ご自分の将来や子の教育に使うため、ご夫婦の老後のため、少しでも多く貯金した方が良い、と皆さんはよくご存知のことと思います。
でも、どうすればコツコツ堅実にお金を貯めることができるか、悩まれる方々は多くいますよね。
毎日の出費もナカナカ負担となる状況では、その方法に苦慮してしまうこともあります。
お金を管理する方法は、我々が子供の頃に学校で学ぶこともなかったし、社会人になってからもその機会はあまり多くなかったことでしょう。
しかしながら、多くの皆さんが将来・老後の資金へ不安を募らせ、貯金の必要性を感じています。
また、お金を貯めることに明白な目的があっても、必ずしもその目的のため順調に貯金できるとは限りません。
そこで今回は、お金の有効な管理について解説します。この記事を読めば、日常的にお金を貯めるコツと、民間会社の保険商品を活用した貯蓄法が良くおわかるになることでしょう。
1.お金の管理について
私達夫婦は結婚式をあげましたが、その時に結構お金を使ってしまいました。私の稼ぎもマダマダ低い状態、妻はパートに出ています。
今後、子供もできると思うし、老後の貯えも準備しなければいけない。前途多難な気がします。
何かお金の管理で良い方法はないでしょうか・・・?
第1章では、お金の管理の大切さ、家計簿による管理等を解説します。
1-1.お金は大事!
日本人は堅実にお金を貯蓄して将来へ備える方々が多いと言われています。
確かに2人以上の世帯では、1世帯当たり貯蓄平均値は1,812万円です(2017年)。なかなかの貯蓄額とも言えますね。
しかし、この貯蓄平均値、実は2016年に比べ8万円の減少となり、5年ぶりに減少へ転じています。
2008年~2017年の貯蓄平均値の推移は下表をご覧ください(総務省統計局「家計調査報告(貯蓄・負債編)-平成29年(2017年)平均結果-(二人以上の世帯)」を参考に作成)。
各年 | 貯蓄平均値 |
2008年 | 1,680万円 |
2009年 | 1,638万円 |
2010年 | 1,657万円 |
2011年 | 1,664万円 |
2012年 | 1,658万円 |
2013年 | 1,739万円 |
2014年 | 1,798万円 |
2015年 | 1,805万円 |
2016年 | 1,820万円 |
2017年 | 1,812万円 |
国内の景気は好転していると言われますが、将来の景気の失速は十分に考えられます。
そんな時、収入が思うように上がらない、臨時に何らかの費用が必要となる場合はあるかもしれません。
やはり、日ごろのお金の管理はしっかりと行いたいものですよね。
1-2.どんな時に使う?
何となく使うあてもないので、お金を貯めている方々はいるかもしれませんね。
一方、何らかの目的(例えば子の教育資金や、老後の備え等)があって貯金したい場合はあるはずです。
この場合は、目標金額を検討し、何年間でどの位貯金すればどの程度の金額になるか、等を試算しておくことが大切です。
目的があって貯金する場合は、目標金額を設定しないと日常生活でどの位倹約すれば良いかわからないし、過剰に無理な貯金を行うと継続は難しくなります。
日々の出費にも配慮してコツコツ貯金していくには、ご家庭の収入と支出を明確化する必要があります。
1-3.家計簿をつけてみよう!
ご家庭のお金の流れを可視化するには「家計簿」を付けることが大切です。領収書・レシートはしっかり保管しておきましょう。
家計簿には、給与や報酬等の収入はもちろん、出費は「固定費」と「変動費」に分けて記帳する必要があります。
〇固定費とは?
日々の生活を送る上での定期的な支出を指します。例えば借家の賃料・光熱費・水道代・通信費用・保険に加入しているなら保険料も該当します。
この場合、借家の賃料は一定金額を支払う必要があります。しかし、光熱費・水道代・通信費用は重い出費とならないよう、使い過ぎないような工夫を行うことができます。
〇変動費とは?
毎月の支出額が変わる費用を指します。食費、交通費、衣服代、レジャー代、世帯員への小遣いがあげられます。
ただし、世帯員への小遣いが毎月定額の場合は、固定費の方に含まれます。家計簿をつけていれば、今月の収入が厳しいので衣服代やレジャー代は無しにする等、出費を抑える必要性を確認できます。
〇家計簿は紙面だけとは限らない
家計簿用のノートは100円ショップでも売っています。こちらに記帳すればお金の管理へ役立つはずです。
一方、「記帳なんてめんどくさい。」という方々もいることでしょう。そんな時や、スマートフォン等で家計簿アプリを利用したお金の管理が可能です。
わかりやすい入力方法がほとんどなので、すぐに家計簿として収入や支出を入力でき、毎月の収支をグラフ化できる等の利点もあります。
2.貯金について
最近の家計簿はアプリもあって、お金の管理がしやすくなっていますね。
では、お金を預金する時に何かコツがあれば、是非教えてもらいたいです・・・・。
第2章では、お金の管理に役立つ預金の工夫を解説します。
2-1.お金の管理の基本中の基本
給与等の収入は金融機関の指定口座に振り込まれ、光熱費や通信費、いろいろな賃料は口座引落という形になっていると思います。
通帳には預金口座への入金・出金が明記されるので、家計簿にも記帳しやすいですよね。
ただし、お金の管理をしっかりと行うには、お金の流れをより明確化することが求められます。
そして、将来の使用目的を定めて貯蓄する場合には、容易にお金を引き出せないような工夫も有効ですよね。
次の第2項では、お金の流れをより明確化する預金口座の準備、第3項では使用目的を定めた効果的な貯蓄法を解説します。
2-2.預金口座は一つでいいの?
預金口座をまとめた方が管理しやすいという人なら、1口座のみで対応しても問題はありません。
ただし、お金の管理は明確さが重要ですので、〇〇用と言う形で口座を複数開設することが有効です。口座開設に手数料なんてかからないので、用途別に3種類くらい口座があれば丁度良いです。
開設した用途別3種類の口座の利用方法は次の通りです。
- 世帯収入用の口座:勤務先からの給与・パート先の給与用の口座です。ご夫婦別々の口座から世帯収入用の口座へ入れる方法でも構いません。収入が振り込まれたら、下の2つの口座へお金を分けて入金します。
- 貯蓄用口座:明確な目的で貯蓄したいお金があるなら開設する口座です。次項の定期預金口座または積立定期預金口座にしておく方が良いでしょう。
- 世帯支出用の口座:前述した固定費や変動費のための口座です。
用途は上記の3種類に分けた方が良いものの、貯蓄用口座を更に使用目的別に分けても構いません。
ご自分の世帯で、明確にお金の管理や流れがわかる方法で口座を活用していきましょう。
2-3.定期預金と積立定期預金
将来の目的のために貯蓄するお金があるなら、それ以外に利用しないような工夫も必要ですよね。
そんな時に利用するのが「定期預金」と「積立定期預金」です。
〇定期預金とは?
定期預金は1ヶ月~最長10年まで期間を選んで解説します。こちらの預金はまとまった金額を預け、すぐに使う必要のないお金を預けて運用することに向いています。
定期預金は普通預金よりも利率の高くなる傾向があり、各商品によって違いはありますが年0.100%~0.250%程度となります(なお、普通預金は利率0.001%~0.100%程度)。
ただし、定期預金は原則として中途解約が認められません。ただし、どうしても解約する理由があるならば、当初の利率は下がりますが解約は可能です。
〇積立定期預金とは?
一方、積立定期預金とは、毎月の積立日に決まった金額を、指定した普通預金口座から自動で積立する商品です。
この積立期間は利用者が任意で決定できます。また、毎月の積立が厳しいなら、ボーナスが入った場合等、臨時収入を上積みして預金する方法もあります。
積立定期預金は、近い将来の子の教育資金や、海外旅行のようなレジャーのための資金等を目的した貯蓄に向いている商品と言えます。
こちらの場合なら、お金が必要となれば解約はできますし、積立したお金の一部を引出すことも可能です。
3.夫婦でお金の管理
お金の管理する場合、預金口座を利用した方法ならお金の流れが明確化されるので、家計簿の作成もやりやすくなりますね。
では、私と妻の2人世帯では、お金の管理をどのように取り決めるべきなのでしょうか・・・?
第3章では、結婚してからどうお金を管理していくかについて解説します。
3-1.夫婦でどんな風に管理?
独身時代はそれぞれ別々にお金を管理したものの、結婚すれば共同生活のための収支として考える必要があります。
一方がお金の管理にルーズなら、今までコツコツしっかりお金を管理してきた配偶者が、双方の管理を一手に引き受けるのも良い方法です。
その場合には、ご夫婦の世帯収入用口座を一つにまとめ、管理する方法が向いています。
この方法では、どちらか一方が収支を把握できないということにはならず、双方が家計の状況を把握できる利点もあります。
ただし、お互いの支出を差し引いた残りの収入や、それぞれの貯蓄状況が不明確になる場合はあります。
そのため、共働き世帯ならば、まず開設しているご夫婦の口座に収入が振り込まれたら、月毎に、夫婦が交互に世帯収入用口座へ入金して、貯金や出費に回すという方法も考えられます。
表にすればこのような感じです。
月別 | 世帯収入用口座への入金者 |
1月 | 夫:〇〇万円入金 |
2月 | 妻:〇〇万円入金 |
3月 | 夫:〇〇万円入金 |
4月 | 妻:〇〇万円入金 |
3-2.役割分担もイイ感じ
夫婦で役割分担してお金を管理するという方法も良いでしょう。貯蓄の管理・支出の管理を別々に担当したり、夫が交通費・水道光熱費を管理して妻が通信費を管理したり、という分担方法が考えられます。
自分の担当する役割・支出が明確になることは利点です。その反面、夫婦の一方に負担が偏ってしまうケースもあります。
どちらかの一方の負担が大きくなれば不満も出てきて、夫婦が不仲になるのは避けたいところです。
片方の負担が重いと感じた場合は、ご夫婦で調整する取り決めを事前に定めておき、その役割分担を定期に見直すことが大切です。
3-3.使用目的が確定しているお金なら
夫婦で共通した使用目的のためにお金を貯める必要があるなら、預金以外の方法もあります。
例えば、使用目的には次のようなことがあげられます。
- 子ができた場合の教育資金
- ご夫婦の老後の資金
- 将来へ柔軟に対応するための資金
いずれも、今後夫婦生活を送る中で必要になってくるお金と言えます。
〇物事はそう予定通りに進まない
お金の管理を決めたあなた方ご夫婦・・・しかし、物事がいつ何時でも順調に進むとは限りませんよね。
皆さんの中には、貯金が大事なことはわかっているけれども、ついつい生活費に使ってしまう、夫がマイカーを購入して預金が使われてしまった等、少々困った事態も想定されます。
特に子の教育資金として貯めていたお金をウッカリ使うと、子の就学状況によってはご夫婦それぞれの親から、その資金を借りる事態になるかもしれません。
そのため、貯金とはまた違った方法で、積み立てることを検討する必要があります。
〇保険商品を活用!
将来の使用目的が明確なら、その使途に合った保険商品へ加入し積み立てることが有効です。
いわゆる「貯蓄型」保険商品の活用がベストといえます。この貯蓄型保険商品の共通したメリットは次の通りです。
- 返戻率(支払った保険料よりも受け取る金額の割合)が高い
- 途中で保険料を引き出すことは原則として不可能
- 保険料が負担ならば後日変更も可
貯蓄型保険商品は、お金を受けとるタイミングにもよりますが、利回りが良く、貯蓄の運用に向いています。
また、保険料を引き出すことは原則不可能であり、毎月の保険料が着実に積み立てられていきます。
なお、中途解約はできるのですが、保険会社へ解約手続きを申し出なければならないので手間がかかります。
保険料が負担に感じたならば、保険会社と後日相談して軽減することもできる場合があります。
その場合には、受け取る保険金や解約返戻金(解約して受け取るお金)に影響が出ることへ注意も必要です。
4.お金の管理と保険・その1
保険はやはり預金の他に加入しておきたい備えですね。特に子の教育資金は大切です。私の親もそれで苦労したようですから。
では、子のための教育資金として活用できる保険商品について教えてください・・・。
第4章では、学資保険とは何か?その特徴と注意点を解説します。
4-1.子の教育資金は学資保険で
親ならば、子に十分な学習の機会を与えたいという思いは同じと願いでしょう。
しかし、そうはいっても子の学習に必要となるのは、まず「お金」です。
子はご自分たちと同じように小学校・中学校・高校と進学していくことでしょう。当然小学校へ入学する前に、幼稚園または保育園へ通園することになるでしょう。
また、最近は大学もすっかり入り易くなり、大学進学を視野に入れた教育資金の確保は当たり前と言えます。
幼稚園または保育園~大学4年間でかかる費用は、ケースによっては1,000万円を大きく上回り、数千万円に上る可能性もあります。ご夫婦には頭の痛い金額ですよね。
早い段階でその資金のためにコツコツお金を積み立て、まとまったお金が必要になった時、役立つのが「学資保険」です。
この保険は、子が出生前または出生後に加入し保険料を積み立て、一定の年齢に達したとき満期学資金としてお金が下りる商品です。
4-2.学資保険の特徴
学資保険は、主に次の4点が特徴と言えます。
(1)加入は子の出生前から可能な場合も
学資保険は出生から就学前に加入することが必要です。加入のベストな時期は一般的に“出生後すぐ”と言われています。
そうはいっても、子の出生後にはベビー用品の購入や、母子の各種健診、役所への手続き等、ご夫婦に大忙しの事態となります。
とても「こんな時期に保険選びなんて無理!」と、思われる皆さんもいるはずです。
そんな事情に配慮し、学資保険の中には「子の出生の140日前」から加入できる商品もあります。およそ妊娠6ヶ月くらいから加入が可能というわけですね。
これならば、子の出生前にご夫婦で余裕を持った保険選びが可能です。
(2)保障内容は多彩
学資保険は子が一定の年齢に達した時、満期学資金としてお金が下ります。
お金の受け取り方法はもちろん一括でも構いません。また、保障プランによって進学の度に入学祝金がもらえたり、一括ではなく学資年金として分割して受け取れたりする商品も多いです。
ご夫婦のニーズに合った保障プランを選びましょう。また、医療保障等を特約で付加できる商品も販売されています。
(3)親のまさかの事態も対応可能!
学資保険に加入後、保険料の支払期間中に保険契約者(親)が亡くなったり、高度障害状態になったりする場合もあります。
このような深刻な事態となれば、保険料の支払いは滞るかもしれません。
学資保険を扱う保険会社では、被保険者である子の救済措置を講じています。それが「保険料払込免除特則」です。
この特則は、保険契約者(親)が死亡または高度障害状態になったとき、以後の保険料が免除されるというものです。
当然、保険料が免除されたとしても、保険契約通りに満期学資金等は下ります。
(4)気になる保険料と、返戻率
学資保険の保険料は、保障プランや特約等の付加にもよりますが、各保険商品で月払保険料は10,000円~15,000円程度となります。
また、返戻率も商品ごとに異なりますが約101%~108%と、受け取るお金の方が高くなります。
4-3.学資保険はココに注意!
教育資金として役立つ学資保険ですが、注意点は3点ほどあります。
(1)子の加入年齢が厳しい
学資保険は前述した通り出生から就学前に加入することが必要です。つまり、小学校へ入学する前、原則として5歳までには加入する必要があります。
学資保険のほとんどの商品はこのような年齢制限が設定されています。ただし、学資保険の中には7歳まで加入可能の商品もあります。
そうはいっても、子の加入年齢が遅くなれば、その分月払保険料の負担は増すので、できるだけ早めの加入が無難と言えます。
(2)保障内容によっては元本割れすることも
学資保険の主契約のみに加入するならば、概ね前述した返戻率となります。
しかし、子の病気やケガの入院保障や手術保障等を特約として付加すると、受け取るお金(満期学資金)より支払う保険料が多くなる場合もあります。これを『元本割れ』と言います。
特約を付加したらその分、支払保険料も高くなってしまうので、より高い返戻率を望むなら、不要な特約は付けない方が無難です。
(3)子の生き方は親の思い通りにいかない
ご夫婦がどんなに子の大学進学等を望んでも、肝心の子供に全く進学の意思はなく、高校を卒業したら就職して親から独立したい場合があるかもしれません。
もしも、大学進学の資金確保のため学資保険に加入していたのなら、保険が満期となれば学資金は受け取れますが、活用の場を失うことになります。
子が生まれる前、ご夫婦でこのようなケースがあると考えているなら、学資保険とは違った保険商品に加入するのも良い選択です。
こちらに関しては、第6章で詳細を解説します。
5.お金の管理と保険・その2
自分たちの老後のことですが、公的年金に加入しているものの、下りる年金額だけで生活するのは厳しいみたいですね。
老後の生活資金をより手厚く保障するような保険商品は無いものでしょうか・・・。
第4章では、個人年金保険とは何か?その特徴と注意点を解説します。
5-1.老後が気になるなら個人年金保険で
個人年金保険とは、私的年金の一つでご自分が現役世代の時からコツコツ保険料を積み立てる商品です。
原則として健康診査は不要で、ご自分の年齢が高くなってからでも十分加入は可能です。
個人年金保険は主に次の分類となります。
- 保証期間付終身年金:保証期間中は被保険者の生死を問わず年金が受け取れます。期間経過後、被保険者が生きていればずっと年金は下ります。
- 確定年金:被保険者の生死を問わず契約の際に設定した期間中、年金が下ります。なお、受取期間中に被保険者が亡くなると、その残りの期間分の年金または一時金を遺族が受け取ります。
- 保証期間付有期年金:保証期間中は被保険者の生死を問わず年金が受け取れます。保証期間経過後は、契約の際に設定した期間中、年金が下ります。
- 夫婦年金:ご夫婦で加入する私的年金です。ご夫婦どちらか存命していれば年金が下ります。
5-2.個人年金保険の特徴
個人年金保険は、主に次の4点が特徴と言えます。
(1)加入は遅くても可能
ご夫婦が30代・40代の頃は子育てや教育資金の捻出、住宅ローンの返済等、いろいろな出費があるかもしれません。
しかし、ご夫婦が50代・60代ともなれば、子が独立したりローンを完済したりして、お金に余裕ができるかもしれませんね。
もちろん、給与所得者の方々は年収が上がっているかもしれません。
そんな時に、保険料は割高になるかもしれませんが、個人年金保険へ加入し、公的年金に+αして老後の資金の充実を図ることができます。
(2)保証期間があれば遺族も安心
長い生きしたいのは皆さん同じ願望でしょう。しかし、残念ながら不運にも、年金の受取期間中に被保険者が亡くなることはあります。
保証期間付の個人年金保険なら、年金を受け取るはずだった被保険者が亡くなっても、遺族に残り補償期間分のお金が年金または一括で下ります。
(3)気になる保険料と、返戻率
個人年金保険の保険料は、各保障プランや特約等の付加にもよりますが、各保険商品で月払保険料は10,000円~16,000円程度となります。
また、返戻率も商品ごとに異なりますが約103%~108%と、受け取るお金の方が高くなります。
なお、外貨建ての個人年金保険ならば、130%を超える返戻率が期待できます。ただし、為替の影響で元本割れを起こすリスクもあります。
5-3.個人年金保険はココに注意!
不安な公的年金を補完する役割の個人年金保険ですが、注意点は2点ほどあります。
(1)個人年金保険のタイプに注意
個人年金保険には定額型と変額型の2種類が存在します。定額型は国内の景気が好況でも不況でも、下りる年金は保険契約のとき定めた金額通りに下ります。
そのため、ライフプランも立てやすく堅実な積立になります。しかし、景気で得をすることもなく、急激なインフレがあると、下りる年金で生活を維持することが困難になる場合もあります。
一方、変額型は国内が好景気になれば、それだけ利回りも良くなります。つまりインフレに対応できるわけです。ただし、不況になれば元本割れを起こすリスクがあります。
(2)外貨建ての商品でトラブルが続出
外貨建てとは米ドル・豪ドル等で資産を運用する商品ですが、個人年金保険でも人気のタイプと言えます。
しかし、最近、高齢の保険加入者と保険会社との間で、トラブルが続発していることも問題となっています。
外貨建てはもちろん外貨で運営されます。利用する通貨の国の景気が良ければ利益は上がるものの、日本円に両替する場合は大きなリスクが伴います。
つまり、両替時、円高か円安かによって、受け取れる年金が大きく影響されてしまうのです。これは大きな利得になる反面、大幅な元本割れが生じる事態もあるということを意味します。
このタイプの保険は、定額型のように仕組みがシンプルといえずかなり複雑です。
保険の担当者に儲かるといわれても、ご自分が内容を十分理解できなければ、保険加入を控えた方が無難です。
6.お金の管理と保険・その3
学資保険も個人年金保険も、非常に頼もしい保険商品ではありますが、それなりにリスクもありますね。
将来にまとまったお金は必要ですが、もう少し柔軟性のある保険商品はないでしょうか・・・?
こちらでは、低解約返戻金型終身保険とは何か?その特徴と注意点を解説します。
6-1.将来へ柔軟に対応したいなら低解約返戻金型終身保険で
「子の教育資金や老後の資金も大切だが、まさかの時に被保険者が死亡した場合の備えも大切だ。」、そんな風に考えている人も多いことでしょう。
実は、これらのニーズの全てに対応できるような保険商品もあるのです。それが「解約返戻金型終身保険」です。
低解約返戻金型終身保険は死亡保険として、被保険者が死亡した場合に遺族へ保険金が下ります。
その一方、保険料払込期間が満了したら急激に返戻率が上昇、そのタイミングを見計らい解約をすれば、大きな利益を保険加入者側が得ることも可能です。
この解約返戻金を利用し子の教育資金へ利用したり、子がいない場合や子が早々に独立したならば、そのまま運用し老後の資金として備えたりすることができます。
6-2.低解約返戻金型終身保険の特徴
低解約返戻金型終身保険の特徴は、何と言っても返戻率の高さです。
保険料払込期間が満了すれば、返戻率は上昇し一気に110%近くになる商品があります。その後、ピーク時には130%となることもあります。
被保険者の死亡保険として加入していながらも、例えば子の教育資金として活用するケースでは、保険料払込期間を短めに設定することが必要となるでしょう。
その分、毎月の保険料は高くなりますが、タイミングを見て解約すれば十分な資金が手に入るはずです。
その場合には、保険のしおり等をみて、解約返戻率が高くなる時期を確認しておきましょう。
6-3.低解約返戻金型終身保険はココに注意!
低解約返戻金型終身保険で気を付けるべきなのは、解約時期にしっかり検討しなければならない点です。
保険料払込期間を満了する前に中途解約すると、受け取る解約返戻金が大幅に少ない金額となります(返戻率7割未満)。
低解約返戻金型終身保険は、保険料払込期間中の解約が保険加入者側に不利となる分、支払う保険料は通常の終身保険より抑えられている場合があります。
そのため、保険料払込期間中の解約は可能な限り控える必要があります。
7.まとめ
お金を管理し、貯蓄を増やしていくには倹約は有効ですが、過剰な出費の引き締めを行っては長続きしないことも考えられます。
節約方法を工夫し、貯金の何割かを貯蓄型保険商品へ回すなどして、将来の資金確保を無理なく目指すことが大切です。
もしも、ご夫婦や親族で貯蓄の運用に迷ったら、税金や保険、年金の知識が豊富な専門家である「ファイナンシャルプランナー」へ相談してみることを検討しましょう。
お金の管理な運用等を相談すれば、各世帯に合ったライフプランをアドバイスしてもらえることでしょう。