身近に潜む「もしも」を個人賠償責任保険で備えるためのポイント

「自転車に乗っていて、歩行者と当たりそうになった」や、「旅行中の買い物で店の商品を壊しかけた」、なんて経験をした方は意外に多いのではないでしょうか。

免許も必要なく、気軽な移動手段である自転車や、楽しい旅行中の買い物でも一歩間違えば、ケガをさせたり、弁償をさせられたりと、大変な思いをする事があります。

身近なところにも危険がたくさんあるのですね。

そのような事は、出来れば経験したくないという事は誰でも思う事ですが、起こってしまう前に保険でリスク回避をしておくのも一つの手段です。

その保険が、個人賠償責任保険です。

名前は聞いたことある人も多いと思いますが、その内容を知らない方はたくさんいらっしゃいますので、この記事では、元損害保険の代理店をしていた立場から、様々な賠償責任を実例も交えながら解りやすく解説していきます。

この記事を読んで、身近に潜む「もしも」に備えていきましょう。

目次

1.賠償責任保険とは

1-1賠償責任とは

1-2個人賠償責任保険と日常賠償保険の違い

1-3その他の賠償責任保険とは

2.賠償責任保険の種類

2-1個人向けの賠償責任保険

2-2事業者向けの賠償責任保険

2-3その他の賠償責任保険

3.個人賠償責任保険の支払い事例

3-1支払い事例

3-2免責事例

3-3その他の損害保険の事故例

4.個人賠償責任と日常賠償責任

4-1加入の仕方

4-2自動車保険の場合

4-3火災保険の場合

4-4傷害保険とその他の保険の場合

5.近年の賠償責任における判決例

5-1自転車事故の例

5-2その他の事例

6.まとめ

 1.賠償保険責任保険とは

賠償責任保険とはいったいどのような保険なのか、説明できる方は少ないと思います。

近年の事故で多いのが、自転車事故であるのは知っている方も多いのではないでしょうか。

自動車の事故であれば、自動車保険で対応し、家が燃えてしまった場合であれば、火災保険で対応するでしょう。

しかし、自転車同士でぶつかってしまった場合や、歩行者とぶつかってケガをさせてしまった場合には、どのように対処するでしょうか。

その時に、役に立つのが賠償責任保険なのです。

賠償責任保険には、先ほども書いたような個人向けの賠償責任保険もあれば、施設賠償保険や生産物賠償保険の様な事業者向けの保険もあります。賠償責任保険を簡単に言うと、第三者から法的な損害賠償を請求された時に対応する保険という事です。

これは、自転車事故で相手にケガをさせてしまった場合には、治療費や慰謝料や休業損害等であり、製造業などで言えば、作った製品に不備がありお客様にケガを負わしてしまうことや、お客様の所有物を破損させてしまったときの治療費や修理代などになります。

少し難しいかもしれませんが、一つずつ見て行きましょう。

 

1-1賠償責任とは

そもそも、賠償責任とは何なのか。

先ほども少し書きましたが、賠償責任とは、第三者から法律的な損害賠償請求をされる事案という事です。

解りやすく言うと、あなたのせいでこの様な事になったので、元に戻してほしいという事や、約束をしたのにその約束事を守ってくれなくて損害が出たなどになります。

賠償責任には幅広い分野での事例があるので、保険に関すること以外は今回は割愛させていただきます。

 

1-2個人賠償責任保険と日常賠償責任保険の違い

損害保険会社が取り扱っている個人向けの損害賠償保険は、多くが自動車保険や火災保険や傷害保険の特約での加入になります。

そして、保険の種類によっては、個人賠償保険や日常賠償保険と特約名が違う場合があります。

名前が違う以外に何か違いがあるの?と思う方もいるかもしれませんが、基本的な補償内容は同じです。

個人賠償責任保険の単独での販売が少ないので、自動車保険か火災保険か傷害保険の特約として準備をすると書きましたが、どの保険の特約なのかで名前が変わり、また保険金額に違いがある場合多いと言えます。

それ以外の、違いはなく、個人賠償責任も日常賠償責任も同じ補償であると覚えていてください。

 

1-3その他の賠償責任保険とは

先ほど書いた、個人賠償責任保険の他にはどのような賠償責任保険があるのか。

賠償責任保険は、大きく分けると、個人向けの賠償責任保険と事業者向けの賠償責任保険に分けることが出来ます。

先ほど書いたものは、個人向けの賠償責任の一つですが、事業者向けの賠償責任保険には、施設賠償保険や生産物賠償責任保険や受託物賠償責任保険など、店舗の運営や事業の運営には欠かすことのできない補償内容の保険があります。

一般的には知らない方も多いと思いますが、損害保険には数多くの商品があるのです。

その内容は、次の章で細かく説明していこうと思います。

 

2.賠償責任保険の種類保険料を払い過ぎ

賠償責任保険には先ほども少し書いたように、個人向けの賠償責任保険と事業者向けの賠償責任保険があります。

ここでは、その賠償責任保険の種類を個人向けと事業者向けと分けて紹介・解説していきます。

個人向けの賠償責任保険でもあまり知名度は高くないのですが、同じ賠償責任保険でも何を対象にするのか、またどのような目的で掛けるのかで、種類も豊富にあるという事を知っていただければと思います。

 

2-1個人向けの賠償責任保険

個人向けの賠償責任保険と一言で言っても、その保険の種類は数種類あります。

また、賠償責任保険の単独で加入できる商品が少ないので、どのように加入するのかという事も少し書いていこうと思います。

 

個人賠償責任保険

個人向け賠償責任保険で一番注目をされているのが、個人賠償責任保険です。

どの様な商品かと言うと、第三者から損害賠償を請求された時に、その金額を補償してくれる商品です。

解りやすく言うと、先ほども書いたように、他人にケガをさせてしまったり、他人の物を壊してしまい治療費や修理代を請求された時に役に立つ保険です。

マンションに住んでいる方は、ベランダから過って洗濯物や布団やプランターを下に落としてしまい、通行人にケガをさせてしまったり、自転車で歩いている人と接触しケガをさせてしまったなど、日常生活の身近なところに危険があるのです。

 

日常賠償責任保険

日常賠償責任保険も個人賠償保険と同じで、保険会社や保険商品によって名前が変わるので、少し混乱しますが名称は個人賠償責任保険よりも日常賠償責任保険の方が一般的にも解りやすいのではないでしょうか。

 

ゴルファー保険

ゴルフをしている人でもあまり馴染みのない保険ではないでしょうか。

損害保険の事故処理などをしていると唯一事故が起こって、「おめでとうございます」と言える商品だと思います。

この賠償責任保険は、前の組や隣のホールでプレイをする人にボールを打ち込んでケガをさせてしまった時や、練習などでゴルフクラブを過って破損させてしまったという時も支払い対象なのです。

しかし、ゴルフ保険ではそれ以外でも、ホールインワンやアルバトロスをした際には、記念樹を植樹する事や、お祝いのパーティをそのプレイをした本人がお金を出してしないといけない場合があります。

ゴルフ保険では、その時に掛かった費用を補償してくれる保険でもあるのです。

その事から「おめでとうございます」と言える唯一の保険であると言えるのです。

 

2-2事業者向けの賠償責任保険

賠償責任保険には、個人向けの商品以外にも、事業用の賠償責任保険の商品が数種類あります。

ここでは、大きな企業から個人事業まで、事業を行う上で安心できる賠償責任保険の代表的な商品を紹介・説明していこうと思います。

また、事業者向けには一般的な業種向きの保険から、特定業種の保険など業種によって種類も変わってきますが、ここでは、一般的な企業の保険を中心に書いていきます。

 

施設管理者賠償責任保険

この保険は、名前の通り施設管理における賠償責任保険です。

簡単に言うと、事業を行う施設や自身・自社で管理している施設において、事故が起こった場合、その施設の管理者に賠償責任が生じる場合に役に立つ保険であるという事です。

例えば、店舗運営をしていた場合に、店舗の床を水拭きしていて、お客様が滑って転倒しケガをしてしまった場合などになります。

店舗運営や事務所・会社に来店者や来訪者が多い事業主さんには欠かせない保険であると言えます。

 

生産物賠償責任保険

この保険は、製造業などの商品・製品を作っている業種には欠かせない保険です。

生産物賠償責任とは、名前の通りですが、作った商品に対しての責任となり、その製造物に不備があり破損したり、購入者がケガをしてしまったりした場合に生じる責任という事です。

解りやすく言うと、エアコンを購入しメーカーの定める通りに使用・管理していたのにも拘らず、発火・炎上してしまった場合、その責任はエアコンを製造したメーカーにあり、修理・その他破損物などの補修などは、メーカーが責任を持たなければいけないという事です。

製造業などは、1つの商品を1つ作るのではなく、数万台製造している事で、一度問題が起これば、製品の自主回収・販売停止など、メーカー側の受ける打撃も大きくなります。

その上、消費者への賠償などあれば、企業としても経営に響くことになります。

その時に、この生産物賠償責任保険でリスクをカバーするという事になります。

また、この生産物賠償保険は、PL保険とも言われています。

 

企業総合賠償責任保険

この保険は、名前の通り企業の賠償責任を総合的に補償出来る保険であり、これまで書いた企業向けの賠償責任保険を一つにした商品であり、この保険である程度の賠償責任には対応が出来ると言っていい商品です。

取扱いしている保険会社も増えてきていますが、まだまだ、それぞれのリスクに対応した商品を個別に売っている保険会社も多く残っています。

この企業総合賠償責任保険は、施設管理者賠償責任や昇降機賠償責任保険や生産物賠償責任など、事業を運営するうえで考えられるリスクを総合的にカバーできる事と、事業形態によって必要な補償が異なるので、必要な補償を選べるという利点がある商品であるのです。

必要な補償の必要な金額を選ぶことにより、企業のリスク管理をしやすくなる商品であると言えます。

 

2-3その他の賠償責任保険

これまで、個人向けと事業者向けの賠償責任保険の種類を書いてきましたが、もっと身近な賠償責任保険があるのです。

賠償責任保険と言われると、ピンと来ないかもしれませんが、広域な解釈で言うと、自動車保険も賠償責任保険なのです。

自動車保険の目的は事故を起こした時に、自己相手への対人・対物の賠償責任に対する保険です。

相手の物(自動車や自転車)を壊してしまったために、弁償をしなければいけない。

相手の人がケガをしたので、治療費を払わなければいけない。

そう考えれば、賠償責任保険も身近なものであると言えると言えるのではないでしょうか。

また、賃貸物件に住んでいる方は、入居時に火災保険に加入したと思いますが、その保険も自身の家財道具を守る以外に、借りている部屋を燃やしてしまった場合や、破損させてしまった場合には、原状回復して大家さんへ返さないといけません。その賠償責任に対応するのが、火災保険の追加補償である、借家人賠償責任保険と言う保険なのです。

火災保険に加入しないといけないのは、この借家人賠償責任保険を準備していないといけないためなのです。

 

3.個人賠償責任保険の支払い事例

個人賠償責任保険に関して、その概要を説明してきましたが、意外にその支払事由や、免責事項と言われる、支払いの対象にならない事項について、知っている方は少ないと思います。

そこで、個人賠償責任保険の支払い事例や支払われない場合などを、事例と共に解説していきます。

 

3-1保険金の決め方

個人賠償責任保険の事故例と支払事例を書いていきたいと思いますが、その前に、損害保険の保険金支払いまでの簡単な流れを説明しようと思います。

自動車保険や火災保険も同じですが、事故が起こり損害を与えた人や物に対して、それが事故前の状態に戻すのにかかったお金が、損害金と言うものです。

弁償した金額や、治療費などがこれになります。

また、その間に仕事が出来なかった、営業が出来なかったなどが、休業損害などの慰謝料になってきます。

さて、その損害金はどのように決めるのか。

意外に簡単なのですが、人であれば、ケガが治るまでの治療費(医者がもう治ったと言うまで)であり、物であれば、同じものが買える金額か修理代です。

一見すると揉めなさそうですが、意外に支払いを巡って揉めるケースも多いのです。

そして、損害金を決めるのは保険会社なのですが、その決め方は、事故後に調査員が損害物の確認をします。

その調査結果を見て保険会社の損害調査課が、適正な損害額を決定し、当該保険の約款・契約内容に基づき保険金が支払われます。

また、損害額によっては、写真と修理見積りだけで判断する事もあります。

また、約款と言うルールブック的なものはありますが、人の判断なので、免責事項に近い場合などは出るケースと出ないケースがあるという事も覚えておいてください。

ここに書くことでも、保険会社や報告の仕方で出ないという事もあり得ます。

 

3-2支払い事例

それでは、支払事例を書いていきこうと思います。

先ほども述べましたが、あくまでも一例であり、また確実に支払われるとは限らないのは頭に置いておいてください。

 

自転車事故の場合

良く例えにも出される事例ではありますが、近年多くなっている事例であることは間違いないです。

状況:信号のない交差点を自転車で直進中に、横から出てきた歩行者と接触し、歩行者が転倒して軽傷を負ってしまった。

この様な状況は、いつ自分の身に降り注ぐか解りません。

そして、この様な場合に個人賠償責任から支払われる保険金は、歩行者の治療費とカバンや持ち物で破損したものがあれば、その修理代になります。

自動車等の事故で、過失割合と言うものを聞いたことがあるともいますが、自動車同士ではあり得るのですが、自動車と自転車や自動車と歩行者などの事故では、交通弱者である、自転車や歩行者が守られるようになっています。

自転車と歩行者の場合も、交通弱者である、歩行者が守られるようになりますので自転車側に責任が発生します。

そして、ここで少し覚えていてほしい事は、警察は民事不介入と言い、事故でも物損事故等は事故の受付をしてもそれ以上の事はしてくれません。

弁償する事や、治療費を出して欲しいと言うお金に関する事は、民事と言い当人同士で解決するのが基本と言えるのです。

私が対応した事故では、互いに軽傷で済んだことも幸いしましたが、相手方への治療費だけの支払いで済みました。

ちなみに金額的に言うと、数十万円という所です。

また、あとで少し書きますが、自転車事故でも賠償金が数千万に及ぶこともありますので、自転車の運転には気を付けてくださいね。

 

借家人賠償責任の場合

個人向けの賠償責任であまり聞いたことが無いと思いますが、賃貸物件等に入居する場合に火災保険に加入すると思いますが、その火災保険についている特約に借家人賠償責任保険があります。

これも、内容は説明したので、支払事例を書いていきます

賃貸物件に住んでいて、退去する際に、洗面台が割れていたので、修理代を出して欲しいと大家さんから言われている。と言う相談を受けたことがあります。

私が担当している保険ではなかったのですが、場合によっては借家人賠償責任で対応できると伝えました。

話を聞くと、引っ越し作業中にドライヤーを過って洗面台に落としてしまったという事でした。

この場合に焦点になるのは、入居者に過失があったか無かったかという事と、洗面台の瑕疵・劣化が無かったかどうかです。

まず、過失があるかないかですが、少しでも知識がある人は、事故を装って保険金で何とかしてもらおうと思う人も少なからずいます。

しかし、割ってやろうと思って割る人はさすがにいないと思いますが、手が滑って洗面台を割ってしまったというのは、偶然の事故であり、また洗面台は備え付けの物であれば、所有者は大家さんになります。

そして、瑕疵・劣化についてですが、大家さんは部屋を貸すに当たり、様々なものをメンテナンスする必要があります。

何年・何十年も使っていると、何でも劣化しますが、充分にメンテナンスされていて、普通に使っていればそのような事にはならないという状態であれば、その時点で賠償責任が発生します。

その2つが揃った時点で、借家人賠償責任保険の対応が出来るという事です。

賠償責任が生じても、入居者が故意に破損させていた場合は、もちろんですが、保険の対象にはなりません。

また、混乱するケースとして、借家人賠償責任での対応か、個人賠償責任どの対応か迷う場合があります。

それは、マンションやアパートで水漏れを起こし、階下の住人の財産を汚損・棄損させてしまった場合です。

賃貸物件での事例が多く、借家人賠償と考える方も少なくないのですが、普通に考えて、第三者の財産(家財道具など)を破損しているので、損害賠償になり、個人賠償責任での対応になるという事を覚えておいてください。

 

3-3免責事例

支払いの事例を書きましたが、免責事項もあり、またそれ以外でも保険会社が事故性を認められないと判断した場合など、保険金が支払われない場合があります。

ここでは、そんな事例を少し紹介していきます。

 

契約者の過失や故意による事故

これは約款にも書いている、最も一般的な免責事由になります。

解りやすく言うと、自分に重大な過失があることや、ワザと起こしたような事故には保険金は支払いませんという事です。

この重大な過失とは、物を使う際に商品のメーカーなどが取り扱いを説明し、禁止しているような使い方をして事故を起こしたような場合です。

極端に言えば、自転車のブレーキを取ってしまったり、ライトを取ってしまった状態で夜間走行するなど、あからさまに事故を起こすようなことをしていると、重大な過失があったとみなされることがあります。

また、故意による事故というのも、上記の様な事や、友達同士や知人同士など、事故になると解って起こすことなどいなり、場合によっては保険金詐欺になりえるような事例になります。

 

その他の免責事例

その他の免責事例は、当たり前の事ですが、賠償責任が生じない場合になります。

例えば、自宅に小さい孫が遊びに来て、テレビを壊した場合など、賠償責任が生じるでしょうか?

厳密に言うと生じるのかもしれませんが、自分の孫が壊したものを、親である自分の子供に請求するでしょうか。

一般的に言うと、この場合は損害賠償が発生しないケースであり、その場合はもちろんですが、保険の対象にはなりません。

基本的には、賠償責任があり損害賠償請求をされると、余程の事が無い限り保険金は支払われると思います。

実際に個人賠償責任では、免責になった記憶が少ないのと、事故率が低く請求する事案も少ないと言うる商品でした。

 

4.個人賠償責任と日常賠償責任

個人賠償責任と日常賠償責任の違いは、先ほども説明しましたが、もう少し詳しく説明していこうと思います。

この賠償責任保険は、基本的に各保険(自動車保険・火災保険・傷害保険)の特約としてセットするのですが、保険によって名称だけでなく内容が少しずつ変わるので、その内容も説明していきますので、ご自身が加入している保険にセットできるのか、またどの保険でセットすればいいかが解ると思います。

 

4-1加入の仕方

この加入の仕方ですが、先ほども書いた通りですが、個人賠償責任や日常賠償責任などの個人向けの賠償責任に関しては、単独の販売が少なく自動車保険や火災保険や傷害保険などの保険の特約としてセットすることが一般的と言えます。

その為、どれかの保険に加入していると、特約をセットできるという事と、保険会社によっては、セットする保険によって少しずつ内容が違うので、お気を付けください。

4-2自動車保険の場合

自動車保険は自動車を所有している方であれば、加入している方も多いと思いますが、自動車に関する補償だけではなく、個人賠償責任に関する補償がある事をご存知の方は少ないのではないでしょうか。

保険会社によって変わりますが、自動車保険にセットできる個人賠償責任は、保障額が無制限である事があります。その他の保険商品では限度額が決まっていることが多く、自転車事故で歩行者の方が大きなケガをした場合や、亡くなってしまった場合には高額な賠償額になる場合も少なくありません。

そのような時に保障額が無制限であれば、相手を困らせることはなくなる上に、ご自身を守る事にも繋がります。

また、自動車保険に特約としてセットする事で、示談交渉サービスを受けられることが多いので、そこもメリットである場合があります。

 

4-3火災保険の場合

火災保険に関しては、持ち家の方でも、賃貸物件に住んでいる方でも加入していると思います。

その火災保険にも、賠償責任を補償する保険が特約でセット出来ることが多いです。

火災保険の場合は、個人賠償責任ではなく、日常生活賠償と名前が違うことがありますが、これも先ほど書いた通り、内容は同じです。

自動車保険と違うのは、保障額であり、2,000万円までなど上限が決まっている場合が多く、最大でも1億円ぐらいまでの補償だと思います。

これも、保険会社によって補償額なども変わるので、ご自身の火災保険の保険会社に問い合わせてみてください。

また、火災保険の場合でも保険会社によっては、示談交渉サービスを受けられる場合もありますので、そちらも確認ポイントになります。

 

4-4傷害保険とその他の保険の場合

傷害保険とは、ケガによる入院や通院に掛かる費用を補償してくれる保険ですが、その傷害保険にも個人賠償責任保険が特約としてセットできます。

火災保険と同じように、限度額が2,000万円までと上限がある場合がほとんどであり、その他の補償内容は、自動車保険や火災保険と変わりません。

また、自動車保険や火災保険や傷害保険以外では、個人向けの賠償責任保険が特約でセットできるものは無いと思っていただいて良いと思います。

 

5.近年の損害賠償責任における判決例

近年では、様々な損害賠償責任に関する裁判が行われています。

ニュースなどでも、見たり聞いたりした事があるかもしれませんが、裁判になるとその損害額は多額になりえる場合があります。

ここでは、そんな裁判例を少し紹介していきます。

 

5-1自転車事故の場合

2013年に神戸で出された判決になりますが、自転車事故での賠償額は9,500万円と高額になっています。

事故内容は、小学生のお子さんが、坂道を自転車で下っていた際に、歩行者である女性に気付かずに正面衝突して、後遺症の残るケガを負わせてしまったという事故です。

日常の中でも、特別なシチュエーションではないと思われます。

しかし、その賠償額は時に1億円を大きく超えることもあるのです。

治療費や逸失利益や慰謝料などが賠償金の内訳になるのですが、逸失利益に関して言えば、被害者の年齢や職業によっても大きく異なりますが、一般的に年収が高い職業の方や外で仕事をしている方だけでなく、専業主婦の場合でも月23万円前後の逸失利益が認められているという事も覚えておいて欲しいところです。

 

5-2その他の事例

自転車事故が多く取り上げられますが、その他の事例も数々あり、その中の1つを紹介しようと思います。

「小学生が校庭でサッカーの練習をしている際に、蹴ったボールがゴールを大きく外し、また塀をも超えて道路にまでボールが出てしまい、バイクで通行していた男性がボールを避けようとし、転倒してしまった。その後、男性は入院中に死亡してしまった」と言うケースがあり、地方裁判所・高等裁判所では、子供の親に対する賠償責任を認めていたが、塞翁裁判所での判断は、しっかりと整えられた施設の中での遊戯であり、親に指導責任を負うことが出来きれないとし、加害者側の損害賠償を認めないと言う判決例も出されています。

損害賠償と言うのは、判決も難しくなることもあり、様々な判決が出ている事と、事故の状況によっても判決が変わるという事を覚えておいてくださいね。

 

6.まとめ

個人賠償責任保険について書いてきましたが、いかがでしたでしょうか。

大きな枠組みでの賠償責任保険には、個人向けと事業者向けの2つがある事や、個人向けの賠償責任でも、個人賠償から借家人賠償など様々な保険があります。

また、事業者向けの賠償責任にも、様々なリスクに備える保険が存在します。

一昔前までは、子供が遊んでいて窓ガラスを割ってしまったり、花壇を破損させてしまっても、近所の大人がカミナリを落としてそこで子供も大人になっていった時代もあったと思います。

この記事を読んでいる方でも、そんな経験をしたことのある方もいるのではないでしょうか。

しかし、近年ではすぐに損害賠償の訴訟など世知が無い世の中になってきています。

便利な世の中になって子供用の自転車でもスピードの出るようなものもあれば、子供の遊ぶ場所なども限られてきます。

また、「ごめんなさい」では済まされない事も多くなり、大人も子供も自身を守るため、被害者の生活をも守るために、個人賠償責任保険などの保険も検討し、どのような時に使えるのかも勉強しておくといざと言う時に、役に立つことでしょう。

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