保険に加入する際に健康診断で気を付けなければいけないポイントを徹底解説

記事監修者紹介
松葉 直隆 大学卒業後、損保ジャパン日本興亜代理店の保険会社にて5年以上勤務し、年間100組以上のコンサルティングを行う。 その後、2016年6月より保険ブリッジの記事監修を務める。

保険に加入する前に、審査があることがほとんどです。

これまで保険に加入したことがある人の中で、健康状態などについて、書類に記載したことがある方もいるでしょう。

告知書に本当のことを記載しないと、告知義務違反となってしまうのです。

保険加入までの流れや健康診断との関係を解説します。

この記事をざっくり言うと…
  • 保険会社に嘘偽りなく既往歴などを告知する義務がある。
  • 訳があって、普通の保険に加入できない場合は引受緩和基準保険がある。
  • 告知義務違反すると、保険金が出ないだけでなく支払った金額も戻ってこない。

医療保険の加入前に健康診断を受ける必要がある?

医療保険に加入する前に、保険会社側で、加入希望者の健康状態などをみて審査が行われます。

通常、保険加入のために健康診断は必要ありませんが、高額な保障金額が設定されている生命保険では、健康診断書の提出が必須です。

2年以内に健康診断を受けたか否か、または診断の結果を告知する項目が医療保険の審査にあります。

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会社での定期的な健康診断などを受けていた場合は、正直に告知するようにします。

健康状態の診査

1番重要な審査項目が、健康状態の審査です。

がんや心臓病などの深刻な病気になったことがあると、不安があると思いますが、想定外の病気でさえ保険への加入を断られるケースもままあります。

MEMO

年を重ねていくと、病院への通院歴や服薬している薬もあったりしますが、審査に関わってきます。

また、健康診断で受ける指摘も重要となります。

健康診断を受けて数値が高かったり、要再検査や要治療と健康診断書に書かれる場合も審査に響きます。

職業の診査

危険性が高い職業の場合は、補償額の制限や、そもそも保険への加入が不可となる場合があります。

保険加入が難しい職業

  • 高所作業を行う職業
  • 爆発物や高電圧設備を扱う職業
  • スタントマン
  • レーサー
  • プロの格闘家
  • 消防士

道徳上の診査

松葉 直隆

医療保険の不正利用を目的として加入されないよう、道徳上の審査も存在します。

犯罪などに発展する危険を回避するために、資産や収入に比べて保険金額が高額になるケースでは制限が掛かる、または加入が不可能といったモラルリスクが問われます。

健康診断が不要な生命保険は?

高額な保障を受けるための保険は必要

高額な保障を受ける場合、告知書扱いの保険は手軽ですが、契約者の公平性を保つために契約できる上限金額が設定されていることもあります。

低額の保障でも告知の内容によって必要になる

告知書に記載された内容次第で、健康診断書の提出が必要な場合があります。

MEMO

健康に関して不安なことがあるなら、担当者に相談してみましょう。

中には、職業だけが告知項目の保険も存在するので、検討してみましょう。

医療保険の場合原則健康診断結果表の提出は不要

過去2年以内に健康診断を受けていたら結果票を提出する必要はあるの?

提出不要です。

生命保険(死亡保険)では、高額な保険金額の場合に、健康診断書の結果票の提出や医師による審査が必要なこともありますが、医療保険のみに加入するケースにおいては、原則、ほとんどの会社で提出は不要です。

過去2年以内の健康診断結果で指摘がなければ、質問の項目に「指摘なし」と回答し、健康診断における質問は終了となります。

異常の詳細
  • 要治療
  • 要精密検査
  • 要再検査
  • 要経過観察

このうち、保険会社によって「要経過観察」は告知が必要な指摘に含む場合と含まない場合があります。

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また、所見欄に「生活習慣に気をつけましょう」といった記載がされていることがよくありますが、こちらは異常の指摘とはなりません。

また、医師に同じような内容を口頭で言われたケースにおいても同様です。

生命保険に加入できる健康状態

保険会社によって引受基準は異なる

実際のところ、商品や会社によって引受基準は異なり、加入時の健康状態は明確な基準がありません。

引受基準は、保険商品や保険会社、被保険者の年齢等によって異なりますが、加入時における健康状態については、現状、基準が明確に設けられていません。

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最低限の告知で加入できるが、保障が小さい」といった商品もあります。

保険会社のホームページなどで引受基準を確認する

健康に関して不安があるのであれば、コールセンターなどで相談するのもありです。

特別条件で加入できるケースもある

会社から定時される特別条件が告知内容次第で変わることもあり、保険料の割増、特定部位不支払等、支払う保険金の削減が主となります。

契約は、契約者が同意してから成立するため、気に入らない場合には、契約しなくても問題ありません。

【生命保険】健康診断で再検査と言われたら注意したい項目

心電図

心電図では、心臓の状態に異常がないかを見ます。

便潜血検査

便を取って、便に異常がないか調べる検査です。

通常では検査のある1週間前に採取は2度行います。

内視鏡

MEMO

内視鏡検査は胃や腸の現在の状況を正確に把握できます。

胃についてはレントゲンと内視鏡の選択が出来ますが、腸は便潜血検査のみのところが多いです。

また、精密検査では内視鏡が一般的です。

腫瘍マーカー

血液検査のオプションとして選べます。

腫瘍の再発に関する調査時に多く使われ、2、30代は異常を感じる方も少ないためオプションとしても選ぶ人は少ないとされています。

超音波(エコー)検査

胸や下腹部などエコーを使って異常がないか調べる検査です。

乳がんの検査としても使われています。

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健康診断ではマンモグラフィかエコーか1つを選択して行うことがほとんどです。

健康診断で「経過観察」となったら、加入はできる?

「経過観察」ってなに?

 

経過観察とは、健康診断などの数値から専門家にあたる医師などが、引き続き身体の様子を確認するといった考え方と生活習慣を改善する必要があるといった考え方の2つの考え方があります。

ですが、がん保険加入の経過観察の意味というのは、保険会社の判断で決定されるため、意味が異なります。

健康診断で経過観察と判断された内容や数値が、がん保険の加入に問題ない程度だと保険会社から判断されれば、がん保険に加入することは可能です。

反対に、問題ありと判断されれば、がん保険には加入できないのです。

つまり、経過観察のよるがん保険の加入引受はケースバイケースです。

健康診断での「経過観察」は告知する必要がある

告知義務違反を犯すと、保険金が支払われないだけではなく、これまでに支払った保険料も返還されません。

このことからも告知義務違反は絶対に犯すべきではないと、わかりますよね。

がん保険の告知書は保険会社によって違うので注意が必要

会社やその保険によって、告知内容が異なります。

告知書の内容について、見落としていたというのは、告知義務違反を免れる言い訳にはなりません。

がん保険加入に関して、きちんと対応してくれる担当者のアドバイスを聞くのも大切です。

医療保険加入時に健康診断で気を付ける事

保険に加入する際、過去2年以内に健康診断を受けていた場合はその内容を告知する必要があります。

特に異常がない場合はそのまま告知して下さい。

MEMO
『再検査』や『要治療』の指摘があった場合、その内容を詳細に記入しなければなりません

再審査を受けていないと加入できない事もある

このような場合は、保険会社は危険かどうかの判断ができません。

つまり、契約を断れられることに繋がります。

健康診断で指摘を受けたら必ず、再検査を受けましょう。

注意
再検査という結果が出たにも関わらず、告知で何も記載しなかった際には、告知義務違反となります。

もし告知後に健康診断の結果が出た場合は追加告知を行う

医療保険に加入する際は、最新の健康診断結果が影響します。

つまり、加入の告知後に健康診断の結果が出た場合には、保険会社に追加告知をする必要があります。

もし再検査などになった場合は、再検査を受けてその結果を保険会社に追加告知しましょう。

引受緩和基準保険に加入する時は保険料や給付条件に注意する

松葉 直隆

加入が難しかった場合は、引受緩和基準保険を検討しましょう。

既往歴があっても入りやすいように、健康の条件が緩和されています。

保険料が高額だったり、保障内容に限りがあるため、その内容を吟味する必要があります。

告知義務違反をしてしまったときの対処法

告知義務違反とは

告知義務
告知義務とは、生命保険の契約の際に保険会社に対し、傷病歴や健康状態、職業などを嘘偽りなく申告する義務を指します。

告知方法は告知書の記入や医師や面接士による健康診断などがあります。

もしも告知義務違反となった場合、保険会社側は契約された保険を解除することができます。

この場合、保険会社は当然保険金の支払い義務はなく、保険料の返金も不要です。

知らずに告知義務違反をしてしまっていたケース

告知していないものに関わらないことであれば、給付金が出る可能性は残っています。

契約から2年以上経過していれば「告知しなかったことが直接の原因とは考えにくい」という判断で、契約を継続できるケースもあります。

注意事項

悪意を持っていたと判断されると、告知義務違反とみなされます。

告知忘れに気が付いた時点で、すみやかに保険会社へ連絡しましょう。


成立前に告知漏れに気が付いたケース

成立前であれば、追加告知できるので、告知漏れしたことのみ、伝えましょう。

生命保険で審査落ちした時の対策

解決策としては、無選択型保険や引受基準緩和型保険に加入することが挙げられます。

これは、ガンになっていなくて入院を勧められたことがなければ、他の持病は基本的に持っていても大丈夫!という商品になります。

なので例え、うつ病でもパニック障害の方でも加入することが可能です。

それでは細かく見ていきましょう。

引受基準緩和型保険

松葉 直隆

引受基準緩和型保険は告知の項目が少ない保険商品です。

なので健康診断の提出も必要なくて持病を持っている方を引き受けることが多い商品です。

また、パニック障害などをはじめとする精神疾患がある場合でも加入可能です

また、この手の商品は一般的な生命保険とは違って保障は薄く、更に合計で約1年の間は保障の金額が半分になるというのも普通です。

高めの保険料なのに保障は薄いため、万一入院してしまった際に少しのサポートがあれば良いな、と思う程度でちょうど良いと言えます。

無選択型保険

引受基準緩和型より更に加入条件が緩い保険に、「無選択型保険」があります。

無選択型保険は加入のための審査は一切なく、加入時の健康状態の告知や傷病歴も不要なので、誰でも加入が可能です。

ですが、引受基準緩和型保険と同様、通常の生命保険と比較して保障内容は薄く、かつ保険金は高くなりますので注意が必要です。

MEMO
そのため、パニック障害やうつ病など持病を抱えている方は、まずは普通の生命保険への加入を検討し、それら生命保険がどれも加入不可能となった時に、引受基準緩和型保険や無選択型保険へ加入をすることが出来ます。

完治してから生命保険に加入する

先ほど紹介した引受基準緩和型保険や無選択型保険は保険料が、高くて保障が薄いので納得できるかは個人の判断によります。

一番良いのはパニック障害やうつ病などの病気を完治させたのちに通常の生命保険に加入することですが、生命保険に加入するためには完治してから3~5年は様子を見る必要があります。

完治して5年以上経っていることを証明できれば良い

松葉 直隆

もしパニック障害やうつ病などの病気が完治して5年たっているということを証明することが出来れば、一般的な生命保険に加入することが可能です。

それらを証明するためには、通院していた会社に書類を書いてもらうのが一番早いかもしれませんね。

それらの証明があれば、保険の契約が可能です。

生命保険の審査に通りやすくする告知書の書き方

持病や既往歴がある場合も、全て記載します。

適当に告知書を記入すると、情報が少ないがために保険会社が最悪の事態を想定して、審査落ちしてしまうこともあります。

情報は丁寧にしっかりと正確に書く

告知書の項目に該当する場合、そのことについて詳しく書きましょう。

持病もしくは既往歴がある人ほど、治療や現在の状態について詳しく記載する必要があります。

保険会社は告知書の内容を基に、審査するため、情報が不足してると最悪の事態を想定されてしまうからです。

手術を受けた場合、その術式によって結果が異なってくることもあるため、詳しく記載しましょう。

MEMO
有利になる情報について特に詳しく記載することで、審査に良い影響を及ぼしてくれるかもしれません。

健康診断書や診断書など不要な書類も併せて提出することで有利になる

持病もしくは既往歴がある場合、診断書を提出して、現在の状態が良好だと判断してもらえることもあります。

追加の情報を提出することで、告知書のみでは診査に通らなかったケースであっても審査に通る可能性も出てくるのです

また、医師の診断書で完治を証明してもらえれば、審査に有利です。

審査結果が悪くても追加資料の提出などで再査定してもらえる

松葉 直隆

追加の資料を提出すると、再審査してもらえることがあります。

その場合は、医師の診断書などを提出し、数値の安定、完治などを証明できれば、審査に通過もしくは、条件が緩和されたりといった希望が見えてくるかもしれません。

まとめ

健康診断で再検査と出たら、放置するのは一番いけません。

放置=大きな病気だと、保険会社が判断してしまうこともあるでしょう。

再検査となったら、必ずチェックしておいてくださいね。

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