自動車保険は加入するべきなの?その必要性と補償内容を解説!

憧れの自家用車をいよいよ購入する予定を決めて有頂天なあなた、通勤やレジャーで利用しようとお考えになっていることでしょう。

しかし、もう一つ考えなければならないことは保険への加入です。自動車であってもバイクであっても自賠責保険には必ず入らなければなりません。未加入だと行政からペナルティを受けてしまいます。

では自動車等を購入する際、自賠責保険だけに加入すればそれで足りるかといえば、そうとは限りません。

ご自分が、もし自動車事故を起せば、高額な賠償責任が課せられることは十分考えられます。

裁判で億単位の賠償命令を受けた場合、自賠責保険ではとても足らず、ご自分の貯蓄や財産を処分して賠償しなければいけない事態にもなります。

そんな、深刻な事態に陥った時に金銭的なサポートを期待できるのが、「自動車保険」です。

この保険は任意に加入する保険商品ですが、自賠責保険の不足を補填する心強い備えとなります。

補償内容も多岐に渡りますが、保険料も一律ではなく様々な条件を加味して決定されます。

そこで今回は、自動車保険の特徴、補償内容と注意点について解説します。この記事を読めば、自動車保険の基礎知識と、その必要性がよくおわかりになることでしょう。

1.自動車の保険加入について

私は運転免許も取得し、いよいよ自分が憧れていた自家用車を買いたいと思います。

その際には、自賠責保険へ必ず加入するようにと言われました。でも、自賠責保険へ加入しさえすれば、あとは大丈夫なのでしょうか・・・?

・・・残念ながら大丈夫とは言い切れません。現在のクルマ社会では、更なる手厚い保険による備えが重要となります。

こちらでは、自賠責保険の補償内容と、自動車保険の役割について解説します。

1-1.自賠責保険は絶対加入!

自賠責保険は、自動車・バイクが公道を走る場合、法律上加入が義務付けられている「強制保険」です。

〇義務を怠ると重いペナルティが

この義務を怠ると、ドライバーは行政から大変重いペナルティを受けることになります。

ドライバーがたとえ事故を起こさなくても、未加入で運行したならば1年以下の懲役または50万円以下の罰金が科せられます。

また、仮に保険へ加入していても、自賠責保険の証明書を所持していない場合は30万円以下の罰金を受けます。

当然、無保険での運転は交通違反となり違反点数6点が付され、即座に免許停止処分となります。気を付けましょう。

〇自賠責保険の補償金額

補償内容は次の通りです。内容は事故被害者・遺族の救済のみが対象となります。

補償金額
①死亡事故
・死亡事故による傷害:最高3,000万円

・死亡へ至る傷害による損害:最高120万円

②傷害事故
・傷害による損害:最高120万円

・介護が必要となる後遺障害:最高4,000万円

・その他の後遺障害:最高3,000万円

1-2.高額化する賠償請求

前述した通り自賠責保険の補償金額は最高4,000万円(介護が必要となる後遺障害の場合)です。

ただし、実際の交通事故で裁判になった場合、この金額をはるかに上回る賠償命令の下る恐れがあります。

平成23年11月1日の横浜地裁判決では死亡事故に対して、5億843万円の賠償金額が判示されました。

一方、被害者が後遺障害になった事故であっても高額賠償になり、平成23年2月18日の名古屋地裁判決では、3億7,829万円の賠償金額が判示されました。

このように一度自動車事故を起こせば、億単位に上る賠償金額が必要となるケースも存在します。

1-3.自動車保険の役割とは

自賠責保険の補償金額をはるかに上回る賠償金額、そして自賠責保険の補償はあくまで対人賠償責任に限定されます。

次のような補償には、自賠責保険だけでとても対応ができません。

  • 対人賠償責任が発生し自賠責保険の補償範囲をはるかに超える賠償金額になった
  • 自動車を運転中に他人の物を壊してしまった
  • 運転者であるご自分や同乗者がケガをした
  • 自分の自動車が盗難されたり自然災害等で破損したりした

上記のようなトラブルの中には、たとえドライバーであるご自分が十分に注意を払っていても、発生してしまうものもあります。

自賠責保険では対応しきれない賠償金額、そして保障範囲外のトラブルに対し、金銭的にサポートする役割を担うのが自動車保険(車両保険)」なのです。

2.自動車保険について

やはり、自賠責保険だけに加入しても不安です。

私の友人が、車を購入してすぐに自動車保険へ加入した、と言っていました。

自動車保険とはどんな保険なのでしょう?詳細を知りたいです・・・。

こちらでは、自動車保険の特徴と、その加入方法について解説します。

2-1.自動車保険とは

自動車保険は、自動車のために加入する任意の保険商品です。つまり、この保険に加入するかどうかは、ご自分の意思次第と言えます。

この自動車保険は、人身事故を起こした際の補償金額や、 対物事故等を起こしてご自分が負う高額な賠償金の支払を補償します。

また、被害者の救済のみならず、ご自分が事故でケガ等の被害を負ったときの補償など、いろいろな補償を約束する内容となっています。

自動車保険は損害保険会社で取り扱われており、各社とも基本補償(対人対物賠償)はもちろん、ユニークや特約や割引制度を実施し、他商品と差別化を図っています。

2-2.自動車保険の特徴

自賠責保険に加入する場合も、損害保険会社が扱う商品を選んで保険契約を行います。

しかし、どの商品も「1-1.自賠責保険は絶対加入!」で説明した通りの補償内容となっています。

また、車種によって保険料も統一されており、車検を行う際、基本的に25ヶ月や37ヶ月という形で、まとめて保険料を支払うことになります。

自動車保険は、年齢や等級・車両料率クラス等で保険料が様々に異なります(保険料の違いについては第5章で解説)。

また、補償内容も非常に豊富で次のようなサービスがあります。

  • 対人賠償保険
  • 対物賠償保険
  • 自損事故保険
  • 搭乗者傷害保険
  • 無保険車傷害保険
  • 人身傷害補償保険
  • 弁護士費用等特約
  • 代車費用特約
  • 他車運転特約
  • 対物超過修理費用特約

補償内容については第3章以降で解説していきます。

2-3.自動車保険へ加入するには

自動車保険は、保険加入者の年齢、性別、車種・年式、免許証の色等により、さまざまな条件で保険料が変わります。

また、保険会社間でも保険料に差はあるので、保険選びの際は複数の保険会社の資料を収集し、比較検討していきましょう。

選んだ自動車保険へ申込を行う前に、まずは保険会社に見積もりを頼みましょう。最近ではインターネットで契約ができるため、事前にご自分でどの位の保険料とになるか見積もりを出すこともできます。

見積もりを出してご自分がその料金に納得できたら、契約を申し込みましょう。

申込の際の必要書類は次の通りです。

  • 申込書:保険会社から取得します。
  • 車検証
  • 運転免許証
  • 保険証券:別の保険契約がある場合に必要となります。

また、保険加入後、契約内容を変更したい場合はやはり手続きが必要です。

  • 車両を変更した→新しい自動車の車検証
  • 新しい住居へ引越しした→住所変更後の車検証
  • 自動車の所有者の変更→名義変更をした車検証
  • 運転者の範囲、年齢条件等の変更→申込書等の提出が必要なことも

3.自動車保険の補償内容その1

自動車保険の補償内容は、自賠責保険よりも範囲が広く、まさかのとき頼りになる商品のようですね。

では、その補償内容を具体的に知りたいです・・・・。

こちらでは、自動車保険の基本補償や搭乗者のための保障等を解説します。

3-1.対人・対物賠償

自動車保険の基本補償となっているのが、この対人・対物賠償保険です。全ての自動車保険ではこの2つが基本補償となり、その他の補償は基本補償となるか、自由にカスタマイズして組み合わせるかのどちらかになります。

〇対人賠償保険

ご自分が自動車事故を起こし賠償責任を負った際、自賠責保険で賄えなかった賠償金額の差額分が補償されます。

(1)下りる金額

自動車事故では、死亡事故等を引き起こしたならば、裁判所から数千万円~億単位の損害賠償を言い渡されることになります。

損害保険会社も高額賠償を考慮し、補償金額の設定を最高「無制限」としていることがほとんどです。

実際のところ保険加入者も、補償金額の設定を無制限としている割合が圧倒的に多いです。

(2)他人の範囲

対人賠償が補償されるのは「他人」だけです。ご自分はおろか、配偶者や生計を一にしている親族、更に血がつながっていなくてもご自分の車を借りた友人等、すべて他人とは扱われません。

一方、あかの他人はもちろん、ご自分の車を運転していない友人、既に独立し生計が別になっている子供の場合は、「他人」扱いとされます。

(3)対人賠償保険が下りるケースとは?(事例)

こちらでは事例を上げて対人賠償保険が下りるか否かを解説します。

(例)

  • 事故:保険加入者の単独事故
  • 同乗者1:配偶者
  • 同乗者2:子供(別居・仕送り有)
  • 同乗者3:保険加入者の兄(別居・生計別)

この場合、死傷事故が起きたとしても保険加入者本人はもちろん、配偶者や子供も他人ではなく、対人賠償保険では補償されません。

一見、子供は別居しているので他人と扱われそうなものですが、保険加入者本人から仕送りされている以上、「生計を一」にしていると認められ、補償対象外です。

このケースでは、保険加入者本人と別居し、生計も別である兄のみが補償対象になります。

搭乗者を補償範囲に設定したいなら、「搭乗者のための補償」を契約内容に加えることが必要です。

〇対物賠償保険

ご自分が自動車事故で、他人の財産を損壊した場合に対象となる補償です。車をご自分の家やガレージ等にぶつけても補償対象外です。

(1)下りる金額

こちらは人命にかかわるほど深刻な事態ではないですが、高額な賠償金を請求されるケースもあります。

そのため、損害保険会社も対人賠償保険と同様、補償金額の設定を最高「無制限」としていることがほとんどです。

(2)補償の範囲

対物賠償保険は直接の損害のみならず、間接的な損害も含まれます。

①直接損害

  • ぶつけた他人の車・建物等の修理費用
  • レッカー費用
  • ガードレール、道路等の補修費用

②間接損害

  • ぶつけた商業用車両・商業施設等の逸失利益
  • 施設や車両が使えなくなった間の従業員給与

このように、対物賠償の相手方へ、事故が起きなければ得られたはずの利益も補償範囲に入ります。

そのため、対物賠償といえども、事故を起こしたご自分にとって想定外の高額賠償が命じられることもあります。

たとえ人の生命・身体にかかわる事故でなくても、補償金額を無制限と設定する方が無難です。

3-2.搭乗者のための補償

対人・対物賠償保険で補償できない事故トラブルに関しては、こちらの補償で対応することになります。

〇搭乗者傷害保険

こちらは運転手を含む搭乗者が交通事故でケガをしてしまった場合、その損害を補償する保険です。部位や症状にもよりますが5万円~60万円が支給されます。

(1)補償対象者は広い

保険加入者本人・他人はもちろん、配偶者や同居の家族も補償対象です。運転者本人の過失割合100%の事故であっても、また単独事故でも補償されます。さらに、この搭乗者傷害保険を利用しても等級に影響はありません。

(2)保険金が支払いの有無

搭乗者傷害保険は、酒気帯び・無免許運転の場合は当然補償対象外です。更に、保険加入者本人のわざと起こした事故、重大な過失の事故もやはり補償されません。また自然災害の種類によっては補償されない場合があります。

①保険金が支払われるケース

  • 搭乗者がシートベルト・チャイルドシート等を使用していた
  • 台風、洪水、高潮

②保険金が支払われないケース

  • 搭乗者の定員オーバー
  • 車両の窓から身を乗り出し、障害物等に激突
  • 荷台に乗車
  • 車両から降車した後の事故
  • 地震、噴火、津波

※車の乗降時、ドアを閉めた際に指を挟んだ等のケガは、保険会社によって保障範囲が分かれます。

〇自損事故保険

ドライバーの不注意で起こしてしまった単独事故で、ご自分や一緒に乗っていた家族等が死傷をした場合に補償されます。なお、自損事故保険を使うと翌年は3等級ダウンとなります。

なお、死亡事故等が起きた場合、こちらに加入していても無制限補償ではなく、上限額は設定されています。下表を参考にしてください。

保険金 金額
死亡保険金 1,500万円
後遺障害保険金 50万円~2,000万円
介護費用保険金 200万円~350万円
医療保険金

入院:日額6,000円

通院:日額4,000円

〇人身傷害補償保険

自動車事故が起きて加入者本人がケガをした際、過失の割合に関係なく保険金が支払われます。下りる保険金は保険加入時に設定します。

この補償は、たとえご自分が自動車運転していない場合でも対象になります。

①運転中

  • 自分の過失が多い自動車事故
  • 相手の過失が多い自動車事故
  • 単独事故
  • 当て逃げされた
  • 歩行者をはねた事故 等

②運転中以外

  • 保険加入者本人の歩行中の自動車事故
  • バス、タクシーに乗っているとき事故に遭った 等

3-3.こんな補償もある

自動車保険は任意の保険ですが、対人賠償保険(共済)の加入率は全国平均で87.3%(2014年)です。逆に言えば12.7%の自動車は、十分な賠償が期待できない状態で現在も利用されている可能性があります。

自動車事故がおきた時に、その当事者が保険未加入の場合も考えられるので、そのリスクを回避するために考案されたのが「無保険車傷害保険」です。

この補償があれば、相手が自動車保険に未加入でも、ご自分の自動車保険契約から補償できるようになります。

多くの自動車保険では、無保険車傷害保険が自動で付帯されています。ただし、補償の範囲が、死亡または後遺障害を負ったケースに限定されていることは留意しておきましょう。

4.自動車保険の補償内容その2

自動車保険はいろいろなケースで補償が下りるので、保険加入すれば精神的にも安心します。

この自動車保険がお得になるサービスや、手厚い補償が受けられる特約等は、他にないでしょうか・・・・?

こちらでは、自動車保険に追加すればお得で便利な特約、割引サービス等を解説します。

4-1.お得な特約・割引

自動車保険を保険会社のホームページで探している時、必ずと言って良いほど目につくのが「インターネット割引」・「弁護士費用特約」でしょう。

こちらでは、この2つの割引、特約について解説します。

〇インターネット割引

インターネットを利用した通販型自動車保険へ加入する場合、各保険会社では「最大1万円割引」、「50%割引」というように優遇措置を講じています。

ただし、自動車保険の見積もりはご自分で行う必要があり、パソコン操作に不慣れな人や、面倒なので保険会社任せで見積もりを行いたい人には不向きと言えます。

また、インターネットを利用した見積もり・申し込み手続きで、どうしてもわからない点があれば、保険会社のカスタマーセンターに問い合わせて確認してみましょう。

〇弁護士費用特約

この特約を主契約に付加すると、自動車による人身事故・物損事故の被害に遭った場合に、相手方へ損害賠償請求を行うときに発生する弁護士費用等が補償されます。

他に訴訟費用、法律相談費用等もこの特約の対象です。多くの保険会社がこの保険金の上限を、事故1回につき概ね300万円としています。

4-2.ユニークな割引制度

他にも各保険会社が工夫を凝らした次のような割引制度もあります。

〇運転者限定割引

保険商品の中には、「家族限定」・「夫婦限定」・「本人限定」と、運転者を限定することで保険料を安くできる割引があります。

ただし、運転者を限定する範囲は各保険会社とも異なり、「家族限定」はほぼ全ての保険会社が扱っていますが、「夫婦限定」・「本人限定」は取り扱う会社は少なくなります。

ご自分の家族構成に合った限定割引を、保険選びのポイントにするのも良いでしょう。

〇ゴールド免許割引

優良ドライバーが得をする割引制度です。ちなみに契約車両を最も運転する人(記名被保険者)を基準として、割り引くかどうか判断されます。

つまり、契約車両を最も運転する人がゴールド免許であれば、他の家族が契約車両をたまに利用しても、ゴールド免許割引が適用されます。

〇セカンドカー割引

ご自分が2台目の車を購入して新規の保険契約をすれば、この2台目が6等級ではなく、7等級からスタートできる制度です。

等級が上がればそれだけ保険料は安くなります。ただし、この割引制度には次の条件があります。

  • 1台目の車が11等級以上
  • 1台目の用途車種が自家用8車種:①自家用普通乗用車、②自家用小型乗用車、③自家用軽四輪乗用車、④自家用小型貨物車、⑤自家用軽四輪貨物車、⑥自家用普通貨物車(最大積載量:0.5トン以下)、⑦自家用普通貨物車(最大積載量:0.5トン超2トン以下)、⑧キャンピング車
  • 1台目の所有者が個人
  • 2台目が新規の保険契約
  • 2台目も自家用8車種
  • 2台目の所有者が、①1台目の記名被保険者と同じ人か、②その配偶者、③同居の親族、④1台目の所有者と同じ人であること
  • 2台目の記名被保険者が、①1台目の記名被保険者と同じ人か、②その配偶者、③同居の親族であること

〇新車割引

新車として初度登録された年月(軽自動車:初度検査年月)より一定期間割引を受けることができます。

なお、全ての保険会社で扱われている割引ではなく、割引対象の車種や割引率、期間等も保険会社でそれぞれ異なります。

4-3.加入していればお得な特約

こちらでは、加入しておいたら助かる特約を取り上げます。

〇対物超過修理費用特約

対物賠償保険の補償対象となる自動車事故で、相手方の自動車に時価額を超える修理費用が発生すれば、その差額が補償されます。

ほとんどの保険会社では、時価額・修理費用の差額へ過失割合に乗じた金額を、1事故1台につき上限50万円を補償するのが一般的と言えます。

〇他車運転特約

友人の車・レンタカーのような他人の車で事故を起こし、賠償責任が発生した場合、ご自分の自動車保険から保険金が下りる特約です。

ただし、補償対象は自家用8車種に限定され、通常の保険利用と同じく3等級ダウンしてしまいます。

〇新車特約

自動車事故で車が全損、または半損(保険金額の50%以上)になった場合、新車を買う際の費用を補償してくれる特約です。

〇車両全損時諸費用特約

車両が万一にも全損となったら、廃車にするために必要な費用、または車の買い替えに必要な諸費用が補償される特約です。

ただし、ほとんどの保険会社は補償金額を「車両保険の10%(20万円を上限)」と設定しています。

※その他にも、自動車そのものとは関係ないものの、車内に積んでいた荷物、車外のキャリアに固定していた荷物が事故で破損した場合に、それらを補償する「身の回り品補償特約」等があります。

5.自動車保険の保険料について

保険料の割引等がいろいろ自動車保険にはあるようですが、保険料はどうやって決まるのでしょうか?

保険料の決め方について是非知りたいです・・・。

こちらでは、自動車保険の保険料の決め方について解説します。

5-1.保険料はどう決まる?

自動車保険の保険料は、例えば生命保険のように加入年齢・性別ごとに料金があらかじめ決まっているわけではありません。

いろいろな条件が考慮され保険料は決定されていきます。つまり、同年齢・同性でも、自動車を利用する諸条件によって全く保険料が異なることもあるのです。

自動車保険は、主に次のような条件で算出されることとなります。

  • 用途・車種:自動車の用途や車種で判断されます。
  • 型式別料率クラス:契約車両がどの型式かにより保険料は異なります。詳細は後述します。
  • 新車・新車以外:安全性をみれば保険料は新車が有利(安く)なります。
  • 保険金額・免責金額:保険加入時に設定する保険金額、免責金額によっても保険料は変化します。
  • 年齢:契約車両を運転する人の年齢により保険料は異なります。
  • 等級:等級の高さで保険料は異なります。詳細は後述します。
  • 運転者限定:補償対象となる運転者の範囲で保険料は異なります。

5-2.等級とは何か?

等級とは、運転する人の事故歴等の優良度を測る尺度となります。概ね等級は1等級~20等級まであります。

この等級の数字が高ければ高いほど、保険料の割引率も大きくなり、保険料は軽減されることになります。

ただし、初めて保険に加入した時は6等級から開始します。加入後、1年間に保険を利用しなかったならば、次年度に等級が1つ上がります。

〇等級は保険を利用すると下がる?

等級が下がるのは、原則として自動車事故等が発生し、保険加入者が保険金を請求した場合です。

また、保険金を請求したら一律に等級が一つだけ下がるのではなく、一気に3つ下がる場合もあれば、保険金を請求しても等級が下がらない「ノーカウント事故」となる場合もあります。

例えば、他人の車両との衝突事故・単独事故で保険金を請求すると、次年度に等級が3つ下がってしまいます。

一方で、ノーカウント事故に該当するならば、無事故と同じであり翌年は等級が1つ上がります。こちらは前述した搭乗者傷害保険、無保険車傷害保険が当てはまります。

無事故等級・事故有り等級

自動車保険が同じ等級であっても、事故を起こさなかった場合と、事故を起こした場合とで、保険料の割引率がそれぞれ異なります(ただし、1等級~6等級までは同じ)。

ただし、ずっと事故有り等級とされるわけではなく、例えば3等級ダウン事故を起こしても、次年度の契約から3年間無事故ならば、再び無事故等級へ戻ることになります。

5-3.車両料率クラスとは何か?

車両料率クラスとは、損害保険料率算出機構が決定している基準です。こちらは車の危険度を表すことになります。

こちらの場合、等級とは逆に、数字が小さければ保険料は安く、大きければ保険料が高くなります。下表を参考にしてください。

料率クラス(料率) 車種 型式
1(1.0倍) ニッサン・サファリ WYY60
2(1.2倍) トヨタ・RAV4 ACA21W
3(1.4倍) ホンダ・CR-V RD4
4(1.6倍) マツダ・MPV LVLW
5(1.9倍) ミツビシ・パジェロ V25C
6(2.4倍) スバル・インプレッサ GC6
7(3.0倍) トヨタ・エスティマエミーナ CXR11G
8(3.6倍) ニッサン・バネット KUGC22
9(4.0倍) トヨタ・カローラ、クラウン LS141

6.自動車保険の注意点

自動車保険は、自動車を運転する場合は自賠責保険と同様に備えておきたいですね。

では、自動車保険に加入の際、注意すべき点は何かあるのでしょうか・・・?

こちらでは、自動車保険で注意すべき点と、車両保険の必要性について解説します

6-1.自分の車は補償外?

自動車保険は、補償範囲が広くユニークな割引や特約もあって、頼りになる商品と言えます。

しかし、これまで解説してきたように自動車保険は、車を走行中の対人対物賠償、保険加入者や搭乗者の死傷等を補償の対象としています。

つまり、自分の車そのものを補償する保険ではないということです。ご自分の車が盗難や、落書き等をされてしまった場合は、残念ながら保険金は下りません。

ご自分の車も手厚い補償を受けたいならば、「車両保険」へ加入する必要があります。

この車両保険については次項で解説します。

6-2.車両保険とは

自動車保険の1種で、自分の財産である自動車を補償する保険です。補償される事故・被害等は下表を参考にしてください。

①単独事故
・電柱やガードレール等への衝突

・他車や自転車との衝突や接触

・墜落・転覆

②自然災害等
・台風、竜巻、洪水、高潮

・火災や爆発

・物の飛来、落下

③盗難・いたずら等
 ・盗難

・落書きやいたずら被害

・当て逃げ被害

・労働争議等による暴動被害

6-3.車両保険で気を付けるべき点

車両保険で補償される内容には、ご自分が相当注意していても、避けられないようなアクシデントがあります。

ただし、前述した「②自然災害等」、「③盗難・いたずら等」が原因で保険金を請求した場合、“1等級ダウン事故”にカウントされてしまい、残念ながら翌年の保険料はその分高くなってしまいます。

理不尽なようにも思われますが、ご自分に過失が無くても、このようなことになってしまうので、よほど修理費用等が高額にならなければ、保険金請求は行わない方が無難です。

7.まとめ

自動車保険は、任意保険ではありますが、できるだけ加入することが大切です。

その際、非の打ち所がないような、手厚い補償を設定するのも良い方法です。

しかし、走行距離が短く、たまにしか自動車を利用しないならば、本当に必要な対人・対物賠償保険の他、最低限の補償のみを設定するだけでも問題は無いでしょう。

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