大学卒業後、損保ジャパン日本興亜代理店の保険会社にて5年以上勤務し、年間100組以上のコンサルティングを行う。
その後、2016年6月より保険ブリッジの記事監修を務める。
厚生年金の場合は、皆が同じ金額を受け取ることが出来る国民年金とは違い、給与によって受給額が変動するようになっています。
人によっては定年後も働き続ける人もいるので、そうなると65歳を過ぎても厚生年金を支払い続ける場合もあります。
途中で主婦になったり、一時期だけは仕事を辞めていた人などは特に計算がややこしいものになります。
この記事では、そんな厚生年金の受給額は一体どのようにして計算すればいいのかを、紹介していきたいと思います。
- 受け取れる厚生年金額の計算方法
- 厚生年金の平均受給額
- 結婚後、主婦になった場合や働いたことがない場合の国民年金受給額
- 厚生年金受給額は、給与によって満額が異なる。
- 厚生年金とは、報酬比例年金額と経過的加算、加給年金額を合わせたもの。
- 老後の収入を確認するために、どういった年金制度を利用できるのか見極めることが大切。
- 民間の個人年金なら多くの方からマニュライフ生命のこだわり個人年金が選ばれています。
目次
厚生年金って満額だといくら受け取ることが出来るの?
全ての日本国民が加入する義務のある国民年金と違い、厚生年金の場合は会社員であったり、公務員でないと加入することができません。
また、支払う保険料も給料によって変わるため、保険金も変わると言われています。
人によっては、多額の保険料を支払っているけれども果たしてどれくらいの年金を受け取るのか、いまいちよく分かっていないという方もいるのではないでしょうか。
厚生年金は人によって違うため、計算することが難しいのですが、シュミレーションによって満額を計算することができます。
それでは早速、厚生年金の満額はどのくらいなのかを見ていきましょう。
厚生年金は給与によって満額が変動する
厚生年金を見ていく前に、国民年金の満額を見ていきましょう。
毎月きちんと保険料を納めていれば、毎月65,008円を受け取ることが出来るようになっています。
これは、20歳から60歳まで毎月保険料を欠かさず納めていた場合です。
しかし、厚生年金の保険料は給料によって変動するようになっています。
そのため保険料が上限であれば、本当の満額を導き出すことができます。
厚生年金の金額は年収と、加入期間によって計算されるようになっています。
まず、加入期間は中学卒業後から、定年までの54年間が最大値になっています。
また、保険料の上限は常に支払う年収を54年間常に受け取っていた場合とし、その場合の満額を導き出すことが可能になります。
ちなみにこの場合、月額62万円以上になります。
これらを計算すると、月額25万円の厚生年金を受け取ることが出来るようになります。
しかし、これはあくまでも机上の空論であり、もう少しリアルな数字で満額はどのくらいなのか知りたいですよね。
一般的に考えられる厚生年金の満額はあくまでもシュミレーション上
一般的には、大学を卒業してそのまま就職するという方が多いのではないでしょうか。
22歳から、65歳まで会社で働き続けたとします。
また、給料はその年代の平均年収をもらい、平均に合わせて毎年変動していったと想定します。
これを計算すると、厚生年金はだいたい10万円程度受け取ることが出来るようになります。
国民年金と合わせて計算すると、こちらのグラフになります。
国民年金 | 厚生年金 | 合計 | |
月額 | 65,008 | 100,165 | 165,173 |
年額 | 780,100 | 1,201,983 | 1,982,083 |
厚生年金だけで見ると、たしかに生活が大変かもしれませんが、それに加えて国民年金が加わります。
また、夫婦で考えると奥さんもずっと働いていた場合には年金は倍になります。
しかし、専業主婦の場合にはもう少し減る場合があるので、後で見ていきたいと思います。
厚生年金がいくら受け取ることが出来るのかはどのようにして計算すればいいの?
厚生年金の満額を見ていきましたが、これはあくまでも平均から導き出しただけです。
本当に自分はどの位の厚生年金を受け取ることができるのかを、計算してみたいと気になっている方もいるでしょう。
最近ではフリーランスや、副業などをしている人も増えているため、実際に自分がどの位の年金を受け取れるのかは、見本からでは分かりづらいですよね。
実は、厚生年金は3つの金額を合わせたものになっています。
名目 | 計算方法 |
報酬比例年金額 | 給与平均×生年月日による率×加入期間 |
経過的加算 | 1,626円×生年月日による率×加入期間-780,100×20歳以上60歳未満の加入期間/加入可能年数×12 |
加給年金額 | 配偶者:224,500円~390,100円 子供:224,500円(第二子まで)74,800円(第三子から) |
こちらが厚生年金を構成している3つの要素です。
それでは一体厚生年金はどういった要素で成り立っているのかを見ていきましょう。
毎月の給与から計算される報酬比例年金額
まず見ていきたいのが、報酬比例年金額です。
これは、厚生年金の中でも一番核となる存在になっています。
報酬比例年金額というのは、自分が稼いでいる年収から求められます。
そのため、大幅に年収が上がった人などは、年金事態も上がると言えます。
報酬比例年金額を計算するには、まずは給与平均が必要です。
これは何かというと、月収に加えて、ボーナスや残業代などの特別手当を合わせた年間の給与の平均のことを言います。
この給与平均に、生年月日によって決められている割合、そして加入期間をかけることで報酬比例年金額が割り出されるようになっています。
少し計算がややこしい経過的加算
次に見ていきたいのが、経過的加算です。
これは、60歳以降にも厚生年金保険に加入していると加算されるものになっています。
どういうことかというと、厚生年金の加入期間の上限は40年ですが、大卒や遅く働き始めた場合には40年経っていないため、その分定年になっても年金額が増えていくということです。
詳しく見ていくと、経過的加算は、1,626円×生年月日による率×加入期間-780,100×20歳以上60歳未満の加入期間/加入可能年数×12によって求められます。
60歳までに40年間加入している場合には経過的加算はされません。
22歳で働き始めた場合には62歳までしか経過的加算は通用しませんが、大学院に行っていたり、浪人していた、医学部や薬学部に進んだ場合などにはもう数年得することができます。
配偶者や子供がいると加算される加給年金額
最後に見ていきたいのは、加給年金額についてです。
これは、配偶者や子供がいる場合に更に加算される年金になっています。
誰であっても受けることが出来るわけではありません。
加給年金額は、誰であっても受けることが出来るわけではありません。
加入期間が20年以上、もしくは男性は40歳以降15年以上、女性は35歳以降15年上の加入期間がなければいけません。
加入期間を満たしていれば、配偶者がいる場合には224,500円から390,100円を、第二子までは一人につき224,500円を、第三子からは74,800円を受け取ることが出来るようになっています。
ただ、配偶者は65歳になるまで、子供は18歳になるまでという制限がついているので注意するようにしましょう。
個人年金保険のおすすめ商品3選!
将来自分や家族がどの程度受け取れるのかは大体分かったけれど、やはり心許なかったり心配だったりする方。
個人年金保険に興味はあるけれど、どの保険会社の商品にしたらいいのかお悩みの方。
そんなあなたに、保険ブリッジ読者とスタッフが厳選した個人年金保険のおすすめの商品を紹介していきます!
今や年金は20代、30代から準備
それぞれ違うタイプの保険商品を紹介しますので、ご自分に合ったタイプの保険を探すようにしましょう。
マニュライフ生命「こだわり個人年金(外貨建)」
まず1つ目は、マニュライフ生命の「こだわり個人年金(外貨建)」という商品です。
現在の個人年金保険の商品の中では評判の良い保険商品です。
外貨建ての保険と言う事でリスクもありますが、積立利率に関しては為替レートに影響もされますので一概に良い悪いと言えない部分もあります。
ただ、他の保険と差別化するのであれば、契約後のライフステージの変化にも柔軟に対応でき、保険料の支払いを停止・再開が出来る事で、無理なく老後に備える事が出来ます。
保険料は日本円で支払いますが、保険金額(死亡給付金や年金額)は米ドルまたは豪ドルの2種類からの選択となります。
これは契約時に選択する事になり、また、受取時は日本円に換えて支払われますので、為替レートに注意するようにしましょう。
ソニー生命「変額個人年金保険」
2つ目は、ソニー生命の「変額個人年金保険」と言う商品です。
この商品は、投資信託などで運用を行う商品であり、8種類の中から自分で運用先を決めて運用する商品となります。
リスクを分散して運用が出来るのですが、あくまでも運用実績に基づき保険金額が決定するので、運用が上手くいけば基本年金額より多くの年金額が受け取れます。
ただし、運用が上手くいかなければ、基本年金額よりも少ない金額しか受け取れないというリスクがあります。
あくまでも投資と言う側面があるため、こういったリスクもあると言う事を理解したうえで選ぶのであれば保険料から見ても良い商品と言えるかもしれません。
ハイリスク・ハイリターンを求めるのであれば、この商品は良いと思いますが、そうでないのであればこの商品を選ぶのは止めましょう。
また、保険料は比較的安いので、リスク分散をしっかりするのであればこの商品を持っておくのも良いかもしれません。
住友生命「たのしみワンダフル」
3つ目は、住友生命の「たのしみワンダフル」という商品です。
この保険は、オーソドックスな円建ての個人年金になりますので、外貨建てや変額保険などのリスクを恐れる方には良い保険となっています。
この保険の対抗商品と言われていたアフラックの「個人年金保険」が販売停止になった事で、円建ての保険の中では1番評判がいい商品といって良いと思います。
ただし、リスクが低いと言う事で積立利率等も外貨建てや変額保険と比べると低いのがデメリットです。
この保険の特徴は、保険料支払い期間を終了してから据え置き期間(5年)経過後に年金として保険金の受け取りが可能になります。
つまり、この5年を据え置く事で、支払った保険料以上の保険金を受け取る事が出来るという商品になっています。
また、一時金で受け取る場合と年金形式で受け取る場合で返戻率が異なり、年金形式で受け取る方が返戻率が高いという事も覚えておきましょう。
また、月々の保険料が15,000円以上となる場合は割引もありますので、利率がもう少し高くなる可能性もあります。
リスクが低く安心な商品と言えるので、出来るだけ積立利率・返戻率を高くする方法を見つけて、賢く積み立てるようにしましょう。
また、アフラックのように販売停止になる可能性もあるので、加入を考えているのであればその辺りの動向もしっかりと把握しておくようにしましょう。
3つのタイプの中でどれがおすすめか
外貨建て・変額・オーソドックスと3つのタイプの個人年金保険を紹介しましたが、実際にどの保険がおすすめなのかを解説していきます。
もちろん、それぞれメリットもデメリットもリスクもありますが、考え方は人それぞれ異なりますので、選ぶ商品も異なるでしょう。
リスクがあっても返戻率・積立利率の良い商品が良いと言う人も居れば、大切なお金だから確実に積み立てたいと言う方も居るでしょう。
上記の3つの中で、確実に積み立てられるのは、住友生命の「たのしみワンダフル」と言う商品であるのは、間違いありません。
しかし、保険を知っている立場で言うと、マニュライフ生命の「こだわり個人年金(外貨建)」に関しては、そこまでリスクの高い商品とは言えないので、ハッキリとお勧めできる商品と言えます。
外貨建て保険のリスクは、円安・円高という為替の影響を受けますが、変額保険と違い、投資と言う側面はありません。
そのため、受け取る時の為替レートをしっかりと把握さえしていれば、大きく損をする事も無く、円建てで積み立てるよりも多くの年金額を準備出来ます。
また、先ほども少し説明したように、契約後のライフステージの変化によって保険料の支払いが困難になった場合には、一時的に保険料の支払いを停止する事が可能。
再度保険料の払い込みが出来るようになった時に再開する事が出来るので、万が一大きな出費を伴う出来事があっても、解約をせずに置いておけるのです。
保険料の払い込みが少なくなるので保険金の受取額は変わる事になりますが、解約をするよりも無駄が無く、そして無理なく長期的に保険の継続が出来ると言うのも魅力の一つと言えるでしょう。
個人年金保険は、老後の生活資金のために自助努力をする若い世代である30代に注目を浴びている保険商品と言えます。
それぞれの商品の特徴をしっかりと理解して、自分に合った保険を選ぶようにしましょう。
⇛いま個人年金保険で大人気のマニュライフ生命「こだわり個人年金」。
厚生年金って平均では一体どのくらい受給されているの?
厚生年金の計算方法が分かり、自分はどのくらい厚生年金を受け取ることができるのかが分かったところで、気になってくるのが、平均ではどの位受け取っているのかということですよね。
もちろん自分と平均は違うものではありますが、大体の目安として知りたいという方もいるのではないでしょうか。
また、厚生年金に加入していない自営業者からすると、やはり厚生年金の平均はいくら位なのか、自分の加入している個人年金と比べてみたいところですよね。
それでは早速、厚生年金は平均でいくらくらい支給しているのかを見ていきたいと思います。
国民年金と比較すると圧倒的に厚生年金が高額
まずは、厚生年金の平均支給額を見ていきましょう。
総合平均支給額とは、男女で差をつけずに全体でどの位支給されているかで算出したものになっています。
こちらのデータは、厚生年金だけではなく、国民年金と合わせた受給額になっています。
月額 | 年額 | |
総合平均支給額 | 約14万8千円 | 約178万円 |
男性の平均支給額 | 約18万円 | 約216万円 |
女性の平均支給額 | 約10万8千円 | 約130万円 |
男性の方が女性よりも受給を受けている
グラフを見て気になるのが、男性よりも女性の方が支給額が少ないと言う点ではないでしょうか。
国民年金を差し引いた厚生年金だけの平均支給額をまとめたものを見ていきましょう。
全体平均支給額 | 約9万4千円 |
男性の平均支給額 | 約12万6千円 |
女性の平均支給額 | 約5万4千円 |
単純に平均だけを見てしまうと、かなり受け取ることが出来るように思えますが、女性と男性の平均値にはかなり差がありますよね。
これは男性と比較すると、女性は結婚や出産などで一時的に退職したり、休職することがあるため、厚生年金の保険料積立が少ない場合が多いからです。
また、もちろん働き続けている人もいますが、専業主婦が長かったり、パートで働いている人もいるため、それらを総合すると、平均値としてどうしても厚生年金の支給額は低くなってしまいます。
主婦になった場合、厚生年金は受け取ることが出来るようになっているの?
結婚を機に、専業主婦になったという方や、出産をすることで一時的に休職していたという方も多いのではないでしょうか。
そういった方からすると、厚生年金は普通に計算することが難しいので、一体どのように計算すればいいのか、果たして受け取ることができるのかと思ってしまうかと思います。
男性に比べるとずっと働き続けることがないぶん、実は女性の厚生年金の計算方法は少し複雑になってきます。
しかし、厚生年金の支給額が分からないと、老後夫婦で合わせていくらくらい厚生年金を受け取ることができるのか分からずに不安ですよね。
それでは早速、主婦の厚生年金の計算方法について見ていきたいと思います。
働いたことがないと国民年金は受け取ることが出来る
まずは、学校を卒業してから、正社員として雇用されていなかったり、働いている会社が厚生年金制度がないまま、専業主婦になった場合です。
この場合、途中でパートなどをしていたとしても、厚生年金を支払わなければ、厚生年金に加入したことはない事になります。
そうなると、公的年金で受け取ることが出来るのは国民年金のみです。
月額6万5千円程度しか受け取れないと生活は不安ですが、夫婦合わせると月額の合計はこちらになります。
専業主婦 | 夫 | 夫婦の合計 | |
国民年金 | 65,008 | 65,008 | 130,016 |
厚生年金 | 0 | 100,165 | 100,165 |
合計 | 65,008 | 165,173 | 230,181 |
結婚前のみ働いていたとしても多少は厚生年金を受け取ることが出来る
次に見ていきたいのは、結婚する前に働いていており、厚生年金に加入していたけれども結婚を機に退職し、厚生年金にはその時期にしか加入していなかったという場合です。
一見途中で保険料を支払っていないので、もう年金を受け取れないように思えるかもしれませんが、実は厚生年金は多少なりとも受け取ることができます。
妻 | 夫 | 夫婦の合計 | |
国民年金 | 65,008 | 65,008 | 130,016 |
厚生年金 | 13,482 | 100,165 | 113,647 |
合計 | 78,490 | 165,173 | 243,663 |
これは、退職するまでに10年間働いたのを想定して計算しています。
確かに大学を卒業してから働き、子供が生まれるタイミングで退職することを考えると、10年位は働き続けるのではないでしょうか。
もちろん厚生年金の金額はそこまで大きいものではありませんが、やはり専業主婦に比べると年額で15万円程度も多く年金を受け取ることが出来るので、入っておくのに損をすることはないと考えられます。
一時期のみ専業主婦をすると、夫とあまり働いた年数が変わらなくても受給額が変わる
最後に見ていきたいのは、子供が小さいときにだけや、病気にかかってしまった期間のみ仕事を辞めていたけれども、また復帰したという場合です。
今回は10年勤め、一時期辞めており、また20年勤めた場合を想定したいと思います。
夫が約40年働いていることを考えると、30年働いているので、そこまで年金額は変わらないのではないかと思う方もいるかと思います。
専業主婦 | 夫 | 夫婦の合計 | |
国民年金 | 65,008 | 65,008 | 130,016 |
厚生年金 | 25,777 | 100,165 | 125,942 |
合計 | 90,785 | 165,173 | 255,958 |
しかし、こちらを見てみると夫に比べると厚生年金はあまり高くはありません。
これはもちろん再就職した際の収入にもよりますが、一度辞めてしまうと、また働き始めた場合に年収は低めのスタートになるので、積み立てていることを考えるとどうしても差が出てしまうためです。
しかし、総合するとやはり専業主婦になるよりも圧倒的に毎月もらえる額は増えると言えます。
大幅に受給額が増える特例って一体どういうことなの?
厚生年金は、給料によって保険料が変動するので、受給額をあげるためには収入を上げなければならないと考えている人もいるのではないでしょうか。
実は単純に収入を上げなくても、特定の条件を達成することで受給額が増える特例という制度があります。
特に、最近では定年の年齢が上がっていたり、セカンドライフとして再就職をする場合もあります。
大家さんをしている場合などには、定年はなく、ずっと収入を得ている場合もありますよね。
そういった、定年以後も収入を得ている人にとってはこの特例を使用できるチャンスになります。
それではいった厚生年金についている特例とは一体どういったものなのかを見ていきましょう。
厚生年金保険についている特例は2種類の受給を受けることができる
厚生年金保険に加入している場合、60歳から65歳になるまでこの特例を受けることができます。
もちろん条件は満たしていないといけませんが、それは次に紹介していきます。
特例を受けることができる対象者は、定額部分と、加給年金の2種類の特例を受けることができます。
人によってはこれは、数百万円変わってくることも有るので、しっかりと計算をして定年後どのように働いていくのかを検討するのか非常に大切になってきます。
定額部分というのは、どんな家族構成であっても変動せずに確実にもらうことができる年金です。
ただ、加入期間によって値段は変わっていきます。
反対に加給年金は、妻子によって決まってくる額なので、仮に子供がたくさんいるならばそれに合わせて高額になっていきます。
この特例の金額は人によって変わってくるので、しっかりと計算をして確認をしておきましょう。
特例の対象はいくつか条件を満たしていないといけない
特例の対象になるためには、いくつかの条件を満たしていないといけません。
まずは、昭和16年以降に生まれていることです。
女性の場合には昭和21年以降になります。
現在働いている方は大抵の場合はクリアしているのではないでしょうか。
また、厚生年金に加入している期間が、44年以上ないといけません。
更に、被保険者であるのを現在はやめていることも条件です。
そのため、被保険者期間が44年経ったら特例を受けながら、厚生年金の範囲外となるパートなどをすることは可能になっています。
特に定年後も働きたいと考えている方は、65歳になるまでは厚生年金の対象にならないパートや、不労所得を得ることで働くのも1つの選択になりますよ。
特例によってかなりの年金額が増額される
説明だけではいまいちよくわからない方もいるかと思うので、実際にシュミレーションしていきましょう。
まずは、60歳から特例を受けることができれば、5年間で725万円を受け取ることができます。
これに加えて、国民年金や厚生年金を受け取ることが出来るため、かなりの高額になってきます。
また、63歳からであったとしても、2年間で290万円を受け取ることが出来るため、老後にローンの最後の払込などが残っている場合には年金で支払いを完了することも出来るようになります。
特例開始期間 | 60歳から | 63歳から |
定額部分 | 85万×5 | 85万×2 |
加給年金部分 | 妻・子供:60万×5 | 妻・子供:60万×2 |
合計 | 725万 | 290万 |
ただ、60歳から特例を受け取りたいと考えていても、それまでに厚生年金の加入期間が44年なければいけません。
そのため、60歳から特例を受けるためには中学卒業後すぐに働き、そこからずっと厚生年金を支払い続けなければいけません。
また、63歳から受け取る場合には高校卒業後ずっと厚生年金を支払っていたということなので、大学を卒業してから働き始めるかたの場合には特例を受けることは難しくなっています。
厚生年金って一体加入期間はどのくらいのものなの?
厚生年金は、働き始めたら加入するというイメージが強いかと思いますが、実は60歳や65歳以上になっても厚生年金に加入し続けることは可能です。
特に、国民年金は60歳まで保険料を支払い続けることから60歳が上限だと考えている方もいるかもしれませんが、70歳以上でも希望すれば支払うことは可能です。
保険料を希望して支払うことは不思議かもしれませんが、実は、厚生年金を支払ったほうがお得だったりする場合もあります。
また、人によっては定年後も働いているので、その場合には年金受取時期を繰り上げて、その分積み立てる場合もあります。
特に最近は高齢化社会となり、死亡年齢もどんどん上がっているので働くことが出来る年齢も上がっていますよね。
定年以後は、厚生年金は一体どのような人が支払うのか、早速見ていきたいと思います。
年齢 | 名称 | 概要 | 追記 |
60歳~65歳 | 在職老齢年金 | 厚生年金減額・
支給停止 |
厚生年金支払い受給がかぶらないようにするため |
65歳~70歳 | 在職老齢年金 | 厚生年金減額・
支給停止 |
厚生年金支払い受給がかぶらないようにするため |
70歳 | 高齢任意加入被保険者 | 保険料全額自己負担 | 足りない加入期間を追加するため |
60歳から65歳までは在職老齢年金を利用することが出来る
まず見ていきたいのは、60歳を超えても働いている人の場合です。
特に、60歳から65歳までを考えていきましょう。
厚生年金は一般的に、65歳を超えたら受給することが出来るようになっています。
しかし、人によっては60歳以後65歳未満で受給することが可能です。
しかし、そこで働きながら受給してしまうと、厚生年金を支払いながら厚生年金を受け取ることになってしまいます。
そうなるとおかしな状況になってしまうため、在職老齢年金を利用することになります。
在職老齢年金とは、受給する厚生年金の一部、もしくは全額の支給停止をすることになっています。
これは給料や厚生年金から計算されるようになっていますが、なんだか損をした気分になってしまいますよね。
ただ、65歳から厚生年金を受け取るようにしているのであれば問題はなく、在職老齢年金を利用することにもならないため、注意していつから厚生年金を受け取るのかを確認しておきましょう。
65歳から70歳までも厚生年金は払い続けなければいけない
自分は65歳から厚生年金を受け取ることはしているけれども、70歳までは現役で働き続けると考えている方もいるのではないでしょうか。
そういった方が注意しておきたいのは、70歳まで在職老齢年金の制度は採用されるということです。
しかし65歳までと違うのは、計算方法が変わってくるということです。
65歳までは、年金と月収が合わせて28万円以下だと、厚生年金も支給されます。
しかし、65歳を超えて70歳になるまでは年金と月収を合わせて、47万円以下であれば厚生年金は支給されるようになります。
もちろん47万円以上であれば、ある程度の額が支給停止になるのですが、頑張って働いたとしても、年をとるにつれて厚生年金の受給額も増えていくということができます。
加入期間が足りなければ高齢任意加入被保険者になることができる
最後に見ていきたいのは、高齢任意加入被保険者制度です。
これは何かというと、70歳になっても受給することができる加入期間に到達していない場合に、それ以降も保険料を支払うことで本来は受け取れなかった厚生年金を受け取ることができるようになるという制度です。
特に、厚生年金は全員が加入するわけではなく、厚生年金制度がある会社にいる場合にのみ加入することができます。
そのため、ずっと働き続けていても、実は途中で独立していたりすると、厚生年金の加入期間が足りないという場合もあります。
厚生年金の保険料は、本来は会社と被保険者が折半で支払うことになっています。
しかし、高齢任意加入被保険者の場合には、基本的には全額が自分で支払うことになっています。
ただ、事業主が同意した場合には折半して支払うことができます。
まとめ
厚生年金は国民年金と同様に公的年金ではありますが、全ての人が加入する義務があるわけでもありません。
そのため、実は厚生年金の受給額は人によってかなり差があります。
また、従来の会社と違い、中途退職や、転職、フリーランスなど様々な職業形態になってきています。
そのため、人によっては働いていた一時期だけは、厚生年金に加入していたという人がどんどん増えてきています。
もちろん自営業者からすると厚生年金は関係のないことですが、公務員などは退職するまでずっと支払い続ける大切な年金制度ですよね。
老後の事を考えていくには、自分がどういった年金制度を利用することができるのか、まずはしっかりと理解することが大切です。
特に、よくわからないまま気がついたら支払っていたということになってしまったら、非常に勿体無いことになってしまいます。
厚生年金の計算方法は難しいかもしれませんが、しっかりと向き合うことによって、老後に向けての資産運用も明確にわかってきます。
また、人によってはおもったよりも積み立てる必要がないと気づく場合もあるのでしょうか。
ぜひ一度、厚生年金の受給額はどのくらいなのか確かめてみてくださいね。