損金とは一体何?法人の節税に活かせるの?法人の節税対策を解説!

起業をしたい方々や、起業したての経営者の方々は、まだまだ会計処理には四苦八苦といったところでしょう。

なかでも会社の収益の伸びと同じく、関心が高いのは法人税等の税金対策と言えます。この対策は会社の経営を安定させることにつながります。

その際に注目されるのが「損金」です。この損金が計上されるかどうかで税金の額も変わってきます。

ただし、費用をドンドンかけて会社経営をすれば、それと同じくらいの損金が計上できるわけではありません。

起業間もない経営者の方々は、効率的な損金計上を行い節税対策を行うノウハウがまだまだ培われていないと思われます。

そこで今回は、ご自分の事業所の経営安定や、経営者であるご自分や役員・従業員の福利厚生に役立ち、節税にもなる損金の計上方法を解説します。

この記事を読めば、費用・経費・損金の違いや、節税にもなる共済や法人保険の活用法を理解でき、これらを利用する場合の注意点等もおわかりになることでしょう。

1.費用・経費・損金について

私は友人たちと起業したばかり、我々はまだまだ会計の素人で勘定科目とかもいろいろな本を読みながら勉強中だ。

今後のわが社の収入も重要だが、会計や税務処理も大切な仕事だ。節税についても早い段階で考えていかなければならないだろう。

そこで、支出したお金の違いをまずは教えてもらいたい・・・・。

そもそも、支出したお金には「費用・経費・損金」があります。実はそれぞれ意味が全く同じというわけではありません。

こちらでは、この費用・経費・損金の意味を解説します。

1-1.費用とは

費用とは会計上の用語であり、かかった金額の多少および支出した回数に関係なく、いわば「会社で支出したお金の全て」を指します。

例えば、オフィスの賃借料や、オフィスの水道光熱費、人件費、パソコンやFAX等のオフィス機器のリース代、社用車の購入費、郵便物の封筒・切手代、従業員が一息つくときのコーヒー豆にいたるまで費用となります。

つまり、会社で支出したお金ならば、会社の事業へ直接役立つかどうかに関係なく「費用」となります。

一見すると、「費用は会社で支出したお金が該当するわけだから、この費用全てが法人税の計算で収益から差し引かれるお金になるのでは?」と考えられますが、税務上は収益の差し引きについてルールが存在します。

そのため、「費用≠法人税の計算で収益から差し引かれるお金」ということになります。これについては、「1-3.損金とは」で説明します。

1-2.経費とは

経費と「経常費用」の略称で、前述した費用と同様に会計上の用語です。経費も会社で支出したお金を指します。

なお、経常とは会社が通常の経済活動で毎期、反復的に生じるものを指します。

この意味から考えれば、経費は「会社が通常の経済活動で毎期、反復的に生じる費用」ということになります。

経費も会社の支出したお金という意味で広い言葉といえます。この経費も税務上、必ずしも法人税の計算で収益から差し引かれるべきお金とはいえません。

経費は支出したお金の状態によって、収益から差し引かれるお金とはいえない「費用」になったり、収益から差し引かれるべきお金として「損金」に該当したりします。

1-3.損金とは

損金とは税務上の用語であり、使用される場面は前述した費用・経費よりも限定されることになります。

損金は、会社の収益から差し引くことができる費用を指します。そのため、損金となる金額が大きければ、その分収益から差し引けます。

法人税は、収益から損金を差し引いたお金に応じて課税されるので、損金を計上すれば節税の機会が得られるというわけです。

そうはいっても、前述したように会社の費用が損金となるわけではありません。次章以降では損金になる費用と、この損金を活用した節税方法について解説していきます。

2.損金について

会社で支出したお金にも費用・経費・損金という区別があるのか、なかなか複雑そうだ。

どんな会社の費用が損金になるのか是非知りたい・・・。

こちらでは、会社の費用を損金として計上できる節税方法について解説します。

2-1.交際費とかは損金になるのか?

損金になる費用は様々です。交際費や役員給与、法人保険の保険料、減価償却費、社用車の購入費や開発費などの繰延資産も損金に算入できる場合があります。

つまり、無条件にこれらの費用は損金にはできず、各費用はそれぞれ条件や時期によって損金に算入できない場合もあります。各費用が損金になるかどうか、行政側が掲示している条件等をしっかりと確認しなければいけません。

例えば、交際費等の範囲については、国税庁のホームページでは次のように定義されています。

交際費等とは、①交際費、接待費、機密費その他の費用で、②法人が、その得意先・仕入先その他事業に関係のある方々に対する接待、供応、慰安、贈答その他これらに類する行為をするために支出する費用を指します。

こちらに該当する場合は、その全額が損金不算入として扱われることになります。つまり、会社の収益からは差し引きできないということです。

しかし、国税庁では次の場合ならば交際費等にあたらないので損金に計上できることを明記しています。

  • 従業員の慰安のために行われるイベント:運動会や演芸会、旅行等にかかる費用があげられます。
  • 飲食その他これに類する行為のために要する費用で、参加した方々一人につき金額が5,000円以下:ただし、飲食等の年月日や飲食等に参加した得意先の方々等の氏名・名称、飲食等に参加した者の数等を記載した書類の保存が条件です。
  • その他の費用:カレンダー・手帳・扇子等の物品を贈与するための費用、会議に関連する茶菓・弁当等の飲食物の購入費、新聞・雑誌等の出版物や放送番組を編集等の費用が該当します。

このように、国税庁では会社の費用が損金になるもの・ならないものを参考として掲示しています。

そのため、会社の決算の前に会社の費用でどんなものが損金に該当するかわからないときは、国税庁等のホームページをマメにチェックして判断することが大切です。

2-2.法人の節税を考えた損金の計上方法

ご自分の会社の節税を考える場合は、費用なら何でも損金になるというわけではありません。

また、会社にかかる税金は国に納付する法人税に限らず、地方法人税や、地方自治体に支払う法人事業税、地方法人特別税、法人住民税が存在します。

これらの税額を抑える努力は会社の安定経営のために必要となります。もちろん節税のために、ご自分の会社で運動会や演芸会、旅行等のイベントを開催することも一つの手段です。

経営者・役員・従業員の親睦を深める良い機会になるでしょう。ただし、収益にかかわる事業活動を行うことが本来の会社の役割ですので、これらのイベントを頻繁に行うことはナカナカ難しいことも事実です。

そのため、①会社経営の安定や規模の拡大にもつながり、②役員・従業員の福利厚生にもなって、③その費用が損金として計上でき、法人税等の負担軽減になるような対策が必要となります。

会社の節税は「一挙両得」以上の対策が「理想的な節税」なのです。つまり、「①会社の安定・利益+②役員・従業員の利益+③節税」になる対策が最も有効な方法と言えます。

2-3.法人の節税対策は無数に存在する

前述した「理想的な節税」になるためには、会社のイベントを多用する場合だけではなく、会社に現在必要となる設備や将来を見越した投資を節税と合わせて考えていくことが必要です。

そのための節税対策は多種多様で、主に次のような方法があります。

〇共済や法人保険等への加入

例えば、小規模企業共済、経営セーフティ共済、法人保険、個人保険等への加入が考えられます。こちらについては次章以降で解説します。

〇会社の資産等の処分

不要な固定資産の廃棄・売却・除却、在庫の評価の見直しがあげられます。固定資産としては会社の所有する土地・建物をはじめ、機械装置、車両運搬具、工具・器具・備品等があげられます。

会社にとって使用頻度や利用価値の低い資産を売却する等して、会社経営をスリム化していきます。

〇機械設備・人材への投資

会社にとって現在や将来を見越した機械等の取得、経営改善設備の取得、生産性向上設備の取得、人材投資、試験研究投資があげられます。

場当たり時ではなく、会社が今後どのような分野に進出するか、そのために必要な設備や人材の育成、研究への投資があげられます。

国も所定の投資を後押ししており、ご自分の会社の投資した金額に一定割合を乗じた金額を法人税等から差し引くという、税制上の優遇措置を活用した節税対策もあります。

〇節税目的の購入・リース

社用車の購入や飛行機・船舶等を購入しリースするという方法です。社用車は当然のことながら自社で使用することになります。しかし、飛行機・船舶等を購入する場合、なにも自社で航空業界や海運業界に参入するわけではありません。

自社で購入した飛行機・船舶を航空会社や海運会社とリース契約を結び、会社の節税及び収益に充てるのです。

特に飛行機・船舶に関しては巨額のお金が動き、1.2年間で莫大な損金計上が期待できます。しかし、そのための準備や契約手続きは煩雑になるため、なかなか飛行機・船舶のリース契約が成立しない時など、重い負担を伴うリスクは高くなります。

3.法人の節税対策について

損金が計上できる節税対策はたくさんあるが、まだ起業したての我が社にとっては、リスクをできるだけ負わず堅実な節税対策を行いたいものだ。

まだまだ経営が安定していない我が社に最適の節税方法は無いものだろうか?

こちらでは、起業したばかりでまだまだ資金繰りが安定していない中小企業の、ベストな節税対策について解説します。

3-1.自社の経営状態にあった節税方法を!

損金が計上できる節税対策は「2-3.法人の節税対策は無数に存在する」でも述べた通り、経営のスリム化、投資、リース契約等たくさんの方法があります。

しかし、これらの節税対策を有効の活用するためには、ご自分が経営する会社の状況を十分把握したうえで、ベストな節税方法を選ぶべきでしょう。

そもそも土地や建物の売却等による節税は、会社の保有するこれらの資産をもて余している場合にとるべき方法ですし、飛行機・船舶等を購入しリースする方法は、会社の規模が大きく資金繰りにかなり余裕があるときの節税対策と言えます。

起業して間もない上に資金繰りも安定していない中小企業が、経営が既に安定している会社や大企業と同じ節税対策を行っても、望む節税の効果が得られないばかりか、ご自分の会社にとって重い負担になることも想定されます。

3-2.堅実な損金の計上を考える

では、起業したばかりで資金繰りが安定していない中小企業が、とるべき節税対策とは一体どのような方法でしょうか?

それは、まず「身近な人達の利益を伴う節税」を行うことが大切です。例えば、社長や役員の報酬は損金に算入することができます。

この報酬自体に法人税等を減らす効果があります。しかし、会社の経営状態に見合わないような高額な報酬は、経営を圧迫してしまうことでしょう。

そのため、報酬分を上乗せした分に関して、会社経営の安定ための“何か”に活用したいものですよね。

また、役員や従業員のまさかのための備えを考えているならば、そのための出費を損金へ算入できれば、役員・従業員の福利厚生と節税が両立できてお得です。

次項では、身近な人達の利益を伴う節税の具体的な方法を説明します。

3-3.共済と法人保険をまず活用してみる!

身近な人達の利益を伴う節税対策には、前述した小規模企業共済、経営セーフティ共済、法人保険、個人保険等への加入が考えられます。

小規模企業共済、経営セーフティ共済への加入することで、会社経営の安定に資すると共に、その掛金等が節税にもなります。

ただし、損金として計上する方法は小規模企業共済と、経営セーフティ共済とで異なります。

一方、法人保険や個人保険等への加入で、役員や従業員が保険期間中に亡くなったり高度障害状態になったりしたときの他、病気やケガを負った場合に下りる保険金(給付金)は、福利厚生への活用に役立ちます。

また、毎月支払う保険料は損金として計上できます。ただし、保険商品によっては保険料の全額が損金となる場合や、一部のみが損金として扱える場合もある等、保険内容を十分確認してから加入する必要があります。

4.共済を損金に計上する節税対策

共済や生命保険等で節税対策を行う、なかなか興味のある方法だ。起業したばかりの我が社の経営安定にもつながる。

これらの共済の詳細について是非知りたい・・・・・。

こちらでは、共済を運営している中小機構および小規模企業共済・経営セーフティ共済について解説します。

4-1.中小機構とは?

中小機構とは、正式名称が「中小企業基盤整備機構」という独立行政法人です。

この機構は平成16(2004)年7月に、中小企業総合事業団(信用保険部門を除く)・地域振興整備公団(地方都市開発整備等業務を除く)・産業基盤整備基金(省エネ・支援法関係業務を除く)の3つの特殊法人を統合し設立されました。

国民生活・社会経済の安定のため、独立した法人組織ではありますが国家的な規模の事業を実施しています。

具体的な中小機構の事業内容は、次の通りです。

  • 中小企業・ベンチャー企業等の事業者へのアドバイス・研修
  • 中小企業者向けの高度化融資
  • 小規模企業共済・経営セーフティ共済の運営
  • 中小企業等事業活動の活性化のための基盤整備

4-2.小規模企業共済

小規模企業共済は、中小機構が運営する共済制度です。この共済制度は、個人事業主や会社の経営者が「個人」で加入することになります。

経営者個人が、ご自分の収入の中から原則として毎月コツコツと積み立てをします。掛金は、月1,000円~7万円まで、500円単位で設定可能です。

また、事業資金に困った場合、納付した掛金の範囲内ならば担保・保証人不要で、事業資金等の貸付制度を利用できます。

〇共済金の受け取り

共済契約者が一定の事由に該当した場合、中小機構よりお金を受け取ることができます。

受け取れる共済金は次の通りです。

[1.共済金A]

この共済金が受け取れる条件は次の通りです。

  • 個人事業主:①個人事業を廃業した場合、②共済契約者が亡くなった場合
  • 法人役員:法人の解散
  • 共同経営者:①個人事業主の廃業し共同経営者を退任した、②病気・怪我のため共同経営者を退任した、③共済契約者が亡くなった

共済金Aの受取額は次のようになります(毎月の掛金1万円で加入した場合)。

掛金納付年数 掛金合計額 共済金A
5年 600,000円 621,400円
10年 1,200,000円 1,290,600円
15年 1,800,000円 2,011,000円
20年 2,400,000円 2,786,400円
[2.共済金B]

この共済金が受け取れる条件は次の通りです。

  • 個人事業主:老齢給付(ただし、共済加入者が65歳以上で180ヶ月以上掛金を払い込んだことが条件)
  • 法人役員:①病気、怪我、または65歳以上で役員を退任した場合、②共済契約者が亡くなった、③老齢給付(ただし、共済加入者が65歳以上で180ヶ月以上掛金を払い込んだことが条件)
  • 共同経営者:老齢給付(ただし、共済加入者が65歳以上で180ヶ月以上掛金を払い込んだことが条件)

共済金Bの受取額は次のようになります(毎月の掛金1万円で加入した場合)。

掛金納付年数 掛金合計額 共済金B
5年 600,000円 614,600円
10年 1,200,000円 1,260,800円
15年 1,800,000円 1,940,400円
20年 2,400,000円 2,658,800円
[3.準共済金]

この共済金が受け取れる条件は次の通りです。

  • 個人事業主:個人事業を法人成りしたため、加入資格がなくなり解約した
  • 法人役員:法人の解散、病気、怪我以外の理由、65歳未満で役員を退任
  • 共同経営者:個人事業を法人成りしたため、加入資格がなくなり解約した

準共済金の受取額は次のようになります(毎月の掛金1万円で加入した場合)。

掛金納付年数 掛金合計額 準共済金
5年 600,000円 600,000円
10年 1,200,000円 1,200,000円
15年 1,800,000円 1,800,000円
20年 2,400,000円 2,419,500円
[4.解約手当金]

この解約手当金が受け取れる条件は次の通りです。

  • 個人事業主:①任意解約、②機構解約(掛金を12か月以上滞納)、③個人事業を法人成りしても加入資格はなくならなかったが解約した
  • 法人役員:①任意解約、②機構解約(掛金を12か月以上滞納)
  • 共同経営者:①任意解約、②機構解約(掛金を12か月以上滞納)、③共同経営者の任意退任で解約、④個人事業を法人成りしても加入資格はなくならなかったが解約した

解約手当金の場合、掛金納付月数に応じ、掛金合計額80~120%相当額が受け取れます。しかし、掛金納付月数が20年未満では、掛金合計額を下回ってしまうので注意が必要です。

〇節税のための活用法

掛金・共済金の事例を前述しましたが、共済金のために支払った掛金は直接、事業上の損金または必要経費には算入できません。しかし、次のように掛金を節税として利用することが可能です。

例えば、経営者・役員個人で6万円の共済掛金を積み立てる「もとで」として、会社から受け取る報酬を同額分の6万円増やします。

そうすれば、個人の税金が増加することもなく、間接的に会社の税金が軽減されにことになります。

役員報酬を高くすればするほど、会社の節税対策にもなることはすでに述べた通りです。小規模企業共済を節税に活用するのは、その効果を狙った方法と言えます。

ただし、役員報酬を損金に算入するには毎月同じ金額を支給する必要があります。

そのため、決算前に大きな利益の出ることが判明し、その時だけ大慌てで役員報酬を増やしても税金を軽減させる効果が見込めません。

4-3.経営セーフティ共済

経営セーフティ共済は、中小企業倒産防止共済とも呼ばれており、取引先が倒産し、自社の売掛金や債権の回収が難しくなった時に貸付を受けられる制度です。

掛金は、毎月5,000円~20万円まで(5,000円単位)で設定が可能です。掛金は総額800万円に達するまで積み立てることができます。

〇借入金額

取引先が倒産した場合は、被害額または掛金総額の10倍に相当する額のいずれか少ない額が、共済金の借入額となります。借入額は原則として50万円~8,000万円(5万円単位)までです。

また、ご自分の会社等で臨時に事業資金が必要となった時は、一時貸付金が借りられます。借入額は30万円以上解約手当金の95%が上限です(5万円単位)。なお、借入金の使途は事業資金に限定されます。

〇節税のための活用法

経営セーフティ共済の掛金は全額の損金算入が可能です。前納も可能なので、前納すれば向こう1年分を全額損金にでき、決算対策にも有効です。

ただし、損金に算入できるのは年240万円が上限で、合計800万円までが条件です。

また、解約した場合には解約金を受け取れますが、こちらを取得してしまうとその金額に法人税等が課税されます。

5.法人保険を損金に計上する節税対策その1

共済は独立行政法人が扱っているし、なかなか信用できる保障内容になっている。役員の利益になり、会社経営の安定にもつながり、節税もできる。

では、民間の保険会社の扱う保険商品でどんな節税対策ができるのだろうか?詳細を知りたい・・・・。

こちらでは、法人保険の特徴について解説します。

5-1.法人保険とは?

法人保険とは、法人が契約者となり経営者・役員・従業員を被保険者として、民間の保険会社と保険契約を締結する商品を指します。

経営者や役員等が勇退するまでに、死亡または高度障害状態になったら、下りる保険金を弔慰金として遺族(親族)に支払ったり、退職金として経営者・役員等に支払ったりすることもできます。

死亡保障のある法人保険だけではなく、発症すると深刻な事態になるがん保障や、病気やケガをした場合の医療保障等、いろいろな種類があります。

なお、法人として保険会社と保険契約を結ぶ場合は、「法人向け保険」だけが対象となるわけではありません。

また、途中から契約者を法人から個人に変更して、受取人も変更することで、下りる給付金を直接個人で受取る方法も可能になります。

5-2.法人保険の特徴

法人保険では、前述した小規模企業共済・経営セーフティ共済と同様に、ほとんどの商品で解約返戻金が設定されています。

そのため、資金繰りに困った場合等、解約返戻金の一部を保険会社から借り入れる「契約者貸付制度」も利用できます。

この契約者貸付制度は、借金と同じなので返済には利息が必要になるものの審査が不要なので、いざという時の速やかな資金調達手段として頼りになります。

また、解約返戻金は使途は制限されていないので、会社の決算が近付いて赤字になることが判明したら、保険の一部または全部を解約し、下りた解約返戻金を赤字に補填することも可能です。

5-3.会社の経営状態で法人保険のタイプを選ぶ!

節税に向いている保険商品として、下表のような3つのタイプがあげられます。

法人保険名 内容
全額損金定期保険 支払う保険料の全額を損金にできる定期保険
逓増定期保険 保険期間満了まで設定した保険金額が契約当初から5倍まで増加する定期保険
長期平準定期保険 保険期間が99年または100年と長く設定されている定期保険

法人保険に加入すれば、保険会社に支払う保険料を「損金」として計上することができます。

ただし、どんな保険商品でも支払った保険料を全額損金算入できるわけではありません。

加入条件や期間によって保険料の内、1/2または1/3を損金に算入できる場合もあります。

法人保険は多くの商品が出回り、非常に使い勝手の良い節税手段と言えます。

しかし、保険の内容により、ご自分の会社の経営状況と合わず、むしろ支払保険料が重い負担になってしまうことも想定されます。

そのため、保険商品の特徴を良く把握し、自社の経営状態とよく比較してベストな保険選びを行いましょう。

6.法人保険を損金に計上する節税対策その2

節税に向いている保険商品のタイプである、全額損金定期保険・逓増定期保険・長期平準定期保険に関心がある。

わが社にとってどんな商品がふさわしいだろう?これらの定期保険の内容をぜひ知りたい・・・・。

こちらでは、これらの定期保険の特徴と、これらの商品を節税対策として利用する場合に向いている会社を検討します。

6-1.全額損金定期保険の利用に向いている会社

全額損金定期保険は、支払った保険料全額を損金にすることができる定期保険です。つまり、保険料の全てを経費とできるので、保険料を支払っている間は法人税等の節税に大変役立ちます。

そのため、起業したばかりで収益が安定していない会社に向いている保険のタイプと言えます。

経営が安定していなくても、役員・従業員の福利厚生を充実させつつ、税金の負担を大きく軽減できることでしょう。

ただし、定期保険である以上は役員・従業員にまさかの事態が起きない限り、いずれ返戻金として受け取ることになります。

その場合には、全額雑収入として計上されて税務上は益金となるので、このお金をいつまでも使用しないと、多額の法人税がかかることになります。

この返戻金を役員の退職金として使う機会もなければ、会社の設備投資や人材投資、旅行等のイベントを企画して、うまく利用することを心がけましょう。

6-2.逓増定期保険の利用に向いている会社

逓増定期保険は、契約締結より一定期間経過してから保険期間満了まで、保険金額が契約設定当初の金額より最大5倍に増加する定期保険です。

こちらの保険は、支払った保険料の一部を損金にすることができます。被保険者の年齢・保険期間により1/2、1/3、1/4の3種類が設定されています。

逓増定期保険は、会社の規模が順調に拡大して経営が安定している会社向きです。なぜなら、保険金額が増加することで、会社の規模の拡大により責任がどんどん重くなる経営者・役員に見合った保険金額を準備できるからです。

ただし、保険金額が増加する仕組みなので、契約によるものの毎年払い込む保険料は1,000万円近くに上ることがあります。そのため、保険料は会社にとって予想外の負担になることが想定されます。

また、このタイプの保険は解約返戻率のピークが早い(およそ契約後5年~10年前後)ので、解約するタイミングが難しいケースも考えられます。

こちらの場合も、返戻金を役員退職金に支出されず放置すれば、それだけ支払う税金が多くなってしまいます。

6-3.長期平準定期保険の利用に向いている会社

長期平準定期保険は、保険期間が非常に長期間(99歳または100歳まで)となる定期保険です。こちらの保険は、支払った保険料の1/2が損金に算入され、その分税金は軽減されることになります。

保険期間が100年と非常に長いので、会社のかじ取りを経営者であるご自分が長期間行いたい場合、このタイプの保険を活用することが有効です。

ただし、会社経営が順調にうまくいき、会社の規模も次第に大きくなっている場合には注意が必要です。

なぜなら、会社が成長することに比例して、経営者・役員の責任もどんどん重くなっていくはずです。

この場合、契約時に設定した保険金額が、次第に会社の規模・経営者の重責に見合った額とはいえなくなるケースも想定されます。

そのため、契約時に自社の長期的な経営拡大を視野に入れながら、適切な保険金額を良く考えて設定することが必要となります。

7.まとめ

損金は会社が支払う法人税等の軽減に役立つ費用です。

しかし、節税対策として損金にできる方法は、会社の現状を良く把握したうえで慎重に選ばないと、予想外の重い支出に頭を抱えることとなるでしょう。

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