年金の受給資格が10年に短縮?誰しも得をするとは限らない年金の話

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また、ここでも勘違いしてはいけないのは、平成29年8月になったらいきなり給付されるわけではないので注意しましょう。厚生労働省によると最も早い支払は平成29年10月(9月分)の支払いとされています。

つまり8月になったら年金がもらえるわけではありませんから、過度に期待しすぎない方が良いでしょう。

3.年金の受給資格が10年になることで得をする人・しない人

年金の受給資格が10年に短縮されることにより、多くの人は得をします。この事実だけを見ると損をする人なんていないのではないか?と思うでしょうが、一部の人は損をしてしまうことになるのです。

ですが、損をする人に比べて得をする人が増えるため、全体的に見てしまうと短縮されることは良いことだと判断ができます。

しかし、今後年金以外のところで税が上がったり、保険料を徴収される可能性だって捨てきれません。

物事が変わるということは、おのずと得をする人や損をしてしまう人が出てきてしまいます。

3.1 得をする人はどんな人?

年金の受給資格が25年から10年に短縮されることにより得をする人は、まず65歳以上で年金の受給資格に今まで到達していなかった人たちです。10年以上の保険料納付をしてきたが、25年以上には至らなかった人たちに年金の支払いは確定されています。

次にもうすぐ65歳を迎えるけれど、年金の納付期間が25年以上に満たなかった人たちも同様に得をします。そして最後に、今の若者たちも得をするといっても良いでしょう。中には10年に短縮されることにより、年金を10年分だけ納めれば良いという意識を持つ人も多くなるでしょう。

年金の保険料納付は日本国民である以上義務です。その必要期間が15年も短縮されるわけですから、生活が苦しくて年金が払えずに25年に満たなかった人にとっては嬉しい限りでしょう。

しかし得をする人がいる反面問題となる物事は増えていきます。そうしたことを踏まえて今後どう政策が変わっていくのか、というのが将来の生活を豊かにするのか、それとも苦しめることになるのかを握る鍵になるでしょう。

3.2 損してしまう人はどんな人?

一見すると損をする人がいないように思える政策ですが、実は生活保護を今現在受けている65歳以上の方の中に損をしてしまう可能性がある人がいます。

生活保護の支給額は年齢や地域などによって異なりますが、必要生活費から今の収入分を引いた額が支給されます。

今まで生活保護費を受け取っていた場合、受け取れる年金額が大きいと生活保護費が打ち切りになる場合があります。

計算法として「生活保護費=最低必要生活費-年金受給額」となります。

年金受給額が最低必要生活費を上回った場合には生活保護費が受け取れなくなってしまうため、今現在生活保護を受けている場合には注意が必要です。

また生活保護費は毎月受け取れましたが、年金は2か月分に1度の支給となるため資金繰りを上手くやらないと途中で資金が絶える可能性があります。

3.3 生活保護ってなに?

そもそも生活保護とは今ある資産や健康を駆使してでも生活を維持できない人に、国が健康で文化的な生活ができるようにとサポートしてくれる国の制度のことです。

最近では生活保護を受ける人が急増して問題にもなっていますね。生活保護を受けるためには診査をクリアしなければいけませんが、これは自分個人だけの問題ではなく、家族全員を含めた世帯でその必要があるかを判断されます。

65歳以上の無年金者は今では結婚をしていない、世帯を持っていないなどの理由から、世帯ではなく個人となっている場合が殆どなため、生活保護を受けながら生活を維持している人も多いのです。

3.4 そもそも年金を納付していない場合には?

年金の受給期間が短縮したとしても、そもそも年金を納付していない人だっていますよね。

最近では自分の将来の年金はきちんと受け取れるか分からないからと年金を故意に支払わずに、自分で貯金している人も多いと思います。

今現在の話で例えると、例え65歳以上であろうと年金の納付期間が10年未満の場合は「年金は受け取れません」。当たり前の話ですが、年金はしっかりと義務を全うしてきた人に対して支払われる制度なので、今まで故意に年金を支払わなかった人や足りない人は受け取れないのです。

もし、どうしても受け取りたい場合は年金を追加で納付しなければいけません。ですがこの追加納付も年齢制限など決まりがあるため、どんな人でも出来るというものではありません。

こうしてみると、損をする人というのは10年に満たない人も含めることができますね。

4.年金を10年間納付した場合に受け取れる年金額はいくら?

さてここで問題となってくるのが、年金の受給期間が10年に短縮されたことで年金の納付を「10年分」だけ払えば良いのだと勘違いする人が出てくるというものです。

確かに年金の受給期間が10年(120月)に短縮されたため、最低10年納付すれば年金の受給はできます。しかし、本当の意味で紐解いていくと、10年だけ納付した場合に受給できる年金はごくわずかといっても良いでしょう。

その危険性を理解したうえで10年しか納付しないのであれば個人と国の問題のため私たちがとやかく言う必要はありませんが、忠告するとしたら、その考えはとても「危険なもの」です。

4.1 年金の計算方法は?

年金がいくらもらえるのか気になりますよね?国民年金の場合、加入期間が一定であれば受け取れる額は一緒です。つまり40年間しっかりと年金保険料を支払ってきた場合に受け取れる額は779,300円(満額/平成29年4月から)となります。しっかりと払ってきた場合でも約78万円しか受け取れないのです。

これが「10年しか納付していません」なんてしたら、もっと少ない額になりますよね。この約78万円で少ないと感じた人はそろそろ10年だけの納付が危険だということが分かってきたのではないでしょうか。

将来、貰える年金は自分が納付してきた期間によって変動します。サイドビジネスなどのあてが無い限りは定年で退職する可能性もあるため、将来の生活がだいぶ厳しいものへと変化してしまう恐れがあります。

4.2 年金を10年間納付した場合に受け取れる額~シミュレーション~

まず受け取れる年金額は毎年変化するため平成29年4月時点での金額でシミュレーションしてみましょう。

簡単に計算するなら以下の通りです。

  1. 今年の満額年金額を480(40年間)で割る
  2. 今年の満額年金額779,300÷480=1623円になるのでこれを120(10年間)で掛ける
  3. 月々1623円×120月=となるので将来1年間でもらえる年金額は「194,760円ちょっと」

10年だけの納付だと1年間でたった19万ちょっとしか貰えません。1か月でも19万は少ないと感じるのに、年に19万となると将来とても生活できる額ではありませんよね。

4.3 年金を多く受け取るためにはどうしたら良い?

10年間の納付で貰える額が明確になると危機感が出てきますよね。

もうすぐ定年だけど、もっと年金をもらいたい場合や、満額近くの年金を貰えるようにしたい場合はどうしたら良いのでしょうか?

年金は追加で納めることが可能です。これを追納といいますが主に免除された期間の分の年金保険料を支払いたい、納めたいときに利用できます。もし60歳以上で年金の受給期間が10年にも満たない場合には任意で追加加入ができます。年齢制限がありますが、追加で保険料を納めることによりもらえる年金額が増えます。

年金額を増やしたい場合にはこれらの申請を行い保険料を納めましょう。将来、貰える年金は自分が保険料を納めない限り増えることはありません。「貰いたければ自分で払う」これに尽きます。

4.4 10年だけ払って後は払わない!ってことはできるの?

年19万しか貰えなくても良いから年金を払いたくない!という人も少なからずいるでしょう。

それでは、10年分だけ支払って後は支払わないということはできるのでしょうか?

実際問題できるできないは個人と国の間で行われるため私たち他人がどうこういえるものではありません。支払いたくないのであれば支払わずにいても良いですが、督促状が毎回送られてくる他、担当者が自宅まで訪問してくることもあります。もし支払えない状態であれば素直に事情を話し、免除するなどの処置を取ってもらいましょう。

もし年金を十分に支払えるのにも関わらず(年収が300万以上ある場合など)支払わない場合には給料の差し押さえや財産の差し押さえが行われます。つまりに逃げ切ることは難しいのです。

そのため10年だけ納付しますからあとは免除してください、なんて都合の良いことはそうそう通らないのです。年金の納付は国民の義務ですから、将来のためにも納付できるうちに納付しておくか、納付できない期間は免除してもらうことをおすすめします。

5.年金の受給資格が10年になることのメリットやデメリット

ここまでくれば年金の受給資格が短縮されることによりどんなメリットやデメリットがあるか、もうお分かりですよね。ここでは簡単にメリットとデメリットをまとめてみることにしましょう。

今回の改定で最もメリットを受け取れるのは65歳以上で年金納付期間が10年以上25年未満だった人たちです。またそろそろ定年を迎えるが、同様に10年以上25年未満だった中高年代といえます。

反対にデメリットを受けるのは中高年や65歳以上の方で生活保護を受けていた人たちの一部です。比較してみるとメリット部分が多いように思えますね。

5.1 どんなことがメリットなの?

年金の受給資格が、10年に短縮されることによりメリットとなるのは「無年金者が少なくなる」ということです。また保険料の納付意欲を掻き立てることにも繋がります。

例えば、年金受給資格が25年と聞くと長い、払う気がしないなどネガティブなイメージが強くなり年金を支払うことに対して嫌な気持ちになります。しかしこれを10年にすることで、10年納付すれば年金がもらえるというポジティブなイメージに塗り替えることができます。そして10年納付した場合にもらえる年金額が分かれば危機感を覚えるため、年金額を増やそうとさらに納付をする人が増えます。

つまりは保険料の未納者を減らすことにも繋がっているのです。保険料の納付が増えれば(未納者が減れば)年金の財源も豊かになるため個人だけのメリットではなく年金社会全体のメリットへと変化するのです。

5.2 どんなことがデメリットなの?

それでは逆にどんなことがデメリットとなるのでしょうか?

それはやはり、10年だけ納付すれば良いのだと勘違いする人が増えるということです。目論見とは違うところを見る人だって当然います。10年に短縮されたから10年だけ支払えば督促もされずに、義務を全うしたとひどい勘違いをする人もいそうですよね。

また10年しか納付しない人が実際に増えた場合、将来生活困難に陥る人が増えるため生活保護者が増えるという最悪の場合も考えられるということです。

今回の年金改正は得をするばかりではなく、問題点もあるため完璧とはいえないのです。

5.3 全体的に見た結果

総合的に見るとどっちとも言えないというのが現状です。

当然得をする人もいますが、やはり将来性を考えると年金の納付を10年だけで良いと勘違いする人が増えそうなため、年金制度を良く知る人からしたら全体的に良いというイメージとして定着するのは難しいでしょう。

ですがこの改定で生活が少しでも楽になる人がいるのは事実です。そのため全く意味がない、というわけではないため、問題点は多々あるものの良いのでは?と私は思います。

6.年金の基本について

それでは最後に年金の基本を学んでおきましょう。

年金の受給資格が25年から10年に短縮されるということはどういうメリットやデメリットがあるかもうお分かりですよね。ですが年金そのものの役割や仕組みを理解していなければ、そのありがたみや問題点も実感できないでしょう。

なかには年金の支払いをしていないのに当然のように年金がもらえると勘違いしている人もいるでしょう。もしそんな人を見かけたら違うということを説明できるようにしておきましょう。

年金の未払いは自分だけでなく家族にも問題が及ぶ可能性があります。納付しなくても良いものではありませんから、くれぐれも勘違いしないようにしましょう。

6.1 年金の納付は義務付けられている

年金の基本として日本に住んでいる日本国民には年金の納付が義務付けられています。そのため未納者には督促状や担当者からの電話、連絡、自宅訪問などが行われます。これは対応が一向に見られない場合にはしつこい場合もあるため、逃げ切るのはとても困難ですし、自分にメリットがあるものではないため必ず何らかの対応をするようにしましょう。

いつまでも未納状態を続けていると財産の差し押さえが行われてしまうため、無視しても良いというものではないので気をつけましょう。納付できない理由がある場合は相談に乗ってくれるため、年金機構に連絡して事情を説明しましょう。

6.2 公的年金制度の種類について

公的年金制度には①老齢基礎年金②障害基礎年金③遺族基礎年金があります。それぞれもらえる条件が異なっていますが、主に自分の納付した保険料で左右されるのは老齢基礎年金と遺族基礎年金です。

このほかに会社で共済組合などに加入している場合には共済基礎年金や厚生基礎年金などが別途もらえます。(例外あり)

また年金は基本的に1人1つです。中には併給することができない年金があるため、あれもこれもともらうことはできません。

例えば遺族基礎年金を貰っている人が65歳を迎えた場合には自分の年金をもらうか遺族年金をそのままもらうか選択する必要があります。

6.3 第〇号って?何が違うの?

よく第〇号と種別されていますが、これがなんのことか知っていますか?

簡単に言ってしまうと、その人の年齢や職業により第1~3号に振り分けられます。

  1. 第1号は20歳~60歳の自営業、農林漁業、学生などです。自分で保険料の納付やそのほかの国の保険に加入する必要があります。
  2. 第2号は主に会社員や公務員です。保険料の納付は給料から天引きが主ですが、自分で納付しなければいけない場合もあります。
  3. 第3号は第2号に扶養されている20歳~60歳までの年収130万以下の者。保険料は第2号を通して払われるため納付の決まりはない。

自分の職業などで分かれるため、職業や会社が変わった場合には注意しましょう。また第3号は会社での手続きを行わなければいけないため、何も手続きしていない場合には個別で保険料納付の義務が発生します。

6.4 年金の受け取りはいつから?

障害基礎年金や遺族基礎年金は条件に該当した時からもらえますが、年金の受け取りはいつからなのでしょうか?

基本的に老齢基礎年金の受け取りは65歳からと決まっています。しかし中には60歳の定年から65歳までの生活が困難なために繰り上げて受給を受ける人もいます。しかし繰り上げ受給をしてしまうともらえる年金額が減額するため注意が必要です。

また逆に65歳になっても年金を受け取る必要が無い場合には繰り下げ受給ができます。しかし気をつけなければいけないのが今後の閣議の決定により年金の受け取り年齢が引き上げられる恐れがあることです。

そのため今の若者が定年を迎える頃には受給年齢が65歳から70歳に引き上げられている可能性があります。

6.5 年金の納付をしないとどうなるの?

何回も繰り返しますが、年金の納付をしないと自分や家族にとってデメリットでしかありません。納付が厳しい場合には免除してもらうなどの処置を取ってもらうように相談しなければいけません。また支払能力があるのにも関わらず納付しない場合には厳しい処罰が与えられることもあるので注意が必要です。

年金の納付は国民の義務です。将来もらえないかもしれないという不安もあるでしょうが、納付しないはそれでいて問題ばかりが発生するため注意しなければいけません。

7.まとめ

年金の受給資格が10年に短縮されるという言葉だけではメリットしか感じませんが、掘り下げて考えてみるとどうやらそうではないことが分かりましたね。

年金は他人事ではありません。自分の将来の年金額にも影響してくるため、納付はきちんと行うようにしましょう。

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