火災保険で台風は補償されるの?被害ケースごとに徹底解説します!

2018年は、台風がたくさん来て肝を冷やすケースが多かった・・・そんな感想を持った方々もいらっしゃったと思います。

日本は、火山・地震・台風被害が特に目立つ災害大国としての一面もあります。

住宅ローンを返済中の方々、賃貸物件で生活している方々は、ほとんどの場合に火災保険へ加入していることでしょう。

しかし、たとえ住宅ローンを完済したとしても、ずっと火災保険は加入しておくことがおすすめです。

住宅が耐火構造で、火災に強い造りになっても、台風や津波等の自然災害を完璧に防御できる建築物はありません。

家屋・家財のまさかの破損をカバーできる、火災保険への加入が有効な備えです。

そこで今回は、火災保険で台風被害を補償できるケースと、保険金の請求方法、保険金を受け取る場合の注意点について解説します。

この記事を読めば、台風被害の補償に関する基本的な知識を得ることができ、被害へ備える火災保険の有効性を知ることに役立つはずです。

1.火災保険について

私はマイホーム購入のために住宅ローンを検討しています。当然、火災保険には入る必要があるでしょう。

この火災保険は、火災だけではなくいろいろな自然災害も補償されると聞きました。

台風のケースでは建物や家財の破損はやはり補償されるのでしょうか?

まずは、火災保険の特徴と補償範囲について知りたいです・・・・。

こちらでは、火災保険とは何か?その補償範囲等について解説します。

1-1.火災保険とは?

火災保険は、新築または中古の一戸建てやマンション、ビル等の不動産、建物内にある家具・機材等の動産を補償する商品です。

この保険は、建物だけに保険をかけると、火災で建物が燃えてしまったとき、補償される保険金は建物が受けた被害分のみに限定されます。

残念ながら、建物の中の動産(家財道具等)の被害について、保険金を受け取ることはできません。

家財道具等も補償を受けるには、こちらにも火災保険をかける必要があります。

また、ご自分の住む賃貸物件や、ローン完済前の物件ならば、火災保険への加入がほぼ必須条件です。

ローンを組んだ金融機関から、その金融機関と提携している損害保険会社の商品を案内されるケースもあります。

しかし、ご自分の住む地域で想定される災害等のリスクを十分に考慮し、よりふさわしい火災保険へ入るために、比較検討しながら商品を選ぶことが大切です。

1-2.火災保険の補償範囲

火災保険で補償される建物および家財は次の通りです。なお、前述したように、家財の場合はオプションとして補償範囲に加えておかないと、損害が発生したときに保険金を受け取れない場合が多いです。

〇建物

  • 窓枠・窓ガラス
  • 屋根
  • 畳上・床上
  • 物置
  • カーポート

〇家財

  • 家具(机やイス、タンス等)
  • 家電製品(TV・DVD機器・洗濯機・冷蔵庫等)
  • 衣類
  • 自転車
  • 原付自転車(ただし125cc以下)

1-3.火災保険の対象となる被害とは?

火災保険は単に火災だけではなく、次のような自然災害等も補償対象です。

  • 火災:先火、もらい火、放火による建物等の損害が対象
  • 落雷:落雷による建物等の損害が対象
  • 破裂・爆発:ガス漏れ等の破裂・爆発による建物等の損害が対象
  • 風災:台風、旋風、竜巻、暴風による建物等の損害が対象
  • 雹災・雪災:豪雪、雪崩による建物等の損害が対象
  • 水災:台風・豪雨が原因となる洪水による建物等の損害が対象
  • 水濡れ:給排水設備の事故で生じた事故に伴う、漏水、放水、溢水による建物等の損害が対象
  • 建物の外部からの物体の落下等:建物の外部からの物体落下、飛来、衝突、接触、倒壊による建物等の損害が対象
  • 騒擾、集団行為、労働争議による破壊行為等:集団行動・労働争議が原因の暴力行為・破壊行為による建物等の損害が対象
  • 盗難による盗取、損傷等:盗取、損傷、汚損による建物等の損害が対象
  • 不測かつ突発的な事故:偶然の事故による建物等の損害が対象

火災保険では、最初から上記の内容すべてが基本的補償として設定されている場合もあれば、加入希望者がカスタマイズして補償を設定できる場合もあります。

2.台風について

最近の日本では台風がよく来るなあ、と感じます。やはり、将来その被害に遭ってしまうものとして、火災保険を設定した置いた方が無難ですね。

日本で起きた台風被害について詳細を知りたいです・・・・。

こちらでは、日本に台風が上陸した回数、最悪の台風被害等について解説します。

2-1.日本に台風が上陸した回数

気象庁がまとめた日本へ上陸した台風の数は、1951年~2018年の間で2004年の10回が最高となります。

2018年を含めた過去5年間の上陸回数については下表を参考にしてください(気象庁ホームページ「台風の上陸数(2017年までの確定値と2018年の速報値)」を参考に作成)。

月/年 2014 2015 2016 2017 2018
1 0 0 0 0 0
2 0 0 0 0 0
3 0 0 0 0 0
4 0 0 0 0 0
5 0 0 0 0 0
6 0 0 0 0 0
7 1 2 0 1 1
8 1 1 4 1 2
9 0 1 2 1 2
10 2 0 0 1 0
11 0 0 0 0 0
12 0 0 0 0 0
合計 4 4 6 4 5

2018年は台風の上陸数は5回となっており、2016年に次いで2位です。台風が多発するのは7月~10月までとなっており、この時期の備えは万全にしておいた方が無難です。

2-2.最悪の台風被害とは

こちらでは「伊勢湾台風」、「室戸台風」、「枕崎台風」について説明します。

〇伊勢湾台風

1959年(昭和34年)9月26日から潮岬に上陸し、紀伊半島~東海地方を中心に、ほぼ日本全国へ甚大な被害を及ぼした台風です。

室戸台風、枕崎台風とあわせ昭和の三大台風として、その中でも最大最悪の被害をもたらしました。

なお、災害対策について規定した災害対策基本法は、伊勢湾台風を教訓として成立した法律です。

当時の被害状況は下表を参考にしてください。

被害 内容
死者・行方不明者 5,098人(死者4,697人・行方不明者401人)
負傷者 38,921人
被災者 約153万人
全壊家屋 36,135棟
半壊家屋 113,052棟
流失家屋 4,703棟
床上浸水 157,858棟
船舶被害 13,759隻

被害はとりわけ愛知県、三重県に集中し、被災者数は三重県は約32万人、愛知県は約79万人と、県の全人口の約2割に及んだと記録されています。

〇室戸台風

1934年(昭和9年)9月21日から高知県室戸岬付近に上陸し、京阪神地方を中心に甚大な被害を及ぼした台風です。

記録的な最低気圧(911.6 hPa)、そして最大風速は60 m/s(瞬間)以上で測定不可能となるほど、強力な最大瞬間風速を観測しました。

そのため、戦前の木造建築が多かった大阪の市街地では、学校・寺院等の比較的大きな木造建物が倒壊、多数の教員・児童に死傷者が出ました。

当時の被害状況は下表を参考にしてください。

被害 内容
死者・行方不明者 3,036人(死者2,702人・行方不明者334人)
負傷者 14,994人
全半壊・一部損壊家屋 92,740棟
床上・床下浸水 401,157棟
船舶被害 27,594隻

〇枕崎台風

1945年(昭和20年)9月17日に、現在の鹿児島県枕崎市付近に上陸後、日本を縦断、とりわけ広島県を中心に甚大な被害を及ぼした台風です。

第二次世界大戦終戦後でかつ、原爆投下から間もない時期の混乱期であっあったため、防災対策の不備が被害悪化の要因となりました。

また、広島では被ばく患者の救出の遅れも災いし、広島県だけで死者・行方不明者合わせて2,000人を超える痛ましい事態となりました。

当時の被害状況は下表を参考にしてください。

被害 内容
死者 2,473人
行方不明者 1,283人
負傷者 2,452人

以上、3件の台風被害は、いずれも強力な台風であったことは間違いないです。

それに加え、当時の国内の木造建築の多さ、防災体制・連絡体制の限界、終戦後の混乱というやむを得ない状況も、甚大な被害に発展した要因と言えます。

現在では台風被害によって、数千人にも及ぶ人的被害や、数万棟にも及ぶ家屋の倒壊が発生する事態は稀です。

しかし、台風がお住いの地域に上陸すると、何らかの損害が発生することは容易に想定されます。

防災対策、連絡体制が進歩している現在でも、不測の事態に備えることが大切です。

2-3.火災保険では当然補償されるが

火災保険では前述したように、台風で被害を受けた建物や一定の動産は補償されますが、被害の規模(つまり、全損か一部損壊かの違い等)によって、下りる保険金額は大きく異なります。

例えば、生命保険会社の医療保険やがん保険のように、入院したら「日額で一律〇〇〇〇円支給」と、医療費がいくらかかっても、保険契約時に決めた保険金が受け取れるという仕組みではありません。

更に医療保険やがん保険は複数契約していても、基本的に各契約会社へそれぞれ保険金請求をすれば、実際の医療費がどれくらいか、他の保険へ加入していたかは関係なく保険金全額が下ります。

しかし、火災保険の複数契約の場合は、損害額が1,200万円と判定された場合、各契約会社へそれぞれ保険金請求をしても、やはり総額1,200万円(実損額)までしか受け取れません。

また、カーポートは火災保険の補償対象となりますが、そこに置いてあった自転車やスクーターそして自家用車全てが、補償対象となるわけではありません。

台風が原因となった被害事例ごとに補償が適用されるかどうかは、第4章以降で解説します。

3.保険金の請求について

地震や津波は、阪神淡路大震災、東日本大震災等でその恐ろしさが実感できました。

しかし、台風も歴史的に見て無視できない自然災害ですね。

では、火災保険に加入し、保険金請求が必要となった場合について詳細を知りたいです・・・。

こちらでは、保険金請求の流れとその必要書類等について解説します。

3-1.保険金請求の流れ

いくら台風が接近したり、お住いの地域を縦断したりする場合でも、まさかご自分の家や家財が損害をうけるとは誰も予想しないはずです。

そのため、いざ破損した場合にはパニックになる可能性があるでしょう。

しかし、冷静に問題へ対処し、保険会社等へ損害等を伝え、指示および保険金の請求を行いましょう。

保険金請求の流れは概ね次のようになります。

[1]台風による損害発生 建物の破損状況を可能な限り確認します。

窓ガラスや門が台風の影響で破損した場合には、すぐに被害がわかります。

しかし、屋根や外壁等の損害は、台風がようやく過ぎ去った後に気づく場合も多いです。

ただし、そうであるから言って、調査のため足元が滑る状態で屋根に上がると、落下して大けがを負う要因にもなります。

損害の確認は無理をしない範囲で、かつ、慎重に行いましょう。

[2]損害報告 保険会社または保険代理店に問い合わせを行います。

窓口を直接尋ねても良いですが、カスタマーセンターへ電話連絡し、指示に従いましょう。その際に、保険契約したとき取得した保険証券を手元に用意しておきます。

[3]被災内容の報告 被災した具体的内容を、保険会社または保険代理店に伝えます。

被害情報はご自分や家族のわかる範囲で報告して構いません。無理な調査を行うと不測の事故に発展する場合があります。

その後、担当者に保険金の申請の方法・必要書類を確認しましょう。

[4]建物等の修理 まずは、破損した建物の修理が先です。屋根や外壁等の修理業者を呼んで修理してもらいましょう。

修理の際に、「修理見積もり書」の作成や「被害状態の写真」は修理業者に頼みます。また、ご自分や家族が把握しきれていない損害が発見される場合もあります。

[5]必要な書類の準備・提出 保険金請求に必要な書類を収集および作成し、保険会社へ提出します。

必要書類は次項で説明します。

[6]調査開始 保険会社と提携している保険鑑定人が、被害状況の確認にご自宅を訪問します。保険鑑定人の他には、保険会社または代理店の担当者も同行します。

また、保険鑑定人等は提出された修理業者へも連絡し、見積もり書の真偽や、破損部分の所感等を判断します。

なお、保険会社から見て、保険金請求の際の見積もり金額が適正または想定し得る金額にとどまる場合、保険鑑定人による調査が入らないこともあります。

[7]保険金確定 保険会社から修理費用支払い内容の連絡があります。およそ7日~10日くらいで金額の回答が行われます。

ただし、あまりに台風等の被害が各地で多く発生し、保険会社が対応に追われている場合は、回答が遅くなることもあります。

[8]保険金振込 保険加入者の指定する預金口座に保険金が振り込まれます。

3-2.必要書類とは

保険金請求を行う際の必要書類は、基本的に次のようなものがあげられます。

  • 保険金請求書:保険会社等から取得します。必要事項を保険加入者が記載します。
  • 事故状況説明書:保険会社等から取得します。保険加入者は台風が原因で損害の発生した旨をなるべく正確に記載します。
  • 修理見積もり書:修理業者が作成します。
  • 被害状態の写真:修理業者が作成します。

保険金請求の根拠となる被害状態の写真は非常に重要です。余すところなく破損箇所を撮影してもらいましょう。

修理見積もり書にしても被害状態の写真にしても、保険会社への提出経験が豊富な業者へ依頼することが賢明です。

3-3.保険金請求の注意点

加入している保険会社の条件によっては、残念ながら保険金が下りないケースもあります。

条件は各保険会社によって様々ですが、次のようなケースが該当します。

  • 過去〇年以内に屋根塗装を含む屋根修理や外壁修理を行った等
  • 修理が必要になった日から、放置してしまい〇年以上経過した
  • 修理費用が20万円以下
  • 保険契約者等が、故意もしくは重大な過失または法令違反によって招いた被害であること
  • 経年劣化  等

修理が必要になった日から速やかに修理や保険金請求をしないと、「時間切れ」になってしまう場合があるので注意しましょう。

また、軽微な破損の場合も保険金は下りないことがあります。

そして、保険契約者本人やその家族が、建物を誤って破損させ、台風の影響も相まって被害が大きくなったような場合も、保険金が下りることはかなり難しいと予想されます。

当然のことながら、わざと建物を破損させ保険金をだまし取ろうという悪だくみは、保険金が下りないばかりか、犯罪となり刑罰を科されることになります。気を付けましょう。

経年劣化について、概ね次の場合は保険適応が困難です。

  • トビラや屋根表面のサビ
  • 外壁・屋根表面のサビ
  • 屋根表面の塗膜剥離
  • 外壁・屋根表面のコケ・カビ
  • ネズミやコウモリ、鳥、昆虫等が原因の損害 等

所有者の不注意というわけではないですが、これらの傷みや損耗は、必然的に老朽化に伴って発生してしまうトラブルやリスクといえます。

そのため、建築後だいたい30年以上経過した屋根や外壁等は、保険会社から保険適用を認められない場合が多いです。

4.台風被害と火災保険その1

ご自分や家族の不注意とは言えなくても、建物の経年劣化で保険金が下りないケースもあることはわかりました。

では、台風被害で火災保険金が対象となるケースを知りたいです・・・。

こちらでは、具体的なケースに分けて補償の可否を解説します。

4-1.台風の強烈な風で建物破損

こちらのケースは、主に台風による風圧で窓が飛んだ、突風や強風による飛来物が原因で窓ガラスが破損した、台風の暴風雨で屋根瓦が破損、台風で屋根が飛んでいった等があげられます。

窓・窓ガラスや扉は建具であり建物に該当します。破損やヒビが入ることは、原状回復のため必要な費用が風災として判断され、補償を受けられます。

屋根・屋根瓦も建物に含まれます。台風の雨風により破損した場合は、原状回復するために必要な費用が風災補償として受けられます。

では、自宅の建具にしても、他人宅の建具や屋根瓦等にしても、台風により飛んできたそれらが、人に直撃してケガをした場合はどうなるのか、次項で解説します。

4-2.台風による風でケガ

 

台風の強風で飛んできた建具や看板等が、自分や家族に直撃してケガをした場合が該当します。

残念ながら、火災保険はモノに関しての補償であり、ヒトの補償は対象外です。

そのため、事前にご自分や家族が「傷害保険」へ加入しておけば金銭的サポートを受けられます。

傷害保険はいろいろとタイプがあり、本人のみが補償対象となる「本人型」をはじめ、「夫婦型」や、家族全員が対象となる「家族型」もあります。

補償対象になる条件としては、次のような状況でケガをしたことがあげられます。

  • 急激:突発的な状況(事故等)から時間的間隔なくケガを負うこと
  • 偶然:原因の発生またはケガの発生のいずれかが予知できないこと
  • 外来:ケガの原因が身体の外からの作用で発生したこと

つまり、ご自分の持病等が原因でケガをしたというような場合は補償外です。

傷害保険が保険適用されると基本的に次の保険金が下ります。

  • 死亡保険金:被保険者が死亡した場合に下りる保険金です。
  • 後遺障害保険金:被保険者が治療しても、これ以上回復の見込みが無い障害が残った場合に下りる保険金です。
  • 入院保険金:傷害が原因で入院した場合に下りる保険金です。
  • 手術保険金:傷害が原因で手術した場合に下りる保険金です。
  • 通院保険金:退院後、通院により継続して傷害治療を受ける場合、下りる保険金です。

なお、台風や雷の自然災害は、傷害保険の主契約で補償される場合がほとんどです。

しかし、地震や噴火、津波は別に、「天災補償特約」を付加しないと補償されない場合があります。

4-3.台風による大雨で土砂が崩れ被害

台風による大雨や強風で建物が破損したわけでなく、その豪雨の影響で建物の裏山が崩れ、その土砂で建物がつぶされてしまった場合はどうなるでしょうか?

この場合は、大雨による土砂崩れとが原因と言えるものの、当時の状況・損害の状態や程度により、火災保険(水災補償)の対象となる可能性があります。

台風の到来はもちろん、台風が付近を通過したことによる雨量の急激な増加等が、客観的に判断されれば補償される可能性は高くなります。

5.台風被害と火災保険その2

台風による被害は建物だけにとどまらず、屋内の財物や、自分の自家用車等にも及びます。

これらも火災補償の適用内なのでしょうか?

こちらでは、台風による落雷・豪雨で建物の屋内、ご自分の所有する動産が破損した場合の補償について解説します。

5-1.台風による豪雨で床上・床下浸水

このケースは、台風による豪雨で排水が溢れ出し、床上が浸水した場合、台風の影響による高潮で床下浸水した場合があげられます。

床上浸水にしても床下浸水にしても、火災保険の水災補償に該当する場合があります。

ただし、床上浸水の場合は、①床上の浸水または地盤面より45cmを超えた浸水、②損害の割合が30%以上と認められた時に補償されます。

当然のことながら、損害の発生割合は保険会社が判断するものなので、単に床上浸水が起きただけでは、保険金は下りないこともあり得ます。

5-2.台風に伴う雷で家電製品が壊れた

建物内にある家財も、家財を補償対象とした火災保険に入っていた場合、保険金が下りることは十分期待できます。

例えば、台風に伴う落雷で電化製品の破損したケースが該当します。建物に収容されている電化製品(冷蔵庫、洗濯機、テレビ、DVDプライヤー、パソコン等)は家財に含まれ、落雷補償の対象です。

なお、台風でドアが破損し家屋に風雨が吹き付け、家電製品の他、家具が濡れて使い物にならなくなった場合は、水災補償が受けられます。

5-3.台風による大雨で車が水没

台風が原因で大雨や強風で、敷地内に保管されていた自転車・原付自転車(125cc以下)が、水没または倒れて破損した場合は、こちらも家財に含まれます。

これらには風災補償または水災補償が認められ保険金が下ります。ただし、自家用車の場合は、残念ながら火災補償は適用されません。

自家用車には、自動車保険(車両保険)が補償対象とされます。自然災害による自家用車の損害を心配する方々は、任意加入の保険とは言っても事前に保険契約しておきましょう。

台風が原因で、自家用車が水没した場合や、飛んできた瓦等が自家用車に当たって破損した場合も補償されます。

ただし、自動車保険の保険金を請求してしまうと等級に影響が出ます。つまり、保険利用でその翌年には1等級ダウンし、事故あり係数適用期間が1年加算されます。

走行や安全性に問題が出るような損害でなければ、安易に自動車保険を利用しない方が無難です。

6.火災保険の注意点

火災保険は台風被害の場合も、頼りになる金銭的なサポートが期待できそうですね。

では、火災保険を利用する際の注意点について知りたいです・・・。

こちらでは、利用する場合に知っておいた方が良い火災保険の仕組みを解説します。

6-1.保険金はどんな時でも全額支給?

建物や家財の被害の状況・規模で大きく保険金額は変わります。台風で損害がでたからといって、「一律〇〇〇〇万円支給」という補償は、どの火災保険でも設定されていません。

保険金が全額支給されるためには、建物が「全損」の場合に限定されます。ただし、台風で建物が完全に倒壊したという事態だけが全損ではありません。

〇全損とは?

全損の基準は主に次の2点です。

[1]焼失・流失・損壊した部分が、延べ床面積の80%以上

こちらの場合は、物理的な被害にもとづく基準となります。火災で完全に焼け落ちてしまった、台風で建物が倒壊したということが該当します。

このような事態となれば80%以上の損失にあたり、もちろん全損扱いです。一般的に、補強するなどしても、とても使い物にならない状態まで損壊すれば、全損だと考えて間違いないでしょう。

[2]損害額が再取得するためのに必要な費用の80%以上

こちらは経済的な被害に基づいた基準です。「経済的全損」と呼ばれています。

たとえば、火事の場合は半焼程度でも、同等の建物を再築または新規購入費用が、損害額の8割を越えてしまった場合、全損として扱われます。

〇全損でも全額支給されない?

あくまで保険金が下りる上限は、保険契約時に設定し、受け取った保険証券に記載されている保険金額です。

しかし、火災保険契約が長期にわたっているならば建築費等の変動で、全損した建物の評価額が低くなってしまうケースもあります。

つまり、全損しても受け取れる保険金額は現在の評価額(実損額)となります。逆に、建築費等が高騰して評価額が上がっても、下りる保険金は以前契約した保険金額分にとどまることを意味します。

6-2.免責金額に注意

火災保険は、契約した商品によって免責金額を設定している場合があります。

これは損害額が一定以上にならないと保険金が支払われない仕組みといえます。

つまり、保険会社としては、損害がわずかなら保険加入者だけで何とかしてもらいたいということです。

免責金額は補償内容によって決められており、例えば風災・雹災・雪災の補償は20万円が免責となります。

この場合が、20万円まで損害額が達しないと保険金は支払われません。

6-3.保険金を受け取ったらその後は?

建物が全損となり、保険会社から契約の際に決めた設定保険金額を全額受け取ったならば、当該火災保険契約は終了します。また、保険へ加入したい場合は新たに保険へ入り直すこととなります。

一方、損害が一部にとどまり、受け取った保険金が設定金額の一部だった場合、契約はそのまま継続されます。

つまり、保険金3,000万円を契約で設定していた場合、2,000万円が下りたとしても、それ以後にまた損害が発生したら、2,000万円以上の補償を受けることができます。

全損で保険を利用しない限り、実際の受け取り金額は保険契約に影響しません。

仮に全損で保険を利用し契約が終了しても、以前に加入していた保険へ改めて入り直しても良いですし、以前加入していた火災保険よりも、ご自分や家族にとって有利な火災保険を見つけたら、そちらの商品に新規加入しても問題はありません。

7.まとめ

台風は火山噴火や地震のように突然発生するものではなく、移動進路もある程度把握できます。

しかし、一度上陸するとその付近一帯に、大きな被害をもたらすことになります。

最近では、日本に上陸して被害を及ぼすケースが多くなってきており、お住いの地域で地盤が弱い箇所や、河川付近ならば溢水しやすい箇所を、日ごろから把握しておきましょう。

各地方自治体では、ホームページ等で「ハザードマップ」を公開、更新しており、ご自宅の周辺地域の被害リスクがある程度わかります。

台風でも、それに伴う大雨が原因となる土砂崩れや洪水被害が想定される以上、これらの確認は十分に行っておくことが大切です。

火災保険へしっかりと入って、事前の備えを万全することはもとより、どんなケースで補償の対象となって、どんなケースや財物等が補償の対象外となるかを確認しておきましょう。

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