これまで年金受給期間は、25年と定まっていました。しかし、平成29年の9月から、国民全員が加入している国民年金より、老齢基礎年金の受給資格が10年に短縮されました。
一体それはよいことなのか、悪いことなのかよくわからないという方もいらっしゃるかと思います。まだ年金をもらう年齢じゃない方にとっては、将来短縮されたほうが良いのかなんとも言えない部分もありますよね。
しかし、受給資格が短縮されることによって支払期間も短くなるため、その分保険を納付する人が増加するとも考えられています。国民全員がきちんと納付すれば、国民年金が揺らぐことはあまりないといえます。
この記事では、まずは年金とはどういった制度なのか、そして、年金受給期間が短縮されることによってどのようなメリットやデメリットがあるのかをご紹介していきたいと思います。
目次
1.日本にある年金制度って一体どのようなものがあるの?
1.120歳から60歳までの国民全員が対象の国民年金制度
1.2サラリーマンが加入する厚生年金制度
2.国民年金って一体どのような制度なの?
2.1国民が強制加入する保険
2.2年金の加入期間が25年以上ないと受け取れない
2.3国民年金に加えて自営業者が年金を増やす方法もある
3.厚生年金って一体どのような制度なの?
3.1収入が減少していくリスクに備えるための保険
3.2法人に所属している人は基本的に加入する
3.3保険料は事業主と被保険者で半額ずつ支払う
3.43種類の保険給付を受けることができる
4.厚生年金の3種類の保険給付って一体どういった制度なの?
4.1老後の心配に備えてくれる、老齢年金
4.2病気や怪我によって障害が残った場合の、障害年金
4.3死亡した方に対しての、遺族年金
5年金の受給資格が短縮されることで、何が起こるの?
5.1これまで25年もらえた年金の期間が10年になる
5.2遺族は多くお金をもらえる可能性がある
5.3生活保護をもらっている分だけ損する可能性がある
6年金受給資格が10年に短縮されることで起こるメリットやデメリットって一体どういったものなの?
6.1保険料未納を防ぐことができる
6.2生活保護予備軍が増加する恐れがある
7.注意しておきたい年金のポイントって?
7.1保険料未払いは未来の自分に影響を与える
7.2年金制度を理解していないと後で困ることになる
7.3払っていなかったら後納制度、追納制度を利用する
8.まとめ
目次
1.日本にある年金制度って一体どのようなものがあるの?
日本には、年金制度があるということはご存じの方は多いかと思いますが、毎月きちんと年金のための積立を行っていたとしても、一体年金制度とはどういったものなのかをしっかりと理解している方は少ないのではないでしょうか。
日本の年金制度は、大きく分けて、国民年金と厚生年金の2種類に分かれています。まずはこの2つが一体どういったものなのかを見ていきましょう。
1.1 20歳から60歳までの国民全員が対象の国民年金制度
国民年金というのは、20歳以上になった日本国民の全てが加入することが定められている年金です。毎月年金を支払い、60歳まで積立を続ける事が決められています。
そうすると、60歳以降の定年後に、年金として毎月積み立ててきたお金をある程度まとめて受け取ることができるようになっています。
1.2サラリーマンが加入する厚生年金制度
国民年金は20歳以上の全ての国民が入ることが定められています。
しかし、国民年金だけだと額が小さくて、仕事ができないのに生活費が足りない事態になる可能性があると考えている方もいるかと思います。
そんな方たちのために、会社勤めであれば厚生年金に加入することができるとされています。この厚生年金は、会社と折半して毎月年金のために支払いを行い、満期になると国民年金と合わせて二本立てて年金としてお金を受け取ることができるようになっています。
2.国民年金って一体どのような制度なの?
それでは、日本の年金制度には二種類あることがわかった所で、それぞれの年金は一体どういった特徴があるのかを見ていきたいと思います。
まずは、20歳以上になると自動的に加入することになっている、国民年金の制度について見ていきましょう。
2.1国民が強制加入する保険
国民年金は、20歳以上であれば、原則的に全ての国民が入ることになっているものです。その為、学生であったとしても、フリーターやニートの方も例外なく加入することになっています。
会社員などの会社勤めの方や、公務員の方の場合は厚生年金や共済年金に加入していますが、厚生年金や共済年金に加入していたとしても、国民年金にも保険金は支払うことになっています。また、専業主婦の方であっても支払うことになっています。
しかし、働いてお金を稼いでいなくても、その他で価値を生み出している学生や専業主婦の場合は、ある程度、国民年金の支払を免除されることもあります。
2.2年金の加入期間が25年以上ないと受け取れない
国民年金に加入している方は、基本的に65歳から年金を受け取れるようになっています。65歳になるまでに25年以上かけて年金を支払い続ける年金加入期間がないといけないと決められていました。2017年からは25年の期間が10年に短縮されたのですが、それは後で説明していきたいと思います。
まずは、年金加入期間とは一体どういった期間なのかを見ていきましょう。国民年金の保険料を支払っている期間に加えて、学生などの納付特例期間や、低所得の方に対して機能する保険料免除期間なども入ってきます。また、昭和36年から昭和61年の間に、配偶者が厚生年金や共済年金に加入していたけれども、自分自身は年金に加入していなかった期間も年金受給期間に含まれるとされています。
国民年金の加入期間は成人してから60歳までと決められています。その為、国民年金の保険料を40年間しっかりと支払った場合には、満額として780,100円を受け取ることができるようになっています。40年間支払っていない場合には、その人の支払った期間によって、保険金が変動してきます。
2.3国民年金に加えて自営業者が年金を増やす方法もある
国民年金だけだと、生活することが難しいと考えている方も多いかと思います。その為に、様々な年金制度が存在しています。もちろん個人年金として、自分の資産を様々な方法で増やすのも間違いではありません。
しかし、確実に年金を受け取りたいと考えている方には、国の制度によって守られている国民年金基金がおすすめです。特に、会社員であれば加入することができる厚生年金に加入することができない自営業の方におすすめです。
この国民年金基金というのは、自営業の方の他にも学生、フリーターも加入することができます。ただ、国民年金の保険料免除者でないことなどの縛りがあるため、しっかりと確認しておきましょう。また、サラリーマンの妻は加入することができないようになっています。
国民年金基金には終身年金と確定年金の2種類から選べるようになっています。終身年金というのは、死ぬまで年金が受けることができるようになっており、もし死んだとしても80歳までの年金は遺族が受け取ることができるようになっています。そういった手厚いサービスがあるため、保険料は確定年金と比較すると高額になってしまいます。
確定年金の場合には、自分が年金を受け取る年齢や、受け取る期間などを自分で選ぶことができるようになっています。しかし、確定年金だけで入ることはできず、必ず終身年金とセットで加入しないといけないことになっています。
3.厚生年金って一体どのような制度なの?
起業や、店を継ぐ方もいる一方で、会社に勤めたり、公務員として国に勤めたりする方が大半なのではないでしょうか。
そんな多くの方が対象となっている、会社勤めのサラリーマン、もしくは公務員のみが被保険者とされている厚生年金とは一体どういったものなのかを見ていきたいと思います。
3.1収入が減少していくリスクに備えるための保険
厚生年金とは、国で支えている年金制度なので、公的年金制度の一種であるということができます。この公的年金制度というのは、定年を超えて、年をとっていくごとに働くことが難しくなり、自分だけで生計を立てるのが難しくなるというリスクに対しての年金制度です。
また、定年を超えた後に収入が減るリスクだけではなく、病気や怪我などが原因で障害が残ってしまい、生活や仕事をするのに支障がある方に対しての保険や、年金を受け取る前に死亡した場合の遺族に対しての保険としての機能も持ち合わせています。
国民年金ではカバーすることができないような、細かい部分や被保険者一人ひとりの事情に合わせた保険として成り立っています。
3.2法人に所属している人は基本的に加入する
厚生年金には、法人を始めとした事業所一つ一つに適用されることが決められています。その為、個人事業であったとしても、5人以上の従業員がいれば厚生年金保険に加入しないといけないことになっています。また、法人であれば一人しか所属していなかったとしても加入することになっています。
ただ、農林水産業などの分野の事業所や、個人事業でかつ、5人未満の事業所は必ず加入することにはなっていません。その場合は、事業主が申請することで加入することができるようになっています。
厚生年金は、国民年金と違って、70歳未満であれば全員被保険者として扱われます。その為、正社員以外にも、パートタイマーやインターンの場合も被保険者になります。
ただ、日雇いで雇われている方や、2ヶ月以内の雇用の場合は会社側の責任が薄いため、被保険者になることはありません。
3.3保険料は事業主と被保険者で半額ずつ支払う
毎月支払うことになっている厚生年金の保険料は被保険者の他に、事業主も払うことになっています。この場合、事業主と被保険者の支払う保険料は半分ずつに決められています。
事業主の場合は、毎月支払っている月給やボーナスから保険料を差し引いて手取りとして被保険者に支払います。これらの差し引かれた保険料は、事業主によって年金事務所に支払われる決まりになっています。
3.43種類の保険給付を受けることができる
厚生年金保険には、更に3種類に保険の内容が分けられています。
まず、老齢年金保険です。これは、年金を受け取ることができる年齢になれば、国民年金である、老齢基礎年金を受け取ることができるようになっていますが、それに加えて老齢厚生年金も受け取ることができるという制度です。
次に、障害年金です。これは皆が受給できるわけではなく、病気や怪我が原因で障害が残ってしまい、それが原因で生活や仕事に支障が出ると言った場合に受給できるものです。国民年金でも障害基礎年金を、それに加えて障害厚生年金を受け取ることができるようになっています。
また、障害年金として適応されるほどに重度の障害ではないにせよ、何かしら不自由になる障害が残った方に対しては、障害手当金が適応されるようになっています。
最後に遺族年金です。これは、家族の中で家計を担っていた働き手の方や、年金を受け取っていた方が亡くなってしまった時に残された遺族に対して支払われる決まりになっています。遺族年金は国民年金でも遺族基礎年金が支払われ、それに加えて厚生年金の場合には遺族厚生年金が支払われます。これは、場合によっては両方受け取ることができるようになっています。
4.厚生年金の3種類の保険給付って一体どういった制度なの?
厚生年金には3種類あるということを紹介していきましたが、一体どういった人が受け取ることができて、どのようなメリットがあるのかというのはなかなか分かりづらいですよね。
特に自分や大切な家族が将来お金に困ったときに適応されるものなので、余計しっかりと今のうちに内容を理解しておきたいという方が多いのではないでしょうか。
それでは一体厚生年金の内訳はどういった内容なのかを見ていきましょう。
4.1老後の心配に備えてくれる、老齢年金
年金をきちんと25年間支払っていれば、国民年金である老齢基礎年金を受け取ることができるようになっています。それに加えて老齢厚生年金も受け取ることができるようになっていました。
しかし、2017年からは、この支払期間が25年から10年に短縮されました。その為、老齢厚生年金も10年年金に加入していれば受け取ることができるようになりました。
また、10年の加入期間に加えて、厚生年金保険の被保険者である期間が1ヶ月以上なければいけないという決まりもあるので、しっかりと自分が受けることができるのかどうかを確認しておきましょう。
厚生年金保険を受け取ることができる年齢は、65歳以上になっています。ただ、受給要件を全て満たしていた場合には、仕事についていた場合であっても受け取ることが可能です。ただ、給料と年金の合計額が高額すぎる場合などには年金は支給されないこともあります。
老齢厚生年金の受給額は実は全員均一ではありません。受給額というのは月収などに比例して決められる部分と、配偶者や子どもがいるのかどうか、またその他にも様々な条件によって変動するため、一人ひとり支払われる金額は異なってきます。
4.2病気や怪我によって障害が残った場合の、障害年金
病気や怪我をしてしまい、障害が残ってしまった場合に支給される障害年金ですが、これはいくつかの条件を満たしていないと受け取ることができません。まず、障害の原因になった病気や怪我の初診日が、障害厚生年金保険の被保険者期間中でなければなりません。また、障害の状態が定められた程度に匹敵しないといけません。その他にも様々な規定が定められています。
障害厚生年金を受け取りつつも、障害が重く、日常生活が困難だと判断される場合には、障害基礎年金も一緒に受給できるようになっています。これらの受け取れる額も人によって異なり、その基準は月額の収入や、加入していた期間によって変動するようになっています。
また、配偶者がいる場合にはこれらに加えて加給年金も受け取ることができることがあるため、対象であるかと思う方はよく確認してみるのがおすすめです。
また、障害がそこまで重くなく、障害厚生年金の受給条件には適合しないものの、軽い障害が残っているという方には障害手当金が支払われる場合があります。この障害手当金を受け取るのにも様々な規定があるため、事前に確認しておきましょう。
障害手当金の場合、収入などに合わせて受給額は決められるようになっていますが、もしも合計金額が1,170,200円に満たなければ、最低でも1,170,200円が支払われるように定められています。
4.3死亡した方に対しての、遺族年金
最後に被保険者自身が直接受け取ることはないものの、大切な家族に残すことができる年金である、遺族厚生年金です。
遺族厚生年金とは、遺族厚生年金の被保険者が期間中に死亡したり、期間中の病気や怪我が原因で、5年以内に死亡した場合などに限って残された遺族の方に支払われる年金制度の事です。
遺族厚生年金が支払われるのは基本的に遺族ですが、これも、死亡された方によって生計を維持することができていた、すなわち死亡された方の収入によって暮らしていた方の中でも、優先順位の高い方が受け取ることになっています。
その為、遺族年金の種類は受け取る事ができる遺族の優先順位によって変動してきます。遺族厚生年金に加えて、遺族基礎年金の両方を受け取ることができるのは、受給できる遺族が子ども、子どもがいる妻、子どもがいる55歳以上の夫に限定されています。
また、遺族厚生年金は収入や加入期間によって受給額が変動してきます。しかし、受け取るタイミングなどによって、国民年金である遺族基礎年金よりも、遺族厚生年金の額面のほうが高額になる場合もあります。
ただ、厚生年金は会社員や公務員のみしか加入することができないため、加入できない被保険者の為に、これらの不公平を改善するために寡婦年金や死亡一時金などの制度が置かれています。これらの制度は、国民年金加入者全てに該当しているため、全国民が平等に受け取ることができるようになっています。
5年金の受給資格が短縮されることで、何が起こるの?
日本の年金制度とは一体どういったものなのかをある程度理解することができたのではないでしょうか。老後や、自分がなくなったあとの大切な事なので、しっかりと理解しておきたいですよね。
これまでは国民年金は、25年以上の加入期間がなければ、受給することができないように定められていました。しかし、それでは不公平が生じるなどの理由から、2017年から加入期間が10年に短縮されました。
これはこれから年金を受け取る方にどのように影響がでるのでしょうか。また、政府としてはどのような目的でこの受給資格の短縮を行ったのかを考えていきたいと思います。
5.1これまで25年もらえた年金の期間が10年になる
そもそも25年から10年に短縮されたという意味が分かりづらいと思っている方もいるかと思います。年金の加入期間は60歳まで変動しません。その為、どんなに嫌であったとしても60歳までは強制的に加入していることになります。
しかし、これまでは、60歳になるまでの間に保険料は支払っていたものの、25年に渡って支払われていなかった場合には24年間支払っていても保険金が受給されることはありませんでした。しかし、そうなると不公平が生じるなどの問題が生じてきます。
その為、2017年の10月から、受給資格期間が10年を満たしている人は全員65歳から老齢年金を受け取ることができるように法令が改正されました。
これはどういうことなのかというと、2017年9月までに保険金を受け取っていた方の場合には、2017年9月には受給はされません。その代わり、2017年10月に9月分の保険金が支払われます。また、その後は偶数の月に、2ヶ月分が合わせて支払われるように変わります。
これを行うことによって、今までより多くの国民が年金を受け取り、貧困から逃れることができると言われています。月に使えるお金の量が増えると、何かしら経済活動が行われるため、その分経済効果も期待することができます。
また、それに加えて、期間が25年であった場合には60歳までに25年を超えることができないため、保険料を滞納する方がいたのに対して、10年に短縮することによってより多くの方が保険料を支払うようになると言われています。保険料が滞納されずにしっかりと支払われるようになることで、年金制度が崩れることなく、また運用資金が増えることで年金の額も引き上げられる可能性も期待することができます。
5.2遺族は多くお金をもらえる可能性がある
人によっては、10年に短縮されることによって得する人と、損する人が出てくると言われています。まずは、得する人はどういった人なのかを見ていきたいと思います。
受給資格期間が短縮されることによってまず得をする人は、これまでは受け取ることができなかった、受給資格期間が25年未満、10年以上の方です。平成29年4月になると、もちろんこの方達は老齢基礎年金に加えて、老齢厚生年金も受け取ることができるようになります。
しかし、この方たちに加えて、家族も得をする場合があると言われています。例えば、老齢厚生年金を受給している方が途中で死亡してしまった場合には、配偶者や子ども、父母などの遺族が保険金を受け取ることになっています。その為、今後はこれまで受け取ることができなかった受給資格期間が25年未満、10年以上の方が亡くなってしまったとしても遺族厚生年金を受け取ることができます。
ただ遺族厚生年金の受給額は老齢厚生年金の4分の3程度だと言われています。また、最高加入年月である40年から加入期間が短くなるにつれて受給額も減少していってしまうため、あまり高額な保険金ではありません。
5.3生活保護をもらっている分だけ損する可能性がある
受給資格期間が25年未満、10年以上であった方の場合は、これまでは老齢基礎年金、そして、会社員の方や公務員の方は老齢厚生年金も受け取ることができないようになっていました。しかし、年金を受け取ることができずに無職である場合には、生活をするために生活保護を受けている方もいるかと思います。
この生活保護の支給額は、その世帯数や地域、年齢などから最低生活費を割り出し、そこから現在の収入を引くことによって割り出しています。その為、老齢基礎年金などを受け取るようになったとしても、年金と収入の合計が最低生活費を下回っていれば生活保護を受けることはできます。
しかし、年金が収入として考えられる分、自分が受け取る総額は変わらないものの、生活保護の受給額は減ってしまいます。また、生活保護の受給制度と違い、年金は偶数月にしか支払われることはないため、銀行の引き落としなどが上手くできずに固定費などを支払うことができないという事も起こりうると考えられます。
6.年金受給資格が10年に短縮されることで起こるメリットやデメリットって一体どういったものなの?
年金受給資格が25年から10年に短縮されると言われていますが、もちろんこの改正が行われることによって、社会には様々な影響がでてくると言われています。
それでは一体、年金の受給資格が10年に短縮されることによって、一体どういったメリットやデメリットが起こるのかを見ていきたいと思います。
6.1保険料未納を防ぐことができる
年金受給資格期間が25年だった場合には、国民年金を支払うべきだと思っていても、今から払うと年金受給資格期間が短いため、年金を受け取ることができないというケースが多くありました。
国民年金の場合は年金受給資格期間が60歳までなので、35歳以上の方でまだ全く支払っていない方は、今後も支払わない可能性が高かったということです。
しかし、10年に短縮されることによって、50歳まで全く支払っていなかったとしても、年金を受給することができるようになりました。その為、結婚や出産などを通して年金の重要性に気づいた方などが保険料を滞納せずに支払う可能性も高くなると言われています。
6.2生活保護予備軍が増加する恐れがある
受給資格期間が25年から10年に短縮される事によって、保険料の支払期間が短いため、保険金の額は商学であるという方がでてきます。そういった方がこれまでよりも増加すると予想されるため、これまでよりも生活保護を受け取ることを希望する方が増えるようになると想定されています。
7.注意しておきたい年金のポイントって?
それでは最後に、まだ先のことなので、年金とは一体どういったものなのか、そして、一体どうして年金を支払わないといけないのかを考えていきたいと思います。
7.1保険料未払いは未来の自分に影響を与える
国民年金制度といった公的年金制度は本来、国民全員が加入する権利があります。しかし、人によっては年金が支払われる確証がないからといって滞納している方もいるのではないでしょうか。
しかし、そうなると自分が年をとった時に、本来であれば受け取ることができたはずの老齢年金や、障害年金、遺族年金などの様々な公的年金制度を上手く利用するチャンスを自ら捨てているのと同じことになってしまいます。
7.2年金制度を理解していないと後で困ることになる
ただ何も考えずに、保険料を毎月支払っているのも問題です。日本はどんどん少子高齢化社会になっているため、毎月保険料を支払っていたとしても、受け取った保険金で自分の生活費を賄うことができる保証はありません。
その為、しっかりと年金制度を理解し、自分が年をとった時に自分や自分の大切な家族が経済的に困ることがないように色々な方法で守ることができるようにしましょう。
7.3払っていなかったら後納制度、追納制度を利用する
今までは保険料を支払っていなかったという方も、まだ支払うことが可能です。特に、後納制度、追納制度といった後からでも保険料を支払うことができる制度が充実しているので、まずは自分はどのくらい滞納してしまっているのか、支払うべき金額はどのくらいなのかなどを確認して、満額支払うことができるように頑張りましょう。
8.まとめ
2017年から、年金受給資格期間が25年から10年に短縮されました。その為、現在年金が受給できる年齢の方はどういった制度になり、自分が受け取ることができるのかどうか気になるところではないでしょうか。
しかし、今の年金制度を支えているのは被保険者であり、保険料を支払っている20歳から60歳の方々です。その為、自分はまだ受け取ることができないから無関係なのではなく、未来の自分のためにもしっかりと年金制度を理解した上で支払うようにしてくださいね。また、これを機会に自分のライフプランを見直してみるのもおすすめです。