保険の全体像がイチからわかる。超初心者向け保険の教科書

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みなさんは保険についてどのくらいの知識をもっていらっしゃいますか?ファイナンシャルプランナーや保険会社勤務など保険に関するお仕事でもしていないかぎり、保険の知識に自信があると答えられる方は少ないのではないでしょうか?

すでに保険に加入している保険でも、何のための保険なのか?どうしてその保険に加入しているのか?などを即答するのは難しいですよね。

ある特定の保険の説明だけを受けても、保険という仕組みの全体像が理解てきていないとほんとうに必要な保険なのかどうか判断するのは容易ではありません。

わたしもFPさんとの打ち合わせを何度も重ねて、ようやくじぶんの保険加入状況に自信を持てるようになったパターンでした。

そこで、今回は保険のプロではない方が、保険の仕組みの全体像を理解できるようになるために必要な知識を一般の人の視点からまとめました。

保険のことばは専門用語が多い上に複雑なので一般の人には理解が難しく、苦手意識を持たれることの多い保険。しかし、保険の仕組みの全体像を知ることで、個別の保険に関する理解度がぐっと高まります。

木を見て森を見ずという諺は、保険の仕組みにもぴったりと当てはまります。
全体像を理解して、賢く保険を選べるようになっていただければ幸いです。

目次

1 そもそも保険って何だろう?
1-1 小学生でもわかる保険の仕組み
1-2 保険はいつどこで始まったのか?
1-3 保険が必要なワケ
2 保険を分類分けできるようになろう
2-1 もしもに備える保障は3つあることを理解しよう
2-2 「生命保険」と「損害保険」何が違う?
3 生命保険はどんな保険があるの?
3-1 生命保険の3つの基本形
3-2 生命保険の種類
4 損害保険はどんな保険があるの?
4-1 目的別の4分類
4-2 自動車(バイク)事故の補償を目的とした保険
4-3 住まいの損害補償を目的とした保険
4-4 身体の補償を目的とした保険
4-5 その他の補償を目的とした保険
5 公的保障は何があるの?
5-1 遺族年金があります
5-2 働けなくなったときには障害年金
5-3 公的な医療保険があります
6 法人保険ってなんだ?
6-1 経営者保険メリットとは
6-2 福利厚生保険のメリットとは
7 保険選びの基本ステップ
7-1 まずは現状を把握すべし
7-2 必要保障額を試算してみよう
7-3 保険の賢い選び方とは
8 まとめ

1 そもそも保険って何だろう?

保険の仕組みを理解するために、まず知っておきたいのが「保険とはなにか?」ということです。

ぼんやりとしたイメージしか浮かばないという方がほとんどなのではないでしょうか。

ここでは保険の仕組みの概要と歴史、保険が必要だと言われる理由を探っていきましょう。

1-1 小学生でもわかる保険の仕組み

保険の仕組みとはいったいどんなものなのでしょうか?わかりやすくするために、例を挙げて考えてみましょう。
むかし昔、あるところで農民たちが大金持ちに道具を借りて畑を耕していました。

ある日、農民の正吉がいつものように道具を借りて作業していると、道具が壊れてしまいました。

道具が壊れてしまったことを知った大金持ちは激怒して言いました。

「壊したのは正吉なんだから正吉が道具の修理代を払え!!
さもないと道具は使わせない。道具がないと畑も耕せず飢え死にしてしまうぞ。」

正吉の生活は楽ではなく、とても困りましたが仕方なく10万円支払いました。

100名の農民で使っているその道具は、だいたい年に1度壊れます。

壊れるたびに農民の誰かが10万円を大金持ちに支払っていました。

そこで正吉は考えました。

農民100名が毎年一人当たり1,000円のお金を出し、お金をまとめておき100名のうち誰かが使っているときに道具が壊れたら修理代はまとめたお金から支払う仕組みにすれば安心して農作業ができるかもしれない!

この考えを仲間の農民に話すとみんな大喜び。この仕組みのおかげで安心して農作業ができるようになりましたとさ。
この正吉の考え方が「保険」の仕組みそのものなのです。農民みんなが農具が壊れたときに備えて出し合うお金が保険料(掛け金)。そして、修理代が保険会社から支払われる保険金というわけです。

起こったら困る事態に備えるために、多くの賛同者が少しずつお金を出し合って大きな準備財産を作り、仲間にもしものことが起こった場合にはそこからお金を出して仲間を助けるのが保険の仕組みなのです。

つまり、多くの人が抱えるリスクへの不安と助け合いの精神から生まれたものなのですね。

1-2 保険はいつどこで始まったのか?

上の例では正吉という仮想の日本の農民を主役にしましたが、実際には保険という仕組みはいつどこで始まったのでしょうか?

生命保険は中世のヨーロッパの都市ではじまったといわれています。

ギルドという同業者の組合があり、ギルドでは仲間が仕事で困ったときの資金援助や、病気やケガで働けなくなっときの生活援助。家計を支えていた人が亡くなったときには遺族への生活援助を行っていたそうです。

17世紀にはイギリスのセントポール寺院にて仲間が亡くなったときに香典を出すために毎月一定額のお金を支払うという制度ができたという記録が残っています。

やがて、18世紀になると実際の死亡率に基づいた生命表が作られます。この生命表に基づき、合理的に保険料計算した「生命保険」がついに誕生します。17世紀のセントポール寺院ではじまった生命保険の元祖ともいえる仕組みは、保険料と保険金のバランスが取れていなかったため破たんしてしまっていました。

しかし、18世紀の生命表に基づいた生命保険は、理論的な計算基礎に基づいて保険料をもらうことができたため、破たんすることなく保険金の支払いもきちんとできるようになったそうです。

その後、生命保険は生活環境の変化に応じて多彩な進化をとげ現在に至っています。

1-3 保険が必要なワケ

このように保険はリスクへの不安と助け合いの精神から生まれたものです。

17世紀の生活と比較すれば、わたしたちの生活はずっと安定し豊かになりました。豊かになったと同時に、リスクへの不安は消えたのでしょうか?まったく、生きていく上での不安は消えていませんね。

17世紀では想像もつかなかったほど多くの人が車を運転して生活しています。車を運転できることにより、人々は短時間で以前より体力の消耗も少なく移動できるようになりました。

しかし、それは徒歩や馬での移動ではありえなかったほどの事故のリスクも抱えています。

病気やケガで高額の治療代を抱えるリスクも消えていませんし、老後の不安もあります。

時代は変わっても姿を変えて存在し続けるリスクや不安に備えるために、保険の必要性は現在も続いています。

保険商品だけみていると、リスクや不安に備えることだけ考えがちですが、保険には時代が変わっても続く暖かい心、助け合いの精神も根底に流れていることをぜひ認識していただきたいと思います。

 

2 保険を分類分けできるようになろう

助け合いの精神とリスクへの不安に備えるために誕生した保険ですが、人生にはいろいろなリスクが存在しています。

様々なリスクに対応するために、新しい保険商品が開発され続けています。

そのため一般の人にとっては、保険の種類も数も多すぎてわかりにくいと感じている方がほとんどです。

そんな保険の全体像をつかむために、まずは保険の分類分けをご紹介いたします。

2-1 誰が保障してくれるの?

保険は様々な「もしも」に備えるものですが、誰が保障してくれるのか?という観点からみると大きく3つにわけることができます。

それは「公的保障」「企業保障」「個人保障」の3つです。

公的保障とは国民年金や国民健康保険など国などの公的機関による保障です。日本国籍をもっており年金の支払いなど所定の条件を満たしていれば、もしものときには保障を受けることができます。

企業保障は死亡退職金や厚生年金など、勤めている会社による保障です。個人事業主の方などは企業保障がない場合もあります。

そして最後に個人保障です。個人保障は自分で準備する保険や貯金などのことを指します。

保険というと、個人保障だけを想像しがちですが日本には充実した公的保障があります。もしもの時に必要な保障を個人保障だけを前提にして予想するのではなく、どんな公的保障や企業保障が受けられるのか知っておくことで無駄な保険への加入を防ぐことができます。

2-2 「生命保険」と「損害保険」何が違う?

誰が保障してくれるのか?という観点からは3つに分類できた保険ですが、次は「何を補償するのか?」という観点から考えると2つに分けることができます。

生命保険は「人」に関わるリスクを保障してくれる保険です。

病気やケガ、死亡など私たちが生きていく上で、身体上のリスクやアクシデントは避けられません。

自分や家族が病気やケガ、死亡するなどの事態と遭遇してしまったとき、生活が経済的に困難になってしまうというリスクに備えるのが生命保険です。

生命保険は生命保険会社が取り扱っています。

これに対し、損害保険は「モノ」に関わるリスクを保障してくれる保険です。

私たちは様々なモノを使って生活しています。

車や住宅などが事故や火災、地震、盗難などにより損害を受けると、生活が経済的に困難になってしまうリスクが存在します。

そんなリスクに備えるのが「損害保険」です。損害保険は損害保険会社が取り扱っています。

大きく分けるとこの2つに分けられる保険ですが、次からは生命保険と損害保険の保障内容を少し掘り下げてみてみましょう。

 

3 生命保険はどんな保険があるの?

「人」に関わるリスクを保障してくれる生命保険ですが、人に関わるリスクとひとことで言っても様々です。そこで生命保険をわかりやすくするために使われている基本的な分類をご紹介します。

3-1 生命保険の3つの基本形

生命保険には大きく分けて3つの基本形があります。

その3つとは「死亡保険」「生存保険」「生死混合保険」の3つです。

「死亡保険」はその名のとおり死亡や高度障害状態になったときに保険金の支払い対象となる保険です。定期保険や終身保険がこれにあたります。

例えば、毎月一定額の死亡保険料を支払っていた方が亡くなった場合、家族などの受取人に契約していた額の保険料が支払われます。

「生存保険」は契約してから満期まで亡くなっていない場合に保険金が支払われる形です。年金保険がこれにあたります。

たとえば、毎月一定額の生存保険料を支払っていた方が満期である60歳になった場合、被保険者に対し契約していた保険金が支払われます。

そして「生死混合保険」は死亡や高度障害状態になった場合には死亡保険金が、満期まで生存していた場合は生存保険金が支払われる形です。養老保険がこれにあたります。

たとえば、毎月一定額の生存保険料を支払っていた方が満期である60歳までに亡くなった場合は死亡保険金が、生存したまま60歳になった場合には満期金が支払われます。

このように生命保険は保険金が支払われる条件によって3つの基本形があります。

現在は3つの基本形に加えて、病気やケガで入院や手術などで一定の条件を満たした場合に給付金が支払われる「医療保険」や、特定の病気にかかったり、要介護状態になったりして経済的に困窮することが予想できる状態となった場合に、一時金が支払われる「生前給付保険」なども生命保険の一種です。

「死亡保険」「生存保険」「生死混合保険」などを単独で、あるいは組み合わせることで生命保険は成り立っています。

3-2 生命保険の種類

3つの基本形と派生商品から成り立っている生命保険には、「リスク」に応じた3つの種類があります。

1)死亡のリスクへの備え

死亡により残された家族の生活が困窮するリスクに備える保険の種類があります。定期保険、収入保障保険、終身保険がこれにあたります。

定期保険は保険加入期間のみしか保障がなく掛け捨てとなる可能性がありますが、安い保険料で大きな保障ができるというメリットがあります。

収入保障保険も保険加入期間のみしか保障がありませんが、年金方式で保険金が受け取れます。

これに対し保障が一生涯続き、掛け捨てタイプの保険ではないのが終身保険です。ただし保険料が高くなるというデメリットがあります。

2)入院・手術費用への備え

入院や手術費用が高額になり本人やた家族の生活が困窮するリスクに備える保険の種類があります。医療保険、がん保険、特定疾病保障保険などがこれにあたります。

医療保険は、入院や手術時の出費に備える保険です。保険料の支払期間中のみ保障する定期タイプと、保障が一生涯続く終身タイプがあります。

がん保険は病気のなかでもがんによる入院や手術時の出費に備える保険です。

生涯でガンと診断される確率は男性で63%、女性で47%というデータ(国立がん研究センターがん対策情報センターの2012年データ)にあるように、日本人にとってガンへのリスクが身近なものであることから生れた保険商品です。

近年では、ガン以外にも特定の病気での入院や手術時の出費に備えるために開発された特定疾病保障保険などもあります。

3)将来の生活資金の備え

資産形成を主な目的とした保険がこれにあたります。養老保険、年金保険、こども保険、貯蓄保険がこれにあたります。

高齢化により収入が減ってしまうリスクに備えるために貯蓄という方法だけではなく、年金保険で資産を形成することができます。

年金保険は年金開始日まで生存していた場合には、保険料の支払総額よりも保険金の受取金額が大きくなるケースが多いのですが、年金開始日までに死亡した場合の死亡時の保障は小さいというデメリットがあります。

また、こども保険は生計を支えている親にもしものことが起こった場合に、こどもの進学などの夢を経済的な面で支えるために生まれた商品です。

このように目的や支払い条件によって分類できる生命保険ですが、基本は「人」に関わるリスクに備える保険です。

一見複雑に見える保険でも、具体的にどんな場面のリスクに備えた保険なのか、どんな条件で保険金が支払われるのかに注目すると保険の全体像がわかりやすくなるはずです。

 

4 損害保険はどんな保険があるの?

「モノ」に関わるリスクを保障してくれる損害保険にはどんな種類の保険があるのでしょうか。具体例をみていきましょう。

4-1 目的別の4分類

生命保険と同じように損害保険も目的別で分類することで理解しやすくなります。

損害保険の場合は4つの目的「自動車」「住まい」「身体」「その他」に対するリスクを保障する目的に分けることができます。

まずは最も身近な存在である「自動車」に関わるリスクを保障してくれる損害保険からみていきましょう。

4-2 自動車(バイク)事故の補償を目的とした保険

私たちの生活で身近な道具となった自動車。その自動車事故による損害の補償を目的とした保険が自動車保険です。

自動車保険は法律で加入が義務付けられている「自賠責保険」と個人の判断で加入する「任意保険」の2つに大きく分けられます。

「自賠責保険」のみではなく多くの方が保険費用負担が発生しても「任意保険」に加入しています。

その大きな理由が「自賠責保険」の補償範囲の狭さです。「自賠責保険」の人身事故で生じる損害補償費(治療費、損害賠償費)は最大保証額が低く、物損事故は補償対象外です。

車の事故では1億円近くの賠償金を支払うリスクで抱えいます。このリスクに対する保障内容として「自賠責保険」だけでは足りません。そのため多くの方が「任意保険」にも加入しています。

近年では、自動車保険と似た商品で「自転車保険」も注目を集めています。

エンジンの付いてない自転車に保険の加入義務はありません。しかし、自転車事故でも高額な損害賠償請求が発生するケースが話題となり、兵庫県や大阪府では自転車保険への加入を義務付ける条例が施行されました。

我が家もこれらの流れを受けて、小学生の息子と娘を数億円の損害賠償にも対応してくれる自転車保険に加入させています。自転車保険は月500円程度の保険商品が多く、手ごろな価格で大きな保障が得られるので安心ですね。

4-3 住まいの損害補償を目的とした保険

建物や家財の損害に備える保険として、火災保険と地震保険があります。

火災保険はその名のとおり火事で経て建物や家財が燃えてしまうことによる損害を保障してくれる保険です。

火災のみではなく、風災、雹(ひょう)災、雪災などによる損害も補償範囲に含むことができ、どのような災害に備えるのか選択できる商品が一般的です。

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