癌は早期発見、早期治療が完治への近道と言われております。
そんな癌の初期症状を見逃さないことが早期治療につながるのです。
それでは、主な癌の初期症状について下記のとおり述べさせて頂きますので、ご参考になさって下さい。
1. 肺がん
肺がんは、初期の段階では無症状の場合が多く、体の異変を感じた時には末期だったというケースも少なくありません。
事実、定期検診のレントゲン検査等で偶然見つかったというケースが多い癌です。
主な症状は風邪の症状とよく似ており、咳や痰といったものです。
なかなか症状が軽く気づきにくい肺がんですが、下記の症状が現れる場合は念のため、肺がん検診を受けることをおすすめします。
肺がんの初期症状
空咳が続く、急に咳がひどくなる、息切れがある、痰が増えた、血痰が出た、胸の痛み、モノが飲み込みにくい、食欲が落ち急に体重が減った、首や顔が腫れることが多くなった、疲労感がある
これらの症状は初期~中期にみられる症状で、当てはまるものが多いほど肺がんの可能性が高いです。
肺がんの初期症状が風邪と似ているということを知っているだけでも、最悪のケースを免れることになるかもしれませんので覚えておいてください。
2.胃がん
この胃がんですが、胃炎や胃潰瘍と思い込み発見が遅れるケースがあります。
もし下記のような症状があらわれたらすぐに病院を受診するよう、おすすめします。
胃がんの初期症状
上腹部に痛みや違和感を感じる、消化不良、胸焼け、胃の慢性的な痛み、食後の痛み、食道の奥で食べ物がつっかえる感じがある、お腹が張る
そもそも胃がんは、下記のような人がなりやすいと言われています。
50歳以上、タバコを長期間吸っている、肉、脂質、塩分の多い食べ物をよく食べる方、野菜をあまり食べない方、ストレスを感じている方、慢性胃炎の方、ピロリ菌に感染している方。
中でも胃がんを発症する方の90%以上がピロリ菌に感染しているため、胃がよく痛くなる方は、一度ピロリ菌の検査をされた方がよいかもしれません。
3.大腸がん
大腸がんは、発症部位により大きく2つに分けることができます。
直腸と結腸と呼ばれ、直腸とは肛門付近に位置する部分で、結腸は小腸から結腸の手前までの部分です。
この2つでは初期症状の出方が異なる場合があります。
直腸がんの初期症状
便意をもよおしやすい、残便感がある、便が細くなる、血便、貧血、疲労感
結腸がんの初期症状
腹部に激しい痛み、血便、便が細くなる、下痢をしやすい、お腹が張る、疲労感
事実、下記のような人が特に大腸がんになりやすいので、該当される方は特に気をつけてください。
50歳以上、タバコを長期間吸っている、肉、脂質の多い食べ物をよく食べる方、野菜をあまり食べない方、ストレスを感じている方、日中外に出ることが多い、血縁者に大腸がんを発症した人がいる。
初期症状の中でも血便となると、大腸がんが発生している可能性大です。
検診で便潜血検査ですぐに血便は発見することが出来ますので、年に一度の検診を受診されることをおすすめします。
4. 食道がん
食道は毎日食べ物、飲み物を飲み込む時に使う器官ですので、注意深く観察すれば異変を感じ取ることが可能です。
食道がんの初期症状
飲み込みにくい、喉に異物感がある、刺激物を食べるとのどにしみる、胸や背中に痛みがある、声がかすれる、体重が減る、首の付け根にしこりがある、咳が出る、ふだんの食事の時、違和感を感じることがありましたら、一度検診を受けられることをお勧めします。
また下記の項目に当てはまる方が、比較的にかかりやすいのでご注意下さい。
- 50歳以上の男性
- タバコを長期間吸っている
- お酒をたくさん飲む
- お酒を飲むと顔が赤くなりやすい
- 熱いものや冷たいものが好き
- 野菜を余り食べない
5. 乳がん
女性特有の癌です。
婦人科を受診した際セルフチェックを勧められた方もいらっしゃるのでは無いでしょうか。
またセルフチェックを行う際には、下記に注意して行ってください。
- 生理後の1週間前後に行う
- 閉経後は月に一度日を決めてチェックする
- 入浴前鏡の前、入浴中、バスルーム内、就寝前にベッドの上で行う
- 側面上部に発生しやすい傾向が見られるため、その箇所を注意深くチェックする
乳がんの初期症状
乳房のしこり、乳首のひきつけ、むくみ、晴れ、乳首から分泌液が出る、わきの下にしこりや異物感
下記の項目に当てはまる方は、特に発症率が高いと言われておりますので、定期的な検診をお勧めします。
- 40~50歳代の女性
- 初潮が11歳以下
- 閉経が55歳以上
- 高齢出産
- 出産経験がない
- 肥満
- ストレスを感じている
- 肉、脂質の多い食生活
- 野菜を余り食べない
6.子宮がん
子宮がんの初期症状は生理トラブルの症状と似ている部分がありますので見落としがちです。
私は生理が重いからといって安易に考えないよう、特に30歳以上の女性は定期的な検診をお勧め致します。
子宮がんの初期症状
生理以外の不正出血がある、おりものが増えた、排尿困難、性交時の痛み、骨盤の痛み
そして、下記の項目に当てはまる方が比較的にかかりやすい癌です。
初潮が11歳以下、閉経が55歳以上、月経異常がある、高血圧、糖尿
7.前立腺がん
この前立腺がんは、ある程度大きくなってから排尿障害が出る場合がありますが、初期症状がほとんど無い癌のひとつです。
この癌は50歳以上になると発症率が上がるのですが、排尿障害は高齢になると誰にでも起こりうるので、自分では気づきにくいかもしれません。
最近はPSAという血液検査が確立され、簡単に前立腺がんの有無を判断できるようになりましたので、年に一度は定期的な検診をお勧め致します。
ただ、このPSA検査はまだ法定検査に含まれておりませんので、胃がん、肺がん、大腸がんなどと異なり、自費で受診する必要があります。
まとめ
さて、様々な癌の初期症状について述べさせて頂きましたがいかがでしたか。
癌の種類によっては、初期には無症状のものもあり、発見が遅れるケースがあることは事実です。
分かる範囲だけでも初期症状を見逃さず、早期発見に努めて頂けたらと思います。
何よりも定期的な検診で発見される場合が多いので、面倒がらず定期的な検診を受けられることをお勧め致します。