呼ばれるタイプで、将来がん化するリスクがあります。腺腫がたくさんあれば、それだけ大腸がんへ発展する危険性は高くなります

2-3.どんな検査をするの?

FAPは APCという遺伝子へ変化が起きたことにより発症します。前述したように、この変化は親から子へ50%という高い確率で遺伝します。

遺伝性とはいえ血縁者が即座に大腸がんを発症するわけではないですが、がん化しない段階でこの症状を早期発見し、効果的な治療につなげることが大切です。

現在では、患者の血縁者が大腸内視鏡検査や、「1-3.遺伝子検査を行う意味」でも説明した遺伝子検査を行うことで、大腸がんの発症前にFAPの診断が可能になっています。

なお、大腸内視鏡検査とは、先端にCCDカメラを装着したスコープを肛門から挿入し大腸の内側を観察する検査です。

この検査で、ポリープ、がん、出血・炎症等をテレビ画面で観察し診断することができます。また、組織を採取し顕微鏡検査をすれば細胞を詳しく検査することが可能です。

ご両親のどちらかがFAPと診断されている場合、強制ではないものの、10~12歳から大腸がん検診を、AFAPならば18~20歳からの大腸がん検診が勧められています。

検査による早期発見と治療法の確立で、現在ではFAP患者の平均寿命は日本人の平均寿命とほぼ変わらなくなっています。

2-4.家族性大腸腺腫症(FAP)の治療法

治療は原則として全ての大腸を切除します。その後、小腸を肛門あるいは直腸に吻合することになります。

大腸を全部取ってしまうことで日常生活に支障が出るのではないか、と心配される方々もおられると思いますが、日常的に排便回数は増えるものの、徐々に腸内が安定して社会復帰することもできます。

FAPでは、この他、十二指腸乳頭部に腺腫・がんが発症することもあります。しかし、これらは早期であれば内視鏡的治療で対応が可能です。

3.家族性腫瘍について・その2

早期発見・早期治療はやはり大切だ。他に遺伝性の高い症状はないだろうか。

あれば、是非詳細を知りたい・・・・。

こちらでは、リンチ症候群の特徴と、検査方法、治療法を解説します。

3-1.リンチ症候群とは

遺伝性の大腸がんとしてリンチ症候群という病気もあります。リンチ症候群は、大腸がん患者の2~3%を占めると考えられています。

こちらの疾患も、親から子どもへ50%の確率で遺伝すると言われています。

リンチ症候群は大腸がんのみならず子宮内膜、小腸、腎盂・尿管等にがんが発症しやすいと指摘されています。

わが国の患者に関しては、胃がんの罹患頻度も高いことが特徴とされています。

リンチ症候群の患者における大腸がんの平均発症年齢は約45歳と言われており、一般的な大腸がんを発症する年齢の65歳前後より若い年齢で発症します。

3-2.どんな検査をするの?

リンチ症候群のスクリーニング検査(無症状の方々を対象に、疾患の疑いのある人を発見する目的で行う検査)として、「マイクロサテライト不安定性(MSI)検査」が行われます。

この遺伝子検査は、がんと正常な細胞組織を用いて行う検査で、保険適用となっています。

リンチ症候群であるかどうかは、MLH1、MSH2、MSH6、PMS2の4つの遺伝子のうちの1つに変化がある場合、当該症候群と診断されます。

リンチ症候群と診断された患者の血縁者である方々は、たとえがんを発症していなくても、がんを罹患しやすいかどうかを調べるため、自主的に遺伝子検査を行っておいた方が無難です。

ただし、患者がリンチ症候群と診断されても、即座に大腸がんが発症し深刻な事態に陥るかと言えばそうではありません。

リンチ症候群であっても、生涯にわたり大腸がんを発症する確率は男性:28~75%、女性:24~52%と、男女とも差があります。

3-3.リンチ症候群の治療法

大腸に発症したリンチ症候群の治療は、一般的な大腸がんの治療法と同じです。

腹部に数か所の孔を開けた上で患部を手術し、追加で5cm程度切開して後、切除した大腸をとりだす「腹腔鏡手術」が行われます。

また、がんの進行度・発症した場所に応じ、腹部を通常15cm以上切開して手術を行う「開腹手術」も行われます。

当然、患者の容体に応じて放射線治療、抗がん剤治療をはじめとした薬物療法も行われます。

しかし、患者の健康面や体力面で支障がなければ、手術療法が主に用いられることとなります。

4.家族性腫瘍について・その3

女性特有のがんの場合には家族性腫瘍の症状は報告されているのだろうか?私の妻の母や、叔母は共に乳がんになっているようだ。

女性特有のがんについても詳細を知りたい・・・・。

こちらでは、遺伝性乳がんの特徴と、検査方法、治療法を解説します。

4-1.遺伝性乳がんとは何?

日本における女性の乳がん発症生涯リスクは8.2%程度と言われています。この乳がんは以前から、遺伝的な素因が強く発症に関係することが指摘されていました。

例えば母親が乳がんを発症した場合、その娘の発症リスクは一般のリスクの約2倍に高まり、母親・姉が発症した場合、妹の発症リスクは一般のリスクより約4倍に高まると言われています。

現在は、遺伝性乳がんの原因遺伝子がいくつか判明しており、その内、BRCA1とBRCA2という2つの遺伝子で、遺伝性乳がんの8割を占めると指摘されています(内訳ではBRCA1は5割、BRCA2が3割)。

こちらの遺伝子の変化は、50%の確率で母から娘に伝わります。遺伝性乳がんは一般の乳がんと比較し、発症年齢が低く、がんが両側の乳房に発症する頻度も高くなるのが特徴です。

遺伝性乳がんの場合も定期検診は欠かせませんが、①胸にしこりのような物がある、②月経周期に関係なく乳房が痛い、③乳首から血が混じったような分泌物が出る、④乳頭や乳輪部のただれ・乳房の皮膚の赤い腫れが目立つ、⑤乳頭が極端に陥没した、⑥脇の下の腫れた、という症状があれば速やかに医療機関での受診を行いましょう。

4-2.どんな検査をするの?

遺伝子検査(BRCA1とBRCA2の2つの遺伝子)を行います。その他、画像等の検査も行います。

25歳から年1回のマンモグラフィとMRIが推奨されています。

  • マンモグラフィ検査:乳房専用のX線撮影装置を使用した検査方法です。最も有効な画像診断の1つと呼ばれています。乳がんの初期症状の微細な石灰化や、セルフチェックや触診では判断し難い小さなしこりを画像として捉えることが可能です。
  • MRI検診:磁気や電磁波、そして水素原子の動きを利用し、体の臓器や血管の状態を確認する検査方法です。この検査は乳房の他にも、脳・脊椎・四肢・骨盤・血管・生じた病気の早期発見に有効と言われています

ご自分の親族で、乳がんを発症した方々がいるならば、やはり女性の方々は自覚症状が無くても、検査を行うことが無難と言えます。

4-3.遺伝性乳がんの治療法

遺伝性の原因遺伝子が発見されたならば、乳房を予め切除する予防的乳房切除術(リスク低減乳房切除術とも呼びます。)を行うと、確実に乳がんの発症頻度を低下させることが臨床試験で示されています。

しかし、乳がん未発症の状態であるにもかかわらず、乳房を切除することに抵抗を感じる女性は数多いことでしょう。

そのため、がん発症の不安の軽減から本人が希望する場合、検討されるべき予防的手術と考えられています。

なお、遺伝性乳がんを発症した場合は、一般の乳がんと同じ治療法が行われます。下表を参考にしてください。

乳がん治療法 内容
乳房部分切除術 しこりが1個のみで3cm以下、がんが乳管の中に広がっていない状態等の場合、乳房の一部のみを切除し、乳房のふくらみ・乳首を残す方法です。
乳房切除術 がんが進行している場合に、乳房全部をがん細胞と共に摘出する方法です。
乳頭温存乳房切除術 皮膚と乳頭・乳輪を残し、乳腺を全部切除しつつ再建手術を行うという方法です。

手術療法に加えて、放射線治療、抗がん剤治療をはじめとした薬物療法等も用いられる場合があります。

5.家族性腫瘍について・その4

女性特有の部位として卵巣がある。卵巣がんも遺伝性の要因が強いのだろうか?

卵巣がんについても詳細を知りたい・・・・。

こちらでは、遺伝性卵巣がんの特徴と、検査方法、治療法を解説します。

5-1.遺伝性卵巣がんとは何?

遺伝性卵巣がんも、乳がん同様に50%の確率で母から娘に伝わると言われています。

こちらも乳がんと同じく、BRCA1とBRCA2という2つの遺伝子が影響し、遺伝性の卵巣がんを発症することがあります。

卵巣がんを発症するのは、BRCA1で37~62%、BRCA2で11~23%となっていて、この2つの遺伝子が発見されたからといって、必ず卵巣がんが発症するというわけではありません。

なお、BRCA2の場合は女性に限らず、男性の場合も男性乳がん(発症6%程度)、または前立腺がんの発症リスクが一般の場合よりも高くなります。

「男性であるから全く心配ない。」というわけではないので、注意が必要です。

5-2.どんな検査をするの?

遺伝子検査(BRCA1とBRCA2の2つの遺伝子)を行います。その他、超音波等の検査も行います。

概ね、30~35歳より臨床医の裁量で経腟超音波検査や、卵巣癌腫瘍マーカー検査(CA125)を行い調べます。

  • 経腟超音波検査:子宮や卵巣等、付属器の異常や病気を超音波(エコー)を使って調べる検査方法です。経膣超音波の器具を患者の膣内に挿入し、超音波で子宮・卵巣を描出します。卵巣の場合には、のう腫や腫瘍の有無を調べることができます。
  • 卵巣癌腫瘍マーカー検査(CA125):がんの中には、「腫瘍マーカー」とよばれる物質を作り出すものがあります。この血液中に含まれる腫瘍マーカーを測定する検査方法です。卵巣がんの発見の他、子宮内膜症の補助診断や経過観察にも用いられます。

5-3.遺伝性卵巣がんの治療法

遺伝性の原因遺伝子が発見されたならば、乳房の場合と同じく、予め卵巣切除する予防的卵巣切除術(リスク低減卵巣切除術とも呼びます。)を行うと、確実に卵巣がんの発症頻度を低下させることが臨床試験で示されています。

しかし、卵巣がん未発症の状態であるにもかかわらず、卵巣を切除することに抵抗を感じる女性は数多いはずです。

そのため、卵巣がん発症の不安の軽減から本人が希望する場合、検討されるべき予防的手術と考えられています。

なお、遺伝性卵巣がんを発症した場合は、一般の卵巣がんと同じく基本的に切除手術が行われます。その他、放射線治療、抗がん剤治療をはじめとした薬物療法等も併用されることもあります。

ただし、リスク低減切除術または通常の切除術を受ける場合でも、卵巣を切除することが原因となる更年期障害・骨粗鬆症等の症状について、担当医から説明を受けご自分が納得した上で、治療を受ける必要があります。

6.がんの家系とわかったなら速やかに備えを!

がんによる最悪の事態を回避するためには、リスク低減切除術という治療方法もあるわけか。

では、がんに備えるための公的給付の知識や、がん保険の加入の有効性について詳細を知りたい・・・・。

こちらでは、がん治療の際に、知っておくべき公的給付制度や、がん保険について解説します。

6-1.公的医療保険はがん治療も対象

我が国の公的医療保険制度は、「国民皆保険」とも呼ばれており、基本的に給与所得者なら健康保険、その他の人達は国民健康保険へ加入することになります。

日本に住む私たちは、何らかの公的医療保険へ加入することが義務付けられています。

我が国の公的医療保険は加入が強制されていますが、保険が適用される「保険診療」は質が高く、患者は軽い金銭的負担で十分な診療を受けることができます。

公的保険に加入していれば、かかった医療費の7割を保険者が負担し、残りの3割は患者の自己負担となります。つまり、5,000円の医療費がかかるとしたら、1,500円を患者が負担するだけで済むことになります。

がん治療も、もちろん公的医療保険の適用内となります。ただし、遺伝子検査は、公的医療保険を用いて実施できる検査が15種類程度に限られています。

公的医療保険が適用できない遺伝子検査については、自費診療(つまり全額自己負担)となります。

検査を受ける際には、医療機関に公的医療保険が適用されるのか、それとも全額自己負担なのかを事前に確認しましょう。

また、先ほど説明した乳がんや卵巣がん等のリスク低減手術は保険が適用されないので、こちらも自費診療となります。

なお、自費診療は医療機関側が費用を自由に設定できるため、診療を受ける際には、その費用のみならず診療の内容についても十分説明を受け、納得した上で受ける必要があります。

6-2.高額療養費制度で更に金銭的負担を抑える

前述した公的医療保険に該当すれば、がん治療も基本的に3割患者負担で済みます。

しかし、がん治療自体にかかる費用は非常に高額で、100万円に上る医療行為も珍しくありません。

この場合は、患者の自己負担が30万円にも達し、低所得者や貯蓄のない方々にとって重い負担となります。

この場合、患者が1ヶ月の自己負担限度額を超えて支払った医療費があるならば、その超過分のお金が戻ってくる制度があります。

それが、「高額療養費制度」です。患者の自己負担限度額は年間の所得によりあらかじめ決められています。

〇申請方法は基本的に患者側が行う

高額療養費制度は、医療費が患者の自己負担限度額を超えているからといって、保険者が自動的に超過分のお金を戻してくれることは一部の例外を除いてありません。

原則として患者・家族が保険者へ申請する必要があります。申請先は健康保険の加入者なら事業所を通して全国健康保険協会(協会けんぽ)または各健康保険組合へ、国民健康保険の加入者ならお住いの各市町村へ申請します。

申請方法は事前申請と事後申請があり、どちらを選ぶかは患者の自由です。ただし、事前申請(限度額適用認定申請)を行うと、あらかじめ患者の1ヶ月の自己負担限度額以内に医療費を抑えることが可能です。

〇高額療養費制度の注意点

これは公的医療保険にも言えることですが、高額療養費制度の対象になるのは保険診療に該当する医療行為に限定されます。

つまり、前述した公的医療保険の適用外になる遺伝子検査や、リスク低減手術は自費診療なので、高額療養費制度でも適用されません。

また、適用外になる医療サービスは多く、医療機関でいわゆる保険が適用される「大部屋」ではなく、有料の病室を利用した場合の「差額ベッド代」や、がんの効果的な治療法として期待される「先進医療」が該当します。

これらの医療サービスは高額になる場合が多く、ご自分の家計に重い負担となることが想定されます。

6-3.がん保険に加入して損は無し!

公的医療保険や高額療養費制度の適用外とされた医療サービスを利用する際に、非常に頼りとなるのが「がん保険」です。

がん保険は、がんに特化した保障内容となっていて生命保険会社・共済が販売する保険商品です。

加入はあくまでご自分の自由であり、ご自分や家族が必要性を感じた時に保険契約を締結することになります。

〇がん保険の特徴

このがん保険は、有料の病室を利用した場合の「差額ベッド代」を入院給付金という形で保障し、一部の保険商品では自費診療に関する保障を対象にするものも登場しています。

思いのほか長期入院となってしまった場合には、生命保険会社等に請求してお金を受け取ることができ、場合によっては実際にかかった入院費用よりも多く給付金を受け取ることが可能です。

その場合には、残った給付金を返還する必要はなく、生活費に充てても問題ありません。

〇がん保険の最大の魅力

がん保険の中には、医師からがんと診断されれば、それだけでまとまった一時金がもらえる保険商品もあります。

いわゆる「がん診断給付金(一時金)」と呼ばれる給付金です。がん保険によっては、いっきに300万円が受け取れる保険商品もあります。

がん治療には公的医療保険が適用される場合でも、多額の医療費がかかるため、非常にありがたいサービスと言えます。

〇がん保険の支払保険料

がん保険の支払保険料は各商品ごとで非常に差があります。加入開始年齢にもよりますが、毎月の支払保険料は終身がん保険(一生涯の保障が続く保険)ならば5,000円から15,000円程度、定期がん保険(一定期間保障が継続する保険)ならば、1,000円~4,000円程度で保障されます。

中には、がんの基本的な保障だけ(入院給付金や手術給付金)なら、毎月の支払保険料が800円程度と破格の安さを売りにするがん保険もあります。

ご自分にとって必要な保障内容をよく吟味して、各生命保険会社のがん保険を選びましょう。

7.まとめ

がんは遺伝的要素も原因になる以上、ご自分の家系でがん患者が多いかどうかを確かめつつ、日ごろの生活習慣に気を付け、定期の検査やがん保険の加入も検討しながら、まさかの事態に備えておきましょう。

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