がんとは一体何なの?基本の知識や治療方法などを分かりやすくご紹介

がんについて調べてみても、かなり難しく書かれていることが多く、結局、がんについてよく分からないままに終わったりします。

また、がんについて調べていくと、様々な主張が入り乱れていて、結局何が正しいのかも分かりません。

そこで今回は、ぶれにくい基本的ながんの知識を、分かりやすくご紹介いたします。これによって、がんを考える上での土台を築くことが出来ます。

さらに、がんに関連する外せない知識や、セカンドオピニオンについてもご紹介いたします。

そして、この記事を参考にして、がんに対する知識を深めたり、対策を考えるときの参考にしていただけたらと思います。

目次

1.がんの基本について

  • 1.1がんが発生する仕組み
  • 1.2がんの特徴とは
  • 1.3がんの基本的な予防方法
  • 1.4がんの進行度とは

2.がんに関するよくある疑問について

  • 2.1がんは遺伝するの?
  • 2.2がん検診にデメリットはないの?
  • 2.3早期がんと進行がんの違いとは?

3.標準治療と先進医療はどう違う?

  • 3.1標準治療
  • 3.2先進医療
  • 3.3保険の先進医療特約はいる?

4.がんの3大療法とは

  • 4.1手術療法
  • 4.2放射線療法
  • 4.3薬物療法

5.その他のがんの治療とは?

  • 5.1緩和ケア
  • 5.2補完代替療法とその注意点
  • 5.3重粒子線治療と陽子線治療
  • 5.4免疫療法

6.セカンドオピニオンを頼むには?

  • 6.1何故セカンドオピニオンを頼むのか
  • 6.2セカンドオピニオンの頼み方
  • 6.3がんについて信頼できる情報源とは

7.まとめ

1.がんの基本について

まず、がんの発生と特徴についてご紹介します。特に、がんが発生する仕組みは、がんを理解する上で欠かせません。また、その上で基本的ながんの予防方法と進行度についても合わせてご紹介します。

 

1.1がんが発生する仕組み

人の細胞は、日々、傷ついたり古くなったりして新しい細胞に更新されていきます。しかし、更新の過程で一部に遺伝子の異常が起こり、本来の機能を果たさず無秩序に増殖してしまうがん細胞が生まれます。

また、遺伝子に傷があるため細胞の増殖を促進してしまうがん遺伝子もありますが、一方で抑制する働きのあるがん抑制遺伝子も存在します。さらに、免疫機能により日々発生するがん細胞は処理されます。

そのように、人の体にはがん細胞の増殖を止める仕組みがあるのですが、一部処理されないものが残る場合があります。それが、10年、20年と長い年月をかけて、本格的にがんとして発症するのです。

 

がんはこのように発生するのですが、時間が経つごとに増殖する速さが増したり、近くの組織へ広がったり、血管やリンパ管を通って転移するので、初期段階で治療を始めることが肝要です。

 

1.2がんの特徴とは

がんには以下の3つの特徴があります。

  • 自立性増殖:人の正常な新陳代謝を無視して、空気を読まずに自律的に増殖し続けてしまうことを指します。
  • 浸潤と転移:まわりの組織にしみ出るように広がるのを浸潤、最初に発生した場所から血管やリンパ管などを通って、別の組織へ飛び火してそこで増殖することを転移と呼びます。
  • 悪液質:がん細胞が、他の正常な細胞から栄養を奪い続けることで、それによって体が衰弱していきます。

これら3つの特徴を有するものが、がんと呼ばれます。また、最初の1つのみを満たすものは良性腫瘍と呼ばれ、がんとは区別されます。

この良性腫瘍ですが、がんに比べると増殖する速さは遅いです。また、発生する場所によっては、圧迫して症状が出る圧迫症状をきたすことがありますが、外科的に切除すれば再発することはありません。

 

1.3がんの基本的な予防方法

がんの予防方法は、様々な方法があげられていますが、その全てに科学的根拠があるわけではありません。また、あるように見せかけているものも少なくありません。

例えば、学会で発表したと書いてあっても、都合の良い部分だけ引用している場合もありますし、そもそも発表しただけでは効果が証明されたことにはなりません。

そのため、どのような予防法を考える場合でも、その科学的根拠はどのようなものかを判断することが重要になります。特に、経験談は何の科学的根拠にもならないので要注意です。

なお、絶対にがんにならない方法もありません。考え方としては、がんになるリスクを出来る限り減らすことが、がんの予防方法の目指す所になります。

 

それで、ここで紹介する予防方法とは、生活習慣を改善するというものです。また、ここで紹介する予防法は以下のサイトを参考にしています。

科学的根拠に基づく発がん性・がん予防効果の評価とがん予防ガイドライン提言に関する研究 | 国立がん研究センター 社会と健康研究センター 予防研究グループ

 

そして、この生活習慣を改善する項目として以下の6つが挙げられています。

  • 禁煙:たばこは吸わない。他人のたばこの煙を避ける。
  • 飲酒:飲むなら節度ある飲酒をする。
  • 食事:食事は偏らずバランスよくとる。(塩蔵食品、食塩の摂取は最小限にする。野菜や果物不足にならない。飲食物を熱い状態でとらない。)
  • 身体活動:日常生活を活動的に。
  • 体形:適正な範囲に。
  • 感染:肝炎ウイルス感染検査と適切な措置を。機会がピロリ菌検査を。

 

飲酒の1日の目安は、アルコール換算で約23gで、日本酒なら1合、ビールなら大瓶 1本、焼酎や泡盛なら 1 合の 2/3、ウィスキーやブランデーならダブル1杯、ワインならボトル 1/3 程度です。

食塩は、1日あたり、男性なら8g女性なら7g未満です。また、塩分が多く含まれる食品は、1週間に1回未満に抑えてください。

身体活動は、歩行する程度の運動を1日60分行い、1週間に60分程度は汗ばみ、息が弾むくらいの運動をしてください。なお、いきなり運動量を増やすと体の負担が大きいので、徐々に慣らすことが大切です。

適正なBMI値は、男性中高年で21から27、女性中高年で21から25です。また、痩せすぎもリスクを高めたりするので、適正な範囲に収まるようにしてください。

 

この6つに共通する注意点は、無理をしすぎないことです。過剰にやっても効果が増すどころか、逆効果になることもあります。そのため、これを目安として、他の生活習慣もあわせて考慮するようにしてください。

また、ストレスを避けることもがんの予防法として注目されてきていますから、そういった点も考慮して、自分にあった健康的な生活習慣を考えることが大切です

 

1.4がんの進行度とは

がんの進行度合を示す方法として、TNM分類が用いられます。よく言われるがんのステージと呼ばれるものはここからきています。また、その分類にあたっては、以下の3つが判断基準になります。

  • がんの大きさや浸潤の程度:T0~T4の5段階に分類
  • リンパ節への転移の有無や程度:N0~N4の5段階に分類
  • 他の臓器への転移の有無:M0~M1の2段階に分類(転移が有るか無いかの分類)

 

この3つをそれぞれ分類して、その組み合わせによって今度はステージ0からⅣの進行度合に分類されます。この3つの分類の仕方とステージの分類の仕方は、がんができた部位毎に細かく設定されています。

また、ステージ0の段階がないがんもあります。このように分類方法は、がんができた部位ごとに違うため、進行度合についてもその部位まで分からないと、どれほどの症状なのか分かりません。

 

ステージが0からⅠ期の場合5年生存率は80%から90%超と高いですが、ステージⅢ期以降は大きく下がることになります。ステージⅠ期とⅡ期を分けるのは、主にリンパ節への転移の有無になります。

さらに、末期がんは単にステージⅣ期を指すのではなく、完治する見込みがほとんどなくなり、延命治療や緩和治療に切り替えられるものを指します。

 

2.がんに関するよくある疑問について

ここでは、がんに関するよくある疑問とその答えについて解説します。また、これらはがんに関する理解を深める上でも参考になります。

 

2.1がんは遺伝するの?

がんの発症には、遺伝子による遺伝素因と生活習慣による環境要因の2つが関わっています。これらの内、より強く影響をおよぼすのは環境要因になります。

そのため、たとえ家族にがんを発症した人が多くいても、すぐに遺伝によるものとは決められません。これは、共通した生活習慣が影響している可能性があるためです。

例えば、塩分が多く含まれる食事や喫煙習慣などが挙げられます。

 

また、遺伝するがんも、がん全体からすると5%程と少ないです。この遺伝するリスクの高いがんとしては、大腸がん、乳がん、卵巣がん等が挙げられます。

さらに、家族や親族に、若くしてがんを発症した人がいる場合や、何度もがんになった人いる場合特定のがんが顕著に家系内で発症している場合は遺伝性のがんが疑われます。

 

他にも、遺伝による体質からの影響というものも考えられます。つまり、発がんするリスクを高める環境要因の影響を強く受けてしまう体質というのもあります。

 

このように、遺伝するがんかどうかは判断が難しいです。そのため、遺伝するがんが疑われる場合や、不安な場合は、専門の遺伝カウンセリングもしくは遺伝子相談外来を受診してみてください。

これらは、大学病院など大きな病院で実施している場合が多いです。

 

なお、遺伝するがんであるかどうかに関わらず、1番有効とされるがんの予防方法は生活習慣の改善であることに変わりはありません。

 

2.2がん検診にデメリットはないの?

まず、がん検診には、がんの早期発見、早期治療が出来るメリットがあります。さらに、がんになる前段階の病変も見つけることが出来たりします。また、がんでないことで安心できるというのもあります。

このように、がん検診には様々なメリットがあります。しかし、デメリットがないわけではありません。つまり、がん検診によって得られるメリットがデメリットより大きいので、がん検診は実施されているのです。

したがって、がん検診ではそのように言えるだけの科学的根拠を持つものが選ばれることになります。

 

次に、がん検診によるデメリットとしては以下のものが挙げられます。

  • がんが100%確実に発見できるわけではないこと
  • 結果的に不必要な治療や診断をしてしまう可能性があること
  • 検査によって偶発症を引き起こしてしまうこと
  • X線検査やCT検査によって放射線被曝をしてしまうこと
  • がんの疑いがあるなどと告げられたときに発生する患者の心理的負担

 

がんが小さい場合や見つけにくい形の場合、また、見つけにくい場所に隠れている場合などで、見逃す可能性が全くないわけではありません。そのため、一切の見落とし無くがんを見つけることは不可能です。

 

次に、放おっておけば自然消滅するような、深刻ながんにならないような早期がんも治療してしまう過剰診断や、がんの疑いがあり、精密検査をしたけれどもがんではなかった偽陽性がでる問題があります。

これらは、早期発見、早期治療を念頭に置いている以上、どうしても避けては通れない問題になります。

 

さらに、例えば内視鏡検査で、極めて稀ではありますが、出血や胃に穴を開けてしまうような穿孔といった偶発症を引き起こしてしまうことがあります。

また、この偶発症の1つにX線検査やCT検査による放射線被曝の問題も含まれます。こちらは、検査を受けるたびに常に起こる問題になります。

 

最後に、患者の心理的負担ですが、これを解消するのは難しいですが、医師や看護師から十分な説明をしてもらうことが重要です。ここで、問題が発生するようならばセカンドオピニオンに頼るのも一手です。

 

2.3早期がんと進行がんの違いとは?

早期がんと進行がんの違いは、どこまで浸潤しているかと、転移しているかどうかの違いになります。また、進行度合としては早期がんのほうが軽いものになります。

 

早期がんは、ステージⅠからⅡ期あたりを指すものになります。さらに、この段階で治療できれば完治する可能性が高くなります。

一方、進行がんはステージⅢ期以降を指しますが、末期がんとは異なります。末期がんはさらに悪化し、治療することができなくなる段階を指します。

 

進行がんでは、すでに転移している場合も考えられるので、治療が難しくなったりします。そのため、早期がんで治療を始めるのが望ましいのですが、初期症状が出にくいのでがん検診が重要になります

 

3.標準治療と先進医療はどう違う?

ここでは標準治療と先進医療の違いについてご紹介します。この2つは誤解されていることが多いので注意が必要な項目になります。

 

3.1標準治療

標準治療でよくある誤解が、標準という意味を、並のものという意味に捉えてしまう間違いです。正しくは、ある判断をする際の目安となるものという意味になります。

つまり、標準治療とは、科学的根拠に基づき安全性と効果が認められた現段階で最良とされる治療法のことになります。そのため、病気の治療にあたってはこれがまず選ばれます。

さらに、がんの治療法としては、診療ガイドラインというものがあり、臓器毎に診療方法が定められています。これは、毎年、学会で議論され、最新のものに改定されています。

 

また、標準治療になるためには、様々な臨床データを集めたりと、科学的根拠を得るために、幾つもの関門を乗り越えなければなりません。なので、標準治療は選び抜かれた治療とも言えます。

 

3.2先進医療

先進医療とは、単に最新の医療という意味ではありません。これは、新しい診療方法の中で、ある程度確立され、議論した上で選ばれ、厚生労働大臣の承認を受けた評価療養になります。

評価療養とは、将来的に健康保険の適用を目指して、評価を受けている最中の診療になります。そのため、何年かすれば標準治療と呼ばれている可能性もあります。

 

ただし、先進医療の段階では、その安全性や有効性がまだ確立されていません。実際、先進医療に選ばれている診療方法は、全てではありませんが、毎年中身が変わり、抜けるものもあります。

また、現在の標準治療で治すことが出来ない病気を先進医療なら治せるかというと、評価中なのでなんとも言えません。そのため、先進医療に過度の期待を抱くのは良くありません

 

したがって、がんの治療を受けるのであれば、標準治療を受けられる病院を探すことが重要になります。そして、そこで適切な診断を受け、治療方法を相談し決めていくことが大切です。

 

3.3保険の先進医療特約はいる?

先進医療は、標準治療に比べて特に優れてるとは言い難いものです。また、標準治療のほうが、安全性や有効性が認められていて、通常こちらの方が選ばれます。

そのため、先進医療を受けることはほとんどないといえます。これは、先進医療特約の保険料にも現れていて、大体100円かそれくらいでどの保険でも付けられるようになっています。

しかし、保障の内容は保険料に比べて、かなり高額の給付を受けることが出来ます。つまり、それ程までにこの特約を使う人が少ないのです。

 

ならば、この特約を付けなくてもよいのかとなるかもしれませんが、保険料が安いのでとりあえず付けておいても損はありません。さらに、この特約がないと先進医療が受けにくくなります。

これは、先進医療は健康保険の適用を受けておらず、その治療費分は全額自己負担になるためです。つまり、いざ先進医療を受ける場合に、高額な治療費になる可能性があるのです。

 

また、先進医療というと、重粒子線治療などがんに関わるものを思い浮かべるかもしれませんが、それだけではありません。がん以外の治療でも数十万円以上の高額な治療費になるものもあります

そのため、先進医療特約は、がん保険か医療保険のどちらにつけるかとなれば、医療保険に付けたほうが良いです。これは、がん保険の場合、がんに関わる先進医療しか保障されない場合があるためです。

なお、ほとんどの先進医療の治療費は、数万円とか、せいぜい十数万円です。一部に限り超高額になるというのが実態です。

 

4.がんの3大療法とは

がんの治療方法は様々ありますが、その中心となるのがここで紹介する3大療法になります。また、これらの治療方法の内、1つだけで治療するのではなく、組み合わせて治療する集学的治療も行われます。

 

4.1手術療法

手術療法とは、がんを切除し取り除く、がん治療の中で最も基本的な治療法になります。がんの病巣だけでなく、その周りの組織も取り残しがないように切り取る場合があります。

ごく小さな転移など、取り残しがなければ、完治する可能性もある治療法になります。なお、これは体の一部のみを治療することになる局所療法に分類されます。

そのため、全身に転移している場合は手術することが難しくなります。ただし、症状を緩和させたり、進行を遅らせたりするために、がんの一部を取り除く姑息手術というのもあります。

 

いずれにせよ、がんが小さい方が切り取る範囲を最小限度に抑えられるので、患者の負担を抑えることが出来ます。また、大きく切り取った場合は、体の機能を一部失う恐れもあります。

最近では、大きく切り取っても再発や転移を防ぎにくいと考えられており、姑息手術と放射線治療や抗がん剤を組み合わせて治療していくことが多くなってきています。

 

さらに、内視鏡を使って手術を行う腹腔鏡手術や体腔鏡手術などがあり、患者の負担を抑えられるような手術方法が生み出されてきています。

このような手術方法が生み出されることによって、最近、がんで手術し入院する場合の入院日数が短くなる傾向にあります。

 

4.2放射線療法

主にX線などの放射線を照射して、がん細胞を死滅させたり、小さくしたりする治療方法になります。また、がんの病巣がある狭い範囲を狙って照射する局所療法になります。

照射の仕方としては、体の外側から照射する方法だけでなく、薬や針によって体の内部に照射する方法もあります。

 

この治療方法は、体に掛かる負担が少ないので、通院治療で済ませることが出来る場合があります。例えば、仕事をしながら治療を受けられる可能性もあります。

 

ただし、放射線の被曝があるので、1つの部位に照射できる線量の限界が決められていたり、照射できない部位もあります。また、副作用が出る場合もあります。

この副作用は、治療を終えてから半年から数年後でも出る場合があり、照射した部位の炎症や倦怠感などの症状が起こります。そのため、長期に渡って体調に注意が必要になります。

 

この放射線治療は、単体でがんの完治を目指す使い方だけではなく、症状をやわらげるための緩和ケアに使われたり、再発を予防するために使われたりします。

 

4.3薬物療法

主に抗がん剤を用いて、がん細胞を死滅させたり、減少させたりする治療法になります。他の2つの治療法と大きく異なる点は、全身に影響を及ぼす全身療法という点になります。

そのため、がんが全身転移している場合や、手術で取り除くことが難しいような小さながんの場合などでも効果を発揮することが出来ます。

しかし、一方で正常な細胞も攻撃してしまうので、副作用が出てしまいます。これは、使う薬の種類や量などによって、起こる副作用や深刻さは変わり、吐き気や倦怠感、脱毛などが起こります。

また、最近では、がん細胞を集中的に攻撃できる分子標的薬などが開発され、副作用がひどくならないような薬の開発も進んでいます。

 

この治療方法は、長期間に渡って抗がん剤を服用する場合があります。さらに、入院ではなく通院治療で済ませることもでき、副作用対策を上手くすれば、日常生活を送りながら治療を行える可能性もあります。

そのため、最近のがん保険では、通院治療の保障に力を入れたものが増えてきています。

 

5.その他のがんの治療とは?

ここでは、がんの3大治療法以外の治療法についてご紹介します。ここで紹介する治療法には、よく誤解されていたり、科学的根拠が曖昧のまま紹介されていたりするので、気をつけなければいけません。

また、そのような注意点があれば、それらに関しても合わせてご紹介していきます。

 

5.1緩和ケア

昔は、末期がんの患者など終末期に使われていたので、今でもそのように誤解されることが多いです。しかし、現在、緩和ケアはがんと診断された時点から全ての患者を対象にするものになっています。

その目的は、がんによって発生する苦痛を和らげたり、生活の質、いわゆるQOLを向上させたりすることにあります。そのため、精神的なケアも緩和ケアには含まれています。

つまり、がんを治療する中で心身ともに受ける苦痛を和らげ、自分らしく過ごし続けられるようにするのが緩和ケアになります。

 

また、緩和ケアは、入院中はもちろん、外来でも受けることが出来ます。さらに、条件さえ整えることができれば、訪問での緩和ケアも受けられます。

 

このように緩和ケアは、がん患者を様々な形で支えてくれます。もし、がんに関する悩みがある場合は、我慢せず、近くのがん相談支援センターに相談してみてください。

がん支援相談センターは以下のサイトで探すことが出来ます。

がん情報サービス|がん相談支援センターを探す

 

5.2補完代替療法とその注意点

補完代替療法とは、がんの治療を目的とした通常の治療例えば3大療法などを補完したり代替する医療になります。代表例としては、漢方薬や鍼灸、健康食品、サプリメント、温熱療法などがあります。

また、日本補完代替医療学会では、「現代西洋医学領域において、科学的未検証および臨床未応用の医学・医療体系の総称」と定義しています。

最近では、現代西洋医学と、このような補完代替療法を組み合わせて治療にあたり、より患者のQOLを向上できるような統合医療の研究が進められています。

 

ただし、補完代替療法には、有効性などが科学的に証明されてきているものもありますが、科学的根拠に乏しく有効性や安全性に疑問符がつくものが多いです。そのため、その情報の見極めが重要です。

例えば、経験談や、研究機関や会社の名前を全面に出した権威者の意見と呼ばれるものは、それだけでは科学的根拠とはいえません。むしろ、より信頼性を疑ってかかるべきです。

また、この見極めの参考として、日本補完代替医療学会が出しているガイドブックがあります。補完代替医療に興味があるのならば、よく読み込むことをお勧めします。

日本補完代替医療学会|がんの補完代替医療ガイドブック

 

さらに、もっとも重要なことは、補完代替療法は、手術や放射線、抗がん剤を用いた通常医療と併用して行われることです。あくまで、標準治療を使うことが前提であると考えてください。

なお、現段階において、補完代替療法のみでがんに対する治療効果が認められたものはありません。そのため、過度な期待は禁物です。

そればかりか、それのみに頼ってしまい、通常医療であれば治療できていたかもしれないがんの治療ができないことも起っています。また、通常医療の治療効果を弱めてしまう可能性もあります。

そのため、補完代替医療を検討する場合は、主治医とよく相談するようにしましょう。

 

5.3重粒子線治療と陽子線治療

重粒子線治療も陽子線治療も放射線治療の1種になります。一般的な放射線治療では、X線を飛ばしますが、重粒子線治療では炭素イオンを、陽子線治療では水素の原子核を飛ばします。

また、どちらも先進医療に選ばれていて、その治療費分は全額自己負担です。さらに、この2つの治療費は先進医療の中でも特に高く、300万円程掛かります。

 

これらの治療は、従来の放射線治療に比べて、がん細胞へよりピンポイントにダメージを与えられます。そのため、周りの正常な組織へのダメージをこれまでよりも抑えることが出来ます。

つまり、副作用を少なくすることができます。さらに、従来の放射線治療では効きにくかったがんへの効果や、放射線を当ててはならない部位が近くにあるなどする複雑な部位への治療が期待されています。

 

ただし、治療を受けられるがんの種類など、治療を受けられるいくつか条件があります。そのため、治療を始める前に、医師と相談し、本当に効果のある治療法なのかどうか検討する必要があります。

 

5.4免疫療法

免疫療法とは、人間が元来持っている、がん細胞に対抗するための仕組みである免疫の働きを利用する治療法です。3大治療続く新たな治療法になるかもしれないと注目され、第4の治療法とも呼ばれます。

なにより、これまでの治療法に比べて、副作用が少ない所が大きな利点になります。

 

また、免疫療法の種類は大きく2つに分かれており、免疫細胞を活性化させるアクセルを踏み込むようなものと、がん細胞によって免疫が抑制されるのを阻止するブレーキを外すようなものがあります。

例えば、最近注目が集まっているオプジーボは、免疫チェックポイント阻害薬とも呼ばれ、後者の働きを持つ医薬品になります。

 

このように、最近になって、その有効性が科学的に認められたものが出てきています。さらに、標準治療として認められているものも中にはあります。

しかし、それらは全体からすれば一部に限られます。現段階では、ほとんどの免疫療法が研究開発段階になります。つまり、まだまだ発展途上の治療法なのです。

 

また、標準治療となり、有効性が認められている場合でも、その効果は一部の患者にしかありません。さらに、それ単体でがんの治癒を目指すことは現段階では難しく、他の治療法の補助として使われます。

 

そして、免疫療法の大きな問題は、科学的根拠のない治療法が多く出回っていることです。そのため、たとえ有効性が期待されるといっても、それは研究段階での話であることを忘れないでください。

それから、免疫療法を検討する場合には、治験などの研究段階にある治療に詳しい医者がいる病院を探すようにし、そこでしっかりと相談するようにしましょう。

 

6.セカンドオピニオンを頼むには?

最後に、セカンドオピニオンについてご紹介します。セカンドオピニオンは、がんの治療の助けになりとても重要です。また、がんの治療で困ったときの対処法も合わせてご紹介します。

 

6.1何故セカンドオピニオンを頼むのか

セカンドオピニオンと聞くと、今の病院が合わないなどで別の病院を探すことを思い浮かべるかもしれません。しかし、それはセカンドオピニオンではありません。

セカンドオピニオンとは、患者が納得できる治療法を選べるように別の医者に第2の意見を求めに行くことを指します。転院したりするのではなく、あくまで相談し意見を聞くだけになります。

 

例えば、現在選択している治療方針で良いのかや、もっと良い治療法はないのかなど、がんの治療には様々な疑問がわきます。また、それを抱えたまま治療するのは良くありません。

そこで、別の医師に意見を聞くことで、別の観点からその病気を検討でき、より理解を深めることが出来るようになります。さらに、新たな治療法の情報を手にできる場合もあります。

そうすることで、がんの治療をより納得した上で進めていくことが出来るようになります。これが、セカンドオピニオンを頼む理由になります。

 

6.2セカンドオピニオンの頼み方

まず、初めにすることはファーストオピニオンである、現在の担当医の意見を再確認することです。その意見を元に自分の病状の理解を深め何が知りたいのかをはっきりさせてください

ここを分からず闇雲にセカンドオピニオンに頼っても、余計に分からなくなってしまいます。

また、その際には、ある程度自分の病気に関する知識も集めておいてください。より、疑問を明確にできたり、聞きたいことを整理できるようになります。

 

そして、現在の主治医にセカンドオピニオンを受けたい旨を相談してください。紹介状を書いてもらったり、特に診断情報が分かる資料を出来る限りもらっておく必要があります。

その際には、セカンドオピニオン先について相談したり、セカンドオピニオン後にその内容を報告し検討することを約束しておくことも大切です。

これは、セカンドオピニオンの後に、現在の主治医と今後の治療方針などを検討するので、包み隠さず話した方が信頼関係を築きやすいためです。もし、変わる場合でも、主治医と検討することになります。

 

セカンドオピニオンに関する注意点ですが、診療ではなく相談になるので、基本的に保険適用外の自費診療になります。そのため、病院毎に料金が異なったりします。

したがって、限られた時間を有効に活用するために、聞きたいことを聞くための準備、例えば紙にメモしていくなどをしていくことをお勧めします。

それから、信頼できる人、例えば家族の方に同行を頼むのも良いでしょう。

 

6.3がんについて信頼できる情報源とは

セカンドオピニオンを考える際には、自分の病状に関する知識や、セカンドオピニオンとなる病院に関する情報が必要になります。そのためには、信頼性の高い情報源が必要になります。

 

まず、がん全般の情報を探す場合ですと、以下のサイトが信頼性が高く参考になります。

国立がん研究センター がん情報サービス 一般の方へ

(公財)先端医療振興財団 臨床研究情報センター がん情報サイト

 

また、最初に参考にするものとしては、以下のサイトに有る「がんになったら手に取るガイド」を参考にしてみてください。

患者必携 HOME 国立がん研究センター がん情報サービス

 

さらに、セカンドオピニオンとなる病院を探す場合でしたら以下のサイトを参考にしてみてください。

病院を探す がん情報サービス

また、このサイトで探せるがん相談支援センターでは、がんに関する様々な悩みを聞いてくれます。担当医に聞きにくいことなどでも相談できるので、がんで困ったら活用するようにしてみてください。

 

7.まとめ

がんの予防の仕方は、生活習慣を改善するというものでした。しかし、それでも絶対にがんを予防できるものではありません。

そのため、もしもの時に冷静に対処するため、がんに関するある程度の情報を日頃から手に入れておく必要があります。今回ご紹介したがんに関する基礎知識は、それに適したものになります。

また、がんになってしまった場合や、親しい人がなってしまった場合は、ここで紹介したサイトからより詳しい情報を手にしてください。

 

そして、がんの治療にあたっては、自ら積極的に動かなければなりません。なぜなら、そうしなければがんの治療を納得して進めることが出来ないからです。

さらに、親しい人を支えるためにも、正しいがんの知識を知っておくようにしてください。

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