自動車保険の等級によって保険料の割引率は変わるの?詳細に解説します!

自動車保険に加入すれば、どんな条件で保険料が決定されていくのでしょうか?実はいろいろな条件に適合したか・しなかったかで決定されます。

つまり、生命保険のように、原則として年齢や性別だけで決定されるわけではないのが、自動車保険の特徴です。

ご自分の免許証の色、年齢、走行距離は何kmになるか、契約車両の種類、誰が契約車両を運転するか、そして「等級」はどの位か?

これらの条件の組み合わせで、同じ車種、同じ年齢、同じ走行距離であっても保険料は異なります。

今回は「等級」について解説します。この等級がどの位で保険料は何割引きになるのか、それとも何割増しになるのかが決定されます。

この記事を読めば、自動車保険の等級の基本的知識とお得な等級UP法や、等級を次の契約に引き継ぐ制度等も、良くおわかりになることでしょう。

1.自動車保険について

並木と自動車

自分の憧れの新車をいよいよ購入します。自賠責保険はもとより自動車保険へ加入する予定です。やはり事故への備えは万全にしないと。

そうは言っても、自動車保険は初めての加入なので、その特徴について知りたいです・・・・。

こちらでは、自動車保険とは何か?その必要性等を解説します。

1-1.自動車保険とは

自動車保険とは、自動車を所有する人が必ず加入する「自賠責保険」とは異なり、任意で加入する保険です。

つまり、自動車保険は加入しなくても、行政からペナルティを受けるわけではありません。

ただし、自動車保険へ加入すれば、自賠責保険だけでは補償されない対物賠償が補償範囲となったり、ドライバーであるご自分のケガ等が補償対象になったりする等、幅広い補償が約束されます。

自動車に関するいろいろなトラブルに備えるため、自動車保険の加入は不可欠と言えます。

しかし、自動車自体の補償は自動車保険の1種である「車両保険」に加入する必要があります。

車両保険は自動車保険に加入する際、セットで申し込むかどうかが質問されます。当然、セットで加入した方が無難であることは間違いありません。

1-2.自動車保険の必要性

自動車保険

ドライバーが強制加入となる自賠責保険は、被害者1名につき最高で4,000万円(常時介護を要する場合:第1級)が支払われます。

一見、高額な補償内容といえますが、実際に自動車事故を起こしご自分が加害者となった場合は、5億円を超える巨額の賠償命令が裁判所から下されることもあります。

これではとても自賠責保険だけでは足りませんよね。そのため、自賠責保険の補償だけでは足りない部分を、自動車保険で補填する必要があるのです。

自動車保険では、対人賠償・対物賠償共に補償上限「無制限」と設定されている場合が多いです。

この無制限とは、どんなに高額な賠償金額が命じられても、問題なく保険金が下りることを意味します。

被害者の速やかな救済と、ご自分が一生背負っても支払いきれるかわからない賠償金額に備えるため、義務でなくても自動車保険へ加入することが賢明です。

1-3.保険料はやはり気になる

自動車保険に加入するとはいっても、やはり気になるのは保険料ですよね。「十分な備えはわかるが、一体どれ位の金額が必要だろう?」、心配に思う方々もいるはずです。

自動車保険の年間保険料は、保険会社の提示した様々な条件等を総合的に考慮し、その見積もりが行われます。

年間保険料は、ご自分の免許証の色や年齢、走行距離は何kmになるか、車両の使用目的、契約車両の種類、誰が契約車両を運転するか等で算定されます。

そして、契約車両を運転する人の「等級」で、保険料の割引・割増率が決定されます。

そのため、自動車保険の保険料見積もりは非常に複雑となります。第2章以降では、この自動車保険の等級について、詳細に解説していきます。

2.自動車保険の等級について

運転席

自動車保険料の割引・割増は、自分の等級が大いに影響されるというわけですか。でも、この等級ってどうやって決まるのでしょう?

この等級制度について詳細を知りたいです・・・・。

第2章では、等級とは何か?事故あり・事故なしの違い等について解説します。

2-1.等級とは

自動車保険で使われる等級とは、「ノンフリート等級」と言い、一般的な自動車保険の割引や割増し率をさしています。

解りやすく言うと、自動車保険に加入する際に、契約する方の事故などの危険性を図る指数と言っても良いでしょう。

後述しますが、自動車事故が多い人ほど、このノンフリート等級の数字が低く保険料が高くなり、事故が少ない人ほど数字が高くなり保険料が安くなるのです。

上記のことから、ノンフリート等別の割引・割増し率制度は、保険加入者の保険料負担の公平性を図る制度というわけです。

〇等級は何等級ある?

自動車保険の等級は保険加入者が事故を起こし、保険金を請求したかどうかで、原則として1等級~20等級まで区分されています。

先ほども少し書いたように、ノンフリート等級が1等級だと最も保険料は高くなり、逆に20等級ならば最も保険料は安くなります。

また、自動車保険へ初めて加入した場合は、基本的に6等級からのスタートとなり、いきなり20等級から始まるわけではありません。

〇コツコツ毎年1等級

ご自分で自動車を運転し、無事故で保険金利用も行っていないならば翌年に1等級上がることとなります。

安全運転に努め、14年間保険金を利用しなければ、ご自分がベテランドライバーと呼ばれる頃には20等級へ達していることでしょう。

しかし、気を付けなければいけないのは、ご自分が仮に事故を起こさなくても、保険金請求をしなければいけない事態は起こり得るということです。

そうなれば、等級がダウンすることにつながります。このケースに関しては、第3章で詳細に解説します。

2-2.事故ありと事故なし

お金と電卓

自動車に関する事故等のトラブルが発生し、自動車保険の保険金を利用した場合、翌年の等級が1回の請求につき、1~3等級ダウンしてしまいます。

それに加え保険金を利用した場合、等級がダウンするだけの影響へとどまらないことに注意しましょう。

例えば、初めて自動車保険へ加入した人が6等級→7等級に上がった場合と、交通事故のため保険金を利用し10等級から3等級ダウンし7等級になった人とでは、保険料の割引率は異なってしまいます。

〇1等級から6等級まで

実は無事故でも、事故が有っても割引・割増率は変わりません。ちなみに保険料割増となってしまうのは、3等級からです。

等級 割引・割増率
1等級 64%割増
2等級 28%割増
3等級 12%割増
4等級 2%割引
5等級 13%割引
6等級 19%割引

〇7等級から20等級まで

無事故か、事故有かで保険料割引が大きく変わります。最大で保険料が63%まで割引されます。

等級 無事故保険料割引率  事故有保険料割引率
7等級 30% 20%
8等級 40% 21%
9等級 43% 22%
10等級 45% 23%
11等級 47% 25%
12等級 48% 27%
13等級 49% 29%
14等級 50% 31%
15等級 51% 33%
16等級 52% 36%
17等級 53% 38%
18等級 54% 40%
19等級 55% 42%
20等級 63% 44%

2-3.保険金の請求はしない方が良い?

ブタの貯金箱

これまで見てくると、「保険金を可能な限り利用しない方が良いのでは?」と思う方々も多いことでしょう。

ただし、事故有の保険料割引率はご自分が保険契約をやめるまで、ずっと継続されるわけではありません。

〇事故有の保険料割引率には適用期間がある

事故有の保険料割引率の適用期間はそれぞれ次の通りです。

  • 3等級ダウン→3年
  • 1等級ダウン→1年

3等級ダウンの場合、事故を起こす前の保険料割引率に戻るのは、3等級ダウン事故を起こし、保険金を利用してから4年目となります。

一方、1等級ダウンの場合、事故を起こす前の保険料割引率に戻るのは、1等級ダウン事故を起こし、保険金を利用してから2年目となります。

つまり、3等級ダウンの場合は3年、1等級ダウンの場合は1年、割高な保険料を我慢すれば無事故の時の保険料割引率に戻るわけです。

また、この事故あり係数を使用中に事故を起こしたなどで保険を使用した場合には、新たに3年または1年の事故あり係数の年数が付け加えられます。

事故あり係数3年で1年経過した時に、3等級事故を起こした場合には、次回の更新時からさらに4年間事故あり係数を使うことになります。

〇納得いかない等級ダウンのケースも

第3章で後述しますが、ご自分が交通事故を起こし他人や他人の財物に被害を及ぼした場合、保険金を利用すれば3等級ダウン事故となります。

こちらの事故では高額な賠償金を負うことがあるので、保険金請求を行うのは当然と言えます。

一方で、保険加入者が納得いかないケースは1等級ダウン事故の場合でしょう。

「ダウン事故」とは言いますが、ご自分が実際に交通事故を起こしたわけでもないのに、保険金を利用すると1等級ダウン事故に該当することもあるのです。

この1等級ダウン事故には、例えば車体にイタズラをされて、その修理費用を保険金で補填するようなケースが該当します。

当然悪いのはイタズラをした犯人ですが、残念ながらこの場合も1等級ダウン事故にカウントされ、事故有の保険料割引率が適用されます。

〇数万円程度なら自腹で何とかする

「そんな、イタズラが原因となった保険利用もカウントされるなんて・・・。」と、とても納得できない方々がほとんどでしょう。

そのため、等級の下がるのが嫌で、修理費用が数万円程度に収まるのであれば、無理に保険金請求をするのではなく、自費で修理した方が無難と言えます。

これは、修理代などに掛かる費用と、保険を使用した後に事故あり係数を使うことによって生じる保険料の差額を計算して、どちらが自分にとって良いのか?を判断しなければいけません。

保険料が上がっても良いから、保険で直したいと言う方も居れば、事故あり係数と事故なし係数では割引が違うから、高い保険料を1年や3年払うなら、実費で直す方が良いと言う人もいます。

要は、自動車保険も差額を計算しなければいけないと言うことです。

少し難しいですが、細かく計算するのではなく、大まかに計算してどちらが得なのかを判断すれば良いと思います。

3.保険金の請求と等級について

事故の写真

なんか車体にイタズラされたことが原因の保険利用も事故扱いなんて、気分がスッキリしません。

では、1等級および3等級ダウンのケースをもっと知りたいです・・・。

第3章では1等級ダウン・3等級ダウンのケース等について解説します。

3-1.1等級ダウンのケース

1等級ダウンのケースは、車両保険で保険金を賄う場合が該当します。自分で事故を起こしたのではなく、不運・不条理な事態で契約車両が被害を受けたケースとなります。

  • 契約車両を車泥棒に盗難され、保険会社から保険金が支払われた
  • 台風や洪水で契約車両が破損し、保険会社から保険金が支払われた
  • 契約車両がイタズラされ、保険会社から保険金が支払われた
  • 飛び石等で契約車両が破損し、保険会社から保険金が支払われた

いずれも、不運としか言いようのないケースばかりです。

自然災害に関しては台風をはじめとした風災、河川の氾濫による洪水をはじめとした水災は、補償対象となります。

ただし、地震や噴火、津波による被害は補償対象外となってしまいます。このような被害も補償範囲に含めたい場合は、特約で付加できる商品があるので、それらを付帯する等して備えましょう。

3-2.3等級ダウンのケース

綱渡りの人

3等級ダウンのケースは、自動車保険または車両保険で保険金を賄う場合が該当します。

自分が起こした加害事故の他、こちらも不運・不条理な事態で契約車両が被害を受けたケースとなります。

  • 契約車両で他人をひいてしまい、保険会社から対人賠償保険金が支払われた
  • 契約車両で他人の自動車を破損させ、保険会社から対物賠償保険金が支払われた
  • 契約車両を運転中、操作を誤り電柱に衝突し、保険会社から車両保険金が支払われた
  • 当て逃げ被害に遭い、保険会社から車両保険金が支払われた

契約車両で他人や他人の財産に被害を及ぼした場合は、被害者への救済が最優先です。速やかに保険金請求を行うことが望まれます。

一方、当て逃げ被害に遭った場合等は、ご自分の不注意でない事故とはいえ、3等級もダウンしてしまいます。

ご自分からすれば納得いかないかもしれませんが、修理費用があまりかからなければ自費で修理し、保険金請求を控えた方が無難です。

3-3.保険会社の変更と係数適用期間

皆さんの中には、「保険会社と自動車保険を変えたら、等級はリセットされるのでは?」と、考える人がいるかもしれませんね。

確かに3等級まで下がると保険料率は割増になり、何とかしたい思うはずです。

しかし、保険会社・自動車保険を変更しても、等級や事故有係数適用期間は引き継がれることになります。

なぜなら、各保険会社では日本損害保険協会(損害保険会社の中心的機構)を通じ、等級等の各保険加入者情報を共有しています。

そのため、仮にご自分の等級が下がったことを秘匿して、保険会社を変更することが行われてもすぐに発覚します。

どうしても等級をリセットしたいという場合は、その方法について第5章で解説するので、そちらを参考にしてください。

4.保険金の請求とノーカウント事故について

割れるガラス

等級を気にしていたら保険金の請求なんて、とてもできなくなってしまいますね。

しかし、自動車保険の補償の中には等級に影響しない補償もあると聞きました。

こちらについても是非詳細を知りたいです・・・・。

第4章では、ノーカウント事故とは?それに該当する各補償を解説します。

4-1.ノーカウント事故とは

ノーカウント事故とは、保険金を利用しても等級制度で事故件数としてカウントせず、翌年の等級ダウンもありません。当然、翌年の事故有係数適用期間に該当することはありません。

何回保険を利用してもノーカウント事故の場合は、等級も変わらず事故有係数適用期間に該当しません。

自動車保険の保険プランによっては、自動付帯で設定されている補償もあれば、特約として主契約に追加する特約として設けられている補償もあります。

ノーカウント事故になる補償の中には、非常に高額な補償金額を設定できるものもあり、まさかの事態の金銭的補償として大いに役立つことでしょう。

次項では、ノーカウント事故に該当する主な補償を解説していきます。

4-2.ノーカウント事故になる補償:その1

読書をする男性

自動車事故に関する、主なノーカウント事故の補償に関しては、次のようなものがあげられます。

(1)搭乗者傷害保険

契約車両を運転している人や同乗者が事故に遭い、入院、通院するとき、その負傷した部位や症状に応じ医療保険金が下りる補償です。

1名あたりの保険金額は、500万円~2,000万円程度で設定できる場合がほとんどです。運転者または同乗者が死亡した場合は保険金額の満額を、後遺障害の場合は、障害の程度に応じ保険金額4%~100%の範囲で保険金が支払われます。

(2)人身傷害保険

契約車両を運転している人や同乗者が事故に遭い、その過失割合を問わず保険金が下りる補償です。

こちらの保険金額は、無制限または3,000万円~1億円程度で設定できる場合がほとんどです。運転者または同乗者が補償される点では、搭乗者傷害保険と変わりはないですが、事故の相手方との示談解決に関係なく保険金が下りるのは魅力です。

自動車保険へ加入の際には、搭乗者傷害保険か人身傷害保険、または両方を設定すると補償がより手厚くなります。

(3)無保険車傷害特約

交通事故が起き、任意保険に未加入の車両との事故で、運転者や同乗者が死亡または後遺障害となったものの、事故の相手方から賠償を十分に得られない時、保険金が下ります。

下りる保険金額は概ね2億円が多いようです。ただし、人身傷害保険を設定している場合は、そちらの保険適用が優先されます。

(4)ロードサービス

一概に自動車事故とは言えませんが、車両トラブルの際に助けを呼べるサービスも基本的にノーカウント事故です。タイヤの交換等やバッテリー上がり等であれば、サービスを利用しても等級は下がりません。

ただし、ロードサービスを利用した際、車体の修理費用に車両保険を利用する際は等級ダウンとなります。

4-3.ノーカウント事故になる補償:その2

喜ぶ男性

こちらでは、その他の主なノーカウント事故の補償を解説します。自動車事故とはあまり関係のない補償もあります。

(1)弁護士費用補償特約

こちらは、事故の相手方と交渉したり、訴訟で必要となったりする弁護士費用、法律相談費用等に備える特約です。

ただし、この特約を利用する場合は、保険会社の承認を得ることが条件となります。

損害賠償の請求費用ならば、1回の事故で被保険者1名につき300万円を限度して保険金が下ります。

また、法律に関する相談費用は、1回の事故で被保険者1名につき10万円を限度して保険金が下ります。

(2)バイク特約

この特約で自動車保険の契約車両の他にも、ご自分の家族が所有しているバイクを補償範囲として設定できます。

ただし、対象のバイクは総排気量125cc以下でありスクーターが該当します。総排気量125ccを超える軽二輪以上のバイクは補償対象外となります。

(3)家族傷害特約

家族が歩行中や自転車を運転していて、相手方の自動車に接触し負傷した場合等で保険金が下ります。保険加入者本人の他、ご自分の家族も補償範囲となります。

(4)被害者救済費用特約

契約車両の欠陥、不正アクセス等が原因で、誤動作を起こし事故が発生し、ドライバーに賠償責任がない場合、保険加入者が被害者救済費用を負担して被った損害に、保険金が下りる特約です。

(5)個人賠償責任特約

自動車保険の他に、火災保険や傷害保険にもオプションとして付帯されているメジャーな特約です。

自動車保険では無制限または1億円まで補償金額を設定できる場合が多いです。ただし、補償はご自分や家族が加害者となり、他人やその財物を被害を与えた場合に下ります。

あくまで被害者救済のための補償にとどまることへ注意が必要です。また、他の損害保険との重複加入にならないか確認してから追加しましょう。

5.自動車保険の等級の注目点

牧場と車

事故やトラブルは起きないことが一番ですね。でも、ノーカウント事故の人身傷害保険はとりわけ頼りになる補償です。

では、自動車保険の等級で他に注目される点を教えてください・・・。

第5章では、等級を有効利用するコツや、等級がリセットされるケース等ついて解説します。

5-1.家族間で等級の引き継ぎ可能!

ご自分が自動車保険へ加入し、等級が順調に上がっていれば保険料は安くなっていきます。

でも、ご自分の無事故の成果である高くなった等級、ご家族にも活かせることはご存知でしたか?

ご自分の等級を家族が引き継ぎ、ご自分が新規で保険へ加入すれば、保険料がトータルで割安になり大変お得です。

例えばご自分の子が自動車運転免許を取得した場合、通常ならば6等級からとなりますが、ご自分の等級である20等級を子が引き継ぐ場合には、子もいきなり20等級となります。

〇ただし、条件はある

家族が免許を取得し自動車を購入したというケースの他、ご自分の車両を廃車にするケースでも、ご自分の等級を家族へ引き継ぐことができます。

しかし、各保険会社では等級引き継ぎの条件として、必ずご自分(保険加入者)と同居している親族であることを要求しています。

具体的に等級の引き継ぎが可能な人は次の通りです。

  • 配偶者:内縁関係にある人(事実婚)も対象です。
  • 同居の子供
  • 同居の親戚(ご自分の兄弟姉妹等)
  • ご自分の配偶者の同居親族

〇等級引き継ぎの手順

等級引き継ぎに関して、煩雑な手続きにはならないのでご安心を。次のような流れになります。

(事例)子が新車を購入し、自分の等級を引き継がせることにした。

  1. 子の新車の納車日を確認し、車検証を準備する
  2. 保険会社のカスタマーセンターへ連絡、新車へ車両入替することを伝える
  3. 新車の保険加入者(記名被保険者)を同居の子に変更、保険名義も子に変える
  4. ご自分の車両は、ご自分の名義で保険会社と新規で契約する

5-2.一家に複数の車がある場合

2台の車のおもちゃ

自動車保険に初めて加入するケースで、等級をいきなり7等級から始められる場合もあります。

ご自分や同居の家族が既に自動車を1台所有し、新規で加入する2台目の自動車で、「セカンドカー割引」が適用される可能性もあります。

所有自動車の保険会社がそれぞれ違っても、この割引制度は適用されます。次の条件に全て合致していたら、保険会社へ割引制度の利用を問い合わせてみましょう。

〇契約車両1台目の条件

  • ノンフリート等級の11等級以上であること
  • 自家用8車種(※)に該当すること
  • 所有者は個人であること:ただし使用者欄だけが個人名の場合でもOKです。

〇2台目の条件

  • あくまで新規の自動車保険の加入であること
  • 自家用8車種(※)に該当すること
  • 所有者は個人であること
  • 2台目の所有者が、①1台目の保険加入者か、②その配偶者、③保険加入者本人または配偶者の同居親族、④1台目の車両所有者のいずれかに該当すること
  • 2台目の保険加入者(記名被保険者)が、①1台目の保険加入者か、②その配偶者、③保険加入者本人または配偶者の同居親族のいずれかに該当すること

(※)自家用8車種とは次のような自動車を指します。

  • 自家用普通自動車
  • 自家用小型自動車
  • 自家用軽四輪自動車
  • 自家用小型貨物車
  • 自家用軽四輪貨物車
  • 自家用四輪貨物車(最大積載量:0.5トン以下)
  • 自家用四輪貨物車(最大積載量:0.5トン超~2トン以下)
  • 特殊用途自動車(キャンピングカーが該当します。)

5-3.等級がリセットされるケース

4等級・3等級ともなれば、自動車保険をこのまま継続するべきか悩むこともあるでしょう。

自動車保険を保険満期日から更新せず、13ヶ月を超えても保険契約していない場合は、等級はリセットされます。

つまり、13ヶ月を超えるまで自動車保険へ加入せずに、期間経過後、再び自動車保険に加入すれば6等級から始められます。

そうは言っても、自動車保険へ加入していなければ任意の保険とは言え、補償が手薄になるのは皆さんおわかりのことでしょう。

等級のリセットを望む場合は、この13ヶ月間、自動車の運転は控えることが賢明です。

6.中断制度について

車のフロント

等級が低いドライバーには、前述した等級をリセットする方法は有効かもしれません。

しかし、等級の高い方々で何らかの理由により、一時的に自動車保険契約が不要となるケースもあるはずです。

そんな時に、再び保険へ加入して6等級からでは、これまでの安全運転の努力が報われない気もします・・・・。

第6章では、ご自分の等級を継続したい場合の有効な方法について解説します。

6-1..等級がリセットされては困る人必見!

何らかの理由で契約車両を使用できない、または手放さざるを得なくなったケースはいろいろありますが、主に次のようなことがあげられます。

  • 契約車両を廃車、譲渡、リース業者へ返還する場合
  • 車検満了時、何らかの理由で継続検査を受けずに、自動車検査証が効力を失った場合
  • 契約車両が盗難されてしまった場合
  • 現在の契約車両を別の契約へ車両入替する場合

上記のケースが、保険契約の満期日または解約日に発生している場合、「中断制度」が利用できます。

この制度を利用すれば、10年間にわたりご自分のノンフリート等級を次契約へ引き継ぐことが可能です。この制度の利用のため発行されるのが「中断証明書」です。

なお、中断制度には海外特則もあります。こちらは保険加入者(記名被保険者)の長期的な海外渡航等で、保険契約を中断しなければならないケースが該当します。

こちらのケースでは、保険加入者の海外出国日が、中断する契約満期日または解約日から6ヶ月以内の日であることが必要です。

6-2.中断証明書の発行条件とは?

中断制度は前述したケースに合致する他、中断した後の新たな契約が7等級以上になることも条件となります。

もしも、次契約の等級が1~6等級にとどまる場合なら、中断証明書の発行は行われないので注意が必要です。

中断証明書は、これら所定の条件を満たした上で、保険契約の満期日または解約日から13ヵ月以内に、保険加入者からの申出があった時、発行されます。

ここで気を付けなければならないのは、中断証明書を取得しても、中断日の翌日から10年以内で新契約を結ぶことはもちろん、原則として契約車両は新規取得自動車に限定される点です。

ただし、車検切れ・盗難が原因で中断証明書を取得したならば、中断時と同じ車両であっても証明書を使用し、ご自分の等級を継続できます。

6-3.中断証明書の発行の必要書類

中断証明書を取得するためには次のような書類が必要です。

(1)中断証明書発行申請書

保険会社から取得します。各ケースで中断証明書を取得するために共通する書類です。必要事項を漏れなく記載しましょう。

(2)車両を廃車・譲渡等したケース

登録事項等証明書または登録識別情報等通知書が必要となります。これらの書類は陸運局で取得します。

(3)車検切れのケース

陸運局で登録事項等証明書を取得するか、各運輸支局長から発行された自動車検査証が必要です。

(4)車両が盗難されたケース

車両が盗難されたら警察署へ盗難届を提出しましょう。その際に警察署窓口で盗難届出証明書を取得します。こちらを申請の際に提示します。

(5)車両入替のケース

保険会社が発行する契約内容変更通知書または異動承認書等が必要です。この書類で、車両入替手続きが完了したことを確認します。

7.まとめ

窓から顔を出す犬

自動車保険の等級を上げ、保険料を割安にしていくためには、まずご自分の日ごろの安全運転が求められます。

常に相手方ドライバーや歩行者、自転車搭乗者を思いやった運転を行う必要があります。

無理な運転をせず、冷静な運転を心がければ必ず、ご自分の利得なる結果となるでしょう。

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