大学卒業後、損保ジャパン日本興亜代理店の保険会社にて5年以上勤務し、年間100組以上のコンサルティングを行う。
その後、2016年6月より保険ブリッジの記事監修を務める。
近年、日本人の生活スタイルの変化から、医療機関の営業時間も延びています。
しかしながらほとんどの場合は、平日の営業が当たり前で土日を休業としているのが現状です。
土日に営業した方が沢山の人が受診することができるし、沢山来るということは儲かるのではないかと思います。
そこで本記事では、土日に営業していない医療機関が多い理由について、解説していきます。
- 医者が日曜日に休む理由
- 医師会と病院が土日に開いていない関係
- 医療費の変化と賃金のよる病院が土日に開いていない関係
これらを中心に「医療機関が土日に開いていない理由」について徹底調査していきたいと思います。
「土日に診療している医療機関があったらいいのに」
と思っている方は特に必見の内容となっているので、ぜひ参考にしてみて下さい!
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医者が日曜日に休む理由
医療機関では、初診・再診等の加算の他、時間外加算、土日加算等があります。
わたしたちは、この制度によって平日の営業時間外の診療を応援しているように思います。
しかし、そのような制度がありながら、なぜ土日に営業をすることは少ないのでしょうか。
この背景には、日本社会の在り方はもちろんのこと、
- 医師会の存在
- 様々な医療機関の確保
- 医師や従業員の仕事の膨大さ
- 医療機関を利用する主な年齢層の関係
- 医療費と賃金の問題
それでは早速、医者が日曜日に休む理由をみていきましょう。
利用者の年齢層
医療科目によって多少の変動はありますが、医療機関を訪れる年齢層の割合は高齢者であることが多いです。
年配の方は、わざわざ休日の混む日に受診する必要はなく、定期的に利用してくれる高齢層を意識した場合には、平日の営業の方が効率がいいとされているようです。
時間外の仕事
医師や従業員は、診療をしている時間だけが仕事のように思います。
しかし、診療日以外や平日の深夜、半日診療の午後には、あらかじめ手術の予定を入れたり、入院患者の治療・検査・診察、施術前の患者さんや家族に時間をかけて行うインフォームドコンセントなどをしています。
これは小さなクリニックの場合も同様で、今後の治療について話しあったり、準備する時間が必要になります。
つまり、医療機関での仕事は膨大であることが多いのです。
これにより休日等の出勤が難しくなります。
医師会の存在
3次医療といわれる「高度で最先端の医療」をしている公立の大病院が主催する、専門医の学会・勉強会・研究会などは土日に行われることが多いです。
これにより、必然的に休日が週末祝祭日になります。
また専門医になるには、一定以上の回数の参加が必須となっているようです。
これにより土日の人材確保が難しくなります。
どちらかというと、土日営業をする場合には、クリニック側から医師会などに入ることを断ることが多いようです。
医師会の会費は結構な出費があり、経営努力の一番に上がるとしたら無駄な経費と判断されます。
医療機関と人員の確保
大病院では、それぞれ違う免許を持っている人が、その免許に応じた仕事をしています。
- 医師
- 看護師
- 薬剤師
- 放射線技師
- 臨床検査技師
- 理学療法士
おまけに日曜日を普段と同じように診療していれば、検査技師、病院の薬剤部、事務、会計、受付などで働く方にも土日に働いてもらうことになります。
これらの人材を確保するには、これまでの1.2倍は増ふやさなければいけないようです。
医療費の変化と賃金
医療費に記載されてある「休日加算」は、もし土日を診療日に加えた場合には、休日加算を算定する事が出来ません。
土日であっても、普通の営業日のように扱われてしまうのです。
平日はサービス料金で、土日は料金を上乗せして請求ということはできないのです。
しかも、休日加算を算定できない上に、従業員には「休日出勤手当て」をつけて人材を確保し、外部機関の休日活動も特別契約などで確保する必要性が生じます。
この外部機関には、円滑にクリニックを営業するのに必要な医療器械のメンテナンス会社はもちろん、外部検査機関、薬卸会社、保険所などが平日と同じように受けられることが前提となります。
つまり単純に土日は人材もサービスも経済性も確保するのが難しいことから、休日を土日にしているのです。
休日の申請
一般の「健康保険適用施設」になるには、休日を週3日以内(祝日・臨時休業を除く)で表示しなければならない規則になっています。
それで通常は、水曜または木曜と土日を休みにするところが多いようです。
これは「時間外」「曜日外」の収入計算時に必要とされるためにあらかじめ登録されています。
さいごに
日本では、土日が営業されていない理由には、
- 医師が高度な医療技術を勉強して学ぶため
- 従業員も他の医療業務にも携わらなければいけない
- 医師や従業員の人件費の確保
- 医療保険や医療費が高騰し過ぎないようにするため
といった理由があります。
医療は、儲け以上に安全で安心して受診できなければいけません。
このため、土日を休業としています。
しかし、大病院では、平日の夜間や休日にも対応してくれる救急病院や、クリニックでも時間外で対応してくれることがあり、土日に、気軽に医療機関を受診することはできないものの、いざというときの医療は確保されています。
もし休日に病院に行きたいということがあれば、「休日診療」で調べてみてください。