「子の将来のための保険は何が良いだろう?」、出産予定または既に子を持つご夫婦の内、子のための保険加入を検討中の方々もいらっしゃることでしょう。
子のための民間の保険商品として真っ先に重い浮かぶのが学資保険です。その他、終身型の生命保険でも子の教育資金を確保することは可能です。
ただし、学資保険や生命保険にはそれぞれ異なる特徴があり、当然メリット・デメリットも存在します。
また、各ご家庭の事情によって、学資保険に入った方が良い場合や、生命保険で代用した方が良い場合、はたまた学資保険・生命保険の両方の特徴を兼ね備えた「こども保険」に加入した方が良い場合もあることでしょう。
なかなか比較する保険商品が多いので、保険選びに迷われることもあるはずです。
そこで今回は、生命(終身)保険の特徴や学資保険の特徴等を比較しつつ、子の将来のために加入するべき保険商品について解説していきます。
この記事を読めば、各ご家庭の状況も踏まえた子のための保険選びに良い参考資料となるでしょう。
1.子のために加入する保険について
私たち夫婦には子が生まれたばかり、一安心といったところですが、これから問題になるのは子のための保険をどうすれば良いかということ。
子の学習費がどれ位になるか気になるし、子がいつまでも健康でいるとは限りません。
まず子のための保険として検討できる商品を知りたいです・・・。
こちらでは、子のための保険として加入が想定される商品と、子にかかる学習費等について解説します。
1-1.多種多様な保険会社の保険商品
子のための保険としてあげられる商品として、まず「学資保険」があげられます。
この保険はその名の通り、子の将来のために教育資金を積み立てておく商品です。
また、子の教育資金や、病気・ケガの医療費、そして子の万が一の事態に下りる保険金も設定されている「こども保険」が存在します。
一方、子のためだけの保険というわけではないですが、生命保険(終身保険)もその対象となる商品と言えます。
このように、子の将来のために備える保険商品は数多く存在し、加入を希望する場合、ご家庭の事情に応じた保険選びが必要になります。
1-2.子の学習費等はどれ位?
子の学習費は、幼稚園入園から高校卒業まで、公立または私立に進むかで必要な費用が大きく異なります。また、大学進学や塾の利用も想定するならばより多額の費用が必要です。
こちらでは、幼稚園入園~高校卒業の学校教育費と、大学に入学した場合の学習費の目安を取り上げます。
下表をご覧ください(幼稚園~高校:学校教育費比較表は文部科学省報道発表『平成26年度「子供の学習費調査」の結果について』を参考に作成、大学:学習費比較表は独立行政法人日本学生支援機構『平成26年度学生生活調査』結果の概要を参考に作成)。
〇幼稚園~高校:学校教育費比較
学校教育費は①授業料、②修学旅行・遠足・見学費、③学校納付金、④図書・学用品・実習材料費、⑤教科外活動費、通学関係費等が該当します。
幼稚園~高校卒業
幼稚園 | 公立 | 私立 |
授業料等(1年間) | 119,175円 | 319,619円 |
3年保育 | 357,525円 | 958,857円 |
小学校 | 公立 | 私立 |
授業料等(1年間) | 59,228円 | 885,639円 |
6年間 | 355,368円 | 5,313,834円 |
中学校 | 公立 | 私立 |
授業料等(1年間) | 128,964円 | 1,022,397円 |
3年間 | 386,892円 | 3,067,191円 |
高校 | 公立 | 私立 |
授業料等(1年間) | 242,692円 | 740,144円 |
3年間 | 728,076円 | 2,220,432円 |
公立・私立の差は、特に義務教育である小学校・中学校で大きく広がっています。
公立小学校・中学校は授業料が0円である分、私立小学校・中学校との費用の差は、小学校6年間で約15倍、中学校3年間で約8倍です。
さらに、学校の給食費、塾の費用も必要な場合、教育に関する費用の負担はより大きくなります。
〇大学進学~卒業:学習費比較
学習費には①授業料、②修学費・課外活動費・通学費、③その他の学校納付金等が該当します。
大学 | 国立 | 公立 | 私立 |
授業料等(1年間) | 647,700円 | 666,300円 | 1,361,600円 |
4年間 | 2,590,800円 | 2,665,200円 | 5,446,400円 |
上記の表の学習費に加え、初年度の入学金や、在学または卒業後の留学費用、子がアパートで一人暮らしする費用を想定するならば、更に多くの費用が必要です。
そのため、ご家庭の貯蓄も大切ですが、それにプラスして何らかの民間の保険へ加入し、保険金等の活用を検討することは、教育に関する費用を賄う重要な方法の一つとなります。
1-3.親の万が一も考える
ご家庭によって、祖父母が孫のために教育資金を支払うことはあるかもしれません。
しかし、基本的には子の両親が教育資金を貯め、必要な時に教育機関等に支払うこととなります。
そのため、大黒柱であるご主人が過労や不運な事故で亡くなった場合には、母子ともに生活費に苦慮することが想定されます。
ご主人が勤務する事業所から死亡退職金が支給されたり、遺族年金を受け取ったりすることもできるでしょうが、最悪の場合、子が進学を断念しなければならない可能性もあります。
そこで、ご主人が早い段階でまさかの事態を想定し、生命保険に加入しておくことも賢明な方法です。
もしも、子の将来のためを考えて生命保険に加入する場合、生命保険の中でも「終身保険」と呼ばれる商品を選ぶことがおすすめです。その理由は次章で解説します。
2.生命保険について
子のためのお金を遺すことは、子の将来のために必要なことですね。保険の加入は、まさしくそのための備えの一つと言えます。
では、子のために生命保険へ加入するとどんなメリットがあるのでしょう?詳細を知りたいです・・・。
こちらでは、生命保険の特徴と、子の将来のために加入するべき保険のタイプ等を解説します。
2-1.生命保険とは
生命保険とは被保険者が、死亡または高度障害状態になった時に、保険金が下りる商品のことです。
〇死亡だけに限らない保障範囲
実際に亡くなってしまった場合の他、被保険者が生存していても、重大な障害状態が残った(つまり回復の見込みがない)場合ならば死亡保険金と同額の高度障害保険金が下りることになります。
たとえ、一家の大黒柱である被保険者が亡くならなくても、障害を負い働けなくなった場合、その保険金を利用し、子の教育資金を賄うことができることも可能です(なお、収入減少に関する保障には「収入保障保険」という保険商品もあります)。
そもそも保険金は使途が自由であり、被保険者の障害に関連する介護費・医療費は公的な給付制度(障害厚生年金または障害基礎年金等)を活用し、保険会社から下りた保険金を家族の生活費や子の教育関連費に充てることも可能です。
〇生命保険のタイプは2種類
生命保険には、一定期間にわたり保障の効力が続き、その期間に死亡または高度障害状態となった場合、保険金が受取人へ下りる「定期保険」と、一生涯にわたり保障を約束される「終身保険」があります。
いずれも死亡・高度障害状態になった場合に多額の保険金を設定でき、一家の大黒柱であるご自分がまさかの事態になった場合に、保険会社からまとまった保険金が受取人へ速やかに支払われます。
ただし、子のためを考えた場合、定期保険よりも終身保険に加入する方がより充実した備えとなります。その理由は次項で解説します。
2-2.子の将来も考えるなら終身タイプの生命保険
定期保険は、毎月の支払う保険料がやすく加入年齢や保険金の設定額にもよりますが1,000円~4,000円程度が目安となります。
ご家族のために一定期間(例えば働き盛りの期間)に、手厚い保障を備えたい場合には向いている保険商品と言えます。
しかし、子のための教育資金も考えた保険選びを考える場合には、終身保険へ加入することが賢明と言えます。その理由は次の通りです。
〇終身保険には解約返戻金がある
終身保険は、一生涯の保障を受けることができて安心というメリットはあります。
その他、保険を途中で解約すると「解約返戻金」が戻る終身保険も数多く存在します。
解約返戻金とは解約した場合に戻ってくるお金ですが、この解約返戻金が子の教育資金となるのです。
死亡・高度障害保険金はあくまで被保険者であるご自分が、死亡または高度障害状態になった場合に受け取れる保険金です。
つまり、この多額の保険金を受け取るためには、子にとって教育資金が必要な時期、この不運な事態の発生が条件となります。
ただし、この不運な事態が起きなくても、終身保険では教育資金が必要となったならば、解約返戻金制度を活用し子の教育資金に充てることが可能です。
一方、前述した定期保険では,この解約返戻金制度が設定されていない場合が多く、教育資金を必要とする時期に保険金がタイミングよく下りるとは限らない一面もあります。
〇解約返戻金の推移を考慮する
解約返戻金はいつでも解約が可能で解約に条件はありません。加入契約者にとって都合の良い時期にお金を受け取ることができます。
ただし、戻ってくるお金は一定ではなくその金額は「解約返戻率」に影響されます。
この解約返戻率とは、現時点で解約した場合に戻ってくる、これまで支払ってきた保険料と受け取るお金の割合を指します。
この解約返戻率が100%を超えていたならば、受け取る加入者側が得をしたことになります。
解約返戻金制度を利用しお得にお金(教育資金)を受け取りたいのならば、子の進学に合わせて解約すれば最も解約返戻率の高くなる時期を考慮に入れて加入することが大切です。
2-3.生命保険に加入する際の注意点
終身保険は解約金制度を設けており、解約時期は自由に選べますが次のような注意点もあります。
〇支払保険料が高額になる場合も
設定した保険金額や加入年齢にもよりますが、毎月の支払保険料は高額になる傾向があります。
ケースによっては数万円に上る場合もあり、ご自分の家計の状況を考慮して加入するべきでしょう。
このように高額となる傾向があるのは、一生涯保障であるため保険契約者が解約しない限り、保険会社は死亡保険金を確実に受取人へ支払う必要が出てくるからです。
保障が確実である分、その保険料負担も大きくなってしまいます。
〇解約時期によって、返戻金がわずかな場合も
解約はご自分が必要と思った時期にいつでも行えますが、契約後に数年程度しか経過していない内に解約すれば、解約返金額が非常にわずかしか戻らないこととなります。
保険を見直したい場合、早めの解約は無用な保険料の支払いを軽減する方法といえますが、子のための教育資金として最初から解約返戻金を使いたいならば、前述したように、解約時期を慎重に考慮して解約するべきでしょう。
解約した場合に返戻金がどれ位ご自分へ戻ってくるかは、契約締結した際、保険会社から取得した「保険のしおり」等に記載されている「解約返戻率推移表」を参考としましょう。
3.学資保険について
生命保険(終身保険)には、解約返戻金制度があって被保険者にまさかの事態が無くても、保険解約して戻ってくるお金を教育資金に充てることができる点はわかりました。
では、子の教育資金を賄うことに特化した学資保険には、どんなメリットがあるのでしょう?
こちらでは、学資保険の特徴とその注意点等について解説します。
3-1.学資保険とは
学資保険とは、子の将来の教育資金を賄う目的に特化した保険商品です。
子の学習費等は、数千万円に上る可能性もあり、できるだけ早い時期(可能ならば子の出生前から)に加入することが賢明です。
学資保険は、単に満期になったらまとまった学資保険金が受け取れるだけではなく、入園や入学の度に「入学祝い金」が受け取れて、ランドセル代や入学金に充てることができる保障内容もあります。
また、学資保険金を分割して学資年金として受け取れたり、主契約に付加する形で医療保障等を設定できる特約を選べたりすることも可能です。
3-2.学資保険は貯蓄性がメイン?
学資保険は概ね返戻率が高いことが特徴です。学資保険金として返ってくるお金は103%~110%となり、外貨建てで学資金を運用する形をとれば130%を超える場合も期待できます。
学資保険は貯蓄メインで効率的にお金を積み立て、教育資金への活用のみを目的として運用するという仕組みです。
一方、子の小さいうちは病気やケガをしやすいので、そのための保障も同時に備えたいならば、医療保障等を特約として設定できる学資保険もあります。
ただし、その分、毎月支払う保険料は高くなり、返戻率が若干下がってしまうことになります。
学資保険金の返戻率を重視するか、子のための医療保障を考慮に入れるかは、ご夫婦で良く考えて決定しましょう。
3-3.学資保険の注意点
学資保険は、子のための教育資金を引き落としで支払うことになるので、強制的に積立が可能です。
ついつい生活費へ給与等の多くを使ってしまいがちなご夫婦には、打ってつけの積立方法でしょう。
ただし、学資保険である以上、子の教育資金として使われるべきお金のなので、受け取りは祝い金の設定した時期か、満期になって学資保険金が下りる時まで待つ必要があります。
また、学資保険には加入契約する人(主に親)の年齢ではなく、被保険者となる子の年齢によっては加入できない場合もあります。
概ね各保険会社では、幼稚園への入園前までの加入を条件としている場合が多いです。
子が7歳くらいまでに加入できる学資保険もありますが、その種類は限られています。
学資保険に加入を希望する場合には、出産140日前(妊娠6ヶ月)~出産直後できるだけ早い時期に契約することが大切です。
4.生命保険と学資保険の比較
生命保険も学資保険も、メリット・デメリットとはそれぞれあることがわかりました。
是非、生命保険や学資保険を比較して判断したいです・・・・。
こちらでは生命保険と学資保険の比較しつつ、子のための保険の選択肢について解説します。
4-1.子のためにどちらが良いか?
ご家庭の経済状態や、子の人数も考慮し学資保険に加入し、最初から教育資金として積み立てる方法もあれば、生命保険(終身保険)へ加入し子の教育資金を含めた家族全体に必要な生活費等の備えとする方法も考えられます。
ただし、学資保険の場合は子が何歳になっても加入できる商品というわけではなく、年齢制限もあることに注意が必要です。
子のためにどのような保険へ加入するべきかは、子が出生する前にご夫婦で十分話し合って検討するべきでしょう。
その際には、保険の保障内容のみならず、公的な給付制度(各公的年金制度や、地方自治体が扱う「こども医療費助成制度」等)の利用も考慮に入れて判断することが賢明です。
4-2.生命保険と学資保険の比較表
こちらでは生命保険や学資保険を比較してみます。下表を参考にしてください。
項目 | 生命保険
(終身保険) |
学資保険 |
保険料払込期間 | 子が0~18歳 | 子が0~18歳 |
返戻率(目安) | 101~103% | 103~110% |
解約返戻金(学資保険金)受け取り時期 | いつでもOK | 大学入学または在学中 |
加入者(主に親)死亡等の場合 | 契約で設定した保険金が速やかに受け取れる | 保険料支払いが免除される場合あり、契約で設定した時期に学資保険金等を受け取る |
生命保険の方が学資保険より返戻率は低めですが、契約に関してはいつでも自由に解約して返戻金を得て構いません。
また、学資保険は加入者(主に親)死亡等の事態が発生した場合、あくまで被保険者は子であるため、保険加入者(主に親)の死亡には影響されません。
そのため、多額の死亡保険金等は下りないことになります。ただし、その後に大黒柱となっていた人が亡くなったことで生活が困窮し、保険料がご家庭の負担になるケースを踏まえ、各保険会社では「保険料払込免除特則」と設定している場合が多いです。
保険料払込免除特則とは、保険加入者の死亡等が発生した場合に、以後の保険料を免除する措置です。
保険料は免除されますが、当初の契約通り祝い金や学資保険金を子・遺族が受け取ることは可能です。
上の表を見とみると、返戻率に関していえば学資保険が有利と言えます。しかし、保険加入者が死亡等の場合や、解約返戻金を利用する自由度は生命保険の方が有利と言えます。
4-3.実は子のための保険の選択肢はこれだけではない
子のための保険に加入する場合、何も生命保険(終身保険)と学資保険の二者択一ではありません。
その他にも、子の将来の必要資金に利用できるいろいろな保険商品があります。
〇個人年金保険を活用してみる!
その一つが「個人年金保険」です。個人年金保険は主に老後の資金へ活用することを目的とした保険商品です。
意外かもしれませんが、この個人年金保険も子のための資金に利用できます。
こちらは、契約時に定めた期間・保険料を支払い、年金受取り開始時期(この場合は親が保険加入者であり被保険者)から、毎年決められた金額を受け取るという方法です。商品の中には受け取りを月単位に設定できる場合もあります。
その際に、個人年金保険の中でも「確定年金」の場合なら、契約時に定めた一定期間、被保険者(つまり親)が生きている限り年金は継続して下ります。
更に、年金受取り期間中に被保険者が死亡しても、契約した期間まで遺族へ年金が下りることになります。親が途中で亡くなっても契約の解消とはならないのです。
この方法を行えば、学資保険ならば契約時に設定した子の年齢の時期にしか学資保険金等を受取ることができないものの、個人年金保険ならば年金という形で例外なく受け取れます。
つまり、子が浪人したり大学を留年したりした場合も、年金を教育資金として活用できるわけです。
〇こども保険や低解約返戻金型保険もある!
子の進学と共に病弱であることへの保障も備えたい場合や、終身保険の弱点である返戻率の低さを補い、解約の自由度も学資保険より高い保険商品は無いかと検討しているならば、次のような保険商品も存在します。
- こども保険:教育資金、医療保障、死亡保障等の要素を含んだ、子のための総合的な保障を約束した保険商品です。
- 低解約返戻金型保険:生命保険商品の1種で、解約する際の返戻金に制約があるものの、結果的に解約返戻率が学資保険以上になり得る保険商品です。
次章ではこの2つの保険商品について解説します。
5.こども保険について
返戻金の高さも興味はありますが、子が病気がちになったりケガをしたりした場合の保障もやはり重要ですね。
こども保険について是非詳細を知りたいです・・・。
こちらでは、こども保険の特徴と保障内容等について解説します。
5-1.こども保険とは
こども保険は実のところ、子供向けに販売されている保険の総称を指します。教育資金を積み立てることが主目的の学資保険の他、子を対象とした医療保険・生命保険もこちらに該当します。
ただし、学資保険には特約として療保障・死亡保障を備えた商品も存在し、「こども保険=学資保険」と解釈されることがあります。
そうは言っても、「○○の保障内容を備えていたらこども保険。」という厳密な条件は無く、子を対象としている保険ならば大まかな括りでこども保険に該当することとなります。
ただし、今回の記事では学資保険と区別するために、教育資金、医療保障、死亡保障等の要素を含む子のための保険を「こども保険」と定義して解説します。
5-2.こども保険の保障内容
こども保険は各保険会社・共済から販売されていますが、概ね次のような保障内容になります。下表を参考にしてください。
〇こども保険の保険内容
保険金等 | 内容 |
①教育資金関係 | 専ら「成長祝い金」という形で一定の年齢に達すると受け取れます。主に入学金や就学の際の必需品(学習机・ランドセル等)の購入を意識した保障内容となっています。 |
成長祝金 | 各保険商品によって名称は異なりますが、進学時に10万円~50万円程度が受け取れます。 |
②医療保障関係 | 子が病気やケガをした場合、医療機関で治療を受けた費用を補填します。 |
入院給付金 | 子が病気や不慮の事故によるケガが原因で入院した場合、日額で3,000円~10,000円程度が受け取れます。 |
手術給付金 | 子が病気や不慮の事故によるケガが原因で手術した場合、1回につき〇万円という形で給付金が受け取れます。概ね、手術1回につき入院給付金(日額)の〇倍という設定になっています。 |
③死亡・障害保障関係 | 被保険者である子が亡くなった場合や、高度障害状態になった場合に保険金が受け取れます。 |
死亡保険金 | 病気や不慮の事故等によるケガで、被保険者(子)が亡くなったときに下りる保険金です。保険金額は契約時に設定します。 |
傷害・障害保険金 | 病気や不慮の事故によるケガが原因で、被保険者(子供)が所定の障害になった場合、その障害の状態に応じ死亡保険金の10%~100%の保険金が下ります。 |
こども保険の中には、被保険者である子が、他人にケガをさせたり、他人の物を壊したりした場合の補償や、保険加入者(親)が死亡または高度障害になった場合に下りる保険金が設定されている商品もあります。
5-3.こども保険の加入に向いているご家庭
こども保険は、教育資金~死亡保障までを総合的に保障する商品です。そのため、教育資金に特化した貯蓄メインの「学資保険」よりも返戻率の上では期待できません。
ただし、子の進学と同等またはそれ以上に子の健康が心配なご家庭では、ある程度の教育資金も賄え、医療保障に手厚いこども保険で、子が18歳になるまで様子をみるという方法も良い選択肢と言えます。
また、こども保険の注意すべき点としては、死亡・障害保障に関して、あくまで被保険者である子がまさかの事態となった場合に下りる保険金であるという点です。
つまり、保険加入者(親)がまさかの事態になっても、子を含めた遺族にはこども保険から一円も保険金は下りません。
保険加入者(親)がまさかの事態も考慮するならば、個別に親を被保険者とした生命保険に加入するか、こども保険に保険加入者(親)を対象にした死亡・障害保障があるかを確認したうえで加入しましょう。
6.低解約返戻金型と学資保険について
子の教育資金・医療保障等を合わせて考慮する場合には、こども保険も選択肢として有効であることがわかりました。
では、低解約返戻金型保険について詳細を知りたいです・・・。
こちらでは、低解約返戻金型保険の特徴と、学資保険と比較してその有用性を解説します。
6-1.低解約返戻金型保険とは
低解約返戻金型保険とは、保険料を支払っている期間中に解約すれば、戻るお金が低くなってしまうけれども、毎月の支払う保険料を割安にした生命保険を言います。こちらにも終身保険・定期保険があります。
低解約返戻金型保険も子の将来を考えるならば終身型に加入していた方がよりお得です。
通常の終身保険よりは保険料が比較的安くなりますが、保険料の払込を終える前に解約したら、戻る金額が元本のおよそ7割以下に減額されてしまいます。
しかし、継続して保険料を支払い、保険料の払込が満了した後で解約すれば、お金がたくさん戻ります。
6-2.低解約返戻金型保険の特徴
低解約返戻金型保険の返戻率は各保険商品や契約期間等にも関係しますが、払込満了後は約105~130%となります。
終身型の場合は約110%~130%、定期型も解約返戻金が設定されており約105%~115%程度の解約返戻率が期待できます。
低解約返戻金型保険はいつでも解約ができるものの、保険料の払込満了までは解約を待った方が無難です。
そのため、この保険を子のために利用する場合なら、保険料の払込が満了した後、子の教育資金が最も多額になる大学入学時~卒業の頃、ちょうど返戻率がピークに達するよう、タイミングを見計らって加入することがおすすめです。
6-3.低解約返戻金型と学資保険の比較
低解約返戻金型保険(終身)と学資保険の返戻率を比較すれば、およそ次の通りになります。
返戻率 | 低解約返戻金型終身保険 | 学資保険 |
払込期間(満期) | 110%~130% | 103~110% |
据え置き(10年後) | 130%以上 | 不可 |
低解約返戻金型終身保険の場合、保険料の払込期間を短めにすると、返戻率はあまり学資保険と変わりません。ただし、据え置きもできるのでその分、解約返戻率は高くなります。
つまり、貯蓄で教育資金が十分賄える目途が立つなら、無理に利用する必要ななく他の目的に活用しても構いません。
一方、学資保険は契約で定められた期間に学資保険金が下りるので、「今は必要ない。」と受け取りを拒否することはできません。
なお、学資保険の祝い金に関しては受け取らなくても良い場合が多く、そのまま据え置けば利息が付くこともあります。
7.まとめ
子の将来を考える際には、教育資金も大事ですがやはり子の健康も同等以上に大事です。
保険の返戻率ばかりを注目せず、子の病気やケガの保障内容等も考慮しながら保険選びを検討しましょう。