生命保険会社の終身年金保険は加入した方がお得?ズバリ解説!

現在の日本は医療の進歩、衛生環境の向上、食の豊かさにより、国民の長寿化が進展しています。高齢になっても健康的で豊かな生活をずっと継続できれば非常に安心ですよね。

公的な制度も「後期高齢者医療制度」や「介護保険制度」等に代表されるように、病気やケガ、介護の必要な事態に手厚い保障が受けられるようなシステムを整えています。

日本は確実に長生きしやすい環境が整っていると言えます。しかしながら、長生きができるということは、それだけ生きていくうえで生活費や医療費もかかってしまうことを意味します。

退職して悠々自適な生活を送りたくても、退職金や年金がどれだけ受け取れるのかを慎重に確認してからでないと、老後、金銭的に窮乏するリスクへ備えることが不十分となります。

退職金や受け取る年金だけでは生活を維持できず、高齢になっても働かなくてはいけない場合もあれば、体力や免疫力が衰えて金銭的に窮乏して働けないという事態も十分に考えられます。

長生きすればするほど、病気やケガのリスク、そして経済的に困窮するリスクは増します。

そこで、頼りになるのが個人年金保険の一つである「終身年金保険」です。こちらに加入していれば一生涯にわたり生命保険会社から年金が受け取れます。

ただし、終身年金保険は非常に頼もしい金銭的サポートを受けられる反面、加入の際に注意しておかなければいけない点もあります。

そこで今回は、終身年金保険の特徴、メリット・デメリットについて解説します。この記事を読めば終身年金保険の活用術や、加入する際の注意点についておわかりになることでしょう。

目次

1.老後のリスクを考える

  • 1-1.日本は長寿大国にはなったが・・・
  • 1-2.公的年金だけを頼りにするのは危険
  • 1-3.高齢単身世帯の状況

2.個人年金保険について

  • 2-1.個人年金保険とは
  • 2-2.個人年金保険の特徴
  • 2-3.個人年金保険の種類

3.終身年金保険について

  • 3-1.終身年金保険は長寿化の備えに最適
  • 3-2.保証期間付終身保険というものもある
  • 3-3.確定年金と終身年金保険を比較してみる

4.終身年金保険のメリット・デメリット

  • 4-1.終身年金保険のメリット
  • 4-2.終身年金保険のデメリット
  • 4-3.確定年金との併用も考えてみる

5.終身年金保険の活用法

  • 5-1.独身者は高齢単身世帯になることも想定する
  • 5-2.相続が心配なご夫婦は生前贈与と一緒に活用
  • 5-3.ご夫婦で独り残されたときのために

6.おすすめ終身年金保険について

  • 6-1.三井住友海上あいおい生命「&LIFE個人年金保険」
  • 6-2.第一生命「ながいき物語」
  • 6-3.かんぽ生命「長寿支援保険 長寿のしあわせ」

7.まとめ

1.老後のリスクを考える

日本では100歳を超えるお年寄りも多い、公的な医療保険も高齢者に手厚いシステムが整備された。

しかし、問題は長生きしても安心できる生活費が確保できるかだ。

働けなくなった状態で金銭的な窮乏は絶対に避けたい・・・。

確かに、わが国は国民の長寿化が進展していますが、非常に心配なデータも上がってきています。

こちらでは、老後の経済的リスクについて解説します。

1-1.日本は長寿大国にはなったが・・・

我が国の100歳以上の高齢者数は急激に増加傾向にあります。

男女別100歳以上の高齢者数の推移は下表のとおりです。

年次 男性 女性 合計
1963年 20人 133人 153人
2014年 7,586人 51,234人 58,820人
2015年 7,840人 53,728人 61,568人
2016年 8,167人 57,525人 65,692人
2017年 8,197人 59,627人 67,824人
2018年 8,331人 61,454人 69,785人

厚生労働省によれば、統計を取り始めた1963年では100歳の高齢者が全国でわずか153人(男性20人、女性133人)でした。

その55年後の2018年には、100歳の高齢者が全国で69,785人(男性8,331人、女性61,454人)となり、7万人に達するのは目前と言えます。

これは、医療技術の発達や衛生環境の向上、食の豊かさ、国民の健康意識の向上が背景にあると考えられます。

100歳の増加は喜ばしいことですが、100歳になっても当該高齢者すべてが健康体であるかどうか、この統計から窺うことはできません。

また、100歳人口が増えればそれだけかかる生活費も大きくなります。我々が長生きすればするほど金銭的に窮乏するリスクは増していくのです。

1-2.公的年金だけを頼りにするのは危険

我々が65歳になれば原則として公的年金を受給することができます。

給与所得者なら厚生年金+国民年金(老齢基礎年金)が、それ以外の人は国民年金(老齢基礎年金)が受け取れます。

国民年金(老齢基礎年金)の満額は77万9,300円(2018年)で、厚生年金はそれに加算されます。

高齢を迎える方々の中には、「若い時ほど物を買うこともないし、国民年金(老齢基礎年金)さえコツコツ納めていれば大丈夫だろう。」と考える人もいらっしゃることでしょう。

確かに、永年会社勤めを行い退職金や厚生年金をもらえるならば、ある程度の貯蓄として老後の資金となるはずです。

しかし、老後を生きる際、非常に心配なデータが総務省統計局より報告されています。次項ではその統計について詳細を解説します。

1-3.高齢単身世帯の状況

高齢になるにつれて、ご夫婦のどちらかが先に亡くなることは明白です。

それ以後は、独立した子や親族を頼るということはありますが、そのまま単身世帯として生活を送ることもあるでしょう。

また、生涯独身を通す方々も増加傾向にあり、高齢単身世帯が今後どんどん増えていくものと考えられます。

〇高齢単身無職世帯は赤字

高齢単身世帯の方々にとって心配なデータが総務省統計局より平成29年2月17日に発表されています。総務省統計局の「家計調査報告(家計収支編)」によれば、次のような家計の状況が報告されています。

それによると、60歳以上の単身無職世帯の平均家計消費は、次のような内訳となっています。下表を参考にしてください。

平均家計消費

金額

(月毎)

内容

社会保障給付

(実収入)

120,093円 公的年金や生活保護等の給付です。
消費支出額 143,959円 家計から出ていく食料・保険医療費等が該当します。
非消費支出額 12,445円 家計から出ていく直接税、社会保険料が該当します。
合計 -36,311円 毎月36,311円の赤字になることを意味します。

表で示した実収入と消費支出額・非消費支出額を計算すれば、

120,093円(実収入)-{143,959円(消費支出額)+12,445円(非消費支出額)}=-36,311円

となり、高齢単身無職世帯では平均して毎月36,311円分が不足していることになります。

〇貯蓄に頼る・高齢になっても働けば良いは危険

子や親族と同居しているなら、不足した生活費を賄ってもらえるかもしれませんが、高齢単身世帯では親族の援助をあてにすることが困難といえるでしょう。

貯蓄が潤沢にあれば問題ないようにも思えますが、長寿化している現在では、自分が生きるている間に貯金の尽きる事態も想定されます。

では、高齢になっても働けば生活費を賄っていけるでしょうか?

非常にそれも難しいのが現状と言えます。70・80代になってご自分が健康であったとしても、雇用先がなければ働く機会もありません。そうなれば、いよいよ金銭的に窮乏していくことになります。

2.個人年金保険について

正直、老後が心配になってきた。特に高齢単身世帯になれば経済的に厳しくなるリスクがかなり高まってしまう。

何か良い手立てはないものだろうか?

そこで、老後の資金のために個人年金保険を利用しましょう。

こちらでは、個人年金保険の特徴と種類を解説します。

2-1.個人年金保険とは

ご自分が一定の年齢になった後に支給される公的年金を補い、金銭的に余裕のある老後を送る手段として「個人年金保険」があげられます。

この個人年金保険は、基本的に年金としてお金を受け取る商品であるため、特約で医療保障等を付けない限り、契約の際に健康診査は要求されません。

よって、毎月またはまとめて保険料を支払える資力があるなら、誰でも加入できます。

また、受け取る年金額は、返戻率(支払った保険料と戻るお金の割合)が契約したご本人にとって有利な場合も多く、貯蓄性にすぐれた商品といえます。

2-2.個人年金保険の特徴

個人年金保険の最大の特徴は、公的年金を補い、より安定した生活を送ることが期待できる点です。

国民年金(老齢基礎年金)の場合は、原則として月々およそ15,000円を納付する必要があり、受け取る年金額も約77万程度が一律に支給されます。

その他、厚生年金・共済年金は、勤務先から毎月の給与を天引きする形で納付することになります。

公的年金は、毎月支払う保険料も、受け取る額も、支給される年齢に関しても年金を受け取る側の選択肢は非常に限定されています。

一方、個人年金保険ならば、加入先が生命保険会社であり、保険契約によって支払う保険料も、受け取る年金額も、支給年齢もご自分で決定することが可能です。

つまり、ご自分のライフスタイルや、家計の状態、将来設計を考慮して年金支給が調整できることを意味します。

2-3.個人年金保険の種類

ご自分で老後のために資金を運用し、契約で設定した時期に年金を受け取る個人年金保険には、一定期間にその年金を受け取るタイプと、一生涯にわたり年金を受け取るタイプがあります。

個人年金保険は次の5種類があります。

  • 確定年金:保険契約時あらかじめ決めた一定期間(5年、10年、15年、20年等)に、被保険者の生死にかかわらず年金が受け取れる商品をいいます。
  • 有期年金:受取期間に関しては確定年金と同様ですが、その期間生存している場合に限り年金が受け取れる商品をいいます。
  • 保障期間付き有期年金:有期年金であっても、受取期間のうち一定期間は被保険者の生死にかかわらず年金が受け取れる商品をいいます。
  • 終身年金:年金受け取り期間が一生涯の個人年金保険のことです。被保険者が亡くなれば年金は受け取れなくなります。
  • 保証期間付き終身年金:終身年金であっても、受取期間のうち一定期間は被保険者の生死にかかわらず年金が受け取れる商品をいいます。

3.終身年金保険について

保険契約をすれば一生涯にわたり年金を受け取れる個人年金保険、非常に魅力だ。

この終身年金保険について詳細を是非知りたい・・・。

こちらでは、終身年金保険の特徴について解説します。

3-1.終身年金保険は長寿化の備えに最適

終身年金保険は前述した通り、年金受け取り期間が一生涯の個人年金保険のことです。

ご自分が亡くなるまで、保険契約の際に定めた年金額を受け取ることができます。

終身年金保険に加入しご自分が単身無職世帯になったと仮定して、「1-3.高齢単身世帯の状況」で取り上げた60歳以上の平均家計消費に、終身年金分を当てはめてみましょう。

(事例)

  • 個人年金保険:終身年金
  • 受取開始時期:65歳から
  • 基本年金額:60万円

年間の受取金額が60万円なので、1ヶ月につき5万円が平均家計消費に収入として加算されます。

{120,093円(実収入)+50,000円(年金受け取り分)}-{143,959円(消費支出額)+12,445円(非消費支出額)}=13,679円

13,679円の余剰が発生したことがおわかりになることでしょう。終身年金保険に加入すれば、ご自分が亡くなるまでの生活費は十分賄われることになります。

3-2.保証期間付終身保険というものもある

単身世帯の方々には重要性が薄いものの、基本的に終身年金保険は被保険者が亡くなれば契約も解消されます。

しかし、ご夫婦で生活していた方々がいる場合には、保険者が亡くなったことで当該年金が受け取れなくなり、その分、金銭的に窮乏することも考えられます。

その場合には、終身年金であっても、受取期間のうち一定期間は被保険者の生死にかかわらず年金が受け取れる、「保証期間付き終身年金」に加入を検討しましょう。

保険契約の際に定めた期間内ならば、被保険者が亡くなっても遺族へ終身年金は下りることになります。

3-3.確定年金と終身年金保険を比較してみる

こちらでは、事例をあげて確定年金と終身年金保険を比較してみましょう。

事例

  • 個人年金保険加入時期:30歳(男性)
  • 保険料払込期間:65歳満了
  • 年金支払開始年:65歳
  • 基本年金額:60万円

〇確定年金(年金受け取り期間10年)の場合

  • 確定年金(年金受け取り期間10年)
  • 保証期間付終身年金(保証期間10年)
比較 確定年金 保証期間付終身年金
保険料 14,094円 31,194円
保険料払込総額 5,919,480円 13,101,480円
年金受取総額 6,000,000円

6,000,000円

※保証期間受取総額

備考 92歳になれば受け取る年金額は1320万円となる。

個人年金保険加入時期が30歳(男性)の場合、65歳から年金受け取りを開始すると、92歳の時に保険料払込総額を上回ります。

100歳まで生きるとすれば2100万円が受け取れ、返戻率は160%を超えます。

終身年金保険は、被保険者が長生きすればするほど非常にお得な保険商品といえます。

4.終身年金保険のメリット・デメリット

私は現在に至るまで健康に気を付けてきたためか、重い病気には一度もならなかった。健康には自信があるので終身年金保険に加入を検討している。

では、終身年金保険のメリット・デメリットについて詳細を知りたい・・・・。

こちらでは、終身年金保険の長所および注意点について説明します。

4-1.終身年金保険のメリット

終身年金保険のメリットは次の2点です。

〇長生きのリスクへ備えとなる

前述した通り、長生きのリスクに備えられ、ご自分が亡くなるまで年金がもらえます。

よほど多額の出費でもしない限り、終身年金保険に加入しながら老後の生活が維持できなくなるということは、まずあり得ません。

ただし一定の収入がある以上は、受け取る年金が課税対象となることもあります。

個人年金保険へ課せられる税金は「雑所得」となります。終身保険の場合には余命年数を考慮することになります。

この余命年数の算定方法は次の表を参考に行います(所得税法施行令82条の3)。

〇年金の支給開始日における年齢別余命年数

年齢 男性 女性
55歳 23年 27年
60歳 19年 23年
61歳 18年 22年
62歳 17年 21年
63歳 17年 20年
64歳 16年 19年
65歳 15年 18年
66歳 14年 18年
67歳 14年 17年
68歳 13年 16年
69歳 12年 15年
70歳 12年 14年
75歳 8年 11年
80歳 6年 8年

受取人が男性で基本年金額60万円、65歳から年金の受取が開始される場合は次のような計算になります。

①まず必要経費を計算します。保険料総額が1300万円で余命年数15年ならば、

年金額60万円×保険料総額1300万円/年金額60万円×余命年数15年=86.7万円

年金額60万円-86.7万円=-26.7万円

事例の場合、雑所得の金額はマイナスになるので課税されません。

〇保険料を払っている段階なら節税になる

終身年金保険の保険料を払っている場合には、生命保険料控除として節税になります。

支払った保険料を自営業・自由業者は確定申告で、給与所得者は年末調整で申告します。

終身年金保険やその他の個人年金保険は条件により個人年金保険料控除」という枠を使うことができ、最高4万円が所得控除されます。

個人年金保険料控除には「個人年金保険料税制適格特約」が付いていることが必要です。

この特約の条件を満たすには次の3つ(確定年金は4つ)に全てに該当しなければなりません。

  • 年金を受け取る人が契約者本人(ご自分)か、配偶者
  • 年金を受け取る人が被保険者
  • 年金保険料を払込期間10年以上
  • (確定年金の場合)年金の受取開始時が60歳以降、かつ年金の受取期間10年以上

これらの条件に該当しないと、個人年金保険は生命保険や学資保険等と同様に一般生命保険料控除として扱われます。

4-2.終身年金保険のデメリット

終身年金保険のデメリットは次の通りです。

〇早く亡くなると損をしてしまう

前述した通り、支払った保険料総額よりも年金の受取額が大きく上回るのは、概ね90歳前後といえます。

そのため70代・80代前半で亡くなってしまうと、支払った保険料より受け取る年金が少なくなるおそれもあります。

〇物価の上昇に影響される

終身年金保険は基本的に定額制をとっています。基本年金額を設定したら、受け取れる間その年金額を減額されることはありませんが、急激に増額されることもありません。

年金が増額される場合でも、契約者への配当金が徐々に増加するという程度です。

つまり、急激な物価上昇に対応できず、予定通りの年金額を受け取れても年金の価値はなくなってしまうリスクがあります。

〇生命保険会社が破綻することも

ご自分が亡くなるより先に、加入している生命保険会社が破綻する可能性もあります。

しかし、破綻後に年金全額が1円も戻らないというわけではありません。

なぜなら、生命保険会社が破綻しても、「生命保険契約者保護機構」という契約者を救済する仕組みがあるからです。

ただし、全額が保障されるわけではなく、ある程度受け取る年金額は減額されるおそれがあります。

そのため、本来想定していた年金額よりも実際に受け取る金額が低くなることを理解しておくべきでしょう。

4-3.確定年金との併用も考えてみる

自分の給与等に余裕のなる方々なら、終身年金保険の他に確定年金へ加入しておくとより豊かな老後を楽しむことができます。

既に65歳を超えれば退職はもちろん、いろいろなローンも払い終わり、ご夫婦の時間または自分の時間をつくることが容易になることでしょう。

そこで、働き盛りのころ仕事で忙しかった分、夫婦そろって旅行がしたい人や、ひたすら自分の趣味に没頭したい人には生活費の確保+趣味やレジャーへ費やすお金が必要になることでしょう。

その趣味やレジャーへ費やすお金を確定年金で賄うことも一つの方法です。

80歳を過ぎると足腰も弱ってきます。手や足が十分に動かせる間に趣味やレジャーを楽しみたい方々にとって、一定期間に年金が下りる確定年金は、返戻金もある程度高く魅力的な商品といえます。

5.終身年金保険の活用法

終身年金保険はメリット・デメリットをしっかり把握し、有効に利用したいものだ。

それでは、終身年金保険の賢い活用法があれば教えてもらいたい・・・。

こちらでは、各自のライフスタイルや、ご夫婦の現状に分けて終身年金保険の賢い活用法を解説します。

5-1.独身者は高齢単身世帯になることも想定する

日本における国民の長寿化による100歳人口の増加は注目すべき点ですが、生涯未婚率の上昇も無視できない状況になっています。

生涯未婚率(生涯独身率)とは、概ね50歳までに未婚だった人の割合のことです。

生涯未婚率(生涯独身率)の推移は下表の通りです(総務省統計局「国勢調査」を参考に作成)。

男性 女性
1950年 1.5% 1.4%
2000年 12.6% 5.8%
2005年 16.0% 7.3%
2010年 20.1% 10.6%
2015年 23.4% 14.1%

1950年には男女ともわずか1%程度だった生涯未婚率は年々増加し、2015年に男性が2割、女性が1割を超えています。

この増加傾向は今後も続いていくと想定され、独身者のほとんどが高齢単身世帯になることも考えられます。

仮に独身者でも家族が同居していれば、生活費を助け合いながら賄っていけますが、いずれ家族に先立たれた場合は、いよいよ単身での生活となります。

そのため、今後結婚はしないと決めている方々の場合、50歳になるまでに終身年金保険を加入契約し、毎月コツコツと老後のための備えを整えておくべきでしょう。

5-2.相続が心配なご夫婦は生前贈与と一緒に活用

貯蓄が潤沢にあり、相続人(配偶者・子供達)への遺産分配のとき発生する相続税に不安があるご夫婦は、終身年金保険を活用することがおすすめです。

なぜなら、終身年金保険は一括で受け取れるような保険金と違い年金で支給されるため、被保険者が亡くなれば保険契約は消滅します。

死亡した際に保険金は残らないので、遺族の相続財産を減らし相続税の負担を軽くすることができます。

現在ご自分が持っている資産を贈与税がかからない範囲(年間110万円以内)で、子や孫に生前贈与していっても、ご自分が存命している間は終身年金保険と公的年金がずっと受け取れるので、その後も生活費の心配はありません。

5-3.ご夫婦で独り残されたときのために

第1章で述べた男女別100歳以上の高齢者数の推移からもわかる通り、100歳以上は男性よりも女性の方が圧倒的に多くなります。

つまり、配偶者に先立たれご自分も亡くなるまで、ある程度の期間にわたり単身となる可能性があります。

これが年の差夫婦であればなおのこと経済的リスクは高まってしまいます。

この場合、公的年金だけではとても生活費が不足するので、ご夫婦ともに終身年金保険に加入し、どちらが早く亡くなっても経済的なリスクを軽減できるように備えることが大切です。

6.おすすめ終身年金保険について

終身年金保険は自分が加入するだけではなく、夫婦二人でそれぞれ加入しておいた方がより経済的リスクの軽減につながることはわかった。

では、終身年金保険でおすすめの保険商品にはどんなものがあるか是非知りたい・・・。

こちらでは、おすすめの終身年金保険を取り上げます。

6-1.三井住友海上あいおい生命「&LIFE個人年金保険」

この保険は、確定年金と10年保証期間付終身年金が選べる個人年金保険です。

無選択特則を付加しているので、加入の際に健康状態等の告知および医師による診査は不要です。

10年保証期間付終身年金(定額型)は、5年ごと利差配当付(5年ごとに配当金を受け取ることが可能となる)個人年金保険となります。

基本情報 内容
契約可能年齢 16歳~55歳
払込タイミング 月払・半年払・年払
保障タイプ 5年・10年・15年確定年金、10年保証期間付終身年金
備考 払込期間中に死亡したら死亡給付金が受け取れます。死亡給付金額は、すでに払い込んだ保険料に応じて遺族が受け取ることとなります。

6-2.第一生命「ながいき物語」

この保険は、80歳まで加入でき非常に契約可能年齢が高いことが特徴です。確定年金と10年保証期間付終身年金が選べる個人年金保険です。

基本情報 内容
契約可能年齢 50歳~80歳
払込タイミング 月払・年払
保障タイプ 5年・10年・15年確定年金、10年保証期間付終身年金
備考 指定代理人請求:年金受取人が被保険者で、被保険者が年金等を請求できない事情があるとき、代理人が代わって請求できる制度です。

6-3.かんぽ生命「長寿支援保険 長寿のしあわせ」

こちらは94歳まで加入可能な個人年金保険です。年金に加え特約で医療保障・災害補償を加えることが可能です。

基本情報 内容
契約可能年齢 50歳~70歳
払込タイミング 月払・前納払
年金額の範囲 10万円~90万円
備考 医療保障・災害補償特約が設定できます。

〇特約について

特約基準保険金額が1,000万円の場合には次のような保障内容となります。

①医療保障

  • 入院初期保険金:75,000円が受け取れます。
  • 入院保険金:日額15,000円が最高120日分受け取れます。
  • 手術保険金:外来手術7.5万円、入院手術30万円が受け取れます。
  • 放射線治療保険金:15万円が受け取れます。

②災害保障

  • 傷害保険金:不慮の事故で身体障がい状態になった場合、100万円~1,000万円が受け取れます。
  • 死亡保険金:不慮の事故で死亡した場合、1,000万円が受け取れます。

7.まとめ

終身年金保険は被保険者が長生きすればするほど得をする保険商品です。

今後は国民の一層の長寿化、高齢単身世帯の急増で政府も新たな公的制度を設けるかもしれません。

一方、民間でも高齢者社のための新しいサービスがどんどん登場していくことでしょう。

終身年金保険は、現時点ではまだまだ不十分な公的年金を補填し生活費を賄う手段として役立つことでしょう。

また、相続税対策として今後とも活用されていくことが考えられます。

老後は暗い将来ばかりではありません。余生は、65歳まで働き続けたご自分に、今度は趣味やレジャーを楽しみための期間として設けられたものである、と考えるならば、その有意義な時間を壊さないために備える一つの手段が終身年金保険であるとも言えます。

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