暦年贈与と相続時精算課税制度を比較!贈与契約書の作成ポイントも合わせて解説

暦年贈与とは毎年一定額までの贈与であれば非課税になる制度である「暦年課税」を活用して毎年一定額の贈与を行い、相続財産を減らすことです。

また個人から個人への贈与は贈与税がかかり、この贈与税は「暦年課税」と「相続時精算課税制度」に分かれます。

この2つの違いは何が違うのか暦年贈与のメリットや手続き方法を紹介していきます。

目次

1.暦年贈与とは
1.1 年間110万円までの贈与税非課税
1.2 暦年贈与で年110万円の贈与税の非課税枠を利用するのが相続税対策
1.3 暦年贈与で相続税が抑えられる
2.暦年贈与と相続時精算課税の違い
2.1 相続時精算課税制度とは?
2.2 相続時精算課税を受けるための条件
2.3 相続時精算課税制度との暦年増との比較
3.暦年贈与の方法を解説
3.1 契約書を作成する
3.2 資金の受け渡しを行う
3.3 110万円以上の場合は贈与税の申告を行う
4.暦年贈与の注意点
4.1 贈与契約書を作成する
4.2 贈与税を申告する4.3 贈与は振り込んで行う
4.3 贈与は振り込んで行う
4.4 通帳や印鑑を子供や孫が管理する
4.5 相続前3年以内の暦年贈与の課税
5.贈与契約書を用意する必要性
5.1 贈与契約書とは
5.2 贈与が確実にあったことを証明するため
5.3 税務署から贈与を否認する危険性を防ぐ
5.4 名義預金とされる可能性をなくす
6.贈与契約書の流れと書き方
6.1 贈与する財産の確定
6.2 贈与の合意
6.3 贈与契約書に記載すべき項目
7.贈与契約書作成時や贈与を行う際に気を付けるべき注意点
7.1 不動産を贈与する場合は印紙が必要
7.2 著名押印は自筆しておく方が無難
7.3 連年贈与にならないように注意する
8.他の贈与税制度とは併用できるのか?
8.1 相続時精算課税
8.2 配偶者控除
8.3 住宅資金贈与
8.4 教育資金の一括贈与
9.まとめ

1.暦年贈与とは

暦年贈与(贈与税の基礎控除)は端的に言えば、年間110万円まで贈与した、つまり無償で譲り渡した場合に贈与税がかからないというもので、最も初歩的で手軽にできる相続税対策です。

つまり、相続させたい財産を早くから長期にわたって、年間110万円まで暦年贈与していけば、その分については贈与税を支払わなくて大丈夫です。

また、当然、贈与してしまったものには相続税がかからないので、相続税対策になるということです。

ただし、「初歩的で手軽」と言っても、闇雲に活用すればよいというものではありません。

相続まで待って相続税を納税した方が良い場合があるので、「損益分岐点」を見極める必要があります。

また、人によっては、暦年贈与ではなく他の制度を選んだ方が良いケースも考えられます。

1.1 年間110万円までの贈与税非課税

暦年贈与は、1年あたり110万円までの贈与については、贈与された人(受贈者)の側で贈与税が非課税になるというものです。

「1年あたり110万円」というのは、贈与税の計算が1年ごとに行われるからです。

暦年贈与は通称で、正確には「贈与税の基礎控除」と言われます。

1年あたり110万円以下の比較的低額の贈与にまで課税するのは酷だという政策的判断によるものです。

1.2 暦年贈与で年110万円の贈与税の非課税枠を利用するのが相続税対策

ここで、なぜ暦年贈与が相続税対策になるのか、少しだけ簡単に説明しておきます。

亡くなった場合に財産が移転した場合にかかるのが相続税、生前に移転した場合にかかるのが贈与税です。

そのため、たとえば子1人に年110万円を贈与することによって、子の側で

・贈与された110万円に贈与税がかからない

・相続税の対象となるあなたの財産が110万円減ってその分に相続税がかからなくなる

ということなのです。

ただし、生前の最後の3年分の贈与は、後で相続税の計算の時に相続財産に加算されるので、注意が必要です。

つまり、あなたを相続するご家族(相続人)に対する相続開始前3年間の贈与(1人当たり合計330万円)には贈与税はかかりませんが、結局は後でその分に相続税がかかってくることになります。

この3年分の加算の対象は、相続人と、遺言で遺産を受け取るよう指定された人(受遺者)に限られます。それ以外の人(孫など)への贈与には、3年分の加算はありません。

1.3 暦年贈与で相続税が抑えられる

一度に多額の財産を贈与するのではなく、毎年少しずつ贈与する方法です。

贈与税は1年間で1人当たり110万円までは贈与税が非課税になるので、子どもや孫など何人かに分けて何度も贈与することで相続財産を減らすことができます。

 

2.暦年贈与と相続時精算課税の違い

では暦年贈与と相続時精算課税の違いは何なのでしょうか?

2.1 相続時精算課税制度とは?

贈与税の課税制度には、「暦年課税」と「相続時精算課税」の2つの制度があり、そのうちの一つが、「相続時精算課税制度」です。

この制度の大きな特徴は、この制度の適用を受けると、2,500万円までの贈与について贈与税がかからないというものです。

ただし、贈与者(贈る人)が亡くなった時には、遺産(財産)にその贈与した財産を加えて相続税の計算をします。

一定の要件に該当する場合に「相続時精算課税」を選択することができ、贈与財産の種類、金額、贈与回数に制限はありません。

「相続時精算課税制度」は通算して2,500万円に達するまで無税で贈与を行える制度で、2,500万円を超えた場合は、超えた部分に対して一律20%の課税がされます。

相続の際(贈与者が亡くなった時)には、相続財産に贈与財産が贈与時の価格で加えられます。

そのため、贈与時より相続時にその財産が値上りしている場合は、贈与時の低い価格で計算されるので有利になります。

2.2 相続時精算課税を受けるための条件

平成26年12月31日までは、相続時精算課税は、65歳以上の親が贈与者(贈る人)で、20歳以上の子(推定相続人)がその受贈者(もらう人)である場合にだけ適用できる制度でしたが、平成27年1月1日に、要件が見直され以下の要件が加わりました。

・受贈者の範囲に、20歳以上の孫を加える

・贈与者の年齢要件を60歳以上(現行 65歳以上)に引き下げる。

となります。

つまり、受贈者に20歳以上の孫が加わり、贈与者の年齢も5歳引き下げられました。

改正前(H26.12.31まで) 現行(H27.1.1から)
贈与者 65歳以上の父母 60歳以上の父母または祖父母
受講者 20歳以上の子である推定相続人 20歳以上の推定相続人である子・20歳以上の孫

また、相続時精算課税制度を選択した場合、 贈与を受けた翌年の2月1日から3月15日までに、税務署に「相続時精算課税選択届出書」を提出します。

贈与を受ける度に、申告が必要となります。

2.3 相続時精算課税制度との暦年増との比較

相続税精算課税制度 暦年贈与(通常の贈与)
贈与者 60歳以上の父母または祖父母 限定されず、親族間や第三者も含まれる
受講者 20歳以上の子または孫 同上
控除額

(非課税枠)

贈与する人ごとに選択した年から累計して2,500万円 年間110万円

(贈与税の基礎控除)

選択届出 必要(贈与者・受講者ごと選択可能です。ただし一度選択したら相続時まで継続適用) 不要
税率 特別控除:一律20% 基礎控除:10~55%(H27.1.1の改正により最高税率が55%に引きが上がる)
相続発生時の相続財産への加算 贈与財産を贈与時の価格で相続財産に加算 なし

(相続開始前3年間の贈与財産は相続財産に加算される)

 

3.暦年贈与の方法を解説

暦年贈与の具体的な仕方を次の3テステップで解説していきます。

【ステップ1】契約書を作成する

【ステップ2】資金の受け渡しを行う

【ステップ3】110万円以上の場合は贈与税の申告を行う

となります。

3.1 契約書を作成する

まずは、贈与契約書を作成します。

何のために作成するかというと、「いつ」「だれからだれに」「いくら」贈与しましたということを、後から誰が見ても分かるように客観的な証拠を残しておくためです。

なお、贈与契約書の作成上の留意点を2つご紹介します。

まず1つ目が贈与契約書へはそれぞれが自署及び実印での押印を行う点です。

贈与契約書には、贈与者(あげる側)と受贈者(もらう側)の両者がそれぞれ自署で署名し、かつ実印で押印をするようにしましょう。

また住所も記載し、かつ贈与契約書に両者が署名した日付も記載しましょう。

なお、自署や実印は必須ではなく、これでないからといって無効になるというわけではありませんが、より本人が自らの意志で行ったということを客観的に証明するためには有効と考えています。

2つ目が公証人役場での確定日付の取得です。

近くの公証人役場へ、作成した贈与契約書をもって行き、「確定日付」のスタンプを押してもらいましょう。

1部700円の手数料のみで簡単にその場で押印してもらえます。この「確定日付」は、その日にその文章が存在したことを証明するもので、その文章自体の内容や契約の有効性とは一切関係ありません。

ですので、公証人は特に文章の内容を見ることはなく、かつその文章を持参するのは当事者以外でも誰でもよく特に身分書類等も必要ありません。

「確定日付」を押印してもらうことで、契約書を後付け(バックデート)で作成したものではないということを証明することが可能となります。

このような目的のため、贈与契約書の贈与日と同一日ではなくとも、数日程度であれば後になっても問題ありません。

この「確定日付」の押印も必須ではなく、これがないからといって無効になるわけではありませんが、相続が迫っていて相続対策のために行う場合等は、あとから税務署にバックデートで作成したと疑われないためにもこの確定日付を取得しておくのが良いでしょう。

3.2 資金の受け渡しを行う

通帳に記録が残るように資金の移動を行いましょう。

贈与者(あげる側)の名義の銀行口座から、受贈者(もらう側)の名義の銀行口座へ直接振り込み処理を行うのがよいでしょう。振込手数料は、送金者側(あげる側)の負担で問題ありません。

また、この資金の送金日と、ステップ1の贈与契約書の日付を同一にしておくようにしましょう。

3.3  110万円以上の場合は贈与税の申告を行う

贈与する金額が、年間110万円を超える場合には贈与税の申告と納税の手続が必要となります。

贈与税申告書に必要事項(誰からいついくらもらったのか、税額はいくらか)を記載し、税務署に提出し、贈与税を別途振り込みで納付するという一連の手続となります。

なお、贈与税の申告手続きについて詳しくは、国税庁の贈与税申告書作成コーナーを見て頂くか、直接最寄りの税務署に言って相談を受けながら作成することも可能です。

ここまでで、暦年贈与の具体的な仕方が分かったと思います。

ただ、この仕方も間違った理解でしてしまうと、そもそも贈与がなかったことにもなりかねません。

そういったことがないように、次項の「暦年贈与の注意点」を、よく読んで下さい。

 

4.暦年贈与の注意点

税務調査において贈与そのものが否定されたり、毎年の贈与が「定期贈与」とみなされ、せっかく生前贈与により相続税の節税を図ったにもかかわらず意味がなくなってしまった上、想定外の相続税額となるケースもよくあります。

贈与が否定されてしまう理由は主に2つです。

一つは贈与を受けた人にその認識がなかったり、そもそも知らないためです。

もう一つは贈与があった事を客観的に証明出来ていない場合です。

これから贈与が否定されないための対策ついてついて見ていきますが非常に重要ですのでしっかり理解されたうえで実行することをお勧めします。

4.1 贈与契約書を作成する

祖父母や両親が息子さんや孫に贈与する場合、贈与する人がいくら財産をあげたといっても、息子・孫にその認識がなければ贈与は成立しません。

ですから贈与をする際には息子さん・孫に贈与があったことを知らせておきましょう。

そして贈与の証拠(金額・日付)を残すために贈与する人と贈与される人の署名が入った贈与契約書を作成しましょう。

名前は出来れば自署で。贈与の事実を証明する証拠書類としての信憑性が増します。

その文書がその日に存在したことを証明するために、公証役場で確定日付を取ればさらに確実です。

また、面倒でも贈与契約書は贈与の都度作成しましょう。

定期贈与となって高い贈与税を支払うのを防ぐためです。

ただし、贈与する側が勝手に契約書を作成して贈与される人の印鑑を勝手に押すといったことは厳禁です。

もし発覚すると、贈与と認められないどころか私文書偽造の罪になりかねません。

たとえ、相手が遠くに住んでいたとしても、郵送で契約書をやりとりして両者が自分自身で押印するようにしましょう。

4.2 贈与税を申告する

110万円以下の贈与であれば本来は贈与税の申告も必要ありません。

それでも敢えて111万円を贈与して贈与税の申告をしておくことも有用です。

税務署に贈与があった事実を知らせておくのです。わざわざ自主的に申告しているものを贈与は無効とは言いにくくさせる狙いもあります。

また贈与税の申告の際には作成した贈与契約書を添付しておきましょう。

4.3 贈与は振り込んで行う

先の例のように現金を贈与する場合、銀行から引き出して現金で孫や息子に手渡すのではなく、孫や息子の口座に振込しましょう。

贈与の事実を残すためです。

通帳や振込用紙の控えが証拠書類となってくれます。

4.4 通帳や印鑑を子供や孫が管理する

子供や孫に振込で贈与するまではいいのですが、その通帳・印鑑を祖父母・両親が管理している場合がよくあります。

そして、その子供・孫名義の口座の届出印が祖父母・両親がいつも使用している銀行印と同じという場合もよく見受けます。

これではいくら振込をしていても贈与したとは言えません。

子供・孫自らの印鑑で作った口座に振り込まないと結局は名前を借りているだけの祖父母・両親の口座と判断される可能性が高いです(いわゆる名義預金)。

また、子供・孫の口座であっても本人が自由に使えないのであれば、それもまた贈与があったとは言えません。

「そんなことすれば息子がこのお金をあてにしてダメな人間になる」なんてお声もよく聞きます。

いますぐとは言いませんが、いずれはその口座を息子さんや孫の管理下に置いてあげましょう。

4.5 相続前3年以内の暦年贈与の課税

暦年贈与の注意点を踏まえた上で暦年贈与を効果的に行えば相続税の軽減を図る事ができます。

しかし相続の開始が近いことを知ってこれらの贈与を行い、相続税の軽減を図る人が増えてしまえば国としても困りまます。

そこで、相続や遺贈により財産を取得した人に限り、相続開始から3年以内の贈与財産については相続財産に取り込まれ、相続税が課税されます。

この取扱いは例え110万円以下の贈与であっても適用されますので注意してください。

ただし、3年以内の贈与に対し贈与税を支払っている場合は相続税からマイナスできます。

 

5.贈与契約書を用意する必要性

では贈与契約書を用意する必要性はなんなのでしょうか?

5.1 贈与契約書とは

贈与契約書(ぞうよけいやくしょ)とは、確実に贈与があったことを第三者や税務署が見ても証明できるように、贈与者と受贈者間で結ぶ書面のことを言います。

贈与をする際、あまり贈与契約書の存在を意識することは少ないとは思いますが、この契約書があることで税務署からつっこまれると言うリスクが少なくなるので、作成しておくことで有効な証明手段になるでしょう。

今回は、そんな贈与契約書の書き方やサンプルをご紹介して行くとともに、贈与を行う際の注意点をご紹介していきますので、参考にしていただければ幸いです。

これから贈与契約書を用意するための必要性を紹介していきます。

5.2 贈与が確実にあったことを証明するため

贈与という行為は、贈与した側と贈与された側が正しく認識していなくてはいけないというルールが存在します。

民法でも、書面を残さない贈与は撤回できるとされていますので、確実に贈与をしたという証明には書面で残しておく必要はありますので、こういった意味でも贈与契約書の存在は重要になるでしょう。

5.3 税務署から贈与を否認する危険性を防ぐ

贈与は生前から少しずつ子供や孫に財産を渡していく、暦年贈与が一般的で、毎年1月1日から12月31日までの間に110万円までの財産贈与なら非課税になるという仕組みです。

この110万円の範囲内であれば、財産の贈与に関して贈与税がかからないのですが、毎年同じ時期に継続して贈与していると、最初からまとまった贈与するつもりだったとみなされてしまう可能性があります。

私たちからしてみれば最初からそのつもりなので、税務署にとやかく言われる筋合いはないのですが、贈与税のなりたちが相続税の支払いから逃さないためのものですので、税務署がそう主張してくるのも、ある意味お仕事といえます。

ただ、税務署に贈与を否認されると、それまで110万円の非課税内で贈与してきた財産に贈与税がかかるという事態にもなりかねませんので、贈与契約書を作成しておくことで、贈与していると言われる事態を防ぐことができます。

5.4 名義預金とされる可能性をなくす

名義預金とは、親族に名義を借りて預金していることを言います。

通常、贈与には生活費等を渡すことは贈与税の対象にはならないとされています。

ここでいう生活費は、その人にとって通常の日常生活に必要な費用のことを言いますので、それを預金したり、株式や不動産などの買入資金に充てている場合には贈与税がかかるとされています。

つまり、夫婦間の贈与であっても貯金をしていると贈与税の扱いになります。

孫への贈与でも同じようなことがいわれますので、「名義預金」とされないよう、いつでも受贈者本人が口座からお金を引き出せる状態であるという事実が必要ですし、つど契約書に残しておくことが大事です。

 

6.贈与契約書の流れと書き方

では贈与契約書を作成するときはどのような流れで進めたら良いのでしょうか?

6.1 贈与する財産の確定

まずは、贈与対象とする財産の特定が必要です。

たとえば、現金ならいくらを与えるのか、預貯金ならどの金融機関のどの口座のお金を贈与するのか、不動産ならどの不動産を与えるのかなど、きっちり特定されていなければ、贈与は無効です。

6.2 贈与の合意

次に、贈与者と受贈者(贈与を受けるもの)の間で贈与に関して合意することが必要です。

贈与契約は一種の契約なので、当事者双方が了承しなければなりません。

親が子どもに一方的に贈与することはできないので、注意が必要です。

財産を与えたい子どもなどに贈与の希望を伝えて、相手の了承をとりましょう。

6.3 贈与契約書に記載すべき項目

贈与契約書を自分で作るとき、以下のポイントに気を付けましょう。

1:贈与を行った日付

2:誰から誰へ贈与したか

3:贈与したものはなにか?

4:贈与者と受贈者の住所と氏名

5:贈与者の実印を使用

6:受贈者が未成年なら受贈者名と受贈者の親権者名を書く

7:公証役場で「確定日付」をもらうとベスト

この7項目を念頭において、書いていただければ隙のない贈与契約書になるでしょう。

 

7.贈与契約書作成時や贈与を行う際に気を付けるべき注意点

次に、贈与契約書を書く際や、贈与を行う際の注意点をご紹介していきます。

7.1 不動産を贈与する場合は印紙が必要

先ほどちらっと触れましたが、不動産などを贈与するときは200円の印紙を貼る必要があります。不動産の印紙代は、契約金額によって金額が異なるので、場合によっては200円以上かかるケースもありますが、贈与をする際に金額を記載しなければ200円の印紙を貼っておけば問題ないとされています。

7.2 著名押印は自筆しておく方が無難

全部パソコンなどで作ってしまうと、本人以外でも作成できてしまう契約書になりますので「本当に本人が契約したもの」という信憑性を持たせる意味でも、署名押印は自筆しておくのが良いかと思います。

7.3 連年贈与にならないように注意する

毎年繰り返し贈与を行うことで一括財産であったとみなされる危険性もあるので、下記のような対策をしておくとよいでしょう。

・贈与月日を毎年違う日にする

・たまには違う財産を贈与する

・贈与額をちょっと変える

これらの対策をしておくと連年贈与にはならないのでぜひやってみてください。

 

8.他の贈与税制度とは併用できるのか?

近年は高齢者の財産を若い世代に何とか移そうと、国もいろいろ暦年贈与よりメリットの大きい贈与を認めています。中には暦年贈与の基礎控除110万円とセットで使えるものもあります。最後にその例をいくつかご紹介いたします。

8.1 相続時精算課税

60歳以上の両親または祖父母から20歳以上の子・孫に対して2,500万円まで無税で贈与を行うことが出来る制度です。また2,500万円を超えても贈与税率は一律20%です。但し、贈与を受けた両親または祖父母に相続があった場合にはその贈与した財産を相続財産として計上しなければなりません。

一度相続時精算課税を選択すると、その贈与者からの贈与については暦年贈与を使うことができません。相続時精算課税の選択には慎重な検討が必要です。

8.2 配偶者控除

贈与の日において婚姻関係が20年以上である配偶者には自宅用の不動産、または自宅を購入するための金銭を2,000万円まで無税で贈与できる制度です。こちらは暦年贈与の110万円の基礎控除との併用が可能ですので、2,110万円まで贈与税がかかりません。

8.3 住宅資金贈与

平成27年1月1日から平成31年6月30日までに父母や祖父母から子や孫への金銭の贈与のうち、住宅の新築や増改築(一定の条件があります。)の為に使われたものについて、一定額については贈与税がかかりません。

2017年1月現在では省エネ住宅等であれば1,200万円、その他の住宅なら700万円までは贈与税がかかりません。贈与年度により金額が変わる制度ですからご注意ください。またこちらも暦年贈与との併用が可能です。省エネ住宅等であれば1,310万円、その他の住宅なら810万円までは贈与税がかかりません。

8.4 教育資金の一括贈与

主に祖父母が孫の教育資金に充てるため金銭を支出し、銀行等に信託する(分かりやすく言うと専用口座を作ることです。)すれば、教育資金として使用されたものであれば1,500万円まで贈与税がかからない制度です。こちらも暦年贈与との併用が可能ですので1,610万円まで一括贈与が可能です。

 

9.まとめ

暦年贈与は最もシンプルな相続税対策であり、上手に活用すれば家族の相続税の負担を大幅に軽くすることが出来ます。

ですが贈与税の税率は相続税の税率よりも高いので、相続を持った方が良いケースもあります。

そして「損益分岐点」を見極める必要があるのです。

そのためにはまず、現時点での財産状態を把握してそこにかかる相続税の実効税率を算出することが大事になってきます。

また相続時精算課税制度とどちらかを選ばなければいけないために、それぞれの制度の目的と創生しているケースを理解した上で自分にフィットした方を選ぶ必要があるのです。

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