病院に行くと、症状により受けることがある血液検査。
この血液検査は、意外と短かな検査方法です。
確かに、針を刺す所が苦手…痛い…ということもありますが、健康診断をはじめ様々な面で実施されています。これにはもちろん訳があります。
それは、血液検査の有効性ということ。つまり、分かることがとても多いということなのです。でも、血液検査はとても高いというイメージがあるのではないでしょうか?
今回は、血液検査で分かることや保険の適用についてもご紹介していきましょう。せっかくなら、血液検査結果を自分で理解できる方がよくないですか?
目次
1:どうして血液検査をするの?
では、最初にそもそもどうして「血液検査」をするのか。ということについて考えてみましょう。
何かしらの体調不良で病院にいった際に「血液検査」を促されることがあります。実際に、血液検査を受けたことがある人も多いのではないでしょうか。
実際に血液検査をすることにどんな意味があるかを最初にご紹介していきましょう。
1-1:血液検査の有効性
血液検査は、とても有効性が高い検査と言われています。
しかし、実際には、その前に食べたもの、飲んだものに影響を受けるため後々にご紹介する血液検査を受ける際の注意点を参照し、正確な検査結果が出る様にする必要性があります。
基本的に血液検査の結果は、何年も有効ということではありません。
検査するべき内容により、半年、月、半月と様々な有効期間があるということも忘れてはいけないポイントです。実際には、病院で検査結果を受取った際には、いつまでその数値を意識しないといけないかは医師に確認をする必要性があります。
とはいえ、血液検査では様々な情報を得ることが可能です。どんな事が分かるかについても、ご紹介していきましょう。
1-2:血液検査だからわかること
血液検査をする理由は、ずばり「わかることが多い」という理由が最大です。
身体の表面に出ていない症状も含めて、血液検査だからこそわかる病気が沢山あります。こうしたことを前提として、血液検査をするということになります。少しだけ医学的な説明を含めて血液検査だからわかることを含めて、血液検査についてご紹介しておきたい事柄があります。
そもそも「血液」というモノは私たちの身体には、必ずあります。その量は人それぞれでえすが、血液には沢山の情報が詰まっています。
血液には、「赤血球」「白血球」「血小板」等と聞きなれた成分(細胞)があります。しかし。その90%が水分で構成されており、「赤血球」「白血球」「血小板」以外にも、糖質や脂質と呼ばれる血漿が含まれています。こうした名称は大なり小なり聞いたことがあるのではないでしょうか?
簡単に言えば、血液検査は、こうした成分について調べることを示しています。検査についても様々な分類があり赤血球や白血球の数や形などの「細胞の状態」を確認するのが血液学的検査と呼ばれる検査になるなどです。血液検査の凄い所は、こうした細胞の状態だけではなく、その結果から自分では気が付いていない、症状が顕著に表れていない病気を知ることも出来ることです。
生化学検査では、血液中にある「糖質」「脂質(コレステロールや中性脂肪)」と呼ばれる成分を分析し現代病と呼ばれる生活習慣病について調べることが可能です。
そもそも、小学校で習った通り血液は酸素や栄養素を身体の隅々に運ぶ役割があります。数量や形、状態を分析することで、こうした身体の状態を把握することが可能になるのです。
実際に、血液検査をする場合には、1つの数値だけで何かを判断するということではありません。複数の観点で検査をすることが大切です。
では、こんな血液検査ですが、すごく大量の血液が必要かといえばそうではありません。大量に採血されるイメージですが、実際には「10cc」程度です。この10ccとは、料理に使うオオサジ1杯と同じ。こんなに少ない量で様々な情報を取得することが可能なのです。
2:血液検査でわかること。基本的な項目を整理しよう
では、血液検査を行うとどんなことがわかるのかについて、ご紹介していきましょう。
会社の指示やご自身で健康診断を受けることがあると思います。そうした際にも、ここでご紹介する内容を理解しておくと便利ですので、参考にしてください。
【血液検査の基本項目】
- 基本的にわかること
- 血液検査では様々な体の情報を把握することができます。その中で主に、わかることは「貧血」「肝臓の異常」「腎臓の異常」「高脂血症」「糖尿病」といった病気についてです。これらは、健康診断でも特に注意をされる内容です。
- 検査結果の見方
- ここからは、各分野に整理して数字の見方などを交えてご紹介していきましょう。
①:肝臓系
沈黙の臓器とよばれる所以は、再生能力や代償能力が高く、何かしらのダメージを受けた場合にも残っている正常な細胞が、いつも以上に働き機能を維持することや痛みなどを感じないためです。つまり、何かしらのトラブルがあっても発見されにく場所であるため早期発見が必要な場所となります。この肝臓には、「代謝」「解毒採用」「胆汁の生成・分泌」の役割があり生命維持活動において重要な働きを持っています。
ア)総タンパク(単位 g/dL)
文字通り、血液中の総たんぱく量のことです。
《疑う病気》
数値が低い=栄養障害、ネフローゼ症候群、がん
数値が高い=多発性骨髄腫、慢性炎症、脱水
《基準値》
異常 |
要注意 |
基準範囲 |
要注意 |
異常 |
6.1以下 |
6.2~6.4 |
6.5~7.9 |
8.0~8.3 |
8.4以上 |
イ)アルブミン(単位 g/dL)
肝臓で合成されるアルブミンは、血液蛋白の中で最も多く含まれる成分です。
《疑う病気》
数値が低い(減少)=肝臓障害、栄養不足、ネフローゼ症候群など
《基準値》
基準範囲 |
要注意 |
異常 |
3.9以上 |
3.7~3.8 |
3.6以下 |
ウ)AST(GOT)・ALT(GPT) (単位 U/L)
お酒を飲む方などが気にしているこの数値ですが、AST(GOT)は、心臓、筋肉、肝臓にALT(GPT)は肝臓に多くある「酵素」のことです。
《疑う病気》
数値が高い=急性肝炎、慢性肝炎、脂肪肝、肝臓がん、アルコール性肝炎など
《基準値》
基準範囲 |
要注意 |
異常 |
|
AST |
30以下 |
31~50 |
51以上 |
ALT |
30以下 |
31~50 |
51以上 |
エ)γ-GTP (単位 U/L)
もう一つ、聞きなれた「γ-GTP」については、「肝臓」または「胆道」に問題がある際に数値が高くなります。
《疑う病気》
数値が高い=アルコール性肝障害、慢性肝炎、胆汁うっ滞、薬剤性肝障害など
《基準値》
基準範囲 |
要注意 |
異常 |
50以下 |
51~100 |
101以上 |
②腎臓系
腎臓の形は「そらまめ」に似ています。実際には握りこぶし程度の大きさで腰のあたりに左右対称に2個あります。イメージ図などを見たことがある方も多いのではないでしょうか。腎臓にも大切な働きがあります「老廃物のろ過と排出」「ホルモンの分泌」「血圧の調整」などです。
ア)クレアチニン(Cr) (単位 ㎎/dL)
クレアチン(アミノ酸の1つ)が代謝された時にできる老廃物のことです。通常は、腎臓でろ過されたのちに尿と一緒に出ていきます。
《疑う病気》
数値が高い=腎臓の機能が低下
《基準値》
基準範囲 |
要注意 |
異常 |
|
男性 |
1.00以下 |
1.01-1.29 |
1.30以上 |
女性 |
0.70以下 |
0.71-0.99 |
1.00以上 |
イ)eGFR (単位 mL/分/1.73㎡)
クレアチンよりも腎臓機能の状態を把握できる数値です。
計算としては、クレアチン値を「性別」「身長」の数値で補正して出していきます。
《疑う病気》
数値が低い=腎臓の機能が低下
《基準値》
基準範囲 |
要注意 |
異常 |
60.0以上 |
45.0-59.9 |
44.9以下 |
③尿酸(UA) (単位 ㎎/dL)
「尿酸値」という名称でよく聞くことがある、尿酸ですが「たんぱく質」の1つでもあるプリン体が代謝された後の残りとなります。実際に、この検査では「尿酸の産生・排泄のバランス」を検査します。
《疑う病気》
数値が高い=高尿酸血症(継続すると通風や尿管結石に)
《基準値》
要注意 |
基準範囲 |
要注意 |
異常 |
2.0以下 |
2.1-7.0 |
7.1-8.9 |
9.0以上 |
④脂質系検査 (単位 ㎎/dL)
ア)HDLコレステロール
「善玉コレステロール」と呼ばれているので知っている方も多い「HDLコレステロール」。この善玉は悪玉を回収してやっつけてくれる働きがあります。善玉を増やすことが健康にいいというフレーズを聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。
《疑う病気》
数値が低い=動脈硬化の危険性があがる。脂質代謝異常、動脈硬化
《基準値》
異常 |
要注意 |
基準範囲 |
29以下 |
30~39 |
40~119 |
イ)LDLコレステロール
逆に、悪玉コレステロールと呼ばれる「LDLコレステロール」。
《疑う病気》
数値が高い=動脈硬化の促進、心筋梗塞や脳梗塞の発生リスクが増す
《基準値》
要注意 |
基準範囲 |
要注意 |
異常 |
59以下 |
60~119 |
120~179 |
180以上 |
ウ)中性脂肪(TG)(トリグリセリド)
中性脂肪という名称は、よく聞くことがありと思います。この中性脂肪は、人の身体の中で最も多い脂肪です。そもそも、中性脂肪とはそもそも、糖質がエネルギーとして処理され最終的に脂肪として変化していったものを指します。
《疑う病気》
数値が低い=低βリポたんぱく血症、低栄養など
《基準値》
要注意 |
基準範囲 |
要注意 |
異常 |
29以下 |
30~149 |
150~499 |
500以上 |
エ)Non-HDLコレステロール
聞きなれない名称の「Non-HDLコレステロール」ですが、実は今注目すべきものです。この「Non-HDLコレステロールは、動脈硬化を引きおこす要素となります。
《疑う病気》
数値が高い=動脈硬化、脂質代謝異常、甲状腺機能低下症、家族性高脂血症など
数値が低い=栄養吸収障害、低βリポたんぱく血症、肝硬変など
《基準値》
異常 |
基準範囲* |
要注意 |
異常 |
89以下 |
90~149 |
150~209 |
210以上 |
⑤糖代謝系
「糖」と聞くと体のことを気にしている方には、ドキドキする項目になると思います。こ「糖」といってもいくつかの種類があることも理解しておきましょう。
ア)血糖値(FPG) (単位 ㎎/dL)
一番気になるのが、この「血糖値」という方も多いのではないでしょうか。そもそも、「糖」とは、血液中にあるブドウ糖のことです。この糖は、体にはとても大切な成分で、ブドウ糖とは私たちが日常の生活をしていく上でのエネルギー源となります。実際に、血液検査ではこのブドウ糖がどの程度あり、きちんと利用しているかを見極めることになります。
《疑う病気》
数値が高い=糖尿病、膵臓癌、ホルモン異常など
《基準値》
基準範囲 |
要注意 |
異常 |
99以下 |
100-125 |
126以上 |
イ)HbA1c (単位%)
あまり聞きなれない方も多いと思いますが、この数値はとても重要です。
HbA1Cとは、過去1~2ヶ月もの間の平均的な血糖値の値を確認することができますので、糖尿病の状態などを把握することができます。
《疑う病気》
空腹時の血糖(FPG)=126mg/dL以上かつHbA1c6.5%以上は「糖尿病」
《基準値》
基準範囲 |
要注意 |
異常 |
5.5以下 |
5.6-6.4 |
6.5以上 |
⑥血球系
血球系といわれても、何んだか分からないということが多々あります。しかし、知ってしまうと「これか!」と思う方が多いのがこの検査です。
ア)赤血球(RBC)
血液の色が赤いのは、この赤血球の色とも呼ばれますが、赤血球も日々の生活において必要な情報が含まれています。赤血球は呼吸をすることで肺に取り込まれた酸素を全身に運ぶことや、体内には不必要な二酸化炭素を肺へ運び体の外に出していく役割を担っています。つまり、体の隅々にまで酸素をいきわたらせるには、この赤血球が必要ということです。
《疑う病気》
数値が高い=多血症
数値が低い=貧血
イ)血色素(Hb)(ヘモグロビン)(単位 g/dL)
こちらもよく聞く名前です。そもそも、ヘモグロビンとは赤血球の中に吹くまでるたんぱく質(ヘムたんぱく質)のことで酸素の運搬を実際に担っています。
《疑う病気》
数値が低い=鉄欠乏性貧血など
《基準値》
|
異常 |
要注意 |
基準範囲 |
要注意 |
異常 |
男性 血色素 |
12.0以下 |
12.1-13.0 |
13.1-16.3 |
16.4-18.0 |
18.1以上 |
女性 血色素 |
11.0以下 |
11.1-12.0 |
12.1-14.5 |
14.6-16.0 |
16.1以上 |
ここでご紹介しているのは、健康診断などで検査する項目を中心にご紹介しました。ここでご紹介しているだけでも、複数の項目が検査されていることをご理解いただけると思いますが、その他にも様々な検査項目があります。実際には、医師の診断のもと発生している症状を勘案して検査項目が決まることになりますが、同じ血液検査をする場合には気になる症状を一緒に検査してもらえる様に頼んでみると良いでしょう。
血液検査は有料の検査項目ですので、別々に受けていくと割高になる場合も多々ありますので、こうした方法も1つの方法として相談してみると良いでしょう。
3:血液検査はいくらなの?
大切な情報を取得できることを理解して頂いた前提で、血液検査がどの程度の費用になるかについてもご紹介していきましょう。
既に、ご紹介していますが血液検査は1つだけの項目を検査することではなく関連性のある項目での検査が必要になります。
こうしたことを踏まえて、いくつかの検査パターン別の費用をご紹介していきましょう。
3-1:項目により違う
実際に血液検査を受ける場合には、その検査項目により費用が変わってきます。簡単を整理しながらご紹介していきましょう。
《健康診断や人間ドック》
健康診断や人間ドックを受ける意味合いは、治療ではなく病気の予防の観点での受診となります。そもそも保険適用となるのは、治療目的の場合です。なので、こうした健診の場合には有料となります。もちろん、健康診断以外の場合に自分の状態を知るために血液検査をする場合も同じ考え方となります。
実際に、血液検査を別で受ける場合には検査項目の数にもよりますが、3000~20000円の間が相場となります。実施に検査する項目(前述している何を調べるか)の数により金額が大きく変わります。また、同時に検査項目により結果が出る時間が必要な場合もありますので、心配であれば予め確認をしておくことが必要でしょう。
《治療のためなら》
今度は、治療が目的の場合です。治療が目的の場合には、健康診断などの予防とは異なり、3割負担での検査が可能です。「更年期障害」「アレルギー」「がん」などの検査や治療が保険適用ととらえるとわかりやすいと思います。その他にも甲状腺検査など、様々な病気の疑いがあり治療が必要かを判断する場合にも保険が適用されます。
そもそも血液検査を同じ病院内で実施可能なのは、ある程度の規模がある病院になります。これは、様々な検査機器が必要なためですが、それ以外には外部の機関に検査を依頼することになります。こうした場合には、その検査期間などが異なりますのでご注意ください。
3-2:検査別の目安費用
では、今度はより具体的に目的別の検査費用をご紹介していきましょう。ただし、ここでご紹介する金額は目安となりますので、絶対にこの金額ということではない点をご理解ください。
事例1=更年期障害 ¥5,000前後
更年期障害を疑う場合や可能性がある場合には、血液検査でホルモンの数値を見る実用があります。検査には種類があり「E2検査」「FSH検査」「LH検査」などと呼ばれる検査があります。
「E2検査」=女性ホルモンであるエストロゲンのもととなる「エストラジオール」濃度
「FSH検査」「LH検査」=ホルモンの分泌量などの数値
事例2=アレルギー検査 ¥5,000前後
通常、アレルギー検査の項目は13項目と定められていて、その中から必要な項目を選択して受けることになります。この13項目すべてを検査した場合の目安が¥5,000円になります。
事例3=腫瘍マーカー 1種類¥1,000前後
腫瘍マーカーとは、がん細胞に反応し血液中などにつくられる物質のことで、この物質の量などから「がん」かどうかの判断材料の1つになります。ただし、比較的、高額になる点に注意しておきましょう。1種類の検査で¥1,000前後かかる検査でありますが、やはり複数の検査をするのが一般的だからです。
この様に、検査の種類に応じて掛かってくる費用は変ってきます。また、複数の検査を同時にする場合には、費用だけではなく採血する量が増えることもあります。こうしたことを予め知っておくと、金額に驚くこともないでしょう。気になる場合には、だいたいの料金を聞いておくと良いでしょう。
4:血液検査に保険は適用されるの?
血液検査に保険適用があるのか。答えは「YES」です。すでにご紹介している通り、治療を目的とした場合には、血液検査に保険が適用されます。
これ以外にも、国や市町村が検査にともなう費用の補助金を受けている場合があります。血液検査は、意外と費用が掛かります。特に、今の時代では病気の治療よりも予防を重要視する時代だけに血液検査をして、自分の健康状態を把握しておくことも重要視されています。
しかし、何度も自費で検査をすることは家計的に厳しいことも多々ありますので、こうした補助金制度を利用するなども含め、検討していきましょう。どうしても血液検査には、費用が発生してしまう事は予め理解しておきましょう。
5:血液検査を受ける時の注意点
ここからは、今後「血液検査」を受ける際の注意点などをご紹介していきましょう。
血液検査は、「採血」をすることは十二分にご承知だと思います。特に血液検査で血が取りにくいなどという方には必須の項目です。
まず、採血をうける際の基本的な姿勢です。採血は、腕で行うことが殆どです。この際に袖回りがきつい洋服などを着ていると採血がしにくい、採決後の血が止まりにくいなどのを防ぐことができます。実際に、採血を受ける場合などは比較的、病院での待ち時間も長く疲れやすいこともふまえると、できるだけ楽な恰好がベストといえます。
また、採血をするためには袖をまくり上げることはご承知頂けると思いますので、その点も踏まえて洋服を考えるのも必要です。
また、食事の時間や直前まで飲む飲み物についても考慮する方が良いでしょう。健康診断を検診する場合や、予め血液検査を受けることが分かっている時は飲み物や食事の時間などについて気をつけるべきことの案内をもらうことがあります。基本的には、その内容に従えば問題ありません。
実際には、食事をした直後は血糖値や中性脂肪の数値が高くなることが分かっています。そのため、本来得たい正確な情報が得られないことになります。そのため、検査項目によっては食事の時間などの制限を設ける必要があるのです。
実際には、医師の指示に従えば、問題なく検査をうけることが出来ます。もしも、うっかりと食べてしまった場合などは、検査前に申し出る様にしましょう。
また、採血を受ける時は何かと緊張してしまうものです。そうした場合には、採血中に気分が悪くなる可能性もあります。そうした場合には、看護師に申し出ることで横になった状態で採血を受けることも可能です。緊張してしまうことは仕方ありませんので、検査中に何かあればその場で申し出る様にしましょう。
その他によくありがちなのが、消毒に使うアルコールで痒みが出る場合です。皮膚が弱い方には出やすいので、気になる方は採血前に申し出てください。そうすることで刺激が少ない消毒液を使ってくれます。
とにかく気になることは、全て申し出る様にしましょう。治療のために採血すのですから、無理をしないで採血が出来るようにしましょう。
採血後にも注意した方が良いことがあります。それは、採血後に血が止まりにくい場合があるということです。採決後には、しばらくの間、圧迫しておくことなどを言われると思います。これは、採血後に血が止まらないことを防ぐために必要なことです。
実際には、指で強く5分ほど圧迫すること。そして、この間はもまないことです。もしも、押さえにくい場合には、看護師に言うことで別の圧迫方法をほどこしてくれます。また、止まったと思っても、しばらくの間は採血した部分に圧力が掛からない様にしましょう。具体的には、かばんを持たないなどです。
採血後には、患部の色が変色する場合などもありますが、数日たてば治りますので安心してください。もしも、その部分に痒みが出てくる場合や治りが悪い場合にも、医師に相談するようにしましょう。
気になることは、都度、その場で確認したり相談することが大事です。せっかくの検査で体調を崩してしまっては意味がありません。また、1度体調を崩してしまうと、どうしても次の検査で躊躇してしまう事になりかねません。いつでも、血液検査が出来るようにとは言いませんが、必要に応じて検査が出来るようにしておきましょう。
6:血液について
最後に、少しだけ血液についてご紹介しておきます。
ここ最近では、血管年齢を上げるというテーマで特集を組まれることがあります。この血管年齢ですが、動脈硬化と強い関係があります。年齢が高くなれば、動脈は固くなっていくことが分かっています。加齢の経過と同様に進むのです。そして、血圧・コレステロール値・血糖値の数値の変動と関係し、これらの数値が高くなると固くなるスピードは一気に加速していきます。
血管は直接見ることが出来ないので、知らない間に状態が悪くなってしまうことになります。動脈硬化が高くなると心臓病や脳卒中を起こす引き金になります。こうしたことを防止するために血管年齢を上げる必要があるのです。実際には、50~60歳で格段に発生件数の増加する心筋梗塞の原因は20代からの不摂生が原因と言われています。現在は、こうしたことを踏まえ早期の検査が必要という見解もあります。
実際に、どうしていくかということです。健康診断を開始した時から、コレステロール、中性脂肪など血中脂質の数値について意識しておくことが大事です。これらの数値が高くなると血液はどろどろになっています。血液サラサラとなる食べ物なども特集として紹介されていることが多いので、出来るだけこうした食材を活かすなどして血液の状態をよくすることも病気の発生原因を押さえることに繋がります。
健康管理という側面では、体重や体脂肪ということについて意識する方が多いのですが、血液についても意識をして頂くことも健康管理の大きなポイントになります。血液は、体重などとは異なり目に見て、状態を確認することが難しいものです。もちろん、血管も同じですので一度、自分自身の健康管理の1つの方法としてこれらの数値を確認してみましょう。
6:まとめ
今回、「血液検査の費用」というテーマを軸に、血液検査の検査項目の確認方法などをご紹介してきました。
血液検査は、今の時代にとっては最適な検査方法といえます。ご紹介している通り血液検査では様々な情報を得ることが出来ます。
そして、その検査結果が自分では気が付かない病気も発見してくれる可能性があります。実際に、現在は100歳時代とも呼ばれいますが、会社を定年した時以降は年齢と共に各段に体力が落ちていきます。その上、病気になるとせっかくの第二の人生と呼ばれる時間を楽しむことが出来ません。
だからこそ、見た目の体重や体形と同様に血液という側面での健康管理を改めて考えて頂きたいと思います。
サラリーマンであれば、ほとんどの方が会社で案内してくれる健康診断を受けることができます。そして、サラリーマンでなくても市町村主宰の健康診断を受けることがあると思います。この健康診断では、様々な検査を受けることができます。
しかし、血液検査の結果は難しいと思って、じっくりと見ないという方もいます。でも、最初にご紹介している通り、自分で見ることが可能です。健康診断の場合には、検査結果を考慮して「要検査」などの判定をしてくれます。それ以外にも、体調が悪い時に行う血液検査や気になる病気がある場合の検査にも血液検査を活用して頂きたいと思います。確かに、定期的に受けるには高額と感じる方もいます。
しかし、病気となり治療が必要になった時の方が高額な医療費が必要になります。そうなる前に病気を見つけることが出来る血液検査ですので、比較すると安価であるといえます。血液検査は、こうした自分自身のケアでも利用することが出来るということを今回ご理解頂きたいと思います。
血液や血管は、自分の目で見て判断することが出来ない部分になります。しかし、その結果を見ることが出来るようになるということを理解して頂ければ思います。また、ご紹介している通り血管年齢や血液の改善は、出来るだけ早期に開始することが有効です。もちろん、ケアをすることが遅れても将来を見据えるといつ開始しても良いのですが、病気になってからではなく事前に検査しておくことで安心を得れるということを改めて理解して頂きたいと思います。
健康であり続けるためにも、血液検査を活用していきましょう。