大学卒業後、損保ジャパン日本興亜代理店の保険会社にて5年以上勤務し、年間100組以上のコンサルティングを行う。
その後、2016年6月より保険ブリッジの記事監修を務める。
三大疫病にかかったら、どのくらい費用がかかるのだろう?
と、心配している方も多いでしょう。
この記事では三大疫病に手厚い保険を紹介していきます。
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目次
三大疾病の概要と各疾病の詳細
- がん(悪性新生物)
- 急性心筋梗塞
- 脳卒中
日本人がかかりやすい病気ベスト3ですが、実際に死亡する割合はどれくらいなのでしょうか?
平成27年人口動態統計の年間推計によると、平成27年の死亡数130万2,000人のうち、
がん(悪性新生物)が37万人、心疾患が19万9,000人、肺炎が12万3,000人、脳血管疾患が11万3,000人となっています。
つまり、三大疾病だけで死亡原因の52.4%を占めているのです。
三大疾病保険の世帯加入率(平成27年)は44.0%で、およそ半数近くの家庭が三大疾病に対する保障を備えています。
- 平成15年・・・47.0%
- 平成18年・・・44.4%
- 平成21年・・・41.0%
- 平成24年・・・43.4%
- 平成27年・・・44.0%
がん(悪性新生物)
細胞に何らかの遺伝子の異常が起こったとき、細胞が増殖を繰り返し止まらなくなってしまうことがあり、何年もかけてできた異常な細胞のかたまりの内、生命を脅かすもの。
がんは他の臓器に転移したり組織に侵入したりするので、増殖します。
そのため、放置すれば死の危険と隣合わせなのです。
喫煙、飲酒は様々ながんと関連することが知られていますが、その他にもがんの部位ごとに特徴的な要因の関与が指摘されています。
- 胃がん・・・ヘリコバクター、ピロリ菌持続感染、食塩
- 大腸がん・・・脂肪・肉類の摂取、飲酒、喫煙
- 肝臓がん・・・肝炎ウイルス持続感染、喫煙、飲酒
- 乳がん・・・初経年齢が早い、閉経年齢が遅い、妊娠・出産がない、高齢出産、飲酒
退院患者平均在院日数は、19.9日となっています。
また、がんは体のいろいろな組織にできるため、その発生組織により分類されています。
発生組織によるがんの分類
造血器にできるもの | 血液をつくる造血組織にできるがん 白血病、悪性リンパ腫、骨髄腫など |
---|---|
上皮細胞にできるもの | 体の表面を覆う表皮や内臓の粘膜をつくる上皮にできるがん 肺がん、乳がん、胃がん、大腸がん、肝臓がんなど |
非上皮細胞にできるもの | 内臓の内側にある平滑筋や筋肉などに発症するがん 骨肉腫、軟骨肉腫、横紋筋肉腫、平滑筋肉腫など |
一般的に「がん」にかかった場合、健康保険が適用される治療(外科手術・抗がん剤治療・放射線治療)を受けることが多いですね。
がんの治療には健康保険が適用される治療が選択されることが多いですが、未承認の抗がん剤や精神医療、緩和ケアなどもあります。
2人に1人ががんにかかると言われていて、女性で2・30代の場合、男性の2倍とも言われています。
ですが、早期発見されて5年間治療を継続すると生存率は90%を超えてきます。
副作用で仕事にならない、という二次被害があります。
治療費もかさむだけに、家庭を支えている場合は、経済面での不安も大きいでしょう。
急性心筋梗塞
心筋は体内でもっとも酸素需要量が高く、心筋への酸素の供給は冠動脈血流量に依存しています。
およそ3人に1人は、全く前兆(狭心症)なしに発症します。
突然死の原因にもなりますので、その症状を知り、初期の対応を誤らないことが大切です。
- 脂肪分や塩分の多い食生活
- 喫煙
- 運動不足
予防するには、日々の暮らしを見直すことが第一といえるでしょう。
退院患者平均在院日数は、19.9日となっています。
緊急手術がもっとも効果的な治療で、血管を広げるといった処置がなされることが多いようです。
脳卒中
脳卒中には、脳の血管がつまる脳梗塞と脳の血管が破れる脳出血・くも膜下出血があります。
脳梗塞
脳の血管がつまることにより脳への血流がとまり、酸素と栄養が行き渡らなくなるため脳細胞が死んでしまう病気です。
- 知覚障害
- 運動障害
- 意識障害
動脈硬化などにより血管が狭くなっていき、そこに血のかたまりがつまる脳血栓症や、脳の血管に心臓などでできた血のかたまりが流れてきて血管をふさぐ脳塞栓症などがあります。
脳出血
高血圧が続くことなどで、脳の中の血管が破れて出血する病気です。
片麻痺、感覚障害などの症状がでます。
くも膜下出血
脳を覆うくも膜と動脈にこぶが出血し、くも膜と脳の間に広がっていく病気です。
- 突然猛烈な頭痛
- 吐き気
- 嘔吐
多くはそのまま意識不明になりますが、出血量が多かったり、脳内の血液が流れこむと、死亡に至ることもあります。
主な原因は動脈硬化です。
脳ドッグで早期発見に繋がり、生活習慣を改めれば、予防できる病気です。
- 脳梗塞・・・90.6日
- 脳内出血・・・127.4日
- くも膜下出血・・・119.6日
脳卒中については、ほかの病気と比べて入院日数が長期化する傾向があります。
また、その状態によっては、介護が必要となる危険性もあるのです。
脳卒中は障害が残ることも多く、1・2割は療養施設などに入所となります。
治療が長引きがちなので、収入が減少するリスクが大きいです。
三大疾病の一時金と各疾病ごとの条件
一時金とは
一時金が支払われるタイミングとは?
がん・急性心筋梗塞・脳卒中のいずれかにかかり、所定の状態にあると診断されたときに、支払われます。
一時金を受け取らずに、死亡や高度障害となった場合は、死亡保険金または高度障害保険金が支払われます。
一時金、死亡保険金または高度障害保険金のいずれかが支払われると、契約は消滅します。
保険金の支払い条件
がん(悪性新生物)
責任開始日以降にがん(悪性新生物)と初めて診断されたときに支払われます。
急性心筋梗塞
被保険者が保障の開始以後に「急性心筋梗塞」を発病し、初めて医師の診療を受けた日からその日を含めて60日以上、労働の制限を必要とする状態が継続したと、医師によって診断されたときに支払われます。
脳卒中
脳卒中で一時金が支払われるタイミングとは?
被保険者が保障の開始以後に「脳卒中」を発病し、初めて医師の診療を受けた日からその日を含めて60日以上、言語障害、運動失調、麻痺等の他覚的な神経学的後遺症が継続したと、医師によって診断されたときに支払われます。
の卒中の治療として手術をしたり入院した場合に保障されるものも。
治療費にかかる費用(自己負担)
がん(悪性新生物)
胃がん
内視鏡的粘膜切除術の場合
8万円。
手術後の治療は定期検査のみで、その治療費(自己負担額)は、初年度12万円(うち周術期に8万円)、2年目以降3万円弱かかります。
腹腔鏡手術の場合
治療費(自己負担額)は初年度11万円(うち周術期に9万円)、2年目以降は毎年3万円程度です。
定型手術・術後再発予防抗がん剤治療の場合
定型手術後に再発予防の抗がん剤治療を行う場合、周術期治療費については高額療養費制度が利用できます。
1ヶ月の治療費の自己負担額は平均して、限度額に達しません。
つまり、高額療養費制度の利用はできません。
初年度の自己負担額は、合計43万円強になります。
肺がん
胸腔鏡手術の場合
自己負担額は初年度12万円(うち周術期に10万円)、2年目5万円、3年目以降は毎年2万円程度です。
重粒子線治療の場合
自己負担額が314万円と大きく、その他に入院に伴う保険診療の負担も発生します。
肺葉切除手術・術後再発予防抗がん剤治療の場合
初年度の自己負担額は31万円程度となります。
結腸がん
切除手術の場合
自己負担額は初年度12万円弱(うち周術期に9万円)、2年目4万円、3年目以降は毎年2万円程度です。
切除手術・術後再発予防抗がん剤治療の場合
1か月の治療費自己負担額は平均して、限度額未満のため、月々の抗がん剤治療費は高額療養費の利用ができません。
松葉 直隆
肝臓がん
ラジオ波焼灼療法の場合
自己負担額は初年度15万円(うち周術期に9万円)、2年目以降は毎年6万円程度です。
定期検査は治療後も、毎年行うことになります。
経皮的エタノール注入療法の場合
ラジオ波焼灼療法の場合とほぼ同じです。
乳がん
温存手術・術後再発予防抗がん剤・放射線治療の場合
1年目の自己負担額は53万円(うち周術期に9万円)となります。
温存手術・術後再発抗がん剤・放射線治療(トラスツズマブ使用)の場合
1年目の自己負担額は10万円強となります。
手術前薬物療法・手術・術後放射線治療の場合
1年目の自己負担額は55万円、2年目以降はホルモン療法と定期検査のみになります。
急性心筋梗塞
冠動脈バイパス手術をした際・・・約16万円
脳卒中
- 脳梗塞・・・約40万円(入院費も含めた場合)
- 脳出血・・・約57万円(入院費も含めた場合)
三大疾病の一時金を付けるべきか?メリットでデメリット
一時金のメリット
生前に非課税で大きな額の一時金を受け取れる点にあります。
三大疾病以外にも、がん保険の診断給付金や医療保険の入院給付金なども同様に非課税です。
また、高度障害保険金についても非課税です。
ただし、死亡保険金については、契約形態(契約者・被保険者・受取人の関係)によって、相続税、贈与税、所得税・住民税が課税されます。
契約者 被保険者 受取人 税金 A(例:夫) A(例:夫) B(例:妻) 相続税 A(例:夫) B(例:妻) C(例:子) 譲与税 A(例:夫) B(例:妻) A(例:夫) 所得税・住民税
一時金のデメリット
保障の範囲が広い分、死亡保険に比べると保険料が高くなります。
契約例
- 被保険者:35歳・男性
- 保険金額:3,000万円
- 保険期間:終身
- 払込期間:65歳
- 上記の場合、
- 商品:終身保険
- 月額保険料:73,860円
ですが、
商品:三大疾病保障保険(一時金がついた保険)
月額保険料:81,930円
となり、三大疾病の方が月額保険料が高くなります。
支払い要件が厳しいこともデメリットの1つ
メリットとデメリットを比較して
以上、三大疾病の一時金を付けるメリットとデメリットをしっかりと比較していきたいものです。
保険の営業マンに相談するのもアリですが、自分で判断することも必要です。
三大疾病に強い具体的な保険商品
ソニー生命の新医療保険「メディカル・ベネフィット」
ソニー生命の医療保険【メディカル・ベネフィット】は、従来の医療保険に比べ、主契約でのカバー内容が手厚い医療保険です。
- 払込んだ保険料が全額戻ってくる保険!
(「メディカル・ベネフィット・リターン」の場合) - 主契約でのカバー内容が手厚い
- 終身払込の保険
入院一時給付金や三疾病、女性特定医療の特約も付加可能!
保障内容は、入院日帰りから保障、手術は公的医療保険制度に連動、放射線は20倍保障。
最新の終身医療保険は、加入者の声や近年の医療状況など鑑みて改良に改良が重ねられているもの。
この医療保険の凄さを是非実感して下さい!
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代表的な三大疾病一時金の出る保険
「三大疾病 一時金」と検索した場合に、上位に来る保険は以下の通りです。
- アフラック:3大疾病保障プラン
- 日本生命:ミライのカタチ3大疾病保障保険
- メディケア生命:メディフィットPlus
具体的に見てきましょう。
アフラック:3大疾病保障プラン
特長を見ていきましょう。
特長①三大疾病に一時金で備えられます。
がん(悪性新生物)、急性心筋梗塞、脳卒中のいずれかで、一時金として「三大疾病保険金」を受け取れ、安心して治療に専念できます。
特長②万が一の場合も保障します。
三大疾病にならなくても、死亡・高度障害状態になられたとき、「死亡保険金」または「高度障害保険金」をお受け取りいただけます。
特長③ 解約払戻金があります。
解約された場合、ご契約時の年齢、経過年数などに応じて解約払戻金をお支払いします。
短期間で解約されたとき、解約払戻金はないか、あってもごくわずかとなります。
契約年齢・・・5~80歳
日本生命:ミライのカタチ3大疾病保障保険
特長① 所定のがん(悪性新生物)・急性心筋梗塞・脳卒中になられた場合に、3大疾病保険金を一時金で受取れます。
特長② がん(上皮内新生物等)になられた場合、3大疾病保険金の金額の10%を一時金で受取れます。
上皮内新生物診断保険金支払後も、3大疾病保険金または死亡保険金は全額を受取れます。
特長③ 急性心筋梗塞・脳卒中を発病した場合は、「所定の状態が60日以上継続」したと診断されたときだけでなく「治療のための手術」を受けたときも3大疾病 保険金を受取れます。
3大疾病保険金、上皮内新生物診断保険金はそれぞれ1回限りのお支払いとなります。
特長④ 毎年の契約応当日や更新時等に、健康状態に関係なく、保険金額が同額以下の範囲で保険期間を終身に変更できる制度もあります。
特長⑤ 死亡時には死亡保険金を一時金で受取れます。
契約年齢・・・3~75歳
メディケア生命:メディフィットPlus
特長を見ていきましょう。
- 特長① がんをはじめとする特定の疾病が一時金で保障されます。
- 特長② 特定疾病の一時給付金は、1年に1回を限度に何度でも受け取れます。
- 特長③ 保険料は一生涯あがりません。
契約年齢・・・20~75歳
豆知識!90日の免責期間とは?
三大疾病の支払いの規定
責任開始日とは、保険会社の保障の責任が開始する日です。
- 申し込み
- 健康状態の告知(診査)
- 第1回保険料の払い込み
90日の免責期間とは?
上記の3項目が揃った日を保険期間の始期とし、その日から90日もしくは、3ヵ月経過してから、保障がスタートするのが通常です。
自覚症状がないことも多く、告知のみの審査では公平性に欠けるためです。
また、様子見する期間を90日間設けて、問題なかった人のみを対象とし、公平性を維持しようとしているのです。
その時に告知義務違反にふれていなければ、支払った保険料は戻ります。
まとめ
松葉 直隆
この記事を読んだあなたは、三大疾病について詳しくなれたでしょう。
この知識をぜひ日常生活のあらゆる場面に生かしてみてください。
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