家を「新築した」「増築した」「改装した」などと言った時に多くの方が火災保険を掛けるでしょう。
火災保険と言っても「内容がよくわからない」、「どこの保険会社でも一緒でしょ?」と言う方も多くいるのではないでしょうか。
実際には、細かな補償の部分が保険会社によって違ったり、保険料が違ったりします。
保険に加入するなら、出来るだけ安くて良い商品を選びたいと思う事でしょう。
この記事では、元保険代理店の立場から、損保ジャパン日本興亜損害保険の火災保険を解説していきます。
火災保険の基本から事故例・支払事例など具体的に解説する事で、どのようなリスクに備えなければいけないのか、保険料の費用対効果は良いのかをしっかりと判断できるような記事を書いていきます。
この記事を読んで、少しでも、火災保険に詳しくなって、万が一の時に大切な自宅を守れるようにしましょう。
目次
1.損保ジャパン日本興亜損害保険について
1.1合併について
1.2旧保険会社の契約について
1.3損保ジャパン日本興亜損害保険の契約について
2.火災保険とは
2.1火災保険の基礎
2.2補償範囲
2.3考え方と割引きなど
3.商品について
3.1特長
3.2メリット・デメリット
4.他社との比較
4.1東京海上日動火災保険(トータルアシスト住まいの保険・トータルアシスト超保険)
4.2三井住友海上(GKすまいの保険)
4.3AIU損保(ホームプロテクト)
5.事故例
5.1火災事故
5.2水災事故
5.3落雷事故
5.4雪災事故
5.5その他の事故
6.地震保険
6.1地震保険とは
6.2火災保険との関係性
7.まとめ
1.損保ジャパン日本興亜損害保険について
長ったらしい名前の保険会社ですが、元々は「損保ジャパン」と「日本興亜損害保険」の2つの保険会社として別々の会社だったのですが、合併したことでこの長い保険会社名になっています。
合併をしたという事は、その前からある契約などはどうなるの?と思う方も多いと思いますので、ここでは火災保険の解説の前に、この保険会社について少しだけ説明していきます。
1.1合併について
2014年9月1日に、「損保ジャパン」と「日本興亜損害保険」が合併し誕生したのが、この損保ジャパン日本興亜損害保険と言う会社であり、合併後には契約者数や収保数などが東京海上日動保険を抜いて日本一になりました。
また、子会社の損保ジャパン日本興亜ひまわり生命は、損保より数年前に合併をしていました。
そして合併に伴い、自動車保険・火災保険・傷害保険などの主力商品を改定し、保障内容などが一新されました。
しかし、火災保険などは、長期契約もあるため、旧契約(旧損保ジャパン・旧日本興亜)が市場にはたくさん残っています。
その辺りを少し説明していきます。
1.2旧保険会社の契約について
保険会社の合併に伴って、以前から契約している契約者さんにとっては、私の保険はどうなるのだろうと思うと思います。
合併後でも、保険契約は契約をした時の内容で保険期間中は続いていきます。
契約した時に、損保ジャパンで契約をした方であれば、その当時の契約内容で補償がされます。
契約した時に、日本興亜損害保険で契約をしている方は、その当時の補償内容が事故の時には適応されます。
どちらが優れているかは、一概には言えませんが、同じ保険会社でも支払い内容が異なる場合があるので、注意が必要です。
1.3損保ジャパン日本興亜損害保険の契約について
合併後の保険商品である、「THEすまいの保険」に加入し直した、新たに加入したと言い方は、現在の契約内容で補償をされています。
この保険に加入している場合は、合併後の商品なので、保険金の支払いなどに違いはもちろんありません。
また、旧契約とは大きく異なる個所もあるので、旧契約の感覚で加入していると「あれ?」と思う事がある可能性がありますので、変わったところなどはしっかりと、代理店や保険会社に確認しておくようにしましょう。
日本興亜損害保険の商品からは、変更点が多かったので、余計に注意が必要です。
しっかりと、保険証券などを確認しておくようにしておきましょう。
2.火災保険とは
それでは、ここからは火災保険の基本的なところを説明していきます。
火災保険の基礎的なところから、考え方や安くなる方法などを補償内容も含めて、説明していきます。
ここの説明をしっかりと理解できれば、火災保険に関して疑問に思う事も少なくなるでしょう。
2.1火災保険の基礎
火災保険とは、建物や家財・設備什器等の損害に対する補償を受けるための保険です。
よく聞くのは、「燃えたときだけの補償でしょ?」と思っている方が意外に多いのですが、そうではなく、基本的な補償範囲は「火災・落雷・破裂・爆発・風災・水災・雪災」と言うのが基本的な補償であり、火災保険であればどの保険商品でもこの補償はあると思っていても良いぐらいです。
ただし、一部の店舗用や工場用などの事業所用の保険や、不担保にした場合などはこの補償がないモノもあるので、気を付けてください。
そして、基礎的なところですが、火災保険とは、「建物」と「家財道具」に分かれます。
建物への損害を補償するものは、保険の対象を「建物」とし、家財道具への補償をしているモノは「家財一式」と保険証券に表記されていますので、しっかりと確認しましょう。
火災保険に加入しているから大丈夫!と思っていても、それが建物の補償なのか、家財の補償なのかをしっかりと確認しておいてください。
2.2補償範囲
基礎でも説明しましたが、火災保険の補償範囲の基本は「火災・落雷・破裂・爆発・風災・水災・雪災」と書きましたが、損保ジャパン日本興亜損害保険の火災保険の「THEすまいの保険」では、「外部からの物体の落下・衝突」・「漏水の損害」・「デモなどの騒擾による損害」・「盗難などの破汚損」なども補償範囲であり、「不測突発的な事故」なども対象になる事から、補償範囲がすごく広くなっているという事を知っておいてください。
また、自己負担金額の設定が、「THEすまいの保険」になってから可能になりました。
これは、以前であれば風災や雪災には20万円以下は免責と言う条件が亡くなったことでもあり、事故に関して保険金の支払い幅も広がったと言えます。
そして、その他の費用保険金もしっかりと覚えておいてください。
残存物後片付け費用や臨時費用などは、事故が起こってからしかわからないモノですが、水道管凍結による修理費用もこの保険では保険金の支払い対象になりますので、冬場に水道管凍結などが起こった場合にも安心できるという事です。
2.3考え方と割引きなど
火災保険の基本的な考え方は、「損害を受けた物を、損害を受ける前の状態に戻す」と言うのが基本的な考え方です。
たまに聞こえてくる話に、「保険太りをした」と言う事を聞いたことはないでしょうか。
保険太りとは、損害が起きて保険金を受け取った際、損害金額以上の保険金を受け取った時などに使われる言葉です。
確かに、火災保険では臨時費用保険金などの、費用保険金が、損害保険金とは別に支払われます。
それは、事故が起きた際に、後片付けをしなければいけない、仮住まいをしなければいけない、家の近所に手土産を持って挨拶に行かないといけない、など様々な費用が掛かるであろうという事で、損害保険金とは別に費用保険金として保険会社は支払います。
あくまでも、損害に関わる費用という名目です。
そのため、火災保険などで損害金額以上の金額が下りて儲かった!と思うのは辞めてください。
次に、火災保険の保険料を安くする方法を少し説明していきます。
火災保険を安くする方法として、保険料の払い方や契約年数や補償を限定すると言う方法があります。
保険料を安くする方法の一つに、火災保険を複数年契約(5年など)にして、保険料を年払いにする方法があります。
火災保険などの損害保険は、1年ずつ更新していくイメージがあると思います。
しかし、1年ずつ更新する保険料と、契約を5年にして保険料の支払いを年払いにする事で、1年ずつ支払う保険料よりも安くすることが出来ます。
また、長期契約で保険料を一括払いすると、5年の年払いよりも保険料は安く出来ます。
そして、補償を限定する事も保険料を安くする方法の一つです。
例えば、マンションなどの3階以上に住んでいる方であれば、洪水などで自宅が水に浸かる可能性はありませんよね?そこで、水災を不担保(補償なし)にする事で、保険料を安くする方法があるのです。
これは、一番保険料を節約できる方法ではありますが、補償を無くすという事ですので、その補償が必要ないという状況であれば、無くして良いのですが、水に浸かる可能性がある場合は、この方法は使わないでください。
3.商品について
それでは、損保ジャパン日本興亜損害保険の火災保険である「THEすまいの保険」について説明していきます。
この商品の特徴やメリット・デメリットを紹介していきますが、敢えて言っておくと、火災保険に関しては、補償に大きな差はなく、各社同じような補償内容になっています。
細かな費用保険の部分や、保険料の差などが違いになりますが、ここでは損保ジャパン日本興亜損害保険の商品について説明します。
3.1特長
保険会社が挙げる「特長」は5つあります。
・自然災害をはじめワイドな補償
・いざという時の受取保険金が違う
・便利でお得な長期契約
・補償内容がひと目でわかる「保険のとりせつ」
・充実のサービス「すまいとくらしのアシスタントダイヤル」
上記の5つが、保険会社が挙げる「特長」になります。
この中で補償に関する特長を中心に説明していきます。
まず、ワイドな補償とありますが、基本のところでも説明した「火災・落雷・破裂・爆発・風災・水災・雪災」は基本の補償であり、それ以外に「外部からの落下飛来・漏水による損害・デモなどの騒擾による損害・盗難による損害・不測突発的な損害」が基本補償になっています。
そして、この基本補償よりも補償を充実させられる特約に「地震火災特約・事故防止等費用特約・携行品損害特約・類焼損害特約・電気的機械的事故特約」が用意されています。
このなかで、比較的目新しいのが、「地震火災特約」になります。
地震火災特約
この特約は、地震保険に加入している事が大前提ですが、地震による火災に関して、地震保険からの支払いに上乗せして、30%または50%を上乗せすると言う特約になります。
この特約を付加した場合には、地震による火災の補償は80%から100%になるという事になります。
これまでは、地震保険に加入していても、地震による損害は火災保険の50%が最大でしたが、地震による火災だけですが、補償が最大で100%になるのは被災した中ではすごく心強い補償になるでしょう。
電気的・機械的事故
この電気的・機械的事故と言うのは、聞き慣れない言葉かもしれませんが、保険の対象の建物に於いて、過電流などによる事故を補償しますと言う特約です。
過電流と言えば、落雷などが大きな原因の一つではありますが、落雷であれば、火災保険の基本で補償されますが、落雷ではない場合の補償はありません。
この特約を付加する事で、落雷以外の事故でも電気的・機械的事故で補償されるという事です。
3.2メリット・デメリット
この保険のメリットとデメリットを少しだけ紹介していきましょう。
メリットは、先ほども紹介した様に補償の広さもありますが、特長の一つでもある複数年を契約にする事で、保険料を少し安くするという事と、生活に関わるトラブルに対する相談が出来ると言う点になります。
このメリットは、他社の商品でもあるとは思いますが、生活のトラブルに関する相談が無料と言うのは心強い味方になるのではないでしょうか。
また、デメリットに関しては、保険料になるのではないかと思います。
地震火災特約などを付加した場合には、保険料は高くなると思われます。
補償が充実しているとはいえ、保険料は少し高めになるのかと思われます。
4.他社との比較
さて、損保ジャパン日本興亜損害保険の「THEすまいの保険」について説明しましたが、他社の火災保険とは、どのような差があるのかが解りませんよね。
そこで、ここでは損保ジャパン日本興亜損害保険以外の保険会社の火災保険を紹介して、その補償内容の比較などをしていきたいと思います。
4.1東京海上日動火災保険
(トータルアシスト住まいの保険・トータルアシスト超保険)
損害保険のリーディングカンパニーと言って良い保険会社です。
その東京海上日動の火災保険は、「トータルアシスト住まいの保険」が基本的な火災保険になりますが、この保険の基本的な補償内容は損保ジャパン日本興亜損害保険の商品と同じです。
一つだけ違いがあるとすれば、先ほど説明した「地震火災特約」にあたる特約が無いという事です。
その他の内容は、はっきり言って同じです。違いがあるとすれば、保険料の差と言って良いでしょう。
そして、東京海上日動には、この火災保険以外に、「トータルアシスト超保険」と言う保険商品があります。
この超保険と言うのは、生命保険・自動車保険・傷害保険・火災保険を一つにした商品であり、自分の欲しい補償・保障のみを選択できると言うモノです。
この超保険の火災保険では、損保ジャパン日本興亜に有った、「地震火災特約」と同じ内容が「地震危険等上乗せ補償特約」と言うモノが設定されている事から、特約などを含めてもトータルアシスト超保険であれば、同じ補償内容の商品と言って良いでしょう。
4.2三井住友海上(GKすまいの保険)
三井住友海上の火災保険が、「GKすまいの保険」になります。
こちらも基本的な補償内容は同じですが、「地震火災特約」のラインナップはありません。
地震による火災に関しては、地震保険の補償範囲と見舞金程度の給付金が支払われるのみの保険となっています。
基本の補償は同じですので、違いと言えば、その辺りと保険料の差になってきます。
4.3AIG損保(ホームプロテクト)
あまり馴染みのない保険会社かもしれませんが、富士火災と合併したことで、一般向けの商品にも力を入れている保険会社と言えるでしょう。
AIG損保の火災保険は企業向けの商品でその安さが少し話題になった保険会社です。
この保険会社の商品も、基本的な補償内容は東京海上・三井住友と同じ内容になっています。
また、この保険も三井住友と同じように「地震火災特約」の様な特約はラインナップされていない事から、自身を起因とする火災に関しては、地震保険の保険金と見舞金程度の給付金しか支払われない保険と言えるでしょう。
3社の保険を挙げましたが、火災保険の補償内容は、基本的にはどこも同じ補償内容となっています。
大きな違いは、保険料と事故の時の認定の厳しさぐらいではないかと思われます。
事故の時の認定の厳しさとは、保険金の認める金額と思っておいてください。
事故が起きた場合には、損害調査課などが写真や調査員の報告に基づいて、保険金の金額の認定をしますが、どこまで認めるのか?という所です。
これは、保険会社によって少しずつ差がある所ですので、A社では保険金が出たけれど、B社では認定されなかったという事が、極端に言えばあるという事です。
5.事故例
それでは、火災保険における事故例を、実際に経験した事を中心に解説していきます。
火災保険の事故と言えば、火事を思い浮かべると思いますが、それだけではなく、近年増加している水災や風災から落雷や雪災など、多くの事例を基に、火災保険の対象になるのかならないのかを解りやすく解説していきます。
また、損保ジャパン日本興亜の「THEすまいの保険」で実際に保険の対象になった事例ですので、こんなことも対象になるの?と新たな発見があるかもしれませんよ。
5.1火災事故
火災保険で一番ピンとくる事故に、火事があると思います。
それでは、火災事故の例を紹介していきましょう。
長年に渡って保険代理店をしていても、火災事故の事故処理は数えるぐらいしかしないと思います。
それほど、火災事故は少ないと言って良いのです。よく言われるのは、3世代から4世代に1度、経験するかしないのか割合と言われています。
そんな火災事故を、5年ほどで2回経験を出来たことは逆にすごいと思います。
1つは、飲食店の火災になります。
貸店舗での火災であり、お店の建物への火災保険を契約いただいていました。要は飲食店の店子さんではなく、建物のオーナーさんから火災保険を契約いただいていたという事です。
この事故の原因は、店舗2階の座敷席に設置しているコンロ(焼肉屋さんなどにある炭火焼のコンロ付のテーブル)下の建物の柱が炭化して起こった火災でした。
建物の壁に耐火性の高い素材が使われていた事と、消化が早かったことで、店内だけのボヤ程度で済みましたが、店内は煤で汚れ内装工事が必要でした。
この内装工事の金額が、火災保険の対象になりましたが、店舗の保険であったため、損害率の70%程(比例填補方式)での支払いとなったため、臨時費用(残存物片付け費用など)込みで、損害額通りの支払いになりました。
また、この様な場合では、店舗を借りている方(店子さん)に過失がなかったかを調査する事があり、重度の過失(火をかけたまま外出するなど)がある場合には、借りている方(店子さん)に賠償責任が生じる可能性があるので、注意が必要です。
もう1つは、一般住宅で2回の仏壇から出火し、2階部分がほぼ全焼し、1階部分が残ったと言う火事がありました。
火災事故の場合には、8割の損害が出たら「全焼」だと言う方も多くいらっしゃいますが、そこの規定自体が少し曖昧で、主要構造部分の8割が焼けた場合には「全損」扱いになり、保険金の100%が支払われますが、この火災事故の場合では、1階部分が残っていた事もあり、建物に関しては8割の損害認定になりました。
8割と聞くと、「全焼でしょ?」となりますが、損害が8割ではなく、認定が8割と言う事です。
少し複雑ですが、建物の損害自体は8割に達していないのに、保険金の認定は8割になることがあるのです。
パンフレット通りになる事も多いですが、決してその通りだけではなく、イレギュラーな事もあるという事を知っておいてください。
5.2水災事故
水災事故は意外に事例が少ないと言えます。
近年、ゲリラ豪雨や集中豪雨による浸水などよく耳にすると思います。
また、実際にその被害に遭われたかともいるのではないでしょうか。
保険代理店をしていても、地域柄もあったのかもしれませんが、水災に支払いは経験がありません。
と言うのも、水災の支払い条件は、床上浸水または地面から45cm以上の浸水と言う条件があります。
床下浸水や少し水が入ってきただけでは保険の対象にならないのです。
自宅兼店舗の火災保険の契約をいただいていた方から、店に水が入ってきたと連絡をいただき、駆け付けたことがありましたが、店内に2~3cmの浸水であり、床に置いていたものはすぐに高いところに移した事もあり、大きな損害はありませんでしたが、壁紙の汚損などがありましたが、支払条件(床上・地面から45cm)に該当しなかったために、支払い対象にはなりませんでした。
先ほども言いましたが、近年のゲリラ豪雨や集中豪雨により、浸水被害が増えつつありますが、水災の補償に関しては、支払条件をしっかりと確認しておく必要があるという事です。
5.3落雷事故
落雷の事故には、落雷による過電流が主な事故原因になります。
落雷に事故も処理した経験がありますが、その原因も落雷による過電流でしたが、その建物に落雷が起こったわけではなく、近隣に落雷が起こり地面を伝って、過電流を起こした事が原因でした。
この事故の損害物は、インターネット回線のルーターでした。
不思議と、ルーター以外の損害は無かったところを見ると、ごく微量の過電流だったのかと推測が出来ますが、その微量でも、損害が出るという事です。
この事故も、保険金請求が出来る事故であり、火災保険の対象なのですが、契約者さんが修理代も大したことが無かったので、今回は火災保険を使わないと言う決断に至りました。
5.4雪災事故
冬の大きな事故の一つとして挙げられるのが、雪による損害です。
日ごろ雪の降らない地域でも、数年に1回大雪に見舞われることがありますが、その時によく起こる事故が、カーポートの損害や、雨樋(あまどい)の破損などがあります。
非降雪地では、雪の重みに耐えられるような設計のモノが少なく、カーポートなどは屋根にそのまま雪積もっていく事で、雪の重みにカーポートの柱が絶えられなくなり、柱から破損するという事故が起こります。
この場合には、多くの保険会社は免責金額として20万円等の金額を設定している場合もありますが、カーポートや雨樋に損害が生じて修理をする場合にはこの金額を超えてくることが大半です。
また、よく聞く質問ですが、修理しないといけないのか、新しいものに変えても良いのか?と聞かれることがありますが、「基本は修理です」、火災保険は損害を生じたものを元の形の戻すと言う考え方です。
修理がどうしても出来ない状態であれば、新しいモノにする費用が出ますが、修理可能な物を新しいのに変える場合には、修理代との差額は自己負担になりますので、それでも良ければ、新しいモノにしても良いという事です。
5.5その他の事故
この「その他の事故」と言うのは、不測突発的な事故という事であり、事故性がある物全般という事です。
壁に穴を開けてしまった、買ったばかりの家の表札を落として割ってしまった、と言うよな、上記の様な、原因が火災でも落雷でも水災でも雪災でもないような事故の多くがこのその他の事故に該当します。
後は、保険会社と代理店の解釈次第になりますが、多くの事故性のある物はこの部分で解決できるという事です。
また、事故性があるかどうか、契約者・被保険者の故意ではないか等をしっかりと確認して、事故性があり、故意でなければ、大体は火災保険の対象になると思っていただいても大丈夫です。
6.地震保険
火災保険に付いて解説してきましたので、次は、火災保険とは関係性の深い地震保険に付いて少しだけ説明をしていこうと思います。
地震保険と火災保険とはどのような関係性があるのか、と言ったところを中心に説明していきます。
6.1地震保険とは
地震保険とは、火災保険では免責事項である、地震・噴火・津波による損害を補填する保険であり、地震保険に加入していなければ、地震・噴火・津波での損害は担保されないという事になります。
また地震保険は、火災保険とセットで加入しなければならず、地震保険単体での保険加入は出来ないという事を知っておいてください。
地震保険の補償額は、火災保険の補償額の半分(50%)が限度であるという事も合わせて覚えておいてください。
6.2火災保険との関係性
先ほども説明した様に、火災保険と地震保険はセットであり、地震保険単体での加入は出来ません。
そして、補償額も火災保険の補償額の半分までが限度となっている事から、地震・噴火・津波により損害の場合は、建物や家財道具を原状復帰は出来ないという事も覚えておいてください。
また地震保険は基本的には、人が住んでいる住宅にしか掛けることが出来ないので、工場や事務所やオフィスには地震保険を掛けることは出来ないと思っておいてください。
ただ、基本的にと書いたのは、保険会社や商品によっては拡張担保として地震保険を掛けることが出来る場合もあるという事です。
そして、商品説明でも少し話しましたが、損保ジャパン日本興亜の火災保険では「地震火災特約」と言うモノがあり、この特約を付加した場合には、地震による火災の場合は地震保険の50%の上乗せとして残りの50%を補償してくれる特約が有ります。
また、よく共済保険(火災共済)などにも地震保険があると勘違いされる方が居ますが、共済には地震保険はありません。
共済の地震補償と言うのは、補償額の5%程のお見舞金程度の給付金を支払う補償になっていますので、それはどこの保険会社にもある補償となっています。
少し間違えやすいので、補償内容をしっかりと把握しておきましょう。
7.まとめ
火災保険の基本から、損保ジャパン日本興亜の火災保険「THEすまいの保険」の事や、地震保険・事故の支払い例などを紹介してきましたがいかがだったでしょうか。
最後に、一言だけ言えるとすれば、火災保険は基本的にどこの保険会社の商品も内容は同じです。
特約などで少し内容が異なりますが、それも現状では東京海上日動と損保ジャパン日本興亜にラインナップされている「地震の時の火災に関する追加補償」だけが大きな違いとなるでしょう。
そう考えると、地震の補償が要らないと言う方であれば、どこの保険会社でも内容は同じことですので、保険料と補償内容(新価払いか時価払いかの確認)だけで保険会社を選んでいいと思います。
また、保険金の支払いに関しては、保険会社ごとに厳しい・優しいと少し差がありますが、事故性がある場合は余程の事が無い限り保険金は支払われます。
また、個人的な感覚で言うと、あいおいニッセイ同和損保と損保ジャパン日本興亜は保険金の支払いが少しシビアかな?と言う感じを受けています。
三井住友や東京海上は適正な支払が出来ている気はしますが、それも担当次第なので何とも言えないのが現状ですが、参考までにしていただければと思います。