70歳以上の方々の高額療養費はどうなるの?わかりやすく解説します!

日本は非常に優れた医療システムが世界から評価されている“医療大国”です。また、原則として日本に居住する人全てが加入する、公的医療保険制度も充実しています。

この公的医療保険制度を利用すれば、保険診療の場合、治療費の3割を自己負担するだけで質の高い医療が受けられます。

しかし、ご自分が高額な治療を受けた場合、この3割の自己負担だけでも重い負担となることがあります。

この高額となった医療費をご自分の負担として支払うことになると、頭を抱えてしまうかも知れませんね。

実は患者の方々には、所得に応じて1ヶ月の自己負担限度額が定められています。その1ヶ月分の自己負担限度額を超えたら、その超えた分のお金が戻る制度があります。

それが「高額療養費制度」と呼ばれる高額医療費のための制度です。ただし、本制度の仕組みは年齢や所得区分で自己負担限度額が大きく異なる場合もあります。

そこで今回は、70歳以上の方々に該当する高額療養費制度について解説します。この記事を読めば、高額療養費制度の基本的知識や、2018年8月からの本制度の見直し点について、よくおわかりになることでしょう。

1.公的医療保険について

パソコンでの説明

私は、長年勤めてきた会社を退職して何年も経ちます。若いころから大きな病気やケガをした記憶はありません。

しかし、70歳を過ぎて体力の衰えは十分自覚しています。そろそろ病気で手術治療なんてこともあるかもしれません。

そこで、公的医療制度をもう一度おさらいしたいです・・・・。

第1章では、日本の公的医療制度について解説します。

1-1.日本の公的医療制度

日本の公的な医療制度は、「どんな人にも質の高い医療サービスを提供する」ことを目的として、低額な自己負担で十分な医療が受けられます。

日本に居住する人は、原則として誰でも何らかの公的医療保険へ加入しなければなりません(強制加入)。

基本的に65歳未満の現役世代の方々は、給与所得者なら健康保険、それ以外の人々なら国民健康保険に加入します。

いずれも、公的医療保険制度が適用される医療サービスならば、3割自己負担で治療を受けることができます。

65歳以上で国民健康保険へ加入している方々なら、そのままこの公的保険が適用されます。

70歳になると原則として高齢受給者証が交付されます。この場合は自己負担額が基本的に2割自己負担となります。

その後、75歳になれば後期高齢者医療被保険者証が交付され、原則として1割自己負担に軽減されます。

このように職業や年齢で、異なる公的医療保険へ加入することになります。

1-2.決められた自己負担分でも重い負担になる!

複数のお金

前述したように、公的医療保険制度は適用範囲となる医療サービスであれば、3割自己負担を超える費用は請求されません。

しかし、3割自己負担の枠内に収まっても、かかった費用が高額になるおそれもあります。

例えば保険が適用される検査や手術等で合計100万円かかった場合、3割自己負担なら30万円、高齢受給者証が適用される時でも20万円かかることになります。

特に70歳以上の高齢受給者や75歳以上の後期高齢者ともなれば、年金収入または貯金が生活資金のメインとなるので、痛い出費となります。

1-3.高額医療費のための公的制度

高額になる医療費の負担を軽減するための、何らかの施策が求められます。

特に高齢者は今後、身体の衰えに伴い医療機関を利用するケースは増加していくことでしょう。

その高額になり得る医療費の金銭的なリスクを軽減する制度として、「高額療養費制度」が設けられています。

そうはいっても、この制度を活用する場合には、各世代間や所得の高低の違いで不公平な給付割合になってはいけません。

そのため、高額療養費制度では年齢別・所得区分別に「自己負担限度額」が設定され、この限度額を超えた分のお金が戻る仕組みとなっています。

次章以降では、高額療養費制度の特徴について解説していきます。

2.高額療養費制度について

手術風景

高額療養費制度は、医療費が高額になっても出費が抑えられる制度のようですね。

では、高額療養費制度の特徴について教えてください。

第2章では、高額療養費制度とは何か?自己負担限度額の違い等を解説します。

2-1.高額療養費制度とは

公的医療保険加入者には、それぞれ所得に応じて1ヶ月の自己負担限度額が定められています。

その1ヶ月分の自己負担限度額を超えたら、その超えた分のお金が戻る制度があります。これが「高額療養費制度」です。

高額療養費制度は健康保険・国民健康保険を問わず、公的な健康保険へ加入している人ならば誰でも利用が可能です。

そして、高額療養費制度を誰でも平等に不公平感なく利用できるよう、年齢や所得によって設定されている自己負担限度額へ差を設けています。

次項では、所得区分について解説します。

2-2.高額療養費制度と所得区分

家計簿

高額療養費制度は児童でも現役世代でも、年金受給者でも利用できます。

しかし、世帯の所得別に自己負担限度額が異なります。そもそも年間所得の高い世帯員と、所得が低い世帯員が同じ自己負担額だったら、所得の低い方々にとって不公平ですよね。

そのため、年間所得の高い世帯の人たちには高く自己負担限度額が設定され、逆に年間所得の低い世帯の人たちは低く自己負担限度額が設定されています。

高額な医療費が適用される場合、年間所得の低い世帯の人たちの方が高額療養費制度を利用し易いことになります。

70歳以上の所得区分による、自己負担限度額の違いについては第3章で解説します。

2-3.年齢による自己負担限度額の違い

前述した自己負担限度額は年齢によっても設定が異なります。69歳以下の公的保険加入者には負担がやや重く、年金収入等がメインになる70歳以上の公的保険加入者には負担が軽くなります。

こちらでは、参考に69歳以下の所得区分と自己負担限度額を取り上げます(厚生労働省保険局「高額療養費制度を利用される皆さまへ  平成30年8月診療分から」を基に作成)。

(1)適用区分ア

  • 年収約1,160万円~
  • 健康保険:標報83万円以上
  • 国民健康保険:旧ただし書き所得901万円超

1ヶ月上限額(世帯ごと):252,600円+(医療費-842,000)×1%

(2)適用区分イ

  • 年収約770万円~1,160万円
  • 健康保険:標報55万円~79万円
  • 国民健康保険:旧ただし書き所得600万円~901万円

1ヶ月上限額(世帯ごと):167,400円+(医療費-558,000)×1%

(3)適用区分ウ

  • 年収約370万円~770万円
  • 健康保険:標報28万円~50万円
  • 国民健康保険:旧ただし書き所得210万円~600万円

1ヶ月上限額(世帯ごと):80,100円+(医療費-267,000)×1%

(4)適用区分エ

  • 年収約~370万円
  • 健康保険:標報26万円以下
  • 国民健康保険:旧ただし書き所得210万円以下

1ヶ月上限額(世帯ごと):57,600円

(5)適用区分オ

  • 住民税非課税者

1ヶ月上限額(世帯ごと):35,400円

3.高額療養費制度の仕組みについて

パソコンを触る高齢者

高額療養費制度では、保険加入者の公平性を確保するため、いろいろな工夫をしているのですね。

それでは、70歳以上の人が該当する高額療養費制度の内容について詳しく知りたいです・・・。

第3章では、70歳以上の自己負担限度額や「多数回該当」制度等を解説します。

3-1.70歳以上の自己負担限度額

こちらでは70歳以上の所得区分と自己負担限度額を取り上げます。

[1]適用区分:現役並み

(1)現役並みⅢ

  • 年収約1,160万円~
  • 標報83万円以上
  • 課税所得690万円以上

1ヶ月上限額(世帯ごと):252,600円+(医療費-842,000)×1%

(2)現役並みⅡ

  • 年収約770万円~1,160万円
  • 標報53万円以上
  • 課税所得380万円以上

1ヶ月上限額(世帯ごと):167,400円+(医療費-558,000)×1%

(3)現役並みⅠ

  • 年収約370万円~770万円
  • 標報28万円以上
  • 課税所得145万円以上

1ヶ月上限額(世帯ごと):80,100円+(医療費-267,000)×1%

[2]適用区分:一般

  • 年収約156万円~370万円
  • 標報26万円以下
  • 課税所得145万円未満等

外来(個人ごと):18,000円(年間上限14万4,000円)、1ヶ月上限額(世帯ごと):57,600円

[3]適用区分:住民税非課税等

  • Ⅱ住民税非課税者→外来(個人ごと):8,000円、1ヶ月上限額(世帯ごと):24,600円
  • Ⅰ住民税非課税者→外来(個人ごと):8,000円、1ヶ月上限額(世帯ごと):15,000円

3-2.頼りになる「多数回該当」制度

笑顔の医者

ご自分の病気やケガの保険診療で、1ヶ月の自己負担限度額を何度も超過することがあるかもしれませんね。

そんな場合に、治療費が更にお得になる制度もあります。それが「多数回該当」制度です。

この制度は、過去12ヶ月以内に3回以上、自己負担限度額の上限額に達した場合は、4回目以降から多数回該当となり、その上限額が更に下がります。

あまり喜ばれる状況とは言えませんが、高額医療費に該当すればするほど、自己負担限度額を超過した分のお金が患者に戻りやすくなります。

多数回該当の場合の上限は次の通りです。ただし、「住民税非課税」の区分の方々については、多数回該当制度の適用はないのでご注意ください。

「3-1.70歳以上の自己負担限度額」で説明した所得区分にあてはめると、次のようになります。

  • 現役並みⅢ:252,600円+(医療費-842,000)×1%→(多数回該当)140,100円
  • 現役並みⅡ:167,400円+(医療費-558,000)×1%→(多数回該当)93,000円
  • 現役並みⅠ:80,100円+(医療費-267,000)×1%→(多数回該当)44,400円
  • 一般:57,600円→(多数回該当)44,400円

3-3.世帯合算で更に負担軽減!

逆に、1人1回分の窓口負担で上限額を超えない場合でも、高額療養費制度は利用できる場合があります。

複数の受診、同じ世帯にいる他の人(同じ公的医療保険の加入者限定)が受診あれば、窓口でそれぞれ支払った自己負担額を1ヶ月単位で合算することが可能です。これが、「世帯合算」制度です。

こちらでは事例をあげて世帯合算について解説します。

  • 夫(77歳)、妻(76歳)の2人世帯
  • 双方とも後期高齢者医療被保険者証所持
  • 適用区分:一般

①夫→A病院(入院):自己負担額50,000円

②妻→B病院(外来):自己負担額7,500円、C薬局:5,000円

①+②で

①50,000円+②(7,500円+5,000円)=62,500円

一般の上限額は57,600円なので

62,500円-57,600円=4,900円

4,900円が高額療養費支給額となります。

4.70歳以上の人の高額療養費制度の申請方法・その1

書類の記入

高額療養費制度は確かに便利ではありますが、医療機関へ入院する前に、窓口支払いを負担上限額まで抑える方法があると聞きました。

こちらの方法について教えてください・・・・。

第4章では、限度額適用認定申請の方法と注意点、必要書類等を解説します。

4-1.70歳以上の人が高額医療費を事前に軽減する場合

ご自分の入治療が高額医療費となってしまいそうな場合、入院する前、1ヶ月の自己負担限度額に抑えることができます。

高額医療費を事前に軽減したいならば「限度額適用認定申請」を行いましょう。申請先は70歳以上の人の場合、ご自分のお住いの市区町村役場窓口となります。

申請の際、たとえ1ヶ月の自己負担限度額を超えるかわからない場合でも申請できます。

69歳以下の人たちは全員この認定申請を行う必要があります。一方、70歳以上の人については住民税非課税の方々に加え、2018年8月から現役並みⅠ・Ⅱの方々も申請対象となります。

4-2.限度額適用認定申請の方法と注意点

悩む男女

70歳以上の方々は、お住いの市区町村役場の窓口にて手続きを行います。

また、各市区町村役場のホームページから、限度額適用認定申請書を取得することも可能な場合があります。

〇限度額適用認定申請の流れ

限度額適用認定申請の手順は次の通りです。

  1. 限度額適用認定申請書、その他の必要書類の収集
  2. 申請書に必要事項を記載
  3. 窓口へ限度額適用認定申請書等を提出
  4. 限度額適用認定証の交付

限度額適用認定申請を行う前に、緊急の必要があってやむを得ず入院した場合でも、当月中に限度額適用認定証を取得しておきましょう。

取得後、速やかに医療機関窓口へ提示すれば、基本的にその月の自己負担限度額まで医療費が抑えられます。

〇限度額適用認定申請の注意点

70歳以上の人で現役並みⅠ・Ⅱに該当する方々は「限度額適用認定証」を、住民税非課税の方々は「限度額適用・標準負担額減額認定証」を医療機関へ提示しましょう。

しかし、医療機関によってはこの限度額適用認定証等へ対応していない場合もあります。

入院する前に、こちらの制度に対応しているかどうか確認しましょう。仮に対応していなくても、事後申請で高額療養費制度の利用は可能です。

また、現役並みⅢまたは一般に該当する方々の場合、限度額適用認定申請ができないのかといえばそうではありません。

こちらの方々の場合は、70~74歳すべての人に交付される「高齢受給者証」を医療機関窓口へ提示しましょう。

そうすれば、保険診療分の医療機関への支払いが自己負担限度額までとなり、限度額適用認定証は不要となります。

4-3.限度額適用認定申請の必要書類

限度額適用認定申請の必要書類は次の通りです。

  • 限度額適用認定申請書:市区町村役場から取得します。
  • 健康保険証:前期高齢者は高齢受給者証と共に医療機関へ提示、後期高齢者は後期高齢者医療被保険者証のみを用意します。
  • 印鑑
  • 本人確認書類:マイナンバーカード・運転免許証等

また、70歳以上の方々は足腰が不自由である場合や、何らかの理由で申請を行うことが困難である場合も考えられます。

その時はご親族等の代行者が申請してもかまいません。申請の際は、委任状が必要になる場合もあるで、市区町村窓口へ事前に確認しておきましょう。

5.70歳以上の人の高額療養費制度の申請方法・その2

足のマッサージ

限度額適用認定申請をしなかった場合や、限度額適用認定証に対応していない医療機関を受けた場合、高額療養費の支給申請はどうすれば良いのでしょう?

詳細を是非知りたいです・・・・・。

こちらでは、事後に高額療養費支給申請する方法と注意点、その必要書類等について解説します。

5-1.70歳以上の人が事後に高額療養費支給申請をする場合

高額療養費の申請方法は事後申請が原則となります。高額療養費制度が利用できる場合は、その通知書が市区町村役場から送付されてきます。申請の受付期間は診療月の約2ヶ月半後からとなります。

申請をすれば3ヶ月程度で、ご自分の指定口座に支給金額が振り込まれます。

通知が来ても大急ぎで申請する必要はないものの、医療機関を受診した月の翌月の1日を起算日として2年以内が申請期間となります。

長い猶予期間といえますが、安心してスッカリ申請を忘れてしまい、猶予期間を経過してしまうと、支給金額は1円も受け取れませんので気を付けましょう。

5-2.高額療養費支給事後申請の方法と注意点

会談を登る人

70歳以上の方々は、こちらの場合もお住いの市区町村役場にて手続きを行います。

高額療養費支給の事後申請に関して不明な点があれば、窓口で確認を取りながら手続きを進めましょう。

〇高額療養費支給事後申請の流れ

高額療養費支給事後申請の手順は次の通りです。

  1. まず医療機関窓口で自己負担全額分を支払う
  2. 高額医療費に該当すれば通知書が自宅へ届く
  3. 必要書類の収集
  4. 高額療養費支給申請書に必要事項を記載
  5. 市区町村役場へ高額療養費支給申請書等を提出
  6. 指定口座に高額療養費支給分のお金が振り込まれる

〇高額療養費支給事後申請の注意点

かかった治療費等が高額療養費に該当し、500円以上の償還が発生すると思われる世帯へ、「高額療養費支給申請のお知らせ」が概ね診療月の約3ヶ月半後に送付されます。

しかし、医療機関からの診療報酬明細書送付の遅延や、その請求内容に誤りがあったとき等は、お知らせを送付できない場合があります。

このようなケースを想定し、ご自分でもかかった治療費を計算してみることが賢明です。自己負担限度額を超え、費用を支払っているとわかったら市区町村役場へ相談してみましょう。

5-3.高額療養費支給事後申請の必要書類

高額療養費支給事後申請の必要書類は次の通りです。

  • 高額療養費支給申請書:市区町村役場から取得します。
  • 健康保険証:前期高齢者は高齢受給者証と共に医療機関へ提示、後期高齢者は後期高齢者医療被保険者証のみを用意します。
  • 印鑑
  • 領収証等:医療機関や薬局から取得します。
  • 振込口座のわかる通帳等
  • 本人確認書類:マイナンバーカード・運転免許証等

こちらの申請の場合も、ご親族等の代行者が行ってかまいません。申請の際は、委任状が必要になる場合もあるで、市区町村窓口へ事前に確認しておきましょう。

6.高額療養費制度を利用する際の注意点

電話で困惑する高齢者

高額療養費制度は非常に便利な制度ですが、利用の際には注意しなければならない点もあると思います。

高額療養費制度を利用する場合の留意点について教えてください・・・。

こちらでは、高額療養費制度の変更点やデメリット等を解説します。

6-1.70歳以上の高額療養費制度変更でどんな影響が?

2018年8月から70歳以上の高額療養費制度は変更されましたが、内容は前述した通りです。

適用区分が一般以下の世帯にはほとんど影響はありません。しかし、現役並みへ該当する方々には大きな影響があります。

今回の変更で、現役並みの外来区分はなくなってしまい、通院だけの上限額を申請することは不可能です。

また、以前は現役並みの年収「370万円以上」でひとまとめになっていたものの、2018年8月からは現役並みがⅠ~Ⅲへ細分化され自己負担限度額を引き上げられています。

現役並みで年収が高いほど、高額療養費制度の恩恵が得にくくなっているのは事実です。

6-2.高額介護合算療養費制度も見直しに

顔押さえる男性

高額療養費制度は変更に対応して、高額介護合算療養費制度も見直しされることになりました。

なお、高額介護合算療養費制度とは、同じ世帯の保険加入者が、1年間(毎年8月1日~翌年7月31日)に支払った後期高齢者医療制度・介護保険の自己負担額の合計が限度額を超えた場合、その超過分が後期高齢者医療制度や介護保険から支給されます。

こちらの制度を利用する場合も、お住いの市区町村役場窓口へ申請が必要です。

2018年8月からの上限額は次の通りです。こちらでは70歳以上の所得区分と自己負担限度額を取り上げます。

[1]適用区分:現役並み

(1)現役並みⅢ

  • 年収約1,160万円~
  • 標報83万円以上
  • 課税所得690万円以上

1年間の自己負担合算額:212万円

(2)現役並みⅡ

  • 年収約770万円~1,160万円
  • 標報53万円以上
  • 課税所得380万円以上

1年間の自己負担合算額:141万円

(3)現役並みⅠ

  • 年収約370万円~770万円
  • 標報28万円以上
  • 課税所得145万円以上

1年間の自己負担合算額:67万円

※2018年8月以前は、現役並みは年収370万円~でひとまとめにし、67万円が上限とされていました。

[2]適用区分:一般

  • 年収約156万円~370万円
  • 標報26万円以下
  • 課税所得145万円未満等

1年間の自己負担合算額:56万円

※今回見直しはありません。

[3]適用区分:住民税非課税等

  • Ⅱ住民税非課税者→1年間の自己負担合算額:31万円
  • Ⅰ住民税非課税者→1年間の自己負担合算額:19万円

※今回見直しはありません。

6-3.高額療養費制度が適用されない医療サービス

高額療養費制度は、公的医療保険が適用される医療サービスならば利用可能です。

しかし、全額自己負担となる医療サービス等には、公的医療保険ともども利用できないので注意が必要です。一例をあげます。

  • 差額ベッド代:いわゆる「大部屋」を利用する場合は保険が適用されます。しかし、有料の病室を利用する場合は基本的に全額自己負担となります。その費用が「差額ベッド代」と呼ばれています。1日10円~数万円の費用がかかり、医療機関ごとに費用の差が顕著です。
  • 自由診療:まだ厚生労働大臣から認可されていない最先端医療もありますが、いわゆる「矯正歯科」「レーシック」治療等も該当します。自由診療を行うと、本来なら保険診療にあたる部分も全額自己負担となります。
  • 先進医療:公的医療保険ではないですが、厚生労働大臣から認められた最先端医療を指します。先進医療費のみが自己負担となり、保険診療にあたる部分には公的保険が適用されます。

7.高額療養費制度だけでは不安な時は?

検査の風景

高額療養費制度は頼りになる制度ではありますが、公的医療保険が適用されないサービスに利用できないのは残念です。

高額療養費制度以外で頼りにできるものはないのでしょうか・・・?

こちらでは、民間の保険商品の活用等について解説します。

7-1.高額療養費制度は今後の改正もあり得る

高額療養費制度は、まず現役並みに所得のある方々の負担増が行われました。

では、一般以下の世帯の方々なら、今後も負担増と無関係なのかと言えばそうとはいえません。

実際、2018年8月からの高額療養費制度の変更では、一般の区分に該当する方々へも多少見直しが行われています。

それは外来の部分のみですが、これまでの1ヶ月の上限額14,000円から18,000円に負担額が上がっています。

今後、一般以下の世帯の見直しが検討され、負担増になる可能性も否定できません。

また、「6-3.高額療養費制度が適用されない医療サービス」で取り上げたサービスは、高額療養費制度が利用できず、その費用は高額化する場合があります。

そのため、ご自分で高額療養費制度の他に、金銭的サポートが受けられるよう、何らかの対策を取ることが望まれます。

7-2.現役世代の時に医療保険・がん保険へ加入しよう

笑顔の家族

公的な給付制度の充実している我が国ですが、その給付制度が今後も維持されるかどうかは誰にもわかりません。

公的医療保険や高額療養費制度等は、政府が度々見直しを行っており今後の負担増は想定しなければいけません。

そのため、現役世代から、事前に保険会社や共済が販売する医療保険やがん保険へ加入し、備えることも検討しましょう。

特に終身型の保険商品へ加入すれば、医療に関するサポートは解約するか被保険者が亡くなるまで受けられます。

老後の医療費の負担増に備えるため、加入しておくことが大切です。

7-3.70歳でも入れる保険はあるの?

既に70歳になったら、どんな医療保険やがん保険も入れないのでは?と諦めている高齢者の皆さんがいるかもしれませんね。

実は、医療保険やがん保険の全ての商品に該当はしないものの、70歳から入れる保険商品も多様に存在します。

満89歳までなら十分加入可能な保険商品も多く、保障も充実しています。ただし、毎月の保険料が割高になってしまうのは難点と言えます。

〇悩んだら無料の保険相談窓口へ

そうは言っても70歳から入れる保険商品を、ご自分で一から探すのは骨が折れるものです。

周りに保険へ詳しい人がいなければ、専門用語にも悪戦苦闘するはずです。

そんな方々の助けになるのが、「無料の保険相談窓口」です。駅前やシッピングモールに、この相談のできる店舗が続々と出店されています。

このような店舗で、専門スタッフと相談しながら保険選びをすることも有効な方法です。

〇足腰に不安があれば訪問サービスの利用を

そうは言っても、自動車免許証を既に返納してしまい移動まで時間がかかって来店しにくい、足腰が弱くなって来店が難しいという方々はおられることでしょう。

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交通費等は全く請求されませんのでご安心ください。

8.まとめ

菜の花の風景

現役世代の頃は高額療養費制度の利用はおろか、公的医療保険もあまり使ったことがない方々は多いことでしょう。

ただし、いつまでも元気でいられるとは限りません。

年齢が高くなるにつれ確実に体力や免疫力は衰えていきます。その場合には、高額療養費制度を利用するケースも出てくることでしょう。

いざ利用する時になって、この制度が大幅に見直しされているケースも考えられます。

そのため、定期に公的な医療制度の変更はないか確認し、民間の医療保険・がん保険の加入等を検討して、まさかの事態に備えることが大切です。

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