「教育資金の一括贈与の非課税措置とは一体何だろう」
あなたはそう疑問に思ったことはありませんか?
贈与税がかからないということだけど、どういうことだろう。。。
そんなあなたに!この記事を読めば、教育資金の一括贈与の非課税措置について、そのメリット、デメリット、この制度に向いている人について丸わかりです!
教育資金贈与に関する平成31年度の大綱についても解説しますので、お見逃しなく!
目次
1.教育資金贈与とは一体なに?
今回は、教育資金贈与について見ていきます。
お父さん、お母さん、そしておじいちゃん、おばあちゃんはお子さんやお孫さんに「教育資金を贈与したい」と思うことが多々あると思います。
例えば、入学金など教育費は大きなお金ですので、少しでも贈与して楽をさせてあげたいという方はいるでしょう。
そんな中、役に立つのが、「教育資金の一括贈与の非課税措置」です。
1.1 教育資金の一括贈与の非課税措置とは
教育資金の一括贈与の非課税措置とは、一定の受贈者の教育資金の支払いに充てるためにその直系尊属が金銭等を拠出し、金融機関に信託等をした場合には、信託受益権の価額または拠出された金銭等の額のうち受贈者1人につき1,500万円(学校等以外の者に支払われる金銭については500万円)までの金額に相当する部分の価額については、平成25年4月1日から平成31年3月31日までの間に拠出されるものに限って、贈与税を非課税とする制度をいいます。
なお、のちほど説明しますが、この制度は内容を一部変えて、2年延長されることが平成31年度の与党税制改正大綱で決まりました。
受贈者 | 30歳未満の直系卑属(子や孫) |
贈与財産 | 教育資金の支払に充てるための金銭等 |
贈与手段 | 金銭等を金融機関に信託等する |
非課税限度額 | 受贈者1人につき1,500万円(学校等以外の者に支払われる金銭については500万円) |
贈与時期 | 平成25年4月1日から平成31年3月31日まで |
申告については、受贈者はこの制度を受けようとする旨の申告書を、金融機関経由で所轄税務署長に提出します。
金銭等の利用時については、受贈者は払い出した金銭等が教育費の支払に充当したことを証する領収書等を金融機関に提出します。
ただし、平成27年度税制改正により、領収書等に記載された支払金額が1万円以下で、かつ、その年中における合計支払金額が24万円に達するまでのものについては、領収書等に代えて支払先や支払金額などの明細を記載した書類を提出することができることとなります。
平成28年1月1日以後に提出する書類について適用されました。
ちなみに、教育資金は大きなお金だと先ほど述べましたが、具体的にどのくらいのお金がかかるのでしょうか。
幼稚園、小学校、中学校、高校、大学に分けて見ていきます。
・幼稚園
以下は、文部科学省平成24年度子供の学習費調査から引用しています。
区分 | 公立 | 私立 |
学習費総額 | 230,100円 | 487,427円 |
学校教育費 | 131,624円 | 340,464円 |
学校給食費 | 17,920円 | 26,891円 |
学校外活動費用 | 80,556円 | 120,072円 |
これを見ると、公立と私立で大きな差があるのが分かるかと思います。
また、幼稚園生になると、習い事を始めるお子さんも増えてくるかと思いますので、何かとお金がかかりそうですね。
・小学校
次に、小学校の学費についてです。
こちらも文部科学省平成24年度子供の学習費調査より引用しています。
区分 | 公立 | 私立 |
学習費総額 | 305,807円 | 1,422,357円 |
学校教育費 | 55,197円 | 822,467円 |
学校給食費 | 42,035円 | 40,229円 |
学校外活動費 | 208,575円 | 559,661円 |
こちらは、私立が公立の4倍以上になっています。
・中学校
次に、中学校の学費についてです。
こちらも文部科学省平成24年度子供の学習費調査より引用しています。
区分 | 公立 | 私立 |
学習費総額 | 450,340円 | 1,295,156円 |
学校教育費 | 131,534円 | 997,526円 |
学校給食費 | 36,114円 | 3,380円 |
学校外活動費 | 282,692円 | 294,250円 |
以上のとおり、私立は公立の約3倍の学費がかかります。
・高校
次に、高校(全日制)の学費を見ていきます。
こちらも文部科学省平成24年度子供の学習費調査より引用しています。
区分 | 公立 | 私立 |
学習費総額 | 386,439円 | 966,816円 |
学校教育費 | 230,837円 | 722,212円 |
学校給食費 | – | – |
学校外活動費 | 155,602円 | 244,604円 |
中学校で義務教育は終わりですが、平成29年のデータによると高校の進学率は98.8%とほとんどの人が高校に進学しています。
また大学進学を希望している人は塾や予備校に通ったり、通信教育をしたりすることが多いため、そのための月謝がかかることも覚えておきましょう。
・大学
最後に、大学の学費について見ていきます。
これは一番気になる方が多いのではないでしょうか。
まず、大学受験にかかるお金を見ていきます。
入試方法 | 金額の目安 |
センター入試 |
3教科以上 18,000円 2教科以上 12,000円 |
国公立大・2次試験(平均) | 1校につき17,000円 |
私立大学・一般入試(平均) | 1校につき約35,000円 |
交通費 | 往復約30,000円(例)東京ー大阪 |
宿泊費 | 1泊約8,000円 |
となっています。
入試はタダでは受けられません。
それなりのお金がかかるので注意しましょう。
次に、学費を見ていきます。
国民生活金融公庫平成25年教育費負担の実態調査より引用しています。
項目 | 国立大学費用4年間約518万円 | 私立大学/文系費用4年間約691万円 | 私立大学/理系費用4年間約813万円 |
入学費用 | 796,000円 | 940,000円 | 1,033,000円 |
在学費用 | 1,097,000円 | 1,492,000円 | 1,773,000円 |
費用合計 | 5,184,000円 | 6,908,000円 | 8,125,000円 |
このように大学では多額のお金がかかります。
となっています。
この非課税措置があるだけでも、贈与税の軽減につながるので、家計の負担は少なくなると思います。
1.2 教育資金の範囲
しかしながら、教育資金といっても教育資金すべてがすべて対象となるわけではありません。
教育資金とは、次の(1)又は(2)に掲げる金銭をいうこととされています。
(1)学校等に直接支払われる入学金、授業料その他の金銭で一定のもの。
(2)学校等以外の者に、教育に関する役務の提供として直接支払われる金銭その他の教育を受けるために直接支払われる金銭で一定のもの。
*(1)の一定のものとは、次に掲げる金銭をいいます。
①入学金、授業料、入園料及び保育料並びに施設設備費
②入学又は入園のための試験に係る検定料
③在学証明、成績証明その他学生等の記録に係る手数料及びこれに類する手数料
④四学用品の購入費、修学旅行費又は学校給食費その他学校等における教育に伴って必要な費用に充てるための金銭
例えば、入学金、入園料、授業料、保育料、施設設備費、入学(園)試験の検定料、学用品代、修学旅行・遠足費、学校給食費、在学証明書・卒業証明書などの手数料、PTA会費、学級会費、学校の寮費などです。
*(2)の一定のものとは、次に掲げる金銭であって、教育のために支払われるものとして社会通念上相当と認められるものをいいます。
①教育に関する役務の提供の対価
②施設の使用料
③スポーツ又は文化芸術に関する活動その他教養の向上のための活動に係る指導への対価として支払われる金銭
④①の役務の提供又は③の指導において使用する物品の購入に要する金銭であって、その役務の提供又は指導を行う者に直接支払われるもの
⑤(注)2の④の金銭であって、学生等の全部又は大部分が支払うべきものと学校等が認めたもの
⑥平成27年4月1日以降に支払われた「通学定期券代」又は「外国の教育施設に就学するための渡航費(1回の就学につき1回の往復に要するものに限る。)又は学校等(外国の教育施設を除く。)への就学に伴う転居に要する交通費であって公共交通機関に支払われるもの(1回の就学につき1回の往復に要するものに限る。)」
例えば、学習(学習塾・家庭教師、そろばん、キャンプなどの体験活動など)、スポーツ(スイミングスクール、野球チームでの指導など)、文化芸術活動(ピアノの個人指導、絵画教室、バレエ教室など)、教養の向上のための活動(書道、茶道など)、教科書・副教材費・教科教材費(リコーダー、裁縫セットなど)、学校指定の学用品費(制服、体操着、上履き、通学かばんなど)、卒業アルバム、行事の写真代修学旅行、林間学校などの校外活動費学校給食費(学食および購買に支払う費用は対象外)、通勤定期代、留学渡航費、学校等に入学・転入学・編入学するにあたり必要な引越しにともなう交通費などです。
となっています。
2. そもそも贈与税とは?
次に、そもそも贈与税とはどういったものなのでしょうか。
説明していきます。
2.1 贈与税とは
贈与税は、個人から財産をもらったときにかかる税金です。
例えば、自分が保険料を負担していない生命保険金を受け取った場合、あるいは債務の免除などにより利益を受けた場合などは、贈与を受けたとみなされて贈与税がかかります。
贈与税の課税方法には、「暦年課税」と「相続時精算課税」の2つがあり、一定の要件に該当する場合に「相続時精算課税」を選択することができます。
・暦年課税
贈与税は、一人の人が1月1日から12月31日までの1年間にもらった財産の合計額から基礎控除額の110万円を差し引いた残りの額に対してかかります。
したがって、1年間にもらった財産の合計額が110万円以下なら贈与税はかかりません。
なお、この場合、贈与税の申告は不要です。
・相続時精算課税
相続時精算課税を選択した贈与者ごとにその年の1月1日から12月31日までの1年間に贈与を受けた財産の価額の合計額から2,500万円の特別控除額を控除した残額に対して贈与税がかかります。
なお、この特別控除額は贈与税の期限内申告書を提出する場合のみ控除することができます。
また、前年以前にこの特別控除の適用を受けた金額がある場合には、2,500万円からその金額を控除した残額がその年の特別控除限度額となります。
そして、贈与には直接贈与と間接贈与があり、直接贈与とは通常の金銭を贈与する仕方の贈与であり、間接贈与とは学資保険であったり、自分が保険料を負担していない生命保険金を受け取ったりする場合をいいます。
2.2 110万円までは非課税
そして、先ほども見たように、贈与税は、110万円までなら非課税となっています。
それ以下であれば、贈与税の申告は不要です。
2.3 暦年課税の注意点
暦年課税の注意点としては、「定期金給付契約に基づく権利の贈与」を受けたものとして契約や約束をした年に合計額の贈与を受けたとみなされる可能性がある点です。
これは、毎年同じ時期に同じ額を贈与すると、そうみなされる場合があります。
例えば、10年にわたって100万円の贈与をすると合計1,000万円になりますが、「はじめから1,000万円の贈与契約があって10回に分けたのではないか?」と判断されると、1,000万円に対する贈与税がかかってしまうのです。
ですので、それを防ぐために、
・贈与契約書を毎年作成する
・贈与する時期や金額を毎年変える
・わざと非課税枠の110万円より多めに贈与して贈与税を払っておく
などの対策が考えられます。
3. 教育資金の一括贈与の非課税措置のメリットとは?
次に、教育資金の一括贈与の非課税措置のメリットについて説明していきます。
メリットは3つあります。
3.1 一括で大金を贈与できる
1つ目は、一括で大金を贈与できる点です。
受贈者1人につき1,500万円を贈与できます。
学校等以外の者に支払われる金銭については、500万円までとなっています。
大金を一括で贈与したい、という方にはおすすめの制度です。
3.2 贈与資金を無駄遣いされない
2つ目は、贈与資金を無駄遣いされない点です。
この制度は使い道が教育資金に限定されています。
ですので、領収書等の提出という作業が出てくるのです。
3.3 3年以内に贈与者が死亡しても相続開始前3年以内の生前贈与加算の対象とならない
3つ目は、3年以内に贈与者が死亡しても相続開始前3年以内の生前贈与加算の対象とはならない点です。
相続開始前3年以内の生前贈与加算とは、相続などにより財産を取得した人が、被相続人からその相続開始前3年以内(死亡の日からさかのぼって3年前の日から死亡の日までの間)に贈与を受けた財産があるときには、その人の相続税の課税価格に贈与を受けた財産の贈与の時の価額を加算する制度です。
その加算された財産の価額に対応する贈与税の額は、加算された人の相続税の計算上控除されることになります。
加算される価額の基になる贈与財産の範囲と控除する贈与税額は次のとおりです。
・加算する贈与財産の範囲
被相続人から生前に贈与された財産のうち相続開始前3年以内に贈与されたものです。
3年以内であれば贈与税がかかっていたかどうかに関係なく加算します。
したがって、基礎控除額110万円以下の贈与財産や死亡した年に贈与されている財産の価額も加算することになります。
・加算しない贈与財産の範囲
被相続人から生前に贈与された財産であっても、次の財産については加算する必要はありません。
(1)贈与税の配偶者控除の特例を受けている又は受けようとする財産のうち、その配偶者控除額に相当する金額
(2)直系尊属から贈与を受けた住宅取得等資金のうち、非課税の適用を受けた金額
(3)直系尊属から一括贈与を受けた教育資金のうち、非課税の適用を受けた金額
(4)直系尊属から一括贈与を受けた結婚・子育て資金のうち、非課税の適用を受けた金額
となっています。
4. 教育資金の一括贈与の非課税措置のデメリットとは?
次に、教育資金の一括贈与の非課税措置のデメリットについてです。
デメリットは3つあります。
4.1 領収書などの手続きが必要となる
1つ目は、領収書などの手続きが必要となる点です。
この制度の適用を受ける受贈者は、教育資金の支払に充てた金銭に係る領収書その他の書類でその支払の事実を証するものを、受贈者が選択した方法ごとに定められた次の(1)又は(2)の提出期限までに、取扱金融機関の営業所等に提出又は提供しなければなりません。
(1) 教育資金を支払った後にその実際に支払った金額を教育資金管理契約に係る口座から払い出す方法(のみ)をその口座からの払出方法として選択した場合→領収書等に記載又は記録がされた支払年月日から1年を経過する日
(2)(1)以外の方法を教育資金管理契約に係る口座の払出方法として選択した場合→領収書等に記載又は記録がされた支払年月日の属する年の翌年3月15日
領収書等を提出しなければならないのは、贈与された資金がきちんと教育資金として使われているかを知るためです。
4.2 一度贈与するとあとは払い戻せない
2つ目は、一度贈与するとあとは払い戻せない点です。
ですので、1,500万円でしたら1,500万円を贈与したあとに老後資金に余裕があるかどうかをしっかり確認することが重要です。
4.3 30歳に達したときに残額があれば贈与税が課される
3つ目は、30歳に達したときに残額があれば贈与税が課される点です。
受贈者が30歳に達した場合です。
その時点で、残額があるときは、その残額については、その年の翌年の2月1日から3月15日までの間に贈与税の申告書を納税地の所轄税務署長に提出しなければなりません。
5. 教育資金贈与に関する平成31年度の与党税制改正大綱の内容とは?
教育資金贈与については、平成31年度の与党税制改正大綱で内容が変更されることになりました。
この制度は平成31年の3月31日まででしたが、2年延長されることになりました。
内容の変更点は、以下のとおりです。
5.1 1,000万円の所得制限を設ける
1つ目は、この制度を利用する上で、1,000万円の所得制限を設ける点です。
理由は、所得制限のない現行の仕組みは経済格差の固定化を招くとの批判を受けたからです。
裕福な世帯を対象から外すことになりました。
なお、この改正は、平成31年4月1日以後の信託等により取得する信託受益権から適用されます。
5.2 趣味の習い事などを対象外とする
2つ目は、趣味の習い事などを対象外とする点です。
改正案では、23歳以上30歳未満の支払については、これまでどおりの学校等への支払に加え、学校等以外の者への支払については、学校等に関連する費用を除くと教育訓練給付金の支給対象となる支払いに限定されることになりました。
例えば、大学を卒業して就職したが、医者になるために25歳で退職して株式会社の予備校に通った場合の授業料等は認められません。
なお、この改正は、平成31年7月1日以後に支払われる教育資金から適用される。
その他、30歳になっても学校に在学などをしていれば、非課税が続くなどの緩和要件も取り入れられました。
この場合は、学校等を卒業したり、教育訓練が終わった年の年末に、使い切れていない金額がある場合には、その部分に贈与税が課税され、その人が40歳になった時にも強制終了になります。
なお、この改正は、2019年7月1日以降に30歳になる人に適用されますので、注意しましょう。
6. 教育資金の一括贈与の非課税措置に向いている人とは?
最後に、教育資金の一括贈与の非課税措置に向いている人はどんな人かについて見ていきます。
6.1 金融資産に余裕がある人
この制度に向いている人は、金融資金に余裕がある人です。
先ほども見たように、贈与された教育資金は払い戻せません。
ですので、贈与した後も老後を生活していく上で資金に余裕がある人でなければ難しいでしょう。
7. まとめ
皆さん、いかがでしたか?
以上、教育資金の一括贈与の非課税措置についてでした。
ポイントは、以下のとおりです。
①教育資金の一括贈与の非課税措置とは、一定の受贈者の教育資金の支払いに充てるためにその直系尊属が金銭等を拠出し、金融機関に信託等をした場合には、信託受益権の価額または拠出された金銭等の額のうち受贈者1人につき1,500万円(学校等以外の者に支払われる金銭については500万円)までの金額に相当する部分の価額については、平成25年4月1日から平成31年3月31日までの間に拠出されるものに限って、贈与税を非課税とする制度をいいます。
②教育資金の一括贈与の非課税措置の申告については、受贈者はこの制度を受けようとする旨の申告書を、金融機関経由で所轄税務署長に提出します。金銭等の利用時については、受贈者は払い出した金銭等が教育費の支払に充当したことを証する領収書等を金融機関に提出します。ただし、平成27年度税制改正により、領収書等に記載された支払金額が1万円以下で、かつ、その年中における合計支払金額が24万円に達するまでのものについては、領収書等に代えて支払先や支払金額などの明細を記載した書類を提出することができることとなります。平成28年1月1日以後に提出する書類について適用されました。
③教育資金の一括贈与の非課税措置の教育資金の範囲は、次の(1)又は(2)に掲げる金銭をいうこととされています。(1)学校等に直接支払われる入学金、授業料その他の金銭で一定のもの。(2)学校等以外の者に、教育に関する役務の提供として直接支払われる金銭その他の教育を受けるために直接支払われる金銭で一定のもの。(1)については例えば、入学金、入園料、授業料、保育料、施設設備費、入学(園)試験の検定料、学用品代、修学旅行・遠足費、学校給食費、在学証明書・卒業証明書などの手数料、PTA会費、学級会費、学校の寮費などです。(2)については例えば、学習(学習塾・家庭教師、そろばん、キャンプなどの体験活動など)、スポーツ(スイミングスクール、野球チームでの指導など)、文化芸術活動(ピアノの個人指導、絵画教室、バレエ教室など)、教養の向上のための活動(書道、茶道など)、教科書・副教材費・教科教材費(リコーダー、裁縫セットなど)、学校指定の学用品費(制服、体操着、上履き、通学かばんなど)、卒業アルバム、行事の写真代修学旅行、林間学校などの校外活動費学校給食費(学食および購買に支払う費用は対象外)、通勤定期代、留学渡航費、学校等に入学・転入学・編入学するにあたり必要な引越しにともなう交通費などです。
④贈与税は、個人から財産をもらったときにかかる税金です。例えば、自分が保険料を負担していない生命保険金を受け取った場合、あるいは債務の免除などにより利益を受けた場合などは、贈与を受けたとみなされて贈与税がかかります。
⑤贈与税の課税方法には、「暦年課税」と「相続時精算課税」の2つがあり、一定の要件に該当する場合に「相続時精算課税」を選択することができます。暦年課税については、贈与税は、一人の人が1月1日から12月31日までの1年間にもらった財産の合計額から基礎控除額の110万円を差し引いた残りの額に対してかかります。したがって、1年間にもらった財産の合計額が110万円以下なら贈与税はかかりません。なお、この場合、贈与税の申告は不要です。相続時精算課税については、相続時精算課税を選択した贈与者ごとにその年の1月1日から12月31日までの1年間に贈与を受けた財産の価額の合計額から2,500万円の特別控除額を控除した残額に対して贈与税がかかります。なお、この特別控除額は贈与税の期限内申告書を提出する場合のみ控除することができます。また、前年以前にこの特別控除の適用を受けた金額がある場合には、2,500万円からその金額を控除した残額がその年の特別控除限度額となります。
⑥暦年課税の注意点としては、「定期金給付契約に基づく権利の贈与」を受けたものとして契約や約束をした年に合計額の贈与を受けたとみなされる可能性がある点です。
⑦教育資金の一括贈与の非課税措置のメリットは、一括で大金を贈与することができる点と、贈与資金を無駄遣いされない点、3年以内に贈与者が死亡しても相続開始前3年以内の生前贈与加算の対象とはならない点です。生前贈与加算とは、相続などにより財産を取得した人が、被相続人からその相続開始前3年以内(死亡の日からさかのぼって3年前の日から死亡の日までの間)に贈与を受けた財産があるときには、その人の相続税の課税価格に贈与を受けた財産の贈与の時の価額を加算する制度です。その加算された財産の価額に対応する贈与税の額は、加算された人の相続税の計算上控除されることになります。
⑧教育資金の一括贈与の非課税措置のデメリットは、領収書等などの手続きが必要となる点、一度贈与するとあとでは払い戻せない点、30歳に達したときに残額があれば贈与税が課される点です。
⑨平成31年度の与党税制改正大綱の教育資金の一括贈与の非課税措置の内容は、1,000万円の所得制限が設けられ、趣味などの習い事などは対象外とされることになりました。所得制限については平成31年4月1日から、教育資金の範囲については平成31年7月1日から適用されます。
⑩教育資金の一括贈与の非課税措置に向いている人は、金融資産に余裕のある人です。
となっています。
お子さんやお孫さんに教育資金を贈与したいと考えていた方は、ぜひこの制度を利用しましょう。