法人税とは何か?法人税の申告方法と支払時期について詳細解説!

納税の義務は、国民の義務です。

これは法人も同じこと、しっかり会社の収益や経費等を税務署に申告し、納税しなければなりません。

会社の場合は法人税の他、いろいろな税金を申告・納税する必要があります。この作業は非常に煩雑でかつ正確性が要求されます。

ご自分の会社の決算期を確認しながら正確な申告書等を作成し、納税をスムーズに済ませましょう。

しかし、申告に必要な書類は大量に存在します。場合によってはご自分の会社が中間申告を行わなければいけないこともあります。

膨大な書類をようやく作成して申告しても、書類の不備や計算ミスが発覚し、訂正や修正申告を行うことが必要になるかもしれません。

更に書類の不備を税務署から指摘されると、頭の痛いペナルティが課せられることもあります。

そこで今回は、法人税の申告方法と支払時期について解説します。この記事を読めば、申告の手順や、法人税を支払う際の注意点等がよくおわかりになることでしょう。

1.国税について

我が社は起業したばかり、現在は収益を上げることに注力している。それと共に大事なのはやはり税金の申告と納付だ。

まずは、会社が納める税金について詳しく知りたい・・・・。

こちらでは、国税そして法人税・地方法人税について解説します。

1-1.国税とは

国税とは中央税とも呼ばれ、税の最終負担者が直接・間接を問わずに、納税義務者を通じ国庫へ納付する税金を指します。

国税のほとんどは税務署へ申告・納付するか、税務署が賦課徴収することになります。この国税は大きく分けて「直接税」と「間接税」があります。

直接税は、原則として「納税義務者=最終負担者」となる税金です。

年間の所得として個人へ課税する「所得税」、これから解説する「法人税」、基本的に見返りが無く他者から財産的価値のあるものを取得したときに課税する「贈与税」、財産が相続される際に相続人へ課税される「相続税」等があげられます。

一方、間接税は直接税と違い、納税義務者が必ずしも最終負担者とならない税金を指します。財・サービスの価格を通じて賦課される税です。

課税対象となる商品の売買を行った場合に現在8%を負担する「間接税」、お酒の種類により課税割合が異なる「酒税」、製造タバコについて課税される「たばこ税」、課税石油ガスを対象とした「石油ガス税」等があげられます。

1-2.法人税とは

法人税とは、法人の所得金額等を課税標準として課される税金です。課税標準とは、税額を算出する上で基礎となる課税対象のことです。

そのため、法人税が多く課税されるかどうかは、会社がどれだけの収益をあげたかに大きく関係します。

法人税の申告は収益等を計算し各書類へ記載して、税務署へ確定申告を行い、その後に納税することとなります。

法人税の税率は、平成28(2016)年4月1日以後開始事業年度と、平成30(2018)年4月1日以後開始事業年度でそれぞれ異なります。

中小法人(※)、普通法人に関しての法人税の税率は下表の通りです(国税庁ホームページ「法人税の税率」を参考に作成)。

法人 税率

平成28年4月1日以後開始事業年度

税率

平成30年4月1日以後開始事業年度

中小法人

年800万円以下の部分

19%

平成31年3月31日までの間に開始する事業年度の場合:15%

19%

平成31年3月31日までの間に開始する事業年度の場合:15%

中小法人

年800万円超の部分

23.4% 23.2%
中小法人以外の普通法人全て 23.4% 23.2%

(※)中小法人:普通法人の中で、原則として①各事業年度終了の時に資本金の額または出資金の額が1億円以下、②資本または出資を有しない法人を指します。

1-3.地方法人税とは

地方法人税という名称からして、地方自治体に納める税金と思いがちですが、こちらも国税です。

「地方」という名前が付いている理由は、国が徴収し各地方自治体へ交付する地方交付税の財源となるからです。

地方法人税の税額は次の通りです。

課税標準法人税額×4.4%=地方法人税の納税額

地方法人税の申告・納税は、前述した法人税と別々に行うわけではなく、同一の書類で申告し納税期限も一緒になります。

1-4.会社が納付する税金はまだまだある

会社が納付する税金は法人税や地方法人税ばかりではありません。他に「法人事業税」と「法人住民税」があげられます。両方とも国税ではなく地方税に該当します。

  • 法人事業税:法人の行う事業に対して、事業所の所在する地方自治体が課す税金です。課税については法人の所得に対して課税される「所得割」が中心となります。申告は各都道府県の税務事務所に行います。
  • 法人住民税:法人事業税と共に「法人二税」と呼ばれている税金です。この税金は、①法人税額に対し各地方自治体で定められた住民税率を乗じて算定される「法人税割」、②資本金・従業員数に応じ課税された「均等割」の2つに分類できます。こちらの申告も各都道府県の税務事務所に行います。

2.法人税の申告の流れと必要書類

法人が納める必要のある税金は法人だけに限らないということか。まずは法人税の申告方法について確認したい。

法人税の申告の期限や必要書類にはどんなものがあるのだろう?

こちらでは、法人税の申告の流れと、必要書類等について解説します。

2-1.法人税の申告の流れ

法人税の申告は次のような流れで行っていきます。

[1.当年度の取引記帳]

当年分の①オンラインバンキングの利用明細、②通帳、③領収書、④請求書等を準備し、内容に不備がないかを慎重に確認しながら作業します。記帳内容をチェックするときは、各種帳簿を使用します。

[2.決算整理事項確認]

決算で確認する項目は下表を参考にしてください。

確認する項目
(1)資産・負債
・現金実査(※)、銀行口座残高確認

・売掛金、買掛金残高確認

・借入金残高確認および貸付金確認

・受取手形の実査および支払手形の確認

・固定資産の実査

・在庫の棚卸

(2)決算仕訳入力・確認
・固定資産減価償却

・売上原価の確定

・為替換算項目処理

・経過勘定確認

・貸倒れ懸念債権の確認および貸倒引当金の計算

 (3)税金計算
・消費税計算

・法人税計算

(※)実査:帳簿上に記載のある数量・金額と、実際のものとの差異を把握する目的で、定期的に行う実際の在り高を確認する作業です。

[3.決算書作成]

会社法上の決算で必要な書類は次の通りです。

  • 計算書類:①貸借対照表 (決算日の財政状態を表示)、②損益計算書(会計期間の経営成績を表示)、③株主資本等変動計算書(会計期間の純資産項目の変動を表示)、④個別注記表(財産・損益状況を示す必要かつ適当な注記情報)を作成します。
  • 計算書類に係る附属明細書:計算書類を補足として①有形固定資産・無形固定資産の明細、②引当金明細、③販売費・一般管理費明細、④その他重要な事項が該当します。
  • 事業報告書:事業内容や株式状況、従業員の状況等を報告書にまとめます。
  • 事業報告に係る附属明細書:事業報告を補足します。

実務上、法人税申告書と並行し計算書類を作成することになります。

[4.申告書作成・提出]

法人の確定申告書に必要事項を記載し、ご自分の会社の納税地を管轄する税務署へ提出します。

必要書類は次項で説明します。

2-2.申告の必要書類について

確定申告をする場合は、非常に大量の書類が必要となります。かなり分厚い書類の束になりますので、提出の際はバラバラにならないように気を付けましょう。次のような書類を記載することになりますが、自社に該当する書類を記載すればOKです。

〇申告書等

記載内容の確認は国税庁のホームページで行うことができます。

  • 別表一:申告書
  • 別表二:同族会社等の判定に関する明細書
  • 別表三(一):特定同族会社の留保金額に対する税額の計算に関する明細書
  • 別表三(一)付表:特定同族会社の留保金額から控除する留保控除額の計算に関する明細書
  • 別表四:所得の金額の計算に関する明細書
  • 別表五(一):利益積立金額及び資本金等の額の計算に関する明細書
  • 別表五(一)付表:種類資本金額の計算に関する明細書
  • 別表五(二):租税公課の納付状況等に関する明細書
  • 別表六(一):所得税額の控除に関する明細書
  • 別表七(一):欠損金又は災害損失金の損金算入等に関する明細書
  • 別表八(一):受取配当等の益金不算入に関する明細書
  • 別表十一(一):個別評価金銭債権に係る貸倒引当金の損金算入に関する明細書
  • 別表十一(一の二):一括評価金銭債権に係る貸倒引当金の損金算入に関する明細書
  • 別表十四(二):寄附金の損金算入に関する明細書
  • 別表十五:交際費等の損金算入に関する明細書
  • 別表十六(一):旧定額法又は定額法による減価償却資産の償却額の計算に関する明細書
  • 別表十六(二):旧定率法又は定率法による減価償却資産の償却額の計算に関する明細書
  • 別表十六(六):繰延資産の償却額の計算に関する明細書
  • 別表十六(七):少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例に関する明細書
  • 別表十六(八):一括償却資産の損金算入に関する明細書
  • 別表十六(九):特別償却準備金の損金算入に関する明細書
  • 別表十八:予定申告書

〇決算書等

次の書類も必要です。

  • 決算報告書:①貸借対照表 (B/S)、②損益計算書(P/L)、③株主資本等変動計算書(S/S)、④キャッシュ・フロー計算書(C/F)等があります
  • 勘定科目内訳明細書:貸借対照表・損益計算書の各勘定科目の内訳明細書です。
  • 法人事業概況説明書:①事業内容、②従業員数、③取引状況、④経理状況等を所定の書式に沿って記載します。

2-3.法人税の申告は延長できる?

法人税の確定申告は自社の期末日から2ヶ月以内に、会社の納税地を管轄する税務署へ持参または送付します。

例えば、ご自分の会社が3月に決算日(3/31)ならば5月31日までが申告期限となります。

しかしながら、やむを得ない理由で期限内での申告が難しい場合も考えられます。

そんな時には、「申告期限の延長の申請」または「申告期限の延長の特例の申請」を行うことができます(国税庁ホームページ「申告期限の延長の申請」、「申告期限の延長の特例の申請」を参照)。

〇申告期限の延長の申請

[1]延長の条件

災害その他やむを得ない理由によって会社の決算が確定せず、法人税の確定申告書または連結確定申告書を期限までに提出できないことが条件となります。

[2]提出時期

  • 確定申告書の延長特例:申請しようとする事業年度終了の日の翌日~45 日以内
  • 連結確定申告書の延長特例:申請しようとする連結事業年度終了の日の翌日~45 日以内
[3]提出書類

申告期限の延長申請書を、原則として1部(調査課所管法人は2部)を納税地の税務署へ持参または送付します。

〇申告期限の延長の特例の申請

[1]延長の条件

原因 状況 延長期間
①定款等または特別の事情 各事業年度終了の日の翌日から2ヶ月以内に、その各事業年度の決算について、定時総会が招集されない常況 1ヶ月間

連結事業年度の場合は2ヶ月間まで延長

②会計監査人を置いていて、かつ、定款等の定めが原因 各事業年度終了の日の翌日から3ヶ月以内(連結事業年度にあっては4ヶ月以内)に、その各事業年度の決算について、定時総会が招集されない常況 4ヶ月間
③特別の事情や、その他やむを得ない事情で、申告期限の延長月数の指定を受けたい場合 各事業年度終了の日の翌日から3ヶ月以内(連結事業年度にあっては4月以内)に、その各事業年度の決算について、定時総会が招集されない常況 希望する月数
④連結子法人が多数に上ること、その他これに類する理由 連結所得の金額又は連結欠損金額及び法人税の額の計算を了することができず、各連結事業年度終了の日の翌日から2ヶ月以内に法人税の連結確定申告書を提出できない常況 2ヶ月間
⑤特別の事情や、その他やむを得ない事情で、申告期限の延長月数の指定を受けたい場合 各連結事業年度終了の日の翌日から4ヶ月以内に連結所得の金額又は連結欠損金額及び法人税の額の計算を了することができない常況 希望する月数
[2]提出時期

  • 確定申告書の延長特例:最初に適用を受けようとする事業年度終了の日まで
  • 連結確定申告書の延長特例:最初に適用を受けようとする連結事業年度終了の日の翌日~45 日以内
[3]提出書類

原則として各1部(調査課所管法人は2部)を持参または送付します。

  • 申請書
  • 定款、寄附行為、規則または規約の写し

3.法人税の支払時期について

法人税の申告にはかなりの書類が必要となること、その申告期限は延長できることが分かった。

では、法人税の支払時期に関してどんな注意点があるか知りたい・・・。

こちらでは、法人税の支払時期と、納める税額が確定していないときの対処法について解説します。

3-1.法人税の課税所得の計算と納付方法

法人税の課税所得は、ご自分の会社の売上・受取利息等の収益から、損金(設備投資費用・加入保険料・旅費交通費・減価償却費等の経費)を差し引いて求めます。

会社の収益-損金=課税所得

法人税の納付期限も前述した法人税の申告と同じ期間に納めることになります。

つまり、事業年度終了日から2ヶ月以内に法人税等を、金融機関の窓口、コンビニ、電子納税(この方法は税務署に事前届出必要)、税務署の納税窓口のいずれかで納付することになります。

実は、法人税の申告以上に法人税を計算する場合には、ご自分の会社の定款を確認して作業を行う必要が出てきます。

その理由は次項で説明します。

3-2.法人税の支払時期は延長できない!

法人税の申告書提出期限・納付期限は、事業年度終了日から2ヶ月以内です。

この事業年度とは、会社が定めた会計期間であり自由に定めることができます。

更に法人税の申告書提出は、何らかの理由で延期せざるを得ない場合、税務署に申告期限の延長の申請等を提出することができます。

ただし、法人税の支払時期は延長が認められず、やはり事業年度終了日から2ヶ月以内に納付する必要があります。

この法人税の支払が遅れてしまうと「利子税」を負担することになってしまいます。

法人税納付の場合の利子税とは、納税申告書の提出期限の延長が認められたとき、その期間に応じて課される附帯税のことを指します。

つまり、ペナルティの意味で課されるわけではなく、約定利息としての意味があるので、法人所得の計算の際に損金算入が認められています。

とはいっても、利子税の税率は年1.6%(平成30年1月1日以降)なので余計に納税する必要が出てきます。

3-3.利子税を回避する方法

利子税を回避したいならば、ご自分の会社の事業年度終了日までに法人税等を見込納付をしておきましょう。

この見込納付とは、申告書提出前に大体の金額を計算してその法人税額を納税することです。

概算として算出する以上、確定税額とは正確に一致しないことがあります。

見込納付の税額と確定した税額との差額は、実際に申告書を提出したとき過不足精算を行うことになります。

見込納付による納税額が確定税額よりも多かったならば税務署から還付してもらえます。還付を受ける場合は、別に更正の請求手続きを行います。

一方、見込納付による納税額が確定税額より少なかったならば差額について追加納税を行います。この場合は、見込納付を行った金額全体に利子税は課税されないものの、不足額分に利子税の負担が発生してしまいます。

4.中間申告について

法人税の支払時期には気を付けなければならないようだ。法人税の申告・支払時期の他に注意すべき点はないだろうか?

あれば詳細を知りたい・・・・・。

実は、会社によって法人税の申告が年1回だけで済まないこともあります。

こちらでは、中間申告とは?その条件や申告方法について解説します。

4-1.中間申告とは

会社が法人税法上の所得がある場合、原則として年1回、申告書を提出して納税しなければなりません。

ただし、場合により年1回の納税以外に中間申告・納税を行う必要もあります。この申告を「中間申告」と言います。

つまり、法人税の中間申告とは、前期に納めた法人税額の半分を、事前に国へ支払う制度のことを指します。

中間申告をしなければならない会社の条件とは、前年の法人税納付額が20万円を超える場合です。

中間申告の支払対象となる所得は、事業年度の前半6ヶ月分となります。また、支払いの時期は事業年度前半6ヶ月を経過した日より2ヶ月以内です。

4-2.中間申告の方法について

中間申告は仮の決算とはいえ、事業年度開始から6ヶ月を一つの事業年度とみなして、本決算と同じ作業を行うことになります。

未収金、未払金の計上はもちろんのこと、減価償却費も6月分を計上します。

貸倒引当金の計上も原則として行いますが、仮決算では貸倒引当金を計上しなくても、戻入(いったん支出した歳出を、もとの歳出予算科目に戻すこと)をしないのは認められていません。

提出書類は次の通りです。

  • 中間申告書
  • 決算報告書
  • 勘定科目内訳明細書
  • 法人事業概況説明書

4-3.中間申告と納税

中間納税額を求める方法として次の2つの方法があります。

  • 予定申告方式:前事業年度の納税額を基礎として中間納税額を算出します。前事業年度に納付した確定税額の半額を申告することになります。この方法ならば、課税事業年度の所得は問われません。ただし、課税対象の事業年度半年分の所得に対応する税額より、多い税負担が生じることもあります。
  • 仮決算方式:事業年度前半について事業年度終了後と同様の方法で、6月分の課税所得と法人税額を求めます。この方法を選択すると、中間納税対象期間の事業年度前半6月分の課税所得に対応した納税額を、より正確に算出できます。しかし、事務作業は予定申告方式以上に負担となります。

どちらの方法も一長一短はありますが、両方で中間納税額を計算した上で、税負担額が小さい方を採用し、納税することがおすすめです。

5.法人税の申告・支払時期のスケジュールについて

年1回の法人税の申告・納付も大変なのに、中間申告も行わなければならないのは非常に面倒だ。

では、中間申告や確定申告を踏まえたスケジュールを確認したい・・・。

こちらでは、具体例をあげ通常の申告や、申告期限の延長を行ったケースを通して申告・納付のスケジュールを説明していきます。

5-1.具体例をあげて検討してみる

会社の法人税の申告・納付時期は、自由に定めることができますので、次のような例を用いて説明していきます。

(例)

  • 会社名:〇〇〇〇株式会社
  • 前年の法人税納付額:80万円
  • 決算期:3月

事例の会社の場合は3月決算なので4月が期首になります。また、前年の法人税納付額80万円なので中間申告を行う必要があります。

次項では、通常のとおりに中間申告→確定申告に進むケースと、確定申告・納付前に何らかの理由で期限内に申告が難しくなったケースを取り上げます。

5-2.通常のスケジュールの場合

申告期限の延長もなくスムーズに準備が進んでいれば次のようなスケジュールとなります。

期首:2018年4月1日 会社の収益事業と共に申告の準備も行います。

⇓(6ヶ月後)

9月30日~11月30日 この2ヶ月間で事業年度の前半6ヶ月分の法人税を計算した中間申告を税務署へ提出し、法人税の納付も行います。

⇓(期末までに確定申告分を準備していきます。)

期末:3月31日~5月31日 この2ヶ月間で事業年度分の法人税を計算した確定申告を税務署へ提出し、法人税の納付も行います。

5-3.申告期限の延長を行っている場合

何らかの理由で申告期限を1ヶ月間延長した場合、次のようなスケジュールとなります。

期首:2018年4月1日 会社の事業と共に申告の準備も行います。

⇓(6ヶ月後)

9月30日~11月30日 この2ヶ月間で事業年度の前半6ヶ月分の法人税を計算した中間申告を税務署へ提出し、法人税の納付も行います。

⇓(期末までに確定申告分を準備していきます。)

期末:2019年3月31日~5月31日 ①この2ヶ月間で申告を税務署へ提出するつもりでしたが、何らかの理由で申告が難しくなり1ヶ月間の延長が必要になりました。

②法人税の納付は利子税を避けるために見込納付で対応します。また、申告期限の延長申請を事業年度終了の日の翌日~45 日以内に行います。

⇓(1ヶ月間の延長で申告の準備を行います。)

6月30日 事業年度分の法人税を計算した確定申告を税務署へ提出し、見込納付が確定税額よりも少なければ再度納付します。

6.法人税の関するペナルティについて

法人税の計算は複雑だし、提出書類も大量だ。どこかに不備があるかもしれない。

そんなときの対処法と、税務署からのペナルティについて知りたい・・・。

こちらでは、確定申告期間内に自社で不備を発見した場合の対応策と、確定申告期間経過後に修正した場合のペナルティを解説します。

6-1.書類の不備等を発見したときの対応策

法人税を申告した後に書類の不備や、法人税の計算に間違いのあることが判明する場合もあります。

〇訂正申告の場合

申告期限内に修正できて、その期限内に手続きを行うことを「訂正申告」と言います。

再提出の際には、訂正した申告書の上部に赤色のペンで「訂正申告」と記載しましょう。そうすれば、税務署の窓口の担当職員にも訂正申告であることがわかります。

訂正した申告書の提出の際には次の書類を用意します。

  • 訂正した申告書
  • 前に提出した申告書の控え
  • 申告に必要な添付書類

訂正請求の場合、申告期限内ですのでペネルティは課せられません。

〇修正申告または更正の請求

申告期限が終わってから間違いを修正したい場合、法人税等の申告額が増えるときには「修正申告」、逆に減るときには「更正の請求」を行います。双方とも正しい内容で決算書を作成し直す必要があります。

修正申告の場合は修正申告書を、更正の請求の場合は更正の請求申出書を作成します。

各関係書類を税務署用・控え用に2部ずつ納税地の税務署へ提出しましょう。

申告期限が終わってからの申告になるので、納税に関してペナルティを課せられる場合があります。

6-2.延滞税とは

延滞税とは、いわゆる利息に相当する税金であり、法定納期限翌日~実際の納付日までの日数に応じ追加で課される税金です。

延滞税が生じるケースは主に次の3つです。

  • 事業年度終了後2月以内に完納できなかった
  • 確定期限後に修正を行ったために納期限後に追加納税をした
  • 税務署から更正や決定の処分を受けて納税することになった

平成30年中の延滞税の割合は下表のようになります。

納期限の翌日~2月を経過する日まで:年2.6%
納期限の翌日~2月を経過する日までの延滞税の割合は、年「7.3%」または「特例基準割合+1%」のいずれか低い割合を適用
納期限の翌日~2月を経過した日以降:年8.9%
納期限の翌日~2月を経過する日以降の延滞税の割合は、年「14.6%」または「特例基準割合+7.3%」のいずれか低い割合を適用

税務署の調査を受けた後で修正申告または更正を受けると、過少申告加算税等がかかるケースもあります。加算税については次項で説明します。

6-3.加算税とは

加算税は追加課税であり、本来の法人税・延滞税に加えて負担しなければなりません。下表を参考にしてください。

名称 無申告加算税 過少申告加算税 不納付加算税 重加算税
内容 申告義務があっても、法人税申告書を提出しなかった場合に課税 申告書を提出して納税しても、納税計算の間違い等で本来の納付税額が少なかった場合に課税 源泉所得税を期限までに納付しない場合に課税 所得を隠ぺいして申告しない場合、過少申告した場合に適用される罰則税
加算割合 自主申告:5%

納税額50万円以下:10%

納税額50万以上:15%

自主納付:5%

税務署から指摘後:10%(場合により15%)

自主納付:5%

税務署から指摘後:10%

過少申告・不納付:35%

無申告:40%

自主申告または自主納付をすれば、それだけ加算税の割合は軽減されます。

税務署から指摘される前に、できるだけ自主的な行動をとって納税の義務を果たしましょう。

7.まとめ

法人税の申告は、それに至る記帳や決算書の作成まで自社で行うことになります。

法人税の申告の準備に、まとまった数の職員で対応できれば問題ありませんが、小さい会社の場合なら経営者であるご自分一人で対処しなければならないこともあるでしょう。

当然、準備の段階で不明な点が出てくることも考えられます。申告の際に相談したり協力して作業したりする方々がいなければ、税理士を頼ることも一つの方法です。

決算申告の専門家である税理士に、申告について不明な点を相談したり、決算申告の代行などを依頼したりすることもできて、申告・納税の準備が正確かつスムーズに行えることでしょう。

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