みなさんの中には、「知らないうちに自動車保険が上がっていた(下がっていた)」といった経験をされた方がいらっしゃるかもしれませんね。
そうでなくても、初めて自動車保険に加入される方であれば、「自動車保険、この値段で本当に正解?」と、保険料の相場や平均が気になるところですよね。
他の商品と違って、少しわかりにくいところのある自動車保険の値段。
いったい、どういうふうに決まっているのでしょうか?
今回は、自動車保険の値段について深堀りしていきます。
仕組みがわかると必要な補償を備えつつ、自動車保険の値段を下げることも可能になりますよ!
この機会に、是非不安や疑問をすっきり解消してナットクの自動車保険をゲットしましょう!
目次
1.保険料率ってナニ?
私たちが普段お店で買っている商品には『原価』というものがあります。
『原価』とは、ざっくり言うと、その商品を作るためにかかった材料費のことや、材料を調達するためにかかった費用などのことを言います。
商品に占める『原価』の割合を示した数値のことを『原価率』と言います。
たとえば、100円で販売されている商品の『原価』が30円であった場合、『原価率』は「原価÷販売価格×100(%)」として計算されますので30%ということになります。
お店側は『原価率』を計算することで、その商品が売れた時に、いくらくらいの利益が見込めるかを知ることができます。
『原価率』の数値が高ければ、お店が受け取る利益は少なくなり、低ければ利益は大きくなります。
このように、私たちが何か商品を買う時の値段には、必ずこの『原価(製造原価と言う場合もあります)や、お店を維持するためのコスト(店舗の賃料や電気代、人件費など、サービスを提供するための費用)、お店側の利益などが含まれています。
それでは、保険商品の場合はどうなっているでしょうか?
保険商品とは簡単に言うと、私たちが万が一の時に被る経済的なリスクを回避するための金融商品であると言うことができます。
金融商品は、金融サービスとも言われています。
一般的に、金融商品や金融サービスは「カタチのない商品」という言い方がされています。
普段、私たちがお店で買っている「カタチのある商品」とは違って、実際に売ったり買ったりした時にモノとして手元に残らないことが特徴的であると言えます。
1.1「純保険料」ってナニ?
保険商品の値段は「純保険料」と、「付加保険料」の2つの要素から成り立っていると言われています。
自動車保険も保険商品の一つですから、「純保険料」と「付加保険料」の2つの要素で構成されています。
保険商品では、「カタチのある商品」の『原価』に相当する部分が「純保険料」、お店を維持するためのコスト(店舗の賃料や電気代や人件費などサービスを提供するための費用)に相当する部分が「付加保険料」であると言えます。
また、「純保険料」や「付加保険料」の中に保険会社の『利益』が含まれていると説明されていることもありますが、原則として保険商品では『利益』をだしてはいけないことが法律で決められています。
「保険会社は利益をだしてはいけない」と聞くと驚かれる方もいらっしゃるかもしれませんが、保険商品は人の万が一の時に備えるものですから、社会通念上「生死や事故など人が不幸な時に利益までだしてはいけない」と考えらえています。
しかしながら、便宜上、私たちが払い込む保険料(「正味収入保険料」と言われています)と、その年のうちに保険会社が支払った保険金との差額が一般的な会社での『経常利益』としてみなされています。
また保険会社の『資産』では、一番、大きなウエイトを占めているのが、将来的な保険金の支払いに備えた「責任準備金」であることも一般的な会社とは大きく異なっているポイントです。
「責任準備金」とは、実際に事故や災害など保険金の支払い事由が生じた時に備えて保険会社各社がプールしているお金のことで、その保険会社の経営状態が健全であるかどうかを示す指標のひとつとされています。
私たちが払い込む保険料のうち「純保険料」の部分は、この「責任準備金」の中に組み込まれ保険会社の中にプールされていきます。
「純保険料」は「保険金額」に「保険料率」を乗じた計算式で計算されています。
保険に加入する時点で、保険会社は将来的にいくら保険金を支払うことになるのか保険金の金額を知ることができません。
将来的な保険金の支払いに備える部分の「純保険料」を高く設定すると、「責任準備金」は潤沢になり、いざという時の備えが、より一層手厚くなりますが、保険料が高くなりすぎて私たちが利用しやすい金額でなくなってしまう可能性があります。
これとは反対に「純保険料」を低く設定しすぎると、利用しやすい保険料になるかもしれませんが、実際に事故や災害が起きた時にきちんと保険金が支払わるかどうかといったことが不安視されます。
そこで専門の料率算出機関である損害保険料率算出機構によって、過不足のない適正な保険料となるための数値が計算されています。
この数値のことを、「保険料率」と言っています。
損害保険料率算出機構は、2002年(平成14年)に自動車保険料率算定会と損害保険料率算定会が統合されて設立された、主に損害保険の「保険料率」を専門的に算出する公的な機関です。
損害保険料率算出機構では、過去の損害発生の頻度や被害の大きさに関する統計データを基にして、損害保険の基礎となる「純保険料」の「保険料率」を毎年算出して会員損害保険会社に提供しています。
以前は、損害保険会社各社は、専門機関である料率算出機構から提供された「保険料率」を使用することが法律によって義務づけられていましたが、現在では損害保険料率算出機構が算出して提示している「保険料率」(これを、「参考純率」と言います)を参考にしながら独自に「保険料率」の数値を算出してよいことになっています。
1.2「大数の法則」ってナニ?
自動車保険の値段が決まるうえで「保険料率」とともに、もう一つのポイントになる要素が「大数の法則」です。
「大数の法則」とは、ある出来事が発生する「確率」を計算する際に、数件のデータを分析するのではなく大量のデータを分析することによって「確率」が一定の値に近づく「法則」のことを言います。
たとえば、サイコロを10回ふったとき1~6までの目の数がでる確率にはバラつきがありますが、1万回や10万回など回数が大きくなるほど各目の数がでる確率は限りなく1/6に近づいていきます。
損害保険会社では、この「大数の法則」を利用して、事故や災害などのデータを統計的に分析することで、事故や災害が発生する確率を予測しています。
また、自動車保険では「公平の原則」も重要視されています。
「公平の原則」とは、保険が適用される「確率」の高い人は高い保険料、確率が低い人は低い保険料として、保険に加入する人が等しく平等になるようにすることを言います。
自動車保険では、契約する人の年齢や加入する自動車の車種などがあげられています。
たとえば、運転歴が浅い若年層や過去に事故が多かった車種ほど保険料を高めに設定することで、保険に加入している人全体のバランスをとることができると考えられています。
2.加入時や更新時のチェックポイントって?
このように自動車保険の値段は、「純保険料」+「付加保険料」の2つの要素で決められています。
「純保険料」は、損害保険料率算出機構が算出した数値(参考純率と言います)を参考にして、損害保険会社各社が独自の「保険料率」を用いて計算しています。
以前は「純保険料」部分だけでなく、「付加保険料」にかかわる「保険料率」も、保険料率算定会が算出した数値を使って計算することが法律によって決められていたために、損害保険会社各社は基準となる「保険料率」をベースにして保険商品を開発していました。
このため、補償内容や加入条件が同じであれば、どこの損害保険会社の自動車保険であっても保険料に大きな差がつくことはありませんでした。
しかしながら、1990年代の後半に金融の自由化が起こり、結果的に「保険料率」の使用義務が廃止されるとともに、自動車保険も自由化されました。
現在では、自動車保険の値段が決まる「保険料率」は、損害保険会社ごとに損害保険料率算出機構が算出して提示している「保険料率」(「参考純率」と言います)を参考にして計算されています。
ただし一般的には、自動車保険の「保険料率」が公開されることはありません。
2.1「リスク細分型」の自動車保険って?
自動車保険の自由化によって、新しい自動車保険も誕生しています。
新しい自動車保険では、運転する人の年齢や運転している自動車の車種などが事故をおこすリスク要因とみなされて分析されています。
新しい自動車保険は、リスク要因の度合いに応じてリスクごとに「保険料率」が設定され、保険料に反映される仕組みを持っています。
このような仕組みを持っている自動車保険は、リスク要因が細かく区分されているため、「リスク細分型」の自動車保険と言われています。
また、事故をおこすリスク要因の区分は、保険会社ごとに異なっている点も「リスク細分型」の自動車保険の特徴であると言えます。
「リスク細分型」の自動車保険の誕生によって、今まで横並びで同一であった自動車保険の保険料は同じの条件で試算しても、保険会社ごとによって違いがみられるようになりました。
現在では「リスク細分型」の自動車保険が、自動車保険の主流を占めるようになっています。
2.2リスクの「区分」って?
「リスク細分型」の自動車保険のリスクは、保険料に反映してもよいとされる「保険料率」の区分が法律(保険業法施行規則第12条)によって次の9つの区分に定められています。
1.年齢
2.性別
3.運転歴(事故歴、運転免許証の色)
4.営業用、自家用、その他自動車の使用目的
5.年間走行距離、その他自動車の使用状況
6.地域
7.自動車の種別(車種)
8.自動車の安全装置の有無
9.自動車の所有台数
損害保険会社は、この9つの「保険料率」の区分のうち、どれを使ってもいいことになっています。
このうち、1.年齢では、事故のリスクが高いと分析されている年齢区分では、「保険料率」が高く設定されているため保険料が割高になります。
たとえば、統計的にみて、事故をおこしやすいとされている若年層の年齢区分では、「保険料率」は高く設定されており、逆に統計的にみて事故をおこす確率が低いとされている、30代や40代の年齢区分では低く設定される傾向があります。
4.営業用、自家用、その他自動車の使用目的では、おもに「業務」・「通勤・通学」・「日常・レジャー」の3つに区分され「保険料率」が設定されています。
「保険料率」は、「業務」→「通勤・通学」→「日常・レジャー」の順に低く設定されています。
5.年間走行距離、その他自動車の使用状況では、年間走行距離を5,000km以下、5,000km以上、1万km、1万km以上などに区分されて「保険料率」が設定されています。
年間走行距離が短いほど「保険料率」が低く設定されているため、保険料は割安になります。
6.地域では、過去の保険金支払い実績に基づいて「保険料率」が計算されています。
事故が多く保険金の支払いが多い地域(都道府県)では、他の地域(都道府県)よりも保険料が割高になります。
また、8.自動車の安全装置の有無を採用している自動車保険では、AEB(衝突被害軽減ブレーキ)など、指定された安全装置がついている、安全自動車(ASV)に該当していると保険料が割り引かれる制度があります。
9.自動車の所有台数では、10台以上の、「フリート契約」と、9台以下の、「ノンフリート契約」では、保険料の仕組みが異なっています。
2.2自動車保険の「特約」って?
自由化以前の自動車保険では、加入期間中の事故の有無や過去の運転歴(等級)だけで保険料が決まっていました。
また補償内容も、自賠責保険の上乗せ部分として機能する「対人賠償責任保険」と、基本の補償である「対物賠償責任保険」に、ご自身や同乗者の方への備えとなる「搭乗者傷害保険」や、ご自身のお車への補償を備える「車両保険」へ加入するかしないかなど、またそれぞれの保険金額をいくらに設定するかなどで保険料が変化するとてもシンプルなものでした。
自動車保険の自由化にともなって、リスク要因ごとに細やかに「保険料率」が設定されている、「リスク細分型」の自動車保険が誕生するとともに自動車保険では、特約やロードサービスの充実をはかることで、損害保険会社各社では自社の自動車保険の差別化が打ち出されるようになりました。
たとえば、ご自身や同乗者の方への備えでは「搭乗者傷害保険」に加えて、「人身傷害保険」を付帯することが可能になったり、事故のお相手に対する「対物臨時費用補償特約」や「対物超過修理費用特約」など、臨時費用保険が「特約」として付帯できるようになっています。
自動車保険の「特約」とは、基本の補償である「対人賠償責任保険」と、「対物賠償責任保険」に上乗せすることで万が一の時の補償を手厚くすることができるオプションのことを言います。
自動車保険の「特約」には、基本の補償に組み込まれて自動セットされているケースもあります。
さまざまなオプションを基本の補償に上乗せすると、万が一の時の補償は手厚くなりますが、その一方で基本の保険料に特約部分の保険料が上乗せされるために割高な保険料になることがあります。
自動車保険の「特約」には、自動車保険ごとにさまざまな種類がありますが、大きく分けると補償内容を充実させるための「特約」と、補償を限定することで保険料を低く抑えることができる「特約」の2つに分けることができます。
3.どうすれば下がる?自動車保険の値段
このように、現在、自動車保険の値段は、保険会社が自由に決めている「保険料率」が、個々のリスクごとに算定されて計算され自動車保険に付帯できる特約にもさまざまな独自性が打ち出されているため、一概に「〇〇の時では、割安になる」「××の時では、割高になる」と言うことが難しい状況にあります。
たとえば、同じ地域にお住まいの同じ年齢の方であっても、年間の総距離が短い方の方が保険料は割安になります。
また、運転する人の範囲を本人や配偶者などに限定する特約を付帯すると、付帯しない場合に比べると保険料は割安になります。
ただし、補償の範囲を限定する特約を付帯した場合、範囲から外れた人が運転していて、万が一、事故をおこした時に、自動車保険での補償を受けることができなくなるので注意する必要があります。
一般的に自動車保険には、強制保険である自賠責保険(自動車賠償責任保険)の補償では、不足するかもしれない部分をカバーするために加入します。
たとえば、万が一、自動車事故をおこして、お相手の方にケガをさせてしまった場合、まずは自賠責保険(自動車賠償責任保険)からお相手の方のケガの治療費や休業補償費、慰謝料などが支払われます。
ただし、自賠責保険(自動車賠償責任保険)では、支払われる保険金額に上限が設けられています。
これは、自賠責保険(自動車賠償責任保険)では、自動車事故の被害に遭われた方を広く救済することが第一の目的とされているためで、私たちが保険商品を利用する時のような『万が一の時の経済的な負担を軽くする』といった機能は有されていないためです。
自賠責保険(自動車賠償責任保険)の保険金額は、自動車事故によってケガをした時など、傷害による損害の場合では被害者1人につき120万円、死亡による損害の場合には3,000万円、後遺障害による損害の場合では4,000万円までに支払われる保険金の金額が制限されています。
もしも仮に支払い限度額を超えて損害賠償金が発生するようなケースで、自動車保険に加入している場合であれば超過した分については、自動車保険の「対人賠償責任保険」でカバーすることができます。
また、お相手の方のお車や、建物、電柱、ガードレールなど、自動車事故によって他の人が所有しているものを破損してしまった時の補償は、自動車保険の「対物賠償責任保険」でしか備えることができません。
この2つの基本補償に加えて、事故にあった時のご自身のケガや、休業補償費として傷害保険(搭乗者傷害保険、人身傷害保険)、ご自身のお車についての補償である車両保険への加入を、検討するようにするとよいでしょう。
4.自動車保険の値段に相場ってある?
現在の自動車保険では、事故をおこすリスク要因に応じて保険料が決定されています。
このため、運転者の年齢、運転しているお車の種別、過去の運転歴(事故歴の有無)、運転免許証の色、お住まいの地域など、さまざまな要因によって変化するため、平均や相場がいくらであるのか一概に言うことができません。
ただし、自動車保険の加入件数と払い込み保険料の総額から、ざっくりとした数字を計算することができます。
損害保険料算出機構から公開されている2019年度版(2020年5月発行)の自動車保険の概況よりますと、自家用乗用車の普通車の保険料総額は、1,224,989,617千円、保険契約台数は、16,719,942台ですから、単純計算すると、1台あたりの保険料の平均は73,265円となり、約7万3,000円が自動車保険の平均の保険料ということができます。
5.これだけは、押さえよう!自動車保険の値段の決まり方
自動車保険の値段が決まる、大きな要素としては次の3つの要素があります。
5.1年齢
過去の統計データに基づいて、運転者の年齢によって事故をおこすリスクが異なっていると分析されています。
このため、車を運転する方の年齢の範囲や年齢層に応じて「保険料率」が区分されています。
具体的には、次のように、補償される年齢の範囲が区分されています。
1.全年齢補償:運転者の年齢を問わず補償される(21歳未満の方は、全年齢補償になります)
2.21歳以上補償:21歳以上の方が運転中の事故が補償される
3.26歳以上補償:26歳以上の方が運転中の事故が補償される
ただし、友人など、家族以外の人や、帰省中の別居の未婚の子が運転をする場合は、年齢範囲にかかわらず補償されます。
たとえば、26歳以上補償であっても、20歳の別居の未婚の子が自動車事故を起こしたケースであれば補償の対象となります。
5.2等級
自動車保険では、契約台数が9台以下の契約である場合、ノンフリート等級制度が適用されます。
ノンフリート等級制度は、事故歴(保険金請求歴)に応じた保険料の割り引き割り増し制度です。
ノンフリート等級制度では、過去の事故件数や無事故年数によって、今後、事故を起こすリスクが異なっていると考えられています。
このため、契約者の等級によって保険料が変化します。
ノンフリート等級制度の「等級」は1~20等級に区分されており、それぞれに割り引き率(1~3等級までは割り増し率)が設定されています。
自動車保険に新規で加入した場合は、6等級からスタートされます。
1年間、事故(保険金を請求する事故)が無かった場合、翌年の等級は1つ上がります。
事故(保険金を請求する事故)があった場合、翌年の等級は下がり、事故の内容によって1回の事故につき3等級、あるいは1等級下がります。
同じ契約条件であっても「等級」が異なると、保険料に大きく差が出ることがあります。
5.3型式別料率クラス
自動車保険には、お車の「型式」によって「保険料率」が変化する仕組みがあります。
「型式」は通常、自動車検査証(車検証)の「型式」の欄に記載されています。
この「型式」ごとに事故リスクをランクづけし、クラスに分けたものを「型式別料率クラス」と言っています。
「型式別料率クラス」では、自動車保険の「対人賠償」「対物賠償」「傷害(人身傷害・搭乗者傷害)」「車両保険」、それぞれに1~17段階まで料率クラスが設けられています。
料率クラスが低いと保険料は割安になり、料率クラスが高い場合には保険料が高くなります。
たとえばコンパクトカーに比べると、スポーツカーや高級車は、盗難に遭うリスクや修理費が高くなるため「型式別料率クラス」が高くなる傾向がみられます。
また「型式別料率クラス」は、損害保険料率算出機構によって毎年見直しが行われています。
その結果、去年と同じ契約内容で、事故もなく「等級」が進んだにも関わらず、自動車保険の保険料が値上がりしているようなケースでは「型式別料率クラス」が変更されている場合があります。
「型式別料率クラス」では、クラス間の差は1.1倍、クラス「1」とクラス「17」では4.3倍となっています。
6.値段の安い自動車保険って?
自動車保険では、加入の仕方によっても保険料に差がでることがあります。
一般的に自動車保険に加入する時には、代理店を通じて加入する方法と、インターネット経由やコールセンターを通じて加入する方法に分かれています。
前者は代理店型(対面型)、後者はダイレクト型(通販型)と言われています。
一般的に代理店型は代理店の維持や人件費にかかるコストが発生するため割高な保険料、ダイレクト型(通販型)は実店舗を持たないため割安な保険料であると言われていましたが、昨今、代理店型であっても、インターネットを経由して加入することができたり、ダイレクト型(通販型)であっても実店舗を持つ保険会社も登場しています。
どちらのタイプであっても、インターネットを経由して加入する場合には保険料が割引きされることがあります。
また自動車保険は、運転する人の状況によって保険料が変化します。
どちらが安いかは、ケースバイケースと言えるでしょう。
7.まとめ
1990年代後半、金融の自由化とともに誕生したリスク細分型の自動車保険。
金融の自由化で誕生したものはそれだけではありません。
保険の比較サイトや乗り合い保険ショップも誕生したそうです。
なんと、それ以前は保険を比べること自体がタブー視されていたそう。
今のように、簡単にお見積りをとって比べたり、保険ショップに行って補償内容を比べることができなかった時代があったなんて、ちょっとびっくりですよね。
ただし、金融の自由化=規制緩和されたことで、複雑になってしまったので、以前であれば代理店の方におまかせしておけばよかったものが、今ではプロの手を借りるか、情報を集めて自分で詳細を検討するかの2択になってしまったのが、ちょっと困りモノですが・・・
今は、調度、自動車保険の過渡期にあるのではないでしょうか。
もっと、進化すると「究極のリスク細分型」と言われているテレマティクス自動車保険に行きつくと思わます。
実際、すでに欧米では自動車保険に占めるテレマティクス保険の契約件数が、全体の約1割程度になったことが発表されています。
今後、日本国内でも、ドライブレコーダーなどを利用したテレマティクス自動車保険の開発が、進んでいくのではないかと考えられています。
「究極のリスク細分型」である、テレマティクス自動車保険は、特に若年層の方にぴったりです。
現在のリスク細分型の自動車保険では、統計データに縛られるため、どうしても若年層の保険料は割高になる傾向がみられますが、「究極のリスク細分型」である、テレマティクス自動車保険であれば、統計データの呪縛から解放され、ドライバー個人の運転状況に帰結していきます。
テレマティクス自動車保険、今後、要注目です!