死亡保険金と3つの税とは?家族にしっかり遺したい人の2つの鉄則

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生命保険に入るとき、あなたは死亡保険金にかかる税金について考えていますか?

自分に万が一のことがあったときに、遺される家族の負担を軽くするために入るのが生命保険です。

生命保険とは、いわば家族への最後の愛情であり、そんな想いで遺した死亡保険金が税金で目減りしてしまうと考えると、悲しくなりますよね。

受取人を誰にするかによって、死亡保険金にかかる税金を抑えることができます。

今回は、節税意識の高い人が当たり前にやっている〈節税になる死亡保険金の遺し方〉をご紹介します。

賢く保険に入って、家族にしっかり遺しましょう。

目次

1. 死亡保険金にかかる税って?3つの税と保険の関係

1.1. 死亡保険金にかかる税金とは

1.2. 契約の形によって税金の種類が違う

2. 非課税枠アリ!相続税の対象となるケース

2.1. 死亡保険金には非課税枠がある

2.2. 死亡保険金は「みなし相続財産」

2.3. 計算のしかた

2.4. 遺産全体に対する基礎控除

2.5.納税のしかた

3. 給与とまとめて!所得税の対象となるケース

3.1. 死亡保険金は「一時所得」

3.2. 税額は給与等とまとめて計算される

3.3. 計算のしかた

3.4. 納税のしかた

4. 税率が高いので注意!贈与税の対象となるケース

4.1. 死亡保険金は贈与とみなされる

4.2. 計算のしかた

4.3. 納税のしかた

5. 契約名義・受取人はこう決める!節税の2つの鉄則

5.1. 【鉄則1】相続税の対象になるようにする

5.2. 【鉄則2】契約者が保険料を支払う

5.3. 「受取人を孫にすると税金を節約できる」は本当か

6. 知らなきゃ損する!?死亡保険金と相続の関係

6.1. 死亡保険金は相続財産に含まれる?

6.2.「争族」対策としての死亡保険金

6.3. 死亡保険金は遺留分に含まれないってほんと?

6.4. 法定相続人以外が受け取ることも可能

7. 保険金トラブル発生!こんな時どうする?

7.1. 受取人が離婚した妻の場合

7.2. 受取人が未成年の場合

7.3. 受取人が既に死亡している場合

7.4. 相続放棄しても、保険金は受け取れるの?

8. まとめ

 

1. 死亡保険金にかかる税って?3つの税と保険の関係

女性_思案

死亡保険金には税金がかかるということをご存知でしょうか。

保険に入っている方でも意外と意識したことがないのが、この死亡保険金と税の関係です。

1.1. 死亡保険金にかかる税金とは

死亡保険金は、契約のしかたによって相続税所得税+住民税贈与税のいずれかの税金が課されます。

ポイントは〈誰から誰へお金が動くか?〉です。

1.2. 契約の形によって税金の種類が違う

契約形態と税金の関係は、以下のようになっています。

 

保険料の負担者と被保険者が同じ場合:相続税

保険料の負担者と保険金の受取人が同じ場合:所得税・住民税

保険料の負担者・被保険者・保険金の受取人が全て異なる場合:贈与税

 

例えば夫が保険契約をして保険料を納めるとすると、契約形態によって税金の種類はこのようになります。

保険料の負担者 被保険者 保険金受取人 税の種類
相続税
所得税・住民税
贈与税

 

それぞれの税金の概要や計算のしかたについて、解説していきます。

 

2. 非課税枠アリ!相続税の対象となるケース

男性_見上げる

保険料の負担者と被保険者が同じ場合、死亡保険金には相続税が課せられます。

具体的には、以下のようなケースが相続税の対象です。

保険料の負担者 被保険者 保険金受取人 税の種類
相続税

夫が保険料を負担し、妻が保険金を受け取るのですから、お金の流れは夫(死亡)→妻となります。

死亡保険金は相続財産とみなされ、相続税の対象となるのです。

2.1. 死亡保険金には非課税枠がある

死亡保険金が相続税の対象となる場合、非課税枠の適用を受けることができます。

 

非課税枠=500万円×法定相続人の数

 

法定相続人が1人ならば非課税枠は500万円、2人ならば1,000万円、3人ならば1,500万円……というように、法定相続人の数が多いほど非課税枠は大きくなります。

 

ただし、相続人以外の人が死亡保険金を受け取った場合、この非課税枠は適用されません。

 

2.2. 死亡保険金は「みなし相続財産」

死亡保険金は、「みなし相続財産」に当たります。

預金や不動産のような「相続財産」ではないものの、課税に関しては相続財産として扱うということです。

したがって、死亡保険金のうち非課税枠を超える金額については、現金や不動産と同様に相続財産として税額を計算します。

 

2.3. 計算のしかた

具体例を用いて、死亡保険金の課税金額を計算してみましょう。

まずは以下のような家族構成・保険契約をしている場合です。

■家族構成:Aさん・妻・子1・子2

  生命保険契約1
保険料の負担者 Aさん
被保険者 Aさん
保険金受取人
保険金額 1,000万円

 

上記のケースでAさんが亡くなったとき、Aさんの妻が死亡保険金1,000万円を受け取ります。

Aさんの法定相続人は妻と子2人の計3人なので、非課税枠は500万円×3人=1,500万円となります。死亡保険金1,000万円<非課税枠1,500万円なので、死亡保険金は全額非課税です。

 

それでは、以下のようなケースはどうなるでしょうか。

■家族構成:Aさん・妻・子1・子2

  生命保険契約1 生命保険契約2 生命保険契約3
保険料の負担者 Aさん Aさん Aさん
被保険者 Aさん Aさん Aさん
保険金受取人 子1 子2
保険金額 1,000万円 500万円 500万円

 

こちらのケースでは、家族構成と妻への保険契約は同じで、2人の子への保険を加えました。

Aさんが亡くなったときに支払われる死亡保険金は、総額2,000万円です。

一方、法定相続人の人数は3人なので、死亡保険金の非課税枠は1,500万円です。

したがって、2,000万円-1,500万円=500万円が相続税の課税対象となります。

 

課税金額は受け取った保険金額に応じて按分されます。

妻は保険金額2,000万円のうち半分の1,000万円を受け取っているので、課税対象500万円のうち半分の250万円が妻の課税対象になります。

子2人の課税対象はそれぞれ125万円ずつです。

 

  保険金額 割合 課税対象
1,000万円 50% 250万円
子1 500万円 25% 125万円
子2 500万円 25% 125万円
合計 2,000万円 100% 500万円

 

2.4.遺産全体に対する基礎控除

ここまでは死亡保険金に対する非課税枠について解説してきました。

続いて、遺産全体に対する基礎控除についても簡単にご紹介します。

 

基礎控除額=3,000万円+600万円×法定相続人の数

 

遺産の総額からこの基礎控除額を差し引いた金額が、実際に相続税が課される遺産の金額です。

 

例えば相続人が3人いて遺産が2,000万円あるという人の場合、基礎控除額は3,000万円+600万円×3=4,800万円です。2,000万円<4,800万円で基礎控除額のほうが遺産額よりも大きいため、相続税は課税されません

 

それでは以下のようなケースを考えてみましょう。

■家族構成:Aさん・妻・子1・子2

■Aさんの財産:預金1,000万円・生命保険2,000万円(内訳は以下の通り)

  生命保険契約1 生命保険契約2 生命保険契約3
保険料の負担者 Aさん Aさん Aさん
被保険者 Aさん Aさん Aさん
保険金受取人 子1 子2
保険金額 1,000万円 500万円 500万円

 

このとき死亡保険金の非課税枠は1,500万円なので、課税の対象となる死亡保険金は総額500万円です。

死亡保険金のうち非課税枠を超えた部分は相続財産とみなされるので、Aさんの相続財産は現金1,000万円+死亡保険金500万円=1,500万円です。

 

一方、相続人が3人なので遺産全体に対する基礎控除額は4,800万円です。

相続財産より基礎控除額のほうが大きいので、相続税はありません。

 

このように、死亡保険金の非課税枠で控除しきれなかった保険金は、ほかの遺産と合算した後に基礎控除額を差し引くことができます

 

2.5.納税のしかた

相続税は以下の通り申告・納税しなくてはなりません。

 

■申告期間:被相続人が亡くなってから10か月以内

■申告書の提出先:被相続人の住所地の税務署

 

ただし、相続財産の総額が基礎控除額以下の場合は申告の必要はありません

 

3. 給与とまとめて!所得税の対象となるケース

子ども_お金

保険料の負担者と保険金の受取人が同じ場合、死亡保険金には所得税と住民税が課せられます。

具体的には、以下のようなケースが所得税の対象です。

保険料の負担者 被保険者 保険金受取人 税の種類
所得税・住民税

夫が保険料を負担し、保険金を受け取るのも夫です。

お金は夫→夫にしか動いていないのに、なぜ税金がかかるのでしょうか。

 

3.1. 死亡保険金は「一時所得」

支払った保険料よりも受け取る保険金のほうが多い場合、利益が出たとしてその差額に課税されます。

課税の対象は受け取った死亡保険金そのものではなく、プラスになった部分なのです。

イメージとしては、預金の利息や株の配当に課税されるのに近いでしょう。

 

3.2. 税額は給与等とまとめて計算される

働いて収入を得ている方なら誰でも所得税や住民税を支払っていますよね。

一時所得の対象となる死亡保険金を受け取った年は、給与所得などに死亡保険金の一時所得を加算して税額を計算します。

 

3.3. 計算のしかた

死亡保険金の課税対象額の計算式は、以下の通りです。

 

受け取った保険金-既払込保険料-一時所得の特別控除額50万円)×1/2

 

以下のような保険契約をしている場合、妻が亡くなったとき死亡保険金の課税対象はいくらになるでしょうか。

  生命保険契約
保険料の負担者 Aさん
被保険者
保険金受取人 Aさん
保険金額 1,000万円
既払込保険料 800万円

課税対象=(1,000万円-800万円-50万円)×1/2=75万円

 

したがって、Aさんは普段の給与所得などに一時所得75万円を足した金額に所得税と住民税が課されます。

所得税の税率は収入によって異なりますので、仮にAさんの所得税率が5%だとすると、死亡保険金にかかる所得税額は750,000円×5%=37,500となります。

住民税の税率は所得額にかかわらず一律10%ですので、上記の例で死亡保険金にかかる住民税は750,000円×10%=75,000です。

 

月払いや年払いの保険に入る場合、契約してからまもない時期に死亡すると、死亡保険金と既払込保険料の差額が大きくなり税金が高額になる場合があります。

例えば以下のような、月々3千円の生命保険を契約したとします。

  生命保険契約
保険料の負担者 Aさん
被保険者
保険金受取人 Aさん
保険金額 1,000万円
月々の保険料 3,000円

契約から1年後に妻が亡くなってしまったとすると、既払込保険料は3,000円×12か月=36,000円です。

課税対象を計算すると、以下のようになります。

課税対象=(1000万円-36,000円50万円)×1/2=4,732,000円

したがって、Aさんは給与所得に加えて一時所得473.2万円に対する所得税・住民税を支払う必要があります。

保険料が安い掛け捨てタイプなどの場合に特に注意が必要です。

 

3.4. 納税のしかた

死亡保険金が一時所得に該当する場合は、確定申告をする必要があります。

 

■申告期間:死亡保険金を受け取った翌年の2月16日〜3月15

■申告書の提出先:自分の住所地の税務署

 

ただし、一時所得の金額が20万円以下の場合には確定申告は不要です。

 

4. 税率が高いので注意!贈与税の対象となるケース

男性_お金3

保険料の負担者・被保険者・保険金の受取人が全て異なる場合、死亡保険金には贈与税が課せられます。

具体的には、以下のようなケースが所得税の対象です。

保険料の負担者 被保険者 保険金受取人 税の種類
所得税・住民税

夫が保険料を負担し、保険金を受け取るのは子で、お金の流れは夫(存命)→子です。

 

4.1. 死亡保険金は贈与とみなされる

「保険金=贈与」とは、なかなかピンとこないかもしれませんが、お金の流れで考えると分かりやすいでしょう。

このケースの場合、子はそのお金を得るために何かしているわけではありません。

子にとってこのお金は単に「もらった」お金であり、そのきっかけが妻の死亡というだけです。

したがって、死亡保険金は相続ではなく夫から子への贈与となります

 

4.2. 計算のしかた

受け取る保険金の金額から基礎控除110万円を差し引いた金額が、贈与税の課税対象となります。

 

  生命保険契約
保険料の負担者 Aさん
被保険者
保険金受取人
保険金額 1,000万円

上記のような場合、1,000万円-110万円=890万円が贈与税の対象となります。

 

贈与税の対象となる場合、税額が大きくなりやすいので注意が必要です。

 

4.3. 納税のしかた

死亡保険金が贈与に該当する場合は、確定申告をする必要があります。

 

■申告期間:死亡保険金を受け取った翌年の2月1日〜3月15

■申告書の提出先:自分の住所地の税務署

 

確定申告書の書式は贈与税専用のものを用います。

所得税とは書式が異なるので、注意しましょう。

 

5. 契約名義・受取人はこう決める!節税の2つの鉄則

男性_ピース

どのような契約をすれば税金を節約できるのか、考えてみましょう。

 

5.1. 【鉄則1】相続税の対象になるようにする

節税効果が一番大きいのは、非課税枠が大きい相続税の場合です。

死亡保険金の非課税枠のほか、遺産全体に対する基礎控除や配偶者の税額の軽減などがあるため、かなりの金額を非課税にできるでしょう。

生命保険は保険料の負担者=被保険者となるように契約すると節税効果が大きくなります。

 

一時所得の場合、課税対象となるのは死亡保険金と既払込保険料の差額です。例えば扶養内パートの妻の保険を夫が契約するというようなケースがあるかでしょうが、既払込保険料が死亡保険金額を大幅に下回っているうちに妻が死亡した場合、税金が高くなってしまうリスクがあります。

死亡保険金の節税を考えれば、妻自身が保険料を負担したほうが良いでしょう。

 

最も税額が大きくなりやすいのは、贈与税の場合です。

保険料の負担者・被保険者・保険金の受取人がすべて異なる保険契約をしているなら、本当にその契約がベストなのか、受取人はその人でなくてはならないか考えてみてください。

 

5.2. 【鉄則2】契約者が保険料を支払う

保険料は契約者が負担するのが一般的ですが、さまざまな事情から契約者以外の人が保険料を支払っているケースがあるかもしれません。

この場合、契約者が保険料を負担していたとみなされて税額が算出される可能性があります。

その結果、税金が高くなったり延滞税が請求されたりするおそれがあります。トラブルを避けるためにも、契約者と保険料の負担者は一致させることをお勧めします。

 

5.3. 「受取人を孫にすると税金を節約できる」は本当か

「死亡保険金の受取人を孫にすると、相続を一代飛ばせるので節税になる」と聞いたことはないでしょうか。

相続を一代飛ばせることはメリットですが、孫に死亡保険金を遺すことには、デメリットもあります。

 

■死亡保険金の非課税枠が使えない

孫の親(つまり被相続人の実子)が存命の場合、孫は法定相続人ではないため、死亡保険金の非課税枠が使えません

 

■相続税の2割加算

被保険者の配偶者・実父母・実子以外の人が財産を相続する場合、相続税が2割加算されます

 

孫を受取人にする場合には、一代飛ばしのメリットとこれら2つのデメリットを踏まえて吟味する必要があるでしょう。

 

6. 知らなきゃ損する!?死亡保険金と相続の関係

女性_驚き

保険契約者=被保険者の場合、死亡保険金には相続税が課せられるとお伝えしました。

死亡保険金はみなし相続財産であり、ほかの相続財産とは異なる点があります。

 

6.1. 死亡保険金は相続財産に含まれる?

保険料負担者=被保険者の場合、死亡保険金はみなし相続財産として取り扱われますが、何故わざわざ「みなし」とつけるのでしょうか。

現金や不動産といった通常の相続財産と、死亡保険金とを比較してみましょう。

  死亡保険金 通常の相続財産
相続税 対象となる 対象となる
遺産分割 対象とならない 対象となる
遺留分 対象とならない 対象となる

死亡保険金の請求権は死亡保険金受取人固有の権利です。

そのため、遺産分割の対象とはならず、遺留分も認められません。

 

6.2.「争族」対策としての死亡保険金

遺産分割が円満に行われればそれに越したことはないのですが、大きなお金が動くために揉める場合もあります。

「相続で家族が争族に」というようなフレーズを聞いたことがあるかもしれません。

死亡保険金は遺産分割の対象とならないため、遺産の取り合いから免れることができます。

具体的な例を挙げましょう。

【例】

・Aさん(70歳)は妻に先立たれ、一人暮らしをしています。資産額は5,000万円です。

・法定相続人は子2人(Bさん・Cさん)のみで、2人とも成人・独立しておりAさんとは別世帯です。

・子Bさんは毎日Aさん宅に通い、身の回りの世話をしています。

・子CさんはAさんと折り合いが悪く、独立後はほとんど顔を合わせることもありません。

・Aさんは面倒を見てくれたBさんに多く遺産を遺したいと考えています。

 

このとき、何の相続対策もしないままAさんが亡くなると、Bさん・CさんにはAさんの遺産の半分である2,500万円を取得する権利があります

 

ここで、Aさんが生前に4,000万円の一時払い終身保険(受取人はBさん)を契約していたとします(※)。

すると、死亡保険金4,000万円はBさんに受け取る権利があり、遺産分割の対象とはなりません。遺産分割の対象となるのは5,000万円-4,000万円=1,000万円です。Bさんは死亡保険金4,000万円と残りの遺産の半分である500万円、計4,500万円を受け取る権利があります。一方Cさんには500万円を受け取る権利があります。

 

※単純化のために、払込保険料と死亡保険金は同額としています。実際には払込保険料<死亡保険金となります。

 

6.3. 死亡保険金は遺留分に含まれないってほんと?

上記の例では、法定相続人ごとに遺す金額を変えるために終身保険を利用しました。

しかし、「それって遺言でもいいんじゃないの?」という疑問が湧くかもしれません。

確かに遺言で「Bさんに4,500万円、Cさんに500万円遺す」と決めることは可能ですが、Cさんには遺留分に対する権利があります。

 

遺留分とは、遺言に関係なく遺産相続における最低限の取り分を決めたものです。

法定相続人の数などによって遺留分の割合は異なりますが、このケースではCさんの遺留分は遺産の1/4 です。

したがって、「Bさんに4,500万円、Cさんに500万円遺す」という遺言があったとしても、Cさんは5,000万円の1/4である1,250万円を取得する権利があるのです。

 

死亡保険金は遺留分の対象に含まれないため、死亡保険金4,000万円・その他の遺産1,000万円が遺された場合、Cさんの遺留分は1,000万円×1/4=250万円となります。

 

ちなみに、4,500万円受け取ったBさんが「Cさんが可哀そうだから、分けてあげよう」と仏心を出して死亡保険金の一部をCさんにあげた場合、これはBさんからCさんへの贈与となり、贈与税が課されます。

 

6.4. 法定相続人以外が受け取ることも可能

死亡保険金は法定相続人以外を受取人に指定することも可能です。

ここで、「法定相続人」の定義を確認しておきましょう。

 

【法定相続人とは……】

配偶者は必ず法定相続人になります。

配偶者以外は、以下の順に法定相続人が決まります。

(1)

(2)子がいない場合、(親が死亡していて祖父母が存命の場合は、祖父母)

(3)子や親、祖父母がいない場合兄弟姉妹

 

例えば「妻と子がいるが、親より先に亡くなった場合、親にも遺産を遺したい」という場合、通常の遺産分割では親には相続の権利がありません。

死亡保険金の受取人を親にしておけば、親にも財産を遺すことができます。

 

法定相続人以外の人を死亡保険金の受取人にする場合、気を付けなくてはならないことが2つあります。

 

1つ目は、生命保険会社が定めている受取人の範囲です。

受取人については、配偶者および2親等以内の血族と定めている保険会社が多いです。2親等以内とは、子・孫・親・祖父母・兄弟姉妹です。これより血縁の遠い人やそもそも血縁の無い人(義理の家族を含む)は指定できないことがあるので、保険会社に確認しましょう。

 

2つ目は、法定相続人以外の人が受け取る保険金は非課税枠が適用されないことです。

以下のようなケースの課税対象の金額を計算してみましょう。

【家族構成:Aさん・妻・子・母】

  生命保険契約1 生命保険契約2 生命保険契約3
保険料の負担者 Aさん Aさん Aさん
被保険者 Aさん Aさん Aさん
保険金受取人
保険金額 1,000万円 1,000万円 1,000万円

 

この場合、法定相続人は妻と子の2人です。

非課税枠は500万円×法定相続人の数(2人)=1,000万円です。

このとき非課税枠が適用されるのは妻と子を受取人とする死亡保険金です。

妻と子の受け取る保険金は同額なので、非課税枠1,000万円は妻と子に半分ずつ按分されます。

母の死亡保険金は非課税枠の対象ではないので、按分されません。

結果、それぞれの保険金額と課税対象の金額は下表のようになります。

 

  保険金額 割合 課税対象
1,000万円 50% 500万円
1,000万円 50% 500万円
1,000万円 1,000万円

 

7. 保険金トラブル発生!こんな時どうする?

赤ちゃん_PC

起こりがちな保険金をめぐるトラブルや、保険金にかんする疑問を解説します。

あなたの保険は大丈夫でしょうか。

7.1. 受取人が離婚した妻の場合

死亡保険金が離婚した元配偶者となっている場合、死亡保険金はどうなるのでしょうか。

「もう夫婦の縁を切っているのだから、受取人にはなれないのでは?」と思うかもしれませんが、たとえ離婚していても、受取人を変更していない限り死亡保険金の請求権は元配偶者にあります

元妻(または夫)以外の人に死亡保険金を遺したいなら、受取人の変更手続きをしましょう。

逆に、元配偶者が亡くなり自分が死亡保険金の受取人となっていた場合はどうなるのでしょうか。

死亡保険金は受取人に権利があるので、離婚していることは関係なく受け取ることができます。

ただし、自分は相続人ではないため、死亡保険金の非課税枠は適用されず、また相続税2割加算の対象になります

 

7.2. 受取人が未成年の場合

未成年者を保険金の受取人にすることは可能です。

しかし、未成年者は保険金の請求をすることができません

親権者または未成年後見人が手続きを代行する、親権者の同意書を提出するなど保険会社所定の手続きが必要なので、たとえ子どもが自分で判断できる年齢に達していても、未成年であれば手続きはできないので注意しましょう。

ただし、未成年でも結婚していれば成年とみなされるので手続きが可能です。保険金の請求手続きは親権者や後見人が代行しても、保険金に対する権利は受取人にあります

 

7.3. 受取人が既に死亡している場合

死亡保険金の受取人が死亡しているのに、受取人の変更がなされていないケースは結構多いそうです。

受取人が亡くなったことは保険会社には分からないので、保険会社から「受取人を変更してください」というようなお知らせは来ません。

自分で手続きしなくてはならないのですが、身近な人が亡くなったときは何かと忙しく、精神的にも辛いので、自分の保険のことまで手が回らないのも仕方ないかもしれませんね。

しかし、受取人が死亡した人のままになっていると、思いがけないトラブルのもとになってしまいます。

死亡保険金の受取人が死亡している場合、死亡保険金を請求する権利は受取人の死亡当時の相続人にあります。

 

【例】

・Aさんには兄が1人います。

・Aさんは独身時代に父親を受取人とする生命保険を契約しました。

・Aさんの父親が亡くなりましたが、Aさんは自分の生命保険の受取人変更をしませんでした。

・Aさんは結婚し、子どもを1人設けました。

・Aさんが亡くなりました。

 

このような場合、Aさんの死亡保険金の受取人である父は死亡しています。

父の死亡時点での父の相続人はAさんの母・Aさんの兄・Aさんです。Aさんは亡くなったので、Aさんの子に請求権が移ります(代襲相続といいます)。

 

したがって、Aさんの死亡保険金の受取人はAさんの母、兄、子の3人です。

死亡保険金は等分して受け取ることになっているので、この場合はそれぞれが1/3ずつ保険金を受け取り、Aさんの妻は保険金を受け取ることができません。すでに別世帯となっている兄が受け取れて、妻が受け取れないというのはトラブルの火種になりそうですね。

 

さらに、親族間のトラブルがなくても、節税の観点では損が生じます。

受取人死亡のケースでは、死亡保険金を受け取るのは本来の受取人(このケースではAさんの父)の相続人ですが、課税関係ではAさんの相続財産として扱われます。

Aさんの法定相続人はAさんの妻と子なので、死亡保険金の非課税枠が使えるのはAさんの子だけです。

母・兄はAさんの相続人ではないので、非課税枠が使えないうえに、Aさんの兄は相続税2割加算の対象となります。

もしAさんが生前に受取人を妻や子に変更していたならば、非課税枠をフル活用できたはずです。

こうした事態を避けるためにも、自分の保険内容は時々見返して現状と合っているか確認することをおすすめします。

 

7.4. 相続放棄しても、保険金は受け取れるの?

「相続放棄」という手続きをご存知でしょうか。

「相続人としての権利を放棄し、一切の財産を相続しません」という手続きのことで、財産よりも借金のほうが多い場合などに行われます。

相続放棄をすると相続の権利はなくなってしまいますが、死亡保険金は受け取ることができます

ただし、相続放棄した人は死亡保険金の非課税枠の適用を受けることができません

 

8. まとめ

女性_ホワイトボード

死亡保険金は、契約の形によって相続税が課される場合所得税+住民税が課される場合贈与税が課される場合に分けられます。

相続税の対象となる場合は非課税枠が適用されるので、税負担を抑えやすいでしょう。非課税枠は500万円×法定相続人の数で計算します。

死亡保険金の受取人は法定相続人以外を指定することもできるので、特に財産を遺したい人(孫など)がいる場合に用いることができます。

ただし、法定相続人以外の人が受け取る死亡保険金は非課税枠の対象外であること、自分の配偶者・実父母・実子以外の人は相続税が2割加算されることに注意しましょう。

生命保険を掛けるときには、税金のことを忘れてしまいがちです。遺族に少しでも多く遺すために、賢く保険に入りましょう。

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