大学卒業後、損保ジャパン日本興亜代理店の保険会社にて5年以上勤務し、年間100組以上のコンサルティングを行う。
その後、2016年6月より保険ブリッジの記事監修を務める。
すし詰め状態で、痴漢被害に遭われた時の精神的な苦痛は計り知れないものです。
一方、男性もご自身は潔白であるにもかかわらず、痴漢の冤罪事件の当事者になってしまう場合もあります。
この当事者になれば立証は困難と言われており、ご自分の将来にもかかわる事態となってしまいます。
そこで今回は、女性の場合の痴漢被害の予防法、冤罪事件の当事者となり得る男性には、冤罪被害に遭わないための防衛策と、その備えの必要性を解説します。
- 痴漢被害への対策
- 痴漢冤罪への対処法
- 弁護士費用保険の詳細
痴漢被害について
自分は会社員で通勤の際に電車を利用している。
満員電車やバスで、迷惑行為(痴漢)が起きたことはニュースでもよく報道されている。
私の娘も通学する際に電車を利用するので少々心配だ。
そもそも、痴漢とはどんな行為でどんな罪状なのだろう?
こちらでは、痴漢とはどんな行為なのか、刑罰等について解説します。
女性の2人に1人が痴漢被害
保険会社の調査によれば、電車通勤の痴漢被害に関するアンケートを行ったところ、57.8%の人が痴漢に遭ったという結果となりました(ジャパン少額短期保険『通勤トラブルに関する意識調査』2017年11月実施)。
また痴漢に遭った時期は次のような結果となっています。
順位・季節 | 割合 |
1位:春 | 32.0% |
2位:夏 | 29.6% |
3位:冬 | 19.5% |
4位:秋 | 18.9% |
肌の露出の多くなる時期に痴漢被害の多いことがわかります。
ただし、秋・冬も約20%近くと寒い時期でも痴漢のリスクはあります。
季節に関わらず電車やバスの混雑の際は、何らかの対策で女性の方々は被害を防止する必要が出てきます。
痴漢の罪状って何?
痴漢はどんな行為が罪に問われ、どんな罰則を受けるのでしょうか。
こちらでは、痴漢行為と法定刑等について解説します。
痴漢に該当する行為
痴漢は相手の同意なく身体に触れる行為と解されています。
警視庁や大阪府警等では、次の行為を痴漢行為として取り締まりの対象としています。
- 衣服・下着の上、あるいは身体に直接触れ、手で下半身、尻、胸、ふともも等を撫で回す行為
- 背後から密着し、身体・股間を執拗に押しつける行為
- 衣服のボタン・ブラジャーのホックなどをはずす行為
- スカート内をカメラ・ビデオで盗撮する行為
- 卑猥な言葉を囁いたり、性器を露出していかがわしい行為をみせつけたりする行為
- 列車内で衣類に精液等をかけ、衣服を汚損する行為
痴漢で問われる罪とは
痴漢行為へのペナルティとしては刑法と地方自治体条例に規定があります。
強制わいせつ罪
強制わいせつ罪は、暴行・脅迫を用い、相手の反抗を著しく困難にしてわいせつな行為を働くことで成立する罪です。
法定刑は6ヶ月以上10年以下の懲役刑となります(刑法第176条)。
なお、13歳未満の未成年者に対しては、暴行・脅迫の有無に関係なく成立します。
よって、仮に相手の同意があった場合でも、わいせつ行為に及べば犯罪が成立します。
通常、痴漢行為は電車やバスの車内で相手の身体等を触る行為であり、一見、暴行・脅迫を伴う性質の犯罪とは言えません。
しかし、その内容が極めて悪質で、痴漢行為自体が暴行・脅迫を含むものと評価されるような場合は、強制わいせつ罪が成立する可能性は十分にあります。
例えば、下着の中に手を入れる、相手が恐怖で反抗できないような状況下で、行為に及んだ場合等が該当します。
迷惑防止条例違反
衣類の上から身体に触れるような痴漢のケースでは、各地方自治体で定められた迷惑防止条例に違反したとして、条例の罰則により処分が下されます。
条例で禁止されている行為は基本的に次のような行為となります。
- 公共の場(電車・バス等)で衣類の上から人の身体に触れる行為
- 公共の場(電車・バス・駅等)で下着・身体を撮影する行為
- 公共の場での卑猥な言動
各地方自治体では規定や罰則等の差異はありますが、概ね条例へ違反した者は、6ヶ月以下の懲役または50万円以下の罰金が科されることになります。
検挙率は実は高い
前述した強制わいせつ罪の検挙率(捜査機関が犯罪行為者を特定し被疑者とすること)については、下表の通りです(法務省「犯罪白書2017年版」を基に作成)。
項目 | 件数・検挙率(2016年) |
認知件数(※) | 6,188件 |
検挙件数 | 4,207件 |
検挙率 | 67.99% |
この強制わいせつ罪は痴漢行為だけを罰する規定ではありませんが、痴漢も含めて7割にも上る高い割合となっています。
これは女性が泣き寝入りをせず、その被害を報告していたり、周囲が行為を目撃して通報したりするケースが多いことを意味します。
認知件数:警察により犯罪の発生が確認された件数を意味します。
痴漢への対策について
痴漢行為は決して軽い罪ではなく、検挙率も高いということはわかった。
では、痴漢に遭わないための予防策はないものだろうか・・・・。
こちらでは、痴漢被害の予防対策等について解説します。
痴漢されにくい人は存在する
痴漢された方々の中には、被害の原因が派手な服装であったり、薄着をしていたり、体のラインが出る服を着ていたりしたから、と指摘されてしまうこともあるでしょう。
しかし、警察庁が痴漢の被疑者に対して行った調査によれば、前述のような服装を動機として痴漢行為に及んだ割合は、約9.6%と非常に低いことがわかります(警察庁「電車内の痴漢撲滅に向けた取組みに関する報告書」2013年参照)。
痴漢行為を行った者が被害者に痴漢を行った動機は、多くの被疑者が「偶然近くにいたから(50.7%)」という理由をあげています。
また、痴漢を行った場所「通勤・通学の路線(67.1%)」でかつ、時間は「通勤・通学の時間(56.2%)」と、やはり通勤通学時に集中しています。
そのため、電車内では
- できるだけ男性から離れた位置に立つ
- 通勤通学時間をなるべく避けて電車を利用する
なお、服装についてはどのような服装をしても、あまり痴漢される原因とは言えません。
痴漢被害予防対策
では、ご自分で行う痴漢被害への予防対策にはどのような方法があるのでしょうか?
次の3点が対策として考えられます。
女性専用車両の利用
痴漢被害への一番の防衛策と言えます。
大阪府では終日女性専用車両を設置していますが、その他の地域では、時間帯によって女性専用車両となる場合が多いようです。
まず、男性がそばにいないという環境で、通勤通学をすることが肝心です。
確実に女性専用車両へ乗るため、女性専用車両の停車位置がどこかを前もって確認しておきましょう。
ご自分が通勤通学で乗り降りする電車のホームに、必ず「女性専用車両」または「時間帯指定〇時~〇時まで女性専用車両」と表示されているはずです。
ドアのそば危険!
乗車位置の関係で女性専用車両に乗車できなかった、または女性専用車両自体がいまだ導入されていない路線を利用している場合のように、女性専用車両へ乗車が困難なこともあるでしょう。
その場合、少なくともドアのそばに立つのは危険です。
確かに、乗り降りに便利ではありますが、それは不特定多数の人間が出入りする場所でもあります。
被疑者が痴漢を行った場所として「左右のドアとドアの間」が57.5%と高い割合で、特にドアのすぐ横の四隅で多発しています。
混雑しやすいエリアのため痴漢行為を行う者からすれば、痴漢したものが誰か判明し難い・被害者に気付かれてもすぐに逃走可能、等の理由があると考えられます。
そのため、多少乗り降りには不便でも「座席の前」等、人の出入りや密集状態となり難い場所に立つ方が、痴漢被害のリスクを大きく軽減できます。
防犯グッズを利用
通勤・通学中は乗客数の多さから、乗車スペースを選べる状態ではない場合も考えられます。
そのため、例えばカバンやリュックサック等の目立つ部分に防犯ブザーを付けて置けば、痴漢行為を行おうとしている者に対しけん制することもできます。
痴漢行為を行おうとしている者は、防犯ブザーを押され、自分が逮捕されるリスクを冒してまで痴漢行為は行わないはずです。
事前に準備し、他人の目に留まる位置に防犯グッズを身に付けて置けば、それだけで痴漢被害の抑止につながります。
もしも痴漢にあったら
痴漢行為をされたら、痴漢の手をつかんで叫ぶことを事前に決めている人がいるかもしれません。
しかし、混雑のため体の一部が当たっているだけか、本当に触られているかの判断がつかない場合に、このような行動をとるのはいささか軽率です。
確証のない状況下でのこのような行動をとるのは、無実の人の冤罪につながり、その人から恨まれることはもちろん、後日訴訟に発展するケースもあります。
そこで、次のような証拠の確保が重要です。
本当に自分が痴漢被害を受けているのか確認
自分の身体へ意図的に手を向けているかどうかは、ある程度確認ができるはずです。
恐いかもしれませんが、触られているという方向に目を向けてみましょう。
後ろを振り返ってみれば、単に傘の柄や、他人のカバンが当たっているだけかもしれません。
痴漢を行っている人間を特定
前述した確認をしたのち、わざと自分の身体を触っているとわかったなら、携帯電話のカメラでその状況を写真・動画に撮影し証拠を残します。
この証拠をしっかり保存できたなら、痴漢被害の動かぬ証拠です。
痴漢されていることを周囲に告げる
動かぬ証拠を保存できたなら、周囲に痴漢を受けていることを告げます。
ただし、犯人が逆上する場合あるので、無理に取り押さえたりすることは避け、周囲の人たちに協力を要請しましょう。
電車内には監視カメラを搭載した車両も多くなっており、仮に加害者を逃がしても、駅員と警察へ通報し、証拠の写真・動画を確認してもらいます。
その際に、痴漢被害を受けた時間と犯人の特徴を告げれば、多くの防犯カメラの映像から犯人は特定されるはずです。
痴漢冤罪について
痴漢被害に遭わないため、予防対策を娘には是非アドバイスしたいものだ。
しかし、その一方で痴漢の冤罪事件も確かに存在する。
冤罪事件の当事者になればどうなってしまうのだろう。
冤罪被害についても知りたい・・・。
こちらでは、冤罪で捕まった場合の流れ、無罪の立証等について解説します。
冤罪で捕まった場合の流れ
痴漢容疑で捕まった場合には、たとえ冤罪であっても次のような流れとなります。
- 駅員から駅員室に誘導される
- 警察官が駅員室に駆け付け、警察署に連行
- 最長3日間、署内で容疑の取り調べを受け、初動調査を実施
- 迷惑防止条例違反による現行犯逮捕、地域を管轄する検察局へ身柄と共に書類送検
- 検察官による取り調べ
検察官の取り調べの結果、証拠不十分であったり、痴漢を認めたりした場合、逃亡の恐れがないと判断されればすぐに釈放されます。
しかし、身柄拘束のまま取り調べの必要があると判断されれば10日間の勾留があります。
無罪を明確に主張しても、実際にやっていない事実を証明しない限り、有罪になる可能性は非常に高くなります。
また、当事者となってしまったご自分の家族や勤務先へ、多大な迷惑が発生する可能性もあります。
痴漢冤罪の無罪立証は非常に困難
駅員室に向かった場合、どんなに駅員へ自身の潔白を主張しても、残念ながらその主張は正しいと判断され、ご自分が自由の身になるわけではありません。
痴漢被害の場合は前述したように、刑事事件として機械的な手続きが進められるのは通常のやり方です。
警察での厳しい取り調べで、一刻も早く釈放されたいと考えて、やってもいない痴漢を認めてしまう場合も考えられます。
その場合は、ご自分が起訴されて裁判となったとき「自分はやっていない!」とこれまでの主張を翻しても、罪状認否の証拠を覆すことになり、この出張が通る可能性は非常に低いと言えます。
刑事裁判での有罪率は99%!
日本における刑事裁判での有罪率は99%以上となっています。
つまり、痴漢も刑事裁判である以上、たとえご自分が冤罪を主張しても起訴されると、ほぼ有罪確実になってしまいます。
残念ながら、痴漢冤罪が認められ無罪を勝ち取るのは極めて困難と言わざるを得ません。
そうはいっても、毎日通勤通学で電車やバスを利用しなければならない方々は、そのリスクを恐れて別の移動手段で代替することは難しいはずです。
そのため、日常的に電車やバスを利用する際には、痴漢冤罪のリスクが常にあるものと考え、痴漢と間違えられない工夫が必要です。
第4章以降では冤罪への対策を解説するとともに、まさかの事態で頼りになる弁護士の活用、および事前の備えとして保険へ加入する重要性について解説します。
痴漢冤罪への対策について・その1
痴漢容疑で捕まってしまったら、重大な事態になることがわかった。
やはり、日ごろから自分でその対策を講じておくことが大切だ。
では、痴漢と間違えられないようにするコツや、まさかの事態でやってはならない行動について詳細を知りたい・・・。
こちらでは、痴漢冤罪被害の防止策と、まさかの事態になった場合のNGな行動を解説します。
痴漢と間違えられないようにするコツ
ジャパン少額短期保険が行った『通勤トラブルに関する意識調査』では、女性がどんな時、男性を“この人痴漢かも?”と疑うのかについて質問しています。
この質問には次のような回答結果が明らかになっています。
- 「空きスペースがあるのにわざと近寄ってくる」:62.2%
- 「手のひらが触れる」:47.0%
- 「手が下の方にある」:33.0%
この結果を踏まえ、ご自分が冤罪被害へ遭わないために行う方法は次の通りです。
- 電車の中では、必ず両手でつり革につかまり、手を下げない
- 通勤時間をなるべく避け、満員電車を使用しない
- ご自分の決まった通勤経路を外れないようにする
- 女性の傍へなるべく行かない
- マイカーやバイク・自転車での通勤が可能なら、できるだけ電車を使わない
これらの方法はありふれた対策かも知れませんが、日ごろから実践することにより、大きく痴漢冤罪の当事者となるリスクを軽減できます。
いきなり逃走はNG
どんなにご自分が注意していても痴漢と間違えられることはあります。
その際に絶対にとってはならない行動に、電車内から強引に逃走することがあげられます。
いくら痴漢に間違われたからと言って、駅構内を全力で走るのは他の利用客とぶつかって新たな事故に発展することがあります。
また、冷静な判断が難しい中で、線路を使って逃走すれば、電車の運行を妨害する危険な行為として、ダイヤの乱れに大きな影響を及ぼします。
当然のことながら、逃走の一部始終は監視カメラで撮影されているため、ご自分と特定されてしまう可能性は非常に高いです。
加えて、逃走行為は自分の罪を認めたと周囲に捉えられ、警察官から逮捕される可能性があります。
周囲の罵声や犯罪者と決めつける行動に、確かに逃走したくなる感情はわきますが、より状況が悪化する事態にもなるので、逃走は決して行ってはなりません。
激高はご法度
痴漢の当事者とされてしまった場合、ご自分の身の潔白を主張するために、相手の女性へ反論する場合もあるでしょう。
相手が激高したり、ご自分のプライドを傷つけるような発言を行ったりした場合には、ご自分も頭に血が上り、激高していしまうことがあるかもしれません。
その際に「名誉棄損で訴えてやる!」、「何か私に恨みでもあるのか女狐が!」等、激しい口調で女性に反論すると、更に事態を悪化させる可能があります。
周囲にも「悪事が発覚して逆上している。」と思われることにつながるので、怒りは何とか抑えるのが得策です。
当然のことながら、ご自分を痴漢呼ばわりした女性を殴るような行動は論外です。
殴打してケガをした場合、ご自分が傷害罪に問われることもあります。
ご自分の身の潔白を冷静に主張することが賢明です。
痴漢冤罪への対策について・その2
万が一、痴漢の犯人と間違えられたら、冷静な行動をとることが何よりも必要であることはわかった。
では、具体的にどう冷静に対処すれば良いのか詳細を聞きたい・・・。
こちらでは、初動対応の具体的な対処法と、弁護士の活用法を解説します。
初動対応はできるだけ冷静に
まずは痴漢の犯人と間違われても冷静に対応することが重要です。
具体的には次の対応をとりましょう。
明確に身の潔白を主張する
徒に、大騒ぎして無罪を主張しても周囲は犯人としかみません。
激高したり泣きわめいたりすることは逆効果です。
被害を主張している相手が激しい言葉をご自分に浴びせても、ご自分は発言を慎んで、余計な反論・行動を行わない方が無難です。
まずはご自分の身の潔白を主張し、次の行動に移りましょう。
被害を主張している相手や第三者の話を携帯電話等で録音
被害を主張する人の話等は録音しておきましょう。
なぜなら、その出張によってはつじつまの合わない事実が明らかになることもあります。
それに加え、周囲の方々の意見も録音しておけば、ご自分に有利なる事実が判明することもあります。
当然この録音は、裁判等が行われる際の証拠となります。
周囲の目撃者や証言してくれる人を探す
これは非常に難しい作業ですが、問題解決のために協力してくれる人を探しましょう。
彼らの証言が、ご自分の身の潔白を証明してくれることにつながるかもしれません。
弁護士を呼ぶ
駅員から駅員室へ向かうよう指示され安易に従うと、事務的な流れで警察官に身柄を拘束されてしまう可能性があります。
できるだけその場を動かず、弁護士を呼びましょう。
DNA鑑定、繊維鑑定等を要求する
弁護士の到着を待ち、現状を話した上で、被害を主張する人の衣服に付着したDNA鑑定、繊維鑑定を求めましょう。
こちらのケースは検察関係者に主張した方が良いでしょう。
最近の鑑定技術は非常に進歩しており、被害を主張する人の衣服に付着したDNA等の痕跡は必ず発見されます。
もしも、ご自分のDNA等が発見されないならば、裁判になった場合でもご自分の身の潔白を主張する、これが「証拠」となります。
弁護士を活用しよう!
普段からこのような事態を想定し、刑事弁護に定評のある弁護士をチョイスしておくことが大切です。
弁護士は、皆さんご存知の通り法律の専門家であり、厳しい資格試験をクリアしてきた人がなれる職種です。
弁護士といえども個性はあり、痴漢冤罪事件のような刑事弁護を得意とする弁護士、民事裁判を得意とする弁護士、特許等の争いごとを得意とする弁護士と、多種多様です。
そのため、自分のスマホで検索中、偶然目に留まった弁護士事務所へ問題解決を要請するのではなく、事前に痴漢冤罪事件を得意とする弁護士を見つけ、いざという時に弁護を要請する方が賢明です。
弁護士費用保険なる商品がある!
万が一の事態になった時は弁護士を呼ぶといっても、仕事が忙しくて適任者を選んでいなかった、という方々がほとんどと思います。
そんな時に、事前の備えとして役に立つのが「弁護士費用保険」と呼ばれる商品です。
この商品では、痴漢冤罪のヘルプコールが無料で付帯されていることもあります。
この電話番号に連絡すれば、ご自分がどのように対応したら良いか、どのような手続きを行い疑いを晴らすかアドバイスしてくれます。
弁護士がすぐに駆け付けることができないこともあるので、その指示に従い冷静な対応を行いましょう。
弁護士費用保険について
弁護士を利用するための保険があるのはありがたい。
ぜひ加しかし、少額短期保険とはいったいどんな保険なのだろう。
少額短期保険とは何か、おすすめ保険についても是非知りたい・・・。
こちらでは、少額短期保険の特徴とおすすめ弁護士費用保険を解説します。
少額短期保険とは
少額短期保険とは、2006年4月1日より施行された「保険業法等の一部を改正する法律」で導入された保険制度です。
少額かつ短期間の保険の引き受けを対象とする事業が該当します。
これらの特徴から「ミニ保険」とも呼ばれています。
痴漢被害や痴漢冤罪被害のための保険商品のみならず、葬儀に関する保険や、離婚の交渉等の保険もある等、バラエティに富んでいる商品が多いです。
また、取り扱う保険金額が通常の保険会社よりも少ないため、参入事業者には登録制が採られ、最低資本金は1,000万円~と規制が緩やかとなっています。
ただし、少額短期保険を扱う業者には以下のような条件があります。
- 保険期間は1年(損害保険の場合は2年)以内の商品を扱うこと
- 死亡保険金額は被保険者1人につき300万円以下である商品を扱うこと
- 保険金額の総額は、被保険者1人につき1,000万円以下である商品を扱うこと
ジャパン少額短期保険の弁護士費用保険
「痴漢冤罪ヘルプコール付き弁護士費用保険」は、引受少額短期保険業者であるジャパン少額短期保険が扱っています。
保険契約は、インターネットから申込にのみ対応しています。
こちらは痴漢冤罪当事者のみならず、痴漢被害者もサポートの対象となります。
月額で590円(年額6,400円)の支払いで手厚いサポートが期待できます。
契約条件等は次の通りです。
- 契約年齢:制限なし
- 契約条件:告知
- 保険期間:1年
- 保険料払込期間:1年
- 保険料払込方法:月払または年払
- 保険料払込方法(経路):口座振込・クレジットカード・コンビニ払(月払:クレジットカードのみ)
補償内容
補償内容は次の通りです。
弁護士費用等保険金
日本国内における偶然な事故で被害が発生した場合、被保険者がその被害に関して損害賠償請求を弁護士に委任し、弁護士費用等を負担したとき、最高300万円が下ります。
こちらは、痴漢冤罪事件に巻き込まれた時、痴漢被害へ遭った時の両方に認められます。
法律相談費用保険金
事故によって被害が発生した場合、被保険者がその被害について弁護士と法律相談をして、法律相談費用を負担したとき、最高10万円が下ります。
この保険金は痴漢被害に遭った場合のみが対象です。
個人賠償責任保険金
日本国内で生じた日常生活に起因する偶然な事故、または住宅の所有、使用、管理に起因する偶然な事故で、他人の身体の障害または財物に損害を与え、法律上の賠償責任を負ったとき、最高1,000万円が下ります。
痴漢の加害者になった場合に使用できますが、痴漢冤罪は対象外です。
付帯サービス
付帯サービスは次の通りです。
痴漢冤罪ヘルプコール(無料)
利用は保険期間中1回のみで、利用可能時間は、平日の7~10時および17~24時です。
24時間受け付けているわけではないですが、通勤通学時間と、帰宅時間に合わせた利用可能時間となっています。
事件発生後48時間に発生した弁護士相談料、接見費用(交通費等含)は、全額を保険会社側が負担します。
痴漢被害ヘルプコール(無料)
痴漢にあった場合、こちらも弁護士にヘルプコールできるサービスです。
は保険期間中1回のみです。
事件発生後48時間に発生した弁護士の相談料、接見費用(交通費等含)は、全額保険会社側が負担します。
弁護士無料相談
弁護士に無料で法律相談でき、一定の条件を満たせば着手金割引が受けられます。
弁護士とメールで相談するサービスとなります。
なお、着手金とは、弁護士に依頼した事項が思い通りの結果とならなくても、ご自分へ戻ってこない費用です。
プリベント少額短期保険株式会社の弁護士費用保険
「弁護士保険Mikata」は、引受少額短期保険業者であるプリベント少額短期保険が扱っています。
保険契約はインターネット、代理店、郵送で申込できます。
こちらは痴漢冤罪当事者のみならず、痴漢被害者もサポートの対象となります。
月額で2,980円(一括払い35,200円)の支払いで手厚いサポートが期待できます。
契約条件等は次の通りです。
- 契約年齢:20歳以上
- 保険期間:1年
- 保険料払込期間:1年
- 保険料払込方法:月払または年払
- 保険料払込方法(経路):口座振込・クレジットカード
補償内容は次の通りです。
- 弁護士費用等保険金(一般事件):1事件100万円まで
- 弁護士費用等保険金(特定偶発事件):1事件300万円まで
- 法律相談費用保険金:1年間10万円(1事案につき22,000円)まで
- 通算支払保険金限度額:1,000万円(年間支払保険金限度額:500万円)まで
付帯サービス
付帯サービスは次の通りです。
弁護士直通ダイヤル
困りごとや悩みごとの早期解決等のため、弁護士から一般的な法制度上のアドバイスが受けられるサービスとなります。
弁護士紹介サービス
知り合いに弁護士がいない場合や、自分で弁護士を探すことが難しいといった場合の悩みを解決するサービスとなります。
なんでも悩みごと相談ダイヤル
プロのカウンセラーが対応し、法律相談以外の健康相談・家庭問題・メンタルの悩みから人生相談まで、いろいろなアドバイスを受けられます。
特約(一般事件免責金額ゼロ特約)
その他、月額630円を上乗せし、当保険会社が支払う保険金額を算出する際、基準弁護士費用から差し引く免責金額(5万円分)を、特約で0円にできるサービスもあります。
まとめ
痴漢被害や痴漢冤罪被害は、まずはご自分でリスクを避けるための工夫が必要となります。
その努力を行いつつ、事前の備えを行うことが肝心です。