死亡保険金と3つの税とは?家族にしっかり遺したい人の2つの鉄則

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女性_驚き

生命保険に入るとき、あなたは死亡保険金にかかる税金について考えていますか?

自分に万が一のことがあったときに、遺される家族の負担を軽くするために入るのが生命保険です。

生命保険とは、いわば家族への最後の愛情であり、そんな想いで遺した死亡保険金が税金で目減りしてしまうと考えると、悲しくなりますよね。

受取人を誰にするかによって、死亡保険金にかかる税金を抑えることができます。

今回は、節税意識の高い人が当たり前にやっている〈節税になる死亡保険金の遺し方〉をご紹介します。

賢く保険に入って、家族にしっかり遺しましょう。

目次

1. 死亡保険金にかかる税って?3つの税と保険の関係

1.1. 死亡保険金にかかる税金とは

1.2. 契約の形によって税金の種類が違う

2. 非課税枠アリ!相続税の対象となるケース

2.1. 死亡保険金には非課税枠がある

2.2. 死亡保険金は「みなし相続財産」

2.3. 計算のしかた

2.4. 遺産全体に対する基礎控除

2.5.納税のしかた

3. 給与とまとめて!所得税の対象となるケース

3.1. 死亡保険金は「一時所得」

3.2. 税額は給与等とまとめて計算される

3.3. 計算のしかた

3.4. 納税のしかた

4. 税率が高いので注意!贈与税の対象となるケース

4.1. 死亡保険金は贈与とみなされる

4.2. 計算のしかた

4.3. 納税のしかた

5. 契約名義・受取人はこう決める!節税の2つの鉄則

5.1. 【鉄則1】相続税の対象になるようにする

5.2. 【鉄則2】契約者が保険料を支払う

5.3. 「受取人を孫にすると税金を節約できる」は本当か

6. 知らなきゃ損する!?死亡保険金と相続の関係

6.1. 死亡保険金は相続財産に含まれる?

6.2.「争族」対策としての死亡保険金

6.3. 死亡保険金は遺留分に含まれないってほんと?

6.4. 法定相続人以外が受け取ることも可能

7. 保険金トラブル発生!こんな時どうする?

7.1. 受取人が離婚した妻の場合

7.2. 受取人が未成年の場合

7.3. 受取人が既に死亡している場合

7.4. 相続放棄しても、保険金は受け取れるの?

8. まとめ

 

1. 死亡保険金にかかる税って?3つの税と保険の関係

女性_思案

死亡保険金には税金がかかるということをご存知でしょうか。

保険に入っている方でも意外と意識したことがないのが、この死亡保険金と税の関係です。

1.1. 死亡保険金にかかる税金とは

死亡保険金は、契約のしかたによって相続税所得税+住民税贈与税のいずれかの税金が課されます。

ポイントは〈誰から誰へお金が動くか?〉です。

1.2. 契約の形によって税金の種類が違う

契約形態と税金の関係は、以下のようになっています。

 

保険料の負担者と被保険者が同じ場合:相続税

保険料の負担者と保険金の受取人が同じ場合:所得税・住民税

保険料の負担者・被保険者・保険金の受取人が全て異なる場合:贈与税

 

例えば夫が保険契約をして保険料を納めるとすると、契約形態によって税金の種類はこのようになります。

保険料の負担者 被保険者 保険金受取人 税の種類
相続税
所得税・住民税
贈与税

 

それぞれの税金の概要や計算のしかたについて、解説していきます。

 

2. 非課税枠アリ!相続税の対象となるケース

男性_見上げる

保険料の負担者と被保険者が同じ場合、死亡保険金には相続税が課せられます。

具体的には、以下のようなケースが相続税の対象です。

保険料の負担者 被保険者 保険金受取人 税の種類
相続税

夫が保険料を負担し、妻が保険金を受け取るのですから、お金の流れは夫(死亡)→妻となります。

死亡保険金は相続財産とみなされ、相続税の対象となるのです。

2.1. 死亡保険金には非課税枠がある

死亡保険金が相続税の対象となる場合、非課税枠の適用を受けることができます。

 

非課税枠=500万円×法定相続人の数

 

法定相続人が1人ならば非課税枠は500万円、2人ならば1,000万円、3人ならば1,500万円……というように、法定相続人の数が多いほど非課税枠は大きくなります。

 

ただし、相続人以外の人が死亡保険金を受け取った場合、この非課税枠は適用されません。

 

2.2. 死亡保険金は「みなし相続財産」

死亡保険金は、「みなし相続財産」に当たります。

預金や不動産のような「相続財産」ではないものの、課税に関しては相続財産として扱うということです。

したがって、死亡保険金のうち非課税枠を超える金額については、現金や不動産と同様に相続財産として税額を計算します。

 

2.3. 計算のしかた

具体例を用いて、死亡保険金の課税金額を計算してみましょう。

まずは以下のような家族構成・保険契約をしている場合です。

■家族構成:Aさん・妻・子1・子2

  生命保険契約1
保険料の負担者 Aさん
被保険者 Aさん
保険金受取人
保険金額 1,000万円

 

上記のケースでAさんが亡くなったとき、Aさんの妻が死亡保険金1,000万円を受け取ります。

Aさんの法定相続人は妻と子2人の計3人なので、非課税枠は500万円×3人=1,500万円となります。死亡保険金1,000万円<非課税枠1,500万円なので、死亡保険金は全額非課税です。

 

それでは、以下のようなケースはどうなるでしょうか。

■家族構成:Aさん・妻・子1・子2

  生命保険契約1 生命保険契約2 生命保険契約3
保険料の負担者 Aさん Aさん Aさん
被保険者 Aさん Aさん Aさん
保険金受取人 子1 子2
保険金額 1,000万円 500万円 500万円

 

こちらのケースでは、家族構成と妻への保険契約は同じで、2人の子への保険を加えました。

Aさんが亡くなったときに支払われる死亡保険金は、総額2,000万円です。

一方、法定相続人の人数は3人なので、死亡保険金の非課税枠は1,500万円です。

したがって、2,000万円-1,500万円=500万円が相続税の課税対象となります。

 

課税金額は受け取った保険金額に応じて按分されます。

妻は保険金額2,000万円のうち半分の1,000万円を受け取っているので、課税対象500万円のうち半分の250万円が妻の課税対象になります。

子2人の課税対象はそれぞれ125万円ずつです。

 

  保険金額 割合 課税対象
1,000万円 50% 250万円
子1 500万円 25% 125万円
子2 500万円 25% 125万円
合計 2,000万円 100% 500万円

 

2.4.遺産全体に対する基礎控除

ここまでは死亡保険金に対する非課税枠について解説してきました。

続いて、遺産全体に対する基礎控除についても簡単にご紹介します。

 

基礎控除額=3,000万円+600万円×法定相続人の数

 

遺産の総額からこの基礎控除額を差し引いた金額が、実際に相続税が課される遺産の金額です。

 

例えば相続人が3人いて遺産が2,000万円あるという人の場合、基礎控除額は3,000万円+600万円×3=4,800万円です。2,000万円<4,800万円で基礎控除額のほうが遺産額よりも大きいため、相続税は課税されません

 

それでは以下のようなケースを考えてみましょう。

■家族構成:Aさん・妻・子1・子2

■Aさんの財産:預金1,000万円・生命保険2,000万円(内訳は以下の通り)

  生命保険契約1 生命保険契約2 生命保険契約3
保険料の負担者 Aさん Aさん Aさん
被保険者 Aさん Aさん Aさん
保険金受取人 子1 子2
保険金額 1,000万円 500万円 500万円

 

このとき死亡保険金の非課税枠は1,500万円なので、課税の対象となる死亡保険金は総額500万円です。

死亡保険金のうち非課税枠を超えた部分は相続財産とみなされるので、Aさんの相続財産は現金1,000万円+死亡保険金500万円=1,500万円です。

 

一方、相続人が3人なので遺産全体に対する基礎控除額は4,800万円です。

相続財産より基礎控除額のほうが大きいので、相続税はありません。

 

このように、死亡保険金の非課税枠で控除しきれなかった保険金は、ほかの遺産と合算した後に基礎控除額を差し引くことができます

 

2.5.納税のしかた

相続税は以下の通り申告・納税しなくてはなりません。

 

■申告期間:被相続人が亡くなってから10か月以内

■申告書の提出先:被相続人の住所地の税務署

 

ただし、相続財産の総額が基礎控除額以下の場合は申告の必要はありません

 

3. 給与とまとめて!所得税の対象となるケース

子ども_お金

保険料の負担者と保険金の受取人が同じ場合、死亡保険金には所得税と住民税が課せられます。

具体的には、以下のようなケースが所得税の対象です。

保険料の負担者 被保険者 保険金受取人 税の種類
所得税・住民税

夫が保険料を負担し、保険金を受け取るのも夫です。

お金は夫→夫にしか動いていないのに、なぜ税金がかかるのでしょうか。

 

3.1. 死亡保険金は「一時所得」

支払った保険料よりも受け取る保険金のほうが多い場合、利益が出たとしてその差額に課税されます。

課税の対象は受け取った死亡保険金そのものではなく、プラスになった部分なのです。

イメージとしては、預金の利息や株の配当に課税されるのに近いでしょう。

 

3.2. 税額は給与等とまとめて計算される

働いて収入を得ている方なら誰でも所得税や住民税を支払っていますよね。

一時所得の対象となる死亡保険金を受け取った年は、給与所得などに死亡保険金の一時所得を加算して税額を計算します。

 

3.3. 計算のしかた

死亡保険金の課税対象額の計算式は、以下の通りです。

 

受け取った保険金-既払込保険料-一時所得の特別控除額50万円)×1/2

 

以下のような保険契約をしている場合、妻が亡くなったとき死亡保険金の課税対象はいくらになるでしょうか。

  生命保険契約
保険料の負担者 Aさん
被保険者
保険金受取人 Aさん
保険金額 1,000万円
既払込保険料 800万円

課税対象=(1,000万円-800万円-50万円)×1/2=75万円

 

したがって、Aさんは普段の給与所得などに一時所得75万円を足した金額に所得税と住民税が課されます。

所得税の税率は収入によって異なりますので、仮にAさんの所得税率が5%だとすると、死亡保険金にかかる所得税額は750,000円×5%=37,500となります。

住民税の税率は所得額にかかわらず一律10%ですので、上記の例で死亡保険金にかかる住民税は750,000円×10%=75,000です。

 

月払いや年払いの保険に入る場合、契約してからまもない時期に死亡すると、死亡保険金と既払込保険料の差額が大きくなり税金が高額になる場合があります。

例えば以下のような、月々3千円の生命保険を契約したとします。

  生命保険契約
保険料の負担者 Aさん
被保険者
保険金受取人 Aさん
保険金額 1,000万円
月々の保険料 3,000円

契約から1年後に妻が亡くなってしまったとすると、既払込保険料は3,000円×12か月=36,000円です。

課税対象を計算すると、以下のようになります。

課税対象=(1000万円-36,000円50万円)×1/2=4,732,000円

したがって、Aさんは給与所得に加えて一時所得473.2万円に対する所得税・住民税を支払う必要があります。

保険料が安い掛け捨てタイプなどの場合に特に注意が必要です。

 

3.4. 納税のしかた

死亡保険金が一時所得に該当する場合は、確定申告をする必要があります。

 

■申告期間:死亡保険金を受け取った翌年の2月16日〜3月15

■申告書の提出先:自分の住所地の税務署

 

ただし、一時所得の金額が20万円以下の場合には確定申告は不要です。

 

4. 税率が高いので注意!贈与税の対象となるケース

男性_お金3

保険料の負担者・被保険者・保険金の受取人が全て異なる場合、死亡保険金には贈与税が課せられます。

具体的には、以下のようなケースが所得税の対象です。

保険料の負担者 被保険者 保険金受取人 税の種類
所得税・住民税

夫が保険料を負担し、保険金を受け取るのは子で、お金の流れは夫(存命)→子です。

 

4.1. 死亡保険金は贈与とみなされる

「保険金=贈与」とは、なかなかピンとこないかもしれませんが、お金の流れで考えると分かりやすいでしょう。

このケースの場合、子はそのお金を得るために何かしているわけではありません。

子にとってこのお金は単に「もらった」お金であり、そのきっかけが妻の死亡というだけです。

したがって、死亡保険金は相続ではなく夫から子への贈与となります

 

4.2. 計算のしかた

受け取る保険金の金額から基礎控除110万円を差し引いた金額が、贈与税の課税対象となります。

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