強制保険(=自賠責保険)には、1年契約(12か月契約)だけでなく、2年契約(24か月契約)や、3年契約(36カ月契約)など、長期の契約を選択して加入することができますよね。
通常、1年契約(12か月契約)よりも、2年契約(24か月契約)、2年契約(24か月契約)よりも、3年契約(36カ月契約)…と、契約期間が長くなればなるほど、割引き率がアップします。
長期契約であれば、更新手続きの手間が省けることも、嬉しいポイントです。
このようなことから、強制保険(=自賠責保険)に加入する際には、2年契約(24か月契約)が、おすすめされています。
自動車保険には、強制保険(=自賠責保険)の他に、もう一つ、個人の自由意志で加入できる自動車保険があります。
ただ単に、自動車保険と言った場合、こちらの任意(=個人の自由意志で加入できる)の自動車保険のことを指しています。
任意の自動車保険は、1年契約のものが一般的ですが、中には、強制保険(=自賠責保険)と同様に、2年契約や、3年契約することができるタイプの自動車保険もあります。
更新手続きの手間が省けることはもちろん、同じ条件であれば、1年契約よりも、3年契約の方が、お得です。
ただし、どこの保険会社でも、自動車保険を3年契約することができるかというと、残念ながら、そうではありません。
今回は、自動車保険を3年契約する時のメリットや、注意するべきポイントを、詳しくご紹介していきます。
是非、損しない自動車保険選びに、ご活用くださいね!
目次
1.自動車保険の3年契約って?
一般的な自動車保険の契約期間は、基本的に、単年(=1年)です。
単年(=1年)契約の自動車保険では、たとえば、始期日(=保険始期日、自動車保険での補償が開始される日)が、4月1日のご契約でしたら、翌年の3月31日が満期日(または、満了日)となります。
通常は、満期日(または、満了日)を迎える約1カ月前ほどに、ご加入先の保険会社から、更新手続きのお知らせが、お手元に届きます(ハガキとして届くことが一般的です)。
更新手続きのお知らせには、ご契約中のプランや、翌年の保険料が記載されています。
また、等級による割引きや割増し、お車の車両料率クラス(型式別料率クラス)なども、更新手続きのお知らせで、チェックすることができます。
このように、単年(=1年)契約の自動車保険では、1年ごとに、保険契約の満期日(または、満了日)を迎えます。
単年(=1年)契約の自動車保険は、基本的に、自動車保険のお取り扱いのある損害保険会社であれば、代理店(対面型)や、インターネット、または、コールセンターを通じてなど、どちらの方法でも、加入することができます。
一方、2年契約や、3年契約など、契約期間が、1年以上の自動車保険は、「長期自動車保険」、または、「長期分割払い自動車保険」と言われています。
「長期自動車保険」、または、「長期分割払い自動車保険」では、最長で7年契約のものもあります。
ただし、おおむね、4年以上の契約では、保険料の払い込み方法は、一括払い(全部の保険料を一度に払い込む)しか選択することができません。
そのため、保険料の負担を考慮すると、2年、または、3年契約の自動車保険が、個人で加入する長期の自動車保険としては、現実的です。
3年契約の自動車保険は、一般的に、代理店型と言われている大手損害保険会社や、または、JA共済や全労済などの共済組合から、加入することができます。
3年契約の自動車保険では、たとえば、始期日(=保険始期日、自動車保険での補償が開始される日)が、4月1日のご契約でしたら、翌々年の次の3月31日が、満期日(または、満了日)となります。
2. 1年契約とは、ナニが違う?
単年(=1年)契約の自動車保険であっても、3年契約の自動車保険であっても、保険料の払い込みは、一括払い(全部の保険料を一度に払い込む)以外にも、年払い(1年分の保険料を一度に払い込む)や、月払い(12か月に均等して払い込む)方法を選択することができます。
また、自動車保険には、保険料が割安になる、さまざまな仕組みがあります。
たとえば、おもに、車を運転する人の年齢が、10代・20代の方に比べて、30代以降の方では、ぐっと割安になったり、自動車保険で補償を受ける人の範囲を、本人や、本人とその配偶者にするなどして、制限を設けることで、よりリーズナブルな保険料を実現することができます。
中でも、保険料に大きくかかわってくるものが、「ノンフリート等級別料率制度」と、「車両料率クラス(型式別料率クラス)」。
「ノンフリート等級別料率制度」は、一般的には、「等級」と言われている、任意の自動車保険の割引き制度のひとつです。
たとえば、初めて、自動車保険に加入する場合であれば、通常、「等級」は、「6等級」からスタートされます。
自動車保険にご加入後、保険での補償が開始された日から、満期日(満了日)を迎える1年間のうちに、保険事故(保険会社が保険金を支払った事故)がなかった場合に、翌年の等級は、1ランクアップされて、「7等級」になります。
「等級」(「ノンフリート等級別料率制度」)では、数字が大きくなればなるほど、割引き率がぐっとアップする仕組みをもっています。
つまり、翌年の保険料には、「7等級」の割引き率が適用されますから、「6等級」の時よりも、「7等級」の時の保険料の方が、割安になります。
また、「7等級」よりも、「8等級」、「8等級」よりも、「9等級」と、「等級」がランクアップすることによって、保険料は、どんどん、割安になります。
このように、「等級」が進むことによって、1年ごとに、自動的に、保険料が割り引かれていく仕組みのあるものが、「ノンフリート等級別料率制度」です。
一方、「車両料率クラス(型式別料率クラス)」は、簡単にいうと、自動車そのものについてのリスクの大きさを、数字を使って、表しているものです。
「車両料率クラス(型式別料率クラス)」では、自動車の型式ごとに、リスクが評価され、「1」~「17」までの17の段階に分類されています(ただし、軽自動車の場合は、「1」~「3」の3段階に分類されています)。
数字が大きくなればなるほど、リスクが高いとみなされているため、保険料も割高に設定されています。
「車両料率クラス(型式別料率クラス)」は、毎年1回、1月に、損害保険算出機構という公的な機関によって、過去の実績に基づいて、改定(見直し)が行われています。
このため、たとえば、単年(1年)契約の自動車保険では、同じ保険会社で、補償内容も同じ、さらに、1年間、無事故(=保険事故無し)で、「等級」がランクアップしているにも関わらず、保険料が、割高になっていることがあります。
このようなケースでは、「車両料率クラス(型式別料率クラス)」の数字が、大きく変更されていることが要因として考えられます。
一方、3年契約の自動車保険であれば、契約時の条件が、そのまま適用されますから、「車両料率クラス(型式別料率クラス)」が変更されても、即、翌年の保険料にひびくことがありません。
●お取り扱いのあるおもな保険会社
損保ジャパン日本興亜 |
あいおいニッセイ同和損害保険 |
楽天損保※(※旧朝日火災海上保険) |
三井住友海上火災保険 |
共栄火災海上保険 |
3.自動車保険の3年契約のメリットって?
長期契約の自動車保険では、基本的に、ご契約時の条件が、保険期間(保険で補償を受ける期間)中、ずっと維持されていきます。
3年契約の自動車保険であれば、3年間、同じ条件で、加入し続けることができます。
3.1「等級」が3年間同じ!
たとえば、現在、「17等級」の方が、3年契約の自動車保険に加入した場合、3年間、「等級」は、「17等級」のまま据え置かれます。
「等級」は据え置かれますが、保険料は、1年目(17等級無事故相当)、2年目(18等級無事故相当)、3年目(19等級無事故相当)として、計算されます。
3年契約など、長期の自動車保険では、契約時に、あらかじめ、「契約期間中は、無事故である」ことを前提として、保険料が算出されています。
このため、1年ごとに、「等級」は、ランクアップされていきます。
「等級」がランクアップされることで、割引き率もアップし、保険料が割安になっていく仕組みがあります。
3年契約であれば、ご加入された時点で、たとえば、「17等級」だった方は、2年目は、「18等級」になり、3年目には、「19等級」になるものとして、1年ごとの保険料が、加入時に決定されます。
加入時に決定された保険料は、契約期間中、ずっと、継続します。
もしも仮に、保険事故(保険会社が保険金を支払う事故)があった場合、1年契約の自動車保険では、「等級」がダウンすることによって、翌年の保険料に影響がでます。
一方、3年契約の自動車保険であれば、「等級」は据え置かれているため、加入時に決定された保険料のまま、3年間は、契約が継続されていきますから、保険事故(保険会社が保険金を支払う事故)による保険料への影響がでにくいと言えます。
3.2免許の色が3年間同じ!
みなさんの中には、「次の更新で、ゴールド免許!」と言われる方もいらっしゃるのではないでしょうか?
現在の自動車運転免許証は、有効期限が記載されている箇所が帯状に、グリーン(初心者)、ブルー(一般)、ゴールド(優良)の3種類に、色分けされています。
通常、グリーン(初心者)の方は、3年間が、ブルー(一般)、ゴールド(優良)の方は、5年間が有効期間となります。
免許証の有効期限の帯の色が、ブルーの方が、5年間、無事故・無違反を続けると、次回の更新時には、有効期限の帯の色がゴールドに色分けされた、さらに、免許証の左端中央に「優良」と記載された、ゴールド免許証が交付されます。
ゴールド免許証には、さまざまな特典があることが、よく知られていますよね。
有名なところでは、更新時講習会の手数料がお安く設定されていたり、講習会の時間も、短時間(30分ていど)ですむことなどがあげられますが、その他にも、自動車を購入する時に利用する、自動車ローンの金利が優遇されていたり、レンタカーを借りる時に、レンタル料金の割り引きされたりといったこともあるようです。
もちろん、自動車保険でも、ゴールド免許証の優良ドライバーの方であれば、「ゴールド免許割り引き」の特典を受けることができます。
「ゴールド免許割り引き」の割引き率は、保険会社によって、さまざまに異なっていますが、最小で5%~最大で20%など、決して、無視できない割引き率が提示されています。
また、ゴールド免許証を取得した後に、1点でも違反があった場合では、5年後の更新時には、元のブルー(一般)に戻りますが、自動車保険の「ゴールド免許割り引き」では、次回の更新時にブルーに戻ることがわかっている場合であっても、ゴールド免許証の有効期限内であれば、特典を受けることができます。
3.3保険が使いやすい!
自動車事故は、ケガをした人がいる事故と、誰もケガをした人がいない事故の2つのケースに分けて考えられています。
ケガをした人がいる事故のことを、人身事故(=人的損害事故)と言います。
一方、誰もケガをした人がいない事故のことは、物損事故(=物的損害事故)と言われています。
物損事故(=物的損害事故)の中には、単独事故(=自損事故)も含まれています。
人身事故であった場合、強制保険である自賠責保険から、まずは、補償を受けることができます。
ただし、自賠責保険で補償を受けることができるのは、お相手の方や、ご自身(ご自身のケガについては、お相手の自賠責保険から補償されます)、あるいは、同乗者のケガについてのみです。
自動車同士の事故であった場合、お相手のお車や、ご自身のお車に修理が必要になることがありますが、自賠責保険から、補償を受けることはできません。
また、自動車事故が、死亡事故などの重大事故であった場合、損害賠償金の金額が、自賠責保険の保険金額の上限額(死亡保険金、3,000万円)を、オーバーすることも、決して、珍しいことではなくなっています。
こういったケースに備えるものが、任意の自動車保険です。
任意の自動車保険には、万が一、自動車事故を起こした時の費用をカバーするために、加入します。
たとえば、強制保険(=自賠責保険)の補償金額に上乗せできる、対人賠償責任保険や、お相手方のお車や、他人が所有しているモノを壊してしまった時の補償に備える、対物賠償責任保険、ご自身や、同乗者の方についての補償であれば、傷害保険(人身傷害保険、搭乗者傷害保険)、ご自身のお車については、車両保険などを利用することで、万が一の時の経済的な負担を軽減することができます。
ただし、自動車事故の損害賠償金の補填として、自動車保険の傷害保険(人身傷害保険、搭乗者傷害保険)以外から、保険金の支払いを受けると、翌年の「等級」が、ダウンします。
保険事故(保険会社が保険金を支払う事故)があった場合、「1等級」ダウンする事故と、「3等級」ダウンする事故の2つに分かれています。
たとえば、「17等級」の方で、単年(=1年)契約の自動車保険に加入されている方でしたら、「1等級」ダウンの事故の場合であれば、翌年の「等級」は、「16等級」になります。
「3等級」ダウンの事故の場合でしたら、翌年の「等級」は、「14等級」になります。
同じ方で、もしも、自動車事故がなかった場合であれば、翌年の「等級」は、「18等級」に進み、「18等級」の割引き率が適用されるところ、「16等級」や、「14等級」の割引き率になるため、どうしても、保険料は、割高になります。
保険料の割引き率がダウンしたり、「等級」の進み方が遅くなるのを避けるため、万が一の時に、自動車保険を使うことを避けようとする契約者の方も、多くみうけられます。
こういったケースでは、ご加入先の保険会社に問い合わせをして、もしも、自動車保険を使った場合の翌年の保険料の概算額を確認してから、自動車保険を使う使わないの判断をすることが、推奨されています。
しかしながら、いったん、自動車事故が起きた場合、幸いにして、誰もケガをした人がいないケースであっても、場合によっては、壊してしまった物の持ち主の方に連絡をとったり、警察署に届け出をしなければなりません。
また、事故を起こしてしまったことによる、精神的なダメージも、看過できません。
日常とは異なる状態で、さらに、自動車保険を利用するかしないかの判断をすることは、人によっては、さらなる負担に感じられることがあるかもしれません。
3年契約の自動車保険であれば、もしも、ご契約期間中に、保険事故(保険会社が保険金を支払う事故)があった場合であっても、「等級」が据え置かれているので、翌年の保険料にひびくことがありません。
次に、単年(=1年)契約と、3年契約のケースでの「等級」の進み方と、保険料の違いを、具体的な例もまじえて、みていきましょう。
4.検証!1年契約と3年契約の違い!
単年(=1年)契約と、3年契約の自動車保険では、保険料の決まり方の他にも、「等級」の進み方が異なっています。
まずは、「等級」の進み方について、みていきましょう。
4.1「等級」の進み方の違いって?
単年(=1年)契約の場合、1年間、無事故(保険会社が保険金を支払う事故が無い)であれば、翌年の「等級」は、1ランクアップされます。
たとえば、ご契約時点での「等級」が、「17等級」で、1年間、無事故(保険会社が保険金を支払う事故が無い)だった場合、翌年の「等級」は、「18等級」になります。
3年契約の場合、同じく、無事故(保険会社が保険金を支払う事故が無い)であれば、契約期間中の3年間は同じ等級のままです。
ただし、契約期間満了後(3年後)に更新した場合に、等級は、3ランクアップされます。
たとえば、ご契約時点での「等級」が、「17等級」であれば、翌年と翌々年の「等級」は、「17等級」まま据え置かれていますが、3年後の更新時には、「20等級」に進みます。
このように、単年(=1年)契約と、3年契約の自動車保険では、「等級」の進み方に違いがみられます。
ただし、無事故(保険会社が保険金を支払う事故が無い)のケースであれば、どちらの契約であっても、3年後の「等級」は、同じ、「20等級」になります。
●ご契約時の「等級」=17等級(無事故の場合)
1年後 | 2年後 | 3年後 | |
単年(=1年)契約 | 18等級 | 19等級 | 20等級 |
3年契約 | 17等級 | 17等級 | 20等級 |
次に、保険事故(保険会社が保険金を支払う事故)があった場合の、それぞれの「等級」の進み方について見ていきましょう。
仮に、1年目に、3等級ダウンの事故があった場合、単年(=1年)契約では、翌年の「等級」が、3ランクダウンします。
その後、無事故(保険会社が保険金を支払う事故無し)であれば、「等級」は、1年後には、1ランクづつアップしていきます。
単年(=1年)契約では、「17等級」の時に、保険事故があった場合、翌年の「等級」は、3ランクダウンの「14等級」になります。
3年契約の場合、保険事故があっても、契約期間中の3年間は、「等級」は変化することなく、そのまま、据え置かれます。
この時、次のような計算式が用いられて、契約期間満了後の「等級」が、計算されます。
等級+【契約年数-(3等級ダウン事故件数+1等級ダウン事故件数)】-(3等級ダウン事故件数×3+1等級ダウン事故件数×1) |
たとえば、3年契約の場合、ご契約時の「等級」が「17等級」の方でしたら、
17等級+【3年契約-(3等級ダウン事故件数1件)】-(3等級ダウン事故件数1件×3) |
となります。
それぞれの数字を計算式にあてはめると、17+(3-1)-(1×3)=16となります。
結果、3年後の「等級」は「16等級」になることがわかります。
もしも、3ランクダウン事故があった場合の、単年(=1年)契約と、3年契約の「等級」の進み方は、次の表のようになります。
●ご契約時の「等級」=17等級(2年目に3ランクダウン事故あり)
1年後 | 2年後 | 3年後 | |
単年(=1年)契約 | 18等級 | 15等級 | 16等級 |
3年契約 | 17等級 | 17等級 | 16等級 |
4.2保険料の違いって?
次に、単年(=1年)契約と、3年契約の保険料の違いを、損保ジャパン日本興亜の『THEクルマの保険』を参考に、見ていきましょう。
保険会社:損保ジャパン日本興亜 保険商品名:THE クルマの保険
契約条件:●等級:17等級●年齢:40歳●使用目的:日常・レジャー使用●用途・車種:自家用小型乗用車(料率クラス 車両:3 対人:4 対物:4 傷害:4)●対人賠償・対物賠償:無制限 ●人身傷害:5,000万円●車両保険:あり(自己負担額0円 車両保険金額:1年目=150万円 2年目=120万円 3年目=100万円) ●ゴールド免許割引、新車割引:有 ●保険料払込方法:年払
上記の方が、単年(=1年)契約であった場合、年間の払い込み保険料の概算金額は、次のようになります。
●単年(=1年)契約(無事故の場合)
1年目(17等級) | 2年目(18等級) | 3年目(19等級) | |
年間保険料 | 72,280円 | 69,980円 | 67,970円 |
3年間,、無事故(保険会社が保険金を支払う事故無し)であった場合、年間保険料の合計金額は、21万230円になります。
同じ方が、仮に、2年目に3等級ダウン事故にあわれた場合、3年目の「等級」は、3ランクダウンの「15等級」になり、年間の払い込み保険料は、次のように変化します。
●単年(=1年)契約(2年目に3等級ダウン事故あり)
1年目(17等級) | 2年目(18等級) | 3年目(15等級) | |
年間保険料 | 72,280円 | 69,980円 | 100,390円 |
3年間,の払い込み保険料の合計金額は、24万2,650円になります。
無事故(保険会社が保険金を支払う事故無し)であった時の保険料に比べると、差し引きすると、3万2,420円、割高になります。
次に、3年契約であった場合の、年間の払い込み保険料の概算金額をみていきましょう。
●3年契約の場合
1年目(17等級) | 2年目 (18等級相当) |
3年目 (19等級相当) |
|
年間保険料 | 72,280円 | 69,980円 | 67,950円 |
3年契約の場合、3年間の払い込み保険料の合計金額は、21万210円になります。
仮に、同じ方に、2年目に3等級ダウン事故があった場合、3年契約での「等級」は、据え置かれているため、年間の払い込み保険料が、変わることはありません。
ただし、契約期間満了後の4年目の「等級」は、「16等級」になり、更新時の保険料は、「16等級」の割引き率が適用されたものに変わります。
単年(=1年)契約であっても、「等級」の進み方は、同じ(4年目には、「16等級」になります)ですが、3年契約であれば、契約期間中に、もしも、保険事故があった場合であっても、「等級」が据え置かれているため、保険が変わることはありません。
このため、家計への影響が少なく、ライフプランが立てやすいと言えるでしょう。
5.等級制度をおさらい!
ここで、今一度、「ノンフリート等級別料率制度」をおさらいしておきましょう。
「ノンフリート等級別料率制度」では、「等級」によって、保険料の割引き率が決まっています。
ただし、「1等級」~「3等級」までは、割り増し率になっています。
新規で、自動車保険に加入する場合、一般的には、「6等級」からスタートされます。
1年間、保険事故(保険会社が保険金を支払う事故)がなければ、翌年の「等級」は1ランクアップされ、割引き率も、その「等級」に応じた割引き率が、適用されます。
また、「7等級」以降の「等級」は、さらに、「無事故」と「事故有」の係数の2つに分かれています。
これにより、同じ「等級」であっても、過去に保険金を使った事故歴がある方は、「〇等級事故有」として、「無事故」であった方に比べると、割引き率が低く抑えられる仕組みになっています。
●「ノンフリート等級別料率制度」 等級ごとの割増し率・割引き率
1等級 | 2等級 | 3等級 | 4等級 | 5等級 | |
無事故 | +64% | +28% | +12% | -2% | -13% |
事故有 | +64% | +28% | +12% | -2% | -13% |
6等級 | 7等級 | 8等級 | 9等級 | 10等級 | |
無事故 | -19% | -30% | -40% | -43% | -45% |
事故有 | -19% | -20% | -21% | -22% | -23% |
11等級 | 12等級 | 13等級 | 14等級 | 15等級 | |
無事故 | -47% | -48% | -49% | -50% | -51% |
事故有 | -25% | -27% | -29% | -31% | -33% |
16等級 | 17等級 | 18等級 | 19等級 | 20等級 | |
無事故 | -52% | -53% | -54% | -55% | -63% |
事故有 | -36% | -38% | -40% | -42% | -44% |
5.1事故有係数適用期間って?
「事故有」の割増し率や割引き率が適用される期間のことを、「事故有係数適用期間」と言っています。
「事故有係数適用期間」は、3等級ダウン事故では、1件につき、「3年」、1等級ダウン事故では、1件につき「1年」がカウントされます 。
また、「事故有係数適用期間」は、1年ごとに、「前契約の事故有係数適用期間」から、「1年」が差し引かれていきます。
たとえば、「等級」が、「17等級」で無事故(0年)の方が、契約期間中に、3等級ダウン事故が1件あった場合、翌年の保険料には、3ランクダウンの「14等級」(事故有)の割引率が適用されます。
その後、無事故であれば、「14等級」→「15等級」→「16等級」と、等級は進みますが、4年後に、事故前の「17等級」に戻るまでは、事故有の係数が適用されます。
3年契約の自動車保険の「事故有係数適用期間」は、次の計算式で計算されます。
【(更新前の事故有係数適用期間-更新前の保険契約期間)÷2】+(3等級ダウン事故件数×3+1等級ダウン事故件数×1)-(更新前の保険契約期間÷2) |
3年契約の場合、ご加入時の「17等級」で無事故(0年)の方が、契約期間中に、3等級ダウン事故が1件あった場合、「事故有係数適用期間」は、次のように計算されます。
【(更新前の事故有係数適用期間0-更新前の保険契約期間3)÷2】+(3等級ダウン事故件数1×3+1等級ダウン事故件数×1)-(更新前の保険契約期間3÷2)
それぞれに数字をあてはめると、次のようになります。
{(0-3)÷2}÷(1×3+0)-(3÷2)=1.5
「事故有係数適用期間」の計算では、0(ゼロ)を下回る数字は、0(ゼロ)として、小数点第一位は切り上げて計算されますから、「事故有係数適用期間」は、2年間であることがわかります。
6.自動車保険の3年契約で注意するべきポイントって?
長期の自動車保険では、契約期間中の保険料が変わらない点が、最大のメリットです。
ただし、たとえば、発売されてから2年以内などの自動車を購入されるようなケースでは、メリットがデメリットになることがあります。
また、お子さんの独立が間近であったり、ご家族の形態が変化する可能性があるケースでも、長期の自動車保険は、あまり、おすすめではありません。
たとえば、自動車を運転する人の年齢を、ご家族の方の中の一番、低い年齢(お子さん)の方に合わせておられるようなケースでは、より大きく保険料が割り引かれる可能性があります。
保険料が割り引かれる可能性がある時に、契約した時の条件が、契約期間中、ずっと続く長期の自動車保険に加入すると、不利になることがあります。
また、ご契約期間中に、何度か、保険金を請求した場合、契約期間中の保険料は変化しませんが、更新時の保険料が、思った以上に、割高になっていることも考えられます。
3年契約の自動車保険では、更新する時の保険料のことを意識するようにするとよいでしょう。
7.まとめ
以上、3年契約の自動車保険について、見ていきましたが、いかがでしたか?
保険期間中、保険料が変わらないので、思い切って自動車保険を使えるところが、なんといっても、一番のポイントですが、あとあと、ショックを受けずにすむように、心がけるようにしたいですね!