医療保険に先進医療特約を付加して、高額治療に備えよう!

生命保険と言えば「死亡保険」と言うくらい、その存在は認知されており、加入者の多さは目を引くものがあります。

しかしながら顧客ニーズの多様化から、死亡保険以外の新たなジャンルの保険が続々と販売され、注目を集めています。

中でも医療保険は、健康寿命が延びを見せる中、健康志向の高まりや、医療技術に関してインターネット上で展開される数多の情報により、一段と注視されるようになりました。

なぜ今、医療保険が脚光を浴びるのか。

それは日本人の死亡原因の多くが、三大疾病/五大疾病/七大疾病と呼ばれる疾病に関わっているからに他なりません。

それらの疾病治療の中でも、とりわけ先進医療に関しては、「高額な医療費がかかる」と言うイメージが強い為、私的に備えを固めたいと言う方々が、導入を検討しているというわけです。

そこで今回は、先進医療の基礎知識などを踏まえ、私的医療保険における先進医療を見てまいりましょう。

目次

1.先進医療とは
1.1先進医療の歴史
1.2先進医療の実績

2.先進医療の技術
2.1がん/悪性腫瘍/悪性新生物に関する技術
2.2歯/口腔に関する技術
2.3検査/試験/診断に関する技術
2.4先天疾患に関する技術
2.5その他の医療技術

3.先進医療を受けるには
3.1先進医療実施の医療機関
3.2先進医療治療までの流れ
3.3先進医療の自己負担額
3.4先進医療の費用例

4.医療保険とは
4.1公的医療保険
4.2私的医療保険
4.3医療保険の必要性

5.医療保険の種類とは
5.1医療保険の概略
5.2医療保険ごとの特徴としくみ

6.先進医療対応の保険とは
6.1先進医療特約
6.2メリット

7.先進医療特約付加の保険
7.1保険料シミュレーション
7.2先進医療特約付加な医療保険一覧

8.まとめ

1.先進医療とは

近年インターネット等の情報ツールの発達により、私たちは多くの情報を、PCやスマホなどから得られるようになりました。

それにより良く見聞きするようになったワードが、「先進医療」です。

そうは言っても、実際に先進医療の何たるかを、詳細までご存知の方は、決して多くは無いでしょう。

そこでまずはこの章にて、先進医療の何たるかを見てまいりましょう。

 

 

 

1.1先進医療の歴史

先進医療は、平成16年12月に下記を目的に施行された比較的新しい制度で、保険内診療との併用を認めたものです。

 

国民の安全性の確保
患者負担の増大防止
選択肢を広げることによる利便性の向上

 

保険対象とするか否か、その医療技術が適正であるか否かを客観的に評価を行うべき医療技術とされ、その技術を有するに足りる、指定の医療施設からの届け出により保険診療と併用することが出来るようになっています。

平成29年8月1日現在では、その数は105種類となっています。

 

 

1.2先進医療の実績

そんな先進医療ですが、平成22年7月1日~平成23年6月30日までに行われた実績が、下記になります。

*1:施設で複数の先進医療技術を実施している場合でも、1施設として計上。
*2:1施設で第2項先進医療と第3項先進医療(高度医療)の両方を実施している場合でも、1施設として計上。

 

下記は厚生労働省から発信されている、平成26年10月21日(火)~23日(木)の3日間のうち、病院ごとに指定した1日あたりの入院/通院患者数です。

先ほどの先進医療の患者数が1年間で約1.5万人であることと比較すると、その数は実に229.7万人にも上り、先進医療技術の活用数が多いとは決して言えないことが分かります。

 

 

2.先進医療の技術

それではこの章では、まずはベーシックな情報として、一体どのような技術が先進医療に該当するのかを、見てまいりましょう。

 

2.1がん/悪性腫瘍/悪性新生物に関する技術

まずは、がん/悪性腫瘍/悪性新生物に関する先進医療技術にどのようなものがあるのかを、見てまいりましょう。

Markがん、悪性腫瘍、悪性新生物に関する技術
アキシチニブ単剤投与療法

あきしちにぶ たんざいとうよ りょうほう
悪性腫瘍に対する陽子線治療

あくせいしゅようにたいするようしせんちりょう
悪性脳腫瘍に対する抗悪性腫瘍剤治療における薬剤耐性遺伝子解析

あくせいのうしゅようにたいするこうあくせいしゅようざいちりょうにおけるやくざいたいせいいでんしかいせき
インターフェロンα皮下投与及びジドブジン経口投与の併用療法

いんたーふぇろんあるふぁ ひかとうよ および じどぶじんけいこうとうよの へいようりょうほう
カペシタビン内服投与、シスプラチン静脈内投与及びドセタキセル腹腔内投与の併用療法

かぺしたびんないふくとうよ、しすぷらちん じょうみゃくないとうよ および どせたきせるふくくうないとうよのへいようりょうほう
経皮的乳がんラジオ波焼灼療法

けいひてき にゅうがん らじおはしょうしゃくりょうほう
ゲムシタビン静脈内投与及び重粒子線治療の併用療法

げむしたびん じょうみゃくないとうよ および じゅうりゅうしせんちりょうの へいようりょうほう
ゲムシタビン静脈内投与、ナブ―パクリタキセル静脈内投与及びパクリタキセル腹腔内投与の併用療法

げむしたびん じょうみゃくないとうよ、 なぶ‐ぱくりたきせる じょうみゃくないとうよ およびぱくりたきせる ふくくうないとうよの へいようりょうほう
骨軟部腫瘍切除後骨欠損に対する自家液体窒素処理骨移植

こつなんぶしゅようせつじょごこつけっそんにたいするじかえきたいちっそしょりこついしょく
周術期カルペリチド静脈内投与による再発抑制療法

しゅうじゅつきかるぺりちどじょうみゃくないとうよによるさいはつよくせいりょうほう
自己腫瘍・組織及び樹状細胞を用いた活性化自己リンパ球移入療法

じこしゅよう・そしきおよびじゅじょうさいぼうをもちいたかっせいかじこりんぱきゅういにゅうりょうほう
自己腫瘍・組織を用いた活性化自己リンパ球移入療法

じこしゅよう・そしきをもちいたかっせいかじこりんぱきゅういにゅうりょうほう
十二種類の腫瘍抗原ペプチドによるテーラーメイドのがんワクチン療法

じゅうにしゅるいのしゅようこうげんぺぷちどによるてーらーめいどのがんわくちんりょうほう
重粒子線治療

じゅうりゅうしせんちりょう
重粒子線治療 肝細胞がん

じゅうりゅうしせんちりょう はいさいぼうがん
重粒子線治療 非小細胞肺がん

じゅうりゅうしせんちりょう ひしょうさいぼうはいがん
樹状細胞及び腫瘍抗原ペプチドを用いたがんワクチン療法

じゅじょうさいぼうおよびしゅようこうげんぺぷちどをもちいたがんわくちんりょうほう
術後のホルモン療法及びS-1内服投与の併用療法

じゅつごのほるもんりょうほうおよびえすわんないふくとうよのへいようりょうほう
術前のS-1内服投与、シスプラチン静脈内投与及びトラスツズマブ静脈内投与の併用療法

じゅつぜんのえす-わんないふくとうよ、しすぷらちんじょうみゃくないとうよおよびとらすつずまぶじょうみゃくないとうよのへいようりょうほう
ゾレドロン酸誘導γδT細胞を用いた免疫療法

ぞれどろんさんゆうどうがんまでるたてぃさいぼうをもちいためんえきりょうほう
治療抵抗性の子宮頸がんに対するシスプラチンによる閉鎖循環下骨盤内非均衡灌流療法

ちりょうていこうせいの しきゅうけいがんにたいする しすぷらちんによる へいさじゅんかんか こつばんないひきんこうかんりゅうりょうほう
テモゾロミド用量強化療法

てもぞろみど ようりょうきょうか りょうほう
内視鏡下手術用ロボットを用いた腹腔鏡下広汎子宮全摘術

ないしきょうか しゅじゅつようろぼっと をもちいた ふくくうきょうか こうはん しきゅうぜんてきじゅつ
内視鏡下手術用ロボットを用いた腹腔鏡下胃切除術

ないしきょうか しゅじゅつようろぼっとをもちいた ふくくうきょうか いせつじょじゅつ
内視鏡下頸部良性腫瘍摘出術

ないしきょうかけいぶりょうせいしゅようてきしゅつじゅつ
内視鏡下甲状腺悪性腫瘍手術

ないしきょうかこうじょうせんあくせいしゅようしゅじゅつ
内視鏡下手術用ロボットを用いた内視鏡下咽喉頭切除術 中咽頭がん、下咽頭がん又は喉頭がん(TNM分類がTis、T1又はT2、NO及びMOである患者に係るものに限る。)

ないしきょうかしゅじゅつようろぼっとをもちいたないしきょうかいんこうとうせつじょじゅつ
パクリタキセル静脈内投与(一週間に一回投与するものに限る。)及びカルボプラチン腹腔内投与(三週間に一回投与するものに限る。)の併用療法

ぱくりたきせるじょうみゃくないとうよ (いっしゅうかんにいっかいとうよするものにかぎる。)およびかるぼぷらちんふくくうないとうよ(さんしゅうかんにいっかいとうよするものにかぎる。)のへいようりょうほう
パクリタキセル腹腔内投与併用療法

ぱくりたきせるふくくうないとうよへいようりょうほう
腹腔鏡下センチネルリンパ節生検

ふくくうきょうか せんちねるりんぱせつせいけん
腹腔鏡下広汎子宮全摘術

ふくくうきょうかこうはんしきゅうぜんてきじゅつ
ペメトレキセド静脈内投与及びシスプラチン静脈内投与の併用療法

ぺめとれきせどじょうみゃくないとうよおよびしすぷらちんじょうみゃくないとうよのへいようりょうほう
陽子線治療 肝細胞がん

ようしせんちりょう はいさいぼうがん
陽子線治療 肝内胆管がん(切除が不能と判断されたものであって、化学療法が奏効しないもの又は化学療法の実施が困難なものに限る。)

ようしせんちりょうかんないたんかんがん
NKT細胞を用いた免疫療法

えぬけーてぃーさいぼうをもちいためんえきりょうほう
NKT細胞を用いた免疫療法

えぬけーてぃーさいぼうをもちいためんえきりょうほう
NKT細胞を用いた免疫療法 肺がん(小細胞肺がんを除き、ステージがIIA期、IIB期又はIIIA期であって、肉眼による観察及び病理学的見地から完全に切除されたと判断されるものに限る。)

えぬけーてぃーさいぼうをもちいためんえきりょうほう(はいがん)
NKT細胞を用いた免疫療法

えぬけいてぃさいぼうをもちいためんえきりょうほう
MRI撮影及び超音波検査融合画像に基づく前立腺針生検法

えむあーるあい さつえい および ちょうおんぱけんさゆうごうがぞう にもとづく ぜんりつせんはりせいけんほう
mFOLFOX6及びパクリタキセル腹腔内投与の併用療法

えむふぉるふぉっくすしっくす および ぱくりたきせる ふくくうないとうよ の へいようりょうほう
11C標識メチオニンを用いたポジトロン断層撮影による診断

しーじゅういち ひょうしきめちおにんをもちいた ぽじとろんだんそうさつえい によるしんだん
FOLFIRINOX療法

ふぉるふぃりのっくす りょうほう
FOLFOX6単独療法における血中5-FU濃度モニタリング情報を用いた5-FU投与量の決定

ふぉるふぉっくすしっくすたんどくりょうほうにおけるけっちゅうふぁいぶ-えふゆーのう どもにたりんぐじょうほうをもちいたふぁいぶ-えふゆーとうよりょうのけってい

2.2歯/口腔に関する技術

次は歯科や口腔外科、咽頭系に関わる部分を、見てまいりましょう。

 

歯周外科治療におけるバイオ・リジェネレーション法

 

2.3検査/試験/診断に関する技術

次は、検査から診断に至るまでの先進技術を、見てまいりましょう。

Mark検査、試験、診断に関する技術
角膜ジストロフィの遺伝子解析

かくまくじすとろふぃのいでんしかいせき
三次元形状解析による顔面の形態的診断

さんじげんけいじょうかいせきによるがんめんのけいたいてきしんだん
神経変性疾患のDNA診断

しんけいへんせいしっかんのでぃーえぬえーしんだん
自家嗅粘膜移植による脊髄再生治療

じかきゅうねんまくいしょく による せきずい さいせいちりょう
実物大臓器立体モデルによる手術支援

じつぶつだいぞうきりったいもでるによるしゅじゅつしえん
上肢カッティングガイド及び上肢カスタムメイドプレートを用いた上肢骨変形矯正術

じょうしかってぃんぐがいどおよびじょうしかすたむめいどぷれーとをもちいたじょうしこつへんけいきょうせいじゅつ
スキンドファイバー法による悪性高熱症診断法

すきんどふぁいばーほうによるあくせいこうねつしょうしんだんほう
切除支援のための気管支鏡下肺マーキング法

せつじょしえんのための きかんしきょうか はいまーきんぐほう
前眼部三次元画像解析

ぜんがんぶ さんじげんがぞうかいせき
前眼部三次元画像解析

ぜんがんぶさんじげんがぞうかいせき
多項目迅速ウイルスPCR法によるウイルス感染症の早期診断

たこうもくじんそくういるす ぴーしーあーるほうによる ういるすかんせんしょうの そうきしんだん
定量的CTを用いた有限要素法による骨強度予測評価

ていりょうてきしーてぃーをもちいたゆうげんようそほうによるこつきょうどよそくひょうか
培養細胞による脂肪酸代謝異常症又は有機酸代謝異常症の診断

ばいようさいぼうによるしぼうさんたいしゃいじょうしょうまたはゆうきさんたいしゃいじょうしょうのしんだん
培養細胞によるライソゾーム病の診断

ばいようさいぼうによるらいそぞーむびょうのしんだん
フェニルケトン尿症の遺伝子診断

ふぇにるけとんにょうしょうのいでんししんだん
ベペルミノゲンペルプラスミドによる血管新生療法

べぺるみのげんぺるぷらすみどによるけっかんしんせいりょうほう
リアルタイムPCRを用いた迅速診断

りあるたいむぴーしーあーるをもちいたじんそくしんだん
リツキシマブ点滴注射後におけるミコフェノール酸モフェチル経口投与による寛解維持療法 特発性ネフローゼ症候群(当該疾病の症状が発症した時点における年齢が十八歳未満の患者に係るものであって、難治性頻回再発型又はステロイド依存性のものに限る。)

りつきしまぶてんてきちゅうしゃごにおけるみこふぇのーるさんもふぇちるけいこうとうよによるかんかいいじりょうほう
FDGを用いたポジトロン断層・コンピューター断層複合撮影による不明熱の診断

えふでぃーじーをもちいたぽじとろんだんそう・こんぴゅーたーだんそうふくごうさつえいによるふめいねつのしんだん
FDGを用いたポジトロン断層撮影によるアルツハイマー病の診断

えふでぃーじーをもちいたぽじとろんだんそうさつえいによるあるつはいまーびょうのしんだん
MEN1遺伝子診断

えむいーえぬわんいでんししんだん
11C標識メチオニンを用いたポジトロン断層撮影による再発の診断

じゅういちしーひょうしきめちおにんをもちいたぽじとろんだんそうさつえいによるさいはつのしんだん
Verigeneシステムを用いた敗血症の早期診断

べりじーんしすてむをもちいたはいけつしょうのそうきしんだん

2.4先天疾患に関する技術

次は先天性の疾患に対する、先進医療を見てまいりましょう。

先天的疾患に関する技術
CYP2D6遺伝子多型検査

しーわいぴーにでぃーろく いでんし たけいけんさ

2.5その他の医療技術

最後に前述までの先進医療以外の技術を、見てまいりましょう。

その他の医療技術に関する項目
アルテプラーゼ静脈内投与による血栓溶解療法

あるてぷらーぜじょうみゃくないとうよによるけっせんようかいりょうほう
ウイルスに起因する難治性の眼感染疾患に対する迅速診断(PCR法)?

ういるすにきいんするなんちせいのがんかんせんしっかんにたいするじんそくしんだん(ぴーしーあーるほう)
オクトレオチド皮下注射療法

おくとれおちど ひかちゅうしゃりょうほう
冠動脈又は末梢動脈に対するカテーテル治療におけるリーナルガードを用いた造影剤腎症の発症抑制療法

かんどうみゃくまたはまっしょうどうみゃくにたいするかてーてるちりょうにおけるりーなるがーどをもちいたぞうえいざいじんしょうのはっしょうよくせいりょうほう
急性心筋梗塞に対するエポエチンベータ投与療法

きゅうせいしんきんこうそくにたいするえぼえちんべーたとうよりょうほう
急性リンパ性白血病細胞の免疫遺伝子再構成を利用した定量的PCR法による骨髄微小残存病変(MRD)量の測定

きゅうせいりんぱせいはっけつびょうさいぼうのめんえきいでんしさいこうせいをりようしたていりょうてきぴーしーあーるほうによるこつずいびしょうざんぞんびょうへん(えむあーるでぃー)りょうのそくてい
金属代替材料としてグラスファイバーで補強された高強度のコンポジットレジンを用いた三ユニットブリッジ治療

きんぞくだいたいざいりょうとしてぐらすふぁいばーでほきょうされたこうきょうどのこんぽじっとれじんをもちいたさんゆにっとぶりっじちりょう
経カテーテル大動脈弁植込み術

けいかてーてるだいどうみゃくべんうえこみじゅつ
経胎盤的抗不整脈薬投与療法

けいたいばんてきこうふせいみゃくやくとうよりょうほう
高周波切除器を用いた子宮腺筋症核出術

こうしゅうはせつじょきをもちいたしきゅうせんきんしょうかくしゅつじゅつ
硬膜外腔内視鏡による難治性腰下肢痛の治療

こうまくがいくうないしきょうによるなんちせいようかしつうのちりょう
骨髄細胞移植による血管新生療法

こつずいさいぼういしょくによるけっかんしんせいりょうほう
骨髄由来間葉系細胞による顎骨再生療法

こつずいゆらい かんようけいさいぼうによる がくこつ さいせいりょうほうこつずいゆらい かんようけいさいぼうによる がくこつ さいせいりょうほう
コラーゲン半月板補填材を用いた半月板修復療法

こらーげん はんげつばんほてんざいをもちいた はんげつばん しゅうふくりょうほう
コレステロール塞栓症に対する血液浄化療法

これすてりんそくせんしょうにたいするけつえきじょうかりょうほう
細菌又は真菌に起因する難治性の眼感染疾患に対する迅速診断(PCR法)?

さいきんまたはしんきんにきいんする なんちせいの がんかんせんしっかんにたいする じんそくしんだん(ぴーしーあーるほう)
最小侵襲椎体椎間板掻爬洗浄術

さいしょうしんしゅうついたいついかんばんそうはせんじょうじゅつ
食道アカラシア等に対する経口内視鏡的筋層切開術

しょくどうあからしあとうにたいするけいこうないしきょうてききんそうせっかいじゅつ
自家嗅粘膜移植による脊髄再生治療

じかきゅうねんまくいしょくによるせきずいさいせいちりょう
自己口腔粘膜及び羊膜を用いた培養上皮細胞シートの移植術

じここうくうねんまくおよびようまくをもちいたばいようじょうひさいぼうしーとのいしょくじゅつ
自己心膜及び弁形成リングを用いた僧帽弁置換術

じこしんまく および べんけいせいりんぐをもちいた そうぼうべんちかんじゅつ
重症心不全に対する免疫吸着療法 重症心不全

じゅうしょうしんふぜんにたいするめんえききゅうちゃくりょうほう
重症低血糖発作を伴うインスリン依存性糖尿病に対する心停止ドナーからの膵島移植

じゅうしょうていけっとうほっさをともなういんすりんいぞんしょうとうにょうびょうにたいするしんていしどなーからのすいとういしょく
術前のTS-1内服投与、パクリタキセル静脈内及び腹腔内投与並びに術後のパクリタキセル静脈内及び腹腔内投与の併用療法

じゅつぜんの てぃーえす-わん ないふくとうよ、ぱくりたきせる じょうみゃくない および ふくくうないとうよ ならびに じゅつごの ぱくりたきせる じょうみゃくない および ふくくうないとうよの へいようりょうほう
術前のTS-1内服投与、パクリタキセル静脈内及び腹腔内投与並びに術後のパクリタキセル静脈内及び腹腔内投与の併用療法

じゅつぜんのてぃーえすわんないふくとうよ、ぱくりたきせるじょうみゃくないおよびふくくうないとうよならびにじゅつごのぱくりたきせるじょうみゃくないおよびふくくうないとうよのへいようりょうほう
水素ガス吸入療法

すいそがす きゅうにゅうりょうほう
全身性エリテマトーデスに対する初回副腎皮質ホルモン治療におけるクロピドグレル硫酸塩、ピタバスタチンカルシウム及びトコフェロール酢酸エステル併用投与の大腿骨頭壊死発症抑制療法

ぜんしんせいえりてまとーですにたいする しょかいふくじんひしつほるもんちりょうにおける くろぴどぐれるりゅうさんえん、ぴたばすたちんかるしうむ および とこふぇろーるさくさんえすてる へいようとうよの だいたいこっとうえし はっしょうよくせいりょうほう
全身性エリテマトーデスに対する初回副腎皮質ホルモン治療におけるクロピドグレル硫酸塩、ピタバスタチンカルシウム及びトコフェロール酢酸エステル併用投与の大腿骨頭壊死発症抑制療法 全身性エリテマトーデス(初回の副腎皮質ホルモン治療を行っている者に係るものに限る。)

ぜんしんせいえりてまとーですにたいするしょかいふくじんひしつほるもんちりょうにおけるくろぴどぐれるりゅうさんえん、ぴたばすたちんかるしうむおよびとこふぇろーるさくさんえすてるへいようとうよのだいたいこっとうえしはっしょうよくせいりょうほう
多血小板血漿を用いた難治性皮膚潰瘍の治療

たけっしょうばんけっしょうをもちいた なんちせいひふかいようのちりょう
多血小板血漿を用いた難治性皮膚潰瘍の治療

たけっしょうばんけっしょうをもちいたなんちせいひふかいようのちりょう
多焦点眼内レンズを用いた水晶体再建術

たしょうてんがんないれんずをもちいたすいしょうたいさいけんじゅつ
短腸症候群又は不可逆的な機能性小腸不全に対する生体ドナーからの小腸部分移植

たんちょうしょうこうぐんまたはふかぎゃくてきなきのうせいしょうちょうふぜんにたいするせいたいどなーからのしょうちょうぶぶんいしょく
低出力体外衝撃波治療法

ていしゅつりょくたいがいしょうげきはちりょうほう
凍結保存同種組織を用いた外科治療

とうけつほぞんどうしゅそしきをもちいたげかちりょう
トレミキシンを用いた吸着式血液浄化療法

とれみきしんをもちいた きゅうちゃくしき けつえきじょうかりょうほう
ハイパードライヒト乾燥羊膜を用いた外科的再建術

はいぱーどらい ひとかんそうようまくを もちいた げかてきさいけんじゅつ
培養骨髄細胞移植による骨延長術

ばいようこつずいさいぼういしょくによるこつえんちょうじゅつ
ヒトIL-11製剤を用いた心筋保護療法

ひとあいえるじゅういちせいざいをもちいたしんきんほごりょうほう
ヒドロキシクロロキン療法

ひどろきしくろろきん りょうほう
腹腔鏡下仙骨膣固定術

ふくくうきょうかせんこつちつこていじゅつ
腹膜偽粘液腫に対する完全減量切除術における術中のマイトマイシンC腹腔内投与及び術後のフルオロウラシル腹腔内投与の併用療法

ふくまくぎねんえきしゅにたいするかんぜんげんりょうせつじょじゅつにおけるじゅつちゅうのまいとまいしんしーふくくうないとうよおよびじゅつごのふるおろうらしるふくくうないとうよのへいようりょうほう
放射線照射前に大量メトトレキサート療法を行った後のテモゾロミド内服投与及び放射線治療の併用療法並びにテモゾロミド内服投与の維持療法

ほうしゃせんしょうしゃまえにたいりょうめととれきさーとりょうほうをおなったあとのてもぞろみどないふくとうよ およびほうしゃせんちりょうのへいようりょうほうならびにてもぞろみどないふくとうよのいじりょうほう
膀胱尿管逆流症に対する腹腔鏡下逆流防止術

ぼうこうにょうかんぎゃくりゅうしょうにたいするふくくうきょうかぎゃくりゅうぼうしじゅつ
末梢血幹細胞による血管再生治療

まっしょうけつかんさいぼうによるけっかんさいせいちりょう
末梢血単核球移植による血管再生治療

まっしょうけつたんかくきゅういしょくによるけっかんさいせいちりょう
門脈圧亢進症に対する経頸静脈肝内門脈大循環短絡術

もんみゃくあつこうしんしょうにたいするけいけいじょうみゃくかんないもんみゃくだいじゅんかんたんらくじゅつ
S-1内服投与、オキサリプラチン静脈内投与及びパクリタキセル腹腔内投与の併用療法

えすわんないふくとうよ、おきさりぷらちんじょうみゃくないとうよおよび ぱくりたきせるふくくうないとうよのへいようりょうほう
FDGを用いたポジトロン断層撮影によるアルツハイマー病の診断

えふでぃーじーをもちいた ぽじとろんだんそうさつえいによる あるつはいまーびょうのしんだん
LDLアフェレシス療法 閉塞性動脈硬化症

えるでぃーえる あふぇれしす りょうほうへいそくせいどうみゃくこうかしょう
LDLアフェレシス療法

えるでぃえるあふぇれしすりょうほう
C型肝炎ウイルスに起因する肝硬変に対する自己骨髄細胞投与療法

しいがたかんえんういるすにきいんするかんこうへんにたいするじここつずいさいぼうとうよりょうほう
131I-MIBGを用いた内照射療法

ひゃくさんじゅういちあい- えむあいびーじー をもちいた ないしょうしゃりょうほう
短腸症候群又は不可逆的な機能性小腸不全に対する脳死ドナーからの小腸移植

たんちょうしょうこうぐんまたはふかぎゃくてきなきのうせいしょうちょうふぜんにたいするのうしどなーからのしょうちょういしょく

 

実にその種類は多く、様々な疾病にわたってその技術が展開されていることが分かります。

 

 

3.先進医療を受けるには

それでは、自身もしくは近親者が先進医療を受ける場合はどのような手続きがあるのかを、この章では見てまいりましょう。

 

 

3.1先進医療実施の医療機関

実は先進医療は、どこの医療機関でも受けられると言う訳ではありません。

医療技術ごとに、先進医療を受けられる機関が実は限定されており、実施医療機関として認定された医療機関以外で治療を受けた場合、先進医療の適応外となってしまいます。

実際の実施医療機関は、下記厚生労働省HPで公開されていますので、確認をしておきましょう。

 

平成29年8月7日現在第2項先進医療技術 (先進医療A) 36種類1011件

3.2先進医療治療までの流れ

それではここからは実際に先進医療を受ける場合の流れを、押さえておきましょう。

①健康保険証の提示

疾病により先進医療の選択が発生した際の手続きは、一般の保険診療と同様に、健康保険被保険者証(老人医療対象の場合は健康手帳も必須)を医療機関窓口に提示します。

②内容を承諾した上で署名

疾病により先進医療を受ける時は、治療内容/費用など、実施認定機関より詳細説明を受けます。

その説明内容に納得した上で、同意書に署名を行います。

③支払

先進医療を受ける際に関わる費用と、通常の健康保険内診療と共通する一部負担金や、食事などの標準負担額などを、治療先の医療機関に支払いを行いますが、それぞれの金額が明記された領収書の発行が行われます。

この領収書は、年度末の確定申告で受けられる医療費控除の対象として申告する際に必要になりますので、必ず手元に保管をしておきましょう。

 

3.3先進医療の自己負担額

さて、ここで気になるのが自己負担額です。

実は、先進医療に関わる医療費は、原則全額自己負担となっています。

その際の自己負担凡例は下記になりますが、患者自身の負担額は、一般的保険内診療と比較すると必然的に、大きくなってしまいます。

 

 

一般的に医療費が自己負担額を超過した場合に適応される高額療養費制度も、対象外となってしまいます。

この自己負担額をどのようにバックアップするかが、ライフプランニングに必要となるわけです。

 

3.4先進医療の費用例

そうは言っても一体先進医療に関わる費用がどの程度なのかを把握していないと、バックアッププランの要不要、目安金額がプランニングできません。

そこで、ここではがんの場合の先進医療技術のいくつかを例にとり、その自己負担額を見てまいりましょう。

 

先進医療の種類
技術名一覧
(調査時期)
平成26年7月1日~平成27年6月30日
(調査時期)
平成27年
6月30日時点
平均技術料 平均入院期間 年間実施件数 医療機関数
陽子線治療 2,680,804円 13.0日 3,012件 10機関
重粒子線治療 3,086,340円 12.1日 1,889件 4機関
内視鏡下頸部良性腫瘍摘出術 235,644円 6.2日 102件 9機関
ペメトレキセド静脈内投与及びシスプラチン
静脈内投与の併用療法肺がん(扁平上皮
肺がん及び小細胞肺がんを除き、病理学的見地から
完全に切除されたと判断されるものに限る。)
1,031,929円 26.7日 111件 37機関
内視鏡下手術用ロボットを用いた腹腔鏡下腎部分
切除術腎がん(長径が七センチメートル以下であって、
リンパ節転移及び遠隔転移していないものに限る。)
927,130円 13.3日 105件 14機関

 

1.2章で先進医療の患者数が1年間で約1.5万人と申し上げましたが、もし自身や近親者が先進医療を必要とした場合、実にこれだけの治療費を準備していなければならないと言うことです。

万が一に備えて、銀行などの金融機関で現金をプールしたり、一般的な生命保険などで備えを固めていらっしゃる方はたくさんいらっしゃることと思いますが、日常生活を送りながら、比較的利用確率の低い先進医療費を用意しておくのは、簡単なことではありません。

多くの方が利用してる一般的な生命保険は、死亡保険/終身保険/養老保険(学資)などが主契約となっています。

勿論保険契約の内容にもよりますが、これらはあくまでも死亡保険金や解約返戻金、満期金が受け取れるだけであり、先進医療特約やがん特約などを付加していなければ、現在進行中で処置治療を行っている先進医療においては、何のメリットもバックアップも得られません。

まずはこのキーポイントを、年頭に置ておきましょう。

 

 

4.医療保険とは

それではここで、肝心の医療保険について、ブレイクダウンしてまいりましょう。

医療保険と一口に言ってもその種類は2種類で、公的に受けられる医療保険と、私的備えにより受けられる医療保険が存在します。

そこで、その違いや特徴をこの章にて、見てまいりましょう。

 

 

4.1公的医療保険

健康保険には大きく分けて、「社会保険」と「国民健康保険」の2種類が存在しており、風邪やケガなどで受診した場合などに活用されているので、比較的身近に感じられる制度となっています。

お手元の健康保険証を見ていただくとお分かりのように、公的健康保険は下記の4種類があります。

国民健康保険 国民健康保険被保険者証 世帯主
国民健康保険被扶養者証 扶養家族
社会保険 健康保険被保険者証 被保険者
健康保険被扶養者証 扶養家族

 

健康保険と言うと、先ほども申し上げた通り、風邪やケガなどで医療施設で診察を受けた場合の、自己負担額の軽減が根強い印象かと思いますが、健康保険により受けられる公的医療保障は、実はかなりの数が存在します。

区分
給付の種類
被保険者 被扶養者
病気やけがをしたとき
被保険者証で治療を受ける
療養給付 家族療養費
入院時食事療養費
家族訪問看護療養費
入院時生活療養費
保険外併用療養費
訪問看護療養費
立て替え払い
療養費 家族療養費
高額療養費 高額療養費
高額介護合算療養費 高額介護合算療養費
緊急時の移送 移送費 家族移送費
療養のための欠勤 傷病手当金
 出産/死亡/退職
出産
出産育児一時金
家族出産育児一時金
出産手当金
死亡 埋葬費 家族埋葬費
退職後
(継続/一定期間給付)
傷病手当
出産手当金
出産育児一時金
埋葬費

 

一家の大黒柱が倒れた際に必要な治療費に関しては「高額医療費」が、同じく一家の大黒柱が疾病などにより、休退職に陥った場合は「傷病手当金」が、また一家の大黒柱が亡くなってしまった場合は「埋葬費」などの受給が可能となっています。

この部分をまずは押さえておきましょう。

なぜならばこれらの制度の利用により、上限は設けられているものの、ある程度の範疇内で医療に関わる自己負担費用が軽減されるからに他なりません。

勿論、治療などに関わる全ての医療費を完全にカバー出来るわけはありませんが、一部でも負担軽減がなされれば、その部分に関する私的備えを手厚くする必要がないと言うことになるからです。

 

4.2私的医療保険

それでは公的医療保険の対極に位置する、私的医療保険を見てまいりましょう。

前章でも申し上げた通り、上限が設けられている以上、全ての疾病に関わる医療費が、健康保険などで賄えるわけではなく、治療方針や入院/通院日数次第では、「公的保障制度+自己資金」では対応しきれないのが、私たちが抱える現状です。

そこで、バックアッププランとして活用されるのが、民間保険会社による、生存中に活用出来る保険として位置する、医療保険です。

治療を目的とした疾病/ケガで入院した場合の費用などを保障する保険として特化しているので、公的医療制度では賄いきれない医療費に対する備えが出来るようになっています。

 

4.3医療保険の必要性

さて、公的/私的医療保険のイントロダクションをご理解いただいたところで、なぜ私的医療保険のニーズが高まっているのかを、改めて検証してみましょう。

下記は、直近の入院時にかかった費用の平均をデータ化したもので、これによるとその医療費平均日額は10,000~15,000円のシェアが最も多く、実に26.2%も占めています。

しかしながらここでご注意いただきたいのが、このデータはあくまでも公的医療保険の一部である、高額療養費を使用した場合の金額となっているので、その日額医療費=自己負担額となります。

実際に注意深く見ていただくとお分かりのように、20,000円≦40,000円が実に33.6%も占めていることが見て取れます。

つまり、その病状や治療方針によっては、かなりの日額負担を覚悟しなければならないと言うことです。

 

*過去5年間に入院し、自己負担を支払った人をベースに集計
*高額療養費制度を利用した場合は利用後の金額
*治療費・食事代・差額ベッド代に加え、交通費(見舞いに来る家族の交通費も含む)や衣類、日用品費などを含む

 

ここで疾病ごとの治療費の一例も参考に、見ておきましょう。

 

いくら公的医療制度を利用しても、実に多額の治療費を用意しなければならないことが、これまでのデータ検証でご理解いただけたかと思います。

また、退院後にも通院や転院により、継続的に治療費が必要な場合や、要介護状態に陥る可能性を無視できないので、それらすべてを自身の家計で補うことが可能なケースは、ごく一部です。

年齢問わず、いずれ何がしかの疾病を抱えるのは、誰にも避けられないことであり、家族の人数分だけ治療費や介護を必要とします。

日常生活を送りながら、これらの決して少なくはない金額を備えとして用意するのは、非常に困難を極めると言わざるを得ません。

まずは下記の簡易チェック表をもとに、自身の家計の位置と、備えるべきリスクの数値を把握しておきましょう。

 

 

 

それでは一体、どのようにこの難局を乗り越えたら良いのかを、次章から考えてまいりましょう。

 

5.医療保険の種類とは

さて、前章にて私的医療保険の必要性をご理解いただいたところで、医療保険そのものへの理解を深めてまいりましょう。

 

5.1医療保険の概略

医療保険は生存中に活用する保険商品で、治療を目的とした疾病/ケガで入院した場合の費用を保障するもので、そのバリエーションは実に多様化しています。

 

 

その基本構成は、その他の生命保険と同様に、「主契約 + 特約」となっています。

 

そんな医療保険ですが、概略は下記になります。

 

 

医療保険の概略をご覧いただきましたところで、次章ではどのような医療保険が存在するのかを、見てまいりましょう。

 

5.2医療保険ごとの特徴としくみ

医療保険の種類は大きく分けて、下記の様な契約に基づき構成されています。

分類  概略  イメージ図 被保険者 保険者 給付事由
終身医療保険 一生涯続く医療保険
加入時の保険料が継続される
 
保険会社の加入条件を満たせば、誰でも契約可能
保険会社
保険会社の規定によるが、治療を目的として疾病/ケガで入院/手術した場合
定期医療保険 一定期間だけ医療保障が必要とされる際に活用される
定期見直しが可能なのでライフプラン変更に対応しやすい
文字通り掛捨て型なので、保険料が割安
契約満了後の更新はその時点の年齢で再計算されるため、保険料が上がる
  
女性保険 一般的な疾病/けがの入院手術に対応しているのは勿論のこと、女性に多く見られる、乳がん/子宮筋腫/子宮がん/子宮・卵巣に関わる疾病に手厚い  
引受基準緩和型保険 契約条件を緩和し、持病や既往歴があっても加入しやすい
契約から一定期間の保障が減額されたり、通常より保険料が高い
 

 

これらの大まかな契約のみならず、近年ではより多様化したニーズに応えるべく、様々な付加特約が展開されています。

そこで次章にて、どのような先進医療に特化した医療保険があるのかを、見てまいりましょう。

 

6.先進医療対応の保険とは

医療保険の中でも、全額自己負担となる先進医療の技術料などを保障する特約が付加されたものが先進医療対応の保険です。

「特約?ただの医療保険とどう違いがあるの?」

確かに字面だけで理解するのは、少々困難です。

そこでこの章では、先進医療特約の何たるかを、見てまいりましょう。

 

 

6.1先進医療特約

ここまででご説明した、全額自己負担を余儀なくされる、先進医療の技術料負担に備えられるのが、先進医療特約です。

あくまでも特約なので、通常の医療保険やがん保険の主契約に付加しなければならず、単体での契約は出来ないようになっています。

 

 

6.2メリット

3.4章にて、先進医療に関わる費用例を見ていただきましたが、もう少しここでも、自己負担額例を見ておきましょう。

技術番号 先進医療技術名 年間実施件数
1件当たりの自己負担金額(円)
33 重粒子線治療 1889 3,086,341
22 陽子線治療 3012 2,680,805
73 自己腫瘍・組織を用いた活性化自己リンパ球移入療法 17 1,583,422
72 樹状細胞及び腫瘍抗原ペプチドを用いたがんワクチン療法 102 1,052,441
3 凍結保存同種組織を用いた外科治療 20 827,496
117 自家嗅粘膜移植による脊髄再生治療 1 752,300
134 腹腔鏡下広汎子宮全摘術 41 732,109
77 多焦点眼内レンズを用いた水晶体再建術 9877 535,218
25 経頸静脈肝内門脈大循環短絡術 13 444,375
49 泌尿生殖器腫瘍後腹膜リンパ節転移に対する腹腔鏡下リンパ節郭清術 29 419,828
74 自己腫瘍・組織及び樹状細胞を用いた活性化自己リンパ球移入療法 116 397,019
28 骨髄細胞移植による血管新生療法 31 309,101
121 腹腔鏡下仙骨膣固定術 31 301,158
1 高周波切除器を用いた子宮腺筋症核出術 138 301,000
128 内視鏡下甲状腺悪性腫瘍手術 81 267,016
55 末梢血単核球移植による血管再生治療 15 262,240
61 非生体ドナーから採取された同種骨・靱帯組織の凍結保存 112 260,036
129 内視鏡下頸部良性腫瘍摘出術 102 235,645
112 最小侵襲椎体椎間板掻爬洗浄術 2 223,200
54 末梢血幹細胞による血管再生治療 13 207,154
130 FOLFOX6単独療法における血中5-FU濃度モニタリング情報を用いた5-FU投与量の決定 1 180,000
115 多血小板血漿を用いた難治性皮膚潰瘍の治療 24 169,778
37 硬膜外腔内視鏡による難治性腰下肢痛の治療 35 159,082
13 悪性高熱症診断法(スキンドファイバー法) 5 155,120
123 食道アカラシア等に対する経口内視鏡的筋層切開術 379 151,624
84 角膜ジストロフィーの遺伝子解析 10 122,400
114 急性リンパ性白血病細胞の免疫遺伝子再構成を利用した定量的PCR法による骨髄微小残存病変(MRD)量の測定(検体の採取以外の業務を受託) 17 113,272
92 実物大臓器立体モデルによる手術支援 607 105,509
39 自家液体窒素処理骨移植 22 102,455
114 急性リンパ性白血病細胞の免疫遺伝子再構成を利用した定量的PCR法による骨髄微小残存病変(MRD)量の測定(自施設のみで実施) 5 96,53

少なくても10万円前後はかかる先進医療技術料ですが、先進医療特約を付加しておけば、契約により条件が異なるとしても、本来全額自己負担すべきところを、手厚くバックアップできると言う訳です。

 

ここで気になるのが、

「先進医療技術料が高い分、保険料が跳ね上がってしまうのでは?」

と言う点です。

 

でもご安心ください。

先進医療特約の月額は、保険会社や契約内容により異なりますが、数百円前後と安価なため、家計への大きな負担にはなりません。

逆を言えば、月々数百円を投じておくことで、いつ何時先進医療技術の施術を受ける状況に陥ったとしても、大きな安心が得られると言う図式になるわけです。

 

7.先進医療特約付加の保険

そうは言っても、具体的な数値が見えてこないのでは、不安が募ることだと思います。

そこでこの章では、いくつか例をもとに、具体的な保険料を見てまいりましょう。

 

7.1保険料シミュレーション

まずは、愛らしいアヒルのキャラクターで高名なアフラックの先進医療特約を見てみましょう。

 

アフラック 総合先進医療特約
特徴 健康保険制度適用外の先進医療に備えられる
先進医療を受けたとき、自己負担した金額を保障
契約年齢に関係なく保険料は一律

 

 

なんと月額付加特約料は、月々わずか99円です。

これなら家計を改めて精査する必要も少なく、全保険料払込期間総額を考えても、大きな負担にはなりません。

 

次はco-op共済保険の先進医療特約を、見てみましょう。

こちらもわずか月額100円で、先進医療対応となっています。

各社その名契約内容により異なるとしても、おおむね100円の月額で、大きな安心が得られると言うわけです。

 

7.2先進医療特約付加な医療保険一覧

そこで参考として、現在先進医療特約付加が可能な保険商品の一覧をご紹介しておきます。

引受保険会社 保険商品 30歳男性
月払保険料
契約年齢 保険期間 保険料払込期間 入院給付金日額 1入院の支払限度日数 通算支払限度日数 手術給付金
(1回につき)
特定疾病 先進医療 死亡保障
アフラック ちゃんと応える医療保険EVER 3,750円 0~満85歳※1 終身 60歳/65歳/終身 10,000円 60日 1,095日 40万/10万/5万円 なし 特約あり 特約あり
東京海上日動あんしん生命 メディカルKit NEO 2,704円 満6歳~75歳 終身 終身 10,000円 60日 1,095日 10万/5万円※1 なし 特約あり なし
アフラック ちゃんと応える医療保険EVER 3,750円 0~満85歳※1 終身 60歳/65歳/終身 10,000円 60日 1,095日 40万/10万/5万円 なし 特約あり 特約あり
メットライフ生命 Flexi S(フレキシィ エス) シンプルタイプ 3,047円 満18~80歳 終身※1 終身※1 10,000円 60日※2 1,095日※2 20万円・5万円※3 なし 技術料実額* なし
メディケア生命 メディフィットA(エース) 1,685円 満20~満85歳 終身 終身 5,000円 60日 1,000日 最大20万円 特約あり あり なし
オリックス生命 医療保険 新CURE(キュア) 3,052円 0~80歳 終身 60歳/65歳/終身 10,000円 60日 1,000日 入院中 20万円 外来 5万円 なし 特約あり なし
楽天生命 楽天生命スマート2 1,413円 20~79歳 終身 終身 5,000円 60日 1,095日 5万/2.5万円 なし 特約あり なし
アクサダイレクト生命 アクサダイレクトの終身医療 1,220円 満20~満69歳 終身 終身/60歳/65歳 5,000円 60日 1,095日 5万円 あり 特約あり なし
楽天生命 楽天生命ピンポイント 1,522円 20~79歳 終身 終身 10万円※1 通算50回まで※1 なし なし 特約あり なし
ネオファースト生命 ネオdeいりょう 健康プロモート 5,444円 満20~満80歳 終身 終身 5,000円 60日 1,095日 入院中 10万円 外来 5万円 なし 最大2,000万円 特約なし
オリックス生命 医療保険 新CUREサポート 2,860円 20~85歳 終身 終身 5,000円 60日 1,000日 入院中 5万円 外来 2.5万円 なし 特約あり なし
SBI生命 SBI生命 も 1,500円 6~75歳(ネット申込みの場合 満20歳~69歳) 終身 終身払込/60歳満了/65歳満了/70歳満了 5,000円 60日 1,095日 20万/5万/2.5万円 なし 特約あり なし
損保ジャパン日本興亜ひまわり生命 新/健康のお守り 3,297円 0歳~75歳 終身 60歳/70歳/終身 10,000円 60日※1 1,000日※2 40万/20万/10万/5万円 特約あり 通算2,000万円まで なし
アフラック ちゃんと応える医療保険 やさしいEVER 3,765円 満20~満85歳 終身 終身 5,000円 60日 1,095日 5万円/2.5万円 なし 特約あり 特約あり
(損保ジャパン日本興亜ひまわり生命 新/健康のお守り ハート 3,230円 20歳~80歳 終身 終身 5,000円 60日※1 1,000日※2 20万/10万/5万/2.5万円 なし 通算2,000万円まで なし
チューリッヒ生命 終身医療保険プレミアムDX 2,062円 満6~満75歳 ※1 終身 終身 5,000円 30日 1,095日 5万円 特約あり 最大2,000万円 ※2 特約あり
三井住友海上あいおい生命 新医療保険Aプラス 払込期間中無解約返戻金型(無配当) 1,858円 20~75歳 終身 終身 5,000円 60日 1,095日 最大5万円 特約あり 最大2,000万円 なし
マニュライフ生命 こだわり医療保険v2 無配当保険料払込期間中無解約返戻金型終身医療保険 1,366円 満0~満70歳 終身 終身 5,000円 60日 1,000日 5万円 特約あり 特約あり なし
メディケア生命 メディフィットPlus(プラス) 1,539円 満20~満75歳 終身 終身/有期(60歳/65歳/70歳/75歳/80歳まで) なし なし なし なし あり 特約あり なし
アクサ生命 アクサの「一生保障」の医療保険 セルフガード 60 3,103円 満5~満75歳 終身 60歳/65歳/70歳/75歳/終身 10,000円 60日 1,095日 40万/10万/5万円 特約あり 特約あり 特約あり
損保ジャパン日本興亜ひまわり生命 新/健康のお守り 手術給付金5倍型プラン 2,757円 0歳~75歳 終身 60歳/70歳/終身 10,000円 60日※1 1,000日※2 5万円 特約あり 通算2,000万円まで なし
朝日生命 スマイルメディカル ワイド 3,448円 満20~80歳 終身 終身 5,000円※1 60日 1,000日 なし なし 通算2,000万円※2 なし
メディケア生命 メディフィットRe(リリーフ) 3,455円 満20~満85歳 終身 終身 5,000円 60日 1,000日 最大20万円 特約なし あり なし
楽天生命 楽天生命たよれるスマート 3,070円 満20~満79歳 終身 終身 5,000円 60日 1,095日 5万/2.5万円 なし 最大2,000万円 なし
東京海上日動あんしん生命 メディカルKitラヴ 6,316円 満20~満75歳 終身 終身 10,000円(支払削減期間中5,000円) 60日 1,095日 10万/5万円(支払削減期間中5万/2.5万円)※1 なし 特約あり なし
東京海上日動あんしん生命 メディカルKitラヴ R 8,400円 満20~満50歳 ※健康還付給付金受取年齢70歳の場合 終身 終身 10,000円(支払削減期間中5,000円) 60日 1,095日 10万/5万円(支払削減期間中5万/2.5万円)※1 なし 特約あり なし
AIG富士生命 さいふにやさしい医療保険 2,910円 満20~満80歳 終身 終身 10,000円 60日 1,095日 10万円/5万円※1 特約あり 特約あり なし
オリックス生命 死亡保障付医療保険Relief W 8,262円 15~80歳 終身 60歳/65歳/終身 10,000円 60日 1,000日 20万円 なし 特約あり 500万円
メディケア生命 メディフィット リターン 8,260円 0歳~40歳 終身 終身 10,000円 60日 1,000日 40万/20万/10万円 特約あり あり あり※1
ネオファースト生命 ネオdeいりょう 2,242円 満20~満85歳 終身 終身 5,000円 60日 1,095日 入院中 10万円 外来 5万円 なし 通算2,000万円 なし
マニュライフ生命 こだわり医療保険 with PRIDE 2,911円 満0~満70歳 終身 終身 1万円 60日 1,000日 入院中20万円/入院中以外10万円 特約あり 特約あり 特約あり
朝日生命 スマイルメディカルネクストα 2,535円 0~80歳 終身 終身 5,000円 60日 ※1 1,000日 ※1 最大20万円 ※2 特約あり 特約あり なし

 

ニーズの多様化に伴い、先進医療特約を付加できる商品も多彩を極めるようになりました。

すでに加入済みの生命保険などと複合的に考えて、先進医療に備えられる商品の選択を検討されることを、おすすめいたします。

 

8.まとめ

いかがでしたでしょうか。

確かに先進医療技術を必要とする疾病にかかるケースは、そう多くはありません。

しかしながら、万が一、自身や家族にその状況が訪れた場合、多額の準備金を用意し、全額自己負担で対応しなければなりません。

保険とは、相互扶助の助け合いの概念から作られ、画期的なシステムです。

とりわけ、先進医療特約の月額保険料は、ご覧いただきましたように、わずか数百円です。

これから医療保険の検討される方は勿論のこと、すでに医療保険に加入済みの方でも先進医療特約を途中付加できる商品も、数多く販売されています。

万が一に備えられる生命保険を賢く利用して、自身のライフプランをより盤石なものにしていただくのに、今回の先進医療に関する記事が活用されることを、願ってやみません。

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