国民健康保険の出産一時金を正しく知って、妊娠/出産の経済的不安を解消しましょう!

待望の赤ちゃんを授かる幸せは、何物にも代えがたく、言葉では言い表せないものなのかもしれません。

しかしながら、そんな幸せな時間を迎えるにあたり、目をつぶって通り過ぎることが出来ないのが、出産費用です。

妊娠/出産も、「医療機関に通院/入院をする=医療費3割自己負担」だと、勝手に思い込んでいませんか?

実は妊娠/出産は疾病とはみなされていないため、全額自己負担を強いられることをご存知でない方は、少なくはありません。

「当事者になってみて初めて知る」と言った類の情報であることも、確かなのです。

しかしながら、ご安心ください。

そんな出産の経済的負担を軽減すべく、「出産育児一時金」と言う公的制度が、実は存在しています。

今回は、国民健康保険加入者が受けられる、出産一時金を含めた、出産に関わる様々な保障制度を、ご一緒に見てまいりましょう。

目次

1.国民健康保険とは
1.1公的医療保険の種類
1.2受けられる保障の種類
1.3医療費支払に活用出来る制度

2.出産育児一時金とは
2.1支給額
2.2申請方法

3.出産育児一時金直接支払制度とは
3.1仕組み
3.2申請方法

4.出産育児一時金受取代理制度とは
4.1仕組み
4.2申請方法

5.海外出産における出産育児一時金とは
5.1支給条件
5.2注意点と申請方法

6.海外療養費とは
6.1支給条件と必要書類
6.2注意点

7.産科医療補償制度とは
7.1目的と仕組み
7.2補償の対象と条件
7.3補償金額
7.4申請方法

8.妊娠/出産で活用すべき手段
8.1その他の公的制度
8.2私的制度

9.まとめ

1.国民健康保険とは

そもそも国民健康保険とは、正確にはどのような体制なのでしょうか。

案外曖昧にとらえがちですが、加入者がそれぞれ保険料を負担しあい、医療費の負担減額などが行われる、相互扶助の考えに基づいた制度です。

それでは、この章ではそんな国民健康保険の基本的な情報を、再確認してまいりましょう。

 

1.1公的医療保険の種類

公的医療保険には大きく分けて、「社会保険」「国民健康保険」の2種類が存在しており、風邪やケガなどで医療機関を受診した場合、窓口に自身の保険証を提示すると、自己負担額が少なくなったりと言った形で活用されているので、比較的身近に感じられる制度ではないでしょうか。

お手元の健康保険証を見ていただくとお分かりのように、公的健康保険は下記の4種類があります。

国民健康保険 国民健康保険被保険者証 世帯主
国民健康保険被扶養者証 扶養家族
社会保険 健康保険被保険者証 被保険者
健康保険被扶養者証 扶養家族

この制度加入により、医療費の自己負担額が減ったり、様々な保障を受けられるようになっているわけです。

「ん???社会保険と国民健康保険の違いは何?」

と思われる方の為に、それぞれの違いなどを見ておきましょう。

国民健康保険 社会保険
加入条件 個人事業主、無職の方など、その他の保険制度に属さない人全て 会社に勤務している正社員、または正社員の3/4以上労働する人
※短時間・短期間労働者は除く
運営者 市区町村役場の国民健康保険窓口 協会けんぽ、または各社会保険組合
保険料 世帯単位で、加入者の数、年齢、収入などにより算出 個人単位で、年齢、収入などにより算出
扶養 扶養という概念は無く、世帯内の加入者数によって保険料が上下する 認定範囲内の親族を扶養することができる何人いても

保険料は変わらない
※年金は配偶者のみ可

しかしながら何かと便利に思えるこのシステムですが、下記の仕組み図をご覧いただくとお分かりのように、医療費全額に対応しているわけではなく、いくつかの条件や補填される医療費の上限が設けられているので、闘病に際しては、自己資金を必要とする場合が当然発生します。

 

1.2受けられる保障の種類

そこで、実際に国民健康保険に加入していると受けられる制度を、一覧にしてみました。

区分
給付の種類
被保険者 被扶養者
病気やけがをしたとき
被保険者証で治療を受ける
療養給付 家族療養費
入院時食事療養費
家族訪問看護療養費
入院時生活療養費
保険外併用療養費
訪問看護療養費
立て替え払い
療養費 家族療養費
高額療養費 高額療養費
高額介護合算療養費 高額介護合算療養費
緊急時の移送 移送費 家族移送費
療養のための欠勤 傷病手当金
 出産/死亡/退職
出産
出産育児一時金
家族出産育児一時金
出産手当金
死亡 埋葬費 家族埋葬費
退職後
(継続/一定期間給付)
傷病手当
出産手当金
出産育児一時金
埋葬費

疾病/ケガから出産/死亡/退職と、そのフィールドは幅広く、今回のメインテーマである「出産育児一時金」も、上記に含まれていることが分かります。

 

1.3医療費支払に活用出来る制度

実は医療費に関するシステムとして、別のロジックが存在しています。

そこでこの章では、医療費支払前に知っておくと何かと便利な制度を、ご紹介しておきましょう。。

高額医療費の払い戻し申請 自己負担限度額を超過した、支払済みの高額医療費に関して、所定の申請を行うことで全額または一部が還元される
世帯合算 1疾病では自己負担限度額を超過しなくても、同一世帯内であれば合算可能で、自己負担限度額超過分に関して、全額または一部が還元される
多数該当 長期間高額医療費の支給を受ける場合、年3回以上であれば4回目からの自己負担額が軽減される
限度額適用認定証 高額な医療費が見込まれる疾病の場合、あらかじめ保険者に申請をしておけば、受診医療機関での窓口における自己負担額を軽減できる
高額医療費受領委任払制度 保険者へ「医療費支払困難」との申立てをすることにより、高額療養費の請求/受付を医療機関が代行してくれる
高額療養費支払資金貸付制度 医療費支払が困難な場合、保険者に事前に申請をすることで、医療費の8~9割までの貸付金を受ける事が出来る
高額医療費貸付制度

治療費は少額な物から高額なものまで様々ですが、これらの制度を知っているといないとでは、自己負担額に大きな開きが出てきます。

何かと難解なイメージが伴うこれらの制度ですが、お住まいの市区町村の国民健康保険窓口で教えてくれますので、自己負担額を超過した医療費が発生する予定もしくは発生した場合には、速やかにアクションを取りましょう。

 

2.出産育児一時金とは

前章にて、国民健康保険で受けられる制度をご理解いただきましたが、「出産育児一時金」がなぜ存在しているかを、初めにご説明申し上げておかねばなりません。

なぜならば、妊娠/出産は疾病とはみなされていないため、治療費全てが自己負担になるからです。

ただでさえ人口減少が進む現代日本では、経済状況も芳しいとは言えません。

給与が目に見えて増えることもなく、昨今の風潮で残業代や住居手当などを廃止、もしくは制限を設けている企業も少なくはありません。

そんな中で、妊娠/出産が全額自己負担となると、子供を設けると言う家族計画そのものが破綻をきたし、ひいてはわずかな人口で多数の老齢者を支えていかなければならなくなります。

そこで登場するのが、妊娠/出産の金銭的自己負担をバックアップする「出産育児一時金」と言う訳なのです。

 

2.1支給額

「一体いくら受け取れるの?」

と言うご質問の前に、まずは妊娠/出産に関わる費用面から見てまいりましょう。

出産に関する費用は、居住先や入院設備の違いなどで開きがありますが、ここでは自然分娩にかかる平均的な費用を、都道府県別に見ておきましょう。

順位 都道府県名 費用
1位 東京都 497,872円
2位 神奈川県 461,871円
3位 宮城県 443,524円
4位 埼玉県 441,900円
5位 栃木県 433,957円
43位 青森県 359,912円
44位 熊本県 357,428円
45位 高知県 348,160円
46位 沖縄県 345,959円
47位 鳥取県 335,607円

これらはあくまでも、目安にしかなりません。

なぜならば、出産先の医療機関の選択によっては、これよりも高額な医療費となることは、決して少なくはないからです。

下記は国立研究開発法人 国立育成研究センターの、出産時にお母さんに掛かる費用をまとめたものです。

分娩料(LDR使用料を含む) 430,000円
*多胎(双胎(双子)、品胎(三つ子)以上)の場合、追加胎児一人につき300,000円を加算します。
(但し、出産育児一時金は42万円X児数(双胎では2、品胎では3)が支払われます)
*休日・深夜に分娩された場合、分娩料に以下の金額を加算します。
◆休日(土曜日、日曜日、国民の祝(休)日及び年末年始の6:00~22:00):20,000円
◆深夜(22:00~翌6:00):40,000円
入院料 約165,000円 (7日分)
*入院日数が延長すると、約23,000円/日がかかります。
投薬、注射、検査料など 約20,000円
食費 約12,000円 (7日分)
分娩出生証明書(消費税を含む) 3,240円

上記を試算すると、実に63万円を超過してしまうのです。

これ以外にも、妊娠中の定期検診や赤ちゃんに掛かる費用、赤ちゃんを迎える為の衣料や雑貨、ベビーカーなどの金額まで加算すると、100万円必要だとされるのも、あながちオーバーではないと言うことです。

 

さて、中々シビアな現状を見ていただいたところで、本題の出産育児一時金の額を、確認してまいりましょう。

国民健康保険加入者が出産した場合、その支給額は42万円となりますが、当然ながら規定が設けられています。

・健康保険の被保険者、または被扶養者である

・妊娠4ヵ月(85日)以上で出産

・産科医療補償制度未加入の医療機関で出産した場合は、39万円の支給

*22週未満での出産の場合は、39万円になることもあり

*規定該当であれば、早産/死産/流産/人工妊娠中絶(経済的理由も含む)であっても、支給される場合あり

これらの規定は、お住まいの市区町村によって異なりますので、家族計画の際にはあらかじめ確認をしておく方がよいでしょう。

 

2.2申請方法

さて、そんな出産育児一時金ですが、一般的な公的機関の制度と同様に、自分がアクションを起こさなければ、何も始まりません。

そこで、出産育児一時金の申請方法を確認しておきましょう。

直接、出産育児一時金を受け取りたい場合は、居住先の保険年金課へ、下記を持参して申請手続きを行います。

この場合、あらかじめ指定した振込先に、出産育児一時金が入金される運びとなります。

・保険証

・印鑑(世帯主名で朱肉を使用するもの)

・母子健康手帳

・預金通帳又は振込先の確認できるもの

・医療機関等で発行される出産費用を証明する書類(領収/明細書)

・医療機関等で交わす合意文書(「直接支払制度を利用しない旨」の記載があるもの)

これはサンプルとして、横浜市のケースを記載したものです。

お住まいの市区町村によっては、異なるケースも出てくる可能性がありますので、窓口に出向く前に、事前確認をしておきましょう。

 

尚、出産育児一金に関してはその利用方法として、下記の3種類が用意されています。

この章でお伝えしたのはに該当する場合、もしくは自身の指定口座に振り込みを希望する場合となります。

①と②に関しては、次章より順にご説明してまいります。

尚、支給申請は出産日翌日から2年で時効を迎えてしまいますので、注意が必要です。

 

3.出産育児一時金直接支払制度とは

前章でご覧いただいた、出産育児一時金のフローに該当するのが、「出産育児一時金の直接支払制度」です。

世帯主が申請と受取を行うのではなく、出産先の医療機関などが世帯主に代わって、契約手続きを行う方法です。

 

3.1仕組み

医療機関が代行して申請手続きを行うことによって、出産育児一時金42万円(2.1章に記載の金額)が直接出産した医療機関に支払われます。

よって、退院時の窓口での医療費清算の際に、この金額を超過した部分のみ自己負担をすればよいことになります。

出産前後は何かと物入りでもあり、赤ちゃんのお世話や出生届の提出などで、多忙になります。

あらかじめ準備しておく現金が少なくて済むのは、気持ち的にも経済的にも心強いので、ぜひ活用したい制度の一つです。

 

3.2申請方法

この制度は、どのようなケースにも対応しているわけではありません。

まず、出産先の医療機関がこの制度に参画しているかどうかが、重要なキーとなります。

出産希望先の医療機関に、まずはその対応の可否を確認しましょう。

ここでもう一つ押さえておきたいPOINTを見ておきましょう。

ご自身が選択した医療機関での出産に関わる医療費総額が、2.1章でご案内した出産育児一時金の範疇で収まる場合もあり得ます。

その場合の差額が、実は返還してもらえます。

それでは、その際に必要な申請方法を見ておきましょう。

申請窓口

・居住エリアの市区町村保険年金課へ下記の書類を添付して申請

申請に必要なもの

・保険証

・印鑑(世帯主名で朱肉を使用するタイプのもの)

・母子健康手帳

・預金通帳もしくは、振込先が確認できるもの

・医療機関で発行される出産費用に関する証明書類(領収/明細書)

・医療機関などで交わす合意書(「直接支払制度の活用が記載されているもの)

 

この一連の流れは、下記を参考にしましょう。

 

4.出産育児一時金受取代理制度とは

2.2章でご覧いただいた、出産育児一時金のフローに該当するのが、「出産育児一時金受取代理制度」です。

前章の「出産育児一時金直接支払制度」と、非常に似通ったシステムになっています。

 

4.1仕組み

出産前にこの制度の利用を申し出ることで、出産育児一時金直接支払制度と同様に、直接医療機関へ出産育児一時金が支払われるようになっています。

よって、退院時の窓口での医療費清算の際に、出産育児一時金の金額を超過した部分のみ自己負担をすればよいことになります。

 

4.2申請方法

厚生労働省へ、この制度の導入を申請している医療機関であれば、所定の申請書を作成し、居住先の市区町村の保険年金課へ、出産予定日の2か月以内に届け出を行います。

出産希望先の医療機関に、まずはその対応の可否を確認しましょう。

また、出産育児一時金直接支払制度と同様に、ご自身が選択した医療機関での出産に関わる医療費総額が、2.1章でご案内した出産育児一時金の範疇で収まる場合もあり得ます。

その場合もやはり差額が返還されるので、居住先の市区町村保険年金課へ連絡をしましょう。

こちらの全体の流れは、下記をご参考になさって下さい。

 

5.海外出産における出産育児一時金とは

日本国外での出産も、当然ケースとしては考えられますので、その場合のフォローもなされています。

しかしながらこの場合も、様々な規定が設けられていますので、この章で確認してまいりましょう。

 

5.1支給条件

この制度では、いくつかの条件が、下記のように制定されています。

・出産したお母さんの住所が、該当する市区町村に置かれていること

・出産当日に上記の市区町村にて、国民健康保険に加入していること

 

5.2注意点と申請方法

まず注意しておきたいのが、短期滞在中の出産でなく、長期滞在の場合です。

この場合、国民健康保険の加入要件に漏れてしまう場合があり、遡って資格が喪失してしまいます。

あくまでも一時的な渡航中の出産であることが、必須条件となります。

それでは、申請方法を確認しておきましょう。

直接、出産育児一時金を受け取りたい場合は2.2章と同様の手続きとなりますので、居住先の保険年金課へ、下記を持参して申請手続きを行います。

この場合、あらかじめ指定した振込先に、出産育児一時金が入金となります。

・保険証

・印鑑(世帯主名で朱肉を使用するもの)

・母子健康手帳

・預金通帳又は振込先の確認できるもの

・医療機関等で発行される出産費用を証明する書類(領収/明細書)

・医療機関等で交わす合意文書(「直接支払制度を利用しない旨」の記載があるもの)

・出生証明書とその翻訳文

・出産したお母さんのパスポート(原本)*出生届を提出済みで、赤ちゃんが住民票に記載されている場合は、省略可

こちらもサンプルとして、横浜市のケースを記載したものです。

お住まいの市区町村によっては、異なるケースも出てくる可能性もありますので、窓口に出向く前に、事前確認をしておきましょう。

 

6.海外療養費とは

5章の海外出産の場合は、国内での妊娠/出産と同様に、保険診療対象ではないので、全額自己負担になります。

しかしながら、帝王切開や異常分娩で出産した場合は、手術費などの一部が保険医療対象となる場合があります。

その際に活用できるのが、海外療養費なのです。

それではもう少しブレイクダウンした情報を、見てまいりましょう。

 

 

6.1支給条件と必要書類

こちらの申請は、帰国後に居住先の市区町村の保険年金課へ申請を行うことで、医療費が規定の範疇内で払い戻されます。

尚肝心な支給額ですが、申請後に診療内容が審査され、国内で保険診療を受けた場合と置き換えた金額で、比較されます。

この結果、より安価な方が採用となり、自己負担額が算出され、これを超過した部分が支給額となります。

 

さてここで、申請に必要な書類を見ておきましょう。

・領収書

・領収明細書及び診療内容がわかる明細書

*上記2点は日本語の翻訳文が必要

・治療を受けた本人のパスポート(原本)

・同意書(申請内容の確認を現地医療機関に確認する場合がある為、同意の意思表示が必要)

・保険証

・印鑑(世帯主名で朱肉を使用するもの)

・預金通帳又は振込先の確認できるもの

 

6.2注意点

ここでご注意いただきたいのが、治療目的で渡航した場合、残念ながら対象外となる点です。

また日本国内で保険適用とされていない医療行為は、同様に対象外となります。

尚、審査から支給まで、2~3ヵ月が必要となります。

また、現地で実際に支払った医療費と国内でのケースでは、その価格に開きがありますので、現地支払い分と支給額が必ずしも、比例するとは限りません。

また支給申請は、治療費全額を支払った日の翌日から2年で時効を迎えてしまうので、早めの申請が必須です。

 

7.産科医療補償制度とは

「妊娠/出産は病気ではない」と言う時代錯誤も甚だしい言葉がありますが、妊娠/出産には当然リスクが伴う為、不慮の事態の発生も考えられます。

悲しいことに、出産時の何らかの事由で、重度脳性麻痺となってしまった赤ちゃんとそのご家族を支えるシステムが、産科医療保障制度です。

それでは、もう少しブレイクダウンした情報を、見てまいりましょう。

 

7.1目的と仕組み

先ほども申し上げましたように、重度脳性麻痺となってしまった赤ちゃんとそのご家族の経済的負担の軽減を、目的としています。

また、分娩した医療機関に過失がない場合でも、補償金が支払われるようになっています。

 

7.2補償の対象と条件

補償の対象には所定の要件が必要となり、大きく分けて2種のケースがあります。

それではそれぞれを、見てまいりましょう。

2009年1月1日~2014年12月31日までに出生した赤ちゃんの場合

・出生体重が2,000g以上で、在胎週数33週以上

・出生体重が2,000g以上で、在胎週数28週以上(*所定要件あり)

・先天性や申請時期の要因には当たらない脳性麻痺

・身体障碍者手帳1/2級に該当する脳性麻痺

 

2015年1月以降に出生した赤ちゃんの場合

・出生体重が1,400g以上で、在胎週数32週以上

・出生体重が1,400g以上で、在胎週数28週以上(所定要件あり)

・先天性や新生児期の要因には当たらない脳性麻痺

・身体障碍者手帳1/2級に該当する脳性麻痺

 

7.3補償金額

それでは実際の保障額を、見てまいりましょう。

補償対象と認定された場合は、総額3,000万円の補償金が支払われます。

補償内容 補償金額
準備一時金(看護・介護を行うための基盤整備のための資金) 600万円
補償分割金(看護・介護費用として毎年定期的に支給)

*19歳まで

総額2,400万円
(毎年120万円を20回)

それでは、具体的な支給例も、併せて見ておきましょう。

このシステムでは、お子さんが19歳の誕生日に該当する月の初日を確認日とした時点まで、支払が継続されます。

また、リハビリなどで病状が好転した場合でも、支給額は変わらず上記時点まで、支払が継続されます。

尚、万が一お子さんが亡くなってしまった場合でも、支給額は変わらず上記時点まで、支払が継続されます。

 

7.4申請方法

それでは、実際の申請に関する情報を、見てまいりましょう。

準備一時金に必要な書類

補償内容 補償金額
準備一時金(看護・介護を行うための基盤整備のための資金) 600万円

・補償金請求書

・お子さんの戸籍謄本(全部事項証明書)

・補償請求者全員の印鑑証明書

・保証金請求に関する同意書

・上記以外にも運営側で用意された書類あり

 

補償分割金請求に必要な書類

補償内容 補償金額
補償分割金(看護・介護費用として毎年定期的に支給) 総額2,400万円
(毎年120万円を20回)

・現況確認書兼補償請求書

・補償請求用専用診断書(補償分割請求用)

・上記以外にも運営側で用意された書類あり

 

それでは申請に関する一連の流れも、併せて確認しておきましょう。

闘病には生活環境の整備も含め、多くの経済的負担が伴いますので、少しでもご家族の力になる要素のあるシステムは、社会全体で支えていくべきであることを、一人ひとりが認識していくことが大切です。

 

8.妊娠/出産で活用すべき手段

さて、ここまでで出産育児一時金に関する情報と、産科医療保補償制度を見ていただきました。

「それでも経済的に、まだまだ心配」

と、お思いになられる方も、少なくはないでしょう。

そこで、妊娠/出産/育児に対するその他の備え方も、併せて見ておきましょう。

 

8.1その他の公的制度

それでは、妊娠/出産に関係する、その他の公的制度を見ておきましょう。

高額医療費

健康保険適応である帝王切開などでは、この制度を利用することができます。

1か月間に支払った医療費が一定額を超過した場合、その超過部分が払い戻されますので安心です。

 

妊婦検診補助

赤ちゃんの生育状態や、とお母さんの健康状態を把握する為、出産まで定期的な検診が必要となるわけですが、その回数が10~14回ともなると、全額自己負担なので、経済的負担が増します。

しかしながら居住の市区町村で、母子健康手帳の交付を受けると、この検診に対する補助券が発行されますので、ぜひ活用しましょう。

 

医療費控除

世帯で1年間に支払った医療費が10万円を超過した場合に、確定申告をすることにより還付が受けられます。

 

乳幼児医療費助成制度

出産後赤ちゃんが、新生児特定集中治療室(NICU)ですごさなければならなかった際に、経済的にバックアップがなされるシステムです。

早めに出生届を提出し、赤ちゃんを被扶養者としておくと、医療費を軽減することが出来ます。

 

児童手当

0~15歳(15歳到達後最初に到来する3月31日まで)のお子さんを養育している方に支給されます。

・3歳未満は月額15,000円

・3歳~小学校修了前の第1子及び第2子は月額10,000円

・第3子以降は月額15,000円

妊娠/出産はすばらしいことです。

しかしながら、何かと物入りなのも事実なので、使えるシステムはとことん活用し、家計への負担を少しでも減らしましょう。

 

8.2私的制度

さて、ここでもう一つの備え方として、生命保険が挙げられます。

「???妊娠/出産に関する保険なんてあるの?」

と言う声も聞こえてまいりますが、近年人気の女性用医療保険の中に、妊娠/出産に対するフォローが盛り込まれた商品が存在します。

女性特有の疾病に対応しているばかりでなく、健康祝い金がもらえたり、医療保険対象の殆どの疾病に対応していたりと、その充実度は目を見張らんばかりです。

一家の大黒柱への生命保険の活用は、非常に一般的ですが、未婚/既婚問わずに加入しておくべきが、女性向け医療保険なのです。

 

それではここで、いくつかの商品をピックアップしてまいりましょう。

おかあさん保険
(ABC少額短期保険)
・疾病/ケガ/出産での入院(自然分娩にも対応)

・入院給付金:1日当たり5,000円(1入院30日まで保障/日帰り入院OK)

・入院中の手術給付金:手術1回あたり50,000円(入院給付金額×10倍)

・死亡保険金:500,000円(入院給付日額×100倍)

・契約1年目はWEB割引適用あり

・2年目以降更新割引適用あり

自然分娩の保障 帝王切開の保障 妊娠判明後
の申込み
23歳の保険料 30歳の保険料 手術給付金 入院給付金

(責任開始後の
妊娠に限る)
妊娠19週目まで ¥1,470 ¥1,850 ¥50,000 ¥5,000

NET専用の保険会社なので、営業所や営業マンの保有などが不要な経営体制の為、保険料が非常に割安となっています。

 

フェミニーヌ
(NKSJひまわり生命)
・入院の有無や回数に関わらず、生存給付金が3年ごとに150,000円受け取れる

・女性特有の疾患は勿論のこと、低血圧症や膀胱炎など、女性に多い疾病もフォロー

・乳がんや胃がんなど、すべてのがんに対して入院保障あり

・三大疾病による入院は支払日数無制限

・ほぼすべての疾病やケガによる入院/手術に対し、日帰り~最長180日までをフォロー

・通院は1,000日までフォロー

・海外での入院もフォロー

・入院/外来問わず公的医療保険対象1,000種をフォロー(入院給付日額×40倍/20倍/10倍/5倍)

・全額自己負担である先進医療は、通算2,000万円までフォロー

・死亡保険金は300万円

・高度障害に陥った際は、特約高度障害保険金あり

・高度障害による入院保障は保険料が払込免除(*生存給付金はなくなる)

自然分娩の保障 帝王切開の保障 妊娠判明後
の申込み
妊娠後申込時に
おけるその妊娠に
対する保障
死亡保障 手術給付金 入院給付金 23歳の保険料 30歳の保険料 手術給付金 入院給付金
× WEB上に記載なし WEB上に記載なし ¥5,000,000 ¥50,000 ¥5,000 ¥4,779 ¥5,045 ¥70,000 ¥5,000

抜群の保障内容を誇る為、保険料設定は割高です。

また、自然分娩に関しての保障が無い為、そこにこだわるのであればおすすめではありません。

 

新CURE Lady
(オリックス生命)
・女性特有の疾病や胃がんなどの、殆どのがんをフォロー

・上記での入院時には、入院給付金の上乗せあり

・入院の有無にかかわらず、公的医療保険内の約1,000種の手術をフォロー

・全額自己負担の先進医療は、最大2,000万円まで保障

・低解約返戻金型なので、保険料が割安

・終身型なので一生涯安心

・疾病/ケガによる入院は、入院給付金でフォロー

・日帰り入院もフォロー

・三大疾病罹患の際に、一時金受取あり

自然分娩の保障 帝王切開の保障 妊娠判明後
の申込み
妊娠後申込時に
おけるその妊娠に
対する保障
死亡保障 23歳の保険料 30歳の保険料 手術給付金 入院給付金
× WEB上に記載なし WEB上に記載なし × ¥1,840 ¥2,045 ¥100,000 ¥5,000

自然分娩への対応が無い点が残念ですが、保障対象となる疾病の多さが、非常に魅力的な商品となっています。

 

メディカルKit NEO
(東京海上日動あんしん生命保険)
・スタンダードプランのオプションである「女性疾病保障特約」なので、保険料がその分上乗せになる

・女性特有の疾患のみならず、三大疾病もフォロー

・乳がんによる乳房再建手術に対する給付金あり

・別途先進医療特約も付加が可能

自然分娩の保障 帝王切開の保障 妊娠判明後
の申込み
妊娠後申込時に
おけるその妊娠に
対する保障
死亡保障 23歳の保険料 30歳の保険料 手術給付金 入院給付金
× WEB上に記載なし WEB上に記載なし × ¥2,395 ¥2,695 ¥25,000 ¥5,000

この商品で要注意なのが、女性特有の疾病などへの対応部分が、特約だと言うことです。

主契約に特約を付加すると、当然保険料はその分が上乗せとなりますので、割高になりがちです。

導入には、慎重な検討を行いましょう。

 

エブリワン(エイ・ワン少額短期保険) ・指定疾病不担保制度の活用で妊娠中でも契約が可能(持病がある疾病は保障対象外とするシステム)

・出産後の疾病/ケガでの手術/をフォロー

自然分娩の保障 帝王切開の保障 妊娠判明後
の申込み
妊娠後申込時に
おけるその妊娠に
対する保障
死亡保障 23歳の保険料 30歳の保険料 手術給付金 入院給付金
× 妊娠33週目まで WEB上に記載なし × ¥2,180 ¥2,540 ¥50,000 ¥5,000

妊娠が判明してからでも加入できるのが、大きな特徴となっています。

その代わりと言っては何ですが、持病がある場合、その部分は対象外となります。

また、出産により給付金を受けた後に解約をし、再度加入するのは基本的にできません。

審査を通過し再加入できた場合でも、妊娠/出産に関わる保障部分が認められなくなりますので、第二子などを視野に入れていらっしゃる方は、解約だけは避けましょう。

 

いかがでしょうか。

商品数は非常に少ないですが、その内容は非常に充実していることが、お分かりいただけたかと思います。

妊娠/出産を予定していない方にもお勧めできるのが、女性向け医療保険なのです。

 

9.まとめ

いかがでしたでしょうか。

出産育児一時金は、その活用方法が3種類用意されていることや、海外出産などにも対応しているなど、実は案外知られていない側面までが整備されていることが、ご理解いただけたことだと思います。

妊娠/出産が保険診療対象でないことを念頭に、どのように公の制度を活用するのか、それ以外のバックアップ方法をどうするか。

万が一も含めたバースプランやライフプランを設計する際に、ぜひ一情報としてこの記事がお役に立てましたらと、願ってやみません。

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